| 【発明の名称】 |
ノズル |
| 【発明者】 |
【氏名】梶原 信一
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| 【要約】 |
【課題】グリスの漏れ出しを防ぐことが可能で、かつ、汎用性のあるノズルを提供する。
【解決手段】グリス注入器30の先端に着脱自在に取り付けられるノズル1であって、グリス注入器30の吐出管31に連結され、注入部12の外径が吐出管31より小さいグリス注入管10と、グリス注入管10の外周面を覆うように設けられ、グリス注入管10の注入部12の先端に向かって除々に断面積が小さくなるように形成されたゴム製の被覆材20とを備えた。グリス注入管30の外周面を被覆する被覆材20によってグリスを注入する空間の入口開口部を密閉することができ、注入されたグリスが漏れ出すことを防ぐことができる。従って、漏れ出すグリスを抑えるために手を汚すことがなく、また、両手を使って作業することができることから作業性がよくなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 グリス注入器の吐出管の先端に着脱自在に取り付けられるノズルであって、 前記吐出管に連結され、先端部の外径が前記吐出管より小さいグリス注入管と、 前記グリス注入管の外周面を覆うように設けられ、前記グリス注入管の先端に向かって除々に断面積が小さくなるように形成された弾性を有する樹脂製の被覆材と を備えたノズル。 【請求項2】 前記被覆材は、前記グリス注入管の先端部に設けられたものである請求項1記載のノズル。 【請求項3】 前記被覆材は、断面が円形状または楕円形状に形成されたものである請求項1または2記載のノズル。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、グリス注入器の吐出管の先端に着脱自在に取り付けられるノズルに関する。 【背景技術】 【0002】 例えば、ベアリングや歯車等の機械部品には、潤滑性を向上させるとともに材料表面の摩擦摩耗を防ぐ目的として、ゲル状のグリスが注入される。このグリスを注入するグリス注入器としては、グリスが充填されたグリスチューブを装着し、手動でグリスチューブを圧縮して充填されたグリスを押し出す小型のものと、注入器の移動からグリスの押し出しまでのすべてが自動化された大型のものがある。 【0003】 このなかでも特に、手動で操作が可能であり、機械部品の大きさや既に挿入されているグリスの量に応じて注入するグリスの量も作業者がその場で微調整できることから、小型のグリス注入器は広く一般的に用いられている。また、このようなグリス注入器は、小型であるために作業性がよく、グリスを注入する機械部品が既に機械に取り付けられていてもグリスを注入することができるので、機械部品が取り付けられた機械のメンテナンス作業においても広く用いられている。 【0004】 このような手動のグリス注入器においては、狭い空間にもグリスを注入することができるように、グリス注入器の吐出管の先端に着脱自在に装着することが可能なノズルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載のグリス注入器のノズルは、先端をグリスが圧送できる薄さに平たく加工し、ノズルの基端側に形成されたネジ部をグリス注入器本体にねじ込んで装着するものであり、ノズルの先端を平たく加工したことにより、グリス注入器の先端を差し込むことができないような入口開口部が小さい空間であっても、グリス注入器の先端に装着したノズルを挿入してグリスを注入することができる構成となっている。 【0005】 【特許文献1】実開昭60−101290号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1に記載のノズルを差し込むだけでは、ノズルと空間の入口開口部との間に生じる隙間からグリスが漏れ出してしまうという問題が生じる。そのため、作業者は、グリスが漏れ出さないように隙間を手で押さえたり、漏れ出したグリスを拭きあげたりしなければならなくなり、手が汚れるだけでなく作業性も悪くなる。また、漏れ出たグリスは無駄になるので、必要以上のグリスを使用することとなり経済性も悪い。 【0007】 そこで、グリスを注入する空間の入口開口部の大きさに合わせてノズル先端を加工することも考えられるが、自動車などにおいては、機械部品の種類は無数にあるため、一つ一つの機械部品の大きさに合わせてノズルを製作することは非効率的であり、製作費用もかさばる。また、たとえ複数のノズルを製作したとしても、それぞれの機械部品に合わせてノズルを交換する作業も必要となり作業効率も悪くなる。 