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【発明の名称】 タングステン膜の形成方法、成膜装置、記憶媒体及び半導体装置
【発明者】 【氏名】杉浦 正仁
【氏名】溝口 泰隆
【氏名】饗場 康
【課題】抵抗率を小さくし、下地のバリヤ層との境界部分のフッ素濃度を低減し、バリヤ層との密着性を向上させることができるタングステン膜の形成方法を提供する。

【解決手段】真空引き可能になされた処理容器14内にて被処理体Mの表面にタングステン膜を形成するに際して、前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜70を形成する工程とを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空引き可能になされた処理容器内にて被処理体の表面にタングステン膜を形成するに際して、
前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、
該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜を形成する工程と、
を有することを特徴とするタングステン膜の形成方法。
【請求項2】
前記第一のタングステン膜上に前記タングステン含有ガスと還元性ガスとを同時に供給することによりさらに第二のタングステン膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1記載のタングステン膜の形成方法。
【請求項3】
前記第一のタングステン膜形成工程と前記第二のタングステン膜形成工程は同一処理容器内で実行されることを特徴とする請求項2記載のタングステン膜形成方法。
【請求項4】
前記シリコン含有ガスは、モノシラン、ジシラン、有機シランより選択されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のタングステン膜形成方法。
【請求項5】
前記シリコンを含まない水素化合物ガスは、ジボランまたはホスフィンであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタングステン膜形成方法。
【請求項6】
前記シリコンを含まない水素化合物ガスは、水素希釈シボランガスであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のタングステン膜形成方法。
【請求項7】
前記還元性ガスは、水素であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のタングステン膜形成方法。
【請求項8】
前記タングステン含有ガスは、WF であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のタングステン膜形成方法。
【請求項9】
前記被処理体の表面にはTiN膜を含むバリヤ層が形成されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のタングステン膜形成方法。
【請求項10】
前記第二のタングステン膜形成後にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理にてコンタクトプラグを形成することを特徴とする請求項2に記載のタングステン膜形成方法。
【請求項11】
真空引き可能になされた処理容器と、
被処理体を載置するための載置台と、
前記被処理体を加熱するための加熱手段と、
前記処理容器内に、少なくともシリコン水素含有ガスと、タングステン含有ガスと、シリコンを含まない水素化合物ガスとを供給するガス供給手段と、
前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜を形成する工程と、を行うように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とする成膜装置。
【請求項12】
真空引き可能になされた処理容器と、
被処理体を載置するための載置台と、
前記被処理体を加熱するための加熱手段と、
前記処理容器内に、少なくともシリコン水素含有ガスと、タングステン含有ガスと、シリコンを含まない水素化合物ガスとを供給するガス供給手段とを有する成膜装置を用いてタングステン膜を形成するに際して、
前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜を形成する工程と、を行うように前記成膜装置を制御するプログラムを記憶する記憶媒体。
【請求項13】
