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【発明の名称】 球状酸化物微粒子の製造方法、研磨材、これを用いる研磨方法及び半導体装置の製造方法
【発明者】 【氏名】町井 洋一

【氏名】吉田 誠人

【氏名】寺崎 裕樹

【要約】 【課題】層間絶縁膜平坦化、シャロートレンチ分離形成、金属埋め込み配線形成等のCMP技術において、酸化珪素膜、金属埋め込み膜等へ研磨傷を発生させずに短時間でCMPが実施できる球状酸化物微粒子の製造方法、球状酸化物微粒子を用いた研磨材、研磨材を用いて研磨する基板の研磨方法及び半導体装置の製造方法を提供する。

【解決手段】球状前駆体を加熱処理することを特徴とする球状酸化物微粒子の製造方法、球状酸化物微粒子用いた研磨材、研磨材を用いて所定の基板を研磨する基板の研磨方法及び半導体装置の製造方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状の前駆体を加熱処理することを特徴とする球状酸化物微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記球状の前駆体が、金属の硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、炭酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、塩化物、アセチルアセトナート塩、アルコキシド、水酸化物、酸化物から選ばれる金属化合物を1種類以上含有する溶液を液滴化し、加熱することにより形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の球状酸化物微粒子の製造方法。
【請求項3】
前記加熱処理を300〜1800℃の温度で行うことを特徴とする請求項1記載の球状酸化物微粒子の製造方法。
【請求項4】
前記酸化物が、セリウム、ジルコニウム、チタン、珪素、アルミニウムから選ばれる金属の酸化物又は複合酸化物であることを特徴とする請求項1記載の球状酸化物微粒子の製造方法。
【請求項5】
前記液滴の平均直径が、50μm以下であることを特徴とする請求項2記載の球状酸化物微粒子の製造方法。
【請求項6】
二流体ノズル法、三流体ノズル法、超音波霧化法、静電霧化法、加熱霧化法、ガラスフィルター法又はこれらの組み合わせによって前記溶液を液滴化することを特徴とする請求項2記載の球状酸化物微粒子の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の球状酸化物微粒子の製造方法により製造された球状酸化物微粒子を含んでなることを特徴とする研磨材。
【請求項8】
請求項7記載の研磨材を用いて被研磨膜が形成された基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法。
【請求項9】
前記被研磨膜は、絶縁膜又は金属膜であることを特徴とする請求項8記載の基板の研磨方法。
【請求項10】
前記金属膜が、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、チタン、それらの金属化合物、それらの金属合金のいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項9記載の基板の研磨方法。
【請求項11】
被研磨膜を請求項7記載の研磨材を使用して研磨する工程、または請求項8〜10のいずれか一項に記載の基板の研磨方法で研磨する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、球状酸化物微粒子の製造方法、研磨材、これを用いる研磨方法及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、半導体素子の高密度化・高精細化が進み、デザインルールは0.1μm前後になっている。このような厳しい微細化の要求を満足するために開発された技術として、CMP(化学機械研磨)がある。この技術は、半導体装置の製造工程において、露光を施す層を完全に平坦化し、露光技術の負担を軽減し、歩留まりを安定させることができるため、例えば、層間絶縁膜の平坦化、トレンチ分離時の埋め込み絶縁膜の平坦化、また銅配線等の平坦化処理の際に必須となる技術であり、例えば、特許文献1に開示されている。
【0003】
集積回路内の素子分離形成技術においてデザインルール0.5μm以上の世代ではLOCOS(シリコン局所酸化)が用いられてきたが、加工寸法の更なる微細化に伴い、素子分離幅の小さいシャロートレンチ分離技術が採用されている。シャロートレンチ分離では基板上に埋め込んだ余分な酸化珪素膜を除去するためにCMPが必須な技術となる。
【0004】
金属配線形成技術においても、加工寸法の微細化に伴い要求される電気特性を満たすためにCuやCuAl合金が採用されつつある。CuやCuAl合金の配線技術としては、ダマシン、デュアルダマシン等の埋め込み配線技術が検討されており、基板上に埋め込んだ余分な金属を取り除くためにCMPが必須となる。ダマシン法については、例えば、特許文献2に開示されている。
【0005】
従来、半導体素子の製造工程において、プラズマ−CVD(化学気相蒸着)、低圧−CVD、スパッタ、電気メッキ等の方法で形成される酸化珪素絶縁膜等の絶縁膜、キャパシタ強誘電体膜、配線用金属や金属合金等を平坦化するためCMP研磨材、または金属埋め込み層を形成するためのCMP研磨材としてフュームドシリカ系、コロイダルシリカ系、アルミナ系などの砥粒を含んでなる研磨材を使用している。近年のデザインルールの縮小に伴い、層間絶縁膜、シャロートレンチ分離用絶縁膜、金属埋め込み層に導入される研磨傷による半導体チップ不良がクローズアップされてきている。研磨傷は、配線ショートの原因となり、半導体チップの歩留まり低下に繋がるため問題となっている。
