| 【発明の名称】 |
アクチュエータ |
| 【発明者】 |
【氏名】中村 喜代治
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| 【要約】 |
【課題】アクチュエータ内に配置された機械的運動機構に対して潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を広範囲に行き渡らせる。
【解決手段】サンシャフト8を潤滑空間30内側から外側へ軸方向移動させるとカップシール34が開きチェック弁40aが閉じ、間隙部35から潤滑油が潤滑空間30内に流れ込む。逆方向の軸方向移動ではカップシール34が閉じチェック弁40aが開き、潤滑空間30内の潤滑油は排出路40から排出される。このようにアクチュエータ2自身がポンプの機能を積極的に果たすと共に潤滑油の吸入と排出とは別々のタイミングで行われる。このため潤滑空間30内における潤滑油流経路最短化が抑制され、広い範囲に渡る十分な流れを潤滑空間30内に生じさせることができる。したがって内燃機関のオイルポンプや油路構成等を大型化しなくてもアクチュエータ内の潤滑や冷却などの効果を生じさせ内部の異物を排出させることができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 潤滑油の供給路及び排出路以外は油密状態とされている潤滑空間内に配置された機械的運動機構にて前記潤滑空間内から外部にかけて設けられている出力シャフトを軸方向移動させることにより外部機構を駆動するアクチュエータであって、 前記供給路には、前記潤滑空間の外部圧力が内部圧力より開弁圧以上高い状態にて開くことにより外部の潤滑油を前記潤滑空間内に導入可能とし、前記潤滑空間の外部圧力が内部圧力より開弁圧未満にある状態にて閉じることにより前記供給路を介して前記潤滑空間内から外部への潤滑油の逆流を阻止する潤滑油供給路弁手段と、 前記排出路には、前記潤滑空間の内部圧力が外部圧力より開弁圧以上高い状態にて開くことにより前記潤滑空間内の潤滑油を外部に排出可能とし、前記潤滑空間の内部圧力が外部圧力より開弁圧未満にある状態にて閉じることにより前記排出路を介して外部から前記潤滑空間内への潤滑油の逆流を阻止する潤滑油排出路弁手段と、 を備えたことを特徴とするアクチュエータ。 【請求項2】 請求項1において、前記潤滑油供給路弁手段は、前記潤滑空間の内部圧力と外部圧力との差圧により開閉動作を生じる弁機構であることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項3】 請求項1又は2において、前記潤滑油排出路弁手段は、前記潤滑空間の内部圧力と外部圧力との差圧により開閉動作を生じる弁機構であることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、内燃機関に固定されることで、該内燃機関に設けられた機構を前記外部機構として駆動することを特徴とするアクチュエータ。 【請求項5】 請求項4において、前記外部機構は、内燃機関のバルブカムリフト量を連続的に変更する機構であることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項6】 請求項5において、前記外部機構は、複数気筒に架け渡されたコントロールシャフトの軸方向移動により、内燃機関のバルブカムリフト量を連続的に変更する機構であることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかにおいて、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナットを備える遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を備えて、前記ナット内を前記潤滑空間とし、前記ナット内に形成された前記サンシャフト、前記プラネタリシャフト及び前記ナット間の噛み合い機構が前記機械的運動機構に相当すると共に、前記出力シャフトに相当する前記サンシャフトの基端側及び前記プラネタリシャフトが、前記ナット内にて油密状態で配置されていることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項8】 請求項7において、前記サンシャフト、前記プラネタリシャフト及び前記ナットは、ネジと歯車とにより噛み合っていることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項9】 請求項7又は8において、前記潤滑空間における前記供給路の開口部と前記排出路の開口部とは、前記ナット内における噛み合い機構を挟んで対向した位置に配置されていることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかにおいて、前記ナットと前記サンシャフトとの間隙部が前記供給路とされて、該供給路には前記潤滑油供給路弁手段としてカップシールが配置されていることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項11】 請求項10において、前記ナットは、前記噛み合い機構を内部に形成しているナット本体と該ナット本体の端部に取り付けられたカラーとからなり、該カラーと前記サンシャフトとの間隙部が前記供給路とされて、前記カップシールは、前記カラーと前記サンシャフトとの一方に固定され他方に接触される状態で前記供給路に配置されていることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項12】 請求項7〜9のいずれかにおいて、前記サンシャフト内に前記供給路が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。 【請求項13】 請求項7〜12のいずれかにおいて、前記サンシャフト内に前記排出路が形成されていることを特徴とするアクチュエータ。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、潤滑油の供給路及び排出路以外は油密状態とされている潤滑空間内に配置された機械的運動機構にて潤滑空間内から外部にかけて設けられている出力シャフトを軸方向移動させることにより外部機構を駆動するアクチュエータに関する。 