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【発明の名称】 クレーン装置
【発明者】 【氏名】舟橋 淳

【氏名】藤澤 昇

【氏名】千蔵 孝

【要約】 【課題】荷役の状況に応じた制約を低減し、作業効率や操作性のよいクレーン装置を提供すること。

【解決手段】ブーム13に沿ってトロリが横行し、該トロリから上下移動可能に吊り下げられたスプレッダを備えているクレーン装置1において、海側トロリ20A,陸側トロリ20Bを設けて各々から海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bを吊り下げるとともに、両スプレッダ22A、22Bを各々独立して上下動可能に構成した。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームに沿ってトロリが横行し、該トロリから上下移動可能に吊り下げられたスプレッダを備えているクレーン装置において、
前記トロリを複数設けて各々から前記スプレッダを吊り下げるとともに、当該スプレッダを各々独立して上下動可能に構成したことを特徴とするクレーン装置。
【請求項2】
前記スプレッダは、互いに結合及び分離が可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載のクレーン装置。
【請求項3】
前記ブームに沿って前記トロリから独立して横行可能な運転室を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のクレーン装置。
【請求項4】
前記スプレッダを結合した状態において、スプレッダ間の間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項2または3に記載のクレーン装置。
【請求項5】
前記スプレッダが分離した状態において、前記スプレッダは各々独立に回転角度の調整が可能であることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のクレーン装置。
【請求項6】
前記のスプレッダの分離結合が前記トロリの横行中に行われることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のクレーン装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナヤードの岸壁などに配設されて荷役を行うクレーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
港湾ターミナルのコンテナヤードにおいては、船舶に積み込んで輸送するコンテナの荷役を行うため、コンテナクレーンと呼ばれるクレーン装置が使用されている。このクレーン装置は、トレーラーに載せてコンテナヤード内を陸上輸送してきたコンテナを船舶に積み込む作業や、船舶に積み込んで海上輸送してきたコンテナを陸揚げしてトレーラーに積み込む作業に使用される。
このようなコンテナクレーンは、岸壁上に敷設されたレール上を走行するとともに、船上へ向けて張り出しているブームに沿ってトロリを横行させることにより、所望のコンテナ上に移動したスプレッダ(コンテナ用吊具)がコンテナをつかんで巻き上げ及び巻き下げて荷役を行うように構成された装置である。
【0003】
従来のコンテナクレーンは、1つのトロリに対して1つのスプレッダを設けた構成とされるが、近年の船舶大型化に伴ってコンテナ船におけるコンテナ取扱量は増加する傾向にあるので、荷役時間の増大により停泊時間の延長が予想される。このような停泊時間の延長は停泊料の高騰につながるため、1つのトロリに2つのスプレッダを取り付けておき、一度の横行で2個のコンテナを荷役できるようにして荷役時間の短縮を図ったものが提案されている。(たとえば、特許文献1参照)
また、従来のコンテナクレーンには、陸側にコンテナ中継台を設けて荷役作業の高効率化を図ったものが提案されている。この場合、海側(コンテナ船側)で荷役作業を行う2台の海側トロリと、陸側の中継台との間で荷役作業を行う1台の陸側トロリとを備えた構成とされるが、2台の海側トロリは互いに分離されており、各々が独立して荷役作業を行うようにうなっている。(たとえば、特許文献2参照)
【特許文献1】米国特許出願公開第2003/0189348号明細書
【特許文献2】特開2000−143154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に記載の従来技術では、トロリに取り付けられた二つのスプレッダが同時に上下動するものであるから、たとえばコンテナの段積み高さが異なる状況には対応できないという問題がある。また、1または複数列の間隔をもって離れた飛び石列にあるコンテナの荷役を行う場合や2台並列に並んで停車したトレーラーとの間で荷役を行う場合には、スプレッダでつかんだ二つのコンテナ間隔が狭いため、2台同時の吊り上げ作業及び吊り下げ作業が困難になるという問題を有している。なお、水平位置調整用のシリンダを備えているためスプレッダの間隔を調整することは可能であるが、調整可能範囲(シリンダストローク)を大きく設定するとシリンダが過大になるという問題も生じてくる。
一方、特許文献2に記載された従来技術では、中継台の設置及びトロリ台数の追加により、装置全体の重量が増大するという問題がある。なお、この従来技術では、トロリの追加によりオペレーターの人数についても増加する必要が生じてくる。
