| 【発明の名称】 |
建設機械 |
| 【発明者】 |
【氏名】三宮 直人
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| 【要約】 |
【課題】グリースを外部に流出させることなく、グリースタンク内にグリースを給油したときの給油状態を容易に確認できるようにする。
【解決手段】グリースタンク15の上面板15E上には、上昇するグリース16の油面16Aによって押動されることにより、フロート25を上方に変位させるフロート機構21を設ける構成とした。従って、グリースタンク15内にグリース16を給油した場合には、グリースタンク15がグリース16で満たされたときにフロート機構21のフロート25が上側に突出する。これにより、作業者は、フロート25を目視しているだけでグリースタンク15内がグリース16で満タンになったことを容易に、かつ正確に確認することができる。また、グリース16の流出を防止することにより、グリース16による土壌の汚染等を未然に防ぐことができる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 自走可能な車体と、該車体の前側に設けられた作業装置と、前記車体に搭載され前記車体および作業装置の動力源となる原動機と、前記作業装置の給脂を必要とする部位に向けグリースを供給する給脂手段と、前記車体に搭載され該給脂手段によって給脂されるグリースを貯えるグリースタンクとを備えてなる建設機械において、 前記グリースタンクには、当該グリースタンク内にグリースを給油したときの給油状態を知らせるフロート手段を設ける構成としたことを特徴とする建設機械。 【請求項2】 前記フロート手段は、フロートの変位を直接的に読み取る直読式のフロート手段として構成してなる請求項1に記載の建設機械。 【請求項3】 前記フロート手段は、フロートの変位を検出するスイッチを備えた電気式のフロート手段として構成し、該フロート手段には、前記スイッチの出力信号に基づいてグリースの給油状態を作業者に知らせる報知手段を設ける構成としてなる請求項1に記載の建設機械。 【請求項4】 前記車体は、下部走行体上に搭載されたフレームと、前記原動機を含む各種機器を覆うように該フレーム上に設けられた建屋とを備え、前記グリースタンクは、前記建屋の上部位置に配設する構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば作業装置等の給脂部位にグリースを供給する給脂手段とこの給脂手段によって給脂されるグリースを貯えるグリースタンクとを備えた建設機械に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に、建設機械としての油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回装置を介して旋回可能に搭載された上部旋回体と、該上部旋回体の前側に俯仰動可能に設けられた作業装置とにより大略構成されている。また、上部旋回体は、支持構造体をなす旋回フレームを有し、該旋回フレーム上には、オペレータが搭乗するキャブ、原動機となるエンジン、油圧ポンプ、燃料タンク、作動油タンク等が設けられている。 【0003】 ここで、油圧ショベルによって作業を行うと、作業装置の回動部位、旋回装置の歯車、軸受等を潤滑しているグリース(潤滑油)が少なくなったり、劣化したりする。このため、油圧ショベルには、稼動時間が所定時間に達したときに各給脂部位にグリースを給脂するグリースポンプ等からなる給脂手段が設けられている。 【0004】 一方、油圧ショベルには、給脂手段によって給脂されるグリースを一時的に貯えるグリースタンクを搭載したものがある(例えば、特許文献1参照)。このグリースタンクは、例えば複数回の給脂作業で使用する分のグリースを収容することができる。 【0005】 【特許文献1】特開平11−132392号公報 【0006】 そして、給脂作業を行う場合には、給脂手段のグリースポンプを駆動するだけでグリースタンク内に予め貯えているグリースを、作業装置、旋回装置等の各給脂部位に給脂することができる。これにより、給脂作業時には、例えばタンクローリ車の手配、タンクローリ車のホースの接続作業等を省略することができる。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、グリースは、粘度が高く、透明性も低いから、その油面をみる覗き窓をグリースタンクに設けたとしても、覗き窓にはグリースが粘着した状態になってしまう。このため、グリースタンク内にグリースを給油するときに作業者は、該タンク内の給油状態を知ることができないから、グリースタンク内にグリースが十分に満たされた状態(以下、満タンという)か判断することができない。 