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【発明の名称】 コンクリートブロック
【発明者】 【氏名】佐藤 敏之

【要約】 【課題】通気性を確保しつつ目隠し機能を持ち、かつ、安価なコンクリートブロックを提供する。

【解決手段】第1開口21と、第2開口22と、第1開口21と第2開口22との間を連ねる貫通孔2とを備え、貫通孔2は屈曲部27を有していることで、第1開口21からの光が第2開口22に直進することがないように遮光し、貫通孔2が連続的に形成されたコンクリートブロック1に関する。該コンクリートブロック1は、内面23および外面25に平行な上下方向に2つに分割された上ブロック1Aと下ブロック1Bとが結合面を介して互いに結合されていることで、上ブロック1Aおよび下ブロック1Bが内面23および外面25に垂直な上下方向に型抜き可能に構成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面に設けられた第1開口と、
外面に設けられた第2開口と、
前記第1開口と第2開口との間を連ねる通気用の貫通孔とを備え、
前記貫通孔は屈曲部を有していることで、前記第1開口からの光が前記第2開口に直進して透光することがないように前記光を本質的に遮光し、
前記貫通孔が前記第1開口から前記第2開口に至るまで連続的に形成されたコンクリートブロックであって、該コンクリートブロックは、
前記内面および外面に平行な上下方向に2つに分割された上ブロックと下ブロックとが結合面を介して互いに結合されていることで、前記上ブロックおよび下ブロックが前記内面および外面に垂直な上下方向に型抜き可能に構成されていることを特徴とするコンクリートブロック。
【請求項2】
請求項1において前記上ブロックと下ブロックとが互いに同一形状であるコンクリートブロック。
【請求項3】
請求項1もしくは2に記載のコンクリートブロックの製造方法であって、
前記上ブロックを成型する工程と、
前記下ブロックを成型する工程と、
前記上ブロックと下ブロックとを前記結合面において、前記両ブロックを互いに結合する工程とを備えたコンクリートブロックの製造方法。
【請求項4】
内面に設けられた第1開口と、
外面に設けられた第2開口と、
前記第1開口と第2開口との間を連ねる通気用の貫通孔とを備え、
前記貫通孔は屈曲部を有していることで、前記第1開口からの光が前記第2開口に直進して透光することがないように前記光を本質的に遮光し、
前記貫通孔が前記第1開口から前記第2開口に至るまで連続的に形成されたコンクリートブロックであって、該コンクリートブロックは、
前記内面および外面に平行な上下方向の一方に前記貫通孔が第3開口を有していることで、前記内面および外面に垂直な上下方向に型抜き可能に形成されていることを特徴とするコンクリートブロック。
【請求項5】
請求項4のコンクリートブロックを用いたブロック壁であって、
前記第3開口を有するコンクリートブロックの上面または下面に他のコンクリートブロックの下面または上面が結合されているブロック壁。
【請求項6】
請求項1、2もしくは4において、前記貫通孔は平面断面が略“く”の字状に屈曲して形成され、前記内面および外面に直交する水平方向の法線に対し、それぞれ、傾いた第1通路部および第2通路部を備えているコンクリートブロック。
【請求項7】
請求項6において、前記貫通孔の縦断面積が、前記第1開口および前記第2開口の中間の位置である奥に近づくに従い概ね小さくなっているコンクリートブロック。
【請求項8】
請求項6もしくは7において、前記略“く”の字状の貫通孔は互いに対向する第1および第2側面と、互いに対向する下面および上面とで形成され、
前記第1側面は貫通孔に対して窪んだ面を形成し、一方、前記第2側面は貫通孔に対して凸となる面を形成しており、
前記第1側面の平面断面が滑らかな略円弧状に形成され、
前記第2側面の平面断面が“く”の字状に形成され、
このような形状に前記両側面が形成されていることにより、前記第1開口および前記第2開口の中間の位置である奥の部分における前記貫通孔の縦断面の幅が、前記第1開口および前記第2開口の幅よりも狭くなっているコンクリートブロック。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、主として建築・土木用のコンクリートブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
