| 【発明の名称】 |
壁紙用裏打ち紙 |
| 【発明者】 |
【氏名】成島 倫史
【氏名】扇元 政人
【氏名】星野 明夫
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| 【要約】 |
【課題】施工時において糊を塗付してもカールし難く、貼付後においては目開きが生じない上、張り替え時においては剥がし易く、剥がした後の壁に残る裏打ち紙層が均一である壁紙用裏打ち紙を提供する。
【解決手段】片面に化粧層を設けて壁紙とするための壁紙用裏打ち紙。前記裏打ち紙が、全繊維分中の熱可塑性合成繊維の含有率が5〜40質量%であると共に、脂肪酸アミン樹脂及び/又は脂肪酸アミド樹脂を含有することを特徴とする壁紙用裏打ち紙。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 片面に化粧層を設けて壁紙とするための壁紙用裏打ち紙であって、前記裏打ち紙が、全繊維分中の熱可塑性合成繊維の含有率が5〜40質量%であると共に、脂肪酸アミン樹脂及び/又は脂肪酸アミド樹脂を含有することを特徴とする壁紙用裏打ち紙。 【請求項2】 ステキヒトサイズ度が10秒以上で、かつ加熱後の紙層間強度が20〜40N/mである請求項1に記載された壁紙用裏打ち紙。 【請求項3】 水溶性樹脂バインダー及び/又は水分散性樹脂バインダーを含有する塗工液が少なくとも片面に塗布されている、請求項1又は2に記載された壁紙用裏打ち紙。 【請求項4】 坪量が40g/m2以上120g/m2以下である、請求項1〜3の何れかに記載された壁紙用裏打ち紙。 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載された壁紙用裏打ち紙表面に化粧層を設けてなることを特徴とする壁紙。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は壁紙用裏打ち紙に関する。 【背景技術】 【0002】 壁紙は、一般住居、ホテル、病院等において室内の美麗化のために、長期間壁に貼付される。壁紙にはビニル壁紙、オレフィン壁紙、織物壁紙、紙壁紙、無機質壁紙等があるが、これらの壁紙は、ビニル層、オレフィン層、織物層、紙層、無機質層等の化粧層と、該化粧層を保持するための裏打ち紙により構成されている。 【0003】 これらの壁紙は施工時、澱粉や酢酸ビニル樹脂系の水系の糊によって壁に貼合されるが、糊付け工程で裏打ち紙が糊中の水分を吸収するため、壁紙が柔らかくなったり、裏打ち紙が水分増加により伸びたりすることがある。これらが原因となって、壁紙がカールし、壁への貼付作業が困難になったり、貼付後捲れが発生し易くなったりする等の問題が生じた。更に、糊が乾燥すると裏打ち紙が収縮するために、隣接して貼り合せた壁紙同士の繋ぎ目部分に隙間(目開き)が生じ、施工後の意匠性を損なうなどの問題があった。 【0004】 また、長期使用後においては、壁紙の張り替えの作業時に壁紙が剥がし易いことと、剥がした後に壁面に残る裏打ち紙の紙層が均一であることが要求される。壁紙の張り替え作業の多くは人手により行われるため、剥がす時の剥離抵抗が大きいと剥がし難くなり、剥がした跡が不均一に壁に残り、下地の修正にかなりの時間を要することになるので、非効率となる。この様なことから剥がす時の剥離抵抗が低く、裏打ち紙層で均一に剥がせる裏打ち紙が望まれていた。 【0005】 裏打ち紙の寸法安定性の改善として、水分による伸縮の少ないガラス繊維等の無機系繊維を配合した裏打ち紙(特許文献1、2、3、4、5)、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド等の合成繊維を配合した裏打ち紙(特許文献6、7、8、9、10)が開示されている。 しかしながら、ガラス繊維等の無機繊維は自己接着性が無いため、繊維がシートから脱落しやすく作業性が劣る上、抄造時、壁紙加工時、及び壁紙施工時に、繊維の毛羽立ちが生じる。また、ガラス繊維が剛直であることから、皮膚に接触するとチクチクするような刺激が生じ、人に不快感を与えたりするので、無機繊維を配合した裏打ち紙はあまり普及していない。 