請求項10に規定する方法において形成されたコンタクトプラグを有することを特徴とする半導体装置。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の被処理体の表面にタングステン膜を形成する方法、成膜装置、記憶媒体及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体デバイスの製造工程においては、被処理体である半導体ウエハ表面に配線パターンを形成するために或いは配線間の凹部(ビアホール)や基板コンタクト用の凹部(コンタクトホール)を埋め込むためにW(タングステン)、WSi(タングステンシリサイド)、WN(タングステンナイトライド)、Ti(チタン)、TiN(チタンナイトライド)、TiSi(チタンシリサイド)等の金属或いは金属化合物を堆積させて薄膜を形成することが行なわれている。そして、上記した各種の薄膜の内、抵抗率が小さく、膜付け温度も小さくて済む等の理由から上記配線間の凹部や基板コンタクト用の凹部の埋め込みにはタングステン膜が多用されている。この種のタングステン膜を形成するには、原料ガスとしてWF (六フッ化タングステン)を用い、これを水素、シラン、ジフロルシラン等により還元することにより、タングステン膜を堆積させている。
【0003】
上記タングステン膜を形成する場合には、密着性の向上、下層の配線金属又は基板との反応の抑制等の理由から、ウエハ表面にTiN膜、或いはTi膜との積層膜(TiN/Ti)が下地膜となるバリヤ層として薄く且つ均一に形成することが一般的に行われており、このバリヤ層上に上記タングステン膜を堆積させることになる。
【0004】
ここで凹部等の埋め込みを行う場合には、埋め込み性を良好にするためにシランよりも還元性が弱い水素ガスが主として用いられるが、この際、未反応のWF ガスにより上記バリヤ層がアタックされてバリヤ層とフッ素が反応してTiF を主体とするチタンフッ化物が生成され、このチタンフッ化物は体積的に膨張することから、この結果、バリヤ層を上方へ突き破ってボルケーノが発生したり、埋め込み穴にボイドが発生したりする場合がある。ここでボルケーノ発生のメカニズムを図10に示す。本図からボルケーノの発生にはフッ素の挙動が大きく影響し、バリヤ層にてフッ素と反応してできたTiF が上方へ突き破る様子が理解できる。
【0005】
上記ボルケーノ等の発生を防止するために、主たるタングステン膜を堆積する前に、核付け層として初期タングステン膜を形成し、主たるタングステン膜の形成時にWF ガスによる下地バリヤ層に対するアタックを遮蔽することが行われている。上記初期タングステン膜の形成の際には上記未反応のWF ガスを速やかに除去すると共に、タングステン膜に含有されるフッ素が直接下地バリヤ層と反応しないように上記タングステン膜中のフッ素濃度を抑制する必要がある。
上記初期タングステン膜の形成方法としては、WF ガスと還元性のジボランガス(B )とを、間にパージステップを挟んで交互に供給する原子層堆積(ALD:Atomic Layered Deposition)の手法が開示されている(特許文献1)。この手法で堆積したタングステン膜は低抵抗であると共に、タングステン膜中のフッ素濃度が低くなり、下地金属とのフッ素化合物の形成を回避できるとされている。
【0006】
図11は従来のタングステン膜の形成方法における各ガスの供給形態の一例を示す図であり、上記ALD法の各ガスの供給形態(ジボラン使用)が図11(A)に示されている。図11(B)は還元性ガスとしてモノシランを用いた場合を示している。図12は図11に示すガスの供給形態で形成されるタングステンにより埋め込み穴を埋め込む時の工程を示す図である。ここでは還元性ガスとしてジボラン(図11(A))を用いた場合を例にとって説明する。また、キャリアガスやパージガスとしてArとN ガスをそれぞれ一定の流量で流しており、全処理期間に亘ってプロセス圧力を一定にしている。
【0007】
まず、図12(A)に示すように、コンタクトホールのような埋め込み穴2内の内面を含んだウエハ表面全体にバリヤ層4が形成されている半導体ウエハMに対して、B (ジボラン)ガスとWF ガスとを、交互に短時間ずつ複数回繰り返して流して初期タングステン膜の形成を行う(図12(B))。この場合、ジボランガス供給ステップとWF ガス供給ステップの両ステップ間では容器内の残留ガスを排除するパージ工程を行う。WF ガス供給ステップにより、ウエハ表面に吸着したWF ガス分子層を次ステップで供給するジボランガスにより還元し、1回の交互供給につき数原子層のタングステン膜を成長させる。これを任意の回数繰り返して所望の膜厚の初期タングステン膜を形成する。
【0008】
次に、図12(C)に示すように、WF ガスとH ガスとを同時に供給して主タングステン膜形成工程を行うことにより、図12(D)に示すように主タングステン膜10を堆積させて埋め込み穴2を埋め込む。また、他のガス供給形態としては図11(B)に示すようにB に代えてSiH (モノシラン)を用いることも行われている(特許文献2)。この場合、最初のSiH ガス供給ステップの時間を、それ以降の他のSiH ガス供給ステップより延長して行い、ウエハ表面にSiHx(0≦x<4)などの分解中間体を付着させるいわゆるイニシエーション処理を兼ねることもできる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−038271号公報
