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【発明の名称】 潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法
【発明者】 【氏名】飯島 秀和

【氏名】須崎 雅文

【要約】 【課題】所定の摺接部材が摺接する摺接面を好適に潤滑することができる潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法を実現する。

【解決手段】所定の軸部材1と摺接する軸受2aにおける、その軸部材1と摺接する摺接面側に位置する潤滑剤保持空間22aに流動性を有するウレタンフォームを注入して固化させることによって、潤滑剤を含浸して保持することができる多孔性の樹脂材料である発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25aを潤滑剤保持空間22aに形成し、その潤滑剤保持部材25aが保持する潤滑剤を、軸部材1と軸受2aの間の摺接面に塗布するなどすることにより、その摺接面を潤滑することを可能にした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の摺接部材が摺接する面に対して供給する潤滑剤が蓄えられる潤滑剤保持空間に備えられる潤滑剤保持部材であって、
当該潤滑剤保持部材は、前記潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなることを特徴とする潤滑剤保持部材。
【請求項2】
前記潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の前記周面に連通するように前記軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間に備えられることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤保持部材。
【請求項3】
前記潤滑剤保持部材は、所定の軸部材と摺接する摺接部材における前記軸部材と摺接する面側に形成されている潤滑剤保持空間に備えられることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤保持部材。
【請求項4】
前記潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材と摺接する軸部材における前記摺接部材と摺接する面側に形成される潤滑剤保持空間に備えられることを特徴とする請求項1に記載の潤滑剤保持部材。
【請求項5】
前記潤滑剤保持部材は、前記潤滑剤保持空間に通ずる潤滑剤流路に、前記樹脂フォームが注入されてなる多孔性の樹脂材料によって当該潤滑剤保持部材と一体に成形された潤滑剤供給部材を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の潤滑剤保持部材。
【請求項6】
前記多孔性の樹脂材料は、発泡ウレタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の潤滑剤保持部材。
【請求項7】
所定の摺接部材が摺接する面に対して供給する潤滑剤を蓄える潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、前記潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することを特徴とする潤滑剤保持部材形成方法。
【請求項8】
前記潤滑剤保持空間は、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の前記周面に連通するように前記軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間であることを特徴とする請求項7に記載の潤滑剤保持部材形成方法。
【請求項9】
前記潤滑剤保持空間は、所定の軸部材と摺接する摺接部材における前記軸部材と摺接する面側に形成されている潤滑剤保持空間であることを特徴とする請求項7に記載の潤滑剤保持部材形成方法。
【請求項10】
前記潤滑剤保持空間は、所定の摺接部材と摺接する軸部材における前記摺接部材と摺接する面側に形成されている潤滑剤保持空間であることを特徴とする請求項7に記載の潤滑剤保持部材形成方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミシンにおいて、その軸方向に上下動する針棒とミシンフレームとが摺接する部分を潤滑させるために、潤滑剤である潤滑オイルやグリースを保持するフェルトや油芯などを針棒に接触させて配設する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、図7(a)、図7(b)に示すように、所定の摺接部材としてのリンクやロッドなどをその周面に軸支するピン200において、そのピン200の内部空間220に潤滑剤を含浸させたフェルトや油芯などの潤滑剤保持部材250を配設することによって、潤滑剤保持部材250から染み出る潤滑剤を、その内部空間220と連通する連通孔220aを通じて、ピン200の周面に供給するようになっているピンが知られている。
また、図8(a)、図8(b)、図8(c)に示すように、所定の摺接部材としてのリンクやロッドなどをその周面に軸支するピン201において、そのピン201の内部空間221にグリースGを金属栓300で封止することによって、その内部空間221と連通する連通孔221aを通じて、ピン201の周面にグリースGを供給するようになっているピンが知られている。
【特許文献1】特開2005−192698号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術における、ピン200の内部空間220に潤滑剤保持部材250を配設する技術の場合、潤滑剤保持部材250をピン200の内部空間220である貫通孔内に挿入する際に、潤滑剤保持部材250であるフェルトや油芯などの繊維面がピン200の内面と擦れて引っ掛かるなどするために、潤滑剤保持部材250をピン200の内面の所定位置に好適に挿入して配設することが困難となることがあった。一方、潤滑剤保持部材250をピン200の貫通孔内に挿入しやすいように貫通孔の径を大きくすると、ピン200を備える機器の動作に伴い、潤滑剤保持部材250がピン200から外れて脱落してしまうことがあった。
また、上記従来技術における、ピン201の内部空間221にグリースGを金属栓300で封止する技術の場合、金属栓300をピン201に圧入することによって、ピン201の外周側が膨れるなどの寸法変化が生じてしまうことがあり、ピン201の周面に摺接部材を組み付ける際に不具合が生じることや、ピン201が軸支する摺接部材の動作に不具合が生じることがあった。更に、グリースGは、潤滑剤保持部材によって保持されていないために流出しやすく、ピン201の周面(摺接面)に過剰に供給されてしまうこともあった。