【特許文献1】特公平7−122236号公報 【特許文献2】特開平8−100394号公報 【特許文献3】特開平8−325997号公報 【特許文献4】特公平8−26631号公報 【特許文献5】特許第3252265号公報 【特許文献6】特開平5−59696号公報 【特許文献7】特開平5−59698号公報 【特許文献8】特開平5−59699号公報 【特許文献9】特開平8−127999号公報 【特許文献10】特開2003−3397号公報 【0006】 また、合成樹脂系繊維は抄紙工程では問題ないが、壁紙は一般的に装飾に使用されるため、製造時に、200℃程度の高温で化粧層の塩化ビニルペースト層やオレフィン樹脂層に発泡加工、エンボス加工等の加熱処理を行うので、合成繊維が軟化、融着し、裏打ち紙の紙層間強度が上昇する結果壁紙の剥離強度が高くなり剥離性が損なわれてしまう。 【0007】 また、壁紙の張替え時に、裏打ち紙の紙層間で軽く均一に剥がし易くするため、例えば、填料を配合して抄紙した紙匹に、バインダーとして澱粉、あるいはポリビニルアルコールを併用した難燃剤水溶液を塗布して難燃処理を施した、軽剥離性ビニル壁紙裏打ち用難燃紙の製造方法が開示されているが(特許文献11)、本発明は難燃紙のみに制限される上、特定の填料と特定のバインダーの塗布が必須となり、製造上に大きな制約を受ける等の欠点があった。 【特許文献11】特開平6−73700号公報 【0008】 また、無機填料とセルロース繊維を主体とした基紙に難燃剤を含浸させて原紙とし、その片面に無機顔料とバインダーを主成分としてなる塗工層を設けることにより、原紙の内部結合強度を100〜200g/15mmとし、かつ塗工層内部結合強度よりも強い強度を有する壁紙用裏打紙が開示されているが(特許文献12)、この裏打ち紙も難燃紙を基紙として使用することが必須となるだけでなく、難燃紙片面に顔料塗工層を設けるなど、製造上に大きな制約を受ける上、用途も難燃紙のみに限定されるため製品化の分野が限定されるという欠点があった。 【特許文献12】特開平7−197399号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 従って本発明の目的は、施工時に糊を塗付しても壁紙がカールし難いだけでなく、貼付後においては目開きが生じない上、壁紙の張り替え時には剥がし易く、剥がした後の壁に残る裏打ち紙層が均一となる、壁紙用裏打ち紙を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明者らは上記目的について鋭意検討した結果、抄紙機で製造される壁紙用裏打ち紙における全繊維分中の合成繊維の比率を特定し、特定の脂肪酸系樹脂を含有させた場合には、壁紙の寸法安定性が良好となると同時に剥離性を改善することができることを見出し、本発明を達成するに至った。 即ち本発明は、片面に化粧層を設けて壁紙とするための壁紙用裏打ち紙であって、前記裏打ち紙が、全繊維分中の熱可塑性合成繊維の含有率が5〜40質量%であると共に、脂肪酸アミン樹脂及び/又は脂肪酸アミド樹脂を含有することを特徴とする壁紙用裏打ち紙、及びそれを用いた壁紙である。 【0011】 また、本発明の裏打ち紙のステキヒトサイズ度は10秒以上で、かつ加熱後の紙層間強度が20〜40N/mであることが好ましい。更に、裏打ち紙表面には水溶性樹脂バインダー及び/又は水分散性樹脂バインダーを主成分とする塗液を少なくとも片面に塗工することが好ましく、坪量は40〜120g/m2であることが好ましい。 【発明の効果】 【0012】 本発明の壁紙用裏打紙は、施工時にカールしないので作業性に優れる上、貼付後に目開きが生じないので見栄えを良くすることができる。また、張り替え時には、軽く均一に裏打ち紙の紙層間で剥がせるので、作業者の労力を低減できる上、効率よく作業することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0013】 本発明の壁紙用裏打ち紙は、全繊維分中の熱可塑性合成繊維の含有率が5〜40質量%である。このように、水分による伸縮の起こり難い熱可塑性合成繊維を使用することにより、吸水による壁紙のカール及び乾燥後の目開きの発生を防止することができる。熱可塑性合成繊維が5質量%未満であると寸法安定性が十分でなく、カールや目開きが発生し易くなる。