| 【発明の名称】 |
潤滑装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小野 智幸
【氏名】山下 晃
【氏名】村上 元一
|
| 【要約】 |
【課題】部品点数が削減され、簡潔な構成の軽油等燃料潤滑ディーゼルエンジンにおける潤滑装置を提供することを課題とする。
【解決手段】潤滑装置(1)は、オイルタンク(2)内の燃料をシリンダ(3)が配置される筒内へ送油する噴射系燃料供給経(4)を備えている。この噴射系燃料供給経(4)は、高圧供給ポンプ(5)及びこの高圧供給ポンプ(5)から高圧燃料が供給されるコモンレール(6)とを有している。高圧供給ポンプ(5)から、第一ヘッド部燃料供給経路(8a)が分岐し、高圧供給ポンプ(5)からのリターン燃料がエンジンヘッド部へ供給される。コモンレール(6)から、第二ヘッド部燃料供給経路(8b)が分岐し、コモンレール(6)からのリターン燃料がエンジンヘッド部へ供給される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 軽油等の燃料を潤滑材として兼用する軽油等燃料潤滑ディーゼルエンジンにおける潤滑装置であって、 高圧供給ポンプ及び当該高圧供給ポンプから高圧燃料が供給されるコモンレールとを有し、先端に配置されたインジェクタを介して前記高圧供給ポンプにより燃料を筒内へ供給する噴射系燃料供給経路と、 当該噴射系燃料供給経路から分岐し、当該噴射系燃料供給経路からのリターン燃料を被潤滑部位へ供給する被潤滑部位燃料供給経路と、 を有することを特徴とする潤滑装置。 【請求項2】 請求項1記載の潤滑装置において、 前記噴射系燃料供給経路は、オイルタンク内の燃料を筒内へ供給することを特徴とした潤滑装置。 【請求項3】 請求項1又は2記載の潤滑装置において、 前記被潤滑部位燃料供給経路は前記高圧供給ポンプから分岐して当該高圧供給ポンプからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給することを特徴とする潤滑装置。 【請求項4】 請求項1又は2記載の潤滑装置において、 前記被潤滑部位燃料供給経路は前記コモンレールから分岐して当該コモンレールからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給することを特徴とする潤滑装置。 【請求項5】 請求項4記載の潤滑装置において、 前記被潤滑部位燃料供給経路と前記コモンレールとの間に減圧弁を介在させ、当該減圧弁の開度調整を行う減圧弁制御手段を備えたことを特徴とする潤滑装置。 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれか一項記載の潤滑装置において、 前記高圧供給ポンプに接続され、エンジンの運転状態に応じて前記高圧供給ポンプの燃料圧送量を制御する燃料圧送量制御手段を備え、 当該燃料圧送量制御手段は、筒内への必要燃料噴射量に潤滑使用量分を加えた燃料量を前記燃料圧送量とする制御を行うことを特徴とする潤滑装置。 【請求項7】 請求項1又は2記載の潤滑装置において、 前記被潤滑部位燃料供給経路は前記インジェクタから分岐して当該インジェクタからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給することを特徴とする潤滑装置。 【請求項8】 請求項7記載の潤滑装置において、 前記インジェクタの噴射指令を行う噴射制御手段を備え、 当該噴射制御手段は、エンジンヘッド部における潤滑使用量分を増量し、当該増量分がリターン燃料として供給されるように前記インジェクタの空打ち制御を行うことを特徴とした潤滑装置。 【請求項9】 請求項8記載の潤滑装置において、 前記インジェクタの空打ちは、制御の対象となるインジェクタによる筒内への噴射が行われた後、次に筒内への噴射を行うインジェクタによる筒内への噴射が完了した後に行うことを特徴とした潤滑装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、軽油等の燃料を潤滑材として兼用する軽油等燃料潤滑ディーゼルエンジンにおける潤滑装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、燃料タンクとディーゼルエンジンとの間に気泡分離を行うリザーバを配設し、そのリザーバとエンジンとの間に潤滑系燃料循環回路と、燃焼系燃料循環回路とを構成した軽油潤滑式ディーゼルエンジンが開示されている(特許文献1)。このような軽油潤滑式ディーゼルエンジンでは、燃料となる軽油がエンジン各部の潤滑剤としても用いられ、エンジン各部を循環する。このため、潤滑専用のオイルは不要であり、オイル交換の手間も省くことができる。 