| 【発明の名称】 |
ドラゴンフルーツ発泡酒およびその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】広瀬 直人
【氏名】前田 剛希
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| 【要約】 |
【課題】ドラゴンフルーツの消費量を増加させるために、ドラゴンフルーツを加工製品の形で摂取できるようにすること。
【解決手段】麦芽エキスを含有する水溶液にホップを加えて煮沸し、次いで濾過により固形分を除去した後、酵母を接種して発酵させる発泡酒の製造方法において、酵母を接種して発酵させる前または後に、ドラゴンフルーツ加工食品素材を添加することを特徴とする発泡酒の製造方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 麦芽エキスを含有する水溶液にホップを加えて煮沸し、次いで濾過により固形分を除去した後、酵母を接種して発酵させる発泡酒の製造方法において、酵母を接種して発酵させる前または後に、ドラゴンフルーツ加工食品素材を添加することを特徴とする発泡酒の製造方法。 【請求項2】 ドラゴンフルーツ加工食品素材が、ドラゴンフルーツの赤肉種の全果、可食部あるいは果皮、もしくは白肉種の全果あるいは果皮を搾汁して得られる搾汁液を加熱殺菌処理して得られるドラゴンフルーツ抽出物である請求項第1項記載の発泡酒の製造方法。 【請求項3】 加熱殺菌処理が、70〜80℃で、15〜30分間行うものである請求項第2項記載の発泡酒の製造方法。 【請求項4】 加熱殺菌処理後に、更に不溶性成分のろ別を行うものである請求項第2項または第3項記載の発泡酒の製造方法。 【請求項5】 ドラゴンフルーツ加工食品素材が、ドラゴンフルーツの赤肉種の全果、可食部あるいは果皮、もしくは白肉種の全果あるいは果皮を、水あるいはアルコールもしくはそれらの混液で抽出して得られるドラゴンフルーツ色素である請求項第1項記載の発泡酒の製造方法。 【請求項6】 請求項第1項ないし第5項の何れかの項に記載の発泡酒の製造方法により得られる発泡酒。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、発泡酒の製造方法に関し、更に詳細には、ドラゴンフルーツの抽出物または色素を利用することにより独特の色調を有する発泡酒の製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 ドラゴンフルーツ(ピタヤ(学名:Hylocereus undatus))は南米原産のサボテンの果実で、これには鮮やかな赤色の果皮と果肉を有する赤肉種と鮮やかな赤色の果皮と白色の果肉を有する白肉種がある。 【0003】 このドラゴンフルーツは日本では主に沖縄県で栽培されているが、このものには水分が多く、保存に向かないため、消費量の多くは生食用であり、加工食品への利用はほとんど行われていないのが実情であった。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 従って、ドラゴンフルーツの消費量を増加させるために、ドラゴンフルーツを加工製品の形で摂取するための手段が求められており、本発明はこれに応えるような食品形態の提供をその課題とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0005】 本発明者らは、ドラゴンフルーツを加工食品とすべく、種々検討を行っていたところ、ドラゴンフルーツの特徴的色調を呈する成分はベタシアニン系の色素であることを知った。そして、ベタシアニン系の色素は酵母による発酵において分解を受けないことから、発酵製品にドラゴンフルーツを配合することにより、きれいな赤色の色調を付与できる可能性があることに気づいた。 【0006】 そこで、発泡酒の原料の一つとしてドラゴンフルーツ加工食品素材を使用したところ、色調の良い発泡酒が得られることを見出し、本発明を完成した。 【0007】 すなわち本発明は、麦芽エキスを含有する水溶液にホップを加えて煮沸し、次いで濾過により固形分を除去した後、酵母を接種して発酵させる発泡酒の製造方法において、酵母を接種して発酵させる前または後に、ドラゴンフルーツ加工食品素材を添加することを特徴とする発泡酒の製造方法である。 【0008】 また、本発明は、上記製造方法により得られる発泡酒である。 【発明の効果】 【0009】 本発明の発泡酒は、ドラゴンフルーツに含有される色素を利用した新しい発泡酒であり、発泡酒だけでなく泡にも赤色の着色が見られるこれまでに例の無いものである。