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【発明の名称】 |
無電解硬質金めっき液 |
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【氏名】加藤 勝 【氏名】千田 一敬 【氏名】沖中 裕 |
【課題】
【解決手段】コバルト化合物、ニッケル化合物および鉄化合物からなる群から選択される1種または2種以上の硬化剤およびアスコルビン酸誘導体を含んでなる、無電解金めっき液。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 コバルト化合物、ニッケル化合物および鉄化合物からなる群から選択される1種または2種以上の硬化剤およびアスコルビン酸誘導体を含んでなる、無電解金めっき液。 【請求項2】 シアン系のめっき液である、請求項1に記載の無電解金めっき液。 【請求項3】 pHが、3〜7である、請求項1または2に記載の無電解金めっき液。 【請求項4】 硬化剤を還元するための還元剤をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の無電解金めっき液。 【請求項5】 硬化剤を還元するための還元剤が、アミン化合物、チオ尿素または三塩化チタンから選択される1種または2種以上である、請求項4に記載の無電解金めっき液。 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の無電解金めっき液と被めっき物を接触させることを特徴とする、無電解金めっき方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、硬質金めっきが可能な無電解金めっき液に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、電子部品の小型化、高密度化、配線の微細化、独立回路の増加などに伴い、エレクトロニクス分野での金めっきの重要性が高まっている。特に、精密な加工精度に対応できる無電解金めっきへの要求が高まっている。金めっきは、析出膜質によって硬度の低い軟質金と硬度の高い硬質金に分けることができ、膜質によって種々の分野で利用されている。 硬質金皮膜を得ることができるめっき液は、コバルトなどの添加剤を含んだシアン系電解金めっき液などが知られている(例えば非特許文献1)が、リード線を必要とするため、微細な端子や部品へのめっきが困難など、配線の微細化や高密度化への対応が困難である。 【0003】 一方、従来の無電解金めっき液は、シアン系、ノーシアン系、など種々のめっき液が知られているが、得られる金皮膜は高い硬度のものでなく軟質金であり、高硬度を必要とするコネクターやリレーの接点材料として対応できない(例えば特許文献1、特許文献2)。 近年のエレクトロニクス分野における配線の微細化などに対応していくためには、無電解により硬質金皮膜が得られる無電解硬質金めっき液が希求されていた。 【0004】 【非特許文献1】金属表面技術、総説 金めっきに関する最近の話題、1981、500−508 【特許文献1】特許第2655329号公報 【特許文献2】特開2005−146410号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 したがって、本発明が解決しようとする課題は、無電解金めっき液において、硬質金皮膜を得ることができるめっき液を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、コバルト化合物、ニッケル化合物および鉄化合物からなる群から選択される1種または2種以上の硬化剤およびアスコルビン酸誘導体を含む無電解金めっき液が、高硬度の金皮膜をめっきできることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】 すなわち、本発明は、コバルト化合物、ニッケル化合物および鉄化合物からなる群から選択される1種または2種以上の硬化剤およびアスコルビン酸誘導体を含んでなる、無電解金めっき液に関する。 