【0005】
本発明の目的は、所定の摺接部材が摺接する摺接面を好適に潤滑することができる潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、所定の摺接部材が摺接する面に対して供給する潤滑剤が蓄えられる潤滑剤保持空間に備えられる潤滑剤保持部材であって、潤滑剤保持部材は、潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、潤滑剤保持部材は、潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
そして、その潤滑剤保持部材が備えられる潤滑剤保持空間から所定の摺接部材が摺接する面に対して潤滑剤を供給することが可能になる。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の潤滑剤保持部材において、潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間に備えられることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の潤滑剤保持部材において、潤滑剤保持部材は、所定の軸部材と摺接する摺接部材における軸部材と摺接する面側に形成されている潤滑剤保持空間に備えられることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、潤滑剤保持部材は、所定の軸部材と摺接する摺接部材における、その軸部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の潤滑剤保持部材において、潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材と摺接する軸部材における摺接部材と摺接する面側に形成される潤滑剤保持空間に備えられることを特徴とする。
【0013】
請求項4記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材と摺接する軸部材における、その摺接部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の潤滑剤保持部材において、潤滑剤保持部材は、潤滑剤保持空間に通ずる潤滑剤流路に、樹脂フォームが注入されてなる多孔性の樹脂材料によって潤滑剤保持部材と一体に成形された潤滑剤供給部材を有することを特徴とする。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、潤滑剤保持部材は、その潤滑剤保持部材が備えられる潤滑剤保持空間に通ずる潤滑剤流路に、潤滑剤保持部材と一体に成形された潤滑剤供給部材を有する。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の潤滑剤保持部材において、多孔性の樹脂材料は、発泡ウレタンであることを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、潤滑剤保持部材を構成する多孔性の樹脂材料は、発泡ウレタンである。
【0018】
請求項7記載の発明は、潤滑剤保持部材形成方法であって、所定の摺接部材が摺接する面に対して供給する潤滑剤を蓄える潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することを特徴とする。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
そして、その潤滑剤保持部材が備えられる潤滑剤保持空間から所定の摺接部材が摺接する面に対して潤滑剤を供給することが可能になる。
【0020】
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の潤滑剤保持部材形成方法において、潤滑剤保持空間は、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間であることを特徴とする。
【0021】
請求項8記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
【0022】
請求項9記載の発明は、請求項7に記載の潤滑剤保持部材形成方法において、潤滑剤保持空間は、所定の軸部材と摺接する摺接部材における軸部材と摺接する面側に形成されている潤滑剤保持空間であることを特徴とする。
【0023】
請求項9記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、摺接部材における、軸部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
【0024】
請求項10記載の発明は、請求項7に記載の潤滑剤保持部材形成方法において、潤滑剤保持空間は、所定の摺接部材と摺接する軸部材における摺接部材と摺接する面側に形成されている潤滑剤保持空間であることを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の発明によれば、請求項7に記載の発明と同様の作用を奏するとともに、軸部材における、摺接部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
【発明の効果】
【0026】
請求項1記載の発明によれば、潤滑剤保持部材は、潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
この潤滑剤保持部材は、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなるので、潤滑剤保持部材に供給された潤滑剤を含浸して保持することができる。
つまり、潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸して保持することができる潤滑剤保持部材を備えることによって、その潤滑剤保持部材から染み出す潤滑剤を、潤滑剤保持空間から所定の摺接部材が摺接する面に対して供給することが可能になり、その摺接面を好適に潤滑することができる。
【0027】
また、この潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる潤滑剤保持部材は、潤滑剤保持空間に樹脂フォームを注入することによって形成することができるので、所定の摺接部材が摺接する摺接面に対応する潤滑剤保持空間に形成しやすく、配設しやすい。
具体的には、例えば、流動性を有する泡状の流体材料である樹脂フォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にその樹脂フォームが固化することによって、フォームラバーなどのようなスポンジ状の多孔性樹脂材料からなる潤滑剤保持部材が形成されることとなるので、細い穴や隙間のような潤滑剤保持空間に対しても、潤滑剤保持部材を容易に配設することができる。
