| 【発明の名称】 |
真空蒸着装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】佐藤 竜也
【氏名】齋 輝夫
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| 【要約】 |
【課題】真空蒸着装置における条件変更、品種変え等の過程で、ルツボの位置及びロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置の変更調整の作業時間を大幅に短縮することができるようにすることを目的とする。
【解決手段】真空槽1内に溶解した蒸着材料を収容するルツボ3と、ロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7とを有し、クーリングロール2を巻装走行するベースフィルム10にこの蒸着材料を蒸着するようにした真空蒸着装置において、このルツボ3を移動するルツボ移動手段20と、このロッド供給装置7を移動するロッド供給装置移動手段22と、このルツボ移動手段20及びこのロッド供給装置移動手段22を制御する制御手段21、23とを設け、この制御手段21、23により、このルツボ3及びこのロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7をこの真空槽1の外部から位置制御できるようにしたものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 真空槽内に溶解した蒸着材料を収容するルツボと、ロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置とを有し、クーリングロールを巻装走行するベースフィルムに前記蒸着材料を蒸着するようにした真空蒸着装置において、 前記ルツボを移動するルツボ移動手段と、 前記ロッド供給装置を移動するロッド供給装置移動手段と、 前記ルツボ移動手段及び前記ロッド供給装置移動手段を制御する制御手段とを設け、 前記制御手段により、前記ルツボ及び前記ロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置を前記真空槽の外部から位置制御できるようにしたことを特徴とする真空蒸着装置。 【請求項2】 請求項1記載の真空蒸着装置において、 前記ルツボの移動は前記クーリングロールの回転中心を基準として移動するようにしたことを特徴とする真空蒸着装置。 【請求項3】 請求項1記載の真空蒸着装置において、 前記ロッド供給装置の移動は前記クーリングロールの回転中心を基準として移動するようにしたことを特徴とする真空蒸着装置。 【請求項4】 請求項2記載の真空蒸着装置において、 前記ロッド供給装置の移動は前記ルツボとの相対的な距離を保ちながら移動するようにしたことを特徴とする真空蒸着装置。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、例えば磁気記録媒体等を製造するのに適用して好適な真空蒸着装置に関する。 【背景技術】 【0002】 一般に磁気記録媒体を製造するのに、真空槽内に蒸着材料としての金属磁性材料溶解した融液を収容するルツボと、この金属磁性材料を棒状に加工したロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置とを有し、クーリングロールを巻装走行するベースフィルムにこの金属磁性材料を蒸着するようにした真空蒸着装置が使用されている(特許文献1参照)。 【特許文献1】特開2002−155354号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 ところで、従来の真空蒸着装置において、例えば条件変更、品種変え等の過程で、ルツボの位置及びロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置を変更しようとした場合、このルツボの位置が固定で位置変更ができなかったり、このルツボの位置が変更できたとしても、このルツボ位置を目視確認しながら変更し、その後ロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置をビーム照射位置とルツボの位置関係とを確認しながら位置調整していたので、このルツボの位置及びロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置を変更調整する作業に大幅な時間がかかる不都合があった。 【0004】 また、このルツボの位置及びロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置の変更調整後、調整ミス等により、このルツボとロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置関係がずれた状態で真空引きした場合、大気を導入してから、再調整をしなければならず、多大のロスを生じていた。 