| 【発明の名称】 |
発熱剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】田中睦美
【氏名】庄子 彰
【氏名】篠塚 久
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】アルミニウム金属粉末にソーダ石灰、酸化カルシウム又はソーダ石灰と酸化カルシウム混合物を加え、常温で攪拌して固相反応を行わせ、上記金属乃至合金粉末の表面に上記ソーダ石灰又はソーダ石灰と酸化カルシウム混合物との固相反応により形成される薄膜により上記金属乃至合金粉末を包接するようにした発熱剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 金属乃至合金粉末にソーダ石灰、酸化カルシウム又はソーダ石灰と酸化カルシウム混合物を加え、常温で攪拌して固相反応を行わせ、上記金属乃至合金粉末の表面に形成される水溶性被膜により上記金属乃至合金粉末を包接するようにしたことを特徴とする発熱剤。 【請求項2】 金属乃至合金粉末がアルミニウム乃至亜鉛の金属乃至合金粉末である請求項1記載の発熱剤。 【請求項3】 発熱剤が水との混合により、数秒で発熱反応が起こり水蒸気最高到達温度が100℃である請求項1記載の発熱剤。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、例えばアルミニウム等の金属乃至合金粉末を大気中では安定であるが水にすばやく溶解する被膜により包接した発熱剤に関するものである。 【背景技術】 【0002】 周知のように純粋な金属は一般的に空気中の酸素及び水分により酸化被膜を形成し、このため、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、鉄などの金属、特にこれらの微粉末金属は酸化被膜を作り易い。 【0003】 しかしながら、これらうちアルミニウム、亜鉛、鉄を除く金属の酸化被膜は水に対する溶解度が大きいため、僅かな水によってもすばやく溶解して純粋な金属表面を露呈し、大気中の酸素乃至水分と暖時に反応する。このためこれらの金属は発熱量が大きく発熱剤原料として期待されるが、大気中では保存することができず、このため発熱剤として使用するには困難である。 【0004】 これに対して、化学物質の発熱反応を利用した発熱剤としては酸化カルシウムなどの無水酸化物及び塩化カルシウムなどの無水塩との水との反応によるもの、アルミニウム及び亜鉛金属粉末及びマグネシウム−鉄化合物粉末と水との反応によるもの、粉体生石灰と粉体アルミニウムと水との反応によるものなどが提案されている(特許第3467729号、米国特許登録第6200357号、欧州特許登録第1126004号、韓国特許登録第0407582号)。 【0005】 これらのうち、アルミニウム及び亜鉛金属粉末及びマグネシウム−鉄化合物粉末と水との反応による発熱剤はアルミニウム等の金属粉末表面で水と反応する際の反応熱を利用するものである。 【0006】 また、粉体生石灰と粉体アルミニウムと水との反応による発熱剤は、第1段階として粉体生石灰と水との反応により水酸化カルシウムを生成させ、第2段階としてこの反応熱を利用して粉体アルミニウムと水酸化カルシウムと反応させて反応熱を発生させるものである。 【0007】 即ち、このタイプの発熱剤においては、無水酸化カルシウムと水の予備反応により溶液温度を上げ、その反応により生じる反応熱及び水酸化カルシウムとアルミニウムの反応により本格的発熱をおこなうものである。 【特許文献1】特許第3467729号、米国特許登録第6200357号、欧州特許登録第1126004号、韓国特許登録第0407582号、特願平10-254402号,特願平5-209233号,特願平6-274162号,特願平5-89380号 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0008】 しかし、上述のアルミニウム、亜鉛等の金属粉末表面における発熱反応を利用する発熱剤は何れも発熱開始に長時間を要するという欠点がある。 【0009】 これは、アルミニウム、亜鉛金属粉末の表面に酸素及び水に対して比較的安定な酸化アルミニウム乃至酸化亜鉛薄膜が形成されており、これが除去され、金属粉末の表面が露呈して発熱反応を開始するのに長時間を要する。