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【発明の名称】 ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料、その製造方法、耐火材料としての使用方法及び防火障壁への使用方法
【発明者】 【氏名】アルネ ラインハイマー
【氏名】アンジェ ヴェンゼル
【氏名】フェンジ ガオ
【氏名】ユエン チンチュン
【課題】火災の際に、密封性と安定性に優れた灰殻構造に変化し、いずれの従来技術の材料よりも明白に優れた複合材料を提供する。

【解決手段】ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料あるいはナノコンポジットは、拡張形態時にポリウレタンマトリクスに含まれるグラファイト酸化物を含有し、場合によっては、拡張形態の層状ケイ酸塩をさらに含有する。この複合材料の製造方法の特徴は、少なくとも1種類のポリオールまたはポリイソシアネートを、グラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩にインタカレートし、続いて、得られたグラファイト酸化物−インタカレーション複合物および場合により層状ケイ酸塩−インタカレーション複合物を、少なくとも1種類のポリイソシアネートまたはポリオールと混合してポリウレタンを生成することにある。この複合材料は、防火材料として、建築物の壁、床・天井の開口部・貫通部の防火障壁のために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
拡張形態時にポリウレタンマトリクスに含まれるグラファイト酸化物を含有することを特徴とするポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項2】
前記グラファイト酸化物は、ポリウレタンマトリクスの内部に無秩序に分散するグラファイト酸化物層構造(薄層構造)の形態、および/または層間にポリウレタンマトリクス材料がインタカレートされ、方向の揃ったグラファイト酸化物−多層構造(インタカレート構造)の形態であるナノコンポジットとして、ポリウレタンマトリクスに含まれることを特徴とする請求項1に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項3】
前記グラファイト酸化物がインタカレート構造を有する場合に、グラファイト酸化物層の層間距離は、0.7nm〜400nm、好適には0.9nm〜200nmであり、ポリウレタンマトリクスに含まれることを特徴とする請求項2に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項4】
インタカレート構造または薄層構造を有するグラファイト酸化物の層間距離は、元のグラファイト酸化物の層間距離よりも、100%以上大きいことを特徴とする請求項2または3に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項5】
複合材料に含まれるグラファイト酸化物粒子の平均粒径が、0.2μm〜150μm、好適には、2μm〜100μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項6】
ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の総重量に対して、0.1〜30重量%、好適には0.5〜10重量%のグラファイト酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項7】
必要に応じて修飾した層状ケイ酸塩をさらに含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項8】
層状ケイ酸塩として、2:1−フィロケイ酸塩を含み、好適には、モンモリロナイト、ヘクトライトおよび/またはサポナイトを含むことを特徴とする請求項7に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項9】
前記層状ケイ酸塩が、ポリウレタンマトリクスの内部で無秩序に分散するケイ酸塩層構造(薄層構造)の形態および/または、層間にポリウレタンマトリクス材料がインタカレートされ、方向の揃った層状ケイ酸塩−多層構造(インタカレート構造)の形態であるナノコンポジットとして、前記グラファイト酸化物と共にポリウレタンマトリクスに含まれることを特徴とする請求項7また8に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項10】
前記層状ケイ酸塩がインタカレート構造を有する場合に、ケイ酸塩層の層間距離は0.7nm〜400nm、好適には0.9nm〜200nmであり、ポリウレタンマトリクスに含まれることを特徴とする請求項9に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項11】
インタカレート構造もしくは薄層構造を有する層状ケイ酸塩の層間距離は、元の層状ケイ酸塩の層間距離よりも、100%以上大きいことを特徴とする請求項10に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項12】