【0008】 そこで、グリースタンクの上部にホースを接続し、このホースからグリースが漏れ出たことで満タンであることを判断する方法が考えられる。しかし、ホースからグリースを流出させると、このグリースが周囲を汚すことになるから、給油の度に清掃作業を行わなくてはならないという問題がある。 【0009】 本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、グリースを流出させることなく、グリースタンク内にグリースを給油したときの給油状態を容易に知ることができるようにした建設機械を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明による建設機械は、自走可能な車体と、該車体の前側に設けられた作業装置と、前記車体に搭載され前記車体および作業装置の動力源となる原動機と、前記作業装置の給脂を必要とする部位に向けグリースを供給する給脂手段と、前記車体に搭載され該給脂手段によって給脂されるグリースを貯えるグリースタンクとを備えてなる。 【0011】 そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記グリースタンクには、当該グリースタンク内にグリースを給油したときの給油状態を知らせるフロート手段を設ける構成としたことにある。 【0012】 請求項2の発明によると、前記フロート手段は、フロートの変位を直接的に読み取る直読式のフロート手段として構成したことにある。 【0013】 請求項3の発明によると、前記フロート手段は、フロートの変位を検出するスイッチを備えた電気式のフロート手段として構成し、該フロート手段には、前記スイッチの出力信号に基づいてグリースの給油状態を作業者に知らせる報知手段を設ける構成としたことにある。 【0014】 請求項4の発明によると、前記車体は、下部走行体上に搭載されたフレームと、前記原動機を含む各種機器を覆うように該フレーム上に設けられた建屋とを備え、前記グリースタンクは、前記建屋の上部位置に配設する構成としたことにある。 【発明の効果】 【0015】 請求項1の発明によれば、グリースタンクにグリースを給油するときには、該タンク内に流入するグリースの油面に応じてフロート手段が変位するから、作業者は、グリースタンク内にグリースを給油したときの給油状態をフロート手段によって知ることができる。この結果、グリースを外部に溢れさせたりすることなく、例えばグリースタンク内にグリースが満たされた満タン状態か否かを容易に、かつ正確に判断することができ、給油作業の作業性を向上することができる。 【0016】 請求項2の発明によれば、フロート手段のフロートは、グリースタンク内のグリースの油面に応じて変位するから、作業者は、このフロートの変位を直接的に読み取ることにより、グリースタンク内へのグリースの給油状態を知ることができる。 【0017】 請求項3の発明によれば、フロート手段のフロートがグリースタンク内のグリースの油面に応じて変位すると、スイッチはこのフロートの変位を検出することができる。これにより、スイッチからの出力信号に基づき、ランプ、ブザー、表示器、音声等の報知手段を用いてグリースの給油状態を作業者に知らせることができる。これにより、給油作業を行う作業者がグリースタンクから離れている場合でも、報知手段を作業者の近くに配設することができるから、一人の作業者だけでグリースの給油作業を行うことができる。 【0018】 請求項4の発明によれば、グリースタンクは建屋の上部位置に配設しているから、グリースタンクと作業装置の各給脂部位との間の配管等を短くすることができる。また、グリースタンクを高い位置に配置することにより、給脂手段を構成するグリースポンプとして出力の小さいものを用いることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 以下、本発明の実施の形態に係る建設機械として大型の油圧ショベルを例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。 【0020】 まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は建設機械としての大型の油圧ショベルで、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載され該下部走行体2と共に車体を構成する上部旋回体4と、該上部旋回体4の前側に俯仰動可能に設けられた後述の作業装置10とにより大略構成されている。 