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【発明の名称】 枕木
【発明者】 【氏名】ジークフリート ミュールバッハラー

【氏名】マーティン ディートリッヒ

【要約】 【課題】耐用寿命が公知の構造に比べて高められ、しかも特に積層を介して、所定の弾性の意図的な使用により道床の沈下が減じられ、道床の負荷が減じられ、路盤が側方の摺動に関して改良され、これにより、保守の手間が低減されるようにする。

【解決手段】枕木への機械的な固定のために働く、高い復元力及び種々異なった密度を有する容量圧縮可能な微孔性の材料であるランダムフリースから成る上側の層4と、可塑性及び/又は中実な材料から成る圧縮不能又は極わずかにしか圧縮可能ではない、保護及び/又は荷重分配層として働く下側の層6との間に弾性的な層5が配置されており、ランダムフリースから成る上側の層4の、前記フリースの厚さの50%が、上側の弾性的な層5内に固定されており、かつ残りの50%が機械的な固定部として生産工程の間にウェットコンクリート内に挿入されるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枕木であって、該枕木の上側(2)に、軌道上部構造のためのレールが固定可能であり、前記枕木が、道床に載設するために設けられており、かつ枕木の下側(3)に、複数の層(4,5,6)から成る弾性的な積層が固定されており、該積層が、弾性的な材料と可塑性の材料との組合せから成っている形式のものにおいて、弾性的で可塑性の前記積層が次のように形成されている、すなわち、枕木への機械的な固定のために働く、高い復元力及び種々異なった密度を有する容量圧縮可能な微孔性の材料であるランダムフリースから成る上側の層(4)と、可塑性及び/又は中実な材料から成る圧縮不能又は極わずかにしか圧縮可能ではない、保護及び/又は荷重分配層として働く下側の層(6)との間に、弾性的な層(5)が配置されており、ランダムフリースから成る上側の層(4)が、次の形で配置されている、すなわち、前記フリースの厚さの50%が、弾性的な層(5)内に固定されており、かつ残りの50%が、機械的な固定部として生産工程の間にウェットコンクリート内に挿入される形で配置されており、このことにより、枕木と枕木底部との間の機械的な結合が形成されるようになっており、さらなる製造ステップが不要であることを特徴とする、枕木。
【請求項2】
弾性的な中間の層(5)が、発泡された容量圧縮可能の、種々異なった密度を有する微孔性のポリウレタンから製造されており、下側の層(6)が、発泡されていない中実なポリウレタン及び/又は適宜な材料、例えば種々異なった特性のジオテキスタイルから成っていてよい、請求項1記載の枕木。
【請求項3】
中間の層(5)と下側の層(6)の静止状態の剛性の比率が1:10である、請求項1記載の枕木。
【請求項4】
下側の層(6)が、高い引裂強さを有する材料から成っている、請求項1記載の枕木。
【請求項5】
中央の層(5)が、発泡された容量圧縮可能な、種々異なった密度を有する微孔性のポリウレタンより製造されており、織布インサートを備えた、又は織布インサートなしのポリウレタンフリースから成っている、請求項1記載の枕木。
【請求項6】
層(6)の厚さが、層(5)の厚さよりもわずかになっている、請求項1記載の枕木。
【請求項7】
層(4,5,6)の互いの可変性により、該層(4,5,6)を次のように、すなわち、用途特有の特性規定することができるように変更することができる、請求項1記載の枕木。
【請求項8】
層(4,5,6)の材料の互いの可変性により、該層(4,5,6)を次のように、すなわち、用途特有の特性を規定することができるように変更することができる、請求項1記載の枕木。
【請求項9】
請求項3から8までのいずれか1項に従って、技術的に種々異なって規定された枕木底部と枕木とを、枕木製造法の実施中に直接に機械的に結合することができ、これにより、底部を設けられた枕木を軌道設備に組み込む前には別の製造ステップが不要である、請求項1記載の枕木。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、枕木であって、該枕木の上側に、軌道上部構造のためのレールが固定可能であり、前記枕木が、道床(バラスト床)に載設するために設けられており、かつ枕木の下側に、複数の層から成る弾性的な積層が固定されており、該積層が、弾性的な材料と可塑性の材料との組合せから成っている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
上に述べた形式のコンクリート枕木が公知である。欧州特許第0440597号明細書によるコンクリート枕木は、三重積層を有している。この三重積層は、枕木の下側にわたって側面までも延びている。1つの層は吹付けられた2mmの厚さのポリウレタンから成っており、浸漬により被着された2mmの厚さを有する別の層が同様にポリウレタンから成っており、さらに、0.5mmの厚さを有するシートから成る第3の層が提供されている。この第3の層は、ポリプロピレンフリースのホットプレスにより生ぜしめられている。これらの積層又は層は、種々異なった役割を有している。すなわち、吹付けられた層のわずかな厚さは、音響伝搬を阻止する。これに対して、浸漬により被着された層は、この層の質量に基づいて機械的な緩衝特性を改良する。ホットプレスを施されたポリプロピレンフリースシートは、高い機械的剛性を有しており、これにより、軌道上部構造の規定された運転時の機械的な負荷にも、道床の突固め時の機械的な負荷にも耐える。種々異なった製造法を用いたこのような多層状の積層の製造は非常に手間がかかり、かつコスト高であることは別としても、ホットプレスにより製造された比較的硬い下側のポリプロピレンフリースは、道床の角張ったバラストにより破壊されてしまうので、このような積層は、制限された耐用寿命しか有していない。
