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【発明の名称】 鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法
【発明者】 【氏名】高橋 一朗

【要約】 【課題】施工コストの大幅な低減を図ることができると共に、工場から現場迄の鉄骨梁部材の搬送作業を効率的に行なうことができ、薄肉筒部材をコンクリート硬化後に取り外し不要とした、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法を提供する。

【解決手段】鉄骨24及び鉄筋25をコンクリート22中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより構成し、貫通孔14が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材30において、鉄骨に設けられた孔24bに嵌合した嵌合部32aが鉄骨に溶接され、貫通孔の径と略同等または小径の軸孔32bを有する鉄骨補強部材32と、鉄骨補強部材の軸孔に直接又は間接的に設けられ、貫通孔のコンクリート型枠として機能する、金属製又は不燃性及び耐水性を有する材料により形成された薄肉筒部材33,37と、貫通孔の薄肉筒部材の周囲を囲むようにコンクリート中に内包された開口補強鉄筋29,29a,29bとを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
前記鉄骨に設けられた孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔を有する鉄骨補強部材と、
前記鉄骨補強部材の軸孔に直接又は間接的に設けられ、前記構造材に形成された貫通孔のコンクリートの型枠として機能する、金属製又は不燃性及び耐水性を有する材料により形成された薄肉筒部材と、
前記貫通孔の薄肉筒部材の周囲を囲むようにコンクリート中に内包された開口補強鉄筋と
を備えたことを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
【請求項2】
前記鉄骨補強部材が、リング状の形状を有し、前記貫通孔の軸線に直交する面において、円形、楕円形、多角形、又はこれらに近い形状に形成されたことを特徴とする請求項1記載の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
【請求項3】
前記鉄骨補強部材が、その外周に薄肉のフランジ部を有し、また、その軸方向の断面において、嵌合部に傾斜部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
【請求項4】
前記鉄骨補強部材の軸孔に嵌合して設けられた第1薄肉鋼管部材と、
前記第1薄肉筒部材の軸線に沿ってスライド可能に嵌合して連結された第2薄肉筒部材と
を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造。
【請求項5】
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
前記鉄骨に設けられた孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔を有する鉄骨補強部材と、
前記鉄骨補強部材の軸孔に直接又は間接的に設けられ、前記構造材に形成された貫通孔のコンクリートの型枠として機能する、金属製又は不燃性及び耐水性を有する材料により形成された薄肉筒部材と、
前記貫通孔の薄肉筒部材の周囲を囲むようにコンクリート中に内包された開口補強鉄筋とを備えた鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法であって、
前記貫通孔のコンクリートの型枠として機能する前記薄肉筒部材は、コンクリート打設前に予め前記鉄骨補強金具に取付けられ、コンクリート硬化後に取り外す必要のないことを特徴とする鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包して構成した鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁貫通孔の補強構造及びその施工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図6に示すように、隣り合う一対の柱10と10の間に掛け渡されて設けられた梁20には、その長さ方向に間隔を置いて、梁20を図中前後方向(幅方向)にわたって貫く複数の貫通孔14が形成され、このような貫通孔14は、建物の空調設備や給排水設備の配管やダクト(図示せず)等を通すのに用いることができるようになっている。