複合材料に含まれる層状ケイ酸塩粒子の平均的なサイズは、0.2μm〜150μm、好適には2μm〜100μmであることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項13】
ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の総重量に対して、0.1〜30重量%、好適には0.5〜10重量%の層状ケイ酸塩を含み、複合材料に含まれるグラファイト酸化物および層状ケイ酸塩の総重量が、0.1〜30重量%、好適には0.5〜10重量%であることを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項14】
グラファイト酸化物および層状ケイ酸塩の重量比が10:1〜1:10、好適には5:1〜1:5であることを特徴とする請求項7〜13のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項15】
インタカレート状態でグラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩に含まれる少なくとも1種類のポリオールの、少なくとも1種類のポリイソシアネートとのその場重合、または、インタカレート状態でグラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩に含まれる少なくとも1種類のポリイソシアネートの、少なくとも1種類のポリオールとのその場重合によって得られることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項16】
硬質、軟質または弾性の、非発泡、発泡可能または発泡ポリウレタン系の形態であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項17】
ポリウレタン系が、場合により発泡性の被覆、場合により発泡可能なおよび場合により硬化可能な成形材料、硬化可能な予備成形物、発泡性の成形材料、発泡性の予備成形物、または一液型もしくは二液型その場発泡系であることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の製造方法において、
少なくとも1種類のポリオールを、グラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩にインタカレートし、続いて、得られたグラファイト酸化物−インタカレーション複合物および場合により層状ケイ酸塩−インタカレーション複合物を、少なくとも1種類のポリイソシアネートと混合してポリウレタンを生成し、
または、少なくとも1種類のポリイソシアネートを、グラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩にインタカレートし、続いて、得られたグラファイト酸化物−インタカレーション複合物および場合により層状ケイ酸塩−インタカレーション複合物を、少なくとも1種類のポリオールと混合してポリウレタンを生成することを特徴とする方法。
【請求項19】
グラファイト酸化物および層状ケイ酸塩の粒子の平均粒径が、0.2μm〜150μmであり、好適には、2μm〜100μmであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1種類のポリオールがインタカレーションされる前のグラファイト酸化物を、第4級アンモニウム塩および/または陽イオン界面活性剤、好適には臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)によって処理することによって、グラファイト酸化物の極性を変化させることを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
少なくとも1種類のポリオールがインタカレーションされる前のグラファイト酸化物を、蒸留水によってpH値が6〜8、好適には7になるまで洗浄することを特徴とする請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
ポリオールのポリイソシアネートとの反応のための1種類以上の触媒、および、場合によっては、少なくとも1種類の化学的もしくは物理的な促進手段、防火添加剤、有機防火手段、並びに通常の充填剤、助剤および/または添加剤を一般的な分量だけ添加してポリウレタン合成反応を起こすことを特徴とする請求項18〜21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
