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【発明の名称】 ポリウレタンフォーム及びその製造方法並びにその材料
【発明者】 【氏名】筒井 良治

【要約】 【課題】材料の流動性を維持しつつ、脱型時間を短縮する。

【解決手段】ポリオール成分とイソシアネート成分とからなり、ポリオール成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対し、(a)トリエチレンジアミン33質量%とジプロピレングリコール67質量%とからなるトリエチレンジアミン触媒1〜4質量部と、(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒0.25〜12質量部とを含み、且つ(b)/(a)質量比率が0.25〜3であるポリウレタンフォーム材料である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)トリエチレンジアミン触媒と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒と
を含むポリウレタンフォーム材料。
【請求項2】
ポリオール成分とイソシアネート成分とからなり、
ポリオール成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対し、
(a)トリエチレンジアミン33質量%とジプロピレングリコール67質量%とからなるトリエチレンジアミン触媒1〜4質量部と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒0.25〜12質量部と
を含み、且つ(b)/(a)質量比率が0.25〜3であるポリウレタンフォーム材料。
【請求項3】
(a)トリエチレンジアミン触媒と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒と
の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させるポリウレタンフォームの製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の材料を用いて製造されたポリウレタンフォーム。
【請求項5】
請求項3記載の製造方法により製造されたポリウレタンフォーム。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリウレタンフォーム及びその製造方法並びにその材料に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリウレタンフォームの一例であるステアリングホイールのポリウレタンフォーム被覆を製造する場合、ポリウレタンフォーム材料を、型に注入し、発泡させてリング状のキャビティ内に充満させ、ウレタン反応による硬化後に脱型する。この注入から脱型までの時間(脱型時間)を十分に取らずに脱型すると、脱型時にポリウレタンフォーム被覆が変形する、脱型後にポリウレタンフォーム被覆が膨らんで寸法安定性に欠ける、等の問題が生じる。一方、脱型時間を十分に取ると、生産性(製造効率)が低下する。
【0003】
この問題の合理的な解決法は、ウレタン反応による硬化を触媒により促進して、脱型時間を短縮することである。従来より、ウレタン用の触媒には種々のものが知られており、二種の触媒を併用することも提案されている。例えば、特許文献1には、主触媒としてトリエチレンジアミン、副触媒として有機スズ系を使用したウレタン材料が記載されている。また、特許文献2には、(CHN(CHOH (pは4〜9の整数)で表される化合物と、HO−[R−N(R )]n−R−OHで表される化合物とを含有する触媒の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させるポリウレタンフォームの製造方法が記載されている。
【特許文献1】特開2003−327648号公報
【特許文献2】特開2005−29658号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、特許文献1のトリエチレンジアミンと有機スズ系との併用触媒では、脱型時間を短縮することができる反面、材料の流動性が低下するため、ポリウレタンフォーム被覆のように細長いリング状のキャビティ内に充満させて均質な製品を得ることは難しいという問題があった。また、特許文献2の併用触媒は、アミン系触媒に基づくVOCの発生量を低減し、フォギングを発生させがたくすることを主目的とするものである。
【0005】
本発明の目的は、上記課題を解決し、材料の流動性を維持しつつ、脱型時間を短縮することができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は次の手段[1]〜[5]を採ったものである。
[1](a)トリエチレンジアミン触媒と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒と
