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【発明の名称】 |
旋回接ぎ手装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】澤 司郎 |
【課題】高圧で使用のスクロール圧縮機の旋回スラスト受けに、ローラーを使用した場合の課題は、軸受けの質量による振動、騒音対策と転がり面が僅かでも磨耗するとその累計がスクロールメンバのシール部の隙間になりガス漏れする、その磨耗対策である。
【解決手段】ローラーの偏りを防ぐセンタリング部材の、ローラー収納ポケットの位置、ローラーの個数nと、ローラーの直径dと、ローラーの長さL、並びにスクロールの旋回半径eの寸法関係を幾何学的法則で決めることで、中間軌道輪の質量厚さを最小化して振動騒音を軽減し強度を確保、又ローラーが永久に同じ場所で微小範囲を揺動することで生ずる陥没磨耗に対して、軌道輪を回す。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 第一軌道輪と中間軌道輪の間にX方向と、中間軌道輪と第二軌道輪の間にY方向に直動するローラーを介装して成るスクロール圧縮機の旋回ローラー接ぎ手において、ローラーの位置の偏りを防ぐ板状の部材の、ポケット穴に複数個のローラーを収容したとき、ローラーの直径dと、ローラーの並列配置の本数nと、ローラーの全長Lと、スクロールの旋回半径eとが、d×(n−1)+e≦Lの関係の法則で成ること、並びに前記板状部材のポケットの位置をX,Y座標で表示したとき、X軸から時計方向に数えてn番目のポケットの中心点PnXから、座標の0点までの距離Aが、Y軸から反時計方法に数えてn番目のポケット中心点のPnYから前記0点までの距離Bと、A=Bの関係で、PnXと0点を結ぶ線分とX軸との成す交角/α°と、PnYと0点を結ぶ線分とY軸とで成す交角∠β°が∠α°=∠β°の法則でなる、旋回接ぎ手装置。 【請求項2】 第一軌道輪と中間軌道輪の間にX方向と、中間軌道輪と第三軌道輪の間にY方向に直動するローラーをそれぞれ介装して成るスクロール圧縮機の旋回ローラー接ぎ手において、ローラーの転送面が半径方向又は円周方向に変位することを特徴とした旋回接ぎ手装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 スクロールコンプレッサの旋回部に使用の旋回接ぎ手の性能に関する。 【背景技術】 【0002】 地球環境の改善課題のうちで温暖化防止に関するものでは、エアコンの脱フロン、中でも自然冷媒の炭酸ガス冷媒の実用化が急がれる。炭酸ガス冷媒を採用する際、超臨界を得るために従来のフロンに比べて5乃至10倍もの高圧を要する。圧縮機の種類の中で、一対の渦巻状の羽根を自転を禁止しつつ相対的に旋回することで、羽根で形成される三日月状の空間容積が外側から中心に向かうに従って収縮する原理のスクロール形の圧縮機がある。 当圧縮機は、部品点数が少なく圧縮時の脈動が少ないことから、静粛性、小型化、高速回転、高効率の点で有利とされ普及しつつある。 【0003】 ところが当該圧縮機では旋回するスクロールメンバの側面に内圧により巨大な圧縮反力が生じ、これを支えて旋回運動を司る旋回軸受部には大きなスラスト荷重が作用する。しかも圧縮圧力の作用点が軸受の軸心に対して偏心しているため軸受部に大きな偶力が作用する。従来当部位に使用のボールカップリング及びオルダムリングでは、軸受部における磨耗、摩擦損失、微小の揺動振幅に伴う油膜の形成力不足などの点で課題が多く、技術的にCO2冷媒への転換を妨げる要因であった。特にスクロール形圧縮機では高効率化のために10000rpm以上の高速回転で且つ10乃至14MPaの高圧で使用のため、一回転当りの吐出量を小さくする傾向があり、そのためスクロールメンバの相対旋回半径は1.5乃至3ミリといった小さな範囲の旋回運動となる。 