【0005】 本発明は、斯かる点に鑑み、真空蒸着装置における条件変更、品種変え等の過程で、ルツボの位置及びロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置の変更調整の作業時間を大幅に短縮することができるようにすることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明真空蒸着装置は、真空槽内に溶解した蒸着材料を収容するルツボと、ロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置とを有し、クーリングロールを巻装走行するベースフィルムにこの蒸着材料を蒸着するようにした真空蒸着装置において、このルツボを移動するルツボ移動手段と、このロッド供給装置を移動するロッド供給装置移動手段と、このルツボ移動手段及びこのロッド供給装置移動手段を制御する制御手段とを設け、この制御手段により、このルツボ及びこのロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置をこの真空槽の外部から位置制御できるようにしたものである。 【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、ルツボ及びこのロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置をこの真空槽の外部から位置制御できるようにしたので、真空蒸着装置における条件変更、品種変え等の過程で、ルツボの位置及びロッド状蒸着材料を供給するロッド供給装置の位置の変更調整の作業時間を大幅に短縮することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 以下、図面を参照して本発明真空蒸着装置を実施するための最良の形態の例につき説明する。図1に本例の真空蒸着装置の要部の概略構成側面図を示す。この図1の真空蒸着装置は、例えば金属磁性膜から成る磁性層を非磁性支持体である高分子フィルムより成るベースフィルム上に蒸着によって形成する磁気記録媒体の製造に適用して好適なものである。 【0009】 この真空蒸着装置の内部には金属壁等により外部と遮断された真空槽1が形成される。この真空槽1では、内部を所定の真空度に保持しながら蒸着が行われる。 【0010】 この真空槽1内には、ベースフィルム10を巻装走行すると共にこのベースフィルム10を冷却するクーリングロール2を設け、このクーリングロール2の斜め下方に蒸着材料の融液6aを収容するルツボ3を設ける。 【0011】 また、図中左上部にはルツボ3内の蒸着材料本例においては金属磁性材料を溶融蒸発させるための電子ビーム4aを出射する電子銃4を設ける。また、この電子銃4の下方には、電子ビーム4aを走査するためのスキャナー(図示せず)が設けられている。 【0012】 このルツボ3の周囲は隔壁5等に囲まれた空間となっており、この隔壁5には上部に電子ビーム4aを通過する窓5aを設けると共に図中右上部のクーリングロール2の対向部に所定大きさの開口5bを設ける。 【0013】 この開口5bは、クーリングロール2の周面を巻装走行するベースフィルム10の所定領域に対向し、蒸発した金属磁性材料がこのベースフィルム10に対し所定の角度で斜めに蒸着されるようになされている。 【0014】 また、本例のルツボ3は、図2に示す如くで、図2Aは長手方向に平行な断面図、図2Bは長手方向に直交する断面図である。ルツボ3は細長い略直方形状を有し、中心部に細長い溝3aが形成されている。溝3a内に蒸着材料の融液6aを収容する如くする。この融液6aは電子銃4から出射する電子ビーム4aを照射することにより蒸発する。 【0015】 そして電子銃4から出射された電子ビーム4aは、スキャナーにより図2Aに示す如くこのルツボ3の溝3aの一端から他端へ繰り返し走査される。これにより、融液6aから金属磁性材料が蒸発して、クーリングロール2の周面を巻装走行するベースフィルム10上に蒸着し、磁性層を被着形成する。 【0016】 ここで、図1の真空蒸着装置を用いた場合において、例えば蒸着テープを製造する際の金属磁性膜の蒸着を行う動作を以下に簡単に説明する。 【0017】 まず、ベースフィルム10の巻き出し部例えば巻き出しロール(図示せず)にセットする。次にクーリングロール2によって冷却しながらベースフィルム10を所定速度で走行し、電子銃4からの電子ビーム4aをルツボ3内の金属磁性材料の融液6aに照射して蒸発させて、ベースフィルム10に金属磁性膜から成る磁性層を形成し、その後この磁性層が形成されたベースフィルム10を順次巻き取り部例えば巻取りロール(図示せず)で巻き取る。 【0018】 また、本例においては、ルツボ3より蒸発し、減少した蒸着材料の融液6aをルツボ3に供給するのに、蒸着材料本例では金属磁性材料を例えば直径50mm強、長さ1m弱の棒状に加工したロッド状蒸着材料6を図2Aに示す如く、ルツボ3の長手方向に平行方向よりロッド供給装置7により供給するロッド供給方式を採用する。 