| 【発明の名称】 |
潤滑機械要素の油溜り形成方法、潤滑機械要素、ピニオン、歯車、ラック、ねじ軸、スプライン軸およびステアリング装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 伸治
【氏名】渡辺 靖
【氏名】原 直樹
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| 【要約】 |
【課題】油膜の形成に力を貸す多数の油溜りを効率よく形成する潤滑機械要素の油溜り形成方法を提供する。
【解決手段】本発明による油溜り形成方法は初めに円筒状ピニオン素材1にら旋状に溝2を刻設する。次に、ピニオン素材1のら旋状溝2を含む領域に溝の底部を残すように、ギヤ歯3を成形する。残された溝の底部を油溜りに充てる。溝加工を施すことなく、ギヤ歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 機械要素素材の外周面にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、前記機械要素素材の溝またはくぼみを含む領域に前記溝またはくぼみの底部を残すように、歯を成形する工程を含み、残された前記溝またはくぼみの底部を油溜りに充てる潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項2】 前記歯を成形する工程が塑性加工で歯を成形する請求項1記載の潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項3】 請求項1または2に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがない潤滑機械要素。 【請求項4】 ピニオン素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、前記ピニオン素材の溝またはくぼみを含む領域に前記溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でギヤ歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製されるピニオン。 【請求項5】 前記ギヤ歯を成形する工程がインボリュート形ギヤ歯または多角インボリュート形ギヤ歯を成形する請求項4記載のピニオン。 【請求項6】 請求項1または2に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがないピニオン。 【請求項7】 歯車素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、前記歯車素材の溝またはくぼみを含む領域に前記溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でギヤ歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される歯車。 【請求項8】 前記ギヤ歯を成形する工程が平歯または斜め歯を成形する請求項7記載の歯車。 【請求項9】 請求項1または2に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがない平歯または斜め歯を備えた歯車。 【請求項10】 ラック素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、前記ラック素材の溝またはくぼみを含む領域に前記溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でギヤ歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製されるラック。 【請求項11】 請求項1または2に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがないラック。 【請求項12】 円筒状機械要素素材の外周面にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、前記機械要素素材の溝またはくぼみを含む領域に前記溝またはくぼみの底部を残すように、ねじ山またはねじ溝を成形する工程を含み、残された前記溝またはくぼみの底部を油溜りに充てる潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項13】 前記ねじ山あるいはねじ溝を成形する工程が塑性加工でねじ山あるいはねじ溝を成形する請求項12記載の潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項14】 請求項12または13に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間のねじ山またはねじ溝が略平坦であり、前記ねじ面にバリがない潤滑機械要素。 【請求項15】 ねじ軸素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、前記ねじ軸素材の溝またはくぼみを含む領域に前記溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でねじ山またはねじ溝を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製されるねじ軸。 【請求項16】 請求項12または13に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間のねじ面またはねじ溝が略平坦であり、前記ねじ面にバリがないねじ軸。 