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【発明の名称】 モヘア及びモヘアを備えた網戸
【発明者】 【氏名】町田 誠一郎

【氏名】金森 英晃

【氏名】屋敷 亮

【要約】 【課題】隙間からの虫の侵入の防止効果を確保すると共に、より摺動抵抗を減らして先端部分の広がりを防止するモヘア及びこのモヘアを備えた網戸を提供する。

【解決手段】平板状のベース2と、このベース2に取付けられ、かつ複数本のパイル3aから形成されるパイル群3と、を備えたモヘア1であって、パイル群3は、パイル3aの高さ方向の中間位置で、幅方向内側に向かって絞るように結束された構成とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状のベースと、このベースに取付けられ、かつ複数本のパイルから形成されるパイル群と、を備えたモヘアであって、
パイル群は、パイルの高さ方向の中間位置で、幅方向内側に向かって絞るように結束された、
ことを特徴とするモヘア。
【請求項2】
パイルの高さ方向の中間位置で、パイルが複数本ごとの束で糸によって縫製されると共に、その束同士も結束されることにより、パイル群全体が結束された、請求項1記載のモヘア。
【請求項3】
前記パイルの高さ方向の中間位置は、パイルの基端側からパイル全長の1/4〜1/3の高さである、請求項1又は2記載のモヘア。
【請求項4】
上框、下框、右縦框及び左縦框で四周が構成され、かつ防虫網が張設された網戸であって、
請求項1乃至3のいずれか1項記載のモヘアを右縦框及び左縦框にそれぞれ取付けた、
ことを特徴とする網戸。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、モヘア及びモヘアを備えた網戸に関するものである。
【背景技術】
【0002】
網戸とサッシ枠や障子との隙間を塞ぐために、網戸の縦框には複数のパイルから形成されるモヘアが取付けられている。このモヘアのパイルが、サッシ縦枠や障子縦框に密接することによって、隙間からの虫の侵入の防止効果や気密性を確保している(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−230376号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
網戸の構造によってパイルの毛足を長くする場合があるが、この場合、毛先部分(先端部分)が散(バラ)けて広がりやすく、障子縦框等との接触面積が大きくなってしまう。そのため、モヘアと障子縦框等との摺動抵抗が大きくなり、障子や網戸の開閉がし難くなる。また、先端部分の外観の意匠性もよくない。さらに、パイルの毛足が長いと巻き癖がつきやすく、梱包時の取扱いや組み立てにおける網戸への取付けがし難い。
そこで、本発明の主たる課題は、隙間からの虫の侵入の防止効果を確保すると共に、より摺動抵抗を減らして先端部分の広がりを防止するモヘア及びこのモヘアを備えた網戸を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決した本発明は、次のとおりである。
<請求項1記載の発明>
請求項1記載の発明は、平板状のベースと、このベースに取付けられ、かつ複数本のパイルから形成されるパイル群と、を備えたモヘアであって、パイル群は、パイルの高さ方向の中間位置で、幅方向内側に向かって絞るように結束された、ことを特徴とするモヘアである。
【0005】
<請求項2記載の発明>
請求項2記載の発明は、パイルの高さ方向の中間位置で、パイルが複数本ごとの束で糸によって縫製されると共に、その束同士も結束されることにより、パイル群全体が結束された、請求項1記載のモヘアである。
【0006】
<請求項3記載の発明>
請求項3記載の発明は、前記パイルの高さ方向の中間位置は、パイルの基端側からパイル全長の1/4〜1/3の高さである、請求項1又は2記載のモヘアである。
【0007】
(作用効果)
パイルの毛足が長くなるにつれて、モヘアの先端部分が広がる傾向があるが、本発明では、パイル群を、パイルの高さ方向の中間位置で、幅方向内側に向かって絞るように結束する構成とすることにより、先端部分の広がり(バラケ)を抑えることができる。また、細いパイルでも毛足を長くしても腰折れを防いで自立させることができるため、従来使用していなかった細いパイルを使用することが可能になる。
その結果、例えば、網戸のタイト材として使用した場合、サッシ(障子を含む)との接触面積が小さくなると共に、網戸や障子の開閉の際には、網戸とサッシとの間の狭小部分での接触がしなやかとなるため、開閉操作が容易になる。また、パイル群の腰が強くなるため、網戸の開閉によりサッシと接触する隙間が狭い場合でも、移動後にパイル群が復元する際の適度な復元性も得られる。さらに、パイル群の先端部分のバラケや乱れが少ないので意匠性も向上する。
梱包時において本発明に係るモヘアが長尺に巻き取ってあっても、網戸への取付けの際には、先端部のバラツキ(広がり)がなく、また蛇行が少ないので、網戸に形成されたモヘア取付溝への挿入がしやすくなる。
パイル群の結束方法としては、パイルの高さ方向の中間位置で、パイルを複数本ごとの束で糸によって縫製すると共に、その束同士も結束することにより、パイル群全体を結束することが好適である。