【背景技術】 【0002】 各種のアクチュエータに用いられる回転−直動変換機構として、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナットを組み合わせた遊星差動ネジ型回転−直動変換機構が知られている(例えば特許文献1参照)。 【0003】 このようなアクチュエータにおいては遊星差動ネジ型回転−直動変換機構などのように機械的運動機構が存在する部分に十分に潤滑油を行き渡らせて潤滑や冷却などの効果を生じさせる必要がある。更に十分な潤滑油流を生じさせて内部の異物を排出させることも必要である。 【特許文献1】特開平10−196757号公報(第3頁、図1) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし複雑な形状の機械的運動機構に潤滑油を十分な油流で循環させようとした場合には、機械的運動機構の周りの多数箇所から十分な流速の潤滑油を噴出させなくてはならず、高圧の潤滑油を大量に必要としたり、潤滑油路の多数化が必要となり、オイルポンプや油路構成等の潤滑機構の大型化の問題を生じる。 【0005】 本発明は、アクチュエータ内に配置された機械的運動機構に対して、潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を広範囲に行き渡らせることを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0006】 以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。 請求項1に記載のアクチュエータは、潤滑油の供給路及び排出路以外は油密状態とされている潤滑空間内に配置された機械的運動機構にて前記潤滑空間内から外部にかけて設けられている出力シャフトを軸方向移動させることにより外部機構を駆動するアクチュエータであって、前記供給路には、前記潤滑空間の外部圧力が内部圧力より開弁圧以上高い状態にて開くことにより外部の潤滑油を前記潤滑空間内に導入可能とし、前記潤滑空間の外部圧力が内部圧力より開弁圧未満にある状態にて閉じることにより前記供給路を介して前記潤滑空間内から外部への潤滑油の逆流を阻止する潤滑油供給路弁手段と、前記排出路には、前記潤滑空間の内部圧力が外部圧力より開弁圧以上高い状態にて開くことにより前記潤滑空間内の潤滑油を外部に排出可能とし、前記潤滑空間の内部圧力が外部圧力より開弁圧未満にある状態にて閉じることにより前記排出路を介して外部から前記潤滑空間内への潤滑油の逆流を阻止する潤滑油排出路弁手段とを備えたことを特徴とする。 【0007】 出力シャフトが潤滑空間内側から外部側へ軸方向移動している期間には、潤滑空間の内部圧力が低下して、外部圧力が内部圧力よりも、潤滑油供給路弁手段における開弁圧以上となる状態が生じる。この状態で潤滑油供給路弁手段は開かれるが、潤滑油排出路弁手段については閉じられる。したがってこの状況では出力シャフトの軸方向移動に伴って、潤滑油供給路弁手段を介して潤滑空間内に潤滑油が流入する。 【0008】 出力シャフトが外部側から潤滑空間内側へ軸方向移動している期間には、潤滑空間の内部圧力が上昇して、内部圧力が外部圧力よりも、潤滑油排出路弁手段における開弁圧以上となる状態が生じる。この状態で潤滑油排出路弁手段は開かれるが、潤滑油供給路弁手段については閉じられる。したがってこの状況では出力シャフトの軸方向移動に伴って、潤滑油排出路弁手段を介して潤滑空間内から潤滑油が排出される。 【0009】 出力シャフトは、外部機構を駆動するために軸方向移動において内外方向への移動を繰り返すことになるので、潤滑油供給路弁手段を介する潤滑空間内への潤滑油流入と、潤滑油排出路弁手段を介する潤滑空間外部への潤滑油排出とが、同時ではなく別々に生じる状態が繰り返し生じることになる。このことによりアクチュエータ自身が潤滑油のポンプ機能を積極的に果たす状況が発生する。 【0010】 このため単に外部から供給される潤滑油を受けるのではなく、アクチュエータ自身が積極的に潤滑空間への吸入と排出とを行うため、外部の潤滑機構を大型化しなくても潤滑油を十分に潤滑空間内へ流入させかつ排出させることができる。 【0011】 更に、潤滑空間内部では、供給路側から排出路側への一方向による潤滑油流動を引き起こしている。このように同一の油路から潤滑油の吸入と排出とを行っているのではなく、異なる油路間での一方向での潤滑油流動である。このことから、潤滑空間内に配置されている機械的運動機構の広い領域を、潤滑油の流れの中に配置させることができる。 【0012】 しかも潤滑油の吸入と排出とは同時でなく別々のタイミングにて行われることから、吸入と排出とが同時に生じる場合に潤滑空間に流入した潤滑油が最も流動抵抗の少ない経路により排出されてゆくような潤滑油流経路の最短化が抑制され、広い範囲に渡る流れを潤滑空間内に生じさせることができる。 【0013】 したがってアクチュエータ内に配置された機械的運動機構に対して、潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を広範囲に行き渡らせ、潤滑や冷却などの効果を生じさせ、内部の異物を排出させることができる。 【0014】 請求項2に記載のアクチュエータでは、請求項1において、前記潤滑油供給路弁手段は、前記潤滑空間の内部圧力と外部圧力との差圧により開閉動作を生じる弁機構であることを特徴とする。 【0015】 このように構成することによって、簡便な機構にて潤滑油供給路弁手段を実現できる。 請求項3に記載のアクチュエータでは、請求項1又は2において、前記潤滑油排出路弁手段は、前記潤滑空間の内部圧力と外部圧力との差圧により開閉動作を生じる弁機構であることを特徴とする。 【0016】 このように構成することによって、簡便な機構にて潤滑油排出路弁手段を実現できる。 請求項4に記載のアクチュエータでは、請求項1〜3のいずれかにおいて、内燃機関に固定されることで、該内燃機関に設けられた機構を前記外部機構として駆動することを特徴とする。 【0017】 このようにアクチュエータは内燃機関に設けられた機構を外部機構として駆動するものであっても良い。このことにより内燃機関のオイルポンプや油路構成などの潤滑機構を大型化することなく機械的運動機構に対して十分な潤滑油流を行き渡らせ、潤滑や冷却などの効果や異物排出効果を十分に生じさせることができる。