【0021】 ここで、上部旋回体4は、下部走行体2上に旋回可能に設けられた旋回フレーム5と、該旋回フレーム5の左前側に搭載されたキャブ6と、前記旋回フレーム5の後部に取付けられ、作業装置10との重量バランスをとるカウンタウエイト7と、前記旋回フレーム5に搭載され、下部走行体2および作業装置10の動力源となる原動機としてのエンジン8(図1中に点線で図示)と、作業装置10の右側から後側に亘って旋回フレーム5上に設けられた建屋9とにより大略構成されている。また、建屋9内は機械室となり、この機械室内には、エンジン8、油圧ポンプ、ラジエータ、オイルクーラ、燃料タンク、作動油タンク等(いずれも図示せず)の各種機器が配設されている。 【0022】 10は上部旋回体4の前部に俯仰動可能に設けられた作業装置を示している。この作業装置10は、旋回フレーム5の前側にピン結合されたブーム10Aと、該ブーム10Aの先端側にピン結合されたアーム10Bと、該アーム10Bの先端側にピン結合されたローダ式のバケット10Cと、これらを俯仰動(回動)させるためのブームシリンダ10D、アームシリンダ10E、バケットシリンダ10F等とにより大略構成されている。 【0023】 ここで、ブーム10A、アーム10B、バケット10Cおよび各シリンダ10D,10E,10Fは、取付け相手となる部材に対して回動可能にピン結合されている。そして、これらのピン結合部は、ブーム10A、アーム10B、バケット10Cのピン結合部、旋回装置3の噛合部等と共に後述の給脂機構12によってグリース16を給脂する必要がある給脂部位11(図1、図7参照)となっている。 【0024】 12は旋回装置3、作業装置10等の給脂部位11に向けグリース16を供給する給脂手段としての給脂機構を示している。この給脂機構12は、後述のグリースタンク15の上部に設けられたグリースポンプ13と、該グリースポンプ13が吐出したグリース16を各給脂部位11に導く給脂配管14とにより大略構成されている。 【0025】 ここで、グリースポンプ13は、グリースタンク15の上面板15Eに取付けられ、該グリースタンク15内のグリース16を給脂配管14を経由して旋回装置3、作業装置10等に設けられた各給脂部位11に向けて供給するものである。また、グリースポンプ13は、図7に示すように、吸込側となる吸込管13Aがグリースタンク15内の底部側に延び、吐出口13Bは給脂配管14に接続されている。そして、グリースポンプ13は、油圧ショベル1の稼動状況に応じて給脂のタイミングを制御する給脂用コントローラ(図示せず)と接続されている。 【0026】 15は上部旋回体4に搭載されたグリースタンクで、該グリースタンク15は、図1、図2に示すように、上部旋回体4の右前側に位置して建屋9の上面をなす上板9A上に配設されている。また、グリースタンク15は、例えば複数回の給脂作業を行うのに十分な量のグリース16を一時的に貯えるもので、箱型状の金属製容器として形成されている。即ち、グリースタンク15は、図3に示す如く、上部旋回体4の前側に位置する前面板15Aと、後側に位置する後面板15Bと、左,右方向の左側に位置する左面板15Cと、右側に位置する右面板15Dと、上側を閉塞する上面板15Eと、下側を閉塞する底面板15Fとにより密閉構造体を構成している。 【0027】 また、グリースタンク15の上面板15Eには、図4に示すように、例えば円形状の開口15Gが形成され、該開口15Gの周囲には、上面板15Eから上側に突出するように円環状の取付座15Hが溶接手段等を用いて固着されている。そして、取付座15Hには、後述するフロート機構21のベース板22が取付けられている。 【0028】 17はグリースタンク15の右面板15Dに設けられたホース接続部を示している。このホース接続部17は、グリースタンク15内にグリース16を給油するときの流入口または排出するときの排出口となるもので、後述の供給ホース19、排出ホース20の先端部が接続されている。 【0029】 また、18は旋回フレーム5の後側に設けられたメンテナンス用の接続口集合体(図1中に図示)を示している。この接続口集合体18は、例えばアーム18Aを介して旋回フレーム5に回動可能に取付けられ、これにより、掘削作業等を行うときには邪魔にならないように旋回フレーム5側に収めることができる。また、接続口集合体18は、図6に示すように、複数個の接続口18Bを有し、各接続口18Bのうち2つの接続口18Bは供給ホース19、排出ホース20を通じてグリースタンク15のホース接続部17に接続されている。また、他の接続口18Bには、エンジン8、ラジエータ、オイルクーラ、燃料タンク、作動油タンク等に対してエンジンオイル、エンジン冷却水、燃料、作動油等を供給、排出するための他のホース(いずれも図示せず)が接続されている。 