【0003】
このように梁20に貫通孔14が形成されると、そのことにより梁20の強度が低下するので、その低下した強度を補強する必要があるが、このように梁20の低下した強度を補強するための従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造について、図面に基づいて以下に説明する(非特許文献1参照)。
【0004】
図7ないし図9には、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の梁20の断面が示されており、この梁20のコンクリート22中には、鉄骨24の他に梁主筋や肋筋等の鉄筋が内包されるが、図が煩雑になるのを防止するために、これらの図にはそれらの梁主筋や肋筋等の鉄筋は省略して、鉄骨24のみが表示されている。
【0005】
梁20は、コンクリート22中にH型鋼を用いた鉄骨24が内包されて設けられている。図7において鉄骨24の、図中左右方向中央部において上下方向に伸びるように表示された、板状のウェブ24aの表裏両面には、図8に示すような、四辺形の鋼板26が取付けられ、この鋼板26はその全周の溶接部Mを溶接することにより上記ウェブ24aに一体的に固定されている。
【0006】
図7に示すように、鉄骨24のウェブ24a及び鋼板26のそれぞれの中央部には、互いに連通する同じ径の孔が設けられており、この孔には、コンクリート22中をその幅全長にわたって貫く鋼管28が挿通されている。この鋼管28は、同図に示すように、その長さ方向中央部外周面の溶接部Mを溶接することにより、2枚の鋼板26の孔の周りに固定されている。
【0007】
図7に示す、ウェブ24aの表裏両面に取り付けられた2枚の鋼板26の各面から、鋼管28の軸方向(図中左右方向)に少し離れた位置のコンクリート22中には、図9に示すような、鋼管28からこの半径外方に少し離れてこの鋼管28を囲むように、複数の開口補強鉄筋27が配置されている。この開口補強鉄筋27は、井桁状に4本配置されると共に、その井桁状の四隅部にもそれぞれ斜めに1本ずつ開口補強鉄筋27が配置されるようになっている。
【非特許文献1】「建築鉄骨設計基準及び同解説」(平成10年版) 建設大臣官房庁営繕部監修 社団法人公共建築協会出版
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造においては、梁20の、貫通孔14をあけたことによる強度低下を補強するために、鉄骨24のウェブ24aの表裏両面にそれぞれ鋼板26を溶接により接合し、さらに梁20の、コンクリート22の幅全長にわたる鋼管28をウェブ24a及び鋼板26の孔に挿通させて、その鋼管28を鋼板26に溶接により接合していたため、鉄骨24のウェブ24aと、鋼板26、及び鋼管28間の、溶接施工箇所が多くなっていた。
【0009】
このため、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工に大幅な施工工数と施工時間がかかり、それに伴って大幅な施工コスト増を招くという問題があった。
【0010】
また、上記従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造にあっては、鉄骨24のウェブ24aと鋼板26及び鋼管28間の溶接は工場内において行なわれていたため、図7に示すように、鋼管28の両端部が、鉄骨24のフランジ24cの幅よりも外側に突出した、嵩張った状態となり、そのような嵩張った状態の鉄骨梁部材を現場に搬送しなければならないので、その鉄骨梁部材の搬送作業を効率的に行なうことができないという問題があった。
【0011】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、溶接の施工箇所を少なくして施工コストの大幅な低減を図ることができると共に、工場から現場迄の鉄骨梁部材の搬送作業を効率的に行なうことができるようにした鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明による鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
前記鉄骨に設けられた孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔を有する鉄骨補強部材と、
前記鉄骨補強部材の軸孔に直接又は間接的に設けられ、前記構造材に形成された貫通孔のコンクリートの型枠として機能する、金属製又は不燃性及び耐水性を有する材料により形成された薄肉筒部材と、