したがって内燃機関の軽量化に貢献できる。 【0018】 請求項5に記載のアクチュエータでは、請求項4において、前記外部機構は、内燃機関のバルブカムリフト量を連続的に変更する機構であることを特徴とする。 このような機構に用いていることにより、内燃機関の運転制御に重要なバルブカムリフト量調節において、内燃機関を大型化することなく、高精度にかつ円滑に調節できるアクチュエータを提供することができる。 【0019】 請求項6に記載のアクチュエータでは、請求項5において、前記外部機構は、複数気筒に架け渡されたコントロールシャフトの軸方向移動により、内燃機関のバルブカムリフト量を連続的に変更する機構であることを特徴とする。 【0020】 この外部機構におけるコントロールシャフトを、本発明のアクチュエータを用いることで、内燃機関を大型化することなく、高精度にかつ円滑に調節できる。 請求項7に記載のアクチュエータでは、請求項1〜6のいずれかにおいて、サンシャフト、プラネタリシャフト及びナットを備える遊星差動ネジ型回転−直動変換機構を備えて、前記ナット内を前記潤滑空間とし、前記ナット内に形成された前記サンシャフト、前記プラネタリシャフト及び前記ナット間の噛み合い機構が前記機械的運動機構に相当すると共に、前記出力シャフトに相当する前記サンシャフトの基端側及び前記プラネタリシャフトが、前記ナット内にて油密状態で配置されていることを特徴とする。 【0021】 機械的運動機構として上記遊星差動ネジ型回転−直動変換機構のナット内に形成された噛み合い機構を対象とすることにより、このような複雑な噛み合い機構に対して、潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を行き渡らせ、潤滑や冷却などの効果や異物排出効果を十分に生じさせることができる。 【0022】 請求項8に記載のアクチュエータでは、請求項7において、前記サンシャフト、前記プラネタリシャフト及び前記ナットは、ネジと歯車とにより噛み合っていることを特徴とする。 【0023】 このようにサンシャフト、プラネタリシャフト及びナットがネジと歯車とにより噛み合っている複雑な噛み合い機構に対して、潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を行き渡らせることができる。したがって潤滑や冷却などの効果や異物排出効果を、より顕著に生じさせることができる。 【0024】 請求項9に記載のアクチュエータでは、請求項7又は8において、前記潤滑空間における前記供給路の開口部と前記排出路の開口部とは、前記ナット内における噛み合い機構を挟んで対向した位置に配置されていることを特徴とする。 【0025】 特に、このように噛み合い機構を挟んで対向した位置に供給路の開口部と排出路の開口部とが配置されていることにより、より十分な潤滑油流を噛み合い機構に行き渡らせることができ、潤滑や冷却などの効果や異物排出効果がより顕著となる。 【0026】 請求項10に記載のアクチュエータでは、請求項7〜9のいずれかにおいて、前記ナットと前記サンシャフトとの間隙部が前記供給路とされて、該供給路には前記潤滑油供給路弁手段としてカップシールが配置されていることを特徴とする。 【0027】 このようにカップシールを潤滑油供給路弁手段として用いることができ、潤滑空間の内部圧力と外部圧力との差に応じて潤滑油を潤滑空間内に流入させたり、潤滑空間内から外部への逆流を阻止したりする機能を果たさせることができる。 【0028】 請求項11に記載のアクチュエータでは、請求項10において、前記ナットは、前記噛み合い機構を内部に形成しているナット本体と該ナット本体の端部に取り付けられたカラーとからなり、該カラーと前記サンシャフトとの間隙部が前記供給路とされて、前記カップシールは、前記カラーと前記サンシャフトとの一方に固定され他方に接触される状態で前記供給路に配置されていることを特徴とする。 【0029】 このようにナットを、ナット本体とカラーとから構成し、ナット本体側の内部にて噛み合い機構を形成し、カラー側にサンシャフトとの間隙部にて供給路を形成させても良い。このことにより、ナット本体とカラーとを別体として、より単純な形にて成形加工することが可能となり、加工が複雑化しないので、アクチュエータを効率的に製造できる。 【0030】 請求項12に記載のアクチュエータでは、請求項7〜9のいずれかにおいて、前記サンシャフト内に前記供給路が形成されていることを特徴とする。 このようにサンシャフト内に供給路が形成されていることにより、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構において、噛み合い機構の間近から潤滑油を噴き出させることができ、潤滑油の効果的な供給を可能とすることができる。 【0031】 請求項13に記載のアクチュエータでは、請求項7〜12のいずれかにおいて、前記サンシャフト内に前記排出路が形成されていることを特徴とする。 このようにサンシャフト内に排出路が形成されていることにより、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構において、噛み合い機構からの潤滑油の排出を容易とすることができる。特に異物排出が効果的にできる。 【0032】 尚、サンシャフト内に排出路と共に供給路を形成した場合にも、排出路と供給路とは別個の位置となるので、潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を行き渡らせ、潤滑や冷却などの効果や異物排出効果を生じさせることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0033】 [実施の形態1] 図1は上述した発明が適用されたアクチュエータ2を鉛直面で切断した縦断面図である。アクチュエータ2は内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を調節するものである。内燃機関のシリンダヘッドあるいはカムキャリア(ここではカムキャリア4として説明)にはコントロールシャフト6の軸方向移動により吸気バルブのバルブリフト量を連続的に変更できる可変動弁機構が設けられている。