【特許文献2】特開2003−193233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
今後、半導体デバイスの微細化及び動作速度の高速化にともない、コンタクト(ビア)抵抗を下げるためにタングステン膜の更なる低抵抗化及び比抵抗が比較的高いバリヤ層の薄膜化が要請されている。例えばバリヤ膜として5nm以下の膜厚に薄膜化されたTiN膜を用いると、従来のタングステン膜形成方法ではボルケーノ発生を抑制できなくなる。 薄膜化されたTiN/Ti積層膜上に、上述のように初期タングステン膜の形成に際して、WF とジボランとを交互供給するALDを使用し、主たるタングステン膜を実用的な膜厚で堆積した結果を図13に示す。バリヤ層の薄膜化によってボルケーノが容易に発生することが解る。これは従来の方法で形成した初期タングステン膜の膜質では十分にWF のアタックを遮蔽できないか、又は初期タングステン膜の形成時に既に下地バリヤ層のアタックが発生していた可能性もある。
【0011】
また、WF とモノシランとを交互に供給するALD法の場合は下地バリヤ層のアタックが抑制される可能性もあるが、核付け層としての初期タングステン膜はシリコンを含有し、この上に堆積する主たるタングステン膜の抵抗率が増大してしまうという不都合が生ずる。
【0012】
さらに、従来はコンタクト(ビア)ホールの穴埋め後の平坦化にはエッチバックが一般的な手法であったが、更なる微細化、多層化により最近はコンタクトホール埋め込みの後工程でCMP処理による平坦化の手法が多用されるようになっている。
上述のWF とジボランとを交互に供給するALD法を用いた初期タングステン膜及び主タングステン膜との積層膜ではその抵抗率は十分低くなるもものの、その反面TiN等よりなるバリヤ層との密着性が低下する特徴がある。タングステン膜形成工程後の工程でCMP処理を施してタングステン膜の不要部分を削り取る際に、CMP装置のパッドがウエハに加える応力に起因して、スラリー(研磨溶剤)がタングステン膜とバリヤ層との境界に侵入して、タングステン膜がコンタクト穴から脱離してしまう問題があった。
【0013】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、抵抗率を小さく保ちつつ、特に、下地のバリヤ層との境界部分のフッ素濃度を低減し、ボルケーノの発生を抑制できるのみならず、バリヤ層との密着性を向上させることができるタングステン膜の形成方法、成膜装置、記憶媒体及び半導体装置を提供することにある。尚、以降、特に断りがない限り、ALDとはWF とジボランを交互に供給するガス供給形態を示す。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器内にて被処理体の表面にタングステン膜を形成するに際して、前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜を形成する工程と、を有することを特徴とするタングステン膜の形成方法である。
【0015】
このように、タングステン膜を形成するに際して、イニシエーション工程ではシリコン含有ガスを用い、その後の初期タングステン膜形成工程では、タングステン含有ガスとシリコンを含まない水素化合物ガスとを交互に繰り返し供給することにより初期タングステン膜を形成するようにしたので、この後に形成される主タングステン膜も含めて、その抵抗率を小さくすることができる。またタングステン膜の下地であるバリヤ層との境界部分のフッ素濃度を低減して、バリヤ層のフッ素の拡散及び突き抜けを抑制することができる。この結果、ボルケーノの発生を抑制でき、下地のバリヤ層との密着性を向上することができる。
【0016】
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記第一のタングステン膜上に前記タングステン含有ガスと還元性ガスとを同時に供給することによりさらに第二のタングステン膜を形成する工程を有する。
また例えば請求項3に規定するように、前記第一のタングステン膜形成工程と前記第二のタングステン膜形成工程は同一処理容器内で実行される。
また例えば請求項4に規定するように、前記シリコン含有ガスは、モノシラン、ジシラン、有機シランより選択される。
【0017】
また例えば請求項5に規定するように、前記シリコンを含まない水素化合物ガスは、ジボランまたはホスフィンである。
また例えば請求項6に規定するように、前記シリコンを含まない水素化合物ガスは、水素希釈シボランガスである。
また例えば請求項7に規定するように、前記還元性ガスは、水素である。
また例えば請求項8に規定するように、前記タングステン含有ガスは、WF である。
また例えば請求項9に規定するように、前記被処理体の表面にはTiN膜を含むバリヤ層が形成されている。
また例えば請求項10に規定するように、前記第二のタングステン膜形成後にCMP(Chemical Mechanical Polishing)処理にてコンタクトプラグを形成する。
【0018】