【0030】 そして、接続口集合体18は、例えばグリースタンク15にグリース16を給油する場合、グリース給油用の接続口18Bに後述するタンクローリ車27の給油ホース27Aを接続する。この状態で、給油ホース27Aからグリース16を吐出することにより、供給ホース19を介してグリースタンク15内にグリース16を給油することができる。 【0031】 21はグリースタンク15に設けられたフロート手段としてのフロート機構で、該フロート機構21は、グリースタンク15の上面板15Eに設けられている。また、フロート機構21は、グリースタンク15内にグリース16を給油したときの給油状態、例えば図5に示すように、グリースタンク15内がグリース16によって満たされた状態(以下、満タンという)になったか否かを作業者に知らせるものである。さらに、フロート機構21は、後述するフロート25の変位を目視によって直接的に読み取ることにより、満タンを判断する直読式のフロート手段として構成されている。詳しくは、フロート機構21は、後述のベース板22、シール部材24、フロート25、ストッパリング26等により大略構成されている。 【0032】 22はグリースタンク15の開口15Gを覆うように取付座15Hに取付けられたベース板を示している。このベース板22は、円板状に形成され、その周囲が複数本のボルト23を用いて取付座15Hに取付けられている。また、ベース板22の中央には、フロート25が挿着される挿着孔22Aが形成されている。 【0033】 24はベース板22の挿着孔22Aに取付けられたシール部材を示している。このシール部材24は、挿着孔22Aに挿着されたフロート25の筒部25A外周面に摺接することにより、グリースタンク15内に外部の雨水や塵埃が侵入するのを防止すると共に、グリースタンク15内のグリース16の漏洩を防止するものである。 【0034】 25はベース板22の挿着孔22Aに上,下方向に変位可能に挿着されたフロートを示している。このフロート25は、上,下方向に延びる円筒状の筒部25Aと、該筒部25Aの上側を閉塞する蓋部25Bと、前記筒部25Aの下側を閉塞する底部25Cとにより、内部が中空となったカプセル状の密閉容器として構成されている。 【0035】 また、フロート25には、筒部25Aの下側部位を拡径することにより鍔状の下側ストッパ25Dが形成されている。これにより、下側ストッパ25Dは、フロート25が上側に変位したときに挿着孔22Aの周囲に位置するベース板22の下面に当接することにより、図5に示す最大突出位置(最大上昇位置)でフロート25の変位を規制すると共に、該フロート25が外部に飛び出すのを防止する。 【0036】 さらに、筒部25Aの外周面には、フロート25が最大突出位置に配置されたことを明示する目印25Eが設けられている。この目印25Eとしては、フロート25が図5に示す最大突出位置に配置されたときに、シール部材24の上部から突出する線(横線)、この線を指し示す図形(矢印)、満タンを意味する文字、記号等を用いることができる。これにより、グリース16の給油時には、シール部材24の上部よりも目印25Eが突出しているか否かをみるだけで、作業者はグリースタンク15が満タンになったか否かを容易に、かつ正確に判断することができる。 【0037】 26はフロート25を構成する筒部25Aの上側位置に取付けられたストッパリングを示している。このストッパリング26は、下側ストッパ25Dに対向する上側ストッパをなすもので筒部25Aの外周側に嵌着されている。そして、ストッパリング26は、フロート25が下側に変位したときにシール部材24の上部に当接することにより、該フロート25がグリースタンク15内に脱落するのを防止するものである。 【0038】 ここで、フロート機構21は、図3、図4に示すように、グリースタンク15内のグリース16が少なくその油面16Aがフロート25から離れている場合、該フロート25が自重等の作用によって下側に変位している。これにより、フロート25は、ストッパリング26をシール部材24の上部に当接させた最大引込位置(最大下降位置)に配置されている。 【0039】 一方、フロート機構21は、グリースタンク15内のグリース16の油面16Aが上昇してフロート25の底部25Cに当接した場合、フロート25はグリース16により押圧されて浮き上がる。また、グリース16の油面16Aがさらに上昇し、図5に示す如く、グリースタンク15内がグリース16で満たされた満タン状態となるまで油面16Aが上昇すると、フロート25は最大突出位置まで上昇するから、目印25Eを露出させて作業者に満タンを知らせることができる。 【0040】 なお、27はグリース16等を給油するために用意されたタンクローリ車(図1中に図示)で、該タンクローリ車27には、大量のグリース16が収容されている。