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【発明の名称】 クレーン、好適にはクローラクレーンまたはトラッククレーン
【発明者】 【氏名】エルウィン モラス

【要約】 【課題】クレーン、好適にはクローラクレーンまたはトラッククレーンであって、クレーンの運転状態を監視するための、少なくとも1個の計算装置、並びに少なくとも1個の制御装置および表示装置を含むクレーン監視手段を有する該クレーンにおいて、クレーン監視システムの安全性を改善し、加えてクレーン技師のため運転上の利便性を向上する。

【解決手段】クレーンに独立したモニタ出力を有する運転プランナを付加的に設け、この運転プランナは、基本的に少なくとも1個の更なる計算ユニットからなる。さらに、この運転プランナを、一方でクレーンの運転を計画するための装置として機能させ、他方で前記クレーン監視手段とは別個に、クレーン冗長監視装置として機能させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーン、好適にはクローラクレーンまたはトラッククレーンであって、
クレーンの運転状態を監視するための、少なくとも1個の計算ユニット、並びに少なくとも1個の制御および表示ユニットを含むクレーン監視手段を有する該クレーンにおいて、
独立したモニタ出力を有する運転プランナをさらに設け、この運転プランナは、基本的に少なくとも1個の更なる計算ユニットからなり、および一方でクレーンの運転を計画するための装置として機能し、他方で前記クレーン監視手段とは別個に、クレーン冗長監視装置として機能することを特徴とするクレーン。
【請求項2】
前記クレーン監視手段および前記運転プランナの双方が、別個の制御および表示ユニットを含むことを特徴とする請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
前記運転プランナの制御および表示ユニットが、クレーン運転を計画するための装置の表示とクレーンを監視する手段の表示との間で切替え可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のクレーン。
【請求項4】
少なくとも1個の比較ユニットが、一方で前記運転プランナにおいて、他方で前記クレーン監視手段において独立に計算されるクレーン作動値を比較し、許容されない偏差が発生した場合にはエラーメッセージを生成し、および/またはクレーン制御部に、クレーンが安全な状態で維持されるかもしくは安全な状態になるように作用することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載のクレーン。
【請求項5】
クレーンの運転を計画するための装置としての前記運転プランナが、負荷容量プログラム、構成選択プログラム、バラスト決定プログラム、計画されたクレーンの運転をシミュレートするための計画プログラム、支持力計算プログラム、クローラ接地圧プログラム、および追突防止手段を含むことを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載のクレーン。
【請求項6】
クレーン冗長監視装置としての前記運転プランナが、監視されるべき現在値、例えば最大許容負荷容量、最大到達可能距離または他の値を、メモリに記憶された限界値テーブル、並びに調整された現在のクレーンの設定値および各種センサによって検出された現在のクレーンセンサ値のための形状データに基づいて計算することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載のクレーン。
【請求項7】
現在のクレーン状態が、さまざまな装備変更型に対応して、縮尺率に忠実にクレーンのモニタに視覚的に描写されることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のクレーン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は請求項1前段に従うクレーン、好適にはクローラクレーンまたはトラッククレーンに関する。
【0002】
トラッククレーンおよびクローラクレーンには、様々なサイズや装備がある。実行する作業に適した装備を有する適切なクレーン、およびクレーンの特定の利用に対して適切なバラスト重量が設定されたクレーンを選択するために、運転プランナを使用することはすでに知られる。このようなクレーン運転プランナは、パソコン上でクレーン運転を計画し、シミュレーションし、および文書化するためのコンピュータープログラムである。ある命令を受けると、その命令は運転プランナによって詳細に計画される。その後、前もって実行されかつ文書化されたこの計画が、運転中に実行される。
【0003】