前記貫通孔の薄肉筒部材の周囲を囲むようにコンクリート中に内包された開口補強鉄筋とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
また本発明による鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、前記鉄骨補強部材がリング状の形状を有し、前記貫通孔の軸線に直交する面において、円形、楕円形、多角形、またこれらに近い形状に形成されたことを特徴とするものである。
【0014】
また本発明による鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、前記鉄骨補強部材が、その外周に薄肉のフランジ部を有し、また、その軸方向の断面において、嵌合部に傾斜部が形成されたことを特徴とするものである。
【0015】
また本発明による鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造は、
前記鉄骨補強部材の軸孔に嵌合して設けられた第1薄肉鋼管部材と、
前記第1薄肉筒部材の軸線に沿ってスライド可能に嵌合して連結された第2薄肉筒部材とを有することを特徴とするものである。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明による鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法は、
鉄骨及び鉄筋をコンクリート中に内包した鉄骨鉄筋コンクリートにより建築構造材を構成し、当該構造材の幅方向に貫通孔が形成された鉄骨鉄筋コンクリート構造材において、
前記鉄骨に設けられた孔に嵌合した嵌合部が当該鉄骨に溶接され、前記貫通孔の径と略同等または小径の軸孔を有する鉄骨補強部材と、
前記鉄骨補強部材の軸孔に直接又は間接的に設けられ、前記構造材に形成された貫通孔のコンクリートの型枠として機能する、金属製又は不燃性及び耐水性を有する材料により形成された薄肉筒部材と、
前記貫通孔の薄肉筒部材の周囲を囲むようにコンクリート中に内包された開口補強鉄筋とを備えた鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造の施工方法であって、
前記貫通孔のコンクリートの型枠として機能する前記薄肉筒部材は、コンクリート打設前に予め前記鉄骨補強金具に取付けられ、コンクリート硬化後に取り外す必要のないことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
このような本発明の鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法によれば、溶接の施工箇所を少なくして施工工数や施工時間の低減を図ることにより、その施工コストの大幅な低減を図ることができると共に、工場から現場迄の、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の梁に用いられる鉄骨梁部材の搬送作業を効率的に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて具体的に説明する。
図1ないし図5は、本発明の一実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法について説明するために参照する図である。従来と同様の部分には同一の符号を用いて説明するものとする。
【0019】
図1は、コンクリート型枠35内にコンクリート22を打設することにより形成された、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造の建築構造材としての梁30の断面を示す図である。この鉄骨鉄筋コンクリート造の梁30は、コンクリート22中に鉄骨24と、その周りに配置された梁主筋25a及び肋筋25b等の鉄筋25が内包されて設けられている。
【0020】
梁30のコンクリート22中に内包された、鉄骨24のウェブ24aを貫通する孔24b(図2参照)には鉄骨補強部材32の嵌合部が嵌合して、この鉄骨補強部材32の嵌合部は図2に示すように、溶接部Mを溶接することにより鉄骨24のウェブ24aに一体的に固定されている。
【0021】
上記鉄骨補強部材32は、鋼材を用いて鍛造により製造される鍛鋼、または鋳造により製造される鋳鋼により形成されている。また、図2に示すように、その外周に薄肉のフランジ部32cを有し、鉄骨24のウェブ24aの孔24bに嵌合する嵌合部を有する鉄骨補強部材32の、その嵌合部の軸方向の断面には傾斜部32aが形成されている。
【0022】