【特許文献1】欧州特許第0440597号明細書
【特許文献2】ドイツ連邦共和国特許第2836382号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで前記従来技術より出発した本発明の課題は、上に述べた形式の積層を改良して、耐用寿命を公知の構造に比べて高めることであり、しかしながら特にこの積層により、所定の弾性の意図的な使用により道床の沈下が減じられ、道床の負荷が減じられ、軌道位置が側方の摺動に関して改良され、これにより、保守の手間が低減されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決した本発明の手段によれば、枕木への機械的な固定のために働く、高い復元力及び種々異なった密度を有する容量圧縮可能な微孔性の材料であるランダムフリースから成る上側の層と、可塑性及び/又は中実な材料から成る圧縮不能又は極わずかにしか圧縮可能ではない、保護及び/又は荷重分配層として働く下側の層との間に、弾性的な層が配置されており、ランダムフリースから成る上側の層が、次の形で配置されている、すなわち、前記フリースの厚さの50%が、弾性的な層内に固定されており、かつ残りの50%が、機械的な固定部として生産工程の間にウェットコンクリート内に挿入される形で配置されている。
【発明の効果】
【0005】
このことにより、枕木と枕木底部との間の機械的な結合が形成されるようになっており、さらなる製造ステップが不要となっている。
【0006】
軌道上部構造に関連したこのような多層状の層は、ドイツ連邦共和国特許第2836382号明細書によってもそれ自体公知である。この多層状の層は、道床を支持する路盤に対する、軌道体の道床の弾性的な支承のための緩衝用軌道パッドとして働く。例えば橋構造の一部としての鋼プレートと、軌道と枕木とを支持する道床との間には、前記緩衝用軌道パッドが配置されている。この緩衝用軌道パッドは、特に線路付随構造物(Kunstbauten)に設けられた軌道距離において特に固体伝搬音を減衰させるために働く。
【0007】
本発明の構成によれば、ランダムフリースから成る上側の層が、次の形で配置されている、すなわち、フリースの厚さの50%が、上側の弾性的な層に固定されており、かつ残りの50%が、機械的な固定部として生産工程の間にウェットコンクリート内に挿入されている形で配置されている。枕木は従来通りに硬化せしめられ、後にはパッドなしの標準枕木と全く同様に処理される。このようなランダムフリースは、コンクリート枕木と弾性的な枕木パッドとの間の適宜な機械的結合を供給し、この機械的結合は、保守作業、すなわち突固め処理に耐える。本発明の主な利点は、パッドを位置決めするための引き続く処理のないワンステッププロセスにある。さらに、付加的な作業及び装備、例えば接着領域の表面処理、接着剤、アンカボルト又は締付けピンが必要とされず、このことは製造のための材料及び時間の両方のコストを節約する。
【0008】
本発明によれば、枕木には、枕木自体の製造プロセスの間に対応した枕木パッドが装着される。この前組立プロセスは、通常列車オペレーションに主要な中断をもたらすことなしに、メンテナンス期間の間の効率良く効果的な取付けを可能にする。
【0009】
上に述べたようなランダムフリースにより、枕木と枕木パッドとの間の安定した「機械的接着」が保証されている。硬い装着補助材、すなわち、アンカボルト、スパイク、スクリュ、ピンが使用されていないので、主要コンタクト領域は完全に「弾性的に分離されて」おり、これにより、音響ブリッジが形成されないことが確保される。このことは、固有固体伝搬音遮断、及び付加的に、列車オペレーションにより生ぜしめられた発生動力を分散させるより大きい表面を保証する。
【0010】
本発明の実施態様によれば、弾性的な中間の層が、発泡された容量圧縮可能の、種々異なった密度を有する微孔性のポリウレタンから製造されており、下側の層が、発泡されていない中実なポリウレタン及び/又は適宜な材料、例えば種々異なった特性のジオテキスタイルから成っていてよい。
【0011】
本発明の実施態様によれば、中間の層と下側の層の静止状態の剛性の比率が1:10でとなっている。
【0012】
本発明の実施態様によれば、下側の層が、高い引裂強さを有する材料から成っている。
【0013】
本発明の実施態様によれば、中央の層が、発泡された容量圧縮可能な、種々異なった密度を有する微孔性のポリウレタンより製造されており、織布インサートを備えた、又は織布インサートなしのポリウレタンフリースから成っている。
【0014】
本発明の実施態様によれば、層下側の厚さが、中間の層の厚さよりもわずかになっている。
【0015】
本発明の実施態様によれば、層の互いの可変性により、該層を次のように、すなわち、用途特有の特性規定することができるように変更することができるようになっている。