接ぎ手部の課題は、上記の使用条件下でエアコンに要求される1000時間以上の耐摩耗性と転がり面の疲労剥離への耐久性能を要し、低摩擦係数、低い振動、騒音、更には低コスト、高信頼性、組み付け作業性、小型軽量化が付随して求められる。 【0004】 特にオルダム接ぎ手のような高面圧、高速の微小揺動振幅でのスベリ接触では、流体力学的に油膜の構成が甚だ困難で、圧縮されたガス圧を導入して軸受部に背圧をかけて荷重を緩和する手段が採用されて来た。しかし軸受部の簡素化、摩擦抵抗の軽減、偶力に対する傾きの剛性などの有利性から転がり接触が望ましく、転動体にニードルローラーを用いた手段として近時、特開2000−186680、2000−186680、2000−345982、2002−242940、2002−242939、2002−242927、2002−242857など転がり接触化の試みが提案されて来た。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 前記の、好適とされている転がり軸受のニードルローラー使用の接ぎ手には、以下の課題が残されている。 【0006】 ローラー接ぎ手は、三枚で構成された軌道輪の一枚目と二枚目の間にX方向に転がるローラーを、二枚目と三枚目の間にはY方向に転がるローラーを挟設して成る積層形態のタンデム形の旋回スラスト接ぎ手(軸受)であって、これを実施する際の課題は、スクロール圧縮機の内圧を受けて運転した時に、ローラーには高い接触面圧1GPa相当が作用し且つ高速でX方向とY方向にそれぞれ毎秒180Hzもの速さで、1.5〜3.0ミリの微小の振幅でこの極めて狭い範囲内で永久に同じ場所で揺動するためにローラーの接触下で潤滑油の供給よりも払拭速さが勝り乾燥状態の金属接触を生ずることがある。その条件化で運転すると転がり面に磨耗粉が発生してフレッティングコロージョンと称する褐色の錆を伴って陥没磨耗痕を生ずる。かかる不具合は揺動範囲が小さいほど、又ローラが太く慣性質量が大きいほど発生し易く、実験では運転初期段階で発生することが確認され、圧縮機としては致命的損傷となる。特にスクロール圧縮機では軸受が僅かでも磨耗すると、その分だけスクロールメンバのガスのシール面の隙間が拡大し圧縮性能が低下するので、磨耗は致命的な課題である。 【0007】 当該転がり接触では構造上X,Yローラーを積層した時に形成されるローラーの交点で中間軌道輪に集中的面圧が作用する。軌道輪の肉厚が仮に極端に薄い場合では、交点以外に軌道輪を裏側で支えるローラーが存在しないので定格荷重が得られない問題があった、そのため集中応力を緩和する目的で剛性の高い厚肉の軌道輪を要していた。 特に当該接ぎ手では偏心荷重と偶力で軸受の半周が浮きあがることが想定される。この状態で運転されると面圧の低い側のローラーは潤滑油が接触面に閉じ込められて出来る弾性流体潤滑膜(EHL)のせん断強度で生ずる回転駆動力が得られずローラーの慣性が勝って、軌道の高速揺動変位に追随せず、激しいバックスピンのようなスリップを繰り返して擦過焼けを生じて軌道表面の損傷を助長する。又 CO2冷媒の圧縮機では冷媒が潤滑油中に溶け込み粘度の低下で、転がり接触の構成要件である前記EHLの油膜形成能力の低下が予想され、更にCO2ガスと潤滑油の混合比率が5%以下の貧潤滑状態であるから磨耗の課題が顕在し、圧縮機の密封性能を低下させる。 【0008】 次に、転がり接触にした場合には、従来のオルダムリングでスラストを受ける表面積と、同等の面積の中に、出来る限り多くの軽量のローラーを配置してローラーの接触面圧を下げる必要がある。そのためにはローラーが揺動する際の偏りを防ぐ位置決め用の制御板にはローラーを収納するポケット穴が最多数になるような配置を要し又、ポケットは経済性の観点から安価な帯鋼板からのプレス打ち抜き製法が好ましい。その場合ポケットの間隔が狭すぎるとプレス打ち抜き時に材料の塑性流動でポケットを区切る柱が減肉し、強度が低下すると同時に加工も困難となる。