請求項1〜17のいずれか一項に記載のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料を、防火材料として、建築物の壁、床および/または天井の開口部および/または貫通部の防火障壁のために使用すること。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料、その製造方法、耐火材料としての使用方法並びに建築物の壁、床及び/または天井の開口部及び/または貫通部の防火障壁への使用方法に関する。また、本発明のポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料は、グラファイト酸化物の結晶層の間にポリウレタンを挟んだ構造を有し、グラファイト酸化物の層間にポリウレタンを挿入する、すなわちインタカレーションすることにより層間距離を拡大し0.7〜400ナノメートルの領域としたものであることから、ポリウレタン−グラファイト酸化物ナノコンポジットともいう。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂、特には合成樹脂成形体、中でも合成樹脂発泡体から作られた合成樹脂成形体は、火災時に、溶解したり変形したり温度・火炎の作用によって分解して崩れてしまうため、形が大きく変化することが避けられない。このことは、特に、合成樹脂及び合成樹脂成形体が、耐火性組成物としてあるいは防火剤として壁、床及び/又は天井における開口部、貫通部、パイプ貫入部、ケーブル貫入部及びその他の穴の隔壁として設置される場合に問題となる。
【0003】
このような合成樹脂及び合成樹脂成形体の耐火性能の持続時間を向上するため、合成樹脂材料中に、火炎防止剤、耐火材、アブレーション充填剤、ガラス化及びセラミック化する充填剤、固化、炭酸化及び拡張化する系を添加するのが一般的である(添加耐火性)。別の可能性として、特定の、耐火性能の持続時間を向上させる成分を直接ポリマーに組み込み、かかる成分を合成樹脂材料に結合させる方法がある(反応耐火性)。
【0004】
これらの添加剤の添加又は組み込みは、合成樹脂及び合成樹脂成形体の燃焼によって生じる炭化した灰殻が、燃焼域において、熱伝達、透過性、熱分解断片及び/または燃料の生成に対する物理的障害として作用するという結果をもたらす。かなり一般的に言えば、合成樹脂又は合成樹脂成形体の燃焼時において、炭素の収量が多いと、残っているポリマーの燃焼性が阻害されることがわかった。それゆえ、耐火性の有効度の判断においては、一般的に、生成される灰殻の量及び厚さが重要なパラメータとして評価されることになる。
【0005】
消極的防火のためには、これら量的な効果のほかに、特に灰殻のガス透過性、蒸気透過性、反応性及び特に安定性が重要である。
【0006】
上述したような、合成樹脂中に所望の効果を有する添加剤を添加したりまたは結合させたりする可能性に加えて、耐火分野の研究開発の領域においては、最近、いわゆるナノコンポジット、すなわち複合材料の導入の可能性が論じられている。この方法では、ポリマーの網目構造中に、ナノメートル域の粒径を有する活性物質微粒子が存在する。
【0007】
ポリマーナノコンポジットの研究活動は、ポリアミド−6を用いて日本で得られた結果に基づき、特に90年代に世界的に重点的になされたが、そこでは、従来の充填剤では実現できなかった性能の向上や異なる性能の組み合わせ、例えば粘性の維持による強度および剛性の向上及びポリマー構造の光学的透過性の向上を実現するという目標を追求している。一例として、陽イオン交換モンモリロナイト存在下でのε−カプロラクタムの開環重合によって、ポリアミド−6/層状ケイ酸塩ナノコンポジットが得られている。
【0008】
これらの方法では、ポリマーの網目構造の中に偶然分散されたケイ酸塩層(薄層構造)か、向きのよく揃ったケイ酸塩の多層構造で、各層間距離が数ナノメートルのもの(インタカレーション構造)のいずれかが、ポリアミド/層状ケイ酸塩ナノコンポジットとともに生成する。従ってポリマーは、ケイ酸塩層の間に挟みこまれる。この際に生じる層状ケイ酸塩の層の明瞭な隙間によって、その有効表面積はきわめて増大し、ポリマー構造の充填剤含有量を大幅に減らすことができる。このように、ポリマー/層状ケイ酸塩ナノコンポジットは、充填剤による処理をしていた従来のポリマーと比べて、より優れた機械的性質を示す。
【0009】
このようなポリマー/層状ケイ酸塩ナノコンポジットの製造、性質および用途は、例えば非特許文献1に記載されている。ここでは層状ケイ酸塩、とくにモンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイトのような2:1−フィロケイ酸塩系ナノコンポジットが扱われている。ポリマーとしては、熱可塑性、熱硬化性、および高分子弾性体の合成樹脂材料、特にポリメタクリル酸メチル、ポリアミド、ポリスチロール、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ樹脂、ゴム−エポキシ樹脂材料、弾性ポリウレタンなどが使用できる。層状ケイ酸塩とポリマーとの相互作用によって、様々なタイプの複合材料を生成することが可能である。ポリマーがケイ酸塩層の間に貫入するという状態にない場合、層状ケイ酸塩は、分離相の形態で複合材料中に存在する。ポリマー材料が層状ケイ酸塩の層間に貫入する場合、インタカレーション構造が生じ、ここにおいては単一の又はある場合には複数のポリマー層がケイ酸塩層間に存在し、それらはポリマーと層状ケイ酸塩の交互層を有するよく揃った多層配列の形ではめ込まれている。層状ケイ酸塩のケイ酸塩層が完全に分離し、連続的なポリマー構造中に一様分散すると、薄層構造又は離脱性構造が現れる。
【0010】
この文献においては、更に、このようなポリマー/層状ケイ酸塩ナノコンポジットがより優れた機械的及び熱的性質を示すことが説明され、これらナノコンポジットが単に優れた熱安定性を有するだけでなく、絶縁性及び不燃性の灰殻を形成することによって、比較的小さな充填剤含有量で好ましい耐火機能をもたらすことが示されている。