【請求項17】 中空円筒状機械要素素材の内周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、前記機械要素素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に前記凹溝の底部を残すように、歯を成形する工程を含み、残された前記凹溝の底部を油溜りに充てる潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項18】 円筒状機械要素素材の外周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、前記機械要素素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に前記凹溝の底部を残すように、歯を成形する工程を含み、残された前記凹溝の底部を油溜りに充てる潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項19】 前記歯を成形する工程が塑性加工で歯を成形する請求項17または18記載の潤滑機械要素の油溜り形成方法。 【請求項20】 請求項17ないし19に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがない潤滑機械要素。 【請求項21】 中空円筒状スプライン軸素材の内周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、前記スプライン軸素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に前記凹溝の底部を残すように、塑性加工で歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される雌スプライン軸。 【請求項22】 円筒状スプライン軸素材の外周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、前記スプライン軸素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に前記凹溝の底部を残すように、塑性加工で歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される雄スプライン軸。 【請求項23】 請求項17または19に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがない雌スプライン軸。 【請求項24】 請求項18または19に記載の油溜り形成方法を用いて作製され、隣り合う油溜り間の歯面が略平坦であり、前記歯面にバリがない雄スプライン軸。 【請求項25】 それぞれの歯がかみ合う、ピニオンとラックとからなるギヤ組立て体を備えるステアリング装置において、前記ギヤ組立て体が請求項4または6に記載されたピニオンまたは請求項10または11に記載されたラックで構成されるステアリング装置。 【請求項26】 それぞれの歯がかみ合う、雌スプラインと雄スプラインとからなる伸縮軸を備えるステアリング装置において、前記伸縮軸が請求項21または23に記載された雌スプライン軸または請求項22または24に記載された雄スプライン軸で構成されるステアリング装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はグリース等の流体潤滑における油膜の形成に力を貸す多数の油溜りを効率よく形成する潤滑機械要素の油溜り形成方法に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、流体潤滑は機械要素の摺動面、ギヤかみ合い部、ねじ螺合部などの摩擦を少なくすると共に、油膜の厚さを保って摩耗を減少し、発生熱量を放散させることを目的とし、適正な油膜厚さを保持して機械・装置が運転に供されている場合、摺動面などの磨耗が大きく軽減され、機械・装置の寿命を引き延ばすことが可能である。油膜厚さは、たとえば荷重、速度のような機械的条件の変化、使用される潤滑剤の粘度の影響などにより常に変化するので、単に潤滑剤の供給で潤滑が満たされているとみるのは早計である。 【0003】 特に、動力伝達機構のギヤかみ合い部では歯車の面圧が大きいために歯車の面圧の変化が歯面に油膜を形成するうえで大きな影響を与える。よく知られるように、歯車の面圧が大きければ大きい程、油膜厚さは小さくなることから、歯面に強大な荷重が働いたとき、望ましい流体潤滑を維持することができず、潤滑機構が流体潤滑からより摩擦の大きい混合潤滑へと変化する。このとき、ギヤ歯が相手ギヤ歯と接触するときの摩擦が増大することによって歯面の摩耗が著しく大きくなる。 【0004】 このギヤ歯の摩耗を抑えるには油膜厚さの確保に力を貸す手段を備えるのが望ましい。安定した油膜の形成のためにウォーム減速機のウォームホイールのギヤ歯に潤滑油を保持する油溜めを形成するものがある(たとえば、特開平8−226526号公報参照)。 【0005】 ウォームのギヤ歯とウォームホイールのギヤ歯とが摺接する領域に位置する油溜めは油溜め内に溜められた潤滑剤を歯面に供給することで、歯面が一時的に油膜切れに陥っても、直ちに油膜を回復させることが可能で、安定した油膜の形成に役立たせることが可能である。 【特許文献1】特開平8−226526号公報、(第4頁、図3−5) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 ピニオン、歯車、ラック、ねじ部品、ボールねじ部品およびスプラインなどの潤滑機械要素に油溜りを形成する場合、伝達機構であるこうした機械要素の、たとえばインボリュート歯形またはねじ山の表面に油溜りを形成することになる。