この可変動弁機構のコントロールシャフト6を、アクチュエータ2に設けられているサンシャフト8の先端に図示するごとく接続して軸方向に駆動することにより、吸気バルブのバルブリフト量を調節する。このバルブリフト量調節により、内燃機関の各気筒への吸入空気量を調節し、内燃機関出力を制御できる。 【0034】 アクチュエータ2の外形を構成するケーシング10はカムキャリア4の外周面に固定されている。ケーシング10から軸方向に突出するサンシャフト8は、カムキャリア4内に挿入され、その先端は、カムキャリア4に囲まれた内部空間(カムキャリア4の図示右側)において、各気筒上に配置されている可変動弁機構に共通して設けられたコントロールシャフト6の一端に接続されている。 【0035】 ケーシング10の内部には、ベアリング12を介して遊星差動ネジ型回転−直動変換機構14が取り付けられている。この遊星差動ネジ型回転−直動変換機構14は、前記サンシャフト8、外側を形成する円筒状のナット16、及び前記サンシャフト8と前記ナット16との間に配置されているプラネタリシャフト18を備えている。 【0036】 サンシャフト8は、平歯ギヤ部8a、ネジ部8b及びストレートスプライン部8cを備えている。尚、平歯ギヤ部8a側の端部にはサンシャフト8の軸方向移動量を検出するためのコア20が形成されており、コイル22と共に変位センサ24を構成している。 【0037】 ナット16は内周面に第1平歯ギヤ部16a、ネジ部16b及び第2平歯ギヤ部16cを備えている。 プラネタリシャフト18は、複数本、例えば9本が、軸方向をナット16及びサンシャフト8と同一にして、ナット16とサンシャフト8との間に等位相間隔に配置されている。この各プラネタリシャフト18は、平歯ギヤ部18a、ネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cを備えている。尚、平歯ギヤ−ネジ部18cは、平歯ギヤとネジとの両方が共に形成されている部分であり、平歯ギヤとも噛み合い、ネジとも噛み合うように形成されている。 【0038】 プラネタリシャフト18とナット16との噛み合い状態は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aはナット16側の第1平歯ギヤ部16aに、ネジ部18bはネジ部16bに、平歯ギヤ−ネジ部18cは第2平歯ギヤ部16cに噛み合わされている。尚、2つのネジ部16b,18bは、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが同じであり、プラネタリシャフト18がナット16の内周面にて転動してもナット16とプラネタリシャフト18との間で軸方向での相対的移動は生じない。 【0039】 プラネタリシャフト18とサンシャフト8との噛み合い状態は、プラネタリシャフト18の平歯ギヤ部18aはサンシャフト8側の平歯ギヤ部8aに、ネジ部18bと平歯ギヤ−ネジ部18cとは共にネジ部8bに噛み合わされている。尚、サンシャフト8のストレートスプライン部8cはケーシング10の開口部分に形成されているストレートスプライン部10aに噛み合わされていることにより、サンシャフト8は軸方向移動は可能であるが、軸周りでの回転は規制されている。 【0040】 ここでプラネタリシャフト18のネジ部18b及び平歯ギヤ−ネジ部18cと、サンシャフト8のネジ部8bとは、ピッチ円径の比とネジ条数の比とが異なる。このためプラネタリシャフト18が、ナット16の回転により、サンシャフト8の周りで転動すると、軸回転が規制されているサンシャフト8は、ナット16とプラネタリシャフト18とに対して軸方向での相対的移動を生じる。すなわち差動を生じる。 【0041】 ナット16の外周には電動モータのロータ26が取り付けられており、ケーシング10の内部にてロータ26に対向して配置されたステータコイル28に対する通電制御により、ナット16をケーシング10内で回転させることができる。 【0042】 上述したごとくに遊星差動ネジ型回転−直動変換機構14が構成されているため、電気回路によるステータコイル28に対する通電制御にてナット16を回転させると、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構14において上述したごとくの差動が生じて、サンシャフト8が軸方向に移動する。したがって変位センサ24のコイル22により検出されるサンシャフト8の変位が目標位置を示すようにナット16の回転量を調節することで、可変動弁機構側のコントロールシャフト6の軸方向位置を制御でき、吸気バルブのバルブリフト量を所望の状態に制御できる。このような制御により、サンシャフト8を、図1に示した最大限図示左側に位置させている状態から、図示右側へ最大限移動させた状態を図2に示す。この図1と図2との間でサンシャフト8を連続的に軸方向に移動できる。このことによりサンシャフト8に連動する可変動弁機構側のコントロールシャフト6を軸方向に連続的に移動させて、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節することができる。尚、本実施の形態では、図1のごとく最大限に可変動弁機構側からコントロールシャフト6を引き出した状態がバルブリフト量最大とし、図2のごとく最大限に可変動弁機構側へコントロールシャフト6を戻した状態がバルブリフト量最小の状態としている。 【0043】 ここでサンシャフト8の基部側(平歯ギヤ部8aとネジ部8bとが存在する側)とプラネタリシャフト18とが噛み合い状態で配置されているナット16の内部は、潤滑油が供給される潤滑空間30とされている。更に、変位センサ24側のナット16の端部は、変位センサ24のコア20とコイル22とを分けるように円筒状の蓋部32にて覆われている。カムキャリア4側のナット16の端部は、サンシャフト8の外周面との間隙部35にて、リング状のカップシール34によりシールされている。 【0044】 このカップシール34はサンシャフト8の外周面に固定されて、先端を潤滑空間30側に曲折した状態でナット16の内周面に接触している。カップシール34は開弁圧がほぼ0(Pa:以後の圧力の数値は単位をPaとする)のチェック弁としての機能を有している。このためカップシール34を境として潤滑空間30の内部圧力が外部圧力よりも低い状態では、カップシール34の先端とナット16の内周面との間が離れて開き、間隙部35が供給路として機能して潤滑油を潤滑空間30内に流入させることができる。