| 【発明の名称】 |
パーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲット |
| 【発明者】 |
【氏名】青木 庄治
【氏名】和田 正彦
【氏名】小出 正登
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| 【要約】 |
【課題】半導体デバイス配線の拡散防止膜およびシード膜を同時に製膜することができるパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】Mn:0.6〜30質量%を含み、残部がCuおよび不純物からなる組成を有し、かつ前記不純物が金属系不純物:40ppm以下であり、かつ酸素が:10ppm以下、窒素:5ppm以下、水素:5ppm以下、炭素:10ppm以下に規制された銅合金からなるパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲット。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 Mn:0.6〜30質量%を含み、残部がCuおよび不純物からなる組成を有し、前記不純物は、金属系不純物が40ppm以下であり、かつ酸素が10ppm以下、窒素が5ppm以下、水素が5ppm以下、炭素が10ppm以下に規制された銅合金からなることを特徴とするパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲット。 【請求項2】 前記Mn含有銅合金スパッタリングターゲットは、結晶粒度:30μm以下の再結晶等軸組織を有することを特徴とする請求項1記載のパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲット。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、半導体デバイス配線の拡散防止膜およびシード膜を同時に製膜することができるパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲットに関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般に、半導体デバイスの配線は、図2の半導体デバイスの配線部断面図に示されるように、表面に溝2を有するSiO2などの絶縁膜を被覆した基板(以下、基板という)1の表面にTa金属膜3を拡散防止膜として形成し、このTa金属膜3の上に純銅製シード膜4を形成し、この純銅製シード膜4の表面にさらに配線薄膜5をメッキなどにより形成することが知られている。 【0003】 前記拡散防止膜として知られているTa金属膜3は、Ta金属自体が高価であるために、Ta金属膜に代る安価な拡散防止作用を有する金属膜についての研究が成されていたが、近年、図1の半導体デバイスの配線部断面図に示されるように、CuMn銅合金ターゲット用いてスパッタリングすることにより、溝2を有するSiO2などの絶縁膜を被覆した基板1の表面に直接Mn含有銅合金膜を形成し、その後、形成されたMn含有銅合金膜を熱処理すると、前記Mn含有銅合金膜7に含まれるMnが基板のSiO2などの絶縁膜と反応してMnとSiの複合酸化物含有層6を生成し、前記MnとSiの複合酸化物含有層6が拡散防止膜として作用することから、高価なTa金属膜の形成を省略することができるとともに、前記Mn含有銅合金膜7はシード膜として使用できることが分かり、これらMn含有銅合金膜およびMnとSiの複合酸化物含有層の研究が盛んに行われている(非特許文献1、2参照)。 【非特許文献1】(株)半導体理工学研究センター(STARC)のホームページ(平成17年6月8日) 【非特許文献2】IITC発表アブストラクト(2005年6月8日) 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 しかし、前記Mn:0.6〜30質量%を含有し、残部がCuおよび不純物からなる成分組成のMn含有銅合金ターゲットを用いてスパッタリングすることによりMn含有銅合金ターゲット薄膜を成形しようとすると、スパッタリングに際してパーティクルの発生が多いという欠点があり、そのために歩留が低下しコスト上昇の原因となる。 【課題を解決するための手段】 【0005】 そこで、本発明者等は、スパッタリングに際してパーティクルの発生が少ないMn含有銅合金ターゲットを得るべく研究を行った。