又、スクロールの内圧による反力で生ずる偏心荷重とモーメントによる偶力の合成のスラスト負荷に対して、制御板の円周上のピッチ円上にローラーを等間隔に配分した配置では、負荷分布に対応することが出来ず定格荷重の確保が困難と言った課題がある。 【0009】 次の課題に、当該軸受の構成部材の内、X向きとY向きに転がる転動ローラーに挟接される中間の軌道輪は、高速で揺動振幅するため質量が大きいと周囲を加振するので大きな振動騒音原因となり、当該環境重視の設備では騒音は致命的課題である。そのため接ぎ手の軌道輪の揺動による振動を打ち消すカウンタバランサーを中間軌道輪に直接追加した特開2005−042692の1項、並びに軸方向に離れた位置にバランサーを設けた特開2004−324462が提案されて来た。又 振動を減らす目的の軽量化の工夫に特開2005−042692の請求項3の如く、軌道輪の内外周囲を階段状に段付き形状にして、ローラーの転送面のみを残した軽量化技術が提案されてきた。 【0010】 更なる課題に、当該軸受では、ローラーが何年間にも亘って、永久に1.5〜3mmの狭い範囲を高圧でしかも高速で揺動転動するため、ローラーの転送面に局部的な陥没状の磨耗痕を生ずる。特に当該軸受けでは、軌道輪を積層するため、ローラーとの接触面が4面になる、その個々の磨耗量の累計がスクロールの密封摺接面の隙間の拡大になる。例えば軌道面が0.004mm磨耗しても合計で0.02mmがスクロールの側面の隙間拡大になるので圧縮能力の著しい低下に繋がる。 【0011】 以上の課題を図面で説明すると、図7の中間軌道輪2は表裏からローラー6と7で最大接触面圧1Gpa以上の高圧で挟接されてX,Y方向に揺動するので、当該軌道輪には高い圧縮並びに33の如く繰返し曲げ応力を生ずる。肉厚が薄い場合ここに疲労破損を招くとともに、20に示す如くローラーのエッジに応力集中を生じ寿命低下を招く。更に図5は、軌道輪を介してローラーの接触状態をモデル化した図で、X向きローラー7とY向きローラー6の交点を展開した説明モデルを図4に示す。X,Yの交点の個数が旋回範囲内に形成されていればスラスト負荷を交点で均等に受圧することとなるが、旋回に伴い交点が減少すると残された交点の面圧上昇を伴い寿命低下を招く。前記交点を形成するための各寸法の相関の法則の根拠を詳述すると、例えば特開2000−345982のローラーの偏りを防いでローラーを常に幾何学的定位置にセンタリングする制御部材の実施例図2を活用した場合で説明すると、図2の4,5の制御部材のローラーを収容するポケット穴の中に配置したローラーの位置関係を示す断面略視図6、では、図6のローラーの全長を18(L)とし、ローラーの直径をd 両端のローラーの軌道輪との接触点間距離を36、とした時にローラーが旋回によって転動変位して36が37に移動する。この時37が18の範囲内であれば、交点は正しく形成されている。37が18より外になると両端に配置されたローラーは交点を形成せず、受圧可能なローラーの交点数が減るので定格荷重は計算値より低くなる。 従ってローラーの交点を管理すれば所定の軸受寿命を得る。この関係式を式で示すとローラー直径:d ポケット内のローラ収容数n 旋回半径eの時d(n−1)+ε≦L の関係を満たせばよい。従来は面圧の集中を避けるため、軌道輪を厚肉にして面圧を分散する方策が採られていたため、これが結果的にスラスト受け部の総重量が増して、それによる振動騒音が増し、これを軽減するために敢えてバランサーを追加する(特開2004−324452)、重量が増す、部品点数の増加、厚肉による軌道輪の加工性の悪さ、コストの押し上げ、といった課題が悪循環していた。 