また、潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持空間から潤滑剤保持部材が抜け落ちて外れてしまうような不具合はなく、潤滑剤保持部材は摺接面を好適に潤滑することができる。
【0028】
請求項2記載の発明によれば、潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
この潤滑剤保持部材は、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなるので、潤滑剤保持部材に供給された潤滑剤を含浸して保持することができる。
つまり、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材は、その軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間に、潤滑剤を含浸して保持することができる潤滑剤保持部材を備えるので、その潤滑剤保持部材から染み出す潤滑剤を、潤滑剤保持空間から所定の摺接部材が摺接する軸部材の周面に対して供給することが可能になり、その摺接面を好適に潤滑することができる。
【0029】
また、この潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる潤滑剤保持部材は、軸部材に形成された潤滑剤保持空間に樹脂フォームを注入することによって形成することができるので、軸部材の軸心側内部における潤滑剤保持空間に形成しやすく、配設しやすい。
具体的には、例えば、流動性を有する泡状の流体材料である樹脂フォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にその樹脂フォームが固化することによって、フォームラバーなどのようなスポンジ状の多孔性樹脂材料からなる潤滑剤保持部材が形成されることとなるので、軸部材の貫通孔のような細く、狭い潤滑剤保持空間に対しても、潤滑剤保持部材を容易に配設することができる。
また、潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持空間から潤滑剤保持部材が抜け落ちて外れてしまうような不具合はなく、潤滑剤保持部材は摺接面を好適に潤滑することができる。
【0030】
請求項3記載の発明によれば、潤滑剤保持部材は、所定の軸部材と摺接する摺接部材における、その軸部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
この潤滑剤保持部材は、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなるので、潤滑剤保持部材に供給された潤滑剤を含浸して保持することができる。
つまり、所定の軸部材と摺接する摺接部材は、その摺接部材に形成された潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸して保持することができる潤滑剤保持部材を備えるので、その潤滑剤保持部材は、軸部材と摺接部材とが摺接する摺接面に潤滑剤を塗布するなどして潤滑剤を供給することにより、その摺接面を好適に潤滑することができる。
【0031】
また、この潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる潤滑剤保持部材は、摺接部材に形成された潤滑剤保持空間に樹脂フォームを注入することによって形成することができるので、軸部材と摺接部材とが摺接する摺接面における潤滑剤保持空間に形成しやすく、配設しやすい。
具体的には、例えば、流動性を有する泡状の流体材料である樹脂フォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にその樹脂フォームが固化することによって、フォームラバーなどのようなスポンジ状の多孔性樹脂材料からなる潤滑剤保持部材が形成されることとなるので、軸部材と摺接部材の隙間のような潤滑剤保持空間に対しても、潤滑剤保持部材を容易に配設することができる。
また、潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持空間から潤滑剤保持部材が抜け落ちて外れてしまうような不具合はなく、潤滑剤保持部材は摺接面を好適に潤滑することができる。
【0032】
請求項4記載の発明によれば、潤滑剤保持部材は、所定の摺接部材と摺接する軸部材における、その摺接部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間に樹脂フォームが注入されて形成された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる。
この潤滑剤保持部材は、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなるので、潤滑剤保持部材に供給された潤滑剤を含浸して保持することができる。
つまり、所定の摺接部材と摺接する軸部材は、その軸部材に形成された潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸して保持することができる潤滑剤保持部材を備えるので、その潤滑剤保持部材は、軸部材と摺接部材とが摺接する摺接面に潤滑剤を塗布するなどして潤滑剤を供給することにより、その摺接面を好適に潤滑することができる。
【0033】
また、この潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなる潤滑剤保持部材は、軸部材に形成された潤滑剤保持空間に樹脂フォームを注入することによって形成することができるので、軸部材と摺接部材とが摺接する摺接面における潤滑剤保持空間に形成しやすく、配設しやすい。
具体的には、例えば、流動性を有する泡状の流体材料である樹脂フォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にその樹脂フォームが固化することによって、フォームラバーなどのようなスポンジ状の多孔性樹脂材料からなる潤滑剤保持部材が形成されることとなるので、軸部材と摺接部材の隙間のような潤滑剤保持空間に対しても、潤滑剤保持部材を容易に配設することができる。
また、潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持空間から潤滑剤保持部材が抜け落ちて外れてしまうような不具合はなく、潤滑剤保持部材は摺接面を好適に潤滑することができる。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、潤滑剤保持部材は、その潤滑剤保持部材が備えられる潤滑剤保持空間に通ずる潤滑剤流路に、樹脂フォームが注入されてなる多孔性の樹脂材料によって潤滑剤保持部材と一体に成形された潤滑剤供給部材を有する。