パイルの高さ方向の中間位置としては、パイルの基端側(パイルの先端に対する反対側)からパイル全長の1/4〜1/3の高さをすることが好ましい。
【0008】
<請求項4記載の発明>
請求項4記載の発明は、上框、下框、右縦框及び左縦框で四周が構成され、かつ防虫網が張設された網戸であって、請求項1乃至3のいずれか1項記載のモヘアを右縦框及び左縦框にそれぞれ取付けた、ことを特徴とする網戸である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、隙間からの虫の侵入の防止効果を確保すると共に、より摺動抵抗を減らして先端部分の広がりを防止することができる等の利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
<モヘア>
本発明に係るモヘア1は、網戸等の建具の隙間を塞ぐシール材として用いられ、主に、隙間からの虫の侵入の防止効果を確保するものである。本発明に係るモヘア1は、図1乃至図3に示すように、立ち上がり部2Aが形成された平板状のベース2と、このベース2に取付けられ、かつ複数本のパイル3a,3a,…から形成されるパイル群3と、を備えている。そして、パイル3aの高さ方向の中間部では、糸4によってパイル群3は幅方向内側に向かって絞るように結束されている。具体的には、図2に示すように、パイル3aが複数本ごとの束で糸4によって縫製されると共に、その束同士も結束されることにより、パイル群3全体が結束されている。
【0011】
ベース2及びパイル3aの素材としては、一般的なものでよく、例えば、PP(ポリプロピレン)のほか、ナイロン系繊維が好適である。ベース2とパイル3aの素材を同一にすることにより、植毛がしやすくなる。一般的に、網戸を含むサッシに使用するモヘアパイルは15T〜50T(T:「デシテックス」。糸の太さを表す単位で10,000m当りのグラム数。)のものが使用されている。細いパイルは柔軟性があり、閉塞すべき隙間が狭い箇所でも摺動抵抗が小さいため、障子や網戸の開閉が容易であるが、腰が弱く毛足が長いと自立しない。一方、太いパイルは剛性があり自立しやすいが、柔軟性に欠ける。
【0012】
それに対して、本発明ではさらに細いパイルでも使用でき、モヘア1のパイル3aとして、例えば、10T〜15T程度の細いパイルを用い、パイル群3の中間部を糸4で結束することにより、柔軟性を持たせつつ自立しやすくしている。なお、本発明に係るモヘア1としては、パイルの太さやパイルの剛性(腰の強さ)の強弱にかかわらず、様々な種類のパイルを用いることができるものである。
【0013】
縫製する糸4としては、公知の素材の糸を用いることができる。また、結束方法については、前述したように、パイル3aを複数本ごとの束で縫製し、その束同士も結束できれば、公知の方法でよい。結束は、パイル3aの高さ方向の中間位置で行なうが、パイル群3の剛性、先端部分の外観、網戸の組み立て作業のしやすさや摺動抵抗の軽減等を考慮すると、パイルにおける基端側からパイル全長の1/4〜1/3程度の位置で行なうことが好適である。図に示す実施の形態では、パイル3aの中間位置の1箇所(1段)で結束を行なっているが、複数箇所(複数段)で結束を行なってもよい。なお、糸4による縫製に換えて、溶着によってパイル群3の中間位置の側面部分を結束してもよいが、側面部分のみしか結束できないことや細いパイルでは先端部分が広がりやすくなる等の不具合が出やすい。したがって、前述したように、糸による縫製が好ましい。
【0014】
従来では、15Tのパイルでは自立できる(腰折れしない)パイル高さ(毛長)は8mmが限界であり、これ以上の高さを必要とする場合には、より太いパイルを用いなければならなかったが、本発明では、パイルの中間位置を幅方向内側に向かって絞るように結束することで、細いパイル(例えば、15T)でもパイル高さを高くしても自立させることができ、さらに細いパイル(例えば、10T)でも自立させることができ、柔軟性を向上させたモヘアとして使用することができる。
【0015】
このことによって、パイル群3の柔軟性を持たせつつ自立させることができ、先端部分がコンパクトにまとまり、サッシ(障子を含む)との接触面積が小さくなると共に、網戸や障子の開閉の際には、網戸とサッシとの間の狭小部分での接触がしなやかとなるため、開閉操作が容易になる。また、パイル群3の腰が強くなるため、網戸の開閉によりサッシと接触する隙間が狭い場合でも、移動後にパイル群が復元する際の適度な復元性も得られる。さらに、パイル群3の先端部分のバラケや乱れが少ないので意匠性も向上する。
【0016】
モヘアは巻き取り状態で梱包してあり、網戸組立工場等で開封するものであるが、本発明に係るモヘア1では、梱包時において長尺に巻き取ってあっても、網戸への取付けの際には、先端部のバラツキ(広がり)がなく、巻きグセもつき難いので、網戸に形成されたモヘア取付溝への挿入がしやすくなる。網戸の框に取付ける場合も形状が一定であるから、自動機においてモヘアを把持しやすく、そのため網戸の取付溝にモヘアを挿入させやすい。一方、手作業であってもモヘアの形状が幅狭状にまとまっているので、モヘアの基端部分を確認しやすいため、モヘア取付溝に挿入しやすく作業能率が向上する。