【課題を解決するための手段】 【0012】 高速、高面圧で揺動するローラーは、スピンスリップを減らすため慣性を小さくする質量の小さな極細ローラーを用い、ローラーを複数個並列してローラーとローラーを互いに接触させて隣接ローラーでもって相互に潤滑剤を転がり接触面に補給し合う工夫がなされ、特開2000−345982、特開2003−184910及び2005−042692の実施例で提案されている。 【0013】 又 当該接ぎ手には、偶力、偏心スラスト荷重が作用するので、負荷に対応してローラーを効率よく最大多数配置するには、軌道輪の周上に板状のローラー位置決めセンタリング部材を設け、このセンタリング部材に設けた略正方形のポケット穴にローラーを収納してセンタリングする。この時ポケットの配置はガイドピンを装設する位置を除いた残りの限られた空間への配置であるから、ポケットを最大数配置するには、各ポケットと中心との距離をそれぞれ異にする一定の法則に沿って配置することで得られる。又 X向き転動ローラーとY向き転動ローラーの各位置決め(センタリング)部材を、単に90°位相するのみでX用とY用の両者を共通化し経済効果をもたらす手段として、ローラー収納ポケットの位置をX,Y座標上に表した時と同様一定の法則に沿って配置することで得られる。 【0014】 即ち図3に示す如く、センタリング部材4,5のローラーを収容するポケットのX,Y座標で表示すると、X軸から時計方向にn番目のポケットの中心PXnとX軸の角度nα°とY軸から反時計方向にn番目のポケット中心PYnとY軸の成す角度nβ°を等しくし、更にPXnとO点間距離と、PYnとO点間距離を等しくする。これを実施すると、中間軌道輪の片面に、X用センタリング部材を、もう一方の面に同じ部材を90°位相してY用センタリング部材として積層したとき、X、Yローラーを投影したときに形成される交点31が、図4に示す旋回径44の範囲の全域に形成される。 【0015】 請求項2では、ローラーが軌道輪上の1.5〜3mmの狭い範囲を永久に揺動するので一箇所に集中した陥没状態の磨耗は避けられない。スクロール圧縮機では、当該部位の磨耗はガス漏れを招き致命的であることは前述の通りである。そこで中間の軌道輪の旋回に伴うXローラーとYローラーの揺動で生ずる転がり摩擦抵抗の僅かな不釣合いと振動、荷重変動を利用して軌道輪を微速度で半径方向又は円周方向に僅かずつ移動させて、同じ箇所での揺動を無くす。その手段として固定側スクロールメンバに対して旋回側スクロールメンバを自転を禁止して旋回させる(当発明実施例ではガイドピンと称する)連結部材に、中間軌道輪部材を係合させ、該中間軌道輪部材と転送面を別部材にして、図8の如く軌道輪のみが径方向又は円周方向に自由に移動可能に隙間55を持たせて嵌合する。 【0016】 この場合、外径が円でなる軌道輪は、図10に示す47の如く表裏からX、Yローラーで挟まれており、且つ前記揺動部材の内側に大きな隙間55で遊嵌されているので、僅かに径方向または円周方向にのみ移動が許される。エアコンでは使用時間が数千から数万時間のため、1時間に0.001mm変位すれば、機能として十分である。 両端の第一第三の軌道輪も同様に、スクロールメンバの側面と受け面のそれぞれに設けた溝内に遊嵌し移動可能に収納するだけでよい。 【発明の効果】 【0017】 軌道輪を薄くした場合、振動騒音の軽減以外に付随効果として、例えば、軌道輪の素材のSK−3又はSK−5等の大量生産中の圧延鋼板を用い、プレスで打ち抜いて成型した後、焼き入れ、バレル研摩を施すのみで、近時の圧延鋼板の持つ高精度の板厚平行度と表面粗さをそのまま活用でき、従来の研削加工を省略し大きな経済効果が得られる。近年スクロール形圧縮機は小型、静粛性、高速性に優れ家電、車両に普及しつつあり、中でも環境改善の要として炭酸ガスなど自然冷媒化が急がれる。当該発明により実施が困難とされていた炭酸ガス冷媒使用時の高圧スクロール圧縮機の旋回スラスト受け部の耐摩耗性、摩擦抵抗の低減、耐圧強度、軽量化、生産性、振動騒音の課題が一挙に解決する。