歯面に対する溝加工はホブなどの歯切り工具によって歯を加工した後、切削加工、レーザ加工、放電加工などによってなし遂げることが可能である。しかしながら、歯の創成以外に溝を加工するのは溝数が多くなればなる程、それだけ溝加工が難しくなり、効率的に加工することができない。 【0007】 一方、歯車などの歯面に対して油溜りを加工する場合、図33に示すように、溝加工を終了したとき、溝の入口にバリBが発生し、歯面に飛び出す形になる。飛び出したバリはその全てを取り除く必要があり、こうしたバリ取りのために多大な人手を掛けねばならず、歯車などの機械要素の製作に無駄が多くなる原因となっている。 【0008】 本発明の目的は油膜の形成に力を貸す多数の油溜りを効率よく形成することを可能にした潤滑機械要素の油溜り形成方法、その方法を用いて作製されるピニオン、歯車、ラック、ねじ軸およびスプライン軸を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明に係る潤滑機械要素の油溜り形成方法は機械要素素材の外周面にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、機械要素素材の溝またはくぼみを含む領域に溝またはくぼみの底部を残すように、歯を成形する工程を含み、残された溝またはくぼみの底部を油溜りに充てるものである。 【0010】 機械要素素材にら旋状溝を刻設するのは旋削工程による。これは旋盤の親ねじを用い、切れ刃を丸めたバイトを当てて正確に刻むことができる。また、機械要素素材に歯、たとえばギヤ歯を成形するのは塑性加工が好ましい。たとえばギヤ歯はラック形工具あるいは成形ロールによる転造で加工する。この転造によるギヤ歯の成形では歯の溝の底部を残す。このとき、残された溝の底部が流体潤滑に力を貸す油溜りとなる。 【0011】 このような油溜り形成方法によれば、潤滑機械要素素材に刻むら旋状溝により溝加工を施すことなく、ギヤ歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 【0012】 また、本発明のピニオンはピニオン素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、ピニオン素材の溝またはくぼみを含む領域に溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でギヤ歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される。 【0013】 さらに、本発明の歯車は歯車素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、歯車素材の溝またはくぼみを含む領域に溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でギヤ歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される また、本発明のラックはラック素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、ラック素材の溝またはくぼみを含む領域に溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でギヤ歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される。 【0014】 さらに、上記と異なる潤滑機械要素の油溜り形成方法は円筒状機械要素素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、機械要素素材の溝またはくぼみを含む領域に溝またはくぼみの底部を残すように、ねじ山またはねじ溝を成形する工程を含み、残された溝またはくぼみの底部を油溜りに充てるものである。 【0015】 機械要素素材にら旋状溝を刻設するのは旋削工程による。これは旋盤の親ねじを用い、切れ刃を丸めたバイトを当てて正確に刻むことができる。また、機械要素素材にねじ山またはねじ溝を成形する工程は塑性加工が好ましい。ねじ山またはねじ溝は一対の丸ダイスを用いた転造で加工する。この転造によるねじ山またはねじ溝の成形では溝の底部を残す。このとき、残された溝の底部が流体潤滑に力を貸す油溜りとなる。 【0016】 このような油溜り形成方法によれば、潤滑機械要素素材に刻むら旋状溝により溝加工を施すことなく、ねじ山またはねじ溝の成形に合わせて油溜りを効率よく形成することができる。 【0017】 本発明に係るねじ軸はねじ軸素材にら旋状溝、多数の直線状または環状溝もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設する工程、ねじ軸素材の溝またはくぼみを含む領域に溝またはくぼみの底部を残すように、塑性加工でねじ山またはねじ溝を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される。 【0018】 また、本発明に係る潤滑機械要素の油溜り形成方法は中空円筒状機械要素素材の内周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、機械要素素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に凹溝の底部を残すように、歯を成形する工程を含み、残された凹溝の底部を油溜りに充てるものである。 