つまり、潤滑剤流路には、潤滑剤保持部材と一体に成形された潤滑剤供給部材が備えられているので、例えば、潤滑剤貯留槽からその潤滑剤流路に潤滑剤が注入された場合、潤滑剤供給部材は潤滑剤を吸収するとともに、その潤滑剤供給部材と一体の潤滑剤保持部材に対して潤滑剤を染み込ませるように供給することができる。
従って、潤滑剤保持部材が有する潤滑剤供給部材は、潤滑剤流路に注入された潤滑剤を潤滑剤保持空間の潤滑剤保持部材に対し、毛細管現象の原理を利用するようにして適度な供給量、供給速度で供給することができる。
【0035】
請求項6記載の発明によれば、潤滑剤保持部材を構成する多孔性の樹脂材料は、発泡ウレタンである。
つまり、発泡ウレタンは、流動性を有する泡状の流体材料であるウレタンフォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にそのウレタンフォームが固化することによって、スポンジ状の多孔性樹脂材料である発泡ウレタンとして容易に成形することができる材料であるとともに、その発泡ウレタンが有する無数の気泡によって潤滑剤を好適に保持することができる材料であるので、潤滑剤保持部材を構成する材料として適しており、好適に摺接面などを潤滑することが可能になる。
【0036】
請求項7記載の発明によれば、潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
具体的には、流動性を有する泡状の流体材料であるウレタンフォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にそのウレタンフォームが固化することによって、スポンジ状の多孔性樹脂材料である発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を潤滑剤保持空間に容易に形成して配設することができる。
また、潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持部材は潤滑剤保持空間から抜け落ちたり、外れたりしにくくなり、その潤滑剤保持部材によって摺接面を好適に潤滑することが可能になる。
【0037】
請求項8記載の発明によれば、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材の周面に連通するように軸部材の軸心側内部に形成されている潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
具体的には、流動性を有する泡状の流体材料であるウレタンフォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にそのウレタンフォームが固化することによって、スポンジ状の多孔性樹脂材料である発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を潤滑剤保持空間に容易に形成して配設することができる。
また、潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持部材は潤滑剤保持空間から抜け落ちたり、外れたりしにくくなり、その潤滑剤保持部材によって摺接面を好適に潤滑することが可能になる。
【0038】
また、所定の摺接部材をその周面に軸支する軸部材における潤滑剤保持空間に、潤滑剤を含浸して保持することができる発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができるので、その潤滑剤保持部材が、軸部材の周面である摺接面に潤滑剤を供給することにより、その摺接面を好適に潤滑することができる。特に、その潤滑剤保持部材は、発泡ウレタンが有する無数の気泡によって潤滑剤を好適に保持することができるので、摺接面などを良好に潤滑することができる。
【0039】
請求項9記載の発明によれば、摺接部材における、軸部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
具体的には、流動性を有する泡状の流体材料であるウレタンフォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にそのウレタンフォームが固化することによって、スポンジ状の多孔性樹脂材料である発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を潤滑剤保持空間に容易に形成して配設することができる。
また、潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持部材は潤滑剤保持空間から抜け落ちたり、外れたりしにくくなり、その潤滑剤保持部材によって摺接面を好適に潤滑することが可能になる。
【0040】
また、所定の軸部材と摺接する摺接部材における潤滑剤保持空間に、潤滑剤を含浸して保持することができる発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができるので、その潤滑剤保持部材が、軸部材と摺接部材とが摺接する摺接面に潤滑剤を塗布するなどして潤滑剤を供給することにより、その摺接面を好適に潤滑することができる。特に、その潤滑剤保持部材は、発泡ウレタンが有する無数の気泡によって潤滑剤を好適に保持することができるので、摺接面などを良好に潤滑することができる。
【0041】
請求項10記載の発明によれば、軸部材における、摺接部材と摺接する面側の潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間に潤滑剤を含浸可能な発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができる。
具体的には、流動性を有する泡状の流体材料であるウレタンフォームを潤滑剤保持空間に注入し、所定時間経過後にそのウレタンフォームが固化することによって、スポンジ状の多孔性樹脂材料である発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を潤滑剤保持空間に容易に形成して配設することができる。
また、潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入することによって、その潤滑剤保持空間のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材を形成することができるので、潤滑剤保持部材は潤滑剤保持空間から抜け落ちたり、外れたりしにくくなり、その潤滑剤保持部材によって摺接面を好適に潤滑することが可能になる。
【0042】
また、所定の摺接部材と摺接する軸部材における潤滑剤保持空間に、潤滑剤を含浸して保持することができる発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材を形成することができるので、その潤滑剤保持部材が、軸部材と摺接部材とが摺接する摺接面に潤滑剤を塗布するなどして潤滑剤を供給することにより、その摺接面を好適に潤滑することができる。特に、その潤滑剤保持部材は、発泡ウレタンが有する無数の気泡によって潤滑剤を好適に保持することができるので、摺接面などを良好に潤滑することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照して、本発明に係る潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法の実施形態について詳細に説明する。