このため、図2に示すように、鉄骨24のウェブ24aの孔24bの周面と、鉄骨補強部材32の嵌合部である傾斜部32aとの間には、開先角度θの隙間が形成されているため、鉄骨補強部材32は、図1に示すように、軸方向の断面が台形状に形成されている。そして、その開先角度θの隙間内の溶接部Mには溶接が施工されている。また鉄骨補強部材32は、鉄骨24のウェブ24aの厚さより大きな厚さに成形されている。
【0023】
また鉄骨補強部材32は、図4に示すように、その軸線と直交する面において円形状に形成されている。そして鉄骨補強部材32には、図2に示すように、ウェブ24aの孔24bより径が小さい軸孔32bが形成されている。この軸孔32bには、図1、図3に示すように、薄肉円筒部材33(薄肉筒部材、第1薄肉筒部材)が嵌合して設けられている。薄肉円筒部材33は、金属製、又は少なくとも不燃性及び耐水性を有する材料により形成されている。
【0024】
薄肉円筒部材33の両端部には、図3に示すようなスパイラル鋼管37(薄肉筒部材、第2薄肉筒部材)が、薄肉円筒部材33に対して軸方向にスライド可能に嵌合して連結している。このため、スパイラル鋼管37を薄肉円筒部材33に対して軸方向にスライドさせることにより、スパイラル鋼管37の鉄骨補強部材32と反対側の端部を、コンクリート型枠35の内側面に隙間無く当接させることができる。
【0025】
スパイラル鋼管37は、帯状の薄板鋼板を螺旋状に巻いて、隣り合うその側部同士が接合して形成されたものであり、その接合部はカシメや半田付け等により接合されることにより、鋼管として高い強度を有するものとなっている。
【0026】
スパイラル鋼管37の、鉄骨補強部材32と反対側の端部は、図3に示すような蓋部材39により閉止され、スパイラル鋼管37のその蓋部材39により閉止された端部より僅かに鉄骨補強部材32寄りの位置の、その周りには、図1に示すように、コンクリート22を補強するための開口補強鉄筋29a,29b(コンクリート補強鉄筋)が配置されている。
【0027】
そして、開口補強鉄筋は、図9に示す従来例の開口補強鉄筋27の他にも、図5に示す開口補強鉄筋29のように一体に成形されたものがあり、例えばウェプレン(商品名)などが知られている。
このような開口補強鉄筋29は、肋筋25b等の鉄筋に針金などにより結束して取付けられるが、薄肉筒部材のスパイラル鋼管37に直接取付けて固定することもできる。
【0028】
このような鉄骨鉄筋コンクリート構造材としての梁30を施工する際には、梁30を形成するためのコンクリート型枠35内にコンクリートを打設するが、この本発明の一実施の形態においてはそのコンクリートの打設を行う前に予め、鉄骨補強部材32の軸孔32b内に薄肉円筒部材33が設けられている。
【0029】
またこの薄肉円筒部材33と共に、この薄肉円筒部材33に対して軸方向にスライド可能なスパイラル鋼管37が薄肉円筒部材33の両端部に嵌合して設けられ、これらの薄肉円筒部材33及びスパイラル鋼管37はコンクリート型枠35と共に、梁30の貫通孔14を形成するためのコンクリートの型枠としての機能を有している。
【0030】
このように薄肉円筒部材33及びスパイラル鋼管37を、貫通孔14を形成したい位置に予め配置してから、コンクリート型枠35内に流動状のコンクリートの打設を行うと、コンクリート硬化後に、薄肉円筒部材33及びスパイラル鋼管37の内周面が貫通孔14を形成することになる。
【0031】
また、これらの薄肉円筒部材33及びスパイラル鋼管37は、コンクリートの型枠としての機能を有するものではあっても、コンクリート硬化後に除去されることはなく、そのまま梁30の一部として残される。
【0032】
このような、本発明の一実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造及びその施工方法によれば、従来のように溶接の施工箇所が多くなることはないので、その補強構造の施工工数や施工時間の低減を図ることができるため、その施工コストの大幅な低減を図ることができる。
【0033】
すなわち、鉄骨24のウェブ24aに設けられた鉄骨補強部材32は、前記鍛鋼または鋳鋼により形成され、その厚さはウェブ24aの厚さより大きな厚さに成形することができるので、非常に高い剛性を有している。このため、従来用いていたような、鉄骨24のウェブ24aの裏表に設けられる2枚の鋼板26や鋼管28を用いなくとも、そのウェブ24aの強度、ひいては鉄骨24や梁30の強度を充分補強することができる。
【0034】