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 本発明の実施の形態を説明すると図2の第一軌道輪1、と中間の第二軌道輪2と、第三軌道輪3とで構成され、各軌道輪は、特殊鋼の例えばSUJ−2、SK−5といった材料を用い、特に第二の中間軌道輪2は、高速で揺動運動するため振動騒音原因となるので質量を減らすために板厚を薄くし且つ内外周を階段状に段付き形状として、ローラーの転送面のみを確保した形状である。又材料の硬さをHRC60〜63に焼き入れ焼き戻し処理を施し、表面を平滑に研摩仕上げをしてある。当該装置の必要精度は、スクロールの旋回メンバと固定メンバとで圧縮ガスを密封するのであるからスキマと予圧が共にゼロで摺接するような軸受精度が望ましく、接ぎ手の幅寸法の変動、ばらつきは極限まで抑える必要があり、各軌道輪の平面度は0.01以下が望ましい。 【0019】 ローラーはSUJ−2材を用い極力直径の細く短い軽量ローラーで、硬さをHRC63以上に焼き入れ硬化し、表面が平滑に研摩仕上げをしてある。図2のローラー6,7の使用数及びサイズは、センタリング制御板の1ポケットあたり数本を並列配置し、サイズと本数は作用するスラスト荷重、回転速度、スクロールの偏心量に合わせて適宜増減して調節する。 ローラーをセンタリングする制御板は、厚さがローラー直径よりも薄く磨き帯鋼板をプレス成型し、表面を硬さHV500以上に熱処理で硬化し耐摩耗性を備える。 ガイドピン8は、焼き入れ硬化の鋼で、硬さがHRC55以上に硬化し耐摩耗性の表面処理を施す。 【0020】 図2のセンタリング制御板(通称保持器)4の外縁には、楕円穴9詳細図3の9を設け、旋回するガイドピン8と係合する。楕円穴9は特開2000−345982で開示されているものでその機能を詳述すると、該楕円穴はスクロールメンバの旋回径eにガイドピン8の直径を加えた値を長径とし、ガイドピンの直径に旋回径の半分を加えた値を短径とした形状にしてある。 X方向の制御板とY方向の制御板それぞれの楕円穴には、クロールメンバーが旋回すると、ガイドピン外径と係合しているので、該センタリング制御板は楕円穴の短径と円運動するガイドピンとが摺接することでローラーの転動方向にのみ、転動距離であるすなわち旋回径の半分の距離だけX方向、又はY方向に揺動駆動される。楕円穴の長径は、ガイドピンの旋回径とが同じため、フリーでガイドピンとは干渉せず、代わりにセンタリング部材の90°の位置にある溝と旋回するガイドピンとで中間軌道輪と同じ方向にローラーの転動変位距離のみ揺動する。 【0021】 中間軌道輪2の表裏のX,Y向きローラー6,7はセンタリング部材でその交点が正しく形成されるので、中間軌道輪に生ずる応力を交点の圧縮応力のみに限定することが出来、結果的に板厚をスラスト荷重に応じて最小の約1mm〜2mm程度の限界まで薄くできる。これで軽量化効果による振動騒音の抑制ならびに軌道輪の鋼板からのプレス打ち抜きが可能とする好適な経済製法を可能にする。更には、中間軌道輪の揺動運動時の力積で生ずるガイドピンとの摺接部の面圧も減少するので、当該部位の摩擦損失も減り且耐久性が向上するといった付随効果がある。 【0022】 又 センタリング制御板はX,Y用で両者は当然共通部材が好ましく、X向きで製造品を90°回転させればY向きとなれば経済効果を更に増すことができる。更に当該スラスト軸受には高荷重で且つ偏心荷重、強大な偶力が作用するため、片側半面のみに大きな荷重が作用する、従ってローラーは前述の如く軌道表面に均等配分では不都合で、荷重に対応して適宜不等配分の最適配置が好ましい。この場合は、センタリング制御板のポケット穴は図3に示す一定の法則の線分PxnからO点の距離とPynからO点までの距離が等しく、α°=β°の条件で配置すれば荷重に対応した合理的配置となる。 当該実施例では、外径φ80で圧縮反力が10000Nの条件で定格荷重は30000Nが得られる。