【0019】 このような油溜り形成方法によれば、潤滑機械要素素材に刻む凹溝により溝加工を施すことなく、歯の成形に合わせて油溜りを効率よく形成することができる。 【0020】 上記と異なる潤滑機械要素の油溜り形成方法は円筒状機械要素素材の外周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、機械要素素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に凹溝の底部を残すように、歯を成形する工程を含み、残された凹溝の底部を油溜りに充てるものである。 【0021】 このような油溜り形成方法によれば、潤滑機械要素素材に刻む凹溝により溝加工を施すことなく、歯の成形に合わせて油溜りを効率よく形成することができる。 【0022】 さらに、本発明に係る雌スプライン軸は中空円筒状スプライン軸素材の内周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、スプライン軸素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に凹溝の底部を残すように、塑性加工で歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される。 【0023】 また、本発明に係る雄スプライン軸は円筒状スプライン軸素材の外周面に周方向に沿うら旋状または多数の環状凹溝を刻設する工程、スプライン軸素材のら旋状または環状凹溝を含む領域に凹溝の底部を残すように、塑性加工で歯を成形する工程を含む油溜り形成方法を用いて作製される。 【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 本発明に係る油溜り形成方法について図面を参照して説明する。本実施の形態の潤滑機械要素はラックアンドピニオン式ステアリング装置のピニオンである。初めに、旋削工程でピニオン素材を所定の直径を有する丸棒に加工する。次に、図1(a)に示すように、このピニオン素材1にバイトを当ててら旋状に溝2を加工する。このら旋状溝2はリードを小さく保って密集して刻まれる。溝2は横断面略半円形である(図1(b)参照)。 【0025】 次に、図2(a)(b)に示すように、ピニオン素材1に塑性加工、たとえば転造加工でギヤ歯3を成形する。このギヤ歯3の歯形はインボリュート形である。この加工では歯面に歯すじ方向に交差する向きにら旋状溝2の底部が残る。溝2の底部以外は塑性加工で平滑な面になる。 【0026】 次に、旋削工程で、図3に示すように、ギヤ歯3以外のシャフト部分を所定の寸法に仕上げる。以上の工程を実施して図4(a)に示すようなピニオン4を得ることができる。ギヤ歯3の歯面に残されたら旋状溝2の底部は図4(b)に示す、流体潤滑に力を貸す油溜り5となる。 【0027】 上記の手順でピニオンを製作するとき、図4(b)に示すように、油溜り5の入口を含む平滑な面にはバリが発生しない。すなわち、先に溝2を加工し、その後、塑性加工でギヤ歯3を刻設するので、油溜り5の入口を含む平滑な面には従来の加工手順で見られたバリが発生しない。このため、従来の溝加工方法で欠かせないバリ取り作業を省略することができ、これにより、ピニオン製作において、大幅な省力を達成することが可能になる。 【0028】 このように本実施の形態においては、ピニオン素材に刻むら旋状溝により溝加工を施すことなく、ギヤ歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 【0029】 なお、ピニオン素材の外周面に刻む溝はら旋状溝に代えて、多数の直線状または環状溝、もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設してもよい。 【0030】 また、ピニオンのギヤ歯の成形は油溜りを残すことが可能であれば、転造に限られず、圧延、押し出し、引き抜き、精密鍛造、プレス加工など、いずれの塑性加工よってもよい。以下の実施の形態の塑性加工も同様に転造、圧延、押し出し、引き抜き、精密鍛造、プレス加工などいずれの塑性加工によってもよい。 【0031】 本発明の異なる実施の形態について説明する。潤滑機械要素はラックアンドピニオン式ステアリング装置のピニオンである。旋削工程でピニオン素材を所定の直径を有する丸棒に加工する。次に、図1(a)に示すように、このピニオン素材1にバイトを当ててら旋状に溝2を加工する。次に、図5に示すように、ピニオン素材1に塑性加工でギヤ歯6を成形する。このギヤ歯6の歯形は多角のインボリュート形である。図6に示すように、多角のインボリュート形は5つの辺7a、7b、7c、7d、7eを基準インボリュートの接線に従うある角度で結ぶことで形成される。 【0032】 この多角のインボリュート形の創成は図7に示すような金型8による。この金型8の刃部9は多角のインボリュート形に対応する5つの辺10a、10b、10c、10d、10eを有し、ピニオン素材1を金型8に通したとき、多角のインボリュート形を形成することができる。この加工では歯面に歯すじ方向に交差する向きにら旋状溝2の底部が残る。溝2の底部以外は塑性加工で平滑な面になる。 【0033】 この後、旋削工程でシャフト部分を所定の寸法に仕上げる。以上の工程を実施して図8に示すような多角のインボリュート形歯を有するピニオン11を得ることができる。ギヤ歯6の歯面に残されたら旋状溝2の底部は流体潤滑に力を貸す油溜り5となる。 【0034】 本発明の異なる実施の形態について説明する。