【特許文献1】米国特許第4944836号明細書
【特許文献2】特開平02−278822号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、層間絶縁膜の平坦化、シャロートレンチ分離用絶縁膜の平坦化、金属埋め込み配線の形成等のCMP処理において、絶縁膜、金属埋め込み層等に研磨傷を発生させずに短時間でCMPが実施できる球状酸化物微粒子の製造方法、該方法により製造された球状酸化物微粒子を含んでなる研磨材、該研磨材を用いる基板の研磨方法及び半導体装置の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に絶縁膜や金属埋め込み層をCMP処理する場合、研磨材中の砥粒の粒子が大きく硬度が高いほど研磨速度が速くなるが、研磨傷が発生しやすくなる。
【0008】
本発明者らは、研磨材中の砥粒の結晶子サイズや結晶歪などの性状に着目しそれらが研磨傷の発生や研磨速度に及ぼす影響を検討し、結晶子サイズが大きく結晶歪が小さい球状粒子であれば研磨傷の発生が抑えられ、短時間で研磨できるであろうと考察し、そのような粒子を製造する方法を鋭意研究した。
【0009】
本発明は、(1)球状の前駆体を加熱処理することを特徴とする球状酸化物微粒子の製造方法に関する。
【0010】
また、本発明は、(2)前記球状の前駆体が、金属の硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、炭酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、塩化物、アセチルアセトナート塩、アルコキシド、水酸化物、酸化物から選ばれる金属化合物を1種類以上含有する溶液を液滴化し、加熱することにより形成されたものであることを特徴とする前記(1)記載の球状酸化物微粒子の製造方法に関する。
【0011】
また、本発明は、(3)前記加熱処理を300〜1800℃の温度で行うことを特徴とする前記(1)記載の球状酸化物微粒子の製造方法に関する。
【0012】
また、本発明は、(4)前記酸化物が、セリウム、ジルコニウム、チタン、珪素、アルミニウムから選ばれる金属の酸化物又は複合酸化物であることを特徴とする前記(1)記載の球状酸化物微粒子の製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、(5)前記液滴の平均直径が、50μm以下であることを特徴とする前記(2)記載の球状酸化物微粒子の製造方法に関する。
【0014】
また、本発明は、(6)二流体ノズル法、三流体ノズル法、超音波霧化法、静電霧化法、加熱霧化法、ガラスフィルター法又はこれらの組み合わせによって前記溶液を液滴化することを特徴とする前記(2)記載の球状酸化物微粒子の製造方法に関する。
【0015】
また、本発明は、(7)前記(1)〜(6)のいずれかに記載の球状酸化物微粒子の製造方法により製造された球状酸化物微粒子を含有してなることを特徴とする研磨材に関する。
【0016】
また、本発明は、(8)前記(7)記載の研磨材を用いて被研磨膜が形成された基板を研磨することを特徴とする基板の研磨方法に関する。
【0017】
また、本発明は、(9)前記被研磨膜は、絶縁膜又は金属膜であることを特徴とする前記(8)記載の研磨方法に関する。
【0018】
また、本発明は、(10)前記金属膜が、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、チタン、それらの金属化合物、それらの金属合金のいずれか1種類以上であることを特徴とする前記(9)記載の基板の研磨方法に関する。
【0019】
さらに、本発明は、(11)被研磨膜を前記(7)記載の研磨材を使用して研磨する工程、または前記(8)〜(10)のいずれか一項に記載の基板の研磨方法で研磨する工程を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法に関する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の製造方法によれば、CMP処理において絶縁膜や金属埋め込み層等の被研磨膜に研磨傷を発生させずに高速研磨を達成できる球状酸化物微粒子を得ることができる。さらに本発明によれば得られる球状酸化物微粒子を含んでなる研磨材を用いて研磨することにより歩留まりが安定した半導体装置を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の製造方法は、球状の前駆体を加熱処理することにより球状酸化物微粒子を製造するものである。
【0022】
原料として用いる球状の前駆体は、金属化合物を1種類以上含有する溶液を液滴化し、加熱することにより形成されたものである。金属化合物としては、セリウム、ジルコニウム、チタン、珪素、アルミニウムなどの金属の硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、炭酸塩、酢酸塩、しゅう酸塩、塩化物、アセチルアセトナート塩、アルコキシド、水酸化物、酸化物などであり、これらは水和物であってもよい。これらのなかでもセリウム化合物が好ましく、セリウムの硝酸塩、硝酸アンモニウム塩、硫酸塩、硫酸アンモニウム塩、酢酸塩、塩化物、水酸化物、酸化物、これらの水和物が特に好ましい。かかる金属化合物は、単独で用いても複数種からなる混合物として用いてもよい。複数種からなる混合物としては、同種金属の金属化合物からなる混合物(例えば、硝酸セリウムと水酸化セリウム)、または異種金属の金属化合物からなる混合物(例えば、硝酸セリウムと硝酸ジルコニウム)などである。前駆体の原料として、同種金属の金属化合物からなる混合物を用いた場合は、本発明の製造方法により球状酸化物微粒子が得られ、異種金属の金属化合物からなる混合物を用いた場合は本発明の製造方法により球状複合酸化物微粒子が得られる。