また、本発明の発泡酒の製造方法によれば、製造工程で添加するドラゴンフルーツ加工食品素材の量および割合によって色調を調節することが可能なため、様々な嗜好レベルに応じた製品の提供も可能となる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 本明細書中において、発泡酒とは、ビールと類似するが、酒税法によってビールと認め られないアルコール飲料を意味する。すなわち、酒税法では、麦芽、ホップ、及び水を原料として発酵させたものに加え、政令で定める澱粉類等の物品を麦芽重量の10分の5を超えない範囲で添加したものがビールとして認められており、この規定を逸脱し、例えば、原料の一部に果汁を用いた発泡性の酒類などは発泡酒に分類される。 【0011】 本発明の発泡酒の製造方法は、麦芽エキスを含有する水溶液にホップを加えて煮沸し、次いで濾過により固形分を除去した後、酵母を接種して発酵させる工程からなる通常の発泡酒(ビール)製造方法において、酵母を接種して発酵させる前または後にドラゴンフルーツ加工食品素材を添加する点に特徴がある。このドラゴンフルーツ加工食品素材の添加により独特の色調を有する発泡酒を得ることができる。 【0012】 上記製造方法において使用されるドラゴンフルーツ加工食品素材は、ドラゴンフルーツを原料とし、食品に添加しうる形態に加工されたもので、かつ、食品にドラゴンフルーツの色調を付与することができるものであれば特に限定されないが、好ましいものとして、例えば、以下に記載するようなドラゴンフルーツ抽出物、ドラゴンフルーツ色素等が挙げられる。 【0013】 まず、ドラゴンフルーツ抽出物としては、例えば、ドラゴンフルーツの赤肉種の全果、可食部あるいは果皮、もしくは白肉種の全果あるいは果皮を搾汁して得られる搾汁液を加熱殺菌処理して得られるものが挙げられる。搾汁液の加熱殺菌処理は、70〜80℃、好ましくは70℃程度の温度で、15〜30分間、好ましくは30分間程度行うのが最も適当であり、それ以下の温度では、殺菌が十分でなく、また、90℃以上の温度で加熱した場合は、色素成分の分解が激しくなる。また、搾汁液の加熱殺菌処理後には不溶性成分を遠心分離等の手段でろ別することが好ましい。 【0014】 発泡酒の製造方法においてドラゴンフルーツ抽出物を添加する場合には、酵母を接種して発酵させる前に添加することが好ましい。ドラゴンフルーツ抽出物の添加量は、発酵前の麦汁中のベタニン濃度換算で8〜16ppm程度とすることが好ましく、特に14〜16ppm程度とすることが好ましい。なお、ベタニン濃度換算とは、測定対象物の530nmの吸光度を測定し、その値に係数1.12(pH5におけるベタニンの比吸光度)を乗じることをいう。 【0015】 一方、ドラゴンフルーツ色素としては、例えば、ドラゴンフルーツの赤肉種の全果、可食部あるいは果皮、もしくは白肉種の全果あるいは果皮を、水あるいはアルコールもしくはそれらの混液で抽出したものが挙げられる。これらドラゴンフルーツ色素の中でも、ドラゴンフルーツの赤肉種果実または果皮あるいは白肉種果皮から水とアルコールの混液、特にエタノールが80%程度の混液で抽出して得られるものが好ましい。ドラゴンフルーツからドラゴンフルーツ色素を抽出する具体的な方法としては、例えば、ドラゴンフルーツの全果、果皮等に二倍量の80%エタノールと0.2重量%程度のアスコルビン酸を加えて磨砕処理した後、遠心分離により得られた上清よりアルコールを減圧下で蒸発除去する方法が挙げられる。 【0016】 発泡酒の製造方法においてドラゴンフルーツ色素を添加する場合には、酵母を接種して発酵させる前でも後でもよく、この場合のドラゴンフルーツ抽出物の添加量は、発泡酒中のベタニン濃度換算で2.2〜6.6ppm程度とすることが好ましく、特に5〜6ppm程度とすることが好ましい。 【0017】 本発明の発泡酒の製造方法において、ドラゴンフルーツ抽出物を用いた場合の一例を挙げれば次の通りである。すなわち、まず、麦芽エキス、ホップおよび水の他、必要により、米、トウモロコシ、コウリャン、ジャガイモ、デンプン等の成分を加えて麦汁とし、1から2時間程度煮沸した後、20〜30℃の酵母接種温度まで冷却する。次いでこれに上記のようにして調製したドラゴンフルーツ抽出物を添加し、更に、ビール酵母等の酵母を接種した後、20〜25℃程度の低温で、6から10日程度発酵させ、必要により後発酵させた後、濾過および/または熱処理を行うことにより、発泡酒が得られる。 【0018】 また、ドラゴンフルーツ色素を用いた本発明の発泡酒の製造方法の一例を挙げれば、次の通りである。まず、麦芽エキス、ホップおよび水の他、必要により、米、トウモロコシ、コウリャン、ジャガイモ、デンプン等の成分を加えて麦汁とし、1〜2時間程度煮沸した後、20〜30℃の酵母接種温度まで冷却する。