【0003】 図5は、特許文献1に記載された燃料潤滑式ディーゼルエンジン100の主として燃料供給部分の概略構成を示した説明図である。燃料潤滑式ディーゼルエンジン100は、燃料タンク101、気泡分離器の機能を兼ねたリザーバタンク102、オイルパン103を備えている。燃料タンク101とリザーバタンク102とは、セジメンタ(油水分離器)104、供給ポンプ(送油ポンプ)105を備えた油路106により連通している。 【0004】 燃料潤滑式ディーゼルエンジン100は、潤滑剤の供給を必要とするエンジン各部107へ潤滑剤としての燃料を供給する潤滑系燃料循環回路108を有している。この潤滑系燃料供循環回路108には、冷却器112、フィルタ109、潤滑ポンプ110が配設されており、潤滑ポンプ110を駆動することにより燃料をリザーバタンク102から吸い上げてエンジン各部107へ供給している。エンジン各部107へ供給された後の燃料は、オイルパン103内へ流下し、スカベンジポンプ111により吸い上げられて再びリザーバタンク102へ戻されるようになっている。 【0005】 また、燃料潤滑式ディーゼルエンジン100は、筒内へ燃料を噴射する噴射系114へ燃料を供給する燃焼系燃料循環回路113を有している。この燃焼系燃料循環回路113には、前記潤滑系燃料循環回路108と共通の冷却器112、フィルタ115、噴射ポンプ116が配設されており、噴射ポンプ116を駆動することにより燃料をリザーバタンク102から吸い上げて噴射系114へ供給している。噴射系114に供給された燃料のうち、燃焼に供されなかった燃料は再びリザーバタンク102へ戻される。 【0006】 このように特許文献1に記載された燃料潤滑式ディーゼルエンジン100は、潤滑系燃料循環回路108と燃焼系燃料循環回路113の二系統の燃料循環回路を有している。 【特許文献1】実開昭60−194112号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 しかしながら、前記のような軽油潤滑式ディーゼルエンジン100では、以下のような不都合が考えられる。軽油潤滑式ディーゼルエンジン100では、エンジン各部107に供給される燃料、噴射系114に供給される燃料が流通する別個の経路が形成されていることになり、すなわち、エンジン各部107に供給される燃料、噴射系114に供給される燃料はいずれも別個の経路を通じてリザーバタンク104から供給される構成であることから部品点数が増加し、配管の配置が困難になって構成が複雑となる等の不都合がある。 【0008】 そこで、本発明は、部品点数が削減され、簡潔な構成の軽油等燃料潤滑ディーゼルエンジンにおける潤滑装置を提供することを課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 かかる課題を解決するための、本発明の潤滑装置は、軽油等の燃料を潤滑材として兼用する軽油等燃料潤滑ディーゼルエンジンにおける潤滑装置であって、高圧供給ポンプ及び当該高圧供給ポンプから高圧燃料が供給されるコモンレールとを有し、先端に配置されたインジェクタを介して前記高圧供給ポンプにより燃料を筒内へ供給する噴射系燃料供給経路と、当該噴射系燃料供給経路から分岐し、当該噴射系燃料供給経路からのリターン燃料を被潤滑部位へ供給する被潤滑部位燃料供給経路と、を有することを特徴とする(請求項1)。 【0010】 本発明は、噴射系燃料供給経が有する高圧供給ポンプ(サプライポンプ)や、コモンレールから生じるリターン燃料を、エンジン各部の潤滑材の供給が必要となる被潤滑部位、例えば、エンジンヘッド部の潤滑材として用いようとするものである。 【0011】 ここで、前記噴射系燃料供給経路は、オイルタンク内の燃料を筒内へ供給する構成とすることができる(請求項2)。このような構成とすれば、オイルタンクからエンジンヘッド部等の被潤滑部へ直接燃料を流通させる経路を設けなくてもよく、部品点数の削減等が可能である。 なお、前記オイルタンクは、別途準備する燃料タンクと接続した構成とすることができる。オイルタンクと燃料タンクの双方を設け、潤滑に用いた後の燃料が戻るタンクを選択する等の工夫をすることにより、燃料の汚れ進行の防止や、温度上昇の防止を図ることができる。また、オイルタンクは、エンジン下部に装着するオイルパンとしてもよいし、エンジン本体とは別体のタンクとしてもよい。別個の燃料タンクを備えていない場合には、オイルタンクが実質的に燃料タンクと同等の役割を有することとなる。 【0012】 このような構成の潤滑装置では、前記被潤滑部位燃料供給経路は前記高圧供給ポンプから分岐して当該高圧供給ポンプからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給する構成とすることができる(請求項3)。