また、熱可塑性合成繊維の含有率が40質量%を超えると加熱後の紙層間強度が高くなり剥離性が損なわれる。 更に、自己接着性を有しない合成繊維が増加すると、抄紙時に、ウェットプレスパート、ドライヤーパート、サイズプレスロール、カンバス、キャレンダーロール等、裏打ち紙と直接接触する箇所が、合成繊維の脱落や溶融等のために汚れるので好ましくない。 【0014】 本発明で使用する熱可塑性合成繊維の形態としては、繊維の長さが0.5〜20mmであることが好ましい。0.5mm未満であると抄紙性は良好であるが、裏打ち紙の寸法安定性が低下する。繊維の長さが20mmを超えると、繊維の離解や分散等の調製工程時に、配管、パルプ貯蔵槽、抄紙機ストックインレット、脱水ワイヤー等において、合成繊維同士あるいは合成繊維と木材パルプ繊維が絡まり合ってフロックを形成し易くなり、地合の悪化や断紙が起こり易くなる。 【0015】 本発明で使用する熱可塑性合成繊維の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂繊維、ナイロン等のポリアミド系樹脂繊維、ポリアクリルニトリル等のアクリル系樹脂繊維、ポリウレタン系樹脂繊維、ポリ塩化ビニル等の含ハロゲン系樹脂繊維が挙げられる。また、上記熱可塑性合成樹脂を共重合させた合成繊維、又は芯鞘構造、海島構造等を有する、2種以上の異なった熱可塑性合成樹脂を一本の繊維中に含有する複合繊維等も使用することができる。これらの合成繊維は単独で使用しても、複数種類混合して使用してもよい。 【0016】 本発明の裏打ち紙に含有させる脂肪酸アミン系樹脂及び/又は脂肪酸アミド系樹脂を含有する。前記樹脂は、通常は裏打ち紙全体にほぼ均一に存在させるが、これに限定されるものではない。上記脂肪酸アミン系樹脂としては、高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとエピクロルヒドリンとの縮合物の4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。上記縮合物の4級アンモニウム塩としては、例えば、高級脂肪酸(炭素数8〜24の脂肪酸、例えば、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ベヘン酸)、ポリアルキレンアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジプロピレントリアミン、トリプロピレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、1,1−ジエチルエチレントミアミン、1,1−ジメチルエチレントリアミン、1,1−ジエチルエチレンテトラアミン、1,1−ジメチルプロピレントリアミン)、エピクロルヒドリンから重合された樹脂が例示される。高級脂肪酸、ポリアルキレンアミン、及びエピクロルヒドリンのモル比は、それぞれ(1〜3):1:(0.2〜3)の範囲であることが好ましい。 【0017】 本明細書においては、高級脂肪酸とポリアルキレンアミンから重合された化合物(高級脂肪酸・ポリアルキレンアミン)や、高級脂肪酸、ポリアルキレンアミン、及びジカルボン酸の3種から合成された化合物(高級脂肪酸・ポリアミノポリアミド)に存在するアミノ基(−NH2、−NH−)を、「活性アミノ基」と称する。高級脂肪酸とポリアルキレンポリアミンとエピクロルヒドリンとの縮合反応においては、高級脂肪酸とポリアルキレンアミンの重合の際に生じた活性アミノ基と、エピクロルヒドリンが反応する。この場合、エピクロルヒドリンの添加量は、活性アミノ基に対して0.2〜3モルであることが好ましい。 【0018】 また、脂肪酸アミド樹脂としては、高級脂肪酸・ポリアミノポリアミド・エピクロルヒドリン縮合物の4級アンモニウム塩を用いることが好ましい。上記縮合物の4級アンモニウム塩としては、例えば、高級脂肪酸(炭素数8〜24の脂肪酸、例えば、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸)、ポリアルキレンアミン(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、イミノビスプロピルアミン)、ジカルボン酸(例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸)、及びエピクロルヒドリンから重合された樹脂が例示される。