庭やベランダ等の壁やパネルには、通気性を確保しつつ目隠しの機能を持つものが種々提案されている(特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開2000−27556号(図1〜図6)
【特許文献2】実開昭58─11028号(図1〜図4)
【0003】
しかし、前記特許文献1,2に開示されたコンクリートブロックは、製造性が著しく低下する。以下、その理由を詳説する。
【0004】
図7(a)〜(c)に示すように、コンクリートブロック100の貫通孔101は内部から外部に貫通する。該貫通孔101は上下に開口していない。そのため、該コンクリートブロック100を成型するには、図7(d)のように、4つの金型102を用意し、成型後に前記4つの金型102を4つの異なる斜め方向に型抜きする必要が生じる。樹脂等の成型品においては、前記のように型抜きすることは、差程大きなコストアップの要因とはならない。
【0005】
しかし、コンクリートブロックの場合、その単価が安い割に重量および大きさが大きい。そのため、各地域ごとにコンクリートブロックを製造する成型機および金型を有するメーカが散在する。かかる成型機は金型を平行に上下に開くように構成されており、そのため、前述のように、斜めに型抜きできるようにすると金型代が大幅にアップし、安いコンクリートブロックの単価が著しくアップする要因となる。
【発明の開示】
【0006】
したがって、本発明の目的は、通気性を確保しつつ目隠し機能を持ち、かつ、安価なコンクリートブロックを提供することである。
【0007】
前記目的を達成するために、本第1発明のコンクリートブロックは、内面に設けられた第1開口と、外面に設けられた第2開口と、前記第1開口と第2開口との間を連ねる通気用の貫通孔とを備え、前記貫通孔は屈曲部を有していることで、前記第1開口からの光が前記第2開口に直進して透光することがないように前記光を本質的に遮光し、前記貫通孔が前記第1開口から前記第2開口に至るまで連続的に形成されたコンクリートブロックであって、該コンクリートブロックは、前記内面および外面に平行な上下方向に2つに分割された上ブロックと下ブロックとが結合面を介して互いに結合されていることで、前記上ブロックおよび下ブロックが前記内面および外面に垂直な上下方向に型抜き可能に構成されていることを特徴とする。
【0008】
本第1発明によれば、第1および第2ブロックが上下に2分割されて上下方向に型抜き可能に形成されているので、金型を上下に垂直に抜くことにより、ブロックの製造性が著しく向上する。
本第1発明では、第1および第2ブロックの成型後に両ブロックを結合する。
【0009】
一方、本第2発明のコンクリートブロックは、内面に設けられた第1開口と、外面に設けられた第2開口と、前記第1開口と第2開口との間を連ねる通気用の貫通孔とを備え、前記貫通孔は屈曲部を有していることで、前記第1開口からの光が前記第2開口に直進して透光することがないように前記光を本質的に遮光し、前記貫通孔が前記第1開口から前記第2開口に至るまで連続的に形成されたコンクリートブロックであって、該コンクリートブロックは、前記内面および外面に平行な上下方向の一方に前記貫通孔が第3開口を有していることで、前記内面および外面に垂直な上下方向に型抜き可能に形成されていることを特徴とする。
【0010】
本第2発明によれば、貫通孔は上方または下方のいずれか一方に型抜き可能であるから、金型を上下に垂直に抜くことにより、コンクリートブロックの製造性が著しく向上する。
本第2実施例の場合、コンクリートブロックで壁を構築する際に、前記貫通孔の第3開口を他のコンクリートブロックで覆う。
【0011】
本発明によれば、貫通孔内に形成された屈曲部は、第1開口からの光が第2開口に直進して透光することがないように光を本質的に遮光するから、外から内部を見ることができない。
なお、”本質的に”とは、貫通孔の通路断面に比べ著しく小さな部分において、内外が透けて見えてもよいことを意味する。
一方、貫通孔は、第1開口から第2開口に至るまで連続的に、かつ、滑らかに形成されているので、第2開口から貫通孔内に入った空気は、乱流や著しい膨張を生じることなくスムースに第1開口から流れ出る。したがって、通気性は著しく高くなる。
しかも、貫通孔が滑らかに形成されているので、貫通孔内に塵や埃が堆積したり、さらには、カビの発生するおそれも低くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
図1および図2は第1実施例を示す。