【0011】
一方、ポリスチロール、ポリビニルアルコール又はポリメタクリル酸ビニルなどのポリマーをグラファイト又はグラファイト酸化物の層の間に積層し、この方法によりポリマー/グラファイト又はグラファイト酸化物ナノコンポジットが得ることができ、これは着火性が非常に低くかつ機械的性能も良好であることが知られている(非特許文献2〜5を参照)。
【0012】
ポリマー/層状ケイ酸塩ナノコンポジットの場合と同様に、これらポリマー/グラファイトナノコンポジットも、層状ケイ酸塩グラファイト又はグラファイト酸化物インタカレーション結合の形成下で、重合可能なモノマーをインタカレーション結合として層状ケイ酸塩又はグラファイト若しくはグラファイト酸化物の中に取り込むという方法で製造され、これらの方法で生成するインタカレーション結合は、より一般的な方法におけるモノマーのその場重合に必要な重合条件を受ける。
【0013】
火災時において、このようなポリマー/層状ケイ酸塩ナノコンポジットは、ポリマー表面におけるポリマー燃焼時に、層状ケイ酸塩の遮蔽層が形成され、残された材料の熱安定性を総合的に有意に高める。
【0014】
この効果は、主に、発熱と、燃焼に必要な酸素の供給と、表面において再度燃焼を促進する熱分解物質の表出とが、材料に含まれるケイ酸塩層が作る迷路状の入出路によって、明瞭に阻害されるという理由による。それゆえ、このような系を防火に用いることは、熱による遊離の最大量をより小さくするという観点から適切である。しかし、このような、層状ケイ酸塩/ポリマーナノコンポジットそれ自体では、UL−94フレームクラスVOに適合しない。
【0015】
【非特許文献1】M.アレクサンダーら、Materials Science and Engineering, 28 (2000), pp. 1-63
【非特許文献2】P.シャオら、Polymer 42 (2001), pp. 4813-4816
【非特許文献3】F.M.ウールら、Polymer Degradation and Stability 76 (2002), pp. 111-122
【非特許文献4】J.シューら、Polymer Degradation and Stability 73 (2001), pp. 29-31
【非特許文献5】G.G.チェンら、Journal of Applied Polymer Science, Vol. 82 (2001), pp. 2506-2513
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
冒頭で述べた技術分野にかかる記述から、ポリマー/層状ケイ酸塩もしくはポリマー/グラファイトナノコンポジットは、主に、燃焼時にそこから生成される灰殻の質的および量的な改善によって、防火作用を改善することを目標としていることは明らかであるが、このような複合材用が、目標とされ、かつ必要な防火もしくは防火作用を達成するのに、充分に有効であることは示されていない。特に、ナノコンポジットを再現可能に適切に生成するのに必要な天然の層状ケイ酸塩の構造は、層状ケイ酸塩のタイプ、および鉱床もしくは納入元によって異なるので、要求水準を満たし、かつ一様な防火性を有する防火材料を、品質を維持しつつ生産することは困難である。
【0017】
本発明の課題は、前記したような種類のポリマー/グラファイト複合材料のうち、火災の際に、密封性と安定性に優れた灰殻構造に変化し、いずれの従来技術の材料よりも明白に優れた複合材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記の課題は、拡張形態のグラファイト酸化物をポリウレタンマトリクス(網目構造)に含むポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料を用いることによって解決される。
【0019】
従来、グラファイト酸化物に含まれる酸素基および反応中心が、ポリウレタンの生成のために必要なポリイソシアネートと反応を起こすと考えられおり、その結果、所期した特性を有するポリウレタンを意図したように製造するには、不十分な結合または反応相手の早期反応のために問題が生じると考えられていたので、上記の手段は、まったく予期されていなかった。ポリウレタンは、予め製造された成形材料から発泡体のその場生成まで、多様な利用が可能であることから、消極的防火用製品として非常に魅力的ではあったが、ポリウレタンの生成の化学的性質から、このようなポリマー類を用いた製品が知られていなかったことは、明らかである。
【0020】
それゆえ、本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載したような、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料を提供する。また、かかる複合材料の好適な実施態様、この複合材料を製造する方法、及びその使用方法についても提供する。
【0021】
すなわち、本発明は、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料すなわちポリウレタン−グラファイト酸化物ナノコンポジットにおいて、拡張形態時にポリウレタンマトリクスに含まれるグラファイト酸化物を含有することにある。ポリウレタンマトリクスは、通常の、硬質、軟質または弾性ポリウレタンであって、発泡体、非発泡体または発泡可能なものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