この場合、ポリアルキレンアミンとジカルボン酸が反応することによってポリアミノポリアミドが生成する。高級脂肪酸、ポリアルキレンアミン、ジカルボン酸のモル比は、それぞれ1:(0.2〜0.3):(0.01〜0.5)の範囲であることが好ましい。また、エピクロルヒドリンは、上記と同様、活性アミノ基に対して0.2〜3モル当量を反応させる量だけ含有させることが好ましい。 本発明で使用する脂肪酸アミン系樹脂及び/又は脂肪酸アミド系樹脂における高級脂肪酸部分の炭素数は、8〜24が好ましい。炭素数が8未満では紙層間強度が高くなり、剥離生が悪化する傾向にある。また、炭素数が24を超えると水に対する分散性、乳化性が低下し、樹脂が分離、沈降する傾向がある。 【0019】 前記脂肪酸アミン系樹脂及び/又は脂肪酸アミド系樹脂の、壁紙用裏打ち紙の繊維分占める含有率は、絶乾質量当り0.005〜2質量%であることが好ましい。前記樹脂の含有率が0.005質量%未満であると十分な剥離性が得られず、また、含有率が2質量%を超えると、裏打ち紙の強度が低下するので好ましくない。 【0020】 本発明の壁紙用裏打ち紙はステキヒトサイズ度が10秒以上であることが好ましい。ステキヒトサイズ度が10秒未満であると、澱粉糊や酢酸ビニル等の接着剤が裏打ち紙の紙層中に浸み込み易いので、剥離が重くなる傾向となり好ましくない。ステキヒトサイズ度が10秒以上であれば、糊の紙層への浸み込みを抑制し、剥離性を良好に保つことができる。 【0021】 本発明の裏打ち紙には、通常の紙と同様にサイズ剤を使用する。サイズ剤は内添しても外添してもよい。使用するサイズ剤としては、酸性抄きの場合には、ロジン系サイズ剤、ロジン系エマルジョンサイズ剤、アルファカルボキシルメチル飽和脂肪酸等が挙げられ、中性抄きの場合には、中性抄紙用ロジン系サイズ剤、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、カチオンポリマー系サイズ剤等が挙げられる。サイズ剤の添加量は特に限定されるものではなく、ステキヒトサイズ度で10秒以上となればよい。例えば、坪量が60g/m2の場合、ロジン系サイズ剤を繊維分に対して0.35質量%以上添加することが好ましい。 【0022】 本発明の裏打ち紙の後述する化粧層加熱後における紙層間強度は、20〜40N/mであることが好ましい。20N/m未満では紙層間強度が低すぎるため、壁に貼付した後で裏打ち紙層から捲れが生じ易くなるので好ましくない。また、40N/mを超えると紙層間強度が強くなりすぎて、壁から剥がしにくくなること、上層の塩化ビニル層等の化粧層がきれ易くなること等により作業効率が低下するので好ましくない。 【0023】 本発明は裏打ち紙の表面強度を高めて毛羽立ちを防ぐため、水溶性バインダー及び/又は水分散性樹脂バインダーを主成分とする塗液を、少なくとも化粧層側の表面に塗工することが好ましい。例えば、ビニル壁紙を製造する場合には、裏打ち紙の表面に塩化ビニルペーストを塗布し、塩化ビニルペーストの硬化後、印刷工程に付されて塩化ビニル層が化粧層となる。この場合、裏打ち紙の表面強度が低いと、前記塗工時に紙表面の繊維が毛羽立ち、硬化後に前記毛羽立ち部が壁紙表面で突起状となって印刷不良の原因となる。 【0024】 水溶性バインダーとしては、酸化デンプン及び酵素変成デンプン等の各種変性デンプン、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、カゼイン等を適宜使用することができる。 水分散性バインダーとしては、スチレン・ブタジエン共重合体ラテックス、メチルメタアクリレート・ブタジエン共重体ラテックス、アクリル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン等を適宜使用することができる。 