すなわち、被潤滑部位がエンジンヘッド部である場合に、高圧供給ポンプからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給する構成とすることができる。 【0013】 また、前記ヘッド部燃料供給経路は前記コモンレールから分岐して当該コモンレールからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給する構成とすることもできる(請求項4)。すなわち、前記と同様に、被潤滑部位がエンジンヘッド部である場合に、コモンレールからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給する構成とすることができる。このとき、前記被潤滑部位燃料供給経路と前記コモンレールとの間に減圧弁を介在させ、当該減圧弁の開度調整を行う減圧弁制御手段を備えた構成とすることができる(請求項5)。この減圧弁制御手段によりコモンレールからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給するタイミングを制御することができる。 【0014】 前記のような高圧供給ポンプ及びコモンレール自体は従来のディーゼルエンジンにも搭載されるものである。但し、本発明の潤滑装置は、これらの高圧供給ポンプ及びコモンレールを有する噴射系燃料供給経からのリターン燃料をエンジンヘッド部等の被潤滑部位の潤滑材として用いることから、従来の噴射系燃料供給経に供給される燃料量よりも多い量の燃料の供給が求められる。すなわち、高圧供給ポンプにより圧送される燃料量を増量することが求められる。そこで、前記のような潤滑装置では、前記高圧供給ポンプに接続され、エンジンの運転状態に応じて前記高圧供給ポンプの燃料圧送量を制御する燃料圧送量制御手段を備え、当該燃料圧送量制御手段は、筒内への必要燃料噴射量に潤滑使用量分を加えた燃料量を前記燃料圧送量とする制御を行う構成とすることが望ましい(請求項6)。 【0015】 ここで、必要燃料噴射量とは、エンジンを適切に運転するための燃料量で、燃温、エンジン回転速度、アクセル開度、吸気圧、大気圧、水温等のデータから算出されるエンジンの運転状況に応じて求められる。この必要燃料噴射量の算出自体は従来のエンジン制御においても行われているものである。次に、潤滑使用量分とは、本発明におけるリターン燃料としてエンジンヘッド部等の被潤滑部位に供給される燃料量のことである。従来の噴射系燃料供給経であっても多少のリターン燃料は生じていたが、本発明では、高圧供給ポンプによる圧送量を積極的に増量し、リターン燃料分を被潤滑部位へ供給しようとする趣旨である。 【0016】 また、噴射系燃料供給経路は、基端側はオイルタンク内に位置し、先端側は、気筒毎に枝分かれしてそれぞれインジェクタが装着されている。このインジェクタには、コモンレールから燃料が供給され筒内への噴射を行うが、インジェクタ内の燃料の一部は筒内へ噴射されることなく漏れ出ることがある。この漏れ出た燃料はリターン燃料として被潤滑部位、特にエンジンヘッド部の潤滑材として利用することができる。そこで、前記のような本発明の潤滑装置では、前記被潤滑部位部燃料供給経路は前記インジェクタから分岐して当該インジェクタからのリターン燃料をエンジンヘッド部に供給する構成とすることができる(請求項7)。 【0017】 このように、インジェクタからのリターン燃料をエンジンヘッド部へ供給する構成とした場合、前記インジェクタの噴射指令を行う噴射制御手段を備え、当該噴射制御手段は、エンジンヘッド部における潤滑使用量分を増量し、当該増量分がリターン燃料として供給されるように前記インジェクタの空打ち制御を行う構成とすることができる(請求項8)。このような空打ち制御を行うことにより、潤滑に必要となる量の燃料をエンジンヘッド部へ供給することができる。 【0018】 ここで、前記インジェクタの空打ちは、制御の対象となるインジェクタによる筒内への噴射が行われた後、次に筒内への噴射を行うインジェクタによる筒内への噴射が完了した後に行う構成とすることが望ましい(請求項9)。例えば、4気筒エンジンである場合の点火順が、1番、3番、4番、2番の順である場合に、制御対象となるインジェクタが1番のインジェクであるとすると、1番のインジェクタの空打ちは3番のインジェクタの噴射が完了した後に行うようにする。このような空打ち制御とすることにより、メイン、アフター噴射の制約を回避することができる。 【0019】 また、空打ちによる燃料はエンジンヘッド部を潤滑した後は、再び、オイルタンクや、オイルパンに戻されることになるが、オイルタンクやオイルパンから燃料が溢れることがないようにオイルタンクやオイルパン内の燃料量を参酌しつつ空打ちを行うか否かの判断を行う構成とすることができる。 