【0023】
金属化合物を含有する溶液は、金属化合物を溶媒に溶解または懸濁させたものである。溶媒としては、水、アルコール類、アセトン類、ケトン類、エーテル類、これらの混合溶媒などが用いられ、なかでも水が好ましい。溶液中の金属化合物の濃度は特に限定されないが、通常は、0.1〜70重量%である。
【0024】
溶液を液滴化する方法は特に限定されず、例えば、二流体ノズル法、三流体ノズル法、超音波霧化法、静電霧化法、加熱霧化法、ガラスフィルター法又はこれらの組み合わせた方法などが挙げられる。これらのなかでも超音波霧化法が賞用され、1〜3MHz程度の超音波を利用して行われる。本発明では液滴の平均直径は50μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。かかる液滴の大きさは液滴化方法や溶液中の金属化合物の濃度などより調整される。ここでいう液滴の平均直径は液滴用レーザー回折式粒度分布測定装置(シスメックス株式会社製、スプレーテック)により測定される。液滴の平均直径は金属化合物を含有する溶液の濃度、液滴化する方法等によってコントロールすることができる。例えば、金属化合物を含有する溶液の濃度が高ければ平均直径は大きくなり、濃度が低ければ平均直径は小さくなる。また、液滴化する方法として、例えば、超音波霧化法を用いた場合は振動数や溶液の粘度等を調整することにより平均直径を数μm程度にコントロールでき、ノズル法を用いた場合はノズルの形状、噴霧圧力、溶液の粘度等を調整することにより平均直径を数μm程度〜数十μm程度にコントロールできる。
【0025】
液滴を加熱する方法は特に限定されないが、通常は液滴を反応炉に導入して加熱することにより行われる。反応炉としては一般に知られている連続式の管状電気炉、管状火炎炉などが挙げられる。炉の設計形態は縦型、横型のどちらでもよく、縦型の場合は液滴の導入を上側から行っても下側から行ってもどちらでもよい。
【0026】
反応炉内への液滴の導入は、自然落下による方法、空気、窒素、アルゴン、水素、酸素などのキャリヤガスと共に導入する方法、減圧吸引による方法等あるいはこれらの組み合わせにより行われ、導入の速度は一定であることが好ましい。液滴中の金属化合物を酸化物にするため又は酸化物の結晶性を上げるために酸素を含むガスを加熱帯に導入してもよい。
【0027】
液滴を加熱する際の温度は、溶液中の溶媒が蒸発し液滴の球状の形を崩さない範囲で適宜選択されるが、100〜1500℃が好ましく、300〜1000℃が特に好ましい。加熱時間も適宜選択されるが、通常は1〜30秒である。
【0028】
かくして得られる球状の前駆体は、原料の金属化合物の融点や分解温度、加熱条件等により、金属酸化物、金属塩、またはこれらの混合物となる。例えば、硝酸セリウムアンモニウム水溶液を用いた場合は、加熱温度により、酸化セリウム、硝酸セリウムアンモニウム、またはこれらの混合物が得られる。球状の前駆体の性状は、溶液中の金属化合物の濃度、金属化合物と溶媒の種類、液滴化方法、導入速度、加熱温度、加熱時間などの諸条件を適宜選択することによりコントロールできる。
【0029】
本発明では球状の前駆体を加熱処理して球状酸化物微粒子を製造する。本発明において前駆体が球状であることが重要であり、それによって球状の酸化物微粒子が得られる。ここで球状とは鋭角部分を有さない略球形であればよく真球である必要は無く、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により確認できる。前駆体は1種類または2種類以上の混合物として用いてもよい。加熱処理の温度は、目的とする球状酸化物微粒子の性状により適宜選択されるが、300〜1800℃が好ましく、400℃〜1500℃がより好ましく、500℃〜1200℃が特に好ましい。1800℃を超えると焼結が促進され球状酸化物微粒子の粒子サイズが大きくなってしまう傾向があり、300℃未満では結晶歪が大きくなり結晶性が悪くなる傾向がある。加熱時間も適宜選択されるが、30〜180分が好ましい。
【0030】
加熱処理の方法は特に限定されないが、通常は球状の前駆体を反応炉に導入して加熱することにより行われる。反応炉は一般的に知られている連続式またはバッチ式の電気炉やガス焼成炉などを用いることが出来、一般的に多品種少量生産にはバッチ式反応炉、少品種大量生産には連続式反応炉が賞用される。加熱処理は酸素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0031】
以上により得られる球状酸化物微粒子は、セリウム、ジルコニウム、チタン、珪素、アルミニウムなどの金属の酸化物または複合酸化物の球状微粒子である。ここで、球状とは鋭角部分を有さない略球形であればよく真球である必要は無く、例えば、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により確認できる。本発明では前駆体の原料として異種金属の金属化合物からなる混合物を用いた場合は複合酸化物が得られる。また、前駆体として2種類以上の前駆体からなる混合物を用いた場合は酸化物の混合物が得られる。例えば、セリウム化合物から形成された前駆体とジルコニウム化合物から形成された前駆体の混合物を用いた場合は酸化セリウムと酸化ジルコニウムの混合物が得られる。 本発明の製造方法で得られる球状酸化物微粒子は、結晶子サイズが大きく結晶歪が少ない結晶性が高い球状粒子であり、結晶子サイズが20〜300nm、好ましくは30〜200nmであり、結晶歪が3%以下、好ましくは1%以下である。かかる球状酸化物微粒子の性状は、前駆体の種類、前駆体の量、反応炉の種類、導入速度、加熱温度、加熱時間などの諸条件を適宜選択することによりコントロールできる。なお、結晶子サイズ及び結晶歪は下記の式により算出した値である。
【0032】