【0044】
(実施形態1)
図1は、所定の摺接部材としてのリンクやロッドなどをその周面に軸支する軸部材であるピン2を示している。
図1(a)はピン2の側面図、図1(b)は図1(a)のb−b線における断面図、図1(c)はピン2を一部断面視した側面図である。
【0045】
図1(a)〜(c)に示すように、ピン2は、ピン本体21と、ピン本体21の長手方向に貫通する潤滑剤保持空間22と、ピン2の外面側から潤滑剤保持空間22に通ずる潤滑剤流路である油穴23と、潤滑剤保持空間22に充填された潤滑剤保持部材25等を備えている。
【0046】
ピン本体21は、リンクやロッドなどをその摺接面である外周面に摺接可能に支持するとともに、その内部の潤滑剤保持空間22に潤滑剤保持部材25を保持する。
【0047】
潤滑剤保持空間22は、ピン2の軸方向に沿う貫通孔であり、ピン2の軸心側に形成されている。
【0048】
油穴23は、ピン2(ピン本体21)の外側から潤滑剤保持空間22に、潤滑オイルやグリースなどの潤滑剤を供給するためや、潤滑剤保持空間22からピン2の外周面に潤滑剤を染み出させるために形成された貫通孔である。
なお、ピン2は、潤滑剤保持空間22に潤滑剤保持部材25を備えているので、油穴23から潤滑剤を潤滑剤保持部材25に染み込ませるように供給することによって、潤滑剤は潤滑剤保持空間22に供給される。また、潤滑剤保持空間22に備える潤滑剤保持部材25から染み出す潤滑剤が、油穴23からピン2の外周面に供給される。
【0049】
潤滑剤保持部材25は、例えば、ポリウレタンやポリオレフィンなどに無数の気泡が混入されて成形された、潤滑オイルやグリースなどの潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなり、例えば、ポリウレタンからなる発泡ウレタンや、フォームラバー等を用いることができる。
潤滑剤保持部材25は、使用する樹脂材料(ポリウレタン)の種類や、その樹脂(ポリウレタン)に混入される気泡の割合を調整し、潤滑剤保持部材25の密度をコントロールすることによって、潤滑剤保持部材25の硬さや、潤滑剤保持部材25が保持することができる潤滑剤の含有量を調節することができる。
そして、潤滑剤保持部材25は、潤滑剤保持空間22の開口部から注油された潤滑剤を吸収して保持する。
なお、この潤滑剤保持部材25は、潤滑剤を長時間含浸し、保持した場合でも劣化しない耐久性、耐油性を有している。
【0050】
また、潤滑剤保持部材25と一体に成形されてなる潤滑剤供給部材26が油穴23に備えられている。
潤滑剤供給部材26は、油穴23に対して注油された潤滑剤を吸収して、その潤滑剤を潤滑剤保持部材25に染み込ませるように、潤滑剤保持部材25に潤滑剤を供給するようになっている。また、潤滑剤供給部材26は、潤滑剤保持部材25が保持する潤滑剤を油穴23を介してピン2の外周面に染み出させる。
なお、潤滑剤供給部材26は、潤滑剤保持部材25と同じ多孔性の樹脂材料からなる。
【0051】
そして、ピン2は、潤滑剤保持空間22に備えられている潤滑剤保持部材25から染み出す潤滑剤を潤滑剤供給部材26を介してピン2の周面に供給することによって、ピン2とピン2の周面に摺接する摺接部材(例えば、リンクやロッド)との間の摺接面を潤滑することが可能になっている。
【0052】
次に、潤滑剤保持空間22に潤滑剤保持部材25を形成し配設する潤滑剤保持部材形成方法について説明する。
【0053】
まず、潤滑剤保持空間22と油穴23が形成されたピン本体21に対し、潤滑剤保持空間22や油穴23から流動性を有する樹脂フォームであるウレタンフォームを注入して流し込み、そのウレタンフォームを潤滑剤保持空間22と油穴23に充填する。
そして、所定時間経過すると、ウレタンフォームが固まり、潤滑剤保持空間22や油穴23に多孔性の発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25と潤滑剤供給部材26が形成される。
なお、ここで言うウレタンフォーム(樹脂フォーム)とは、所定の溶剤に溶解されたポリウレタン材料(樹脂材料)や、重合前のポリウレタン材料(樹脂材料)に無数の気泡が混入されてなる泡状の流体物質である。そして、そのウレタンフォーム(樹脂フォーム)は、潤滑剤保持空間22などに注入された後、所定時間放置されることで固化・重合し、スポンジ状の発泡ウレタン(多孔性の樹脂材料)となる高分子材料である。
【0054】
そして、潤滑剤保持空間22や油穴23に発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25と潤滑剤供給部材26が形成された後、潤滑剤保持空間22や油穴23から余分に漏出した発泡ウレタン部分を削り取り、潤滑剤保持部材25や潤滑剤供給部材26の形状を整える。
次いで、発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25を備えるピン2を、潤滑剤浴中に浸すようにして、潤滑剤を潤滑剤保持部材25に含浸させる。
そして、所定の摺接部材の取付孔にピン2を挿入し、その摺接部材をピン2の周面に摺接させるように配置する。
【0055】
このように、ピン2に備えられる潤滑剤保持部材25は、ピン本体2の油穴23などから潤滑剤保持空間22に流動性を有するウレタンフォームを注入して、固化させることによって、容易に形成することができるので、ピン2の貫通孔内に配設しやすい。
また、潤滑剤保持空間22のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材25を形成することができるので、潤滑剤保持空間22から潤滑剤保持部材25が抜け落ちて外れてしまうような不具合や、ピン2の表面が膨れるなどピン2の寸法変化が生じてしまうような不具合はなくなる。
そして、潤滑剤保持部材25は、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料である発泡ウレタンからなるので、潤滑剤保持部材25は、潤滑剤を好適に保持しつつ適度にピンの外周面である摺接面に供給するようにして、摺接面を好適に潤滑することができる。
【0056】
(実施形態2)
次に、本発明に係る潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0057】
図2は、所定の軸部材1と、その軸部材1を摺動可能に支持する所定の摺接部材としての軸受2aを示している。
図2(a)は軸部材1を支持する軸受2aの側面図、図2(b)は図1(a)のb−b線における断面図である。
【0058】