【0020】 以上説明したような潤滑装置を組み込めば、エンジンの小型化を図ることができる。 【発明の効果】 【0021】 本発明によれば、噴射系燃料供給経からのリターン燃料を潤滑材としてエンジンヘッド部へ供給するようにしたので、オイルタンク内の燃料をエンジンヘッド部へ供給する専用の配管を設ける必要がない。このため部品点数を削減し、簡易な構成の潤滑装置とすることができた。 【発明を実施するための最良の形態】 【0022】 以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。 【実施例1】 【0023】 図1は、本発明の潤滑装置1の概略構成を示す模式図である。潤滑装置1は、オイルタンク2、このオイルタンク2内の燃料をシリンダ3が配置される筒内へ送油する噴射系燃料供給経4を備えている。この噴射系燃料供給経4は、高圧供給ポンプ5及びこの高圧供給ポンプ5から高圧燃料が供給されるコモンレール6とを有している。噴射系燃料供給経路4は、コモンレール5から先(下流側)でエンジンの気筒数に対応した数に分岐している。図1に示した例ではエンジンを4気筒としているため、噴射系燃料供給経路4も四つに分岐している。四つに分岐したそれぞれの先端にはインジェクタ13が配置されている。なお、図1に示した潤滑装置1では、説明の都合上、四つに分岐した経路のうち、一の経路のみを示し、本来四つあるインジェクタ13についても、一のインジェクタ13のみを示している。 【0024】 また、潤滑装置1は、噴射系燃料供給経路4から分岐し、この噴射系燃料供給経路からのリターン燃料を、カムシャフト7等を含むエンジンヘッド部へ供給するヘッド部燃料供給経路を有している。このヘッド部燃料供給経路は本発明における被潤滑部位燃料供給経路に相当し、本実施例の潤滑装置1では、高圧供給ポンプ5から分岐した第一ヘッド部燃料供給経路8a、コモンレール6から分岐した第二ヘッド部燃料供給経路8bを有している。第二ヘッド部燃料供給経路8bとコモンレール6との間には減圧弁9が介在している。この減圧弁9はEDU10からの信号によって開度調整が行われるようになっている。なお、このEDU10は、インジェクタ13の駆動にも用いられている。 【0025】 高圧供給ポンプ5とコモンレール6にはECU11が接続されている。このECU11は、本発明における減圧弁制御手段に相当する機能を有するもので、さらに、高圧供給ポンプ5の燃料圧送量を制御する燃料圧送量制御手段に相当する機能も有するものである。このECU11は、コモンレール6が備えるレール圧センサ6aや、その他、エンジンが備える各種センサから、燃温、エンジン回転速度、アクセル開度、吸気圧、大気圧、水温等のデータを取得し、これらのデータに基づいてエンジンの運転状態を判断する。さらに、このようにして判断したエンジンの運転状態に応じて高圧供給ポンプ5の燃料圧送量を制御する。 【0026】 図2は、ECU11が発するインジェクタ13の駆動パルス(Inj駆動パルス)、高圧供給ポンプ5の燃料圧送量(高圧供給ポンプ燃料圧送量)の指示、減圧弁9の駆動パルス(減圧弁駆動パルス)を示したチャートである。Inj駆動パルスは、1番、3番、4番、2番の順で発せられる。このようなインジェクタ13の駆動パルスに対して、高圧供給ポンプ5の燃料圧送は、1番の駆動パルスの直前、4番の駆動パルスの直前に行われ、その圧送量は、実線で表された量よりも増量した破線で表された量である。ここで、実線で表された量は、エンジンの運転状態から判断した、その時々の適切な燃焼を実現するための筒内への必要燃料噴射量である。これに対し、破線で示した増量分は、エンジンヘッド部の潤滑に用いる潤滑使用量分である。この潤滑使用量分は、筒内での燃焼には供されず、リターン燃料として第一ヘッド部燃料供給経路8aや、第二ヘッド部燃料供給経路8bを通じてカムシャフト7の周辺等、エンジンヘッド部に供給される。なお、潤滑使用量分については、その量はECU11内に記憶されたマップに基づいて、エンジンの回転数が高くなったときなどには、増量される制御がなされる。 【0027】 ECU11は、前記のように減圧弁9に対する駆動パルスを発するが、EDU10により減圧弁9が開放されることにより、コモンレール6内の燃料は筒内へ供給されることなく、第二ヘッド部燃料供給経路8bを通じてエンジンヘッド部へ潤滑材として供給される。 【0028】 なお、本実施例の潤滑装置1は、インジェクタ13からのリターン燃料をオイルタンク2に戻す噴射系燃料リターン経路12を備えている。従って、インジェクタ13で筒内への噴射に供されなかったリターン燃料は噴射系燃料リターン経路12を通じてオイルタンク2へ戻される。 【0029】 以上、説明したように本実施例の潤滑装置1によれば、噴射系燃料供給経路4からのリターン燃料をエンジンヘッド部の潤滑材として有効に活用することができる。 