そして、このタンクローリ車27は、給油ホース27Aの先端を接続し、ポンプ(図示せず)を駆動することによりグリース16を給油することができる。 【0041】 第1の実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、油圧ショベル1を操作して作業を行なうときの動作について説明する。 【0042】 まず、オペレータは、キャブ6内に搭乗して走行用の操作レバー(図示せず)を操作することにより、下部走行体2のクローラを駆動して油圧ショベル1を前進または後退させることができる。また、オペレータは、作業用の操作レバー(図示せず)を操作することにより、旋回装置3によって上部旋回体4を旋回させたり、作業装置10を俯仰動させたりして土砂の掘削作業等を行なうことができる。 【0043】 次に、油圧ショベル1の旋回装置3、作業装置10の給脂部位11にグリース16を給脂する場合について説明する。まず、油圧ショベル1の稼動時間が所定の時間に達すると、給脂用のコントローラによってグリースポンプ13が駆動されるから、グリースタンク15内に予め貯えられたグリース16を各給脂部位11に給脂することができる。そして、グリースタンク15は、多くのグリース16を貯えているから、タンクローリ車27の手配、タンクローリ車27の給油ホース27Aの接続作業等を行うことなく、複数回の給脂作業を容易に行うことができる。 【0044】 一方、複数回の給脂作業を行うとグリースタンク15内のグリース16が少なくなるから、該グリースタンク15内にグリース16を給油する必要がある。そこで、グリースタンク15にグリース16を給油するときの動作について説明する。 【0045】 まず、グリースタンク15にグリース16を給油する場合には、給油の準備作業として、図1に示すように、例えばグリース16を積載したタンクローリ車27を手配し、接続口集合体18を旋回フレーム5側から引き降ろし、該接続口集合体18に設けられたグリース給油用の接続口18Bにタンクローリ車27の給油ホース27Aを接続する。 【0046】 次に、準備作業が完了したら、タンクローリ車27のポンプを操作する地上の作業者と、上部旋回体4に搭乗してグリースタンク15のフロート機構21を確認する補助作業者とを配置する。この状態で、地上の作業者は、タンクローリ車27のポンプを駆動することにより、給油ホース27A、供給ホース19等を通じてグリースタンク15内にグリース16を給油する。 【0047】 そして、グリースタンク15へのグリース16の給油が進み、グリースタンク15内がグリース16によって満たされると、図5に示すように、グリース16に押し上げられてフロート機構21のフロート25が上方に突出する。このときに補助作業者は、フロート25の目印25Eを目視で直接的に読み取るだけで、グリースタンク15内がグリース16で満タンになることを知ることができる。そこで、補助作業者はフロート25の変位を地上の作業者に知らせ、これを受けた地上の作業者はポンプを停止することにより、グリースタンク15をグリース16で満タンにすることができる。 【0048】 かくして、第1の実施の形態によれば、グリースタンク15には、フロート25が上方に変位することでグリースタンク15内がグリース16で満たされたことを知らせるフロート機構21を設ける構成としている。従って、グリースタンク15にグリース16を給油するときには、グリースタンク15内のグリース16によって変位するフロート25を目視するだけで、グリースタンク15が満タンになったことを容易に、かつ正確に判断することができる。 【0049】 この結果、従来技術で述べたようにグリースタンク15から外部にグリース16を流出させることなく、グリースタンク15にグリース16を満タンまで正確に給油することができるから、グリース16の給油作業の作業性を向上することができる。また、グリース16の流出を防止することにより、該グリース16による土壌の汚染等を未然に防ぐことができる。しかも、グリースタンク15にグリース16を満タンまで正確に給油することにより、数回目の給脂作業の途中でグリース16が足りなくなるような事態を防止できるから、信頼性を向上することができる。 【0050】 また、フロート機構21は、フロート25の変位を目視によって直接的に読み取ることにより、グリースタンク15の満タンを判断する直読式のフロート手段として構成しているから、作業者は、このフロート25を目視しているだけで、グリースタンク15内にグリース16が十分に給油されたか否かを簡単に知ることができる。 【0051】 さらに、フロート機構21は、ベース板22に対してフロート25を上,下方向に変位可能に取付けているだけであるから、フロート機構21の構成を簡略化することができ、製造コストを低く抑えることができる。 