そこで、本発明は、上記の問題点に鑑みて、グリスの漏れ出しを防ぐことが可能で、かつ、汎用性のあるノズルを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明のノズルは、グリス注入器の吐出管の先端に着脱自在に取り付けられるノズルであって、吐出管に連結され、先端部の外径が吐出管より小さいグリス注入管と、グリス注入管の外周面を覆うように設けられ、グリス注入管の先端に向かって除々に断面積が小さくなるように形成された弾性を有する樹脂製の被覆材とを備えたことを特徴とする。 【0009】 グリス注入管の外周面を覆うように設けられた被覆材は、グリス注入管の先端に向かって除々に断面積が小さくなるように形成されたことから、所望とする空間へノズルを挿入していくと、グリスを注入する空間の入口開口部断面積と被覆材の断面積が一致するところで、ノズルが固定される。そして、被覆材は弾性を有する樹脂製の材料で形成されているので、グリスを注入する空間の入口開口部断面形状と被覆材の断面形状が完全に一致していなくても、被覆材が変形することによってグリスを注入する空間の入口開口部に密着した状態となる。この状態で、グリスチューブから押し出されたグリスは、グリス注入器の吐出管からグリス注入管を通り、グリス注入管の先端から吐き出されて、空間内を充填していく。上述したように、空間の入口開口部はノズルの被覆材で密閉された状態となっていることから、空間を充填するグリスは空間の入口開口部から漏れ出すことなく、空間内を充填する。 【0010】 ここで、被覆材は、グリス注入管の先端部に設けられたものである方が望ましい。 グリスはゲル状を呈していることから、低温では粘性が高いため、グリスチューブを圧縮させてグリスチューブからグリスを押し出す際には、かなりの圧力が必要となる。本発明のノズルは、グリス注入管の先端部に被覆材を設けることにより、ノズルを空間に挿入すると、グリス注入管の先端が上下左右にほとんど移動できない状態で固定されることとなることから、グリス注入器を安定した状態で保持することができる。従って、グリスチューブ内に充填されたグリスを押し出すためにグリス注入器に圧力をかけても、手元がふらつくことなく作業することができる。 【0011】 また、被覆材は、断面が円形状または楕円形状に形成されたものである方が望ましい。 被覆材の断面が円形状または楕円形状とすることにより角張った部分がないため、グリスを充填する空間の端部に密着させやすい構造とすることができる。 【発明の効果】 【0012】 本発明のノズルによれば、グリス注入管の外周面を被覆する被覆材によってグリスを注入する空間の端部を密閉することができ、注入されたグリスが漏れ出すことを防ぐことができるので、グリスの無駄を少なくすることができ、手を汚すことがなく、また、作業性に優れたノズルとすることができる。また、被覆材がグリス注入管の先端部に向かって除々に段面積が小さくなるように形成されたことから、グリスを注入する空間の入口開口部の大きさに合わせてこの入口開口部を密閉することができるので、一定の範囲内であれば1つのノズルで対応することができ、汎用性に優れたノズルとすることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 以下、本発明の実施の形態について図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態におけるノズルの軸方向断面図である。図2は、図1のノズルの軸垂直断面図である。図3は、図1のノズルがグリス注入器に装着された様子を示す軸方向断面図である。 【0014】 図1および図3に示すように、本実施の形態におけるノズル1は、グリス注入器30の吐出管31に連結されるグリス注入管10と、このグリス注入管10の注入部12の外周を覆うように設けられたゴム製の被覆材20とを備える。 【0015】 グリス注入管10は、グリス注入器30の吐出管31に取り付けるための取り付け部11と、この取り付け部11から連設され、取り付け部11よりも外径が小さい円筒状の注入部12とを備える。本実施の形態におけるノズル1の取り付け部11は、外径が約10mmであり、注入部12の外径は1〜2mm程度である。なお、注入部12の外径は取り付け部11より小さければ任意の大きさとすることができるが、ノズル1の先端部を様々な空間へ挿入できるようにするには、グリスが圧送できる程度に細く、本実施の形態のように外径が1〜2mm程度のものが望ましい。 【0016】 取り付け部11の内周側には雌ねじ(図示せず)が形成されており、後述するグリス注入器の吐出管の外周面に形成された雄ねじに螺合させることによってノズル1をグリス注入器30に着脱自在に装着することができる。また、グリス注入管10は、グリスに浸食されない金属製の材料によって形成されている。 