請求項11に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器と、被処理体を載置するための載置台と、前記被処理体を加熱するための加熱手段と、前記処理容器内に、少なくともシリコン水素含有ガスと、タングステン含有ガスと、シリコンを含まない水素化合物ガスとを供給するガス供給手段と、前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜を形成する工程と、を行うように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする成膜装置である。
【0019】
請求項12に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器と、被処理体を載置するための載置台と、前記被処理体を加熱するための加熱手段と、前記処理容器内に、少なくともシリコン水素含有ガスと、タングステン含有ガスと、シリコンを含まない水素化合物ガスとを供給するガス供給手段とを有する成膜装置を用いてタングステン膜を形成するに際して、前記被処理体にシリコン含有ガスを供給する工程と、該工程後にタングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に前記処理容器内に不活性ガスを供給するパージステップ及び/又は前記処理容器を真空引きする真空引きステップを介在させて、交互に繰り返し実行することにより第一のタングステン膜を形成する工程と、を行うように前記成膜装置を制御するプログラムを記憶する記憶媒体である。
請求項13に係る発明は、前記請求項10に規定する方法において形成されたコンタクトプラグを有することを特徴とする半導体装置である。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るタングステン膜の形成方法、成膜装置、記憶媒体及び半導体装置によれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
タングステン膜を形成するに際して、イニシエーション工程ではシリコン含有ガスを用い、その後の初期タングステン膜形成工程では、タングステン含有ガスとシリコンを含まない水素化合物ガスとを交互に繰り返し供給することにより初期タングステン膜を形成するようにしたので、この後に形成される主タングステン膜も含めて、その抵抗率を小さくすることができる。またタングステン膜の下地であるバリヤ層との境界部分のフッ素濃度を低減して、バリヤ層のフッ素の拡散及び突き抜けを抑制することができる。この結果、ボルケーノの発生を抑制でき、下地のバリヤ層との密着性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、本発明に係るタングステン膜の形成方法、成膜装置、記憶媒体及び半導体装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係るタングステン膜の形成方法を実施する成膜装置の一例を示す断面構成図、図2は各ガスの供給態様を示す図、図3は半導体ウエハの表面に堆積されるタングステン膜の工程を示す模式図である。
まず、本発明方法を実施する成膜装置について説明すると、この成膜装置13は、例えば断面が略円筒形状のアルミニウム製の処理容器14を有している。この処理容器14内の天井部には流量制御された処理ガスとして例えば各種の成膜ガスや不活性ガス等を、同時に、或いは選択的に導入するためのガス供給手段としてのシャワーヘッド部16がOリング等のシール部材18を介して設けられており、この下面に設けた多数のガス噴射口20から処理空間Sに向けて成膜ガスを噴射するようになっている。
【0022】
このシャワーヘッド部16内には、複数の拡散孔を有する1枚、或いは複数枚の拡散板を設けて、ここに導入されたガスの拡散を促進するようにした構造のものもあるし、或いは内部を複数の区画室に分割し、それぞれ別々に導入したガスを別々に処理空間Sへ噴射するようにした構造のものもあり、いずれにしても使用するガス種に応じて適切な構造のシャワーヘッド部を用いる。また、ここでは一例としてB ガス、WF ガス、SiH ガス、H ガス、N ガス、Arガス等が用いられるが、各ガスはそれぞれマスフローコントローラのような流量制御器(図示せず)で流量が個別に制御され、またその供給の開始及び停止も制御されるようになっている。尚、上記B ガスとしては、例えばH ベースガスの5%希釈B ガスが用いられる。
【0023】
この処理容器14内には、処理容器底部より起立させた円筒状のリフレクタ22上に、例えばL字状の3本の保持部材24(図1では2本のみ記す)を介して被処理体としての半導体ウエハMを載置するための載置台26が設けられている。
この載置台26の下方には、複数本、例えば3本のL字状のリフタピン28(図示例では2本のみ記す)が上方へ起立させて設けられており、このリフタピン28の基部は、上記リフレクタ22に形成した縦長挿通孔(図示せず)を挿通して、リング部材30に共通に接続されている。そして、このリング部材30を処理容器底部に貫通して設けられた押し上げ棒32により上下動させることにより、上記リフタピン28を載置台26に貫通させて設けたリフタピン孔34に挿通させてウエハMを持ち上げ得るようになっている。