特に酸化アルミニウムは水に対する溶解度が極端に小さく、これが除去されてアルミニウム金属粉末の表面において発熱反応を開始するには相当な長時間を要するためである。 【課題を解決するための手段】 【0010】 この発明は、上記実情に鑑み、金属乃至合金粉末にソーダ石灰、酸化カルシウム又はソーダ石灰と酸化カルシウム混合物を加え、常温で攪拌して固相反応を行わせ、上記金属乃至合金粉末の表面に形成される水溶性被膜により上記金属乃至合金粉末を包接するようにした発熱剤を提案するものである。 【0011】 即ち、この発明においては上述の従来技術とは根本的に異なり、アルミニウム、亜鉛など金属粉末の表面に形成されている安定な酸化被膜とソーダ石灰又はソーダ石灰と酸化カルシウム混合物などの塩基性酸化物を常温で撹拌混合しながら表面固相反応を行い、大気中では比較的安定であるが、水により容易に溶解する水溶性被膜が形成され、これらの被膜により金属粉末が包接される。 【0012】 この場合の反応は、例えば次のように進行する。 AL2O3・AL+Na2O・CaO → 〔NaALO2+Ca(ALO2)2〕・AL 【0013】 ここで、AL2O3・ALは、アルミニウム金属粉末表面に形成されている酸化アルミニウム被膜を表し、〔NaALO2+Ca(ALO2)2〕は、反応後アルミニウム金属微粉末が〔NaALO2+Ca(ALO2)2〕薄膜に包接されている状態を表している。 【0014】 撹拌混合固相反応により生成した〔NaALO2+Ca(ALO2)2〕被膜は酸化アルミニウム 被膜とは異なり、大気中では比較的安定であるが、水により容易に溶解し、反応活性が高いアルミニウム金属表面を露出する。 【0015】 反応活性が高いこの純粋なアルミニウム金属は水と激しく反応し短時間で高熱を発生 することができ、その反応式は次のとおりである。 2〔NaALO2+Ca(ALO2)2〕・AL+3H2O → 2Na++2ALO2−+2Ca2++ALO2−+2AL+3H2O ↑ 2AL+3H2O → AL2O3+3H2 【0016】 この発明において使用できるアルミニウム乃至亜鉛金属粉末は市販の金属粉末を使用することができるが、発熱量を高めるためには好ましくは純度98%以上、粒度20μmから120μm以内のものが良い。 【0017】 即ち、従来のアルミニウム乃至亜鉛を使用した発熱剤はその表面に形成される酸化被膜が水に対して安定であり、水にぬれにくいため純度制限及び粒度制限がきびしい問題があったが、この発明では固相反応による水溶解性被膜を形成することから、アルミニウム乃至亜鉛金属粉末の純度及び粒度はそれ程重要な要素にはならない利点がある。 【0018】 また、この発明において使用するソーダ石灰、酸化カルシウム粉末は一般市販品でよく、更にアルミニウム金属粉末との表面固相反応を保障しうるものであれば、粒度を特定しなくてもよく、好ましくは純度85%以上50μm−200μmの範囲のものが実際の反応には便利である。 【0019】 また、この発明の発熱剤の基本的反応原理が金属微粉末表面を水溶性被膜で包接し、大気中での保存安全性が比較的高く且つ水との反応が短時間で起こるようにするためであり、これを満たすためには金属粉末表面に対して水溶性被膜が約0.1~1wt%である必要があり、これに基づいてソーダ石灰及びソーダ石灰−酸化カルシウムの量を化学当量的に計算し水溶性被膜を形成させることが要求される。 【0020】 なお、ソーダ石灰と酸化カルシウムの混合比は任意であるが、ソーダ石灰/酸化カルシウム=<30/70>wt%が好ましい。 【0021】 また、この発明において使用する金属粉末としてはアルミニウム粉末以外にアルミニウム合金粉末又は亜鉛粉末又は亜鉛合金粉末などを利用することができる。 【発明の効果】 【0022】 この発明の発熱剤は下記の効果を発現する。 (1)上述の粉体生石灰と水との反応熱を利用して第2段階反応として粉体アルミニウムと第1段階で生成された水酸化カルシウムと反応させて反応熱を発生させるタイプと異なり、アルミニウム金属微粉末表面に形成されている不活性アルミニウム薄膜をソーダ石灰又はソーダ石灰−酸化カルシウム混合物との撹拌固相反応により水溶性塩基性薄膜、すなわちアルミン酸ソーダ及びアルミン酸カルシウム膜を形成させ、水によりすばやく溶解させることにより水と活性金属アルミニウムとの直接反応を実現することにより瞬時に高熱を得ることができる。 