【0017】 被覆材20は、耐油性を有するゴム材料で形成されており、グリス注入管10の注入部12の先端に向かって徐々に断面積が小さくなるように円錐形状に形成されている。つまり、被覆材20の外径は、グリス注入管10の取り付け部11と注入部12との連設部分において最も大きく、注入部12の先端近傍で最も小さくなるように形成されている。本実施の形態においては、被覆材20の最大径は取り付け部11の外径と略等しい10mm程度、最小径は、グリス注入管10の注入部12よりも若干大きい2〜3mm程度となるように形成されている。また、グリス注入管10の被覆材20としては、耐油性を有する樹脂材料であればよく、具体的には、フッ素やアクリル、ニトリルなどを原料にした各種合成ゴムを用いることができる。また、樹脂材料は、ノズル1を、後述するようにグリスを注入する空間の入口開口部に押し込むと、その入口開口部の断面形状に密着して固定できる程度に弾性変形するものが望ましい。 【0018】 次に、本実施の形態におけるノズル1をグリス注入器30に取り付けて、自動車の機械部品であるベアリングにグリスを注入する様子について図を用いて説明する。図4および図5は、本実施の形態におけるグリス注入器30を使用する様子を説明する図である。 【0019】 図4に示すように、まず、グリスを注入するベアリング40の空間41の入口開口部42にノズル1の先端を押し込むようにして挿入する。グリス注入管10の注入部12の外周面を覆うように設けられた被覆材20は、注入部12の先端に向かって除々に断面積が小さくなるように形成されたことから、空間41にノズル1を挿入していくと、空間41の入口開口部42の断面積と被覆材20の断面積が一致するところで、ノズル1が固定される。この状態で、手動によりグリス注入器30に装着されたグリスチューブ32を押し出すと、押し出されたグリスは、グリス注入器30の吐出管31からグリス注入管10を通り、グリス注入管10の注入部12先端から吐き出されて、空間41内を充填していく。上述したように、空間41の入口開口部42はノズル1の被覆材20で密閉された状態となっていることから、空間41を充填するグリスは空間41の入口開口部42から漏れ出すことなく、空間41内を充填していく。 【0020】 グリスはゲル状を呈していることから、低温では粘性が高いため、グリスチューブ32を圧縮させてグリスチューブ32からグリスを押し出す際には、かなりの圧力が必要となる。本実施の形態におけるノズル1は、グリス注入管10の先端となる注入部12に被覆材20を設けることにより、ノズル1を空間41に挿入してノズル1を空間41の入口開口部42に固定すると、ノズル1の先端部となる注入部12が上下左右にほとんど移動できない状態となっていることから、グリス注入器30を安定した状態で保持することができる。従って、グリスチューブ32内に充填されたグリスを手動で押し出すためにグリス注入器30に圧力をかけても、作業者は、手元がふらつくことなく作業することができる。 【0021】 このように、本実施の形態におけるノズル1をグリス注入器30の先端に取り付けることにより、グリス注入管10の外周面を被覆する被覆材20によってグリスを注入する空間41の入口開口部42を密閉することができ、注入されたグリスが入口開口部42から漏れ出すことを防ぐことができる。従って、漏れ出すグリスを抑えるために手を汚すことがなく、また、両手を使って作業することができるので作業性がよくなる。また、グリスの無駄も少なくすることができる。 【0022】 また、本実施の形態におけるノズル1によれば、被覆材20がグリス注入管10の注入部12の先端に向かって除々に断面積が小さくなるように形成されたことから、図5に示すような、ベアリング40よりもグリスを注入する空間51の入口開口部52が大きいベアリング50であっても、空間51にノズル1を押し込んでいくと、グリスを注入する空間51の入口開口部52の断面積と被覆材20の断面積が一致するところで、ノズル1が固定される。つまり、グリスを注入する空間51の入口開口部52の大きさが異なっていても、その大きさに合わせて入口開口部52を密閉することができるので、グリスを注入する空間の入口開口部の大きさが一定の範囲内であれば1種類のノズル1で対応することができ、汎用性に優れたノズル1とすることができる。 【0023】 また、被覆材20はゴム製の材料で形成されているので、グリスを注入する空間41の入口開口部42の断面形状と被覆材20の断面形状が完全に一致していなくても、被覆材20は弾性変形することによってグリスを注入する空間41の入口開口部42に密着した状態となる。 