【0017】
ベース2の形状は平板状でよいが、立ち上がり部2Aを設けて、その間にパイル3aを植設すればよりパイル3aを自立させやすい。さらに必要に応じて、パイル群3の基端部分を覆うようにPP製等のフィルム(図示せず)を取付け、かつ一体縫製することによって、より自立させやすくなり、また通気遮断の効果も生ずる。
【0018】
<実施例>
以下では、本発明に係るモヘアと従来例のモヘアを比較してみた。
中間部を縫製しない従来例のモヘアは、パイルの長さ(毛長):15mm、太さ:23T、材質:PP(ポリプロピレン)を植設したモヘアである。ベース幅4.5mm、パイル群基端幅1.5mm、先端部分の広がり幅は12〜18mmであり、先端が乱れ広がっていた。
【0019】
一方、本発明に係るモヘアは、パイルの長さ(毛長):15mm、太さ:15T、材質:PP(ポリプロピレン)を植設し、高さ方向中間部(基端側から約5mm)を全長にわたって縫製したモヘアである。太さが15Tであるにもかかわらず、先端部分の広がり幅は5mmであり、著しいパイルの乱れ (バラけ)や蛇行もなく、網戸に取付けた場合でも意匠性がよかった。
【0020】
<モヘアを用いた網戸>
次に、本発明に係るモヘアを用いた網戸について説明する。本実施の形態では、引き違いサッシに取付けられる網戸であるが、この網戸は片引きサッシや両引きサッシ等の各種サッシにも用いることができるものである。
【0021】
引き違いサッシは、図4及び図5に示すように、下枠20、上枠21、左縦枠22及び右縦枠23で枠体を形成し、この枠体に、内障子30及び外障子40が装着され、当該サッシが構成される。
【0022】
図4及び図5に示すように、本発明に係る網戸11は、上框12、下框13、右縦框14及び左縦框15で四周が構成され、かつ防虫網16が張設されている。なお、必要に応じて、中桟17を取付けてもよい。
【0023】
下框13には、図4に示すように、戸車13Aが取付けられており、サッシの下枠20に形成されたリブ状の網戸用レール20A上を回動しながらサッシ幅方向に移動できるようになっている。
【0024】
上框12には、図4に示すように、網戸11の外れ止めのための外れ止めアタッチメント12Aが取付られており、サッシの上枠21に形成されたリブ状の網戸用レール21Aを狭持しながら、摺動してサッシ幅方向に移動できるようになっている。
【0025】
右縦框14及び左縦框15には、図5に示すように、網戸11の幅方向におけるそれぞれの端部の室内側にそれぞれ、モヘア取付溝14A,15Aが形成されている。これらモヘア取付溝14A,15Aにベース2を挿入することによって、モヘアが取付けられるようになっている。そして、このモヘアは、外障子40の召し合せ框(右縦框)41とサッシ枠の左縦枠22に当接する第1のタイト材として機能する。
【0026】
また、これらのモヘア1,1よりも網戸11の幅方向における内周側に、ヒレ部材の第2のタイト材18,18が設けられている。これら縦方向に延在する第1のタイト材1,1及び第2のタイト材18,18により縦の防虫ラインが構成されている。
【0027】
従来のものでは、モヘアの剛性が強いため、摺動抵抗が高く、障子の開閉に伴って網戸が一緒に動くことがあった。しかしながら、本発明に係るモヘアは、より細いパイルを使用可能とするので柔軟性が向上し、摺動抵抗を抑えることができるため、障子の開閉に伴う網戸の移動を防止することができる。
【0028】
なお、本実施の形態では、網戸に取付けた場合を説明したが、本発明はこれに限らず、様々な建具に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係るモヘアの正面図である。
【図2】その側面図である。
【図3】その平面図である。
【図4】本発明に係るモヘアを用いた一実施の形態の網戸及びサッシの縦断面図である。
【図5】その横断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1…モヘア、2…ベース、3…パイル群、3a…パイル、4…糸、11…網戸、12…上框、12A…外れ止めアタッチメント、13…下框、戸車…13A、14…右縦框、15…左縦框、14A,15A…モヘア取付溝、16防虫網、17…中桟、18…第2のタイト材、20…下枠、20A…網戸用レール、21…上枠、21A…網戸用レール、22…左縦枠、23…右縦枠30…内障子、40…外障子。
【出願人】 【識別番号】000191065
【氏名又は名称】新日軽株式会社
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山アルミ株式会社
【出願日】 平成18年3月29日(2006.3.29)
【代理人】 【識別番号】100082647
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 義久


【公開番号】 特開2007−262812(P2007−262812A)
【公開日】 平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願番号】 特願2006−91600(P2006−91600)