この場合、バインダー単独で使用してもよいが、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、ニ酸化チタン等の各種顔料と混合して使用することもできる。 バインダーの塗工量は、固形分で0.2〜10g/m2とすることが好ましい。0.2g/m2未満であると繊維の毛羽立ちが多くなる。また、10g/m2を超えるとバインダー層で繊維が全て覆われるので、塩化ビニルペーストと紙層との間でアンカー効果がなくなり、壁から剥がす時に裏打ち紙が紙層間で剥れ難くなる。 【0025】 本発明の裏打ち紙の坪量は、40g/m2以上120g/m2以下であることが好ましい。坪量が40g/m2未満であると強度が低いので、加工時に断紙が発生し易くなる。また、坪量が120g/m2を超えると、壁紙に加工した時に硬くなりすぎて施工が困難となる傾向となる。 【0026】 本発明の裏打ち紙に使用する、前記熱可塑性合成繊維以外の繊維成分としては、針葉樹、広葉樹の化学パルプ、機械パルプ、及び古紙から得られる再生パルプ等の木材系パルプ、靭皮パルプ、リンターパルプ、麻パルプ等の非木材系パルプ等の、天然パルプを使用することができるが、品質やコストの面から木材パルプを使用することが好ましい。 また、品質に影響のない範囲で、定着剤、乾紙紙力剤、湿潤紙力剤、填料、歩留り向上剤、染料、顔料等を内添薬品として使用することができる。さらにサイズプレス等で塗工あるいは含浸させる外添薬品として、表面紙力剤、染料、顔料等を使用することができる。 【0027】 本発明の壁紙は、本発明の裏打ち紙の上層に化粧層を設けることにより得られる。例えば、化粧層としてビニル層を設けたビニル壁紙、オレフィン層を設けたオレフィン壁紙、織物層を設けた織物壁紙、紙層を設けた紙壁紙、無機質層を設けた無機質壁紙等が挙げられる。何れの場合にも、化粧層となる樹脂層を設けた後必要に応じて印刷すると共に、200℃程度に加熱して発泡加工やエンボス加工を行って化粧層とする。 【0028】 以下、本発明を実施例によって更に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。 各実施例及び比較例により得られた壁紙用裏打ち紙について、以下の方法により特性試験を行った。結果をまとめて表1に示す。 【0029】 1.水伸び:試験片を23℃、50%R/H雰囲気で調湿し、試験片の抄紙横方向の長さを測定した。試験片を純水に浸漬し、1時間放置した後取り出し、取り出し直後の横方向の長さを測定した。水伸び(%)を以下の式により求めた。 水伸び(%):(水浸漬後長さ−水浸漬前長さ)/水浸漬前長さ×100 2.紙層間強度 (1)常態:23℃、50%R/Hの雰囲気で裏打ち紙両面にセロハンテープを貼り、抄紙方向に15mm幅に切断して試験片とした。測定時に紙層間で剥離するようにカッターで紙層間に切れ目を入れ、JIS P 8113に準じて90度の角度で引張り強さを測定した。 (2)加熱後:試験片を送風乾燥機内において170℃で2分間加熱処理し、その後常態と同様に測定した。 3.ステキヒトサイズ度:JIS P 8122に従った。 【0030】 4.施工性、寸法安定性及び剥離性 裏打ち紙の表面に塩化ビニル系樹脂、可塑剤(フタル酸エステル)、炭酸カルシウム、二酸化チタン、ミネラルスピリット等からなる塩化ビニルペーストを、塗工厚が250μmとなるように塗布し、180℃で2分間加熱してゲル化させた。得られたビニル壁紙を、長さ1mで幅95cmにカットして試料とした。 (1)施工性 試料を2枚用意し、裏打ち紙面に、澱粉系のヤヨイ化学製A糊を塗布し、幅2m、長さ1mのベニア板に2枚の壁紙の端が重なるように貼り付け、重なった部分をカッターでカットして繋ぎ目が見えないようした。この作業において、壁紙にカールが発生したか否かにより評価した。 評価 ○:カール無し ×:カール有り (2)寸法安定性 施工後、23℃、50%R/Hの雰囲気で7日間放置して完全に乾燥し、乾燥後の繋ぎ目の箇所に目開きが発生したか否かにより評価した。 評価 ○:目開き無し ×:目開き有り (3)剥離性 壁紙をベニア板から剥がした時の剥がし易さ、及びベニア板に残った裏打ち紙の外観を観察した。 