結晶子サイズは粉末X線回折を測定し、プロファイル関数としてThompson、Cox、Hastingsの擬フォークト関数を用いたリートベルト解析によって対称プロファイルパラメーターXを求め、次式より計算した。
【数1】


【0033】
p:結晶子サイズ(nm)、K:シェラー定数(0.9とした)、λ:X線の波長(nm)、π:円周率、X:ローレンツパラメーター(プロファイルパラメーター)
また、結晶の歪は粉末X線回折を測定し、プロファイル関数としてThompson、Cox、Hastingsの擬フォークト関数を用いたリートベルト解析によって対称プロファイルパラメーターYを求め、次式より計算した。
【数2】


【0034】
S:結晶の歪(%)、π:円周率、Y:ローレンツパラメーター(対称プロファイルパラメーター)
本発明の研磨材は、上記本発明の方法により製造された球状酸化物微粒子を含むことを特徴とする。かかる研磨材は、球状酸化物微粒子を媒体中にスラリー状に分散させたものであり、球状酸化物微粒子は単独で用いても複数種を用いてもよい。媒体としては、水が好ましく使用される。研磨材中の球状酸化物微粒子の濃度に制限は無いが、研磨材の取り扱い易さから0.1〜20重量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは0.2〜10重量%の範囲である。
【0035】
球状酸化物微粒子を媒体中に分散させる際には、必要に応じて分散剤を用いることができる。分散剤としては、球状酸化物微粒子を媒体中に分散できるものであれば特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸系ポリマーやそのアンモニウム塩;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性有機高分子類;ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム等の水溶性陰イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート等の水溶性非イオン性界面活性剤;及びモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の水溶性アミン類などが挙げられる。分散剤の添加量は、スラリー中の球状酸化物微粒子の分散性及び沈降防止性などから球状酸化物微粒子100重量部に対して0.01重量部〜5重量部の範囲が好ましく、その分散効果を高めるためには分散処理時に分散機の中に球状酸化物微粒子と同時又はほぼ同時に入れることが好ましい。球状酸化物微粒子を媒体中に分散させる方法としては、通常の撹拌機による分散処理の他に、ホモジナイザー、超音波分散機、湿式高圧分散機、ビーズミル、ボールミルなどを用いることができる。また、分散処理後、必要に応じて分級してもよく、一般に知られている自然沈降法、液体サイクロン法、遠心沈降法等を用いて行なうことができる。
【0036】
本発明の研磨材には、上述した成分の他に、染料、顔料等の着色剤や、pH調整剤、水以外の溶媒などの、一般に研磨材に添加される添加剤を、研磨材の作用効果を損なわない範囲で添加しても良い。
【0037】
本発明の研磨方法は、上記本発明の研磨材を用いて被研磨膜が形成された基板を研磨することを特徴とする。研磨対象である被研磨膜は絶縁膜又は金属膜であり、これら膜は単層でも積層でも構わない。絶縁膜としては酸化珪素絶縁膜、窒化珪素絶縁膜などが例示され、例えば、SiH又はテトラエトキシシラン(TEOS)をSi源とし、酸素又はオゾンを酸素源としたCVD法により形成されたSiO膜が挙げられる。金属膜としては、銅、アルミニウム、タングステン、タンタル、チタンなどの金属、それらの金属の合金、それら金属または金属合金の酸化物や窒化物などの化合物のいずれか1種類以上が例示される。金属膜はスパッタ法やメッキ法などの公知の方法により成膜される。金属膜が形成された基板を研磨する場合は、酸化剤、金属エッチング剤、防食剤等を研磨材に添加し使用することができる。酸化剤としては、過酸化水素、硝酸、オゾン水等が例示され、過酸化水素が好ましい。金属エッチング剤としては、蟻酸、酢酸、クエン酸等の有機酸が例示され、防食剤としては、アンモニア、ベンゾトリアゾール等が例示される。基板としては、半導体装置製造に係る基板、例えば回路素子と配線パターンが形成された段階の半導体基板、回路素子が形成された段階の半導体基板等の半導体基板上に、絶縁層が形成された基板などが挙げられる。
【0038】
被研磨膜の研磨は化学機械研磨により行なわれ、具体的には、被研磨膜が形成された基板を研磨布に押しあて加圧し、本発明の研磨材を被研磨膜と研磨布との間に供給しながら、基板の被研磨膜と研磨布とを相対的に動かすことにより被研磨膜を研磨する。
【0039】
以下、被研磨膜として無機絶縁膜が形成された半導体基板の場合を例に挙げて研磨方法を説明する。
【0040】
本発明の研磨方法において、使用出来る研磨装置としては、被研磨膜を有する基板を保持するホルダーと、研磨布(パッド)を貼り付け可能で、回転数が変更可能なモータ等を取り付けてある研磨定盤とを有する一般的な研磨装置が使用できる。例えば、荏原製作所株式会社製研磨装置:型番EPO−111が使用できる。
【0041】
研磨定盤上の研磨布としては、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂などが使用でき、特に制限がない。また、研磨布には研磨材がたまるような溝加工を施すことが好ましい。研磨条件に制限はないが、定盤の回転速度は半導体基板が飛び出さないように200rpm以下の低回転が好ましく、半導体基板にかける圧力(加工荷重)は研磨後に傷が発生しないように1kg/cm(98kPa)以下が好ましい。研磨速度の被研磨面内均一性及びパターンの平坦性を満足するためには、5kPa〜50kPaであることがより好ましい。