さらに、本発明は、シアン系のめっき液である、前記無電解金めっき液に関する。 また、本発明は、pHが、3〜7である、前記無電解金めっき液に関する。 【0008】 さらに、本発明は、硬化剤を還元するための還元剤をさらに含む、前記無電解金めっき液に関する。 また、本発明は、硬化剤を還元するための還元剤が、アミン化合物、チオ尿素または三塩化チタンから選択される1種または2種以上である、前記無電解金めっき液に関する。 さらに、本発明は、前記無電解金めっき液と被めっき物を接触させることを特徴とする、無電解金めっき方法に関する。 【発明の効果】 【0009】 本発明の無電解金めっき液は、従来軟質金皮膜しか得られなかった無電解金めっき液において、硬質金皮膜をめっきできることを可能としたものである。本発明の無電解金めっき液においては、その作用機構は明らかではないが、硬化剤として特定の化合物を選択することで、めっき液中でかかる硬化剤の金属がシアンと錯体(たとえば、[Co(CN)6]3−)を形成し、該錯体が金めっき皮膜に取り込まれることにより硬度が上昇するものと考えられる。また、本発明の無電解金めっき液ではアスコルビン酸誘導体を還元剤に用いることで、見事その液安定性を得ることができ、ジメチルアミンボランなどの従来の無電解金めっき液で用いられる還元剤では得られない優れた硬質金を得ることができたものである。本発明の無電解金めっき液によって得られる硬質金は、その特性である耐食性、高電気伝導性を有することに加え、耐摩耗性、低接触抵抗性をも備えた金皮膜をめっきできるという優れた効果を有するものであり、今後のエレクトロニクス分野の実装技術に大きく貢献するものである。 【0010】 また、本発明の無電解金めっき液のうち、シアン系のめっき液であるものにあっては、効率的に硬化剤(例えばコバルト化合物)がめっき皮膜に取り込まれ、より高硬度なめっき皮膜をめっきすることができる。 さらに、pHが3〜7、好ましくは、pHが3.5〜4.5であるめっき液にあっては、より効率的に硬化剤がめっき皮膜に取り込まれ、高硬度かつ耐摩耗性のある良好なめっき皮膜をめっきすることができる。 【0011】 また、本発明の無電解金めっき液のうち、硬化剤を還元するための還元剤をさらに含むものにあっては、該還元剤が硬化剤の還元に機能することで、該還元体のめっき皮膜への取り込みを促進し、高硬度かつ耐摩耗性のあるめっき皮膜をめっきすることができる。 また、硬化剤を還元するための還元剤が、アミン化合物、チオ尿素または三塩化チタンから選択される1種または2種以上である無電解金めっき液にあっては、より効率的に高硬度かつ耐摩耗性のめっき皮膜をめっきすることができる。 そして、本発明の無電解金めっき方法は、無電解金めっき液と被めっき物を接触させることのみでめっきできるため、簡便に高硬度な金めっき皮膜をめっきすることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明において金を還元するための還元剤であるアスコルビン酸誘導体とは、アスコルビン酸の塩類やエステルなどで誘導体化したものであり、アスコルビン酸も含むものである。具体的には、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウムなどのアルカリ金属の塩類、アスコルビン酸アンモニウム塩、アスコルビン酸−6−硫酸、6−デオキシ−L−アスコルビン酸、D−arabo−アスコルビン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。 かかるアスコルビン酸誘導体の好適濃度は0.05〜1.5mol/lであり、更に好ましくは0.1〜1.2mol/lである。このような範囲であれば、めっき液中にアスコルビン酸誘導体が析出することなく、めっきを良好に進行させることができる。 【0013】 本発明で用いられる無電解金めっき液は、その組成は特に限定されない。典型的には金源、アスコルビン酸誘導体および錯化剤で構成され、必要に応じて析出促進剤、公知の光沢剤、結晶粒形調整剤などの添加剤を含んでいてもよい。 金源としては、亜硫酸金ナトリウム、チオ硫酸金ナトリウム、塩化金酸、塩化金酸ナトリウムなどのノーシアン系金源、シアン化金(I)カリウムおよびシアン化金(III)カリウムなどのシアン系金源が挙げられる。