逆に潤滑空間30の内部圧力が外部圧力よりも高い状態では、カップシール34の先端とナット16の内周面との間が密着することで供給路としての間隙部35を閉じて、路潤滑油が潤滑空間30内から逆流して流出するのを阻止する。 【0045】 尚、ナット16のカムキャリア4側においては、ナット16の外周面とケーシング10の内周面との間にリング状オイルシール材36が配置されて、ロータ26及びステータコイル28側に潤滑油が流れ込むのを防止している。 【0046】 間隙部35の近傍において、ケーシング10には潤滑油供給路38が開口している。この潤滑油供給路38はカムキャリア4内に設けられた油路4aに接続しており、油路4aを介して内燃機関のオイルポンプから潤滑油が供給されている。したがって間隙部35が開いていれば、オイルポンプからの作動油が潤滑油として潤滑空間30内に供給可能である。 【0047】 潤滑空間30内部において、サンシャフト8には潤滑油の排出路40が開口している。この排出路40はサンシャフト8内を通過してカムキャリア4よりも内側(図示右側)の位置でサンシャフト8の外周面に開口している。このことにより潤滑空間30内の潤滑油は、排出路40を介してカムキャリア4よりも内側、すなわちシリンダヘッド上に排出される。シリンダヘッド上の潤滑油はシリンダヘッドに設けられた排出油路を介してオイルパンに戻される。 【0048】 排出路40は途中にはチェック弁40aが備えられている。このチェック弁40aは、開弁圧はほぼ0であり、チェック弁40aを境にして潤滑空間30の内部圧力が外部圧力よりも高いと開となり、低いと閉となる。すなわち排出方向のみの一方の潤滑油流を許し、潤滑油が潤滑空間30側へ逆流するのを阻止している。 【0049】 潤滑空間30内の容積は、サンシャフト8がケーシング10から突出する場合、すなわちコントロールシャフト6を可変動弁機構側に押し戻す場合に増加し、逆に、サンシャフト8がケーシング10内に戻る場合、すなわちコントロールシャフト6を可変動弁機構側から引き出す場合に減少する。 【0050】 したがって図3に示すごとく、バルブリフト量を小さくする方向にサンシャフト8を移動させる場合には、潤滑空間30内が大気圧よりも低くなる状況が発生し、この状況にて排出路40のチェック弁40aは閉じる。更にこの状況では潤滑油供給路38から供給される油圧、すなわちカップシール34を境にした外部圧力は潤滑空間30内よりも高くなっているので、カップシール34の先端がナット16の内周面から離れる。このことにより、排出路40による逆流は阻止され、油路4a、潤滑油供給路38及び間隙部35を介して、潤滑空間30内に潤滑油が流れ込む。特にナット16の内周面全体から潤滑空間30内へ潤滑油が噴き出すので、間近にあるプラネタリシャフト18とナット16との噛み合い機構部分及びプラネタリシャフト18とサンシャフト8との噛み合い機構部分に潤滑油の流れが衝突する。 【0051】 その後、図4に示すごとく、バルブリフト量を大きくする方向にサンシャフト8を移動させる場合には、潤滑空間30内は大気圧よりも高くなる状況が発生し、この状況にて排出路40のチェック弁40aが開く。更に、潤滑空間30内の油圧が潤滑油供給路38側よりも高まる状況が発生することにより、カップシール34の先端はナット16の内周面に密着する。このことにより、油路4a、潤滑油供給路38及び間隙部35による逆流は阻止され、バルブリフト量を小さくする方向にサンシャフト8を移動させた際に潤滑空間30内に流れ込んだ潤滑油が、潤滑空間30から排出路40へ押し出されてシリンダヘッド上へ排出される。 【0052】 尚、サンシャフト8が軸方向位置を維持している時には、油路4a及び潤滑油供給路38から供給される油圧によっては、間隙部35のカップシール34と排出路40のチェック弁40aとが共に開いて、継続的に間隙部35から排出路40へと潤滑油が流れることがある。しかし、少なくもとサンシャフト8の軸方向移動時には、カップシール34とチェック弁40aとの一方が開き、他方が閉じる状態が生じて、図3,4に説明した潤滑油の流動状態が発生する。 【0053】 上述した構成において、請求項との関係は、カップシール34が潤滑油供給路弁手段に、チェック弁40aが潤滑油排出路弁手段に相当する。 以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。 【0054】 (イ).潤滑油の供給路である間隙部35にカップシール34が、潤滑油の排出路40にチェック弁40aが設けられている。コントロールシャフト6を駆動して吸気バルブのバルブリフト量を小さくするために、出力シャフトであるサンシャフト8を、ナット16の内部に設定されている潤滑空間30内側から外側へ軸方向移動させると、潤滑空間30の内部圧力が外部圧力(供給油圧及び大気圧)より低くなる状況が発生する。このことによりカップシール34が開き、かつチェック弁40aが閉じる状態が生じる。したがって、この時には間隙部35から潤滑油が潤滑空間30内に流れ込む。 【0055】 逆にコントロールシャフト6を駆動して吸気バルブのバルブリフト量を大きくするために、サンシャフト8を、潤滑空間30外側から内側へ軸方向移動させると、潤滑空間30の内部圧力が外部圧力より高くなる状況が発生する。このことによりカップシール34が閉じ、かつチェック弁40aが開く状態が生じる。したがって、この時には潤滑空間30内の潤滑油は排出路40から排出される。 【0056】 サンシャフト8は、外部機構である可変動弁機構を駆動するために軸方向移動において内外方向への移動を繰り返すことになる。したがってカップシール34から潤滑空間30内への潤滑油流入と、チェック弁40aから潤滑空間外部への潤滑油排出とが同時ではなく別々にかつ繰り返し生じる。このことによりアクチュエータ2自身がポンプの機能を積極的に果たす状況が発生する。 【0057】 このようにアクチュエータ2自身が積極的に潤滑空間30への潤滑油の吸入と排出とを行うため、外部の潤滑機構である内燃機関のオイルポンプを大型化しなくても、また油路構成等を大型化もしくは複雑化しなくても潤滑油を十分に潤滑空間30内へ流入させかつ排出させることができる。このため内燃機関の大型化や燃費の悪化を抑制できる。 【0058】 (ロ).