さらに、クレーンにクレーンの運転状態(例えば負荷モーメント限界、過負荷限界、作業範囲限界、電力限界)を監視するためのクレーン監視手段を設けることも公知である。このようなクレーン監視手段は、実質的に、1個または複数個の計算システムおよび少なくとも1個の表示ユニットからなる。クレーンに設けられたセンサによって検出されるセンサ信号、例えば検出角度、長さまたは重量が、コンピュータシステムに入力される。その後、対比のために記憶された比較値に基づいて、クレーン監視手段が、クレーンに過負荷がかかっているか、または認容された作業範囲の中で用いられているかどうか判定する。しかしながら、公知のクレーン監視手段には、単一チャネルが提供されるのみであり、故障が生じうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、クレーン監視システムの安全性を改善すること、さらにはクレーン技師のため運転上の利便性を向上することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、本発明により、請求項1に記載の特徴の組合せによって解決される。すなわち、本発明によるクレーン、好適にはクローラクレーンまたはトラッククレーンは、まずクレーンの運転状態を監視するクレーン監視手段を有し、このクレーン監視手段は、1個または複数個のコンピュータシステムおよび少なくとも1個の表示ユニットからなる。本発明によれば、運転プランナをさらに設け、この運転プランナは1個または複数個のコンピュータシステム、および少なくとも1個の独立したモニタ出力からなる。この運転プランナは、一方ではクレーンの運転を計画するための装置として、他方では、クレーン監視手段とは別のクレーン冗長監視ユニットとして機能する。
【0006】
この場合、このような運転プランナは定置装置として使用され、クレーンにその構成の一部として組み込まれる。これによって、クレーン技師が現場で運転プランナを直接利用でき、従って、前もって詳細に状況に応じたクレーン運転を計画できるようになる。
【0007】
本発明によれば、運転プランナは、クレーンの運転を計画するための装置としてのみ使用されることに限られない。運転プランナは、対応するセンサ値が入力されるクレーン冗長監視装置として使用される。このセンサ値は、クレーンに分散配置されたセンサによって検出される。前記センサ値は、運転プランナに記憶された計算プログラムのための入力値を構成し、この入力値によって、クレーンの現在の運転データ、および限界値が再計算される。多様な、およびしたがって独立に並列監視を行う機器が形成され、これにより、本発明のクレーンは、独立マルチチャネル監視システムを含むということになる。
【0008】
独立請求項に従属する従属請求項から、本発明の特定の態様が得られる。
【0009】
すなわち、クレーン監視手段および運転プランナが、各々独立した表示ユニットを有すると特に好適である。クレーン技師は、画面内容を切替えることなく、これらを同時に一目で確認可能である。
【0010】
運転プランナの表示装置が、クレーンの運転を計画するための装置の表示と、現在のクレーン位置が反映された、クレーン監視手段の表示との間で常に切替え可能であると好適である。クレーン技師は、クレーンを運転する前に、通常、クレーン運転の計画を確認可能なモードに設定した表示装置を運転する。クレーン運転時に表示装置をクレーン冗長監視装置モードに切替えることができ、クレーン監視手段およびクレーン冗長監視装置に関する双方の表示を並行して監視することができる。
【0011】
クレーンに少なくとも1個の比較ユニットを設けると好適である。この比較ユニットは、一方で運転プランナにおいて、他方でクレーン監視手段において独立に計算されるクレーン作動値を比較し、許容されない偏差が発生した場合にはエラーメッセージ(例えば、光および/または音による警告信号)を生成し、および/またはクレーン制御部に、クレーンが安全な状態で維持されるかもしくは安全な状態になるように作用する(安全停止)。
【0012】
運転プランナ、およびクレーン監視手段は、例えば、更なる計算、表示および監視のために、データおよび一時的な結果を交換することができる。
【0013】
クレーンの運転を計画するための装置として、運転プランナに、負荷容量を計算するための負荷容量プログラム、適切なクレーン構成(例えば、ブーム長、バラスト、支持台、回転範囲、バラスト半径、追加装備)を選択するための構成選択プログラム、クレーンのタイプ応じて用いられる最小および最大のデリックバラストを計算するためのバラスト決定プログラム、計画されたクレーンの運転をシミュレートする(すなわち、ブームの角度、付属品、ブーム長、バラスト、デリックバラスト、デリックバラスト半径等の運転パラメータを変更する)ための計画プログラム、支持部分に作用する力を計算するための支持力計算プログラム、クローラに生じる接地圧を計算するためのクローラ接地圧プログラム、および共同して作業している複数のクレーンの衝突を回避するための衝突防止手段を含めると好適である。
【0014】
クレーン冗長監視装置として、運転プランナは、調整された現在のクレーンの設定値(メモリに記憶される)および多様なセンサによって検出された現在のクレーンセンサ値のためのデータに基づいて、前記のような基本プログラムを実行することができる。
【0015】
特に好適なことには、現在のクレーン状態を出力モニタに表示することができる。クレーン監視手段またはクレーン冗長監視ユニットの図形表現は、二次元または三次元ビューを含む。このビューには、以下のような特徴がある:
クレーンの寸法(例えば、支持台、ブームなど)が、近似的にまたは正確に縮尺率通りである。
図表において、クレーンの可動な構成部分、例えば回転土台、ブーム、ラフィング端は、クレーン監視ユニットモード時には、センサからの情報によって移動し、運転プランナモードの場合には、制御装置からの入力によって、実際とほぼ同じように移動する。
【0016】
運転プランナの場合と同様、図形表現は、パソコン上でズーミングによって拡大もしくは縮小させることができ、またはイメージエリアの位置を変えることによって変更することができる。さらに、建物あるいは他の障害物を描画することによって建築現場を表示することができ、または運転プランナモードに切替える以前に描写された建築現場の表示を反映させることもできる。クレーンの作業範囲に表示されたアイテム相互間の長さおよび距離に関する情報を、測定値によって得ることができる。