潤滑機械要素はラックアンドピニオン式ステアリング装置のピニオンである。旋削工程でピニオン素材を所定の直径を有する丸棒に加工する。次に、図9に示すように、ピニオン素材1に塑性加工でギヤ歯6を成形する。このギヤ歯6の歯形は上記実施の形態と同じ多角のインボリュート形で、金型8(図7参照)を通して成形される。この後、旋削工程でシャフト部分を所定の寸法に仕上げる。以上の工程を実施して図10に示すようなピニオン12を得ることができる。 【0035】 なお、本実施の形態ではピニオン素材1にら旋状溝は加工されないので、ギヤ歯6には油溜りは形成されないが、たとえばこのピニオン12と組み合わせるラックに後記の油溜りを加工することで、油膜形成に役立つ潤滑機構を構成することが可能である。 【0036】 本発明の異なる実施の形態について説明する。本実施の形態の潤滑機械要素は歯車である。初めに、旋削工程で歯車素材を所定の直径を有する丸棒に加工する。次に、この歯車素材にバイトを当ててら旋状に溝を加工する。なお、本工程で加工されるら旋状溝は先に説明したピニオンのら旋状溝と同様にリードを小さく保って密集して刻まれる。次いで、図11に示すように、歯車素材13を鍛造金型14に押し込み、ギヤ歯15を成形する。この冷間鍛造でギヤ歯15を創成したとき、密集していた溝は冷間鍛造を経ることで溝と溝との間隔が広がると同時に、溝深さが浅くなり、図12に示すように、溝底部は流体潤滑に力を貸す油溜り16となる。油溜り16と油溜り16との間には平滑な面17が成形され、この面17が歯面を形づくる。 【0037】 鍛造成形手順をより詳しく説明する。再び、図11に戻って、初めに、上方から歯車素材13を鍛造金型14の導入部18aに挿入し、図示しない上型で歯車素材13を下方に押し込む。このとき、歯車素材13は案内部18bを通って塑性変形しつつ、歯形相補部19へと進み、歯車素材13に軸心に対して傾きを有するギヤ歯15が成形される。予め決めた位置まで歯車素材13を押し込むと、上型の移動が停止する。 【0038】 この後、上型を上昇させ、鍛造金型14の下方にあるノックアウト・ピン(図示せず)で歯車素材13の下端を叩くように押し上げ、鍛造金型14から成形した歯車を取り出す。以上の工程を実施して図13に示すような歯車20を得ることができる。 【0039】 このような手順で歯車を製作するとき、図12に示すように、油溜り16の入口を含む平滑な面17にはバリが発生しない。すなわち、先に溝を加工し、その後、塑性加工でギヤ歯15を刻設するので、油溜り16の入口を含む平滑な面には従来の加工手順で見られたバリが発生しない。したがって、従来の溝加工方法で欠かせないバリ取り作業を省略することができ、これにより、歯車製作において、大幅な省力を達成することが可能になる。 【0040】 なお、本実施の形態は油溜り16を形成するために歯車素材13にら旋状溝を刻設したものであるが、ら旋状溝に代えて、図14に示すように、多数の環状溝21を刻設してもよい。さらに、これに代えて、図15に示すように、歯車素材13の軸心に沿う直線状溝22を刻設してもよく、図16(a)(b)に示すように、歯車素材13にら旋状溝が交差するあや模様溝23を刻設してもよい。これらの溝21、22、23は旋削工程でバイトで刻むことができ、特に溝23はローレット加工で刻むようにしてもよい。 【0041】 一方、連続したこれらの溝に代えて、歯面に不連続の溝を加工するようにしてもよい。たとえば、図17に示すように、歯車素材13に多数のくぼみ24を刻設する。このようなくぼみ24は、たとえばブラスト加工によって不規則に刻むことも、あるいはポンチなどの適当な工具を用いて規則正しく刻むことも可能である。 【0042】 なお、本実施の形態では斜め歯を成形する手順を説明したが、別に製作する鍛造金型を用いて軸心に平行である平歯を成形することも可能である。 【0043】 このように本実施に形態においては、歯車素材に刻むらせん状溝あるいは環状溝などにより溝加工を施すことなく、ギヤ歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 【0044】 本発明の異なる実施の形態について説明する。潤滑機械要素はラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックである。初めに、旋削工程でラック素材を所定の直径を有する丸棒に加工する。次に、図18に示すように、ラック素材25にバイトを当ててら旋状に溝26を加工する。このら旋状溝26はリードを小さく保って密集して刻まれる。次に、プレス工程において、図19に示すように、油圧プレスに取り付けた上型27と下型28との間にラック素材25を置き、ラムを作動させて上型27と下型28とに油圧を作用させ、ギヤ歯29を成形する。この加工ではギヤ歯29の歯面に歯すじ方向にら旋状溝26の底部が残る。溝26の底部以外は塑性加工で平滑な面になる。 【0045】 この後、ギヤ歯以外のシャフト部分を機械加工で仕上げる。以上の工程を実施して図20(a)(b)に示すようなラック30を得ることができる。ギヤ歯29の歯面に残されたら旋状溝26の底部は流体潤滑に力を貸す油溜り31となる。 【0046】 上記の手順でラックを製作するとき、油溜り31を含む平滑な面にはバリが発生しない。すなわち、先に溝26を加工し、その後、塑性加工でギヤ歯29を刻設するので、油溜り31の入口を含む平滑な面には従来の加工手順で見られたバリが発生しない。このため、従来の溝加工方法で欠かせないバリ取り作業を省略することができ、これにより、ラック製作において、大幅な省力を達成することが可能になる。 