【0042】
基板の被研磨膜を研磨布に押圧した状態で研磨布と被研磨膜とを相対的に動かすには、具体的には基板と研磨定盤との少なくとも一方を動かせば良い。研磨定盤を回転させる他に、ホルダーを回転や揺動させて研磨しても良い。また、研磨定盤を遊星回転させる研磨方法、ベルト状の研磨布を長尺方向の一方向に直線状に動かす研磨方法等が挙げられる。なお、ホルダーは固定、回転、揺動のいずれの状態でも良い。これらの研磨方法は、研磨布と被研磨膜とを相対的に動かすのであれば、被研磨面や研磨装置により適宜選択できる。
【0043】
研磨している間、研磨布と被研磨膜の間にはスラリー状の本発明の研磨材をポンプ等で連続的に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨材で覆われていることが好ましい。具体的には、研磨布面積1cm当たり、0.005〜0.40ミリリットル供給されることが好ましい。
【0044】
研磨終了後の半導体基板は、流水中で良く洗浄後、スピンドライヤ等を用いて半導体基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。このように被研磨膜である無機絶縁層を上記研磨材で研磨することによって、表面の凹凸を解消し、半導体基板全面にわたって平滑な面とすることができる。
【0045】
本発明の研磨材及び研磨方法は、半導体基板に形成された酸化珪素膜の研磨だけでなく、各種半導体装置の製造プロセス内において適用することができる。すなわち、本発明の半導体装置の製造方法は、本発明の研磨材を使用して被研磨膜を研磨する工程、または本発明の研磨方法で被研磨膜を研磨する工程を含むことを特徴とする。本発明を適用できる被研磨膜として、例えば所定の配線を有する配線板に形成された酸化珪素膜、ガラス、窒化珪素等の無機絶縁膜、ポリシリコン、Al、Cu、Ti、TiN、W、Ta、TaN等を主として含有する膜、フォトマスク・レンズ・プリズムなどの光学ガラス、ITO等の無機導電膜、光集積回路・光スイッチング素子・光導波路を構成するガラス及び結晶質材料、光ファイバーの端面、シンチレータ等の光学用単結晶、固体レーザ単結晶、青色レーザLED用サファイヤ基板、SiC、GaP、GaAs等の半導体単結晶等が挙げられる。さらに磁気ディスク用ガラス基板、磁気ヘッド等の研磨工程にも本発明を適用することができる。
【実施例】
【0046】
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0047】
実施例1
(酸化物微粒子aの作製及び研磨材Aの作製)
硝酸セリウムアンモニウムの1重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について粉末X線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト解析を行った結果、結晶子サイズは21nm、結晶歪は2.1%であった。
【0048】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入し800℃で1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子aについて粉末X線回折精密測定を行い、その結果についてリートベルト解析を行なった結果、結晶子サイズは75nm、結晶歪は0.23%であった。
【0049】
次に、得られた酸化セリウム微粒子a100g及びポリアクリル酸(重量平均分子量10000)1gを1kgの純水に分散させ、自然沈降法により分級した後、純水を添加して濃度調整を行い固形分濃度1重量%の研磨材Aを得た。
【0050】
(絶縁膜の研磨)
研磨機(荏原製作所製EPO−111)を用いて直径が200mm(φ)の酸化珪素絶縁膜を形成させたシリコンウェハを研磨したところ、1分間で酸化珪素膜は300nm研磨された。研磨後のウェハ表面を光学顕微鏡(1000倍)で観察したが、研磨傷は認められなかった。
【0051】
研磨条件は以下の通りである。
【0052】
研磨パッド:発砲ポリウレタン樹脂
研磨圧力:50kPa
研磨定盤の回転数:80rpm
シリコンウェハの回転数:100rpm
研磨材の流量:60cc/min
実施例2
(酸化物微粒子bの作製及び研磨材Bの作製)
酢酸セリウム(III)一水和物の0.5重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは19nm、結晶歪は2.2%であった。
【0053】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子bについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは70nm、結晶歪は0.25%であった。
【0054】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子b100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Bを得た。
【0055】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Bを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は270nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には、研磨傷は認められなかった。
【0056】
実施例3
(酸化物微粒子cの作製及び研磨材Cの作製)
硝酸セリウム(III)六水和物の0.5重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは20nm、結晶歪は2.1%であった。