図2(a)〜(b)に示すように、所定の軸部材1を支持する軸受2aは、軸受本体21aと、軸受本体21aにおける軸部材1と摺接する面側に形成される複数(図2中、3つ)の潤滑剤保持空間22aと、軸受2a(軸受本体21a)の外面側から潤滑剤保持空間22aに通ずる潤滑剤流路である油穴23aと、潤滑剤保持空間22aにそれぞれ充填された潤滑剤保持部材25a等を備えている。
【0059】
軸部材1は、所定の機器における駆動機構などに所定の動作を行わせるために、その軸方向に進退したり、その軸心を中心に回転・回動したりする駆動軸である。
【0060】
軸受本体21aは、軸受2aを所定の機器の所定位置に配設する際に、その機器の機枠などに固定されて、その位置で軸部材1を支持する。
また、軸受本体21aには、その内面側に潤滑剤保持部材25aを備えるための潤滑剤保持空間22aが形成されている。
【0061】
潤滑剤保持空間22aは、軸受本体21aが軸部材1と摺接する面より、軸受本体21aの外周側に1段窪むように形成されている。
【0062】
潤滑剤保持部材25aは、実施形態1の潤滑剤保持部材25と同様のものであるので、説明は省略する。
【0063】
また、軸受本体21aには、軸受本体21aの外面側から潤滑剤保持空間22aに通ずる潤滑剤流路である油穴23aが形成されているとともに、油穴23aには、潤滑剤保持部材25aと同じ樹脂材料が充填されている。
【0064】
次に、潤滑剤保持空間22aに潤滑剤保持部材25aを形成し配設する潤滑剤保持部材形成方法について説明する。
【0065】
まず、潤滑剤保持空間22aと油穴23aが形成された軸受本体21aを、所定の軸部材1と同じ形状、同じ軸径を有する潤滑剤保持部材形成用の仮軸に対し、所定の軸部材1と同じ配置(つまり、所定の潤滑剤保持空間22aを、軸部材1と軸受本体21aの間に形成する配置)に固定する。
次いで、油穴23aから流動性を有する樹脂フォームであるウレタンフォームを潤滑剤保持空間22aに注入して流し込み、そのウレタンフォームを潤滑剤保持空間22aと油穴23aに充填する。
そして、所定時間経過すると、ウレタンフォームが固まり、潤滑剤保持空間22aや油穴23aに多孔性の発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25aなどが形成される。
【0066】
そして、潤滑剤保持空間22aや油穴23aに発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25aなどが形成された後、潤滑剤保持空間22aや油穴23aから軸受2a(軸受本体21a)の表面に漏出した発泡ウレタン部分を削り取り、潤滑剤保持部材25aなどの形状を整えて、仮軸を抜き取る。
次いで、発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材25aを備える軸受2aを、潤滑剤浴中に浸すようにして、潤滑剤を潤滑剤保持部材25aに含浸させる。
そして、所定の軸部材1を軸受2aの貫通孔に挿入し、軸部材1を潤滑剤保持部材25aに摺接させるように軸部材1と軸受2aを配置する。なお、図1(a)のように、軸部材1と軸受2aを摺接させて配置した後は、油穴23aから潤滑剤を注油することによって、潤滑剤を潤滑剤保持部材25aに染み込ませるようにして、潤滑剤を潤滑剤保持空間22a内に供給することができる。
【0067】
このように、独立した複数(実施形態2において、3つ)の潤滑剤保持空間22aを有する軸受2aであっても、各潤滑剤保持空間22aに各油穴23aからウレタンフォームを注入して、固化させることによって、容易に潤滑剤保持部材25aを軸受2aと軸部材1の摺接面に形成することができる。
そして、潤滑剤保持部材25aは、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料である発泡ウレタンからなるので、潤滑剤保持部材25aは、潤滑剤を好適に保持しつつ、適度に軸部材1と軸受2aの間の摺接面に潤滑剤を塗布するようにして、摺接面を好適に潤滑することができる。
【0068】
(実施形態3)
次に、本発明に係る潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法の実施形態3について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0069】
図3は、所定の摺接部材としての軸受20と、その軸受20に摺動可能に支持される所定の軸部材1aを示している。
図3(a)は軸受20に支持される軸部材1aを示す断面側面図、図3(b)は図1(a)のb−b線における断面図、図3(c)は軸受20を一部断面視した側面図である。
【0070】
図3(a)〜(c)に示すように、軸部材1aは、軸部材1aにおける軸受20との摺接面に形成された潤滑剤保持空間11と、潤滑剤保持空間11に充填された潤滑剤保持部材15とを備えている。
【0071】
軸受20は、所定の機器の所定位置において軸部材1aを支持するために、その機器の機枠などに固定される。
【0072】
軸部材1aは、所定の機器における駆動機構などに所定の動作を行わせるために、その軸方向に進退したり、その軸心を中心に回転・回動したりする駆動軸である。
【0073】
潤滑剤保持空間11は、軸部材1aの周面から1段低い凹部として形成された空間である。
【0074】
潤滑剤保持部材15は、例えば、ポリウレタンやポリオレフィンなどに無数の気泡が混入されて成形された、潤滑オイルやグリースなどの潤滑剤を含浸して保持可能な多孔性の樹脂材料からなり、例えば、ポリウレタンからなる発泡ウレタンや、フォームラバー等を用いることができる。なお、潤滑剤保持部材15は、実施形態1における潤滑剤保持部材25と同様の多孔性の樹脂材料からなる部材である。
【0075】
そして、軸部材1aは、潤滑剤が含まれる潤滑剤保持部材15を備えることによって、軸部材1aの周面に摺接する軸受20との間の摺接面を潤滑することが可能になっている。
【0076】
次に、潤滑剤保持空間11に潤滑剤保持部材15を形成し配設する潤滑剤保持部材形成方法について説明する。
【0077】
まず、軸部材1aに形成された潤滑剤保持空間11に、流動性を有する樹脂フォームであるウレタンフォームを注入して流し込み、そのウレタンフォームを潤滑剤保持空間11に充填する。
次いで、所定の軸受20と同じ形状、同じ内径を有する潤滑剤保持部材形成用の仮軸受の貫通孔にその軸部材1aを挿入するようにして、ウレタンフォームが充填された潤滑剤保持空間11をその仮軸受で覆う。
そして、所定時間経過すると、ウレタンフォームが固まり、潤滑剤保持空間11に多孔性の発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材15が形成される。
【0078】
そして、潤滑剤保持空間11に発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材15が形成された後、仮軸受を取り外して、潤滑剤保持空間11から漏出した発泡ウレタン部分を削り取り、潤滑剤保持部材15の形状を整える。