次いでこれにビール酵母等の酵母を接種した後、20〜25℃程度の低温で、6〜10日程度発酵させたものに、上記のようにして調製したドラゴンフルーツ色素を添加し、必要により後発酵させた後、濾過および/または熱処理を行うことにより、発泡酒が得られる。 【0019】 以上説明した製造方法で得られる発泡酒は、発泡酒および泡にも赤色の着色が見られ、これまでに例の無い発泡酒となる。 【実施例】 【0020】 以下、実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。 【0021】 実 施 例 1 発泡酒の製造(1): まず、赤肉種のドラゴンフルーツ果実3000gを破砕し、70℃で30分間の加熱殺菌処理を行った後、遠心分離により不溶性成分を除去して色素含有量26mg%(ベタニン濃度換算)、Brix13のドラゴンフルーツの抽出物を1160g得た。 【0022】 次に、市販の麦芽エキス粉末(Muntons社製)66gを0.8Lの水に溶解し、これに46gのブドウ糖を加えて5分間煮沸した。これに乾燥ホップ(マウントフット種:シービーシー社製)2gを加え、さらに15分間煮沸した。この煮沸液をステンメッシュでろ過した後、上記で調製したドラゴンフルーツの抽出物を44g加えた。このとき、色素濃度(ベタニン濃度換算)は16ppmであった。これに酵母懸濁液(乾燥エールビール用酵母:DCL社製)を添加した後、20℃で6日間一時発酵を行い、アルコールを発生させた。この発酵物は、0.5質量%のプライミングシュガー(ブドウ糖)を加えた後、耐圧ビンに分注し、20℃で2日間二次発酵を行い、炭酸を含有させた。二次発酵物を5℃で1ヶ月熟成させた後、得られた発泡酒のアルコール分を測定したところ、約6.5質量%であった。また、得られた発泡酒の風味、色、泡立ちに関して官能評価を行った。その結果は以下の通りであった。 【0023】 (官能評価結果) 風 味: 味、苦味、香りについては、ドラゴンフルーツ無添加の発泡酒と差異は無く同等 であった。 色: ドラゴンフルーツの特徴のある赤色を呈した。色素濃度(ベタニン濃度換算)は 8.5ppmであった。 泡立ち: ビールに近い泡立ち性を示した。泡も赤色の着色が見られた。 【0024】 実 施 例 2 発泡酒の製造(2): まず、赤肉種のドラゴンフルーツの100gに、二倍量の80%エタノールと0.2重量%のアスコルビン酸を加えて磨砕処理した。次いで、遠心分離により得られた上清よりアルコールを減圧下で蒸発除去して色素含有量20mg%(ベタニン濃度換算)の赤肉種ドラゴンフルーツの色素抽出液80gを得た。 【0025】 実施例1と同様に煮沸液を調製し、ステンメッシュでろ過した後、酵母懸濁液(乾燥エールビール用酵母:DCL社製)を添加した後、20℃で6日間一時発酵を行い、アルコールを発生させた。この発酵物に、上記で調製したドラゴンフルーツの色素抽出液を2.8質量%を加えた。このとき、色素濃度(ベタニン濃度換算)は5.5ppmであった。これに更に、0.5質量%のプライミングシュガー(ブドウ糖)を加えた後、耐圧ビンに分注し、20℃で2日間二次発酵を行い、炭酸を含有させた。二次発酵物を5℃で1ヶ月熟成させた後、得られた発泡酒のアルコール分を測定したところ、約6.5質量%であった。 【0026】 得られた発泡酒の色調および官能評価は、実施例1で得た発泡酒とほぼ同様であった。 【産業上の利用可能性】 【0027】 本発明の発泡酒の製造方法によれば、ドラゴンフルーツ由来の赤色を有する発泡酒を製造することができる。これによりドラゴンフルーツの加工食品の用途が広がる。 以 上
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| 【出願人】 |
【識別番号】595102178 【氏名又は名称】沖縄県
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| 【出願日】 |
平成18年3月2日(2006.3.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100086324 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 信夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−228908(P2007−228908A) |
| 【公開日】 |
平成19年9月13日(2007.9.13) |
| 【出願番号】 |
特願2006−56270(P2006−56270) |
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