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【発明の名称】 瓦舗装材
【発明者】 【氏名】友安 春夫

【氏名】末田 廣昭

【要約】 【課題】瓦を骨材とし、無機系材料のみを使用して、アスファルト舗装やコンクリート舗装並みの耐久性や耐磨耗性を備える路面舗装を可能とする舗装材を提供する。

【解決手段】基層上に舗装するための舗装材を、骨材として瓦材と砂を重量比で10:0〜2:8の割合で使用し、この骨材に対してセメントを8〜17重量%の割合で配合し、水セメント比を40〜30重量%として混和してなるものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基層上に舗装するための舗装材であって、骨材として瓦材と砂を重量比で10:0〜2:8の割合で使用し、この骨材に対してセメントを8〜17重量%の割合で配合し、水セメント比を40〜30重量%として混和してなることを特徴とする瓦舗装材。
【請求項2】
瓦材と砂の配合割合が、9:1〜4:6である請求項1の瓦舗装材。
【請求項3】
更に、セメント用の無機系混和材を、前記骨材に対して0.5〜2重量%の割合で添加してなる請求項1又は2の瓦舗装材。
【請求項4】
前記混和材が高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、ボゾラン、せっこう、石灰からなる群から選ばれるものである請求項3の瓦舗装材。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、骨材に瓦を使用した舗装材に関する。
【背景技術】
【0002】
瓦は、建物の建て替えや、屋根の葺き替えの際に大量廃棄されるため、その廃棄物を路面舗装に使用しようとする試みはあるが、例えば特許文献1及び2の如く、いずれも瓦材を骨材として、それをエポキシ樹脂やウレタン樹脂などという反応性ある硬化型有機ポリマーで結合して、表面塗装するものであり、高価につき、また厚手の舗装はし難く、操作性にも問題があり、実用化されていないのが実情である。
【特許文献1】特開2001−234503号公報
【特許文献1】特開2005−42439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、瓦を骨材とし、無機系材料のみを使用して、アスファルト舗装やコンクリート舗装並みの耐久性や耐磨耗性を備える路面舗装を可能とする舗装材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者等は、鋭意、検討を重ねた結果、基層上に舗装するための舗装材として、骨材として瓦材と砂を重量比で10:0〜2:8の割合で使用し、この骨材に対してセメントを8〜17重量%の割合で配合し、水セメント比を40〜30重量%として混和してなるものが、実用性あることを見出した。
【0005】
瓦材は、瓦を粉砕したものであるが、その平均粒径は2〜20mm程度の破片として使用するのが好ましく、特に、平均粒径3〜10mmの破片90〜80重量部と、平均粒径3mm未満の破片10〜20重量部を混合使用するのが好ましい。細かい破片の混合使用は強度を高める効果がある。
【0006】
なお、瓦材のみでは、歩道の、圧縮強度が足らないので、細骨材として砂を混合使用するのが好ましく、通常、瓦材と砂の配合割合は、重量比率で9:1〜3:7程度とするのがよいが、リサイクル法の関係から、瓦材は、骨材の4割以上を占めるように9:1〜4:6とするのが好ましい。
【0007】
次にセメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメントや、フラッシュセメント、シリカセメント、アルミナセメントのような混合セメント、又は石灰(水酸化カルシウム及び炭酸カルシウムを含めた酸化カルシウム類)や石膏(硫酸カルシウム類)等も使用可能であり、これらは単独使用しても、二種以上混合使用してもよいが、通常、ポルトランドセメントの使用が好ましい。
【0008】
更に、本発明では、セメント用の無機系混和材を、骨材(瓦材及び砂)に対して0.5〜2重量%の割合で添加使用してもよく、この添加により、セメントの使用量を低減でき、また舗装後の空隙率を高く維持できるという利点がある。
【0009】
前記混和材としては、例えば高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、ボゾラン、せっこう、石灰からなる群から選ばれるものを使用するのが好ましい。
【0010】
更に、混和材としては、例えば、塩化アンモニウムなどのアンモニウム塩類や、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、硝酸ナトリウム等のナトリウム塩類や、塩化カリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウム、硫酸カリウム等のカリウム塩類や、塩化カルシウム、炭酸カルシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウム、珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム等のカルシウム塩類や、塩化マグネシウム、珪酸マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩類や、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム塩類や、硫酸鉄等の2価の鉄化合物等も使用可能であり、これらの内の1種又は2種以上をフライアッシュに混合使用してもよい。
【0011】
本発明の舗装材は、まず、瓦材に細骨材(砂)を混合しておき、ここに特殊混和材、セメント、必要であれば、セメント用顔料を添加して所定量の水を練り合わせて得ることができる。