次いで、発泡ウレタンからなる潤滑剤保持部材15を備える軸部材1aを、潤滑剤浴中に浸すようにして、潤滑剤を潤滑剤保持部材15に含浸させる。
そして、所定の軸受20の貫通孔に潤滑剤保持部材15を備える軸部材1aを挿入し、軸受20を潤滑剤保持部材15に摺接させるように軸部材1aと軸受20を配置する。
【0079】
このように、軸部材1aに備えられる潤滑剤保持部材15は、軸部材1aの潤滑剤保持空間11に流動性を有するウレタンフォームを注入して、固化させることによって、容易に形成することができるので、軸部材1aと軸受20の摺接面に配設しやすい。
また、潤滑剤保持空間11のサイズや形状に応じた潤滑剤保持部材15を形成することができるので、潤滑剤保持空間11から潤滑剤保持部材15が抜け落ちて外れてしまうような不具合はなくなる。
そして、潤滑剤保持部材15は、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料である発泡ウレタンからなるので、潤滑剤保持部材15は、潤滑剤を好適に保持しつつ適度に摺接面に塗布するようにして、摺接面を好適に潤滑することができる。
【0080】
(実施形態4)
次に、本発明に係る潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法の実施形態4について説明する。なお、実施形態1、実施形態3と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0081】
図4は、所定の摺接部材としての軸受20と、その軸受20に摺動可能に支持される所定の軸部材1aを示している。
なお、実施形態4における軸部材1aは、その軸心を中心に回転・回動する駆動軸である。
【0082】
図4(a)〜(c)に示すように、軸部材1aは、軸部材1aにおける軸受20との摺接面に形成された潤滑剤保持空間11と、潤滑剤保持空間11に配設された潤滑剤保持部材15aとを備えている。
【0083】
潤滑剤保持部材15aは、潤滑剤保持空間11において、軸部材1aの周面を覆うとともに、軸受20の内面から離間する厚みに形成されている。
【0084】
そして、軸部材1aは、潤滑剤が含まれる潤滑剤保持部材15aを備えるとともに、その軸心を中心に回転することによって、その回転に伴う遠心力により潤滑剤保持部材15aに含まれる潤滑剤を外側に飛散させたり、流出させたりすることになるので、軸部材1aの周面に摺接する軸受20との間の摺接面を潤滑することが可能になっている。
【0085】
このように、軸部材1aが備える潤滑剤保持部材15aが軸受20の内面に対して接触しなくても、その軸部材1aがその軸心を中心に回転・回動する駆動軸である場合、潤滑剤保持部材15aに含まれる潤滑剤を遠心力によって外側に飛散させるなどして、軸部材1aの周面に摺接する軸受20との間の摺接面を潤滑することができる。
【0086】
(実施形態5)
次に、本発明に係る潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法の実施形態5について説明する。なお、実施形態1、実施形態3、実施形態4と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0087】
図5は、所定の摺接部材としての軸受20と、その軸受20に摺動可能に支持される所定の軸部材1bを示している。
なお、実施形態5における軸部材1bは、その軸心を中心に回転・回動する駆動軸である。
【0088】
図5(a)〜(c)に示すように、軸部材1bは、軸部材1bにおける軸受20との摺接面に形成された潤滑剤保持空間11と、軸部材1bにおける軸心側である内部に形成された潤滑剤流路である潤滑剤供給孔13と、潤滑剤保持空間11と潤滑剤供給孔13とを通ずる潤滑剤流路である油穴12と、潤滑剤保持空間11に配設された潤滑剤保持部材15aと、油穴12に充填された潤滑剤供給部材16と、を備えている。
【0089】
軸部材1bは、所定の機器における駆動機構などに所定の動作を行わせるために、その軸方向に進退したり、その軸心を中心に回転・回動したりする駆動軸である。
【0090】
潤滑剤保持空間11は、軸部材1aの周面から1段低い凹部として形成された空間である。
潤滑剤供給孔13は、図示しない潤滑剤貯留槽に貯留されている潤滑剤を、図示しないポンプなどによって潤滑剤保持空間11に供給するための流路である。
油穴12は、潤滑剤供給孔13内の潤滑剤を潤滑剤保持空間11に供給するために形成された貫通孔である。
【0091】
潤滑剤保持部材15aは、例えば、ポリウレタンやポリオレフィンなどに無数の気泡が混入されて成形された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなり、例えば、ポリウレタンからなる発泡ウレタンや、フォームラバー等を用いることができる。
潤滑剤保持部材15aは、潤滑剤保持空間11において、軸部材1bの周面を覆うとともに、軸受20の内面から離間する厚みに形成されている。
また、潤滑剤保持部材15aと一体に成形されてなる潤滑剤供給部材16が油穴12に備えられている。
潤滑剤供給部材16は、潤滑剤供給孔13内に供給された潤滑剤を吸収し、毛細管現象の原理を利用するようにして、その潤滑剤を潤滑剤保持部材15aに染み込ませるように、潤滑剤保持部材15aに潤滑剤を供給するようになっている。
なお、潤滑剤供給部材16は、潤滑剤保持部材15aと同じ多孔性の樹脂材料からなる。
つまり、潤滑剤保持空間11と油穴12にウレタンフォームを注入して、固化させることによって、潤滑剤保持部材15aと潤滑剤供給部材16を一体に成形することができる。
【0092】
そして、軸部材1bは、潤滑剤が含まれる潤滑剤保持部材15aを備えるとともに、その軸心を中心に回転することによって、その回転に伴う遠心力により潤滑剤保持部材15aに含まれる潤滑剤を外側に飛散させたり、流出させたりすることになるので、軸部材1bの周面に摺接する軸受20との間の摺接面を潤滑することが可能になっている。
特に、潤滑剤供給孔13内に供給される潤滑剤が、潤滑剤供給部材16を介して潤滑剤保持部材15aに供給されるようになっているので、常に軸部材1bと軸受20との間の摺接面を潤滑することができる。
【0093】
このように、軸部材1bの潤滑剤供給孔13内に潤滑剤が供給されることによって、潤滑剤保持部材15aは常に潤滑剤を保持することができる。
そして、軸部材1bがその軸心を中心に回転・回動することによって、潤滑剤保持部材15aに含まれる潤滑剤を遠心力により外側に飛散させるなどして、軸部材1bの周面に摺接する軸受20との間の摺接面を潤滑することができる。
【0094】
(実施形態6)
次に、本発明に係る潤滑剤保持部材及び潤滑剤保持部材形成方法の実施形態6について説明する。なお、実施形態1、実施形態3〜5と同一部分には同一符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0095】