図1(a)〜(c)に示すように、略方形状のコンクリートブロック1には、該ブロック1で壁やフェンスを形成した際に、水平方向に内外を連通させる複数の貫通孔2,2が形成されている。図1(b)の平面断面に示すように、前記各貫通孔2は、内部に向って開口する第1開口21と、外部に向って開口する第2開口22との間を連ねており、内外の通気を可能としている。
【0013】
前記各貫通孔2は、平面断面が略“く”の字状に屈曲して形成されている。すなわち、各貫通孔2は、ブロック1の内面23に直交する水平方向の法線Hに対し傾いた第1通路部24と、外面25に直交する水平方向の法線Hに対して傾いた第2通路部26と、両通路部24,26とを連ねる屈曲部27とを備えている。
【0014】
前記各貫通孔2の屈曲部27は、第1開口21からの光が第2開口22に直進して透光することがないように、光を遮光する。したがって、外部から内部の様子を見ることはできない。
【0015】
一方、前記貫通孔2は、第1開口21から第2開口22に至るまで連続的に、かつ、滑らかに形成されている。すなわち、2つの開口21,22の間に大きな空間はなく、また、貫通孔2の通路断面積が急激に変化している部分もない。したがって、第2開口22から貫通孔2内に入った空気は、乱流を生じることなく、第2通路部26から屈曲部27を経て第1通路部24をスムースに流れ、第1開口21から流れ出る。同様に、第1開口21から貫通孔2内に入った空気は、乱流を生じることなく、第1通路部24から屈曲部27を経て第2通路部26をスムースに流れ、第2開口22から流れ出る。
【0016】
また、本実施例では、1つのブロック1に設けた複数の貫通孔2,2が互いに対称な形状となるように配置されている。風向きを考慮することなく壁を形成することができると共に、時間帯や季節によって風向きが変化しても、通気性を確保することができる。
【0017】
前記ブロック1は上下に積み重ねられると共に、左右に並べられて、壁やフェンス(塀)を形成する。また、目地において、ブロック1同士が係合すると共に鉄筋を通すための切欠部61が設けられている。
【0018】
前記略“く”の字状の貫通孔2は互いに対向する第1および第2側面F1,F2と、互いに対向する下面F3および上面F4とで形成されている。前記第1側面F1の平面断面は略円弧状に形成され、前記第2側面F2の平面断面が略“く”の字状に形成されている。前記第1側面F1は貫通孔2に対して窪んだ面を形成し、一方、前記第2側面F2は貫通孔2に対して凸となる面を形成している。
【0019】
そのため、第2側面F2の角張った突部27aにより、光が透過するのを防止できるから、通路断面積が大きくなるので、ブロックの軽量化が図られる。その一方で空気の流れは、その慣性により滑らかな円弧状の窪んだ第1側面F1に沿って流れるので、空気の流れがスムースになる。
【0020】
このような形状に前記両側面F1,F2が形成されていることにより、前記第1開口21および前記第2開口22の中間の位置である奥の部分、つまり、屈曲部27における前記貫通孔2の縦断面の幅W0は、前記第1開口および前記第2開口の幅W1,W2よりも狭くなっている。つまり、前記貫通孔の縦断面積が、前記第1開口21および前記第2開口の中間の位置である奥に近づくに従い概ね徐々に小さくなっている。そのため、第1または第2開口21,22から貫通孔2に流れ込んだ空気は貫通孔2において乱流が生じることなく、第2または第1開口22,21から流れ出る。
【0021】
つぎに、本コンクリートブロックの要部の構造について説明する。
コンクリートブロック1は上下方向に2分割された上ブロック1Aと下ブロック1Bとが中央の結合面Cにおいて互いに結合されてなる。前記両ブロック1A,1Bは、結合面Cにおいて接着剤で互いに結合されていてもよいし、各ブロック1A,1Bを成型後の未硬化状態において、前記結合面Cにおいて互いに合掌させることで結合してもよい。
【0022】
このように、上下に2分割された上ブロック1Aおよび下ブロック1Bは、上下方向に型抜き可能に形成されている。すなわち、上ブロック1Aには金型を下方に向って抜くに際し、アンダーカットが存在しない。一方、下ブロック1Bには金型を上方に向って抜くに際し、アンダーカットが存在しない。
【0023】
本実施例では、上ブロック1Aと下ブロック1Bとが互いに同一形状に形成されている。そのため、製造性が向上する。
【0024】
しかし、本発明では、図2のように、結合面Cを上部に設け、一方のブロック1Bにのみ貫通孔2を形成してもよい。すなわち、一方、のブロック1Aまたは1Bで他方のブロック1Bまたは1Aの貫通孔2を上下方向から覆えばよい。
