| 【発明の名称】 |
橋梁点検装置および点検方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】岡田 稔規
【氏名】小原 淳一
【氏名】畔柳 耕一
|
| 【要約】 |
【課題】橋梁の下面等の任意の位置を容易且つ迅速に点検することができ、またサイズがコンパクトで組み立て作業、設置作業が簡便なものであり、しかも、台車を使用せずに、機器を高欄に設置して、高欄上を移動させながら撮影ができるので、歩道がない箇所でも通行止めの必要がなく、歩道がある場合でも自転車・歩行者の通行を妨げることがないものである。
【解決手段】橋梁の高欄上を走行する上部支持台3で水平方向の第1のアーム4を支承し、第1のアーム4で、略垂直方向に延びる第2のアーム5を支承し、第2のアーム5で、長手方向に伸縮自在に構成された第3のアーム6を片持ち状態で支承し、第3のアーム6の先端にカメラ7を回転駆動可能に取付けた橋梁点検装置を使用し、上部支持台3を高欄に設置して全体のバランスをとりながら高欄上を移動させてカメラで橋梁下面の撮影を行う。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 橋梁の高欄上を走行する上部支持台で水平方向の第1のアームを長手方向を軸として回転するように支承し、第1のアームで、略垂直方向に延びる第2のアームを長手方向を軸として回転するように支承し、第2のアームで、長手方向に多段に伸縮自在に構成された第3のアームを片持ち状態で支承し、第3のアームの先端にカメラを回転駆動可能に取付けたことを特徴とする橋梁点検装置。 【請求項2】 上部支持台は、台枠の下面に高欄に直交するように跨って高欄上を滑走する棒状ローラーを設けたことを特徴とする請求項1記載の橋梁点検装置。 【請求項3】 橋梁の高欄上を走行する上部支持台で水平方向の第1のアームを支承し、第1のアームで、略垂直方向に延びる第2のアームを支承し、第2のアームで、長手方向に伸縮自在に構成された第3のアームを片持ち状態で支承し、第3のアームの先端にカメラを回転駆動可能に取付けた橋梁点検装置を使用し、上部支持台を高欄に設置して全体のバランスをとりながら高欄上を移動させてカメラで橋梁下面の撮影を行うことを特徴とする橋梁点検方法。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、各種橋梁の下面の鋼材の錆、塗装の剥がれ、コンクリート床板のひび割れ等の点検をその上部通路から行う場合に用いられる下面点検装置に関し、特には、下面の、桁部材に隠れて側方や下方から見通せない箇所を点検する場合に用いて好適な橋梁等の点検装置および点検方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 橋梁や高架構造物の上部通路上を移動可能な台車から、基部アームである1のアーム、垂下アームである第2のアーム、水平アームである第3のアームにより橋梁や高架構造物の下面の点検を行えるものとして下記特許文献のものがある。 【特許文献1】特開2001−20224号公報 【特許文献2】特開2003−119722号公報 【特許文献3】特開2005−90072号公報 【0003】 特許文献1は、上部通路上を移動可能な台車と、前記台車に突設されて水平方向へ延在する基部アームと、前記基部アームの先端部に昇降可能かつ垂直軸線回りに回動可能に支持されて垂直方向へ延在する垂下アームと、前記台車に設けられて前記垂下アームを昇降させる垂下アーム昇降手段と、前記垂下アームの下端部に中間部を固定されて水平方向へ延在する水平アームと、前記水平アームの先端部に下端部を固定されて上向きに延在する入り込みアームとからなる。 【0004】 さらに、特許文献1は、前記入り込みアームの上端部に首振り手段を介して装着されたテレビカメラと、前記水平アームの後端部に固定されて前記水平アームの水平バランスを取るウエイトと、前記台車に設けられて、前記テレビカメラが撮像した画像を表示する画像表示手段とを具える。 【0005】 特許文献2は、構造物の長さ方向に移動可能な台車と、該台車に、構造物の側部外方にオーバーハングさせて支持台を設け、該支持台に、軸心回りに回転可能であり、上下動可能に保持させた垂直支柱と、該垂直支柱の下端に装着され、構造物の下方で、構造物の軸線と直角方向に延在配置される水平アームを備え、水平アーム上に、その元部から先部まで移動可能とした撮影ユニットを搭載し、該撮影ユニットに上向きに設置したカメラで構造物の床版下面を撮影して点検するようにしたものである。 