【0017】
図形表示装置において、負荷容量を到達距離に従属する形で示すことができる。運転プランナのモードをデリッククレーン用に設定した場合の図形表示装置には、到達距離および個々のデリックバラスト半径、または負荷容量および個々のデリックバラスト半径を示すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の更なる詳細および効果を、図面に記載の実施例を参照して詳細に説明する。図1は、一方では運転プランナの接続を、他方ではクレーン監視手段の接続を概略的に示す。
【0019】
図面に示した実施例におけるクレーン、例えばクローラクレーンまたはトラッククレーンは、計算ユニット12、およびモニタ14からなるクレーン監視手段10を含む。センサ信号S、例えば角度、長さ、重量などが、クレーンに取り付けられたセンサ16によって検出され、前記クレーン監視手段10に入力される。これらの測定値に基づいて、許容される作業範囲、および(ここでは詳細には図示されない)クレーンの負荷限界値が、メモリにおいて記憶された値、例えば装備、およびリービングに従属するそのクレーン特有の負荷容量テーブルを参照して、監視される。
【0020】
予めクレーンに取り付けられたクレーン監視手段10と並列に運転プランナ18を設け、この装置は、同様に独立したモニタ20および2個の機能を有するコンピュータ21を含む。第1の機能は、参照番号22によって示され、運転プランナとして公知の機能に関する。この装置によって全ての運転プランナ機能が実行さる。この機能は、従来から主にパソコン上の運転プランナによって演算可能である。運転は、たとえばマウス26または(詳細には図示されない)モニタ20のキーボード(例えばタッチスクリーン)によって、実行される。この機能は、第2の機能、すなわちクレーン冗長監視機能24から完全に独立している。クレーン冗長監視機能側では、クレーンに設置されたセンサ16からのセンサ値Sが、コンピュータユニット21に入力される。さらに、クレーン監視手段10からの対応する設定値Eを、クレーン冗長監視機能24に提供する。この設定値Eは、例えばクレーンの運転モード、リービングまたはその他の設定値に関する。したがって、クレーン技師がクレーンモニタに設定するデータまたはセンサよって与えられるデータが存在する(例えば、バラスト構成、支持台やブーム構造)。加えて、更なるデータ、および一時的な結果が、運転プランナとクレーン監視システムの間で交換されうる。
【0021】
クレーン冗長監視機能24において、現在の設定値、および現在のクレーンセンサ値が評価され、クレーン監視手段10と並列かつ独立に、現在の作動パラメータ、および監視限界値が、運転プランナ18において別個に記憶された負荷容量値、および形状ファイルによって計算される。
【0022】
これらの計算結果は、特に最大負荷容量、および例えば現在の到達距離並びに全体の現在の形状、および重心/運動中心の計算値を含む。
【0023】
一方では運転プランナ18および他方ではクレーン監視手段10から独立に得られた計算結果は、少なくとも1個のコンピュータにおいて比較され、それぞれの結果が許容されない偏差を有する場合、エラー信号が発信される。このエラー信号は、例えば危険な動きやさらなる警告の誘発を防止するために、クレーン制御部において直接処理されうる。
【0024】
好ましいことには、パソコンに搭載された運転プランナで一般的に用いられる全ての図形表現を、運転プランナ18のモニタ20に表示することができる。全ての現在のセンサ値、およびその他のデータが運転プランナ18に提供されているので、データおよび図形イメージは、それぞれの現在のクレーン状態を示すことができる。つまり、クレーンが移動する場合、運転プランナのモニタ20に表示された図表も、現在のクレーン位置に合わせて移動する。ここで、図形イメージは、例えば、さまざまなビューを図示することができる。クローラクレーンの場合、クローラ接地圧は動的に図示されうるが、支持体を有するクレーンの場合、作用する支持力は各々図示されうる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】運転プランナおよびクレーン監視手段の概略構成図である。
【符号の説明】
【0026】
10 クレーン監視手段
12 計算ユニット
14 モニタ
16 センサ
18 運転プランナ
20 モニタ
21 コンピュータユニット
22 運転プランナ機能
24 クレーン冗長監視機能
26 マウス
【出願人】 【識別番号】506246715
【氏名又は名称】リープヘル−ヴェアーク エーインゲン ゲーエムベーハー
【出願日】 平成18年7月19日(2006.7.19)
【代理人】 【識別番号】100072051
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 興作

【識別番号】100107227
【弁理士】
【氏名又は名称】藤谷 史朗

【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志

【識別番号】100134005
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 達也


【公開番号】 特開2007−31150(P2007−31150A)
【公開日】 平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願番号】 特願2006−197076(P2006−197076)