【0016】
本発明の実施態様によれば、層の材料の互いの可変性により、該層を次のように、すなわち、用途特有の特性を規定することができるように変更することができるようになっている。
【0017】
本発明の実施態様によれば、上記のように技術的に種々異なって規定された枕木底部と枕木とを、枕木製造法の実施中に直接に機械的に結合することができ、これにより、底部を設けられた枕木を軌道設備に組み込む前には別の製造ステップが不要となっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に本発明の実施例を図面につきさらに詳しく説明する。
【0019】
枕木1が汎用の構成を有しており、通常のように補強されている。この枕木1の上側2には、レール8を固定するための固定装置(図示しない)が設けられている。枕木1の、道床(図示しない)に載設される下側3は、3層状の積層7を有している。すなわち、高い復元力を有する、容量圧縮可能な微孔性の材料から成る上側の層4aと、可塑性の弾性的材料から成る下側の層5aとの間には、高い裂断耐久性及び引裂強さを有する材料から成る、圧縮不能な、又は極わずかにだけ圧縮可能な層6aが配置されている。個々の層はポリウレタンから製造されているが、しかしながら、特性調整のための適宜な別の材料、例えばポリプロピレン、ポリエチレン及び/又はポリアミドと組み合わせることもできる。上側の層4a及び下側の層5aは、発泡された微孔性の容量圧縮可能な材料から成っており、これらの層4a,5aの間に配置された中間の層6aは、発泡されていない中実な材料から成っている。中間の層6aの厚さは、負荷されていない上側の層4aの厚さの約1/10である。上側の層4a及び下側の層5aの静止状態の剛性と、中間の層6aの静止状態の剛性との比率は、同様に1:10の範囲である。
【0020】
図示の実施例では、多層状の積層7が枕木1の下側に設けられている。この結合は、接着剤又は適宜な機械的な固定手段、例えば支持格子によって形成することができる。前記多層状の積層を、側面にわたって、全体にまで又は少なくとも側面の高さの一部にわたって引き上げることは本発明の枠内にある。
【0021】
図4に示した本発明の1実施例では、枕木への機械的な固定のために働く、高い復元力と種々異なった密度とを有する、容量圧縮可能な微孔性の材料より成るランダムフリースから成る上側の層4と、保護及び/又は荷重分配層として働く、圧縮不能又は極わずかにしか圧縮可能ではない可塑性及び/又は中実な材料より成る下側の層6との間に、弾性的な中間の層5が配置されている。
【0022】
ランダムフリースから成る上側の層4は、そのフリースの厚さの50%が弾性的な層5内に固定されており、残りの50%が機械的な固定部として生産工程中にウェットコンクリート内に挿入されるようになっており、これにより、枕木と枕木底部との間の機械的な結合が形成されるようになっていて、さらなる製造ステップが不要となっている。
【0023】
上に述べた実施例は、コンクリートより成る枕木を示している。しかしながら、枕木を別の材料、例えば鋼、木材又はプラスチックより製造することも本発明の枠内にある。
【0024】
本発明の手段により、道床の沈下が低減され、必然的により高い負荷除去面により、特に線路付随構築物においてバラストへ負荷が減少する。本発明による装置の重要な利点は、軌道格子の横摺動抵抗性が、公知の使用事例の横摺動抵抗性よりも著しく高いことである。これにより、軌道のための保守の手間が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】コンクリート枕木の斜視図である。
【図2】コンクリート枕木の側面図である。
【図3】多層状の積層を図1及び図2に比べて拡大寸法で示す側面図である。
【図4】本発明による枕木底部の設計及び原理を示す概略的な横断面図である。
【符号の説明】
【0026】
1 枕木、 2 上側、 3 下側、 4,4a,5,5b,6,6a 層、 7 積層、8 レール
【出願人】 【識別番号】505310231
【氏名又は名称】ゲッツナー ヴェルクシュトッフェ ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Getzner Werkstoffe Holding GmbH
【住所又は居所原語表記】Herrenau 5, A−6706 Buers, Austria
【出願日】 平成17年8月17日(2005.8.17)
【代理人】 【識別番号】100061815
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 敏雄

【識別番号】100094798
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 利臣

【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也

【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト


【公開番号】 特開2007−51457(P2007−51457A)
【公開日】 平成19年3月1日(2007.3.1)
【出願番号】 特願2005−236799(P2005−236799)