【0006】 特許文献3は、走行用の台車と、該台車に設置され、長手方向を軸として回転する第1のアームと、前記第1のアームに対して略垂直方向に延びる第2のアームと、前記第1のアームに取付けられ、前記第2のアームをその長手方向を軸として回転させる駆動部と、前記第2のアームに取付けられ、長手方向に伸縮自在に構成された第3のアームと、前記第2のアーム及び/又は前記第3のアームに取付けられるカメラとを備えたものである。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 特許文献1では、水平アームが垂下アームを軸として回転するものの、伸縮することができないため、高架構造物の下面の任意の位置を点検するには、水平アームを組み立て直す等が必要となり、点検作業が煩雑となって時間がかかるという問題点があった。 【0008】 特許文献2では、水平アーム上をカメラを移動させるため、水平アームにカメラの移動機構を備える必要があり、水平アームのサイズが大きくなってしまうという問題点があった。また、水平アームが大きく重いため、点検装置の組み立て作業や設置作業に手間がかかり、設置後も点検装置が不安定になるという問題点があった。 【0009】 また、特許文献1〜3のいずれも、上部通路上を移動可能な台車を使用するものであり、この台車が橋梁上で場所を占め、作業範囲を確保するために、歩道がない場合には通行止めの措置が必要になったり、歩道がある場合でも自転車・歩行者の通行を妨げるおそれがある。 【0010】 特に、橋梁の欄干をオーバーハングさせる必要から、移動可能な台車は特許文献1や特許文献3のように、橋梁の欄干よりも高さのある大きなものとなるか、特許文献2のように、支持台を台車から立ち上げるなど、大型のものに成らざるを得ない。 【0011】 本発明の目的は前記従来例の不都合を解消し、橋梁の下面等の任意の位置を容易且つ迅速に点検することができ、またサイズがコンパクトで組み立て作業、設置作業が簡便なものであり、しかも、台車を使用せずに、機器を高欄に設置して、高欄上を移動させながら撮影ができるので、歩道がない箇所でも通行止めの必要がなく、歩道がある場合でも自転車・歩行者の通行を妨げることがない橋梁点検装置および点検方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0012】 前記目的を達成するため、橋梁点検装置としては、橋梁の高欄上を走行する上部支持台で水平方向の第1のアームを長手方向を軸として回転するように支承し、第1のアームで、略垂直方向に延びる第2のアームを長手方向を軸として回転するように支承し、第2のアームで、長手方向に多段に伸縮自在に構成された第3のアームを片持ち状態で支承し、第3のアームの先端にカメラを回転駆動可能に取付けたこと、および、上部支持台は、台枠の下面に高欄に直交するように跨って高欄上を滑走する棒状ローラーを設けたこと要旨とするものである。 【0013】 橋梁点検方法としては、橋梁の高欄上を走行する上部支持台で水平方向の第1のアームを支承し、第1のアームで、略垂直方向に延びる第2のアームを支承し、第2のアームで、長手方向に伸縮自在に構成された第3のアームを片持ち状態で支承し、第3のアームの先端にカメラを回転駆動可能に取付けた橋梁点検装置を使用し、上部支持台を高欄に設置して全体のバランスをとりながら高欄上を移動させてカメラで橋梁下面の撮影を行うことを要旨とするものである。 【0014】 請求項1記載の本発明によれば、水平方向の第1のアームが略垂直方向に延びる第2のアームを支承し、さらに、第2のアームで、長手方向に伸縮自在に構成された第3のアームを片持ち状態で支承し、第3のアームの先端にカメラを回転駆動可能に取付けたので、カメラは例えば橋梁の下面に回り込むことができ、橋梁の下面の任意の位置を容易且つ迅速に点検することができる。 【0015】 しかも、移動は、上部支持台が橋梁の高欄上を走行することで行うものであり、台車を使用せずに、機器を高欄に設置して、高欄上を移動させながら撮影ができる。さらに、高欄をレール代わりにできるので、一定の高さでの保持が容易なものである。 