グラファイト酸化物は、拡張形態でこのポリウレタンマトリクスに含まれ、拡張形態とは、ポリウレタンマトリックスがグラファイト酸化物層の間にも含まれることによって、グラファイト酸化物層の結晶格子の層間距離が、原材料と比較してより広くなっている形態を意味する。それゆえ、好適には、グラファイト酸化物は、ポリウレタンマトリクスの内部に無秩序に分散するグラファイト酸化物層構造(薄層構造)の形態、および/または層間にポリウレタンマトリクス材料がインタカレートされ、方向の揃ったグラファイト酸化物−多層構造(インタカレート構造)の形態であるナノコンポジットとして、ポリウレタンマトリクスに含まれる。本発明による好適な変更例では、グラファイト酸化物がインタカレート構造でポリウレタンマトリクスに含まれる場合、グラファイト酸化物層の層間距離は、0.7nm〜400nm、好適には0.9nm〜200nmである。参考として記載すると、グラファイト層の層間距離は、原材料の場合0.3nmである。本発明における、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の製造に用いられる好適なグラファイト酸化物の場合、個々のグラファイト層の間の層間距離は、約0.77nmである。
【0023】
本発明の好適な実施態様によると、インタカレート構造または薄層構造を有するグラファイト酸化物の層間距離は、元のグラファイト酸化物の層間距離よりも、100%以上大きい。
【0024】
複合材料に含まれるグラファイト酸化物粒子の平均粒径は、0.2μm〜150μm、好適には、2μm〜100μmであり、本発明による出発材料として用いられるグラファイト酸化物を合成する際、酸化処理および加工処理で層間距離を拡大した後、中性のpH値になるまで洗浄すると、凝集体が形成される。この凝集体は、粒径が150μmまで大きくなりうるが、約2μmの大きさで粒径の揃ったグラファイト酸化物粒子から構成されている。しかし、次段階の本発明による複合材料の製造に用いられる凝集体は、合成条件、すなわち超音波浴処理の際に、機械的な作用を受け、再度小さな粒子に分割されうるので、粒径の分布範囲は、比較的大きくなる。
【0025】
好適には、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材は、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の総重量に対して、0.1〜30重量%、好適には0.5〜10重量%のグラファイト酸化物を含む。
【0026】
好適な実施態様によれば、本発明によるポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料は、層状ケイ酸塩をさらに含み、好適には2:1−フィロケイ酸塩、特にモンモリロナイト、ヘクトライトおよび/またはサポナイトを含み、該層状ケイ酸塩は、非修飾状態または修飾状態でありうる。このような複合材料の場合であっても、層状ケイ酸塩は、好適には、ポリウレタンマトリクスの内部で無秩序に分散するケイ酸塩層構造(薄層構造)の形態および/または、層間にポリウレタンマトリクス材料がインタカレートされ、方向の揃った層状ケイ酸塩−多層構造(インタカレート構造)の形態であるナノコンポジットとして、前記グラファイト酸化物と共にポリウレタンマトリクスに含まれる。層状ケイ酸塩がインタカレート構造を有する場合に、好適には、ケイ酸塩層の層間距離は0.7nm〜400nm、さらに好適には0.9nm〜200nmである。インタカレート構造もしくは薄層構造を有する層状ケイ酸塩の層間距離が、元の層状ケイ酸塩の層間距離よりも100%以上大きいと、好適である。
【0027】
複合材料に含まれる層状ケイ酸塩粒子の平均的なサイズは、0.2μm〜150μmであり、好適には2μm〜100μmである。このような場合でも、層状ケイ酸塩は凝集体の形態で存在することができ、この凝集体は、インタカレーション処理の際に、凝集体を形成する小さな個別粒子が形成されるのと同時に、非凝集化される。
【0028】
本発明の好適な実施態様によると、本発明による複合材料が、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の総重量に対して、0.1〜30重量%、好適には0.5〜10重量%の層状ケイ酸塩を含み、複合材料に含まれるグラファイト酸化物および層状ケイ酸塩の総重量が、0.1〜30重量%、好適には0.5〜10重量%であると好ましい。グラファイト酸化物および層状ケイ酸塩の重量比が10:1〜1:10、好適には5:1〜1:5であると好ましい。
【0029】
本発明によるポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料は、好適には、インタカレート状態でグラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩に含まれる少なくとも1種類のポリオールの、少なくとも1種類のポリイソシアネートとのその場重合、または、インタカレート状態でグラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩に含まれる少なくとも1種類のポリイソシアネートの、少なくとも1種類のポリオールとのその場重合によって得られる。