【0024】
上記押し上げ棒32の容器底部の貫通部には、処理容器14において内部の気密状態を保持するために伸縮可能なベローズ36が介設され、この押し上げ棒32の下端はアクチュエータ38に接続されている。
また、処理容器14の底部の周縁部には、排気口40が設けられ、この排気口40には圧力制御弁42及び真空ポンプ44を順次介設した真空排気系46が接続されており、処理容器14内を所定の真空度まで真空引きし得るようになっている。また、処理容器14の側壁には、ウエハMを搬出入する際に開閉されるゲートバルブ48が設けられる。
【0025】
また、載置台26の直下の容器底部には、石英等の熱線透過材料よりなる透過窓48がOリング等のシール部材50を介して気密に設けられており、この下方には、透過窓48を囲むように箱状の加熱室52が設けられている。この加熱室52内には加熱手段として例えば複数の加熱ランプ54が反射鏡も兼ねる回転台56に取り付けられており、この回転台56は、回転軸を介して加熱室52の底部に設けた回転モータ58により回転される。従って、この加熱ランプ54より放出された熱線は、透過窓48を透過して薄い載置台26の下面を照射してこれを加熱し、更にこの載置台26上のウエハMを間接的に加熱し得るようになっている。加熱手段として上記加熱ランプに代えて、載置台26に抵抗加熱ヒータを設けてウエハMを加熱するようにしてもよい。
【0026】
そして、この成膜装置13の全体の動作を制御するために例えばマイクロコンピュータ等よりなる制御部60が設けられている。この制御部60により、各種ガスの供給開始、その停止、流量制御、ウエハの温度制御及び圧力制御等の成膜処理に必要な一連の制御が行われる。また、この制御部60は、上記した装置全体の動作を制御するためのプログラムを記憶するための例えばフロッピディスクやフラッシュメモリ等よりなる記憶媒体62を有している。
【0027】
次に、以上のように構成された成膜装置を用いて行われる本発明方法について説明する。上述したように、以下に説明する各動作は、上記記憶媒体62に記憶されたプログラムに基づいて行われる。
まず、処理容器14の側壁に設けたゲートバルブ48を開いて図示しない搬送アームにより処理容器14内にウエハMを搬入し、リフタピン28を押し上げることによりウエハMをリフタピン28側に受け渡す。そして、リフタピン28を、押し上げ棒32を下げることによって降下させ、ウエハMを載置台26上に載置する。このウエハMの表面には、埋め込み穴2の内面も含めて前工程にてすでに下地膜としてTiN/Ti膜のようなバリヤ層4が形成されている(図3(A)参照)。このバリヤ層4は、TiN膜の単層構造の場合もある。
【0028】
次に、図示しない処理ガス源から処理ガスとして所定の成膜ガスや不活性ガス等を、後述するようなガス供給態様でガス供給手段であるシャワーヘッド部16へ所定量ずつ供給して、これを下面のガス噴射口20から処理容器14内へ略均等に供給する。これと同時に、排気口40から内部雰囲気を吸引排気することにより処理容器14内を所望する圧力に真空引きしつつ、且つ載置台26の下方に位置する加熱手段の各加熱ランプ54を回転させながら駆動し、熱エネルギを放射する。
放射された熱線は、透過窓48を透過した後、載置台26の裏面を照射してこれを加熱する。この載置台26は、前述のように例えば1mm程度と非常に薄いことから迅速に加熱され、従って、この上に載置してあるウエハMを迅速に所定の温度まで加熱することができる。供給された成膜ガスは所定の化学反応を生じ、タングステン膜の薄膜がウエハ表面の全面に堆積して形成されることになる。
【0029】
ここで、図2を参照して各ガスの供給態様を具体的に説明する。
図2に示すガス供給態様において、不活性ガスとして例えばAr、N ガスが、流量を一定にして、或いは必要に応じて流量を変えながら、連続的に供給されて、またN ガスが、容器内に残留する成膜ガスのパージガスとして必要に応じて供給される。また、同様に、処理容器14内も、一連の工程の間、連続的に真空引きされている。
【0030】
図2に示すガス供給態様のように、本発明方法は、シリコン含有ガスを供給するイニシエーション工程と、このイニシエーション工程後に、タングステン含有ガスを供給するタングステン含有ガス供給ステップとシリコンを含まない水素化合物ガスを供給する水素化合物ガス供給ステップとを、両ステップ間に上記処理容器内の雰囲気(残留ガス)を排気または置換するパージステップを介在させて交互に繰り返し行うことにより第一のタングステン膜である初期タングステン膜を形成する初期タングステン膜形成工程と、この初期タングステン膜形成工程後に、上記タングステン含有ガスと還元性ガスとを同時に供給することにより第二のタングステン膜である主タングステン膜を形成する主タングステン膜形成工程とを、この順序で順次行うようになっている。
【0031】
