| 【発明の名称】 |
生コンクリート圧送用耐圧ホース |
| 【発明者】 |
【氏名】石坂 信吉
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| 【要約】 |
【課題】耐摩耗性、耐圧強度及び可撓性の低下並びに重量アップ、コストアップを招くことなく、摩耗箇所の発見および摩耗状況や摩耗の進行程度を肉眼にても明確に確認し把握でき、しかも、現有の製造設備を用いて生産性よく製造できるようにする。
【解決手段】内面ゴム層4、補強層5及び外面ゴム層6を積層してなる耐圧ホース本体2の端部に接続用口金具3を設けてなる生コンクリート圧送用耐圧ホース1において、前記補強層5を構成する内外の補強コード5A,5Bのトッピングゴム5bを、カーボンブラックで補強構成とされた内面ゴム層4とは色相の異なる赤、黄、白などの着色剤配合材料から構成している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内面ゴム層、内外の補強コード間に補強用螺旋ワイヤを挟在した補強層及び外面ゴム層を積層してなる耐圧ホース本体の端部に接続用口金具を有する生コンクリート圧送用耐圧ホースにおいて、 前記補強層を構成する内外の補強コードのうち、少なくとも内側の補強コードのトッピングゴムを、前記内面ゴム層とは色相の異なる着色剤又は光反射剤配合材料から構成していることを特徴とする生コンクリート圧送用耐圧ホース。 【請求項2】 前記補強層を構成する内外の補強コードのトッピングゴムが、共に前記内面ゴム層とは色相の異なる着色剤又は光反射剤配合材料から構成されている請求項1に記載の生コンクリート圧送用耐圧ホース。 【請求項3】 前記補強層を構成する内側の補強コードが複数層からなり、それら複数層の補強コードのトッピングゴムの全てが前記内面ゴム層とは色相の異なる着色剤又は光反射剤配合材料から構成されている請求項1または2に記載の生コンクリート圧送用耐圧ホース。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば建築あるいは構築現場まで生コンクリート車で輸送されてきた生コンクリートを打設する場合などに用いられる生コンクリート圧送用耐圧ホースに関する。詳しくは、内面ゴム層、内外の補強コード間に補強用螺旋ワイヤを挟在した補強層および外面ゴム層を積層してなる耐圧ホース本体の端部に接続用口金具を有する生コンクリート圧送用耐圧ホースに関する。 【背景技術】 【0002】 この種の耐圧ホースにおいては、その内部を固体粒子の混在する生コンクリートが高圧高速で流動することによって、内面ゴム層が摩耗しやすく、その摩耗が内面ゴム層を消失し製品としての寿命限界ともいえる補強層にまで達すると、さらに摩耗が急速に進行して耐圧力が極端に低下し耐圧ホース本体がバーストする恐れがある。特に、バーストが生コンクリートの圧送時に発生すると、予期せぬ事態を引き起こしかねない。 【0003】 このような予期せぬ事態の発生を避けるために、耐圧ホースの使用直後あるいは使用前にライト等を用いてホース内部を照明したりして、肉眼によって摩耗状態を確認する、いわゆる、日常点検を励行しているが、内面ゴム層の色相はほぼ一様で濃淡(明暗)がないうえに、生コンクリートの一部が内面ゴム層の内周面に付着残留していることが多いことから、肉眼による摩耗箇所の発見自体が困難であり、ましてや摩耗状況や摩耗の進行程度については殆ど確認することが不可能である。 【0004】 そこで、従来、少なくともホースの端部における内面ゴム層を、色の異なる二種以上の着色ゴムからなる積層体から構成することにより、日常点検時に積層体のどの層の着色ゴムまでが摩耗しているかを観察して摩耗状況や摩耗進行程度の確認を行うようにした耐圧ホースが提案されている(例えば、特許文献1参照)。 【0005】 また、内面ゴム層とその外側の補強層との間に導電性感知線を埋設して、この導電性感知線の抵抗値の変化により、内面ゴム層の摩耗進行程度を電気的に検知して確認するようにした耐圧ホースも提案されている(例えば、特許文献2参照)。 【0006】 【特許文献1】特開2002−22068号公報 【特許文献2】特開平5−272469号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかし、先行文献1に示す従来の耐圧ホースの場合は、内面ゴム層自体を着色剤の配合材料から構成しなければならず、カーボンブラックを用いた補強構成とすることができないために、この種の耐圧ホースとして要求度の高い耐摩耗性および耐圧強度の低下は避けられず、耐圧ホース自身の使用寿命が短くなる。また、着色ゴムの積層体であるから、ホース内面の色相はほぼ一様で濃淡がないために、摩耗箇所の発見および摩耗状況を明確に確認することができず、それらの看過により予期せぬ事態を引き起こす可能性がある。 