【0030】
本発明によるポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料は、硬質、軟質または弾性の、非発泡、発泡可能または発泡ポリウレタン系の形態であることができ、例えば、発泡性の被覆、場合により発泡可能なおよび場合により硬化可能な成形材料、硬化可能な予備成形物、発泡性の成形材料、発泡性の予備成形物、または一液型もしくは二液型その場発泡系である。
【0031】
本発明は、上述したポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料の製造方法をさらに提供しする。この方法の特徴は、少なくとも1種類のポリオールを、グラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩にインタカレートし、続いて、得られたグラファイト酸化物−インタカレーション複合物および場合により層状ケイ酸塩−インタカレーション複合物を、少なくとも1種類のポリイソシアネートと混合してポリウレタンを生成すること、または、少なくとも1種類のポリイソシアネートを、グラファイト酸化物および場合により層状ケイ酸塩にインタカレートし、続いて、得られたグラファイト酸化物−インタカレーション複合物および場合により層状ケイ酸塩−インタカレーション複合物を、少なくとも1種類のポリオールと混合してポリウレタンを生成することにある。この方法において、平均粒径が、0.2μm〜150μm、好適には、2μm〜100μmであるグラファイト酸化物および場合によって層状ケイ酸塩を用いる。
【0032】
本発明のさらなる好適な実施態様によれば、少なくとも1種類のポリオールがインタカレーションされる前のグラファイト酸化物を、第4級アンモニウム塩および/または陽イオン界面活性剤、好適には臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)によって処理することによって、グラファイト酸化物の極性を変化させ、または、グラファイト酸化物層の層間距離もしくは層状ケイ酸塩の層間距離を拡張する。
【0033】
本発明において用いられるグラファイト酸化物は、当業者には公知である。その生成方法は、硫酸−硝酸混合液の中でグラファイトを塩化カリウムによって酸化することよって得られ、この方法は、例えば、Roempp-Lexikon Chemie, 10th ed. Vol. 2 (1997), p. 1602に記載されている。好適には、それ自体公知の方法に従って、グラファイトを酸化手段、例えば過マンガン酸カリウムと混合することにより、グラファイト酸化物を得る。少なくとも1種類のポリオールまたはポリウレタンをインタカレーションするのに先立ち、グラファイト酸化物を、好適には蒸留水によってpH値が6から8、好適には7になるまで洗浄する。
【0034】
ポリウレタンマトリクスの形成のために、通常、ポリオール、ポリイソシアネートおよびポリオール生成反応のための触媒が用いられる。例えば、OH基数が30から1000、好適には500から1000であって、分子ごとの平均塩基価数が2から7、好適には2から4のポリエーテルポリオールおよび/またはポリエステルポリオールを用いることができ、または、OH基数が30から1000、好適には100から300であって、分子ごとの平均塩基価数が2から7、好適には3から5のアミノポリエーテルポリオールおよび/またはリン酸エステルを主成分とするポリオールを用いることができる。
【0035】
ポリイソシアネートとして、NCO含有量が5から55%、好適には20から50%であって、分子ごとの平均NCO基数が2から5、好適には2から4であるポリイソシアネートを用いることが好ましい。特に好適なポリイソシアネートは、メチレンジフェニルジイソシアネートを主成分とするもの、および/またはその高分子同族体である。ポリウレタン発泡体を生成する場合、好適には、所望の発泡密度をもつポリウレタン発泡体が生成される分量の水を添加し、または物理的な促進手段を適用する。ポリオールとポリイソシアネートの反応の触媒として、好適には、ポリイソシアヌレート類の生成によってポリウレタン合成反応を促進し(切断触媒)、および場合によってポリウレタン類および/またはポリウレア類を形成する触媒の混合物を用いる。ポリイソシアヌレート類、ポリウレタン類およびポリウレア類の形成を促進するこのような触媒は、当業者の間で公知である。好適には、有機酸および/または無機酸の金属塩、例えば、カルボン酸(例えば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、アジピン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、オクチル酸カリウム)のジアルカリ金属塩もしくは稀アルカリ金属塩、またはスズ塩(例えばオクチル酸スズ、オクチル酸鉛)、または脂肪族および芳香族アミン、好適には第三アミン(例えば2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエチルアミン、N−エチルモルフォリン、M−メチルモルフォリン、テトラメチルイミノビスプロピルアミンおよびその等価物)を用いる。反応混合物には、さらに、防火手段および加熱すると体積が膨張する拡張材料、並びに充填剤、気泡安定剤、着色剤、および公知の助剤を含めることができる。ポリウレタンマトリクスの形成に必要な材料の添加方法および添加量に関しては、独国特許第19860339号明細書の開示内容を参照されたい。