その結果、 (イ)Mn:0.6〜30質量%を含有し、残部がCuおよび不純物からなる成分組成のMn含有銅合金ターゲットを用いてスパッタリングすることによりMn含有銅合金膜を形成する際に、前記Mn含有銅合金ターゲットに含まれる不純物の量が少ないほどパーティクルの発生を少なく抑えることができ、その不純物として含まれる金属系不純物を合計で40ppm以下となるように極めて少なくし、さらに酸素を10ppm以下、窒素を5ppm以下、水素を5ppm以下、炭素を10ppm以下に少なくすると、スパッタリングに際して発生するパーティクルの数が激減する、 (ロ)さらに、Mn含有銅合金ターゲットが結晶粒度:30μm以下の再結晶等軸組織であるとパーティクルの発生を一層抑制することができる、という研究結果が得られたのである。 【0006】 この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、 (1)Mn:0.6〜30質量%を含み、残部がCuおよび不純物からなる組成を有し、前記不純物は、金属系不純物が合計で40ppm以下であり、かつ酸素が10ppm以下、窒素が5ppm以下、水素が5ppm以下、炭素が10ppm以下に規制された銅合金からなるパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲット、 (2)前記Mn含有銅合金スパッタリングターゲットは、結晶粒度:30μm以下の再結晶等軸組織を有する前記(1)記載のパーティクル発生の少ないMn含有銅合金スパッタリングターゲット、に特徴を有するものである。 【0007】 この発明のMn含有銅合金スパッタリングターゲットを製造するには、純度:99.9999%以上の高純度電解銅に純度:99.9%以上の高純度電解Mnを添加して、不活性ガス雰囲気中の高純度グラファイトモールド内にて高周波溶解することによりMn含有銅合金インゴットを作製し、このインゴットを熱間加工終了温度が450℃以上となるように熱間加工して熱間加工材を作製し、さらに必要に応じてこの熱間加工材を水冷したのちその表面を厚さ:0.2mm以上に渡って除去し、ついて冷間加工と焼鈍を繰り返し行い、最後に焼鈍することにより得ることができる。 【0008】 次に、この発明のMn含有銅合金スパッタリングターゲットにおける成分組成の限定理由を説明する。 (a)Mn Mn成分はMn含有銅合金スパッタリングターゲットの結晶粒を微細化し、さらに結晶粒の成長を抑える効果があり、さらに形成されたMn含有銅合金膜と基板の境界部分に拡散防止膜として作用するMnとSiの複合酸化物含有層を形成する作用があるが、その含有量が0.6質量%未満含んでも所望の効果が得られず、一方、30質量%を越えて含有すると、ターゲットの熱伝導率が低下してスパッタリング中にターゲットの温度が上昇すると共に、得られたMn含有銅合金膜の抵抗を増加させるので半導体デバイスの配線として使用するには好ましくない。したがって、この発明のMn含有銅合金スパッタリングターゲットに含まれるMnは0.6〜30質量%(一層好ましくは1.0〜20質量%)に定めた。 【0009】 (b)不純物 Mn含有銅合金ターゲットを用いてスパッタリングする際に発生するパーティクルの数は、Mn含有銅合金ターゲットに含まれる不純物の含有量を減らすほどパーティクルの発生を抑えることができ、Fe,Ni,Cr,Si,Pb、Co,Mg,Znなどの金属系不純物が合計で40ppmを越え、さらに酸素、窒素、水素、炭素などの非金属系不純物が酸素:10ppm越え、窒素:5ppm越え、水素:5ppm越え、炭素:10ppm越えるようになるとパーティクルの発生数が急激に増加する。したがって、この発明のMn含有銅合金スパッタリングターゲットに含まれる不純物を金属系不純物が合計で40ppm以下であり、かつ酸素が10ppm以下、窒素が5ppm以下、水素が5ppm以下、炭素が10ppm以下に定めた。 【発明の効果】 【0010】 この発明のMn含有銅合金スパッタリングターゲットを用いて作製したMn含有銅合金膜は、Ta金属膜に代る拡散防止層とシード膜を同時に形成することができるので、高価なTa金属膜の形成を省略できることからコストを下げることができ、さらにスパッタリング時に発生するパーティクルの発生を少なく抑えることができるので半導体デバイスなどの製造コストを下げることができるという優れた効果を奏するものである。 【発明を実施するための最良の態様】 【0011】 つぎに、この発明のMn含有銅合金スパッタリングターゲットを実施例により具体的に説明する。 純度:99.9999質量%以上の高純度電解銅を用意し、さらに純度:99.9質量%以上の電解マンガンを用意し、この高純度電解銅および異なる量の電解マンガンをArガス雰囲気中の高純度グラファイトモールド内にて高周波溶解し、溶解中に不純物含有量をガス吹き込みまたは微量元素添加により調整し、このようにして得られた溶湯をカーボン鋳型に鋳造し、得られたインゴットを最終温度が450℃以上になるように熱間鍛造し、熱間鍛造終了後水冷し、その後、熱間鍛造材の表面全体にわたって厚さ:1.5mm面削した。 