ローラーの最大接触面圧は0.8Gpで回転速度5000rpmの時、転がり軸受としての計算寿命は1万時間となり半永久的となる。 【0023】 請求項2の実施の形態を説明すると、図8の例では、外枠48がガイドピイン52でスクロールメンバに対してX,Y方向に相対的には揺動駆動され自転せずにただ旋回するだけである。外枠48の中には軌道輪47が55の嵌合面に案内され回動するように収納されている。また軌道輪47はX.Yローラーでもって両側から挟まれている。外枠48は、図8の形状の環状に鋼板材からプレスで打ち抜き成型し、焼き入れ硬化する。 この揺動枠48の内側には47のようにローラーを圧受する前記の中間軌道輪相当を遊嵌して案内面55で回動可能に装設する。揺動枠との嵌合面の55は平滑な面を形成し、硬さをHRC60以上に表面を硬化して耐摩耗性を確保する。嵌合部の隙間は、径方向に数ミリ移動するようにしても良く、転送面の位置が円周方向又は径方向の何れの方に変化しても良い。旋回に伴って軌道輪が連れ回りする速さは、概ね嵌合部の隙間値に比例するので、隙間値の決定の方法は、軌道輪に予め位置マークを施し運転時間毎に移動量を実測して最適値を決める。 【実施例】 【0024】 以下実施例について説明する。請求項1の実施例では、図1はスクロール圧縮機の断面略視図を示し、入力軸37が回転するとクランク軸43が偏心量38のeで旋回する。かくして渦巻き状の羽根を有する旋回スクロールメンバ41が固定側スクロールメンバに対して旋回され、隙間44のガスは中心に向かうに従い空間容積の収縮でガスは圧縮されて45から吐出される。 この時スクロールメンバ41の側面には圧縮反力が生じて軸受46に荷重が作用する。当該部位の軸受の構成品の形状は図2に示す、1は固定側の軌道輪、3は旋回側の軌道輪で中間の軌道輪を2に示す、軌道輪1と2の間には図2の矢印のX向き転動ローラー6が挟設されており中間軌道輪2と第三軌道輪3の間には図2の矢印のY向きに転がるローラー7が挟設され、又ローラーはセンタリング部材4と5のポケットで位置決めされている。 【0025】 又、中間軌道輪2の外周4箇所に設けた溝36とガイドピン8が係合しているので、中間軌道輪は自転せず旋回する、つまりスクロールメンバに対してはX,Y方向に相対揺動変位する。センタリング部材のポケットに収納されたローラー6、7は図5に示す如く中間軌道輪2の表裏にローラー6,7が位置し交点31が形成される。その投影図を図4に示す。図4の+マークがローラーの配置数によって構成される交点の数で、これがスクロールの旋回に伴い交点それぞれが旋回するが旋回半径がローラーの長さより大きいと両端で交点を形成しない。中間軌道輪の肉厚が薄いと、交点のみで面圧を受けるので、交点数が減ると面圧は上昇する。更に図7に示す如く、中間軌道輪が薄いと表裏のローラーの位置ずれで中間軌道輪には曲げ応力33を生じ、更に軌道輪がローラー19によって変形し20の如くローラーのエッジで応力集中を生じ破損を招く。 そこで図6に示す如くY向きローラーの長さ18よりもX向きローラーの転動変位量が小さければ図7の応力集中、曲げ応力の発生は無い。 【0026】 又 図3の如く薄板の鋼板材4に窓ポケットを設け、ポケットの位置関係を座標で示す如く、線分PXnと原点0の距離=線分PYnと0点で、角度A0X軸=B0Y軸になるように配置すると、90°回転させて重ねても窓位置は整合するので収容したローラーの投影に於ける交点は全窓で形成される。 ここで制御部材のポケット内へのローラー収容形態の例として、ローラーを輸送中に脱落しないように、制御部材の片側又は両側から薄板の例えば0.2mmの鋼板にローラーの接触面のみが露出するようなメッシュ状の穴をパンチングプレスで穿孔し薄板でローラーを覆い、薄板と制御部材とはリベット又は爪で密着固定すれば足る。(図示省略)及びケットに潤滑油を含浸した樹脂でローラーを保持する(図省略)方法がある。 