【0019】 このロッド供給装置7によるロッド状蒸着材料6の供給は、図2Aに示す如く、送り機構によりロッド状蒸着材料6を前方に押し出して、電子ビーム4aの照射範囲内に、このロッド状蒸着材料6を前進供給することにより行われる。 【0020】 電子ビーム4aは、図2Aに矢印で示すように走査され、斜線で示した部分に電子ビーム4aが来たときに、ロッド状蒸着材料6の先端部が電子ビーム4aにより加熱される。これにより、電子ビーム4aによってロッド状蒸着材料6の先端部が加熱溶融されて、ルツボ3内に融液6aとして供給される。 【0021】 この場合、このルツボ3の溝3aの中心とロッド状蒸着材料6の中心との相対的距離をクーリングロール2の回転中心2aを基準とし、図2Bに示す如くY軸方向にy0、X軸方向にx0となる如き所定の相対的距離とする。またこの場合、このロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7は図3に示す如く真空槽1内に配する。 【0022】 本例においては、図3に示す如く、ルツボ3の下側と隔壁5の下部との間にこのルツボ3の位置を移動するルツボ移動機構20を設ける。このルツボ移動機構20はルツボ3をクーリングロール2の回転中心2aを基準点(0,0)として、X軸方向に所定距離移動させるサーボモータとY軸方向に所定距離移動させるサーボモータと位置監視用のモータエンコーダとを有している。 【0023】 このルツボ移動機構20の制御は、マイクロコンピュータ等より成るコントローラ21よりの制御信号により制御される。 【0024】 この場合、ルツボ3の位置の移動をクーリングロール2の回転中心2aを基準点(0,0)としたのは、この真空蒸着装置のガイドロール等機械系の基準位置をこのクーリングロール2の回転中心2aとしていることによる。 【0025】 また、本例においては、図3に示す如く、ロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置を移動するロッド供給装置移動機構22を設ける。このロッド供給装置移動機構22はロッド供給装置7をクーリングロール2の回転中心2aを基準点(0,0)として、X軸方向に所定距離移動させるサーボモータとY軸方向に所定距離移動させるサーボモータと位置監視用のモータエンコーダとを有している。 【0026】 このロッド供給装置移動機構22の制御はコントローラ21よりの制御信号により成される。 【0027】 図3において、23は操作部を示し、本例の真空蒸着装置において、条件変更や品種変えにより蒸着材料の融液6aを収容するルツボ3の位置を変更して蒸着膜を形成したい場合、この操作部23にルツボ3の移動場所の座標を入力(X軸及びY軸座標を入力)する如くする。 【0028】 また、この操作部23により、ロッド供給装置7の移動場所の座標を入力(X軸及びY軸座標を入力)する如くする。この場合、ルツボ3の位置とロッド状蒸着材料6との相対位置を設定しても良い。また、この相対位置は、予めメモリに記憶されたものであっても良い。 【0029】 また、この操作部23で、ルツボ3の位置の移動及びロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の移動の開始を別々に指示しても良いが、同時に指示するようにしても良い。 【0030】 この図3の動作につき説明するに、ルツボ3の位置を変更したいときは、図4のフローチャートに従って動作する。先ず、操作部23にて、移動場所の座標を入力する(ステップS1)。次にルツボ3の位置の位置決めをスタートする(ステップS2)。 【0031】 次に、このルツボ3の移動がロッド状蒸着材料6との干渉を位置データで監視し、移動可能であれば、X軸方向の移動を開始する(ステップS3)。このX軸方向の位置決め完了後、続けてY軸方向の移動を開始する(ステップS4)。 【0032】 その後、位置監視モータエンコーダで移動終了を確認し、ルツボ3の位置決めが完了する(ステップS5)。 【0033】 次に、ロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置を変更したいときは、図5のフローチャートに従って動作する。先ず、操作部23にて、移動場所(ルツボ3の位置との相対位置)の座標を入力する(ステップS6)。次に、ロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置の位置決めをスタートする(ステップS7)。 【0034】 次に、このロッド供給装置7の移動がルツボ3とロッド状蒸着材料6との干渉を位置データで監視し、移動可能であれば、X軸方向の移動を開始する(ステップS8)。このX軸方向の位置決め完了後、続けてY軸方向の移動を開始する(ステップS9)。 【0035】 その後、位置監視モータエンコーダで移動終了を確認し、ロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置決めが完了する(ステップS10)。 