潤滑空間30内部では、カップシール34が配置されている間隙部35側からチェック弁40aが配置されている排出路40側への一方向による潤滑油流動を引き起こしている。このように異なる油路間での一方向での潤滑油流動であることから、潤滑空間30内に配置されている機械的運動機構(ナット16、プラネタリシャフト18及びサンシャフト8間の噛み合い機構)にて、同一油路で給排するよりも広い領域を、潤滑油の流れの中に配置させることができる。 【0059】 しかも潤滑油の吸入と排出とは同時でなく別々のタイミングで行われることから、吸入と排出とが同時に生じる場合に潤滑空間30に流入した潤滑油が最も流動抵抗の少ない経路により排出されてゆくような潤滑油流経路の最短化が抑制される。このため広い範囲に渡る十分な流れを潤滑空間30内に生じさせることができる。 【0060】 したがってネジと歯車による複雑な噛み合い機構を有する遊星差動ネジ型回転−直動変換機構14に対して、オイルポンプや油路構成等の潤滑機構を大型化することなく十分な潤滑油流を広範囲に行き渡らせ、潤滑や冷却などの効果を生じさせ、内部の異物を排出させることができる。 【0061】 こうして内燃機関を大型化することなく、吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節する際に、高精度にかつ円滑に調節できるアクチュエータを提供することができる。 [実施の形態2] 本実施の形態のアクチュエータ102は、図5に示すごとく、前記実施の形態1とは、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構114の構成が異なる。特にコア120とコイル122とからなる変位センサ124側において異なる。すなわち円筒状の蓋部132は、ケーシング110の開口部分を覆うことによりケーシング110内を密閉状態としている。この蓋部132の周囲には変位センサ124のコイル122が配置され、更にカバー110aにより覆われている。 【0062】 ナット116は、カムキャリア104側と共に変位センサ124側においても開放された状態で形成され、この変位センサ124側の開放部分をコア120が貫通することにより蓋部132の内部空間に達している。カムキャリア104側の開放部分については、前記実施の形態1と同様にリング状オイルシール材136によりケーシング110との間がオイルシールされている。変位センサ124側についても、カムキャリア104側と同様に、リング状オイルシール材137によりケーシング110との間がオイルシールされている。このことによりナット116内には、サンシャフト108の基端部、プラネタリシャフト118及びナット116間の噛み合い機構が配置された潤滑空間130が形成されている。 【0063】 この潤滑空間130内には、サンシャフト108内に形成された供給路109とケーシング110内に形成された排出路140とが接続されており、これ以外は潤滑空間130に通じる潤滑油の経路は設けられていない。 【0064】 供給路109は、コントロールシャフト106内に形成されている供給油路106aから潤滑油を供給されている。供給油路106aは可変動弁機構及びシリンダヘッドに形成された油路を介して内燃機関のオイルポンプから潤滑油を供給されている。供給路109の途中にはチェック弁109a(開弁圧≒0)が設けられ、潤滑空間130の内部圧力が供給油路106a側から供給される油圧(外部圧力)よりも高い場合は、供給路109を閉じ、低い場合には開くように設定されている。 【0065】 排出路140はカムキャリア104に形成された排出油路104aに接続されており、潤滑空間130からの排出油をシリンダヘッド上に排出する。排出路140の途中にはチェック弁140a(開弁圧≒0)が設けられ、潤滑空間130の内部圧力が外部圧力、ここでは大気圧よりも高い場合には開き、低い場合には閉じるように設定されている。 【0066】 これ以外の構成については前記実施の形態1にて説明したごとくである。 このような構成により、図6に示すごとく、バルブリフト量を小さくする方向にサンシャフト108を軸方向移動させる場合に、潤滑空間130内は大気圧よりも低くなる状況が生じる。このため排出路140のチェック弁140aは閉じる。更に、供給油路106aから供給路109へ供給される油圧が潤滑空間130の内部圧力よりも高い状況となるので、チェック弁109aは開く。このことにより、排出路140による逆流は阻止されると共に、供給油路106a及び供給路109を介して、潤滑空間130内に潤滑油が流れ込む。特にサンシャフト108のネジ部108bとプラネタリシャフト118の平歯ギヤ−ネジ部118cとの噛み合い機構部分及びプラネタリシャフト118の平歯ギヤ−ネジ部118cとナット116の第2平歯ギヤ部116cとの噛み合い機構部分に潤滑油が衝突し潤滑空間130内をコア120側へ向かって流れる。 【0067】 その後、図7に示すごとく、バルブリフト量を大きくする方向にサンシャフト108を移動させる場合には、潤滑空間130の内部圧力が大気圧よりも高い圧力となる状況が発生し、排出路140のチェック弁140aが開く。更に、潤滑空間130内の油圧が供給油路106a側よりも高まる状況が発生することにより、チェック弁109aは閉じる。このことにより、供給路109による逆流は阻止され、潤滑空間130内の潤滑油は排出路140及び排出油路104aを介してシリンダヘッド上に排出される。 【0068】 上述した構成において、請求項との関係は、供給路109に配置されたチェック弁109aが潤滑油供給路弁手段に、排出路140に配置されたチェック弁140aが潤滑油排出路弁手段に相当する。 【0069】 以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態1に述べた効果を生じると共に、特に供給路109の開口部109bと排出路140の開口部140bとは潤滑空間130において、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構114の噛み合い機構を挟んで対向した位置に配置されている。 【0070】 このように2つの開口部が配置されていることにより、より十分な潤滑油流を噛み合い機構に行き渡らせることができ、潤滑や冷却、更に内部異物排出の効果が、より顕著となる。 