又前記の楕円穴でセンタリングを制御する部材の代わりに、特開平2005−042692の如く、スクロールを駆動する偏心入力軸の外径に、内径を楕円穴にしたセンタリングプレートを摺接させて、入力軸でセンタリングプレートをローラーの転動距離と同期させて駆動する方式でも同じ効果が得られる。(図省略) 【0027】 請求項2の実施例を説明すると、図8では、外枠48の外周4箇所に設けた溝54がガイドピン52に係合し、ガイドピンの旋回に伴い自転はせず旋回する。図の53のガイドピンの代わりに、外枠47の外周4箇所の突起部54の先端を舌形状にして、これを交互に軸方向に爪状に折り曲げて、その先端を両方のスクロールメンバに設けた半径方向のキー溝にそれぞれ係合して、オルダムリングに相当する機構で揺動のみを許容する(図省略)ようにしてもよい。又圧縮機の駆動入力トルクが大きい場合は、ガイドピン53に薄肉の中空の円筒状のローラーブッシュを被せて中間軌道輪のキー溝54とローラーを介在してPV値を下げ、当該部位の磨耗、摩擦の軽減手法を採ってもよい(図省略) 外枠の内側に内装された軌道輪47は外枠の中で自由に動く。尚 圧縮機が更なる高圧になる場合は、定格荷重の増大を要するので、軌道輪を前記の揺動枠48の外側に配置し(図省略)軌道輪の受圧面積を拡大することとなる。 更に旋回枠48をワッシャー状にして、ここにローラー収納ポケット毎にポケットの略対角線の長さの直径の円形の穴を穿孔し、該穴にコイン状の軌道円盤を嵌合してポケット単位で自転可能な小さな軌道輪(図省略)としても良い。 【産業上の利用可能性】 【0028】 当該発明は、スクロール圧縮機の性能向上に絶大な効果を得る以外に、従来の低圧のフロン用、及び一般空圧用のスクロール圧縮機に対しても、従来使用されてきたボール接ぎ手、オルダム接ぎ手に比べて一層の重量軽減、経済性、摩擦損失の低減が実現できる。特にスクロール圧縮機は、工場、及び一般住宅地の騒音低減に寄与することから、本発明の利用可能性は益々高い。 【図面の簡単な説明】 【0029】 【図1】スクロール圧縮機の断線略視図 【図2】当該発明の構成の外観略視図 【図3】ローラーのセンタリング部材の窓配置図 【図4】X,Yローラーの交点配置図 【図5】中間軌道輪の表裏のローラー接触形態 【図6】ローラーの配置説明 【図7】ローラーの接触応力説明 【図8】中間軌道輪を揺動枠と軌道部に分割した実施例の平面の略視図 【図9】軌道輪の自転可能の実施例の平面の側面略視図 【図10】中間軌道輪を揺動部と軌道部に分割した実施例図8の断面略視図 【符号の説明】 【0030】 1,3・第一第三軌道輪 2・中間(第二)軌道輪 4,5・センタリング部材 6,7・ローラー 8・ガイドピン 9・楕円穴 10・キー溝 7,17・ポケット内の両端ローラーの最大転動位置 24・中間軌道輪の旋回時の変位位置 7・変位24の時のローラーの位置 31・X,Yローラーの投影交点 33・曲げ応力 36・ローラーの両端中心間距離 37・ローラーの転動距離 40・ローラー最大転動時の接触位置 44・Xローラーに対するYローラーの旋回径
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| 【出願人】 |
【識別番号】591272435 【氏名又は名称】澤 司郎
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| 【出願日】 |
平成17年7月22日(2005.7.22) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−32549(P2007−32549A) |
| 【公開日】 |
平成19年2月8日(2007.2.8) |
| 【出願番号】 |
特願2005−237981(P2005−237981) |
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