【0057】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子cについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは73nm、結晶歪は0.23%であった。
【0058】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化物微粒子c100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Cを得た。
【0059】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Cを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は250nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0060】
実施例4
(酸化物微粒子dの作製及び研磨材Dの作製)
硫酸セリウム(IV)アンモニウムニ水和物の1重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して900℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは27nm、結晶歪は1.7%であった。
【0061】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子dについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは77nm、結晶歪は0.21%であった。
【0062】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子d100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Dを得た。
【0063】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りにひ得られた研磨材Dを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、
1分間で酸化珪素膜は250nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0064】
実施例5
(酸化物微粒子eの作製及び研磨材Eの作製)
硫酸セリウム(IV)4水和物の0.5重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して900℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ結晶子サイズは25nm、結晶歪は1.8%であった。
【0065】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子eについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは75nm、結晶歪は0.23%であった。
【0066】
次に、得られた酸化セリウム微粒子aの代りに酸化セリウム微粒子e100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Eとを得た。
【0067】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Eを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は260nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には、研磨傷は認められなかった。
【0068】
実施例6
(酸化物微粒子fの作製及び研磨材Fの作製)
塩化セリウム(III)七水和物の0.5重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは18nm、結晶歪は2.5%であった。
【0069】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子fについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは71nm、結晶歪は0.23%であった。
【0070】
次に、得られた酸化セリウム微粒子aの代りに酸化セリウム微粒子f100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Fを得た。
【0071】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Fを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は290nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0072】
実施例7
(酸化物微粒子gの作製及び研磨材Gの作製)
水酸化セリウムの0.25重量%水懸濁液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは20nm、結晶歪は2.5%であった。
【0073】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは78nm、結晶歪は0.20%であった。
【0074】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子g100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Gを得た。