【0016】 請求項2記載の本発明によれば、前記作用に加えて、上部支持台の棒状ローラーは、高欄に直交するように跨ってこの高欄上を滑走するので、この棒状ローラーの長さ分高欄が自由に相対位置を変更することができ、その結果、無理なく上部支持台が高欄上を滑走できる。 【0017】 請求項3記載の本発明によれば、前記作用に加えて、上部支持台を高欄に設置して全体のバランスをとりながら高欄上を移動させるので、荷重をささえる台車等の存在なしに、小さな力で移動することが可能となる。 【発明の効果】 【0018】 以上述べたように、本発明の橋梁点検装置および点検方法は、橋梁の下面等の任意の位置を容易且つ迅速に点検することができ、またサイズがコンパクトで組み立て作業、設置作業が簡便なものであり、しかも、台車を使用せずに、機器を高欄に設置して、高欄上を移動させながら撮影ができるので、歩道がない箇所でも通行止めの必要がなく、歩道がある場合でも自転車・歩行者の通行を妨げることがないものである。 【発明を実施するための最良の形態】 【0019】 図1は、本発明の橋梁点検装置の1実施形態の全体概要を示す説明図で、図中1は橋梁、1aは橋桁、2は高欄である。本発明の橋梁設備は、橋梁の下面等に設置されるガス管、水道管、電話線等の添架設備の他に、橋梁の下面自体や橋梁の柱部分のひび割れ等を点検を含むものとする。また橋梁とは、河川等に架けられる橋の他に、高速道路の高架等も含むものとする。 【0020】 本発明の橋梁設備は、橋梁1の高欄2上を走行する上部支持台3と、この上部支持台3で長手方向を軸として回転するように支承される水平方向の第1のアーム4と、第1のアーム4で長手方向を軸として回転するように支承される略垂直方向に延びる第2のアーム5と、第2のアーム5で片持ち状態で支承される第3のアーム6と、第3のアーム6の先端に取付けられるカメラ7とからなる。 【0021】 図2、図3に上部支持台3の詳細を示すと、アルミ合金等の金属板製の台枠8の下面に高欄上を滑走するためのゴムローラによる棒状ローラー9,9を左右に設ける。この棒状ローラー9,9は高欄に直交するように跨って高欄上を移動する向きに、また、相互に適宜の間隔(約30cm)で並列に設けられる。 【0022】 また、台枠8は片側端に垂下板8aを形成し、図示は省略するが、中央部分は開口としてロの字の形の枠として軽量化を図る。 【0023】 さらに、上面には、円筒バーに対する貫通輪タイプと締め付け固定できる締め輪タイプの固定部材10a、10bを前後に間隔を存して突設した。 【0024】 第1のアーム4はアルミ合金等の金属の円筒バーで、上部支持台3の上に前記固定部材10a、10bにより長手方向を軸として回転するように支承され、その先端には円筒バーに対する締め輪タイプの固定部材11を設けている。 【0025】 さらに、第1のアーム4の端でこの固定部材11と反対側には締め輪タイプの固定部材23を介して棒状のハンドル24を立ち上げてもよい。 【0026】 第2のアーム5は、鉛直部材としてのアルミ合金等の金属製のものであり、すくなくとも上部が円筒の円筒バー5aと角筒バー5b、5cとをボルト12で締結して適宜連結させることで長さを自由に調整できる。 【0027】 円筒バー5aは、前記固定部材11に固定される時に回転自在な状態を確保できるように円筒を採用したものである。また、円筒バー5aの下部および角筒バー5b、5cの角筒形状は相互に重ね合わせた時の接触度を高め、ボルト12でしっかりと締結できるためである。 【0028】 ボルト12が貫通する孔は適宜数設けておいて、選択することにより第2のアーム5の全体の長さを調整できるものとする。また、円筒バー5aと角筒バー55cは角筒バー5bを中にして上下に並び、順次張り出すことなく直状をできる限り確保した。 【0029】 固定部材11から上の円筒バー5aの部分に締め輪タイプのストッパー25を設け、さらに円筒バー5aの上端部に回転用のレバー22を設ける。 【0030】 第3のアーム6は、第2のアーム5の下端に設けた貫通輪タイプの支持部材13で片持ち状態でかつ、回転自在に支承され、前記第1のアーム4と第2のアーム5とで全体がコ字形となる。 【0031】 そして、上部支持台3、第1のアーム4、第2のアーム5、第3のアーム6、カメラ7とは、組立可能な結合となるものであり、不使用時には個々に分解できる。 