より硬く、耐摩耗性の金皮膜を得るためにはシアン系金源が好ましい。これら金源の使用濃度は、0.001〜0.1mol/lが好ましく、0.005〜0.05mol/lがより好ましい。かかる範囲であれば、実用的めっき速度が得られ、高硬度な金皮膜が得られるため好適である。 【0014】 錯化剤としては、亜硫酸、チオ硫酸およびそれらの塩、エチレンジアミン四酢酸、グリシン、ニトリロ三酢酸およびそれらの塩ならびに乳酸、クエン酸、酒石酸およびそれらの塩が挙げられる。使用濃度は、0.001〜0.2mol/lが好ましく0.005〜0.05mol/lがより好ましい。 また、析出促進剤としては、シアン化銅、シアン化銅カリウム、チオシアン酸銅および硫酸銅などの水溶性の銅化合物、硫酸タリウムおよび塩化タリウムなどのタリウム化合物、砒素化合物ならびに塩化鉛などの鉛化合物が挙げられ、0.1〜500mg/lの濃度が好ましい。 【0015】 本発明における硬化剤は、硬質金を得るために必要な成分であり、コバルト化合物、ニッケル化合物、鉄化合物をいい、該化合物が水溶液中で解離してイオンとして存在している場合も含むものである。 【0016】 コバルト化合物は、たとえば、硫酸コバルト、硫酸コバルト・七水和物、塩化コバルト、炭酸コバルト、酢酸コバルト、硫酸アンモニウムコバルト、シアン化コバルトまたはシアンやアンモニアなどとのコバルト錯体(たとえば、[Co(CN)6]3−)などを例示でき、水への溶解性がよく、潮解性がなく取り扱いが容易等の点から硫酸コバルト・七水和物が好ましい。 ニッケル化合物は、硫酸ニッケル、硫酸ニッケル・六水和物、塩化ニッケル、炭酸ニッケル、硫酸アンモニウムニッケル、シアン化ニッケルまたはシアンやアンモニアなどとのニッケル錯体(たとえば、[Ni(CN)4]2−)などを例示でき、水への溶解性がよく、潮解性がなく取り扱いが容易等の点から硫酸ニッケル・六水和物が好ましい。 【0017】 また、鉄化合物は、硫酸鉄、塩化鉄、炭酸鉄、硫酸アンモニウム鉄、シアン化鉄またはフェロシアン化カリウム、フェリシアン化カリウムなどシアンやアンモニアなどとの鉄錯体(たとえば、[Fe(CN)6]3−)などを例示でき、溶解性がよく、取り扱いが容易等の点からフェロシアン化カリウムが好ましい。 このような硬化剤は、1種または2種以上の硬化剤を選択して使用することができる。2種以上の硬化剤を選択して使用する場合、同一の群から選択しても異なる群から選択して使用してもよい。硬化剤の濃度としては、0.0001〜0.1mol/lが好ましく、0.001〜0.01mol/lがより好ましい。 【0018】 本発明の無電解金めっき液のpHは、3〜7の範囲が好ましく、より好ましくは3〜5、特に好ましくは3.5〜4.5である。このようなpHに設定することで、めっき液中のコバルト、ニッケル、または鉄がシアンと錯体を形成することで、沈殿物を生成することなく浴中で安定に存在し、かつ効率的にめっき皮膜に取り込まれ、高硬度な硬質金皮膜が得られる。 【0019】 本発明における硬化剤を還元するための還元剤とは、めっき液中に存在するコバルト、ニッケル、または鉄を還元するためものである。かかる還元剤を共存させることは、めっき液中に存在するコバルト、ニッケル、または鉄が還元されることにより、該還元体を適切にめっき皮膜に取り込むことができ、高硬度で耐摩耗性の金皮膜が得られるため好ましい。 かかる還元剤としては、アミン化合物、チオ尿素または三塩化チタンが挙げられる。 【0020】 アミン化合物として、ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、硫酸ヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミン類、エタノールアミン、エタノールアミン塩酸塩などのエタノールアミン類、ヒドラジン、塩酸ヒドラジン、硫酸ヒドラジンなどのヒドラジン類が例示できる。 これら還元剤の濃度は、0.001〜0.5mol/lの濃度が好ましく、効率よくコバルト、ニッケル、鉄またはカドミウムを還元するためには0.01〜0.2mol/lの濃度がより好ましい。 