図6は、所定の摺接部材としての軸受20と、その軸受20に摺動可能に支持される所定の軸部材1bを示している。
なお、実施形態6における軸部材1bは、その軸心を中心に回転・回動する駆動軸である。
【0096】
図6(a)〜(c)に示すように、軸部材1bは、軸部材1bにおける軸受20との摺接面に形成された潤滑剤保持空間11と、軸部材1bにおける軸心側である内部に形成された潤滑剤流路である潤滑剤供給孔13と、潤滑剤保持空間11と潤滑剤供給孔13とを通ずる潤滑剤流路である油穴12と、潤滑剤保持空間11に配設された潤滑剤保持部材15bと、油穴12に充填された潤滑剤供給部材16と、潤滑剤供給孔13の先端側に充填された潤滑剤供給部材17と、を備えている。
【0097】
潤滑剤供給部材16と潤滑剤供給部材17とは、例えば、ポリウレタンやポリオレフィンなどに無数の気泡が混入されて成形された、潤滑剤を含浸可能な多孔性の樹脂材料からなり、例えば、ポリウレタンからなる発泡ウレタンや、フォームラバー等を用いることができる。
この潤滑剤供給部材16と潤滑剤供給部材17とは、油穴12と潤滑剤供給孔13にウレタンフォームを注入して固化させることによって、一体に成形することができる。
そして、潤滑剤保持空間11において、油穴12から潤滑剤供給部材16が露出したその表面の一部に潤滑剤保持部材15bが形成されている。
つまり、潤滑剤保持部材15bと潤滑剤供給部材16と潤滑剤供給部材17とは、発泡ウレタンで一体に成形されているので、潤滑剤供給孔13内に供給される潤滑剤が、毛細管現象の原理によって潤滑剤供給部材17と潤滑剤供給部材16を介して潤滑剤保持部材15bに、適度な供給量、供給速度で供給されるようになっている。
【0098】
そして、軸部材1bは、潤滑剤が含まれる潤滑剤保持部材15bを備えるとともに、その軸心を中心に回転することによって、その回転に伴う遠心力により潤滑剤保持部材15bに含まれる潤滑剤を外側に飛散させたり、流出させたりすることになるので、軸部材1bの周面に摺接する軸受20との間の摺接面を潤滑することが可能になっている。
特に、潤滑剤供給孔13内に供給される潤滑剤が、潤滑剤供給部材17と潤滑剤供給部材16を介して潤滑剤保持部材15bに供給されるようになっているので、常に軸部材1bと軸受20との間の摺接面を潤滑することができる。
【0099】
なお、以上の実施の形態においては、所定の軸部材1、1a、1bは円筒形の軸部材として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、軸部材は、例えば、レール状の軸部材であってもよく、その軸部材と摺接部材との間の摺接面に配設される潤滑剤保持部材の形状も、その摺接面の形状に応じた任意の形状であってよい。
【0100】
また、以上の実施の形態においては、摺接部材として、軸部材を摺動可能に支持する軸受として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、摺接部材は、軸部材の軸方向に沿って摺動して移動する部材であってもよい。
【0101】
また、以上の実施の形態において、潤滑剤保持部材を形成する際に、潤滑剤保持部材を所定の形状に成形する型枠として、潤滑剤保持部材形成用の仮軸や仮軸受を用いる潤滑剤保持部材形成方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、実際に使用する軸部材と軸受とにより形成される潤滑剤保持空間にウレタンフォームを注入するようにして、発泡ウレタン、多孔性の樹脂材料からなる潤滑剤保持部材を形成するようにしてもよい。
【0102】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明に係る潤滑剤保持部材を備えるピンを示す説明図であり、ピンを示す側面図(a)、図1(a)のb−b線における断面図(b)、ピン本体を断面視したピンを示す一部断面側面図(c)である。
【図2】本発明の実施形態2において、潤滑剤保持部材を備える軸受が軸部材を支持する状態を示す説明図であり、軸受の一部断面視側面図(a)と、図2(a)のb−b線における断面図(b)である。
【図3】本発明の実施形態3における潤滑剤保持部材を備える軸部材が軸受に支持される状態を示す説明図であり、軸受に支持される軸部材を示す断面側面図(a)、図3(a)のb−b線における断面図(b)、軸受を断面視して軸部材を示す側面図(c)である。
【図4】本発明の実施形態4における潤滑剤保持部材を備える軸部材が軸受に支持される状態を示す説明図であり、軸受に支持される軸部材を示す断面側面図(a)、図4(a)のb−b線における断面図(b)、軸受を断面視して軸部材を示す側面図(c)である。
【図5】本発明の実施形態5における潤滑剤保持部材を備える軸部材が軸受に支持される状態を示す説明図であり、軸受に支持される軸部材を示す断面側面図(a)、図5(a)のb−b線における断面図(b)、軸受を断面視して軸部材を示す側面図(c)である。
【図6】本発明の実施形態6における潤滑剤保持部材を備える軸部材が軸受に支持される状態を示す説明図であり、軸受に支持される軸部材を示す断面側面図(a)、図6(a)のb−b線における断面図(b)、軸受を断面視して軸部材を示す側面図(c)である。
【図7】従来のピンが潤滑剤保持部材を備える状態を示す説明図であり、ピンを示す側面図(a)、図7(a)のb−b線における断面図(b)である。
【図8】従来のピンにおいて内部空間にグリースを金属栓で封入する状態を示す説明図であり、ピンを示す側面図(a)、図8(a)のb−b線における断面図(b)、図8(a)のc−c線における断面図(c)である。
【符号の説明】
【0104】
1 軸部材
2 ピン(軸部材)
21 ピン本体
22 潤滑剤保持空間
23 油穴(潤滑剤流路)
25 潤滑剤保持部材
26 潤滑剤供給部材
2a 軸受(摺接部材)
21a 軸受本体
22a 潤滑剤保持空間
23a 油穴(潤滑剤流路)
25a 潤滑剤保持部材
1a、1b 軸部材
11 潤滑剤保持空間
12 油穴(潤滑剤流路)
13 潤滑剤供給孔(潤滑剤流路)
15、15a、15b 潤滑剤保持部材
16 潤滑剤供給部材
17 潤滑剤供給部材
20 軸受(摺接部材)
【出願人】 【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
【出願日】 平成17年8月31日(2005.8.31)
【代理人】 【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司

【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男


【公開番号】 特開2007−64362(P2007−64362A)
【公開日】 平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願番号】 特願2005−251248(P2005−251248)