【0005】
このような背景から、段積み高さが異なるコンテナや飛び石列のコンテナでも複数同時の荷役ができ、しかも、並列に並んだ複数台のトレーラーとの間においても同時に荷役ができるようにすることで、荷役の制約を低減して作業効率や操作性を向上させたクレーン装置の開発が望まれている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、荷役の状況に応じた制約を低減し、作業効率や操作性のよいクレーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係るクレーン装置は、ブームに沿ってトロリが横行し、該トロリから上下移動可能に吊り下げられたスプレッダを備えているクレーン装置において、前記トロリを複数設けて各々から前記スプレッダを吊り下げるとともに、当該スプレッダを各々独立して上下動可能に構成したことを特徴とするものである。
【0007】
このようなクレーン装置によれば、トロリを複数設けて各々からスプレッダを吊り下げるとともに、当該スプレッダを各々独立して上下動可能に構成したので、各々のトロリが独自に動作して複数のコンテナを同時に荷役することができ、たとえば、段積み高さが異なるコンテナや飛び石列の状態にあるコンテナなどを複数同時に荷役することができる。また、並列に並んだ複数のトレーラに対しても、トレーラ側に合わせた各々独自の動作によりコンテナを同時に荷役することができる
【0008】
上記のクレーン装置においては、前記スプレッダは互いに結合及び分離が可能に構成されていることが好ましく、これにより、スプレッダを分離した状態とすれば、段積み高さが異なったり飛び石列の状態にある複数のコンテナを同時に荷役し、さらに、並列に並んだ複数のトレーラに対しても各々コンテナを同時に荷役することができる。また、スプレッダを結合した状態とすれば、隣接するコンテナを同時に荷役することができ、さらに、横行時に生じやすいランダムな振れを抑制して制御を容易にすることもできる。
【0009】
上記のクレーン装置においては、前記ブームに沿って前記トロリから独立して横行可能な運転室を備えていることが好ましく、これにより、トロリの位置に応じて荷役操作に最も都合のよい位置に運転室を移動させて操作を行うことができる。
【0010】
上記のクレーン装置においては、前記スプレッダを結合した状態において、スプレッダ間の間隔が調整可能であることが好ましく、これにより、プレッダ間の間隔を微調整することにより、たとえば複数のスプレッダを連結したまま船倉内へ進入させて荷役を行ったり、デッキ上で隣接する複数のコンテナを同時に掴んで荷役することもできる。
【0011】
上記のクレーン装置においては、前記スプレッダが分離した状態において、前記スプレッダは各々独立に回転角度の調整が可能であることが好ましく、これにより、たとえばトレーラの停車位置がスプレッダ側の軸線から回転してずれていても、コンテナ側を位置合わせして荷役することができる。
【0012】
上記のクレーン装置においては、前記のスプレッダの分離結合が前記トロリの横行中に行われることが好ましく、これにより、荷役時間(サイクルタイム)を短縮することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
上述した本発明のクレーン装置によれば、トロリを複数設けて各々からスプレッダを吊り下げるとともに、当該スプレッダを各々独立して上下動可能に構成したので、各々のトロリ及びスプレッダが独自に動作し、段積み高さの異なるコンテナや飛び石列のコンテナ等を複数同時に荷役することができるようになる。また、並列に並んで停車した複数台のトレーラーとの間においても、トレーラ側の停止位置に合わせて同時に荷役できるようになる。従って、荷役の制約が大幅に低減され、作業効率や操作性の向上したクレーン装置を提供できるという顕著な効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るクレーン装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すコンテナクレーン1は、コンテナヤードの岸壁Gに設置されてコンテナCの荷役を行うクレーン装置である。このコンテナクレーン1は、岸壁Gに沿って海及び船舶Sの船体と平行に走行移動(縦走)するクレーン本体10と、陸上のトレーラーTと海上の船舶Sとの間を走行移動(横行)する海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bと、海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bから独立して横行移動する運転室21とを備えている。
クレーン本体10は、上下方向に延びる海側走行脚11及び陸側走行桁12と、水平方向へ延びる主桁のブーム13及び中間桁14とを主な構成要素とする鉄鋼構造体であり、たとえば岸壁G上に敷設されたレール(不図示)に沿って一体の走行移動を可能とする図示省略の走行移動手段を備えている。
【0015】
海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bは、船舶Sの上方へ向けて張り出したブーム13に沿って、図示省略の走行移動手段により水平方向へ各々独自に走行移動可能な構造体である。この場合、海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bは、たとえば図示しない同一のガイドレール等に導かれて、海側及び陸側が入れ替わることなく横行移動する。