【0047】 なお、本実施の形態はラックのギヤ歯29の歯すじ方向に油溜り31を形成するのに代えて、図21に示すように、旋削工程で歯すじ方向に交差する向きに溝32を刻設し、歯すじ方向に交差する油溜りを形成してもよい。さらに、ラック素材25に刻む溝は多数の環状溝、あや模様溝、多数のくぼみを刻設してもよい。 【0048】 また、ギヤ歯の成形に用いる機械は油圧プレスに限られず、クランクプレスなどいずれのプレスを用いてもよい。 【0049】 このように本実施の形態においては、ラック素材に刻むら旋状または直線状溝などにより溝加工を施すことなく、ギヤ歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 【0050】 本発明の異なる実施の形態について説明する。潤滑機械要素は電動式チルト機構またはテレスコピック機構のねじ軸である。初めに、旋削工程でねじ軸素材を所定の直径を有する丸棒に加工する。次に、図22に示すように、ねじ軸素材33の外周面にバイトを当ててら旋状に溝34を加工する。ら旋状溝34はリードを小さく保って密集して刻まれる。溝34は横断面略半円形である。 【0051】 次に、図23に示すように、一対の丸ダイスDを用いる転造工程でねじ軸素材33にねじ山(またはねじ溝)を成形する。この転造加工では、図24に示すように、ねじ山35が成形される。転造加工を終えたとき、ら旋状溝34の間隔は広くなると同時に、深さが浅くなり、溝底部は流体潤滑に力を貸す油溜り36となる。以上の工程を実施して図25に示すようなねじ軸37を得ることができる。 【0052】 上記の手順でねじ軸を製作するとき、油溜り36を含む平滑な面にはバリが発生しない。すなわち、先に溝34を加工し、その後、塑性加工でねじ山35を刻設するので、油溜り36の入口を含む平滑な面には従来の加工手順で見られたバリが発生しない。したがって、従来の溝加工方法で欠かせないバリ取り作業を省略することができ、これにより、ねじ軸製作において、大幅な省力を達成することが可能になる。 【0053】 このように本実施の形態においては、ねじ軸素材に刻むら旋状溝により溝加工を施すことなく、ねじ山またはねじ溝の成形に合わせて油溜りを効率よく形成することができる。 【0054】 なお、ねじ軸素材の外周面に刻む溝はら旋状溝に代えて、多数の直線状または環状溝、もしくはあや模様溝あるいは多数のくぼみを刻設してもよい。 【0055】 本発明の異なる実施の形態について説明する。潤滑機械要素は雌スプライン軸である。図26において、初めに、図26(a)に示すように、表面処理工程で中空円筒状スプライン軸素材38の内周面39に化成被膜を形成する。これは後の塑性加工で焼き付きが生じるのを防ぐためである。次いで、(b)に示すように、旋削工程でスプラン軸素材38の内周面39に溝入れバイトを当てて周方向に沿う多数の環状凹溝40を加工する。凹溝40は図に示すスプライン嵌合長さLに等しい範囲に刻設する。 【0056】 次に、(c)に示すように、冷間鍛造工程でダイスを通してスプライン軸素材38を縮径する。加工後、スプライン軸素材38の内周面39は図に示すように絞られた内周面41として細くなる。この加工範囲は先に説明したスプライン嵌合長さLに見合う長さである。最後に、(d)に示すように、冷間鍛造工程で内周面41にダイスを通してスプライン歯42を成形する。鍛造工程を終えたとき、凹溝40と凹溝40との間隔は幾分広くなると同時に、溝深さが浅くなり、凹溝底部は流体潤滑に力を貸す油溜り43となる。以上の工程を実施して図27(a)(b)に示すような雌スプライン軸44を得ることができる。 【0057】 油溜り43はスプライン嵌合による伸縮軸を構成したとき、それぞれの油溜り43に適量の潤滑油を蓄えることができる。通常、油溜り43は図28に示すような溝幅Bと溝深さDとによって決まる容積に一定量の潤滑油を保持するが、たとえば油溜り分布に偏りがあると、スプライン嵌合長さの一部にしか潤滑油を保持できない。本実施の形態の凹溝40に基づいて形成される油溜り43はスプライン嵌合長さ全体に同じピッチPで規則正しく分布させるので、同一容積に、同じ量の潤滑油を保持することができ、これにより、長期にわたって伸縮軸の摺動部に潤滑油を供給することが可能になる。 【0058】 上記の手順で雌スプライン軸を製作するとき、油溜り43を含む平滑な面にはバリが発生しない。すなわち、先に凹溝40を加工し、その後、塑性加工でスプライン歯42を刻設するので、油溜り43の入口を含む平滑な面には従来の加工手順で見られたバリが発生しない。したがって、従来の溝加工方法で欠かせないバリ取り作業を省略することができ、これにより、雌スプライン軸製作において、大幅な省力を達成することが可能になる。 【0059】 なお、油溜り43を規則正しく分布させるのは環状凹溝40に限られない。スプライン軸素材の内周面にら旋状凹溝を刻設しておき、図29に示すように、鍛造工程でら旋状凹溝の底部を残すようにして油溜り45を形成してもよい。ら旋状凹溝、したがって油溜り45のリード角θはスプライン嵌合による伸縮軸の直径、歯数などに応じて適宜選択する。 【0060】 本発明の目的に適う規則正しい油溜り43、45の具体例を示すと、次のようになる。 【0061】 ピッチ: 0.5mm<P<5mm 溝幅 : 0.01mm<B<2.0mm 溝深さ: 0.001mm<D<0.5mm これを得ることのできる旋削工程で内周面39に刻む周方向に沿う凹溝のピッチP1、溝幅B1および溝深さD1は次のようになる。 【0062】 ピッチ: 0.5mm<P1<5mm 溝幅 : 0.1mm<B1<4.0mm 溝深さ: 0.1mm<D1<2.0mm なお、伸縮軸を構成する雌スプライン軸に油溜り43、45形成したとき、相手雄スプライン軸のスプライン歯は同様な油溜りを備えない、通常のスプライン歯で構成したものを使用する。 