【0008】 また、先行文献2に示す従来の耐圧ホースの場合は、比較的使用寿命の短い耐圧ホースに導電性感知線を使用することにより大きなコストロスを招くとともに、その感知線の埋設に特別な製造手段を採用しなければならず、それだけ製品コストがアップしやすいだけでなく、導電性感知線の埋設に伴い重量増加し、また、該ホースを実使用する際に要望される可撓性も著しく損なわれる。さらに、摩耗状況や摩耗進行程度の確認に際しては、電流計などの特殊な計器を使用する必要があり、このことが日常点検の励行を妨げる原因にもなりかねないという問題があった。 【0009】 本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、耐摩耗性、耐圧強度及び可撓性を低下することなく、また、重量アップ及びコストアップを招くことなく、摩耗箇所の発見および摩耗状況や摩耗の進行程度を肉眼にても明確に確認し把握することができ、しかも、現有の製造設備を用いて生産性よく製造することができる生コンクリート圧送用耐圧ホースを提供することを目的としている。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記目的を達成するために、本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースは、内面ゴム層、内外の補強コード間に補強用螺旋ワイヤを挟在した補強層及び外面ゴム層を積層してなる耐圧ホース本体の端部に接続用口金具を抜止め状態に設けてなる生コンクリート圧送用耐圧ホースにおいて、前記補強層を構成する内外の補強コードのうち、少なくとも内側の補強コードのトッピングゴムを、前記内面ゴム層とは色相の異なる着色剤又は光反射剤配合材料から構成していることを特徴としている。 【発明の効果】 【0011】 上記のような特徴構成を有する本発明によれば、使用に伴って内面ゴム層が経時摩耗し消失した場合、その外周に積層されている補強層のうち、着色剤又は光反射剤配合材料により構成され内面ゴム層とは異なる色相又は光反射特性を呈する内側補強コードのトッピングゴムがホース内面側に局所的に出現することになるため、ライト等を用いてホース内部を照明したりすることにより、摩耗消失箇所に色相の濃淡や光反射度合いの差異による明暗をくっきりと明確に浮き上がらせることができる。したがって、電流計等の特殊な計器を用いるのではなく、ホース内部の照明等といった簡便な日常点検を励行するだけで、摩耗箇所を確実に発見できるのみならず、その摩耗箇所の形状、範囲など摩耗状況や摩耗の進行程度を肉眼にても明確に確認して当該ホースが使用寿命に達したか否かを的確に把握し、ホースのバーストなど予期せぬ事態の発生を未然に防止することができる。 【0012】 しかも、本発明では、内面ゴム層自体を着色剤の配合材料から構成するのではなく、内面ゴム層の外側に設けられる補強層を構成する補強コードのトッピングゴムを着色剤又は光反射剤配合材料から構成するものであるから、内面ゴム層はカーボンブラックを用いた補強構成として耐摩耗性および耐圧強度を十分に確保し使用寿命が可及的に長い耐圧ホースを提供することができる。加えて、この種耐圧ホースの構成要素の一つである補強コードのトッピングゴムを着色する又は光反射特性を付与するだけであるから、そのホース構成要素とは別に導電性感知線等を用いる先行文献2に示す従来の耐圧ホースのような部材点数の増加に伴う重量アップ及びコストアップを招かないだけですむとともに、ホースの可撓性も良好に保持できる。さらに、現有するホース製造設備をそのまま用いて製造することが可能で、使用寿命を容易かつ的確に把握できる耐圧ホースを生産性よく製造することができるという効果を奏する。 【0013】 本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースにおいて、請求項2に記載のように、前記補強層を構成する内外の補強コードのトッピングゴムを共に前記内面ゴム層とは色相の異なる着色剤又は光反射剤配合材料から構成する場合は、摩耗状況や摩耗の進行程度を二度に亘り確認する機会が生じるので、一度の見過ごしがあったとしても、日常点検によって確認しバーストなどの予期せぬ事態が発生する前にホース寿命を的確に把握することができる。 【0014】 また、本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースにおいて、請求項3に記載のように、前記補強層を構成する内側の補強コードを複数層とし、それら複数層の補強コードのトッピングゴムの全てを前記内面ゴム層とは色相の異なる着色剤又は光反射剤配合材料から構成することが望ましい。この場合は、補強コード層の増加に伴いそれら補強コード層の全てが摩耗し消失するまでの時間長さを長く確保して、日常点検による摩耗箇所発見の確実度を高めることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0015】 以下、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。 