評価 ○:剥がしが軽く、均一に剥れる ×:剥がしが重く、均一に剥れない 【実施例1】 【0031】 晒クラフトパルプのNBKP(カナダ標準ろ水度(CSF)500ml)を55質量%、LBKP(CSF500ml)を30質量%、繊維長5mmの芯鞘繊維(商品名:N−701S、芯:ポリエステル繊維、鞘:ポリエチレン、(株)クラレ製)を15質量%配合したパルプスラリー中に、pHが4.5になるように硫酸バンドを添加した後、サイズ剤としてアルファカルボキシメチル飽和脂肪酸塩(商品名:NSP−S、星光PMC(株)製)を0.15質量%添加した。更に湿潤紙力剤としてポリアミド・エピクロルヒドリン樹脂(商品名:WS−547、星光PMC(株)製)を0.2質量%添加し、次に脂肪酸アミン系樹脂(商品名:N−815、星光PMC(株)製)を0.3質量%添加した。 得られた混合物を使用し、長網抄紙機を用いて抄紙した。なお、工程途中のサイズプレスで、1.5質量%のポリビニルアルコール(商品名:ポバール117、(株)クラレ製)を塗工した。 【0032】 成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.5%、紙層間強度は常態が20N/m、加熱後が35N/m、サイズ度は35秒であった。この裏打ち紙に塩化ビニルペーストを塗工した後、180℃で2分間加熱して壁紙とし、この壁紙の施工性、剥離性を評価した。 【実施例2】 【0033】 脂肪酸アミン系樹脂N−815の添加量を0.6質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.48%、紙層間強度は常態が15N/m、加熱後が28N/m、サイズ度は42秒であった。 【実施例3】 【0034】 脂肪酸アミン系樹脂のN−815の添加量を1.5質量%にしたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.45%、紙層間強度は常態が10N/m、加熱後が44N/m、サイズ度は45秒であった。 【実施例4】 【0035】 木材パルプの配合比は変えずに、芯鞘繊維を8質量%配合したこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.75%、紙層間強度は常態が20N/m、加熱後が30N/m、サイズ度は40秒であった。 【実施例5】 【0036】 木材パルプの配合比は変えずに、芯鞘繊維を30質量%配合したこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.25%、紙層間強度は常態が10N/m、加熱後が35N/m、サイズ度は47秒であった。 【実施例6】 【0037】 木材パルプの配合比は変えずに、芯鞘繊維を30質量%配合したこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.25%、紙層間強度は常態が10N/m、加熱後が35N/m、サイズ度は47秒であった。 【0038】 [比較例1] 合成繊維と脂肪酸アミン系樹脂N−815を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。結果をまとめて表に示す。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは2.10%、紙層間強度は常態が45N/m、加熱後が50N/m、サイズ度は28秒であった。 【0039】 [比較例2] 脂肪酸アミン系樹脂のN−815を配合しなかった以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.55%、紙層間強度は常態が32N/m、加熱後が65N/m、サイズ度は25秒であった。 【0040】 [比較例3] 芯鞘繊維を無配合とし、NBKPを65質量%、LBKPを35質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは2.50%、紙層間強度は常態が32N/m、加熱後が65N/m、サイズ度は25秒であった。 【0041】 [比較例4] 脂肪酸アミン系樹脂の添加量N−815をペンタエリスリトール脂肪酸エステル(商品名:KB115、花王(株)製)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.50%、紙層間強度は常態が16N/m、加熱後が30N/m、サイズ度は5秒であった。 