【0052】 次に、図8ないし図10は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、フロート手段は、フロートの変位を検出するスイッチを備えた電気式のフロート手段として構成し、フロート手段には、スイッチの出力信号に基づいてグリースの給油状態を作業者に知らせる報知手段を設ける構成としたことにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。 【0053】 図8において、31はグリースタンク15上に設けられた第2の実施の形態によるフロート手段としてのフロート機構を示している。このフロート機構31は、第1の実施の形態によるフロート機構21とほぼ同様に、グリースタンク15内にグリース16を給油したときに、例えば図9に示すように、グリースタンク15内がグリース16によって満タンになったか否かを作業者に知らせるものである。 【0054】 しかし、第2の実施の形態によるフロート機構31は、後述するフロート34の変位を検出する検出スイッチ35を備えた電気式のフロート手段として構成している点で、第1の実施の形態によるフロート機構21と相違している。即ち、フロート機構31は、後述のベース板32、シール部材33、フロート34、検出スイッチ35、満タン表示ランプ36等により大略構成されている。 【0055】 32はグリースタンク15の取付座15Hに取付けられたベース板で、該ベース板32は、円板状に形成され、その周囲が複数本のボルト23を用いて取付座15Hに取付けられている。また、ベース板32の中央には、フロート34の接続軸34Aが挿通する小径の挿着孔32Aが形成されている。また、ベース板32の上面には検出スイッチ35を取付けるためのブラケット32Bが立設されている。 【0056】 33はベース板32の挿着孔32Aに取付けられたシール部材を示している。このシール部材33は、挿着孔32Aに挿着されたフロート34の接続軸34A外周面に摺接することにより、グリースタンク15内に雨水や塵埃が侵入したり、グリースタンク15内のグリース16が漏洩したりするのを防止している。 【0057】 34はベース板32の中央に上,下方向に変位可能に設けられた第2の実施の形態によるフロートを示している。このフロート34は、ベース板32の挿着孔32Aに上,下方向に変位可能に挿着された接続軸34Aと、ベース板32の下側に位置して該接続軸34Aの基端に取付けられた中空部材34Bと、ベース板32の上側に位置して前記接続軸34Aの先端に取付けられたボール34Cとにより構成されている。 【0058】 また、中空部材34Bは、フロート34が上側に変位したときに下側のストッパとしてベース板32の下面に当接することにより、図9に示す最大突出位置でフロート34の変位を規制すると共に、該フロート34が脱落するのを防止する。一方、ボール34Cは、上側のストッパとしてシール部材33に当接することにより、フロート34が下側に変位したときにグリースタンク15内に脱落するのを防止する。 【0059】 35はベース板32のブラケット32B上に設けられた検出スイッチを示している。この検出スイッチ35は、先端部がフロート34のボール34Cの上方に配置された回動可能なレバー35Aを有している。そして、検出スイッチ35は、図9に示す如く、グリースタンク15内にグリース16が満たされてフロート34が最大突出位置まで上側に変位したときに、そのボール34Cによって上側に回動されることによりフロート34の変位を検出し、検出信号を出力して後述の満タン表示ランプ36を点灯させるものである。 【0060】 36は接続口集合体18に設けられた報知手段としての満タン表示ランプ(図10中に図示)を示している。この満タン表示ランプ36は、タンクローリ車27のポンプを操作する作業者が確認することができる位置、例えば供給ホース19が接続される接続口18Bの上側に位置して設けられている。また、満タン表示ランプ36は、検出スイッチ35のレバー35Aがフロート34によって押動されたときに点灯することにより、グリースタンク15内がグリース16で満タンになったことを作業者に報知するものである。ここで、満タン表示ランプ36の他にも、ブザー、合成音声、表示パネル等の手段によりグリースタンク15内が満タンになったことを報知する構成としてもよい。 【0061】 ここで、フロート機構31は、図8に示すように、グリースタンク15内のグリース16が少なくその油面16Aがフロート34の中空部材34Bから離れているときには下側に変位している。一方、グリースタンク15内にグリース16を給油し、その油面16Aが上昇すると、グリース16により押圧されてフロート34が浮き上がる。