また上記パージステップは、各工程を移行する際にも行われ、容器内に残留する成膜ガスを排気するようになっている。ここでは、タングステン含有ガスとしてはWF ガスを用い、シリコン含有ガスとしてはSiH ガスを用い、シリコンを含まない水素化合物ガスとしてはB ガスを用いている。また一連の工程の間、容器内は連続的に真空引きされると共に、N ガスやArガスをキャリアガスまたはパージガスとして流しており、これらのガス供給は、パージステップにおける略中間期間T4において完全に停止し、この時は真空引きのみが継続的に行われて容器内の残留ガスが略完全に排除される。従って、この期間T4では容器内圧力が最も低下する。
【0032】
まず、イニシエーション工程では、上述したように、シリコン含有ガスとしてSiH ガスをある程度の時間だけ連続的に供給して流す。これにより、ウエハMのバリヤ層4の表面に、Si−、SiH−、SiH (0≦x<4)等の分解中間体6を付着させる。このイニシエーション処理により、TiN膜等よりなるバリヤ層4の表面の電気陰性度が改善されて、後続する成膜ガス等の吸着性が改善される。このイニシエーション工程では、これに後続する初期タングステン膜形成工程におけるプロセス圧力よりも高く設定し、例えば10666Pa(80Torr)程度に設定する。また、SiH ガスの流量は300mmウエハの場合は例えば700sccm程度に設定する。また、このイニシエーション工程の時間はSiH ガスの流量と分圧に依存し、例えば15sec程度行う。またこのプロセス温度は、300〜400℃の範囲内の例えば350℃で行う。このプロセス温度は、最後の主タングステン膜形成工程まで、例えば変えることなく同一に設定することができる。
【0033】
このイニシエーション工程を終了したならば、次に、初期タングステン膜形成工程へ移行する。この初期タングステン膜形成工程では上述したように、WF ガスとB ガスとをこの順序で複数間交互に短時間ずつ繰り返し供給し、且つ両ガスの供給ステップ間では直前に供給したガスを容器内から排除するパージステップを行う。このパージステップの際には、パージガスとして例えば不活性ガスであるN ガスを供給することにより、残留ガスの排除を促進するのがよい。
WF ガス供給ステップでウエハ表面に吸着したWF ガス分子層を次ステップで供給するジボランガスにより還元して、1回の交互供給につき数原子層のタングステン膜を成長させる。これを任意の回数繰り返して所望の膜厚の初期タングステン膜70を形成する。
【0034】
この時、WF ガスの流量は、300mmウエハの場合は例えば160sccm程度に設定する。尚、WF ガスを流す時には、N ガスやArガスをキャリアガスとして用いるのがよい。またB ガスの流量は例えば1000sccm程度に設定する。この際に、Arをキャリアガスとして用いる。また、ここではH をベースガスとして5%に希釈したB ガスを使用している。その理由は、B は不安定なガスであり、容易に重合して安定なデカボランとなる。そして、この生成したデカボラン微粒子が供給ラインの経路で凝集し、安定供給ができなくなったり、また、パーティクルの発生も懸念される。従って、このような理由より、B ガスは重合を抑制するH をベースガスとしてボンベに希釈/充填され、ガス供給に使用される。そして、プロセス圧力は、上記イニシエーション工程の場合よりも遥かに低い例えば1000Pa以下が好ましい。また、或るWF ガス供給ステップから次のWF ガス供給ステップまでの期間を1サイクルとし、必要に応じて数サイクルから数十サイクル程度の処理を行う。
【0035】
ここでWF ガス供給ステップの時間T1は1.5sec程度、B ガス供給ステップの時間T2は3sec程度、パージステップの時間T3は1.5sec程度であるが、これらの時間は特に限定されない。また、この時の1サイクル当たりの成膜レートは、プロセス条件によっても異なるが、例えば0.7〜1.2nm程度であり、通常は初期タングステン膜の膜厚は6〜7nmに設定する。
【0036】
以上のようにして、初期タングステン膜形成工程が終了したならば、次に、主タングステン膜形成工程へ移行する。ここではWF ガスと還元性ガスであるH ガスとを同時に供給して、高い成膜レートでCVD法により主タングステン膜10を堆積させ、埋め込み穴2を完全に埋め込む(図3(E)及び図3(F))。
この時のWF ガスの流量は、300mmウエハの場合は、例えば200〜350sccm程度であり、またH ガスの流量は例えば2200sccm程度である。またプロセス圧力は10666Pa程度である。またこの時の成膜レートは、プロセス条件にもよるが、例えば170〜240nm/min程度である。
【0037】
以上のように、主タングステン膜形成工程が終了したならば、このウエハMを成膜装置から取り下し、これにCMP(化学機械研磨)処理をかけることにより、図3(G)に示すように平面を平坦化して余分なタングステン膜やバリヤ層を除去し、コンタクトプラグ73を形成することになる。これ以降は、所定の処理が行われて半導体デバイス(半導体装置)が製造されることになる。
【0038】
まず、初期タングステン膜と主タングステン膜とを含むタングステン膜全体の抵抗率について評価を行ったので、その評価結果について説明する。