【0071】 (ロ).サンシャフト108内に供給路109が形成されていることにより、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構114の噛み合い機構の間近に開口部109bを形成でき、噛み合い機構の間近から潤滑油を噴き出させられるので、潤滑油を効果的に供給することができる。 【0072】 [実施の形態3] 本実施の形態のアクチュエータ202では、図8に示すごとく、前記実施の形態2とは、潤滑油の流動方向が逆に設定されている。 【0073】 サンシャフト208内には排出路209が形成され、潤滑空間230内の潤滑油をチェック弁209a(開弁圧≒0)を介して、シリンダヘッド上に排出する。排出路209に配置されたチェック弁209aは潤滑空間230の内部圧力が外部圧力、ここでは大気圧よりも高い場合には開き、低い場合には閉じるように設定されている。 【0074】 更に、ケーシング210には供給路240が形成され、カムキャリア204に形成されている供給油路204aから供給される潤滑油を、チェック弁240a(開弁圧≒0)を介して潤滑空間230内に供給している。供給路240に配置されたチェック弁240aは潤滑空間230の内部圧力が、外部圧力(供給油路204a側から供給される油圧)よりも高い場合は、供給路240を閉じ、低い場合には開くように設定されている。 【0075】 これ以外の構成については前記実施の形態2にて説明したごとくである。 このような構成により、図9に示すごとく、バルブリフト量を小さくする方向にサンシャフト208を移動させる場合には、潤滑空間230内は大気圧よりも低くなる状況が発生するので、排出路209のチェック弁209aは閉じる。更に、供給油路204aから供給路240へ供給される油圧が潤滑空間230よりも高くなる状況が発生するので、チェック弁240aは開く。このことにより、排出路209による逆流は阻止され、供給油路204a及び供給路240を介して、潤滑空間230内に潤滑油が流れ込む。特にサンシャフト208とプラネタリシャフト218との平歯ギヤ部208a,218a同士の噛み合い機構部分、及びプラネタリシャフト218の平歯ギヤ部218aとナット216の第1平歯ギヤ部216aとの噛み合い機構部分側に潤滑油が衝突し、潤滑空間130内をカムキャリア204側へ向かって流れる。 【0076】 その後、図10に示すごとく、バルブリフト量を大きくする方向にサンシャフト208を移動させる場合には、潤滑空間230内は大気圧よりも高い圧力となる状況が発生し、排出路209のチェック弁209aが開く。更に、潤滑空間230内の油圧が供給油路204a側よりも高まる状況が発生することにより、チェック弁240aは閉じる。このことにより、供給路240による逆流は阻止され、潤滑空間230内の潤滑油は排出路209を介してシリンダヘッド上に排出される。 【0077】 上述した構成において、請求項との関係は、供給路240に配置されたチェック弁240aが潤滑油供給路弁手段に、排出路209に配置されたチェック弁209aが潤滑油排出路弁手段に相当する。 【0078】 以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。 (イ).前記実施の形態2の(イ)の効果を生じる。 [その他の実施の形態] (a).前記各実施の形態におけるチェック弁やカップシールと言った潤滑油供給路弁手段及び潤滑油排出路弁手段は、開弁圧≒0であったが、開弁圧を高めても良い。例えば、オイルポンプから供給される油圧以上とすることにより、サンシャフトが軸方向に移動していない状態では、チェック弁やカップシールを閉じて潤滑油を潤滑空間内に保持しても良い。この場合も、サンシャフトの軸方向移動により、潤滑空間の容積が変化することで、潤滑空間内外の油圧差が開弁圧以上となり、各実施の形態に述べたごとく潤滑油流が生じて各実施の形態に述べた効果を生じる。 【0079】 (b).前記各実施の形態において、サンシャフトには、供給路及び排出路のいずれか1つが設けられていたが、図11,12に示すごとく、サンシャフト308に供給路340と排出路342とを共に設けて、それぞれチェック弁340a,342aを配置しても良い。 【0080】 図11に示したごとく、コントロールシャフト306を可変動弁機構側へ戻す方向にサンシャフト308を駆動すると、排出路342のチェック弁342aは閉じ、供給路340のチェック弁340aは開く。このことによりコントロールシャフト306の油路306aを介して供給される潤滑油を潤滑空間330内に吸入させることができる。 【0081】 図12に示したごとく、コントロールシャフト306を可変動弁機構側から引き出す方向にサンシャフト308を駆動すると、供給路340のチェック弁340aは閉じ、排出路342のチェック弁342aは開く。このことにより潤滑空間330内の潤滑油を排出することができる。このように異なるタイミングでの潤滑空間330内の潤滑油の吸入と排出とが可能になるので、供給路340の開口部340bと排出路342の開口部342bとが近くに存在しても、潤滑空間330内部のより広い領域を、潤滑油の流れの中に配置させることができる。したがって前記実施の形態1と同様の効果を生じる。 【0082】 (c).前記図11,12に示した例は、潤滑空間330内における供給路340と排出路342とは、サンシャフト308の軸方向位置においては共に同一位置に開口部340b,342bを設けていた。このような開口部340b,342bの配置の代わりに、供給路340と排出路342とのいずれか一方の開口部については前記図11,12に示したごとくの軸方向位置に配置し、他方の開口部については噛み合い機構を挟んで対向した軸方向位置、すなわち変位センサのコア側に配置しても良い。このことにより噛み合い機構を挟んで対向した位置に2つの開口部を配置できるので、前記実施の形態2,3と同様な効果を生じさせることができる。 【0083】 (d).前記各実施の形態では、潤滑空間への供給路及び排出路は各1つが設けられていたが、供給路及び排出路のいずれか一方あるいは両方について複数設けても良い。 (e).前記各実施の形態では、アクチュエータ内部の機械的運動機構として、サンシャフト、ナット及びプラネタリシャフトによる噛み合い機構の例を挙げたが、これ以外の機械的運動機構、例えばボールネジ機構、ボルトとナットによるネジ機構等にも上述したアクチュエータにおける潤滑構成を適用できる。 