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【発明の名称】 モノヒドロキシアセトンの製造法
【発明者】 【氏名】倉橋 敬

【氏名】山本 幸平

【要約】 【課題】グリセリンを気相で反応させてモノヒドロキシアセトンを製造するにあたり、有毒なクロムを含まない触媒を用いて、工業的に安全に収率よくモノヒドロキシアセトンを製造する方法を提供する。

【解決手段】触媒の存在下で、グリセリンを気相接触反応せしめてモノヒドロキシアセトンを製造する方法において、触媒として銅及び/又は酸化銅をシリカに担持した触媒を用いる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒の存在下で、グリセリンを気相接触反応せしめてモノヒドロキシアセトンを製造する方法において、触媒としてシリカに担持した銅及び/又は酸化銅を用いることを特徴とするモノヒドロキシアセトンの製造法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、医農薬中間体原料として有用なモノヒドロキシアセトンの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
触媒の存在下で、グリセリンを気相接触反応せしめてモノヒドロキシアセトンを製造する方法は公知であり、有毒なクロムを構成元素とする銅クロマイトを触媒として使用する方法が報告されており(例えば、特許文献1参照)、モノヒドロキシアセトンが収率50%〜80%程度で得られている。
【特許文献1】DE4128692
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、グリセリンを気相で反応させてモノヒドロキシアセトンを製造するにあたり、有毒なクロムを用いなくても、従来製法と同等の収率でモノヒドロキシアセトンを製造する方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、触媒の存在下で、グリセリンを気相接触反応せしめてモノヒドロキシアセトンを製造する方法において、触媒としてシリカに担持した銅及び/又は酸化銅を用いることを特徴とするモノヒドロキシアセトンの製造法に関する。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、有毒なクロムを用いなくても、触媒としてシリカに担持した銅及び/又は酸化銅を用いることで、従来技術と同等の収率でモノヒドロキシアセトンを製造することができることから、本発明の製造方法は工業的利用価値大なるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用する触媒は活性成分を銅及び/又は酸化銅とし、その担体をシリカとするものである。本触媒は、銅の硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、塩化物、酸化物及び/又は水酸化物を、銅及び/又は酸化銅の原料化合物として用いることができ、従来法の調製方法、例えば、共沈法、含浸法、混練法によって調製される。含浸法により調製された銅及び/又は酸化銅をシリカに担持させた触媒が好ましい。銅及び/又は酸化銅がシリカに担持された触媒において、銅及び/又は酸化銅の担持量は特に制限はないが、シリカに対して通常0.1〜25重量% 、好ましくは3〜7重量% である。また、助触媒として、アルカリ金属、アルカリ金属を含有してもよく、シリカに対して、通常0.001〜1重量% 、好ましくは0.01〜0.5%の使用量である。また、触媒の形状は粉末状、円柱状、球状、粒状など、所望の形状に成形して反応に使用される。触媒の成形方法としては、あらかじめシリカを上記所望の形状に成形し、当該成形されたシリカを用いて含浸法により触媒を調製して成形触媒を得る方法が挙げられる。
【0007】
本発明の製造法は、固定床触媒反応器、流動床触媒反応器又は移動床触媒反応器で行うことができる。以下、固定床触媒反応器を用いて行う場合を例として本発明を説明する。本発明の触媒を反応管に充填し、当該反応管にグリセリンを導入して気相接触反応させる。グリセリンは、窒素等の不活性ガス及び/又は水素と共に供給しても、特に支障なく反応を行うことができ、特に水素と共に供給することが好ましい。窒素の使用量としては、グリセリン1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.8〜5モルである。水素の使用量としては、グリセリン1モルに対して、通常0.5〜10モル、好ましくは0.8〜5モルである。
【0008】
グリセリンは単独、水溶液又は有機溶剤との溶液で用いることができる。水又は有機溶剤の使用量は特に制限はないが、グリセリンに対して通常10〜90重量%である。
【0009】
グリセリンと所望により窒素等の不活性ガス及び/又は水素との混合ガスを、空間速度(SV)100〜10000hr−1、好ましくは300〜3000hr−1で触媒上に通じる。反応温度は通常150〜700℃、好ましくは200〜500℃である。反応の圧力は、大気圧以下から数気圧まで用いることができるが、通常大気圧から2気圧付近が至便である。
【0010】
上記のようにして反応を行った後、反応管から流出するモノヒドロキシアセトンを主成分とする反応ガスを、そのまま冷却及び/又は適当な溶媒に通じて、モノヒドロキシアセトンを含む凝縮物及び/又は溶液を得る。得られた凝縮物又は捕集液から、濃縮、抽出、蒸留等の単位操作を組み合わせてモノヒドロキシアセトンが単離できる。
【実施例】
【0011】
本発明を更に詳細に説明するために、以下に具体的な実施例を上げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、モノヒドロキシアセトンの収率はガスクロマトグラフィーで算出した。
【0012】
参考例(触媒の調整)
シリカ粉末を押し出し成形(円柱形、径1.7mm、長さ5〜20mm)したシリカ担体に対して、炭酸銅1.9gと28%アンモニア水44.0gとの溶液を上記シリカ担体18.7gに含浸させた後、120℃で3時間乾燥し、次に空気気流中、600℃で3時間焼成した。このようにして酸化銅をシリカに担持した触媒(触媒中の酸化銅の含有量:6重量%)を得た。
【0013】
実施例1
参考例で得られた触媒10mlを内径15mmの反応管に充填し、反応管の触媒充填部を285℃に昇温した。この触媒充填部に50重量%グリセリン水溶液を0.1667g/分で、及び水素を40ml/分(グリセリン1モルに対して2モル)、窒素を40ml/分(グリセリン1モルに対して2モル)で20分間供給した。反応管から流出する反応生成ガスを水100ml中に通じて、モノヒドロキシアセトンを含む捕集液を得た。捕集液中のモノヒドロキシアセトンの収率は82%であった。
【0014】
実施例2、比較例1〜2
実施例1の触媒、触媒充填部の温度、窒素及び水素の供給量を表1の通りに代えた以外は実施例1と同様にして行った。その結果を表1に示す。
【0015】
【表1】


【出願人】 【識別番号】000167646
【氏名又は名称】広栄化学工業株式会社
【出願日】 平成17年6月30日(2005.6.30)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−8850(P2007−8850A)
【公開日】 平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願番号】 特願2005−190850(P2005−190850)