【0021】 かかる還元剤は、1種または2種以上組合せて使用することができる。2種以上の還元剤を選択して使用する場合、同一の群から選択しても異なる群から選択して使用してもよい。また、かかる還元剤を使用しないで、本発明のめっき液に含まれるアスコルビン酸誘導体を該還元剤として使用しても良い。めっき液中に存在するコバルト、ニッケル、または鉄を効率的に還元し、該還元体を適切にめっき皮膜に混入させるためには、アミン化合物が好ましく、特に好ましくは、ヒドラジンおよびヒドロキシルアミンである。 【0022】 本発明のめっき液は、めっき反応が適切に進行し、自己分解して沈殿が生じない範囲である20〜95℃で使用することが好ましいが、30〜85℃で操作することがより好ましく、さらに好ましくは50〜80℃である。 【0023】 本発明の無電解金めっき方法は、本発明の無電解金めっき液と被めっき物を接触させる、公知の方法によって行なうことができる。すなわち、被めっき物の脱脂、活性化などの前処理後、被めっき物をめっき液中に浸漬させればよい。 めっき温度は前記温度範囲であり、めっき時間は所望する析出膜厚に応じて適宜決定する。 被めっき物は特に限定されないが、銅、ニッケル、真鍮などの金属、適切な前処理を行えばプラスチック、セラミックス等の非導電性材料であってもよい。 【0024】 かくして得られるめっき皮膜は、高い硬度を有するとともに耐摩耗性にも優れ、なおかつ金の特性である耐食性および電気伝導性を有することから、接点材料として有効に利用することができる。 【実施例】 【0025】 以下、本発明を、実施例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下の実施例においては、大きさ2cm×2cm、厚さ0.1mmの圧延ニッケルまたは圧延銅板に純度99.9%以上の軟質金を3μm電解めっきにより施したものをめっき用の試料として使用した。また、めっき用試料は前処理として、市販のアルカリ性電解脱脂液(日本エレクトロプレーティングエンジニアーズ社製)による陰極電解脱脂と10%硫酸溶液による洗浄を施した後、以下に示す実施例及び比較例のめっきを行った。 【0026】 〔実施例1〕 以下に示す液組成のめっき液に、前述しためっき試片を1時間、3時間浸漬して、無電解めっきを行った。その結果、金の膜厚は、1時間浸漬時0.13μm、3時間浸漬時0.28μmのように、時間とともに金膜厚が増加することが認められた。また、明黄金色半光沢の金を析出することが認められた。硬度は、同条件で30バッチめっきを繰り返し、析出膜厚10μmとなった試片の断面を用い、超微小硬度計によるヌープ硬度測定を行った。その結果、硬度Hk180以上であった。また、耐摩耗性は、摺動磨耗試験法〔接触荷重:1.0N、摺動速度:12mm/min、摺動距離:300μm(20往復/min)〕において摺動回数19000回以上まで接触抵抗の変化がなく、耐磨耗性良好であることが認められた。なお、色、硬度、耐摩耗性の結果は、いずれの浸漬時間の場合であっても同様の結果であった。 後述する比較例1に比べると明らかなようにコバルト化合物およびヒドラジンの添加により、無添加時に比べ硬度が約1.5倍に増大し、耐摩耗性も良好であった。なお、めっき液は赤〜赤褐色に着色したものの沈殿物生成などなく、めっき液の安定性は良好であった。 【0027】 めっき液組成 シアン化金カリウム 0.03mol/l L−アスコルビン酸ナトリウム 1.0mol/l シアン化銅カリウム 10mg/l(銅として) クエン酸 0.02mol/l 硫酸コバルト七水和物 0.004mol/l ヒドラジン一水和物 0.1mol/l 酢酸 pH4.5に調整のため適量 2−メルカプトベンゾチアゾール 0.05〜0.1mg/l めっき条件 液温度 72℃ 液pH 4.5 かきまぜ スターラーによるかきまぜ 【0028】 〔実施例2〕 実施例1で用いためっき液組成物の中の硫酸コバルト七水和物の代わりに、硫酸ニッケル六水和物0.004mol/lを添加した液を調製し、実施例1と同様に無電解めっきを行った。その結果、金の膜厚は、1時間浸漬時0.10μm、3時間浸漬時0.25μmのように、時間とともに金膜厚が増加することが認められた。