を含むポリウレタンフォーム材料。
【0007】
[2]ポリオール成分とイソシアネート成分とからなり、
ポリオール成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対し、
(a)トリエチレンジアミン33質量%とジプロピレングリコール67質量%とからなるトリエチレンジアミン触媒1〜4質量部と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒0.25〜12質量部と
を含み、且つ(b)/(a)質量比率が0.25〜3であるポリウレタンフォーム材料。
【0008】
[3](a)トリエチレンジアミン触媒と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒と
の存在下で、ポリオール成分とイソシアネート成分とを反応させるポリウレタンフォームの製造方法。
【0009】
[4]前記[1]又は[2]の材料を用いて製造されたポリウレタンフォーム。
【0010】
[5]前記[3]の製造方法により製造されたポリウレタンフォーム。
【0011】
これらの手段において、次の態様を例示できる。
【0012】
(a)トリエチレンジアミン触媒
広く使用されているトリエチレンジアミン33質量%とジプロピレングリコ−ル67質量%とからなる触媒を好ましく例示でき、その市販品としては、三共エア−プロダクツ社製、商品名:DABCO33LVを挙げることができる。この触媒を用いる場合の配合は、ポリオール成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対し、1〜4質量部が好ましい。1質量部未満では、ウレタン反応の促進作用(脱型時間の短縮効果)が低下し、4質量部を越えると、ウレタン反応の促進作用が過剰になり、流動性が低下する。但し、この触媒に限定されるものではなく、例えばトリエチレンジアミンの濃度が変われば配合量も変わる。
【0013】
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物
式 HO−[R−N(R )]−R−OH(式中、Rがヘキサメチレン基、Rがメチル基、nが3.5である)で表されるポリ3級アミングリコール触媒であり、その市販品としては、花王社製、商品名:カオーライザーP200を挙げることができる。この触媒を用いる場合の配合は、ポリオール成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対し、0.25〜12質量部が好ましい。同配合が0.25質量部未満では、ウレタン反応の促進作用(脱型時間の短縮効果)が低下し、12質量部を越えると、ウレタン反応の促進作用が過剰になり、寸法安定性に欠ける。
【0014】
前記のとおり、(b)/(a)質量比率は0.25〜3の範囲とする。同質量比率が0.25未満では、ウレタン反応の促進作用(脱型時間の短縮効果)が低下し、3を越えると、ウレタン反応の促進作用が過剰になり、寸法安定性に欠ける。
【0015】
(1)ポリオ−ル成分
ポリオ−ル成分は、特に限定されないが、例えばポリエ−テルポリオ−ルを使用する。ステアリングホイールのポリウレタンフォーム被覆の場合、ポリエ−テルポリオ−ルとしては、水酸基価20〜55、平均官能基数2〜3、ポリオキシプロピレングリコ−ル(PPG)/ポリオキシエチレングリコ−ル(PEG)=70/30〜95/5、末端水酸基の一級化率50〜95%を満たすものが好ましい。また、成形品の強度・反発弾性を増大させる目的で鎖延長剤を添加することが望ましい。鎖延長剤としてはエチレングリコ−ル(EG)、ジエチレングリコ−ル(DEG)、1,4−ブタンジオ−ル等を例示することができ、上記ポリエ−テルポリオ−ル100質量部に対する配合量は、DEGの場合は3〜25質量部(望ましくは10〜20質量部)とすることが好ましい。
【0016】
(2)イソシアネ−ト成分
イソシアネ−ト成分は、特に限定されないが、例えば芳香族系イソシアネ−トを使用する。ステアリングホイールのポリウレタンフォーム被覆の場合、芳香族系イソシアネ−トとしては、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト(以下MDIと略す)、ポリメリックMDI(クル−ドMDI)、液状MDI、トリレンジイソシアネ−ト、及びフェニレンジイソシアネ−ト等が好ましく、取扱上及び物性の見地から、これらのを高分子化させたダイマ−、トリマ−、プレポリマ−などとする。
また、ステアリングホイールのポリウレタンフォーム被覆の場合、上記イソシアネ−ト成分はポリオ−ル成分に対してNCO/OH=0.95〜1.3の範囲の混合比で使用することが好ましい。
【0017】
(3)発泡剤