【0075】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Gを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は250nm研磨された。研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0076】
実施例8
(酸化物微粒子hの作製及び研磨材Hの作製)
酸化セリウムの0.3重量%水懸濁液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは16nm、結晶歪は2.0%であった。
【0077】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子hについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは80nm、結晶歪は0.23%であった。
【0078】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子h100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Hを得た。
【0079】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Hを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は300nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0080】
実施例9
(酸化物微粒子iの作製及び研磨材Iの作製)
酸化セリウムの0.3重量%水懸濁液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入し700℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは16nm、結晶歪は2.0%であった。
【0081】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して1000℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子iについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは103nm、結晶歪は0.14%であった。
【0082】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子i100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Iを得た。
【0083】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Iを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は350nm研磨された。研磨後のウェハ表面には、研磨傷は認められなかった。
【0084】
実施例10
(酸化物微粒子jの作製及び研磨材Jの作製)
酸化セリウムの0.3重量%水懸濁液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入し700℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは16nm、結晶歪は2.0%であった。
【0085】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して600℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子jについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは46nm、結晶歪は0.49%であった。
【0086】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子j100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Jを得た。
【0087】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Jを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は200nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0088】
実施例11
(酸化物微粒子kの作製及び研磨材Kの作製)
硝酸セリウムアンモニウムの1重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して300℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ結晶子サイズは9nm、結晶歪は3.8%であった。
【0089】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子kについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは60nm、結晶歪は0.30%であった。
【0090】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子k100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Kを得た。
【0091】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Kを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は250nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0092】