【実施例2】 【0030】 次に、本発明の実施例2について図3及び図4を参照しつつ説明する。本実施例の潤滑装置21と実施例1の潤滑装置1とは以下の点で異なる。まず、実施例1の潤滑装置1では、高圧供給ポンプ5からのリターン燃料、コモンレール6からのリターン燃料はそれぞれ第一ヘッド部燃料供給8a、第二ヘッド部燃料供給経路8bを通じてエンジンヘッド部へ供給されている。これに対し実施例2の潤滑装置21では、高圧供給ポンプ5からのリターン燃料、コモンレール6からのリターン燃料はいずれも噴射系燃料リターン経路22を通じてオイルタンク2へ戻されている。また、実施例1の潤滑装置1では、インジェクタ13からのリターン燃料は噴射系燃料リターン経路12を通じてオイルタンク2へ戻されている。これに対し、実施例2の潤滑装置21では、インジェクタ13からのリターン燃料はヘッド部燃料供給経路23を通じてエンジンヘッド部へ供給されている。なお、このヘッド部燃料供給経路23も本発明における被潤滑部位燃料供給経路に相当するものである。 【0031】 このような構成の潤滑装置21におけるECU11は、本発明における噴射制御手段の役割も有するものであり、図4に示すような噴射指令を行う。図4中、参照符号a、b、c、dは1番から4番のインジェクタ13の筒内への噴射パルスである。これに対し、参照符号a1、b1、c1、d1は、それぞれのインジェクタ13が行う空打ちである。この空打ちで噴射される燃料が、リターン燃料としてヘッド部燃料供給経路23を通じてエンジンヘッド部へ供給される。このため、参照符号a1、b1、c1、d1を付したパルスで空打ちされる燃料量は、エンジンヘッド部へ供給する潤滑使用量分が供給されるように制御されている。 【0032】 次にこのような空打ちのタイミング、すなわち、図4中、参照符号Aで示した筒内へ噴射するためのパルス(a)から空打ちパルス(a1)までの間隔について説明する。まず1番のインジェクタ13について筒内への噴射を行うパルスaが発せられる。次に、3番のインジェクタ13について筒内への噴射を行うパルスbが発せられる。1番のインジェクタ13の空打ちパルスa1は、3番のパルスbが発せられ、その噴射が完了した後に発せられる。3番のインジェクタ13におけるパルスbと空打ちパルスb1との間隔、4番のインジェクタ13におけるパルスcと空打ちパルスc1との間隔、2番のインジェクタ13におけるパルスdと空打ちパルスd1との間隔も同様に定められている。このような制御を行うことにより、空打ちがメインの噴射の制約となることがない。 【0033】 なお、他の構成については同一であるので、同一の構成要素については図面中同一の参照番号を付し、その詳細な説明は省略する。 【0034】 上記実施例は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、これらの実施例を種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施例が可能であることは上記記載から自明である。 【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】実施例1の潤滑装置の概略構成を示した模式図である。 【図2】ECUが発するインジェクタの駆動パルス、高圧供給ポンプの燃料圧送量の指示、減圧弁の駆動パルスを示したチャートである。 【図3】実施例2の潤滑装置の概略構成を示した模式図である。 【図4】ECUが発するインジェクタ毎の駆動パルスを示したチャートである。 【図5】従来の燃料潤滑式ディーゼルエンジンの主として燃料供給部分の概略構成を示した模式図である。 【符号の説明】 【0036】 1、21 潤滑装置 2 オイルタンク 3 ピストン 4 噴射系燃料供給経路 5 高圧供給ポンプ 6 コモンレール 7 カムシャフト 8a 第一ヘッド部燃料供給経路 8b 第二ヘッド部燃料供給経路 9 減圧弁 10 EDU 11 ECU 12、22 噴射系燃料供給経路 13 インジェクタ 23 ヘッド部燃料供給経路
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年6月27日(2005.6.27) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087480 【弁理士】 【氏名又は名称】片山 修平
|
| 【公開番号】 |
特開2007−2826(P2007−2826A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月11日(2007.1.11) |
| 【出願番号】 |
特願2005−187483(P2005−187483) |
|