【0063】 このように本実施の形態においては、中空円筒状スプライン軸素材に刻む周方向に沿う凹溝により溝加工を施すことなく、スプライン歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 【0064】 本発明の異なる実施の形態について説明する。潤滑機械要素は雄スプライン軸である。図30において、初めに、図30(a)に示すように、表面処理工程で円筒状スプライン軸素材46の外周面47に塑性加工における焼き付きを防ぐための化成被膜を形成する。次いで、(b)に示すように、旋削工程でスプラン軸素材46の外周面47にバイトを当てて周方向に沿う多数の環状凹溝48を加工する。凹溝48は図に示すスプライン嵌合長さLに等しい範囲に刻設する。最後に、(c)に示すように、冷間鍛造工程でダイスを通して円筒体の外周面47にスプライン歯49を成形する。なお、表面処理工程と旋削工程とは先に(b)の旋削工程を行い、しかる後(a)の表面処理工程を行うようにしてもよい。 【0065】 鍛造工程を終えたとき、凹溝48と凹溝48との間隔は幾分広くなると同時に、溝深さが浅くなり、凹溝底部は流体潤滑に力を貸す油溜り50となる。以上の工程を実施して雄スプライン軸51を得ることができる。 【0066】 上記実施の形態の雌スプライン軸と同様に、スプライン歯に形成される油溜り50はスプライン嵌合長さ全体にわたって規則正しく分布させることで、同一の容積に同じ量の潤滑油を保持ことが可能になる。これにより、長期にわたって伸縮軸の摺動部に潤滑油を供給することができる。 【0067】 また、上記の手順で雄スプライン軸を製作するとき、雌スプライン軸と同様に、従来の溝加工方法で欠かせないバリ取り作業を省略することができ、雄スプライン軸製作において、大幅な省力を達成することが可能になる。 【0068】 本実施の形態の環状凹溝48に代えて、スプライン軸素材46にはら旋状凹溝を刻設してもよい。凹溝48またはら旋状凹溝の諸元は雌スプライン軸で説明したものと基本的に同一である。 【0069】 このように本実施の形態においては、円筒状スプライン軸素材に刻む周方向に沿う凹溝により溝加工を施すことなく、スプライン歯の成形に合わせて多数の油溜りを効率よく形成することができる。 【0070】 本発明方法を用いて作製されるピニオンおよびラックは、好ましくはステアリング装置に組み込まれるギヤ組立て体として構成される。図31に示すように、ギヤ組立て体100はジョイントを介してステアリングシャフト(いずれも図示せず)と連結しているピニオン101と、互いの軸心を交差し、ギヤ歯を相手ピニオン101のギヤ歯とかみ合わせて配置されるラック102とからなる。 【0071】 ピニオン101はシャフト103の一端に本発明の油溜り形成方法に従う塑性加工で刻設した多数のギヤ歯104を有する。ギヤ歯104はインボリュート形であり、歯面全体に本発明の油溜り形成方法に従う工程で形成した多数の油溜りを備える。また、ラック102はラックシャフト105の一面に多数のギヤ歯106を有する。ギヤ歯106はインボリュート形であり、歯面には上述した油溜りを備えない。 【0072】 ピニオン101はシャフト103の中間部を軸受107によって支承され、またシャフト103の最も遠い一端をニードル軸受108によって支承されている。ラックシャフト105はギヤ歯106と反対側でラック102に背圧を及ぼすラックガイド109と当接している。このラックガイド109はラック軸心と垂直方向に摺動するホルダ110内に収容されている。また、ホルダ110は軸方向に圧縮荷重を生じるバネ111と当接している。これらのピニオン101およびラック102はそれら支持する各要素と共にハウジング112内に収容されている。 【0073】 組立てられたギヤ組立て体100には流体潤滑のためにグリースなどの潤滑剤が塗布される。この塗布された潤滑剤はギヤ歯104の歯面全体に形成された油溜りに蓄えられる。この油溜りに多量に保たれる潤滑剤によりギヤ組立て体100は流体潤滑を長期にわたって安定に保持することができる。これにより、ステアリング装置のそれぞれのギヤ歯の磨耗を大きく軽減することができる。 【0074】 なお、ギヤ組立て体は油溜りを形成する対象としてピニオン102を説明したが、ラック102に上述した油溜りを形成してもよい。この場合、ピニオン102はギヤ歯104に同様な油溜りを備えない、通常のギヤ歯で構成したものを使用する。 【0075】 また、本発明方法を用いて作製される雌スプラインと雄スプラインとからなる伸縮軸は、好ましくはステアリング装置に組み込まれる中間シャフトとして構成される。中間シャフトは組み立て時伸縮機能が必要であり、また一方、車両走行中には発生する中間シャフト軸方向の変位を吸収し、振動の伝播を抑制するために伸縮可能でなければならない。 【0076】 図32に示すように、中間シャフト200はそれぞれの歯をかみ合わせて軸方向に摺動自在に構成される、雌スプライン軸201と雄スプライン軸202とを備える。雌スプライン軸201は継手203を介してステアリングギヤ204のピニオンシャフト205と結ばれ、一方、雄スプライン軸202は継手206を介してステアリングコラム207のステアリングシャフト208と連結されている。 【0077】 雌スプライン軸201は内面に本発明方法に従う塑性加工で刻設した多数の歯を有し、歯面全体に本発明の油溜り形成方法に従う工程で形成された多数の油溜りを備える。雄スプライン軸202は外面に多数の歯を有するが、歯面には上述した油溜りを備えない。 