【0036】
本発明のさらなる対象は、上記で説明したポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料を、防火材料として、建築物の壁、床および/または天井の開口部および/または貫通部の防火障壁のために使用することにある。さらに、このポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料を、予め生成し、適切に加工して所望の形状にすることもできるし、材料を現場で、好適には現場発泡体として、封鎖されるべき開口部の内部で発泡させることができる。この場合、ポリオール成分あるいはポリイソシアネート成分を、別々の容器、好適には二成分用容器に入れ、この容器から、必要な粘性を有する材料を、機械的な力の作用または促進手段の添加によって、混合ノズルを介して封鎖されるべき開口部に押し出す。その後、その場で発泡させ、本発明によるポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料を生成する。
【0037】
しかし、驚くべきことには、インタカレート構造のグラファイト酸化物に含まれるポリオール又はポリイソシアネートをその場重合する場合の出発材料として、グラファイト酸化物を用いることによって、ポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料あるいはナノコンポジットを得ることができる。この材料は、従来のポリマー/層状ケイ酸塩ナノコンポジットあるいはポリマー/グラファイト酸化物ナノコンポジットから得られる灰殻と比較して、顕著に高い機械特性および温度安定性を有する灰殻を形成するので、予期されなかったほど優れた防火特性を有する。
【0038】
以下の実施例により、本発明についてさらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0039】
グラファイト酸化物の生成
撹拌機に装着し、氷浴につけた丸底フラスコに、10gのグラファイト粉と230mlの濃硫酸とを入れる。強く撹拌しながら、30gの過マンガン酸カリウムを少しずつ加える。この際、反応温度が10℃を超えないようにする。続いて、反応混合液を35℃で30分間撹拌する。その後、460mlの蒸留水を加え、温度を約98℃まで上げ、さらに15分間この温度に保つ。その後、250mlの蒸留水および濃度30%の過酸化水素水を加えることによって、過マンガン酸カリウムを中和する。このようにして得られた生成物をろ過し、濃度5%の塩酸で硫酸塩を洗い流し、蒸留水で洗浄し、続いて真空下50℃で乾燥させ、所望のグラファイト酸化物粉を得る(粒径分布の最大値を2μm未満にする)。
【実施例2】
【0040】
ポリウレタン発泡体−グラファイト酸化物複合材料(ナノコンポジット)の生成
0.15gの実施例1で合成されたグラファイト酸化物と、0.15gの水と、5gのポリエチレングリコール(分子量300)と、5mgの1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタンとを混合し、混合物を30分間超音波浴処理する。このような処理によって、ポリエチレングリコールが、格子層の拡張もしくは拡開によって、グラファイト酸化物にインタカレーションされ、すなわち、格子層の間に挿入される。続いて、反応混合物を、4.67gのトリレンジイソシアネート(TDI)と混合し、ポリウレタン発泡体−グラファイト酸化物複合材を得る。得られたポリウレタン発泡体−グラファイト酸化物複合材料のデュロメータ硬度は88である。
【0041】
これに比べ、グラファイト酸化物を用いないことを除いて同様の方法で生成したポリウレタン発泡体のデュロメータ硬度は72に過ぎない。
【0042】
拡張形態のグラファイト酸化物ではなく、単なる混合形態のものを含有する、同様の方法で合成したポリウレタン発泡体のデュロメータ硬度は68に過ぎない。このような比較材料は、上述の方法によって生成されるが、グラファイト酸化物の代わりにグラファイトを使用しており、それゆえ、層間距離が狭すぎ、かつグラファイトが極性を有するので、グラファイト層の間でポリオールのインタカレーションが発生せず、従って、ナノコンポジットが形成されない。
【0043】
前記のデュロメータ硬度は、加硫ゴム、合成樹脂および他の非金属に関する硬度の標準的な指標である。デュロメータ硬度は、ASTM規格D2240によって定められている。前記の実施例では、デュロメータ硬度は、一般的なデュロメータ(REXデュロメータ モデル1600、タイプOOショア硬度計)によって測定された。このデュロメータは、ばね荷重を加えた半球状の押針(直径2.4mm、長さ2.7mm)を有し、押針の、検査されるべき試験体への押込み深さの程度に応じて、デュロメータ硬度を算出する。
【0044】
無次元単位であるデュロメータ硬度は、0から100の間の値をとり、100という数値は、試験体への押針の押込み深さが0であることを意味する。
【0045】