【0012】
かかる本発明の舗装材は、一般道路(車道や歩道)、市街地道路、住宅地道路、住宅団地敷地内道路、建物周辺、駅前広場、駐車場、自然道、農道、遊歩道、ジョギングコース、公園、庭園、遊園地、ゲートボール場、コミュニティ道路、法面保護、墓地等のいずれにも適用可能である。例えば、舗装材を路盤上にローラや鉄ゴテ等で転圧し、乾燥、養生させる。この場合の舗装材の施工厚は、用途にもよるが、通常5〜7cm程度である。また、養生期間は、普通1〜2日程度、重量車両乗入れの場合は7日程度である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、瓦材と砂を混合し、その結合材としてセメント固化材と混和剤を併用混合したことにより、セント固化材単独で使用したものより、保水・透水性能に優れた。圧縮強度・曲げ強度のある、瓦 保水・透水舗装とすることができる効果を有する。
しかも、混和剤を使用することにより、透水・保水性を有し、樹脂舗装のように劣化もおきず、セメントによる施工が行え、水和反応に起因する収縮による舗装の破壊がない舗装面を得ることができ、施工が容易で、舗装の耐久性が高い舗装面とすることができる効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
表1〜3に示すように、従来工法と試験1〜5の六種の配合の舗装材を製造し、下記の試験を実施し、「セメント・コンクリート舗装要綱」 「排水性舗装技術指針(案)」に 適合する値を目標として、それぞれの物性を評価した。
【0015】
<試験方法>
定水位透水試験(ポーラスコンクリートの透水試験方法(案))
圧縮強度試験(JIS A 1108)に準拠
曲げ強度試験(JIS A 1106)に準拠
ラベリング試験(舗装試験法便覧 3−7−2)
【0016】
<試験結果の評価>
剥離:
◎・・削れもない ○・・剥離しない △・・表面剥離 ×・・固まらない
強度:
◎・・16 N/mm2< ○・・12-16 N/mm2 △・・10-12 N/mm2 ×・・10 N/mm2
曲げ強度:
◎・・4.6N/mm2< ○・・4.5-4.6N/mm2 △・・2-4.4 N/mm2 ×・・2 N/mm2
透水性:
◎・・2 cm/sec< ○・・1.6-2 cm/sec △・・1.1-1.5cm/sec ×・・1x10-2cm/sec
【0017】
[従来工法]
従来工法に従って、瓦を使用した舗装材を準備した。その組成と試験結果を、[表1]に0−1、0−2、0−3として3例を示す。
【0018】
[試験1]
骨材として、瓦材の量を1重量部、0.8重量部、0.4重量部と変化させ、普通ポルトランドセメント0.05重量部と混合使用し、混和剤(なし又は0.01重量部)、細骨材としての川砂(なし、0.2重量部又は0.6重量部)の使用量を変化させ、また、水・セメント比をそれぞれ100、75、35として配合した4種の舗装材1−1〜1−4を準備した。その組成と試験結果を[表1]に示す。
この結果から、水・セメント量が少ないと固まらず、水・セメント比を大きくすると、透水性が失われ、目標の圧縮強度が得られないことがわかった。
【0019】
[試験2]
骨材として、瓦材の量を1重量部、0.8重量部、0.4重量部と変化させ、普通ポルトランドセメント0.1重量部と混合使用し、混和剤(なし又は0.01重量部)、細骨材としての川砂(なし、0.2重量部又は0.6重量部)の使用量を変化させ、また、水・セメント比を40又は35重量部として配合した4種の舗装材2−1〜2−4を準備した。その組成と試験結果を[表2]に示す。
この結果から、細骨材を0.2重量部以上配合すると、圧縮強度・曲げ強度は瓦単独より大きくなり目標の値を容易に得ることができ、また、この例ではセメント量も少ないので良好な透水性が得られた。
なお、強度的には、植樹升や中央分離体などの使用には十分使用に耐えるものであった。
【0020】
[試験3]
骨材として、瓦材の量を1重量部、0.8重量部、0.4重量部と変化させ、普通ポルトランドセメント0.125重量部と混合使用し、混和剤(なし又は0.01重量部)、細骨材としての川砂(なし、0.2重量部又は0.6重量部)の使用量を変化させ、また、水・セメント比を35重量部として配合した4種の舗装材3−1〜3−4を準備した。その組成と試験結果を[表2]に示す。
この試験結果から、セメント量が増えると、圧縮強度及び曲げ強度は増してくるが、透水性が小さくなることがわかる。
【0021】
[試験4]
骨材として、瓦材の量を1重量部、0.8重量部、0.4重量部と変化させ、普通ポルトランドセメント0.15重量部と混合使用し、混和剤(なし又は0.01重量部)、細骨材としての川砂(なし、0.2重量部又は0.6重量部)の使用量を変化させ、また、水・セメント比を35重量部として配合した4種の舗装材4−1〜4−4を準備した。その組成と試験結果を[表3]に示す。
この試験結果から、骨材として瓦単独使用でも、混和材を配合することにより、実用性ある圧縮強度を得ることができ、また、更に細骨材を配合したものは、圧縮強度、曲げ強度、保水性、透水性のいずれにおいても、目標値を上まわる値を得ることができた。
【0022】
[試験5]
骨材として、瓦材の量を1重量部、0.8重量部、0.4重量部と変化させ、普通ポルトランドセメント0.175重量部と混合使用し、混和剤(なし又は0.01重量部)、細骨材としての川砂(なし、0.2重量部又は0.6重量部)の使用量を変化させ、また、水・セメント比を42、40、35重量部として配合した4種の舗装材5−1〜5−4を準備した。その組成と試験結果を[表3]に示す。
この試験結果から、セメント量が多くなると、透水性が悪くなり、また、ひび割れが生じ易いことがわかる。
【0023】
【表1】