そして、図9に示す如く、グリースタンク15内がグリース16で満たされた満タン状態になると、フロート34のボール34Cが検出スイッチ35のレバー35Aを回動して満タン表示ランプ36を点灯させる。これにより、作業者は、満タン表示ランプ36の点灯を目視することにより、グリースタンク15の満タンを確認することができる。 【0062】 かくして、このように構成される第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、本実施の形態によれば、検出スイッチ35によってフロート34の変位を検出したときには、接続口集合体18側で満タン表示ランプ36を点灯させることができる。これにより、作業者は、タンクローリ車27のポンプを操作しながらでもグリースタンク15の満タンを確認することができるから、一人の作業者だけでグリース16の給油作業を行うことができる。 【0063】 なお、第1の実施の形態では、フロート25の筒部25Aの外周面に、該フロート25が最大突出位置に配置されたことを明示する横線、矢印、文字からなる目印25Eを設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばフロート25の最大突出位置が判断できるように該フロート25を色分けする構成としてもよい。また、フロート25の目印25Eを廃止し、フロート25の脇に最大突出位置を示す目盛りを立設する構成としてもよい。 【0064】 また、第2の実施の形態では、検出スイッチ35を接触式のスイッチから形成した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば光、磁気等を利用した非接触式のスイッチを用いる構成としてもよい。 【0065】 さらに、各実施の形態では、建設機械として油圧ショベル1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば油圧クレーン、ブルドーザ等の他の建設機械に適用してもよい。 【図面の簡単な説明】 【0066】 【図1】本発明の第1の実施の形態による油圧ショベルを示す正面図である。 【図2】図1の油圧ショベルを作業装置を省略した状態で右側から拡大して示す右側面図である。 【図3】グリースポンプ、グリースタンク、フロート機構等を示す一部破断の要部拡大正面図である。 【図4】図3中のフロート機構とグリースタンクの一部を拡大して示す要部拡大断面図である。 【図5】グリースタンクがグリースで満タンになったときのフロート機構を図4と同様位置からみた要部拡大断面図である。 【図6】図1中の接続口集合体を拡大して示す外観斜視図である。 【図7】各給脂部位にグリースを供給するための全体構成を示す構成図である。 【図8】本発明の第2の実施の形態によるフロート機構をグリースタンクの一部と一緒に示す要部拡大断面図である。 【図9】グリースタンクがグリースで満タンになったときのフロート機構を図8と同様位置からみた要部拡大断面図である。 【図10】満タン表示ランプを設けた接続口集合体を拡大して示す外観斜視図である。 【符号の説明】 【0067】 1 油圧ショベル(建設機械) 2 下部走行体(車体) 4 上部旋回体(車体) 5 旋回フレーム 8 エンジン(原動機) 9 建屋 9A 上板 10 作業装置 11 給脂部位 12 給脂機構(給脂手段) 13 グリースポンプ 14 給脂配管 15 グリースタンク 16 グリース 21,31 フロート機構(フロート手段) 22,32 ベース板 25,34 フロート 35 検出スイッチ 36 満タン表示ランプ(報知手段)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005522 【氏名又は名称】日立建機株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年6月27日(2005.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079441 【弁理士】 【氏名又は名称】広瀬 和彦
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| 【公開番号】 |
特開2007−2982(P2007−2982A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月11日(2007.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願2005−186944(P2005−186944) |
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