燃焼によって形成される灰殻の安定性に関して、上述の方法によって得られた複合材料を試験した。さらに、およそ2×2×6cmの寸法の目視可能な試験体を、1分間片面からブンゼンバーナによって延焼させ、灰が燃え尽きないことを確認した。デュロメータ硬度は上述の方法によって測定した。元の複合材料および燃焼時に生じる灰殻のデュロメータ硬度の算出値を、以下の表1に整理した。
【0046】
【表1】


【0047】
表1から、元の複合材料(出発材料)の状態では、本発明の複合材料が若干高いデュロメータ硬度を有しているが、灰殻状態では、本発明の複合材料がデュロメータ硬度42というはるかに高い安定性を有し、一方、比較品は、デュロメータ硬度が0であり、防火目的に求められる硬度を有しないことは、明らかであろう。
【実施例3】
【0048】
ポリウレタン発泡体−グラファイト酸化物+層状ケイ酸塩−複合材料(ナノコンポジット)の生成
0.075gの実施例1で合成されたグラファイト酸化物と、0.075gのナトリウム−モンモリロナイトと、0.15の水と、5gのポリエチレングリコール(分子量300)と、5mgの1,4−ジアザビシクロ[2.2.2.]オクタンとを混合し、混合物を30分間超音波浴処理する。このような処理によって、ポリエチレングリコールが、グラファイト酸化物およびナトリウム−モンモリロナイトの格子層の拡張もしくは拡開によってインタカレーションされ、すなわち、格子層の間に挿入される。さらに、4.67gのトリレンジイソシアネート(TDI)と混合することによって重縮合反応を作用させ、所望のポリウレタン発泡体−グラファイト酸化物+層状ケイ酸塩−複合材料(ナノコンポジット)を合成する。
【0049】
上記のようにして得られた、グラファイト酸化物およびモンモリロナイト(1:1)を含むポリウレタン複合材料の熱重量分析(TGA)を行うと、900℃における出発材料の残灰率は17.3重量%である。
【0050】
同様にして生成されているが、総重量0.15gのモンモリロナイトのみを含むポリウレタン−ナノコンポジットの熱重量分析を行うと、900℃における残灰率は12.7重量%にすぎない。
【0051】
以下の表2には、実施例2に記述した方法で決定されるデュロメータ硬度を記載する。
【0052】
【表2】


【0053】
熱重量測定を行った場合、試料の重量損失は、温度又は時間の関数になる。測定のために、試料をアルミナ坩堝に入れ、熱重量分析装置の天秤部にのせる。この天秤部は、装置に組み込まれた加熱炉の内部におかれ、この加熱炉は、動的または等温温度制御プログラムによって制御される。今回は動的な方法を適用し、加熱速度を毎分10℃とし、温度領域を25℃から1100℃とした。分析気体として合成空気を用い、毎分50mlの流量とした。試験容器として用いた、容量が150μlのアルミナ坩堝に、固形量で10から30mgの試料を入れる。
【0054】
実施例2および実施例3の生成物について、上記の熱重量分析を行った場合の残存率を、以下の表3に共に示す。
【0055】
【表3】


【0056】
上記の表3から明らかなように、可燃材料は完全に燃え尽きてしまうので、グラファイトまたはグラファイト酸化物を含むポリウレタン−発泡体について、900℃で熱重量分析を行うと、残存物がまったく残らない。ポリウレタン発泡体複合材料に、層状ケイ酸塩、すなわちモンモリロナイトを含めると、熱重量分析時の残留率が明瞭に改善する。予期されなかったことには、グラファイト酸化物およびモンモリロナイトをポリウレタン発泡体複合材料に含めるという本発明の組み合わせは、熱重量分析時の灰残率に相乗的な改善効果をもたらし、実施例3の材料は、防火材料として、防火障壁に用いるという所望の使用目的に、非常によく適合する。
【0057】
上記の表1から3より分かるように、本発明によるポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料に、燃焼時に非常に良い性質を示す灰殻を有する生成物が含まれ、グラファイト酸化物のみならず、モンモリロナイト、すなわち層状ケイ酸塩をも含む本発明による複合材料の場合、熱重量分析時の灰残率が相乗的に改善する。
【0058】
上記の実施例および比較例によって、燃焼時に灰殻が形成されず、単に溶解し燃焼する純粋なポリウレタン発泡体とは異なり、本発明によるポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料は、充分な硬さを有する相対的に安定した灰殻を形成し、それゆえ、防火材としての使用にきわめて適していることが分かる。好適な実施態様では、この純粋なポリウレタン−グラファイト酸化物複合材料に層状ケイ酸塩を添加し、この層状ケイ酸塩により、ポリウレタンマトリクスが、層状ケイ酸の層間およびグラファイト酸化物の層間に挿入され、形成される灰殻の耐炎性が、相乗的に改善する。
【出願人】 【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【出願日】 平成18年6月27日(2006.6.27)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也
【公開番号】 特開2007−9205(P2007−9205A)
【公開日】 平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願番号】 特願2006−176425(P2006−176425)