【0036】 また、ルツボ3とロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7との位置の移動を同時に行うときには、図6のフローチャートに従って動作する。先ず、操作部23にて、ルツボ3の移動場所の座標を入力する(ステップS11)。 【0037】 次にルツボ3及びロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置の位置決めをスタートする(ステップS12)。次に、このルツボ3とロッド状蒸着材料6との相対的な距離を保ちながら、ルツボ3及びロッド供給装置7のX軸方向の移動を開始する(サーボモータ同時運転)(ステップS13)。 【0038】 このX軸方向の位置決め完了後、続けてY軸方向の移動を開始する(ステップS14)。その後、位置監視モータエンコーダで移動終了を確認し、ルツボ3の位置決めが完了する(ステップS15)。 【0039】 このルツボ3の位置及びロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置を変更した場合、ルツボ3に対する電子ビーム4aの照射位置も変更する必要がある。 【0040】 この場合電子銃4は真空槽1の外部にあるので、電子ビーム4aの照射位置の変更は、比較的容易であるが、このルツボ3の位置及びロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置の変更に伴いこの電子ビーム4aの照射位置も自動的に変更できるようにするを可とする。 【0041】 本例によれば、ルツボ3及びこのロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7をこの真空槽1の外部から位置制御できるようにしたので、真空蒸着装置における条件変更、品種変え等の過程で、ルツボ3の位置及びロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の位置の変更調整の作業時間を大幅に短縮することができる。 【0042】 また、本例によれば、ルツボ3及びこのロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7をこの真空槽1の外部から位置制御できるようにしたので、蒸気がベースフィルム10に供給される入射角を容易に調整でき、条件変更による特性評価を容易にできる。 【0043】 また、本例によれば、ルツボ3及びロッド供給装置7の位置を夫々サーボモータのモータエンコーダで監視しているので、ルツボ3とロッド状蒸着材料6との接触を未然に防止できる。 【0044】 また、電子ビーム4aの照射位置を、このルツボ3の位置及びロッド状蒸着材料6を供給するロッド供給装置7の変更に伴い自動的に変更できるようにしたときには、蒸気がベースフィルム10に入射する角度や蒸着レート等も自在にコントロールすることができ、長時間の蒸着ができる真空蒸着装置を得ることができる。 【0045】 尚、本発明は上述例に限ることなく、本発明の要旨を逸脱することなく、その他種々の構成が採り得ることは勿論である。 【図面の簡単な説明】 【0046】 【図1】本発明真空蒸着装置を実施するための最良の形態の例の側面から見た概略構成図である。 【図2】ルツボの例の概略構成を示し、Aは長手方向に平行な断面図、Bは長手方向に直交な断面図である。 【図3】図1の正面から見た概略断面図である。 【図4】本発明の説明に供するフローチャートである。 【図5】本発明の説明に供するフローチャートである。 【図6】本発明の説明に供するフローチャートである。 【符号の説明】 【0047】 1…真空槽、2…クーリングロール、3…ルツボ、4…電子銃、4a…電子ビーム、5…隔壁、6…ロッド状蒸着材料、6a…融液、7…ロッド供給装置、10…ベースフィルム、20…ルツボ移動機構、21…コントローラ、22…ロッド供給装置移動機構、23…操作部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002185 【氏名又は名称】ソニー株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年8月19日(2005.8.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100122884 【弁理士】 【氏名又は名称】角田 芳末
【識別番号】100133824 【弁理士】 【氏名又は名称】伊藤 仁恭
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| 【公開番号】 |
特開2007−51356(P2007−51356A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月1日(2007.3.1) |
| 【出願番号】 |
特願2005−238901(P2005−238901) |
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