【0025】
つぎに、本コンクリートブロックの製造方法について説明する。
図1(d)に示すように、上下一対の上金型11と下金型12とが上下に歯合している状態でキャビティ13内にコンクリートを流し込む。つづいて、上金型11を上方に型抜きした後、ブロック1A(1B)を取り出す。この流し込みと取り出しを繰り返して多数のブロック1A(1B)を成型する。前記ブロック1A(1B)が硬化する前に、別のブロック1A(1B)を図1(a),(c)のように合掌するように重ねて、上ブロック1Aと下ブロック1Bとを結合面Cにおいて互いに結合させる。この際、結合面Cに接着剤を塗布してもよい。
【0026】
図3および図4は第2実施例を示す。
本実施例においては、コンクリートブロック1が単一のブロックで構成されている。本実施例においては、貫通孔2が第3開口29を有している。前記第3開口29は、内面23および外面25に平行な上下方向の一方に開口している。これにより、本コンクリートブロック1は上下方向の一方に型抜き可能に形成されている。
【0027】
図4に示すように、本コンクリートブロック1は他の一般的なコンクリートブロック200と共に縦横に配置される。すなわち、ブロック壁を作る際に、前記第3開口29を有するコンクリートブロック1の上面または下面に他の一般的なコンクリートブロック200の下面または上面が結合される。これにより、本コンクリートブロック1の第3開口29が他のコンクリートブロック200により覆われる。
【0028】
図5は第3の実施例を示す。
この図に示すように、第3開口29を有する2つのコンクリートブロック1,1を上下に合掌配置して、ブロック壁の形成時に各コンクリートブロック1,1の第3開口部29,29の上下を覆ってもよい。
【0029】
図6は第4の実施例を示す。
この図に示すように、通路24,26を形成するために、視野を遮る円柱部39を設けてもよい。
【0030】
以上のとおり、図面を参照しながら好適な実施例を説明したが、当業者であれば、本明細書を見て、自明な範囲で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。
たとえば、略“く”の字状の貫通孔は、滑らかな円弧状に形成されていてもよいし、角張った形状に形成されていてもよいし、あるいは、これらの中間の形状に形成されていてもよい。
したがって、そのような変更および修正は、請求の範囲から定まる本発明の範囲のものと解釈される。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明のコンクリートブロックは壁や塀として用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】(a)〜(c)は本発明の第1実施例にかかるコンクリートブロックの正面図、平面断面図および縦断面図、(d)は同金型の図面である。
【図2】第2実施例のコンクリートブロック正面図である。
【図3】(a)〜(c)は第2実施例にかかるブロックの正面図、平面断面図および縦断面図である。
【図4】使用方法を示す正面図である。
【図5】他の例を示す正面図である。
【図6】他のコンクリートブロックに係る下ブロックを示す平面図および斜視図である。
【図7】従来例にかかるブロックを示しており、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は平面断面図、(d)は製造方法を示す平面断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1:コンクリートブロック
1A:上ブロック
1B:下ブロック
2:貫通孔
21:第1開口
22:第2開口
23:内面
24:第1通路部
25:外面
26:第2通路部
27:屈曲部
【出願人】 【識別番号】399130348
【氏名又は名称】株式会社水研
【識別番号】505318972
【氏名又は名称】平和工業株式会社
【出願日】 平成17年8月24日(2005.8.24)
【代理人】 【識別番号】100102060
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 喜信


【公開番号】 特開2007−56526(P2007−56526A)
【公開日】 平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願番号】 特願2005−242347(P2005−242347)