また、明黄金色半光沢の金を析出することが認められた。硬度は、同条件で40バッチの繰り返しめっきを行ない、得られた約10μmの析出物について実施例1同様超微小硬度計によるヌープ硬度測定を行った。その結果、硬度Hk180以上であった。また、耐摩耗性は、摺動磨耗試験法〔接触荷重:1.0N、摺動速度:12mm/min、摺動距離:300μm(20往復/min)〕において摺動回数19000回以上まで接触抵抗の変化がなく、耐磨耗性良好であることが認められた。なお、色、硬度、耐摩耗性の結果は、いずれの浸漬時間の場合であっても同様の結果であった。 後述する比較例1に比べると明らかなようにニッケル化合物およびヒドラジンの添加により、無添加に比べ硬度が約1.5倍に増大し、耐摩耗性も良好であった。なお、めっき液は緑〜褐色に着色したものの沈殿物生成などなく、めっき液の安定性は良好であった。 【0029】 めっき液組成 シアン化金カリウム 0.03mol/l L−アスコルビン酸ナトリウム 1.0mol/l シアン化銅カリウム 10mg/l(銅として) クエン酸 0.02mol/l 硫酸ニッケル六水和物 0.004mol/l ヒドラジン一水和物 0.1mol/l 酢酸 pH4.5に調整のため適量 2−メルカプトベンゾチアゾール 0.05〜0.1mg/l めっき条件 液温度 72℃ 液pH 4.5 かきまぜ スターラーによるかきまぜ 【0030】 〔実施例3〕 以下に示す液組成のめっき液に、前述しためっき試片を最大8時間浸漬して、無電解めっきを行った。その結果、金の膜厚は、1時間浸漬時0.19μm、5時間浸漬時0.70μm、8時間浸漬時1.14μmのように、浸漬時間にともなう金膜厚の増加が認められた。また、黄色半光沢の金を析出することが認められた。硬度は、同条件で8バッチめっきを繰り返し、析出膜厚10μmとなった試片の断面を用い、超微小硬度計によるヌープ硬度測定を行った。その結果、硬度Hk170であった。また、耐摩耗性は、摺動磨耗試験法〔接触荷重:1.0N、摺動速度:12mm/min、摺動距離:300μm(20往復/min)〕において摺動回数19000回以上まで接触抵抗の変化がなく、耐磨耗性良好であることが認められた。なお、色、硬度、耐摩耗性の結果は、いずれの浸漬時間の場合であっても同様の結果であった。 後述する比較例1に比べると明らかなようにコバルト化合物および塩酸ヒドロキシルアミンの添加により、無添加時に比べ硬度が約1.5倍に増大し、耐摩耗性も良好であった。なお、めっき液中、液は赤〜赤褐色に着色したものの沈殿物生成はなく、めっき液の安定性は良好であった。 【0031】 めっき液組成 シアン化金カリウム 0.03mol/l L−アスコルビン酸ナトリウム 1.0mol/l シアン化銅カリウム 10mg/l(銅として) クエン酸 0.05mol/l 硫酸コバルト七水和物 0.025mol/l 硫酸ヒドロキシルアミン 0.2mol/l 酢酸 pH4.5に調整のため適量 めっき条件 液温度 80℃ 液pH 4.5 かきまぜ スターラーによるかきまぜ 【0032】 〔実施例4〕 以下に示す液組成のめっき液に、前述しためっき試片を最大11時間まで浸漬して、無電解めっきを行った。その結果、金の膜厚は、1時間浸漬時0.11μm、5時間浸漬時0.42μm、11時間浸漬時1.20μmのように、浸漬時間にともなう金膜厚の増加が認められた。また、黄色半光沢の金を析出することが認められた。硬度は、同条件で8バッチめっきを繰り返し、析出膜厚10μmとなった試片の断面を用い、超微小硬度計によるヌープ硬度測定を行った。その結果、硬度Hk170であった。また、耐摩耗性は、摺動磨耗試験法〔接触荷重:1.0N、摺動速度:12mm/min、摺動距離:300μm(20往復/min)〕において摺動回数19000回以上まで接触抵抗の変化がなく、耐磨耗性良好であることが認められた。なお、色、硬度、耐摩耗性の結果は、いずれの浸漬時間の場合であっても同様の結果であった。 後述する比較例1に比べると明らかなようにニッケル化合物および硫酸ヒドロキシルアミンの添加により、無添加時に比べ硬度が約1.5倍に増大し、耐摩耗性も良好であった。