実施例12
(酸化物微粒子lの作製及び研磨材Lの作製)
硝酸セリウムアンモニウムの1重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して500℃で約3秒間加熱し、球状の前駆体100gを得た。この前駆体をX線回折法により相同定を行ったところ酸化セリウムであった。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状であることを確認した。この球状の前駆体について実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは12nm、結晶歪は3.1%であった。
【0093】
続いて、得られた球状の前駆体100gをバッチ式電気炉に導入して800℃で、1時間の加熱処理を行行い球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子lについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは70nm、結晶歪は0.24%であった。
【0094】
次に、酸化セリウム微粒子aの代りに得られた酸化セリウム微粒子l100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Lを得た。
【0095】
(絶縁膜の研磨)
研磨材Aの代りに得られた研磨材Lを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は250nm研磨された。また、研磨後のウェハ表面には、研磨傷は認められなかった。
【0096】
比較例1
(酸化物微粒子mの作製及び研磨材Mの作製)
硝酸セリウムの1重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子mについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは21nm、結晶歪は2.1%であった。
【0097】
次に、得られた酸化セリウム微粒子m100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Mとした。
【0098】
(絶縁膜の研磨)
得られた研磨材Mを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は200nmしか研磨されなかった。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0099】
比較例2
(酸化物微粒子nの作製及び研磨材Nの作製)
酢酸セリウムの0.5重量%水溶液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子nについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは35nm、結晶歪は1.3%であった。
【0100】
次に、得られた酸化セリウム微粒子n100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Nとした。
【0101】
(絶縁膜の研磨)
得られた研磨材Nを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は180nmしか研磨されなかった。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【0102】
比較例3
(酸化物微粒子oの作製及び研磨材Oの作製)
酸化セリウムの0.3重量%水懸濁液を2.4MHzの振動子が備えられた超音波噴霧器を用いて平均直径3000nmになるように液滴化し、この液滴をキャリアガスの空気により管状電気炉内に導入して700℃で約3秒間加熱し、球状の微粒子100gを得た。この球状の微粒子をX回折法で相同定を行なったところ酸化セリウムであることを確認した。また、SEM(走査型電子顕微鏡)写真により球状の微粒子であることを確認した。得られた酸化セリウム微粒子oについて実施例1と同様に解析したところ、結晶子サイズは16nm、結晶歪は2.0%であった。
【0103】
次に、得られた酸化セリウム微粒子o100gを用いて実施例1と同様に操作して固形分濃度1重量%の研磨材Oとした。
【0104】
(絶縁膜の研磨)
得られた研磨材Oを用いて実施例1と同様に絶縁膜の研磨を行なったところ、1分間で酸化珪素膜は150nmしか研磨されなかった。また、研磨後のウェハ表面には研磨傷は認められなかった。
【出願人】 【識別番号】000004455
【氏名又は名称】日立化成工業株式会社
【出願日】 平成18年11月6日(2006.11.6)
【代理人】 【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和

【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦

【識別番号】100100929
【弁理士】
【氏名又は名称】川又 澄雄

【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和

【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一

【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄


【公開番号】 特開2007−153731(P2007−153731A)
【公開日】 平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願番号】 特願2006−300308(P2006−300308)