【0024】
【表2】


【0025】
【表3】


【0026】
以上の試験結果から、最適配合である2−3、3−3、4−3、4−4の舗装材と、比較例として、従来の樹脂舗装0−1、及び1−4、5−3の舗装材を使用して、以下の実施例を実施した。
【0027】
なお、試験1〜5では、瓦材として、土木学会コンクリート標準示方書に基づいて、ふるい通過率が表4の範囲に入る瓦再生材を使用した。使用した砂のふるい通過率も表5に示す。
【0028】
【表4】


【0029】
【表5】


【0030】
[実施例1]
形態例既設セメントコンクリート舗装上に、[表1]の従来工法の(0−1)の瓦樹脂舗装材−瓦1重量部、ウレタン系樹脂7重量部の混合物で、瓦は5〜7mmの粉砕瓦材を使用−を、熊手を用いて均一に敷き均し、厚さ10mmの瓦樹脂舗装を形成した。
このようにして得られた瓦樹脂舗装は、瓦系の自然な色調を備え、柔らかい歩行感をもつが、舗装表面の透水性は低下、表面排水となり2月もたつと、経時変化により、樹脂劣化がはじまり、舗装表面の剥離を起こした。
【0031】
[実施例2]
形態例整地した植樹升にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、50〜100mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦舗装を施工した。
瓦舗装材の配合は[表1]の(1−4)とし、舗装材を砕石路盤上に熊手を用いて均一に敷き均し、0.5〜0.6tのハンドガイド式振動ローラを用いて転圧し、厚さ50mmの瓦舗装を形成した。
このようにして得られた瓦舗装は、透水性はあるが、所定目標の圧縮強度、曲げ強度が得られず歩道には適さなかった。
【0032】
[実施例3]
形態例整地した地盤上にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、100〜150mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦舗装を施工した。
瓦舗装材の配合は、[表2]の(2−2)とし、舗装材をハンドガイド式振動ローラを用いて転圧し、厚さ70mm瓦舗装を形成した。
このようにして得られた瓦舗装は、透水性はあるが圧縮強度、曲げ強度において若干問題があり、歩道には適さないが、植樹においては、雑草もはえず。また、空気と水は通して保水もするので、既存の樹木は枯れず、防草効果のある舗装となった。
【0033】
[実施例4]
形態例整地した地盤上にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、100〜150mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦保水・透水舗装を施工した。
瓦舗装材の配合は、[表2]の(2−3)とし、舗装材をハンドガイド式振動ローラを用いて転圧し、厚さ50mmの瓦舗装を形成した。
このようにして得られた瓦舗装は、保水、透水性ある歩道用舗装材として、実用的なものとなった。
【0034】
[実施例5]
形態例整地した地盤上にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、100〜150mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦保水・透水舗装を施工した。
瓦舗装材の配合は、[表2]の(3−3)とし、施工面1200mの駐車場を施工した。この混合物を砕石路盤上にアスファルトフィニッシャーを使用して、厚さ60mmの瓦舗装を形成した。この舗装は、車の出入りの激しい駐車場の舗装に適するものであり、保水及び透水性にも優れたものであった。
【0035】
この舗装面の表面温度と外気温度の関係を、隣接するアスファルト舗装及びコンクリート舗装の駐車場の表面温度と比較して、2日間測定した。その結果を表6及び表7に示す。
【0036】
【表6】