なお、めっき液中、液は緑〜褐色に着色したものの沈殿物生成はなく、めっき液の安定性は良好であった。 【0033】 めっき液組成 シアン化金カリウム 0.03mol/l L−アスコルビン酸ナトリウム 1.0mol/l シアン化銅カリウム 10mg/l(銅として) クエン酸 0.05mol/l 硫酸ニッケル六水和物 0.025mol/l 硫酸ヒドロキシルアミン 0.2mol/l 酢酸 pH4.5に調整のため適量 めっき条件 液温度 80℃ 液pH 4.5 かきまぜ スターラーによるかきまぜ 【0034】 〔比較例1〕 実施例1で用いためっき液組成物の中から硫酸コバルト七水和物0.004mon/lおよびヒドラジン一水和物0.1mol/lを取り除いた液を調製し、実施例1と同様に無電解めっきを行った。その結果、1時間浸漬時膜厚0.11μm、3時間浸漬時膜厚0.42μmの明黄金色半光沢の金が析出した。また、実施例同様にバッチ繰り返しにより10μmの析出膜を得て、硬度測定を行った。その結果、Hk120であり、本発明のめっき皮膜の硬度より劣っていた。 【0035】 〔比較例2〕 以下に示す既存シアン系無電解金めっき液に、前述しためっき試片を浸漬して、無電解めっきを行った。その結果、1時間浸漬時1.8μmの黄金色半光沢の金析出が認められた。また、上記浴で7時間めっきを行い析出膜厚10μmとなった試片の断面を用い、超微小硬度計によるヌープ硬度測定を行った。その結果、硬度はHk70であった。また、0.05μmの析出膜について耐摩耗性評価を行った。摺動磨耗試験法〔接触荷重:1.0N、摺動速度:12mm/min、摺動距離:300μm(20往復/min)〕において摺動回数5000回以下で接触抵抗の上昇が認められ、摺動部は摩耗による素地の露出が観察された。このように、既存のシアン系自己触媒型無電解金めっき液は、低硬度の軟質金であり、耐摩耗性も低く、摩耗による接触抵抗上昇がおこるため接点材料には不向きである。 【0036】 めっき液組成 シアン化金カリウム 0.02mol/l シアン化カリウム 0.02mol/l グリシン 0.2mol/l 水酸化カリウム 0.7mol/l ジメチルアミンボラン 0.4mol/l 鉛化合物 1.5mg/l めっき条件 液温度 85℃ 液pH 11.3 かきまぜ スターラーによるかきまぜ 【0037】 〔比較例3〕 実施例1におけるめっき液組成のうち、L−アスコルビン酸ナトリウム1.0mol/lにかえてジメチルアミンボラン(DMAB)0.1mol/lを用いてめっき液を調製し、めっきを試みた。しかし、ジメチルアミンボランを用いた液では、室温で浴中金微粒子が生成し、その後浴分解を起こし、めっきを行なうことはできなかった。実用化されているアルカリ性のシアン系自己触媒型無電解金めっき液で用いられている還元剤ジメチルアミンボラン(DMAB)を単純に酸性条件で使用しても、浴分解を起こしめっきの実施は困難であることがわかる。 【産業上の利用可能性】 【0038】 本発明の無電解金めっき液によって得られる硬質金は、耐食性、高電気伝導性を有し、さらに耐摩耗性、低接触抵抗性をも備えた優れた効果を有するものであり、今後のエレクトロニクス分野の実装技術に大きく貢献するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】591045677 【氏名又は名称】関東化学株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年7月14日(2005.7.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100102842 【弁理士】 【氏名又は名称】葛和 清司
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| 【公開番号】 |
特開2007−23324(P2007−23324A) |
| 【公開日】 |
平成19年2月1日(2007.2.1) |
| 【出願番号】 |
特願2005−205416(P2005−205416) |
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