また、溶接を施工する場所は、図2に示すように、主に鉄骨24のウェブ24aと鉄骨補強部材32の間の溶接部Mの位置だけでよく、他には溶接を施工するとしても部分的な場所で、仮止め溶接の程度で足りるので、溶接の施工箇所を従来より少なくすることができる。このことにより、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の施工工数や施工時間の低減を図ることができるので、その施工コストの大幅な低減を図ることができる。
【0035】
また、貫通孔14を囲むようにしてコンクリート22中に開口補強鉄筋29を内包させたため、コンクリート22中に貫通孔14があいていても、貫通孔14の周りのコンクリート22を補強することができる。
【0036】
また、工場において一体に組み立てられた鉄骨24、鉄骨補強部材32及び薄肉円筒部材33から成る鉄骨梁部材の、その薄肉円筒部材33は、その長さが鉄骨24のフランジ24cの幅より短い長さのものを用いているため、薄肉円筒部材33が鉄骨24のフランジ24cの幅よりも外側に突出して嵩張った状態となることはない。このため、そのような嵩張った状態の鉄骨梁部材を工場から現場に搬送することはないので、上記鉄骨梁部材の搬送作業を効率的に行なうことが可能となる。
【0037】
また、貫通孔14のコンクリート型枠として紙管を用いる場合もあるが、紙製なので燃えるおそれがある為コンクリート硬化後に取り外さなければならずそれだけ手間やコストがかかる他、紙管は水を含むと膨張して変形するという問題がある。これに対して上記本発明の実施の形態における薄肉円筒部材33やスパイラル鋼管37は金属製、又は少なくとも不燃性及び耐水性を有する材料により形成されているのでそのような問題はない。
【0038】
なお、前記実施の形態においては、薄肉円筒部材33やスパイラル鋼管37としては断面が円形の円筒部材を用いたが、断面が円形以外の楕円形や角形等の形状の筒部材を用いることもできる。
【0039】
また、前記実施の形態においては、鉄骨補強部材32の軸孔32b内に取付けられた第1筒部材33に第2筒部材37がスライド可能に嵌合して取付けられるので、鉄骨鉄筋コンクリート構造材の施工において、鉄筋の施工及びコンクリート型枠の施工に先立って、予め一体に形成された開口補強鉄筋29を第2筒部材37に取付けたものを、スライドさせて鉄骨24側に押し込んだ状態で鉄骨24に仮付けして置くこともできるため、鉄筋25の施工及びコンクリート型枠の施工に開口補強部材29が干渉しないため、建築現場における作業を効率的に行うことが可能となる。
【0040】
また、前記実施の形態においては、その軸線と直交する面において円形状の鉄骨補強部材32を用いたが、円形に近い形状、楕円形又はそれに近い形状、或は、3〜8角形等の多角形等の、他の形状の鉄骨補強用部材を用いることもできる。
【0041】
また、前記実施の形態においては鉄骨24にH型鋼を用いていたが、鉄骨24はH型に限定する必要はなく、他のどのような断面形状の鉄骨を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係る鉄骨鉄筋コンクリート構造材の補強構造を示す梁30の断面図である。
【図2】図1における梁30の鉄骨24のウェブ24aと鉄骨補強部材32との間の開先角度θの隙間の溶接部Mを示す部分拡大断面図である。
【図3】図1における梁30の鉄骨補強部材32、薄肉円筒部材33、スパイラル鋼管37、蓋部材39及び開口補強鉄筋29を示すその分解側面断面図である。
【図4】図3における鉄骨補強部材32のIV−IV線矢視図である。
【図5】図3における開口補強鉄筋29のV−V線矢視図である。
【図6】従来の鉄骨鉄筋コンクリート構造材としての柱10,10間に設けられた梁20を示す一部破断正面図である。
【図7】図6における梁20のA−A線断面図である。
【図8】図7における梁20のB−B線断面図である。
【図9】図7における梁20のC−C線断面図である。
【符号の説明】
【0043】
10 柱
14 貫通孔
20 梁
22 コンクリート
24 鉄骨
24a ウェブ
24b 孔
25 鉄筋
25a 梁主筋
25b 肋筋
26 鋼板
27 開口補強鉄筋
28 鋼管
29,29a,29b 開口補強鉄筋
30 梁
32 鉄骨補強部材
32a 傾斜部
32b 軸孔
33 薄肉円筒部材
37 スパイラル鋼管
39 蓋部材
M 溶接部
θ 開先角度

【出願人】 【識別番号】000233239
【氏名又は名称】日立機材株式会社
【出願日】 平成17年6月24日(2005.6.24)
【代理人】 【識別番号】100087712
【弁理士】
【氏名又は名称】山木 義明


【公開番号】 特開2007−2578(P2007−2578A)
【公開日】 平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願番号】 特願2005−185778(P2005−185778)