その後、必要に応じて面削した熱間鍛造材を冷間圧延したのち焼鈍し、この冷間圧延と焼鈍を繰り返したのち最終的に再結晶焼鈍し、得られた焼鈍材の表面をさらに旋盤加工して外径:300mm×厚さ:5mmの寸法を有し、表1に示される成分組成を有する本発明ターゲット1〜8および比較ターゲット1〜6を作製した。 さらに、市販の電解銅を用意し、この市販の電解銅に先に用意した電解マンガンをArガス雰囲気中の高純度グラファイトモールド内にて高周波溶解し、得られた溶湯をカーボン鋳型に鋳造してインゴットを作製し、得られたインゴットを最終温度が450℃以上になるように熱間鍛造し、熱間鍛造終了後水冷し、その後、熱間鍛造材の表面全体にわたって厚さ:1.5mmの深さに研削した。 その後、表面研削した熱間鍛造材を冷間圧延したのち焼鈍し、この冷間圧延と焼鈍を繰り返したのち最終的に歪取り焼鈍し、得られた歪取り焼鈍材の表面をさらに旋盤加工して外径:300mm×厚さ:5mmの寸法を有し、表1に示される成分組成を有する従来ターゲットを作製した。これら本発明ターゲット1〜8、比較ターゲット1〜6および従来ターゲットを切断し、切断面における平均結晶粒径を測定し、その結果を表1に示した。 【0012】 さらに、純アルミニウム製バッキングプレートを用意し、この純アルミニウム製バッキングプレートに前記本発明ターゲット1〜8、比較ターゲット1〜6および従来ターゲットを重ね合わせ、温度:500℃でHIPを施すことにより本発明ターゲット1〜8、比較ターゲット1〜6および従来ターゲットを純アルミニウム製バッキングプレートに接合してバッキングプレート付きターゲットを作製した。 【0013】 本発明ターゲット1〜8、比較ターゲット1〜6および従来ターゲットを純アルミニウム製バッキングプレートにHIP接合して得られたバッキングプレート付きターゲットを用い、 電源:交流方式、 電力:4KW、 雰囲気ガス組成:Ar、 スパッタガス圧:1Pa、 ターゲットと基体との距離:80mm、 スパッタ時間:5分、 の高出力条件でSiO2などの絶縁膜を被覆した基板の上に薄膜を形成した。この時発生したパーティクルの数をパーティクルカウンターにより測定し、その結果を表1に示した。 【0014】 【表1】
【0015】 表1に示される結果から、本発明ターゲット1〜8は、金属系不純物が40ppm以下であり、かつ酸素が10ppm以下、窒素が5ppm以下、水素が5ppm以下、炭素が10ppm以下に規定することにより不純物の多い従来ターゲットと比べてパーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、比較例1はターゲットの純度が高いためにターゲットの平均結晶粒径が大きくなり過ぎてパーティクル発生が多くなり、一方、比較ターゲット2〜6は不純物が多くなりすぎてパーティクル発生が多くなることがわかる。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】近年開発されたターゲットを用いて作製したシード膜を形成して作製した半導体デバイスの配線部断面図である。 【図2】従来のターゲットを用いて作製したシード膜を形成して作製した半導体デバイスの配線部断面図である。 【符号の説明】 【0017】 1:基板、2:溝、3:Ta金属膜、4:純銅製シード膜、5:配線薄膜、6:MnとSiの複合酸化物含有層、7:Mn含有銅合金膜
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006264 【氏名又は名称】三菱マテリアル株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年8月19日(2005.8.19) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076679 【弁理士】 【氏名又は名称】富田 和夫
【識別番号】100094824 【弁理士】 【氏名又は名称】鴨井 久太郎
【識別番号】100139240 【弁理士】 【氏名又は名称】影山 秀一
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| 【公開番号】 |
特開2007−51351(P2007−51351A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月1日(2007.3.1) |
| 【出願番号】 |
特願2005−238171(P2005−238171) |
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