図1は本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースの第1実施例を示す半截断面図であり、この生コンクリート圧送用耐圧ホース1は、耐圧ホース本体2の一端部内側に高硬度鋼などから形成された接続用口金具3のニップル部3aを挿入させ、かつ、そのニップル部3aの外周面から径外方へ向けて一体に突出させたリンク状突起部3bに耐圧ホース本体2の中間補強層(後述する。)5を構成する補強用螺旋ワイヤ5Cや内側補強コード5Aの端部を物理的に係合させることにより、前記接続用口金具3を抜止め状態に締結して全長8m位の長さに構成されている。 【0016】 前記耐圧ホース本体2は、合成ゴムや天然ゴムからなり前記口金具3の内径と等しい内径を有する内面ゴム層4と、前記中間補強層5と、合成ゴムや天然ゴムからなりその一端に前記口金具3のニップル部3aの外周面に弾接されるリング状の肉厚部6aを有する外面ゴム層6との積層構造に構成されている。前記内面ゴム層4は、カーボンブラックを混入したゴム材料により耐摩耗性に優れた補強構造で全面黒色の色相を呈するように構成されている。 【0017】 前記中間補強層5は、ナイロン、ポリエステルやアラミドあるいはスチール等の補強コード5aをトッピングゴム5bに埋設してなる内外二枚の補強コード5A,5Bとそれら内外二枚の補強コード5A,5B間に挟在された硬鋼線等の補強用螺旋ワイヤ5Cとからなる。 【0018】 上記のような基本構成を備えた生コンクリート圧送用耐圧ホース1において、前記中間補強層5を構成する内外二枚の補強コード5A,5Bにおけるトッピングゴム5bをそれぞれ、内面ゴム層4の黒色とは異なる色相を呈するように、例えば赤、黄、白などの着色剤配合材料から構成している。 【0019】 上記のように構成された生コンクリート圧送用耐圧ホース1においては、それの使用に伴って図2に示すように、耐圧ホース本体2の内面ゴム層4のうち、口金具3に対する締結部位またはその近傍から生コンクリート圧送方向A(ホース軸線方向)の下流側に寄った内面ゴム層4部分が、ある長さ範囲lに亘って経時的に局部摩耗し、その摩耗が進行して当該局所の内面ゴム層4部分が消失した場合、その外周に積層されている中間補強層5における内側補強コード5Aのトッピングゴム5bがホース1内面側に局所的に出現することになる。そのため、日常点検に当たってライト等を用いてホース1内部を口金具3側から照明すると、摩耗消失箇所Xには内面ゴム層4の黒色領域にトッピングゴム5bに着色された赤、黄、白色が部分的に露出して両者の色相の濃淡がくっきりと明確に浮き上がることになるので、口金具3側から覗き込むことにより、摩耗箇所Xを確実に発見することが可能であるのみならず、その摩耗箇所Xの形状、範囲等の摩耗状況も肉眼観察にて明確に確認して当該ホース1が使用寿命に近い状態にまで摩耗したか否かを的確に把握することが可能である。 【0020】 そして、上記のような照明及び肉眼観察による一回目の日常点検で摩耗状況などの確認を見過ごした場合は、中間補強層5における内側補強コード5Aが急速に摩耗し消失されて、図3に示すように、中間補強層5における外側補強コード5Bのトッピングゴム5bがホース1内面側に出現することになる。そのため、次回以降の日常点検に際してライト等を用いホース1内部を照明すると、上記と同様に、摩耗消失箇所Xには内面ゴム層4の黒色領域にトッピングゴム5bに着色された赤、黄、白色が部分的に露出して両者の色相の濃淡がくっきりと明確に浮き上がることになり、摩耗箇所Xの発見並びに摩耗状況、摩耗の進行程度を肉眼観察にて再度確認して当該ホース1が使用寿命に達したか否かを的確に把握することが可能である。 【0021】 このように日常点検を励行することによって、摩耗状況や摩耗の進行程度を二度に亘り確認する機会が生じ、たとえ一度の見過ごしがあったとしても、使用寿命に達した以降に続けて使用することに起因するバーストなど予期せぬ事態の発生を未然に防止することができる。 【0022】 図5は本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースの第2実施例を示す要部の拡大断面図である。この第2実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホース1は、一日の打設量が多い場合や高圧・高速打設などで内面ゴム層4の摩耗量が多い打設条件の場合に用いられるもので、前記中間補強層5における内側補強コード5Aを複数層とし、それら複数層の補強コード5Aのトッピングゴム5bの全てを、例えば赤、黄、白など内面ゴム層4の黒色とは異なる色相を呈するような着色剤配合材料から構成したものである。