図5は初期タングステン膜と主タングステン膜とを含むタングステン膜全体の抵抗率を示すグラフである。ここでは比較のために従来方法で形成されたタングステン膜全体の抵抗率を併せて記載している。
尚、前述したように初期タングステン膜の厚さは6〜7nm程度であり、図4に示す横軸の厚さはほとんど主タングステン膜の厚さとなっている。
【0039】
このグラフから明らかなように、本発明方法及び従来方法は、共に厚さが増加する程、抵抗率が低下しているが、同一厚さの部分では従来方法よりも本発明方法の方が常に1〜3μΩcm程度低くなっており、この結果、本発明方法で初期タングステン膜を形成した場合には、この上に堆積する主タングステン膜の抵抗率を低下させることができることが確認できた。
この理由は、主タングステン膜10の核付け層となる初期タングステン膜70がSiH イニシエーションによりアモルファス(非晶質)となり、この状態が主タングステン膜10の成長にも影響を与える。この主タングステン膜10のグレインサイズ(結晶粒径)が、従来方法で形成した主タングステン膜よりも高く維持されて抵抗率が下がる、と推論される。
【0040】
これを検証するために結晶性を変えた初期タングステン膜に主タングステン膜10を堆積させ、主タングステン膜の断面をSEM(電子顕微鏡)で観察した。図5は本発明方法と従来方法で形成した初期タングステン膜のX線回折分析(XRD)結果と、それぞれの初期タングステン膜の断面SEM写真である。図5では理解を容易にするために部分的な模式図を併記している。図5(A)は従来方法(従来プロセス)を示し、図5(B)は本発明プロセス(改善プロセス)を示している。ALDにより形成した初期タングステン膜のXRD結果から初期タングステン膜がアモルファスになるほど主タングステン膜のグレイン(結晶粒)が大きくなることがわかる。ここでSi(200)、Si(400)は基板の結晶性を示すピークであり、α(110)、α(200)が初期タングステン膜の結晶性を示すピークである。本発明プロセスを用いると初期タングステン膜は、α(200)が消失し、α(110)がブロードになり、アモルファス状態に近づいていることが理解できる。また、一般的に、タングステン膜はグレインサイズが大きくなるほど抵抗率が下がることが知られている。
【0041】
次に、タングステン膜とバリヤ層との境界部分におけるフッ素濃度について評価を行ったので、その評価結果について説明する。
図6はタングステン膜が形成された半導体ウエハの深さ方向におけるフッ素濃度の分布をSIMS(2次イオン質量分析法)により測定した結果である。ここでは境界部分のフッ素濃度の差を明瞭にするために実際よりも約5倍ほど初期タングステン膜を厚く形成してその評価を行っている。
【0042】
尚、本評価における初期タングステン膜形成工程ではWF とB 交互供給ステップ間のパージステップではパージガス流量及び圧力を一定としている。この図6から明らかなように、タングステン膜とバリヤ層の境界部分において、本発明方法のフッ素濃度は従来方法の場合よりも1桁程度低く、良好な結果を示していることが確認できた。
【0043】
図8は基板全面のボルケーノ発生の状態を光学顕微鏡により観察した図面代用写真である。尚、図8においては、本発明の効果の理解を容易にするために模式図を併記してある。図8中において、黒点はボルケーノの発生を示しており、これによれば、従来方法の場合(図8(A))にはボルケーノが多数発生しているが、本発明方法(図8(B))の場合にはボルケーノがほとんど発生しておらず、本発明方法の有効性が確認できた。
【0044】
このように、SiH イニシエーション処理によって、タングステン膜とバリヤ層との境界部分のフッ素濃度を低減できるので、その分、バリヤ層側へフッ素が拡散したり、突き抜けが発生することを抑制してボルケーノ等の発生も阻止することができる。
【0045】
次に初期タングステン膜形成工程でのパージガス供給形態による、初期タングステン膜中のフッ素濃度変化について評価を行った。
上述の評価では初期タングステン膜形成工程におけるWF とB 交互供給ステップ間のパージステップにてAr及びN ガス流量を一定としたが、これらのガス供給をパージステップ略中間T4(図2参照)において完全に停止し、真空引きのみとし、処理容器内の圧力を急激に下げる。この方法により残留ガスの排除効率が大きく向上し、WF ガスとB ガスの気相反応を抑制し、ウエハ表面でより完全なWF ガス吸着とB ガスによる還元反応を継続させる。
図7は従来のパージ方法と比較して上述の方法で形成した初期タングステン膜中のフッ素濃度分布を示す。この図7から従来の方法に比較して初期タングステン膜中のフッ素濃度は2桁以上下がり極めて大きな効果があることがわかる。
【0046】
上述のように初期タングステン膜形成工程前にSiH イニシエーション処理の工程を加えることによりタングステン膜とバリヤ層境界部分のフッ素濃度が低減できるが、更に初期タングステン膜形成工程でのパージガス供給形態を変えることにより初期タングステン膜中のフッ素濃度も低減できることが確認できた。本発明方法によれば更にボルケーノ発生を抑制できると予想される。