【0023】 (2)従来の発熱剤に比べ水溶液中でアルミニウム金属微粉末の活性表面を短時間で形 成させることができるため、水の添加量が少なくてすみ10秒から20秒という短時間で水蒸気最高温度が98〜100℃に到達しその温度を20~30分間経持することができ、更に、水蒸気pHが7.5~8.0であり、毒性に問題がない。 【0024】 (3)この発明による発熱剤は軽量で保存安全性があり且つ発熱効果が高いことからアウトドア用加熱剤、地震などの自然災害用としての非常用加熱剤、海洋、山岳行動、スポーツ訓練などで携帯する食品に利用できる加熱剤として幅広く使用できる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0025】 アルミニウム金属微粉末にソーダ石灰、酸化カルシウム又はソーダ石灰と酸化カルシウム混合物を加え、常温で攪拌して固相反応を行わせ、上記金属微粉末の表面に形成される水溶性塩基性薄膜によりアルミニウム金属微粉末を包接するようにした発熱剤。 【実施例】 【0026】 以下本発明の実施例を説明する。なお、これは発明一実施例を示すものであり、この発 明はこの実施例に限定されるものではない。 実施例1 純度99.7%の金属アルミニウム微粉末500gにソーダ石灰22gを添加し温度20℃〜23℃の条件下撹拌固相反応を30分間行った。撹拌固相反応中、反応容器温度は反応熱により35℃〜40℃であった。 【0027】 実施例2 純度99.7%の金属アルミニウム微粉末500gにソーダ石灰−酸化カルシウム (5/95wt%)混合物30gを添加し温度23℃〜25℃の条件下撹拌固相反応を30分間行った。撹拌固相反応中、反応容器温度は40℃〜42℃であった。 【0028】 実施例3 純度98%の金属アルミニウム微粉末500gにソーダ石灰50gを添加し撹拌固相 反応を1時間行った。撹拌固相反応中反応容器温度は40℃〜45℃であった。 【0029】 実施例4 反応条件:使用アルミニウム微粉末(純度99.7%)、ソーダ石灰、酸化カルシウム(市販1級品粒度1mm)を混合比5/95wt%で攪拌混合して固相反応を行わせ、この固相反応生成物を発熱に耐える紙及び不織布製の袋(長さ150mm、幅50mm)に各々50gを秤量して充填して発熱包装剤を製造した。この発熱剤を耐熱容器に入れ、水を90mL添加したところ、10秒後に発熱反応が始まった。発生する水蒸気温度、水蒸気温度保持時間を測定した結果を表1に示す。 【0030】 【表1】
【0031】 これらの結果、アルミニウム金属微粉末とソーダ石灰及びソーダ石灰−酸化カルシウム粉末を撹拌及混合固相反応及行うことにより従来のアルミニウム加熱剤よりも発熱開始時間、水蒸気最高温度、80℃までの保持時間においてすぐれた性能を持つことが確認された。 【0032】 発生する水蒸気のpHは従来技術と異なり7.5〜8.6と低アルカリ性であり安全である。これは使用する塩基性酸化物が少ないことに起因する。
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| 【出願人】 |
【識別番号】597128288 【氏名又は名称】株式会社 オオサキ 【識別番号】505328672 【氏名又は名称】株式会社 武蔵富装 【識別番号】504420320 【氏名又は名称】コドモエナジー株式会社
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| 【出願日】 |
平成17年8月31日(2005.8.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083884 【弁理士】 【氏名又は名称】田中 昭雄
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| 【公開番号】 |
特開2007−63404(P2007−63404A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月15日(2007.3.15) |
| 【出願番号】 |
特願2005−251221(P2005−251221) |
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