【0042】 [比較例5] 芯鞘繊維の配合量を50%、NBKPの配合量を33質量%、LBKPの配合量を17質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.20%、紙層間強度は常態が12N/m、加熱後が80N/m、サイズ度は50秒であった。 【実施例7】 【0043】 NBKP(CSF500ml)20質量%とLBKP(CSF500ml)30質量%、サーモメカニカルパルプ(CSF250ml)20質量%、ポリエチレン樹脂系の分岐型合成繊維のSWP(商品名:E−400、三井化学(株)製)を30質量%のパルプ配合とし、更に脂肪酸アミド系樹脂(商品名:PT−205、星光PMC(株)製)を0.6質量%配合したこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.78%、紙層間強度は常態が16N/m、加熱後が32N/m、サイズ度は40秒であった。 【0044】 [比較例6] 合成繊維を無配合、NBKPの配合量を29質量%、LBKPの配合量を42質量%、TMPの配合量を29質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは2.30%、紙層間強度は常態が48N/m、加熱後が50N/m、サイズ度は35秒であった。 【0045】 [比較例7] 脂肪酸アミド系樹脂(商品名:PT−205、星光PMC(株)製)を無添加としたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは0.76%、紙層間強度は常態が22N/m、加熱後が60N/m、サイズ度は45秒であった。 【0046】 [比較例8] 合成繊維SWP E−400を無配合とし、NBKPの配合量を29質量%、LBKPの配合量を42質量%、TMPの配合量を29質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして裏打ち紙を作製し、評価を行った。成紙した裏打ち紙の坪量は65g/m2、水伸びは2.10%、紙層間強度は常態が25N/m、加熱後が30N/m、サイズ度は45秒であった。 【0047】 【表1】
【0048】 表1に示されるように、合成繊維、及び脂肪酸アミン系樹脂を含有する実施例1〜7の裏打ち紙は、施工時にカール及び目開き等の発生がなく良好であった。更に、剥離性についても、紙層間で均一に軽く剥れ、良好な結果であった。これに対して、合成繊維、及び脂肪酸アミン系樹脂を含有しない比較例1〜5の裏打ち紙は、カール及び目開きの防止と剥離性を両立することができなかった。 【産業上の利用可能性】 【0049】 本発明の裏打ち紙の上層にビニル層、オレフィン層、織物層、紙層、無機質層等の化粧層を設けて得られた壁紙は、長期間、壁に貼付しておくことができるので、一般住居、ホテル、病院等において室内の美麗化のために利用する価値がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000183484 【氏名又は名称】日本製紙株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年9月13日(2005.9.13) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100087631 【弁理士】 【氏名又は名称】滝田 清暉
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| 【公開番号】 |
特開2007−77526(P2007−77526A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月29日(2007.3.29) |
| 【出願番号】 |
特願2005−265227(P2005−265227) |
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