【0047】
また、タングステン膜とバリヤ層との密着性について、JIS cross cut法(JIS k5400)に基づいて評価を行った。図9にバリヤ層上にALDによる初期タングステン膜と主タングステン膜との積層膜を堆積し、密着性を評価した結果を示す。図9(A)はJISにより剥離の程度を分類したクラス毎の基準を示し、図9(B)は本願発明方法(改善)と従来方法のタングステン膜の剥離結果を示す。密着性の評価方法は、上記したJISに基づいており、タングステン膜を堆積後にダイヤモンドペンで縦横に碁盤状に所定の傷を付け、その上に規定のスコッチテープを貼り、一気に剥がす。その剥がれの割合をJIS基準値と比較し、密着性のクラスを決定する。
【0048】
この結果、SiH イニシエーション処理を用いることにより、初期タングステン膜及び主タングステン膜ともに密着性は大きく向上することが判明した。すなわち、従来方法の場合には、剥離比率は初期タングステン膜だけの時は35〜65%(1B)、主タングステン膜を含めると65〜100%(0B)であり、かなり密着性が劣っていた。
【0049】
これに対して、本発明の場合には、剥離比率は初期タングステン膜だけの時は5%(1B)以下、主タングステン膜を含めると35〜65%(4B)であり、本発明によればかなり密着性を改善できることを確認することができた。この密着性の改善の理由は、恐らくは界面に存在するフッ素原子またはバリヤ層と反応して生成したフッ素化合物がTiNとタングステン膜の密着を阻害する原因であり、界面フッ素の低減により、本来のTiN−W(タングステン)の密着性を回復したと予想される。
またこのように、密着性を改善できる結果、例えば図3(G)に示すようにCMP処理を行っても、使用する溶剤が内部の境界部分に侵入することを防止でき、この結果、タングステン膜がコンタクトホールから脱離してしまう等の問題が発生することを回避することができる。
尚、上記実施例では、シリコン水素含有ガスとしてモノシランを用いたが、これに限定されず、ジシランなどのシリコン水素化合物やトリメチルシラン((CH SiH)などの有機シランを用いることができる。
【0050】
また、上記実施例では、シリコンを含まない水素化合物ガスとしてジボランを用いたが、これに限定されず、ホスフィンなどの強力な還元性ガスを用いることができる。
更には、タングステンガス含有ガスとしてはWF ガスに限定されず、有機タングステンソースガスも用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係るタングステン膜の形成方法を実施する成膜装置の一例を示す断面構成図である。
【図2】各ガスの供給態様を示す図である。
【図3】半導体ウエハの表面に堆積されるタングステン膜の工程を示す模式図である。
【図4】初期タングステン膜と主タングステン膜とを含むタングステン膜全体の抵抗率を示すグラフである。
【図5】初期タングステン膜と主タングステン膜とを含むタングステン膜全体の抵抗率を示すグラフである。
【図6】タングステン膜が形成された半導体ウエハの深さ方向におけるフッ素濃度の分布を示すグラフである。
【図7】タングステン膜が形成された半導体ウエハの深さ方向におけるフッ素濃度の分布を示す第2のグラフである。
【図8】ボルケーノの発生の有無を示す図面代用写真である。
【図9】バリヤ層上にALDにより形成された初期タングステン膜と主タングステン膜との積層膜の密着性を評価したときの評価結果を示す図である。
【図10】ボルケーノ発生のメカニズムを示す図である。
【図11】従来のタングステン膜の形成方法における各ガスの供給形態の一例を示す図である。
【図12】図11に示すガスの供給形態で形成されるタングステンにより埋め込み穴を埋め込む時の工程を示す図である。
【図13】従来技術によりタングステン膜を堆積した時のボルケーノの発生状況を示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0052】
2 埋め込み穴
4 バリヤ層
6 分解中間体
10 主タングステン膜(第二のタングステン膜)
13 成膜装置
14 処理容器
16 シャワーヘッド部(ガス供給手段)
26 載置台
46 真空排気系
54 加熱ランプ(加熱手段)
60 制御部
62 記憶媒体
70 初期タングステン膜(第一のタングステン膜)
M 半導体ウエハ(被処理体)

【出願人】 【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
【出願日】 平成17年7月1日(2005.7.1)
【代理人】 【識別番号】100090125
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 章弘
【公開番号】 特開2007−9298(P2007−9298A)
【公開日】 平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願番号】 特願2005−194170(P2005−194170)