【0024】 例えば、ベアリングのなかでも、ボールベアリングなどにおいては、グリスを注入する空間が狭いために、粘性の高いグリスは空間の奥側まで入りにくく、また、隅々までグリスが注入されたかどうかを確認することが難しいという問題がある。しかしながら、本実施の形態によれば、ベアリングの空間の入口開口部が密閉された状態となっているので、グリスをノズル1の先端から吐出すると、吐出されたグリスがまず入口開口部を充填していくことから入口開口部付近の内圧が高くなり、この内圧と、ノズル1の注入部12の先端から吐出されるグリスの押圧力によって、グリスは、まだグリスが充填されていない圧力の低い部分、つまり、空間の奥側(図4中A)に向かって勢いよく押し出されていく。このようにして、本実施の形態によれば、空間が狭くグリスが入りにくいボールベアリングなどの機械部品であっても、空間の奥側まで十分にグリスを充填させることができる。 【0025】 また、空間内が十分にグリスで充填されると、空間内の圧力が増すことからグリス注入器30からグリスを押し出すときに抵抗力が生じるため、作業者はこの抵抗力により空間内にグリスが充填されたことを認識することができる。従って、本実施の形態によれば、グリスが空間内に十分に充填されたことを容易に確認することができる。 【0026】 なお、ノズル1のグリス注入器への取り付け方法については上記実施の形態に限らず、手動でグリスチューブからグリスを押し出す際に、グリス注入器の吐出管からノズル1がグリスの圧力によって脱着しなければ、その取り付け方法については適宜設計変更することができる。 【0027】 なお、本実施の形態における被覆材20の断面形状は円形であったが、楕円形状でもよく、また、図6に示すように、曲面を有する形状の被覆材60としてもよい。被覆材20,60の断面を円形状、楕円形状または曲面を有する形状とすることにより被覆材20,60には角張った部分がないため、グリスを充填する空間の端部に密着しやすい構造とすることができる。 【0028】 また、本実施の形態においては、被覆材20は、ノズル1の注入部12の全長にわたって被覆する形状となっていたがこれに限るものではなく、グリスを注入する空間の入口開口部を密閉できることができれば、注入部12の一部だけを被覆する構成であってもよい。しかしながら、グリスを注入する際の作業性を考慮すれば、注入部12の先端部にある方が望ましく、ノズル1の汎用性を考慮すれば、さらに、注入部12の全長にわたって被覆する方がより望ましい。 【産業上の利用可能性】 【0029】 本発明のノズルは、ノズル注入器の先端に着脱自在に取り付けられるノズルとして用いることができる。また、ゴム製の被覆材によってグリスを注入する空間の入口開口部を密閉することができるので、グリスの漏れ出しを防ぐことが可能で、また、汎用性のあるノズルとして好適に用いることができる。 【図面の簡単な説明】 【0030】 【図1】本発明の実施の形態におけるノズルの軸方向断面図である。 【図2】図1のノズルの軸垂直断面図である。 【図3】図1のノズルがグリス注入器に装着された様子を示す軸方向断面図である。 【図4】本実施の形態におけるグリス注入器を使用する様子を説明する図である。 【図5】本実施の形態におけるグリス注入器を使用する様子を説明する図である。 【図6】他の実施の形態における被覆材の断面図である。 【符号の説明】 【0031】 1 ノズル 10 グリス注入管 11 取り付け部 12 注入部 20,60 被覆材 30 グリス注入器 31 吐出管 32 グリスチューブ 40,50 ベアリング 41,51 空間 42,52 入口開口部
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| 【出願人】 |
【識別番号】505062628 【氏名又は名称】梶原 信一
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| 【出願日】 |
平成17年10月31日(2005.10.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099508 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 久
【識別番号】100116296 【弁理士】 【氏名又は名称】堀田 幹生
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| 【公開番号】 |
特開2007−120729(P2007−120729A) |
| 【公開日】 |
平成19年5月17日(2007.5.17) |
| 【出願番号】 |
特願2005−317566(P2005−317566) |
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