ウレタン材料を発泡させてフォ−ムにするため材料に配合する発泡剤は、特に限定されないが、例えば水を発泡剤とする。水の配合量はポリオ−ル成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対して、0.05〜1.0質量部(望ましくは0.1〜0.5質量部)とすることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、材料の流動性を維持しつつ、脱型時間を短縮することができる。その作用は次のようなものと推定している。すなわち、触媒(a)と触媒(b)を併用することで、全体のウレタン反応としては触媒(a)によりウレタン硬化が進んでいるが、反応初期は触媒(b)による遅延効果で、材料の流動性を維持することが可能になっており、また反応終期では重縮合物である触媒(b)の高分子内の触媒活性点(アミノ基)が、その鎖状分子構造がためにその活性点の自由度があり、ウレタン硬化が進み分子移動が困難な反応終期であっても、効果的にウレタン反応に寄与しているためと考えられる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、材料の流動性を維持しつつ、脱型時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ポリオール成分とイソシアネート成分とからなり、
ポリオール成分(鎖延長剤を除く)の100質量部に対し、
(a)トリエチレンジアミン33質量%とジプロピレングリコール67質量%とからなるトリエチレンジアミン触媒1〜4質量部と、
(b)メチルアミン・1,6−ヘキサンジオ−ル重縮合物触媒0.25〜12質量部と
を含み、且つ(b)/(a)質量比率が0.25〜3であるポリウレタンフォーム材料である。
【実施例】
【0021】
本発明をステアリングホイールのポリウレタンフォーム被覆の製造方法及びその材料に具体した実施例について説明する。図1に示すように、ステアリングホイール1は、芯金2と、該芯金2のリング部の全体及びスポーク部の一部に被覆されたポリウレタンフォーム被覆3とを含む。このポリウレタンフォーム被覆3を、次の表1に示す配合の実施例1〜4及び比較例1〜5の各ポリウレタンフォーム材料を用いて製造した。また、各例の材料には、発泡剤として水を0.1質量部添加した。
【0022】
具体的には、図2に示すように、成形用金型10を開いて、リング状のキャビティ11の中心部に芯金2をセットし、成形用金型10を閉じて、ミキシングヘッド12からキャビティ11に各例のポリウレタンフォーム材料を同量ずつ注入して行った。注入されたポリウレタンフォーム材料は発泡してキャビティ11内に充満し、余剰材料13はベント穴14から吹き出した。ポリウレタンフォーム材料がウレタン反応により硬化した後、成形用金型10を開いて、製造されたポリウレタンフォーム被覆3を脱型した。
【0023】
【表1】


【0024】
表1において「脱型時間(指数)*」は、比較例1の脱型時間を1(基準)としてそのときの硬度と同じ硬度に達するまでの脱型時間を指数化したものである。指数値が小さい方が脱型時間が短かく良好である。
また、「ベント穴からのウレタン吹き出し重量(指数)**」は、比較例1の吹き出し重量を1(基準)としたときのそれに対する吹き出し重量を指数化したものである。指数値が大きい方が材料流動性が高く良好である。
【0025】
表1に結果を示すとおり、比較例1,4は脱型時間が長く、比較例2,3,5は材料流動性が低かった。これに対し、実施例1〜4は脱型時間が短かく、かつ十分な吹き出しがあって材料流動性も良好である。また、実施例1〜4間では触媒(b)としてのカオーライザーP200の配合量を0.5質量部から4質量部に増やすに連れて、脱型時間が短縮された。
【0026】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)ステアリングホイール被覆以外にも、各種自動車用ウレタンフォーム製品(例えばコンソールボックス、アームレスト、シフトレバーノブ、パーキングレバーグリップ等の被覆)、自動車以外の各種用途ウレタンフォーム製品(例えば冷蔵庫用断熱材)に具体化することもできる。但し、本発明はステアリングホイール被覆のように細長いものに特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例のステアリングホイール被覆を示す正面図である。
【図2】同ステアリングホイール被覆の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 ステアリングホイール
2 芯金
3 ポリウレタンフォーム被覆
10 成形用金型
11 キャビティ
12 ミキシングヘッド
13 余剰材料
14 ベント穴
【出願人】 【識別番号】000241463
【氏名又は名称】豊田合成株式会社
【出願日】 平成17年9月30日(2005.9.30)
【代理人】 【識別番号】100096116
【弁理士】
【氏名又は名称】松原 等


【公開番号】 特開2007−91975(P2007−91975A)
【公開日】 平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願番号】 特願2005−286251(P2005−286251)