【0078】 組み立てられた中間シャフト200には流体潤滑のためにグリースなどの潤滑剤が塗布される。この潤滑剤は雌スプライン軸201の歯面全体に形成された油溜りに蓄えられる。この油溜りに多量に蓄えられる潤滑剤により中間シャフト200は流体潤滑を長期にわたって安定に保持することができる。この結果、中間シャフト200はそれぞれに歯の摩耗を大きく軽減することが可能になる。 【0079】 なお、本実施の形態では油溜りを雌スプライン軸201に形成したものを説明したが、これに代えて、雄スプライン軸202に上述した油溜りを形成してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0080】 【図1】本発明方法に係る旋削工程を示すもので、(a)はら旋状溝を形成したピニオン素材の正面図、(b)はら旋状溝の詳細図である。 【図2】本発明方法に係る塑性加工工程を示すもので、(a)はギヤ歯を形成したピニオン素材の正面図、(b)はギヤ歯の横断面図である。 【図3】本発明方法に係る機械仕上工程を示すもので、シャフト部を仕上げたピニオン素材の正面図である。 【図4】本発明方法により加工されたピニオンを示すもので、(a)はピニオンの要部を示す拡大正面図、(b)は油溜りの詳細図である。 【図5】本発明方法に係る塑性加工工程を示すもので、(a)はギヤ歯を形成したピニオン素材の正面図、(b)はギヤ歯の横断面図である。 【図6】本発明方法に係るピニオンのギヤ歯の拡大歯形図である。 【図7】本発明方法で用いられる金型の斜視図である。 【図8】本発明方法により加工されたピニオンの要部を示す拡大正面図である。 【図9】本発明方法に係る塑性加工工程を示すもので、(a)はギヤ歯を形成したピニオン素材の正面図、(b)はギヤ歯の横断面図である。 【図10】本発明方法により加工されたピニオンの要部を示す正面図である。 【図11】本発明方法に係る塑性加工工程を示すもので、ギヤ歯を成形した歯車素材の正面図である。 【図12】本発明方法に係る塑性加工を終えた歯車に刻設される油溜りの詳細図である。 【図13】本発明方法により加工された歯車の要部を示す正面図である。 【図14】本発明の他の実施の形態に係る歯車素材の斜視図である。 【図15】発明の他の実施の形態に係る歯車素材の斜視図である。 【図16】発明の他の実施の形態に係る歯車素材を示すもので、(a)は歯車素材の斜視図、(b)は(a)の拡大斜視図である。 【図17】発明の他の実施の形態に係る歯車素材の斜視図である。 【図18】本発明方法に係る旋削工程を示すもので、ら旋状溝を加工したラック素材の斜視図である。 【図19】本発明方法に係るプレス加工工程を示すもので、ギヤ歯の成形状態を示す概念図である。 【図20】本発明方法により加工されたラックを示すもので、(a)はギヤ歯を成形したラックの斜視図、(b)はギヤ歯の詳細図である。 【図21】本発明の他の実施の形態に係るラック素材の斜視図である。 【図22】本発明方法に係る旋削工程を示すもので、ら旋状溝を加工したねじ軸の斜視図である。 【図23】本発明方法に係る塑性加工工程を示すもので、転造による成形状態を示す斜視図である。 【図24】本発明方法に係る塑性加工工程を示すもので、ねじ山に形成される油溜りの詳細図である。 【図25】本発明方法により加工されたねじ軸の要部を示す拡大図である。 【図26】本発明方法に係る雌スプライン軸の主要な工程を示す図である。 【図27】本発明方法により加工された雌スプライン軸を示すもので、(a)は雌スプライン軸の縦断面図、(b)は雌スプライン軸の横断面図である。 【図28】本発明方法により形成されたスプライン歯の詳細を示すもので、(a)は歯面の拡大斜視図、(b)は油溜りの拡大斜視図、(c)は油溜りの拡大断面図である。 【図29】本発明の他の実施の形態に係るスプライン歯の拡大斜視図である。 【図30】本発明方法に係る雄スプライン軸の主要な工程を示す図である。 【図31】本発明のステアリング装置に組み込まれたギヤ組立て体を示す断面図である。 【図32】本発明のステアリング装置に組み込まれた中間シャフトを示す側面図である。 【図33】従来技術による溝加工終了時に溝入口に飛び出したバリを示す説明図である。 【符号の説明】 【0081】 1… ピニオン素材 2、26、34… ら旋状溝 3、6、15、29… ギヤ歯 4、11、12… ピニオン 5、16、31、36、43、45、50… 油溜り 13… 歯車素材 20… 歯車 25… ラック素材 30… ラック 33… ねじ軸素材 37… ねじ軸 38、46… スプライン軸素材 40、48… 凹溝 44… 雌スプライン軸 51… 雄スプライン軸
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年5月18日(2006.5.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094651 【弁理士】 【氏名又は名称】大川 晃
【識別番号】100123478 【弁理士】 【氏名又は名称】田邉 隆
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| 【公開番号】 |
特開2007−155120(P2007−155120A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月21日(2007.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2006−138766(P2006−138766) |
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