【0084】 (f).前記各実施の形態では、サンシャフト、ナット及びプラネタリシャフト間の各噛み合い機構は、ネジと歯車とにより噛み合っている構成であったが、ネジのみで噛み合っている構成でも良い。 【0085】 (g).前記各実施の形態では、ナットは、カップシールあるいは間にリング状オイルシール材が接触している部分まで一体に形成していたが、カップシールが接触する部分はカラーとして別体に形成し、ナット本体と嵌合して、ナットとして一体化したものでも良い。例えば、図13は前記実施の形態1の構成に対して、遊星差動ネジ型回転−直動変換機構414のナット416を、ギヤ部及びネジ部が内周面に形成されたナット本体416aと、ギヤ部やネジ部が形成されていないカラー416bとから構成したアクチュエータ402としている。ナット本体416aとカラー416bとの間はオーリング418にてオイルシールしている。このようにしても前記実施の形態1と同じ効果を生じる。 【0086】 このようにナット416を、ナット本体416aとカラー416bとから構成し、ナット本体416a側にて噛み合い機構を形成し、カラー416b側にサンシャフト408との間隙部435で供給路を形成させても良い。このようにナット本体416aとカラー416bとを別体とすることで、それぞれをより単純な形にて成形加工することが可能となり、加工が複雑化しないので、アクチュエータ402を効率的に製造できる。 【0087】 前記実施の形態2,3のナットについては、ナット本体の両端にそれぞれ前記図13と同様のカラーを嵌合した構成としても良い。 (h).前記各実施の形態では、アクチュエータにて駆動される外部機構としては、内燃機関の吸気バルブのバルブリフト量を連続的に調節できる可変動弁機構であったが、内燃機関の排気バルブのバルブリフト量を連続的に調節できる可変動弁機構でも良い。尚、外部機構としては、可変動弁機構に限らない。 【図面の簡単な説明】 【0088】 【図1】実施の形態1のアクチュエータの縦断面図。 【図2】実施の形態1のアクチュエータの動作状態を示す縦断面図。 【図3】実施の形態1において潤滑空間への潤滑油吸入状態を示す要部縦断面図。 【図4】実施の形態1において潤滑空間からの潤滑油排出状態を示す要部縦断面図。 【図5】実施の形態2のアクチュエータの縦断面図。 【図6】実施の形態2において潤滑空間への潤滑油吸入状態を示す要部縦断面図。 【図7】実施の形態2において潤滑空間からの潤滑油排出状態を示す要部縦断面図。 【図8】実施の形態3のアクチュエータの縦断面図。 【図9】実施の形態3において潤滑空間への潤滑油吸入状態を示す要部縦断面図。 【図10】実施の形態3において潤滑空間からの潤滑油排出状態を示す要部縦断面図。 【図11】その他の実施の形態における潤滑空間への潤滑油吸入状態を示す要部縦断面図。 【図12】その他の実施の形態における潤滑空間からの潤滑油排出状態を示す要部縦断面図。 【図13】ナットがナット本体とカラーとからなる例を示すアクチュエータの縦断面図。 【符号の説明】 【0089】 2…アクチュエータ、4…カムキャリア、4a…油路、6…コントロールシャフト、8…サンシャフト、8a…平歯ギヤ部、8b…ネジ部、8c…ストレートスプライン部、10…ケーシング、10a…ストレートスプライン部、12…ベアリング、14…遊星差動ネジ型回転−直動変換機構、16…ナット、16a…第1平歯ギヤ部、16b…ネジ部、16c…第2平歯ギヤ部、18…プラネタリシャフト、18a…平歯ギヤ部、18b…ネジ部、18c…平歯ギヤ−ネジ部、20…コア、22…コイル、24…変位センサ、26…ロータ、28…ステータコイル、30…潤滑空間、32…蓋部、34…カップシール、35…間隙部、36…リング状オイルシール材、38…潤滑油供給路、40…排出路、40a…チェック弁、102…アクチュエータ、104…カムキャリア、104a…排出油路、106…コントロールシャフト、106a…供給油路、108…サンシャフト、108b…ネジ部、109…供給路、109a…チェック弁、109b…開口部、110…ケーシング、110a…カバー、114…遊星差動ネジ型回転−直動変換機構、116…ナット、116c…第2平歯ギヤ部、118…プラネタリシャフト、118c…平歯ギヤ−ネジ部、120…コア、122…コイル、124…変位センサ、130…潤滑空間、132…蓋部、136,137…リング状オイルシール材、140…排出路、140a…チェック弁、140b…開口部、202…アクチュエータ、204…カムキャリア、204a…供給油路、208…サンシャフト、208a…平歯ギヤ部、209…排出路、209a…チェック弁、210…ケーシング、216…ナット、216a…第1平歯ギヤ部、218…プラネタリシャフト、218a…平歯ギヤ部、230…潤滑空間、240…供給路、240a…チェック弁、306…コントロールシャフト、306a…油路、308…サンシャフト、330…潤滑空間、340…供給路、340a…チェック弁、340b…開口部、342…排出路、342a…チェック弁、342b…開口部、402…アクチュエータ、408…サンシャフト、414…遊星差動ネジ型回転−直動変換機構、416…ナット、416a…ナット本体、416b…カラー、418…オーリング、435…間隙部。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年12月2日(2005.12.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100068755 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 博宣
【識別番号】100105957 【弁理士】 【氏名又は名称】恩田 誠
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| 【公開番号】 |
特開2007−154971(P2007−154971A) |
| 【公開日】 |
平成19年6月21日(2007.6.21) |
| 【出願番号】 |
特願2005−349734(P2005−349734) |
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