その他の構成は第1実施例と同様であるため、それらの詳しい説明を省略する。 【0023】 この第2実施例による生コンクリート圧送用耐圧ホース1の場合は、複数層の補強コード5Aの増加(プライ数の増加)に伴いそれら補強コード5Aの全てが摩耗し消失するまでの時間長さを長く確保して、日常点検による摩耗箇所発見の確実度を高めることができる。 【0024】 図6は本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースの第3実施例を示す要部の拡大断面図である。この第3実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホース1は、前記中間補強層5における内側補強コード5Aが摩耗し消失するまでの時間長さを少しでも長く確保する手段として、図7に拡大視するように、内側補強コード5Aのトッピングゴム5bを補強コード5a下部(内側)厚みt1が上部(外側)厚みよりも大きくなるようにアンバランスにトッピングしたものである。 【0025】 この第3実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホース1の場合は、内側補強コード5Aのプライ数を増加させる必要がなく、軽量かつ安価なホース1でありながら、補強コード5Aが摩耗し消失するまでの時間長さを十分長く確保して、日常点検による摩耗箇所発見の確実度を高めることができる。 【0026】 なお、上記第1実施例では、前記中間補強層5を構成する内外二枚の補強コード5A,5Bにおけるトッピングゴム5bを共に、内面ゴム層4の黒色とは異なる色相を呈するような着色剤配合材料から構成したものについて説明したが、内側補強コード5Aのトッピングゴム5bのみを前記着色剤配合材料から構成したものであっても、内面ゴム層4が局部的に摩耗・消失したときの摩耗箇所の発見及び摩耗状況の確認についてほぼ同等の効果を奏するものである。 【0027】 また、上記各実施例では、補強コード5A,5Bのトッピングゴム5a,5bを内面ゴム層4とは色相の異なる着色剤配合材料から構成したものについて説明したが、そのトッピングゴム5a,5bを内面ゴム層4とは光反射特性の異なる光反射剤配合材料から構成したものであってもよい。この場合は、内面ゴム層4が局部的に摩耗し消失したとき、その箇所に光反射度合いに差のある明暗がくっきり明確に浮き上がり、各実施例と同等な効果を奏することが可能である。 【図面の簡単な説明】 【0028】 【図1】本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースの第1実施例を示す半截断面図である。 【図2】第1実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホースにおける局部摩耗の発生状況を示す要部の拡大断面図である。 【図3】第1実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホースにおける局部摩耗状況の確認を見過ごした場合の摩耗進行状況を示す要部の拡大断面図である。 【図4】第1実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホースにおける内側補強コードの部分拡大断面図である。 【図5】本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースの第2実施例を示す要部の拡大断面図である。 【図6】本発明に係る生コンクリート圧送用耐圧ホースの第3実施例を示す要部の拡大断面図である。 【図7】第3実施例の生コンクリート圧送用耐圧ホースにおける内側補強コードの部分拡大断面図である。 【符号の説明】 【0029】 1 生コンクリート圧送用耐圧ホース 2 耐圧ホース本体 3 接続用口金具 4 内面ゴム層 5 中間補強層 5A 内側補強コード 5B 外側補強コード 5a 補強コード 5b トッピングゴム 6 外面ゴム層 A 生コンクリート圧送方向 X 摩耗箇所
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003148 【氏名又は名称】東洋ゴム工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年9月12日(2005.9.12) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−78007(P2007−78007A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月29日(2007.3.29) |
| 【出願番号】 |
特願2005−263238(P2005−263238) |
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