【0037】
【表7】


【0038】
この試験結果から、透水性ある即ち通気性ある本発明の瓦舗装では、その表面温度が外気温度以下に保たれることがわかる。これに対し、従来工法によるアスファルト舗装やコンクリート舗装の表面は、外気温度と共に上昇し、昼間には、外気より5℃以上高くなった。
【0039】
[実施例6]
形態例整地した地盤上にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、100〜150mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦保水・透水舗装を施工した。
瓦舗装材の配合は、[表3]の(4−3)とし、砕石路盤上にアスファルトフィニッシャーを使用して、厚さ60mmの瓦舗装を形成した。
このようにして得られた保水・透水舗装は、透水性がよく舗装表面の水はけも良好であった。
【0040】
実施例6で得た瓦舗装表面と従来のアスファルト舗装表面に散水し、散水後の表面及び表面から50cm上方における温度変化を測定した。その結果を表8に示す。
【0041】
【表8】


【0042】
この結果から、本発明の瓦舗装では、散水により外気温度以下に低下した表面温度は60分経過後も、大差なく保たれるのに対し、アスファルト舗装では、散水により瞬間的に低下した温度もその後急速に上昇し、外気温度より著しく高温となることがわかる。また、舗装表面から50cm離れた位置でも、瓦舗装では外気温度以下に安定して保たれるのに対し、アスファルト舗装では、直ぐ外気温度以上に上昇し、散水の効果が保たれないことがわかる。
【0043】
[実施例7]
形態例整地した地盤上にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、100〜150mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦保水・透水舗装を施工した。
瓦舗装の配合は、[表3]の(4−4)とした。この例でも、透水性よく、水はけのよい保水・透水舗装が得られた。
【0044】
[実施例8]
形態例整地した地盤上にC40〜0のクラッシャランを敷き均し、0.5〜0.6tの振動ローラを用いて転圧することにより、100〜150mmの砕石路盤を形成し、その上に瓦保水・透水舗装を施工した。
瓦舗装材の配合は、[表3]の(5−3)とし、舗装材をハンドガイド式振動ローラを用いて転圧し、厚さ50mmの瓦舗装を形成した。
このようにして得られた瓦舗装は、透水性が目標値を下回り所期の目的が達成できず、しかもセメント量が多いことによる収縮によるひび割れも懸念されるという問題を有し、実用性ある保水・透水舗装を得ることができなかった。
【出願人】 【識別番号】504441749
【氏名又は名称】株式会社犀川組
【出願日】 平成17年7月26日(2005.7.26)
【代理人】 【識別番号】100068032
【弁理士】
【氏名又は名称】武石 靖彦

【識別番号】100080333
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 紀子

【識別番号】100115222
【弁理士】
【氏名又は名称】徳岡 修二

【識別番号】100124796
【弁理士】
【氏名又は名称】重本 博充

【識別番号】100125586
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 菜穂子


【公開番号】 特開2007−32061(P2007−32061A)
【公開日】 平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願番号】 特願2005−215958(P2005−215958)