【0032】 また、組み立てた全体がコ字形となる状態で、上部支持台3を橋梁1の高欄2上に載置した際には、全体のコ字形が橋梁1の側方を囲うような形となり、第3のアーム6は橋梁1の下面側に伸び、上部支持台3を支点として全体のバランスが取れるものである。 【0033】 図5、図6に示すように、前記第3のアーム6は、多重管が多段式に繰り出して伸縮自在(1.0〜3.5m)なもので、前記支持部材13よりも外側に伸縮用の駆動モータ14とカウンター15を収納したボックス16を取付け、このボックス16へは制御ボックス17を介してバッテリー18と操作釦箱19を接続する。 【0034】 第3のアーム6の先端に取付けられるカメラ7はデジタルカメラであり、180°の軸回転と60°の直角回転が得られるように駆動装置20を介して取り付く。 【0035】 カメラ7は、例えば、橋梁1上に設置したカメラ制御用パソコン21に接続される。 【0036】 次に使用法について説明する。橋梁1の点検時には、上部支持台3を橋梁1の高欄2上に載せ、上部支持台3を高欄2に沿って走行させながら移動して、カメラ7で撮影を行う。 【0037】 この上部支持台3による移動は、全体のバランスをとりながら行うことができ、ハンドル24を立ち上げている場合にはこれでバランスを取り易くなる。 【0038】 なお、上部支持台3を傾けることにより、全体を傾斜させ、第3のアーム6をななめ方向に伸ばすこともできる。 【0039】 また、ハンドル24で第1のアームを長手方向を軸として回転させることができ、レバー22で第2のアーム5を長手方向を軸として回転させることができ、第3のアーム6は伸縮するので、しかも、カメラ7はカメラ調整手段である駆動装置20によって、鉛直方向及び水平方向を軸として向きが変わるようになっているので、広い範囲に亘って点検を行うことができる。 【0040】 駆動装置20および第3のアーム6の伸縮は操作釦箱19により遠隔操作が可能になっており、作業者は橋梁1上からカメラ7の位置を調整できるようになっている。カメラ7はズーム機能を備えており、カメラ制御用パソコン21によって倍率を変えることができるようになっている。またカメラ7で撮影された映像は、カメラ制御用パソコン21のモニター(図示せず)で作業者が目視できるようになっている。 【産業上の利用可能性】 【0041】 本発明の上記の実施形態では、橋梁1の下面の点検を行う例を示したが、例えばパイプラインや水管橋の点検を行うのに使用することもできる。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本発明の橋梁点検装置の全体概要を示す説明図である。 【図2】本発明の橋梁点検装置の1実施形態の上部支持台と第1のアーム部分の側面図である。 【図3】上部支持台の正面図である。 【図4】本発明の橋梁点検装置の1実施形態の全体を示す側面図である。 【図5】第3のアーム部分の一部切り欠いた側面図である。 【図6】伸長した状態の第3のアーム部分の側面図である。 【符号の説明】 【0043】 1…橋梁 1a…橋桁 2…高欄 3…上部支持台 4…第1のアーム 5…第2のアーム 5a…円筒バー 5b、5c…角筒バー 6…第3のアーム 7…カメラ 8…台枠 8a…垂下板 9…棒状ローラー 10a、10b…固定部材 11…固定部材 12…ボルト 13…支持部材 14…駆動モータ 15…カウンター 16…ボックス 17…制御ボックス 18…バッテリー 19…操作釦箱 20…駆動装置 21…カメラ制御用パソコン 22…レバー 23…固定部材 24…ハンドル 25…ストッパー
|
| 【出願人】 |
【識別番号】592000886 【氏名又は名称】八千代エンジニヤリング株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年9月14日(2005.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100078695 【弁理士】 【氏名又は名称】久保 司
|
| 【公開番号】 |
特開2007−77653(P2007−77653A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月29日(2007.3.29) |
| 【出願番号】 |
特願2005−266360(P2005−266360) |
|