そして、海側トロリ20Aには海側スプレッダ22Aが吊り下げられ、陸側トロリ20Bには陸側スプレッダ22Bが吊り下げられている。海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22BはコンテナCをつかむ装置であり、上述した海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bに対し、各々独立した系統のワイヤロープ23を介して上下移動可能に吊り下げられている。このワイヤロープ23は、各々が図示省略の巻取装置を備えており、ワイヤロープ23の巻き取り及び巻き出しを各々独自に行うことでスプレッダ22A,22Bの独立した上下移動が可能となる。
この場合のスプッレダ22A,22Bは、各々1個のコンテナCをつかむものとして説明するが、たとえば図8に示すように、それぞれ2個のコンテナCを走行(縦走)方向に並べてつかめるスプレッダにするなど、これに限定されることはない。
【0016】
また、ブーム13には、海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bとは別に、図示しない独自の走行移動手段を備えた運転室21が下方へ突出して設けられている。この運転室21は、オペレーターが乗り込んで各種運転操作を行う居住空間であり、たとえば図示しない専用のガイドレール等に導かれて、ブーム13に沿って海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bと平行に独立した横行移動が可能である。
運転室21の周囲には運転操作窓が形成され、適所に移動することで荷役対象のコンテナCや海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bなど周囲の様子を見ながら、運転操作パネル等を操作して荷役作業を行うことができるようになっている。従って、オペレーターの人数を増やすことなく、荷役作業を行うことができる。
【0017】
また、海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bは、横行方向において互いに隣接する端部どうしを分離結合可能な構成とされる。両スプレッダ22A,22Bの分離結合は運転室21から遠隔操作されるが、その具体的手段としては、たとえば電磁石のON・OFFや鉄道車両用の連結器等を利用することができる。
このような分離結合手段を備えていることにより、海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bは、図2(a)に示すように、両スプレッダを連結した状態でコンテナCを搬送するなど一体の横行移動が可能となる。このように、両スプレッダ22A,22Bを一体に結合した状態での横行は、横行時に生じやすいランダムな振れを抑制し、安定した横行を可能にするので、運転操作の制御が容易になる。
【0018】
また、陸上に待機させたトレーラーT1,T2との間で荷役を行う際には、図2(b)に示すように、両スプレッダ22A、22Bを分離させて必要な間隔を確保することができ、同様に、両スプレッダ22A、22Bを分離すれば、飛び石列の状態にあって互いの間隔があいているコンテナCを同時に荷役することも可能である。
さらに、両スプレッダ22A、22Bが各々独立して上下移動可能なため、たとえば図2(c)に示すように、段積みされて高さの異なるコンテナCを同時に荷役することもできる。
【0019】
また、上述した海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bは、両スプレッダを連結した状態におけるスプレッダ間の距離を調整可能とすることが好ましい。すなわち、図3に示すように、両スプレッダ22A、22Bを連結した状態で、スプレッダ間距離を白抜矢印で示す方向に微調整することができるように、間隔調整手段を設けておくことが好ましい。
このような間隔調整手段を備えていれば、たとえばセルガイド30で区画される船倉に合わせてスプレッダ間隔を微調整した後、両スプレッダ22A、22Bを結合したまま船倉に入れてコンテナCを荷役をしたり、あるいは、船舶SのデッキH上で隣り合ったコンテナCに合わせてスプレッダ間隔を微調整した後、隣接するコンテナCを同時に掴んで荷役することも可能になる。
【0020】
また、上述した海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bは、両スプレッダを分離した状態において、各々独立した回転角度の調整を可能にすることが好ましい。すなわち、図4に示すように、互いに平行な基準位置(軸線L)から両方向に回転させて、停止位置にばらつきがあるトレーラーT1,T2の停止位置に合わせて荷役できるようにすることが好ましい。
具体例をあげて説明すると、トレーラーT1,T2が基準位置の軸線Lから角度θ1及びθ2だけ回転した状態で停止している場合、両スプレッダ22A,22Bを各々角度θ1及びθ2回転させて軸線L1及びL2に合わせることにより、トレーラーT1,T2の停止位置に合わせてコンテナCの荷役が可能となる。このような海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bの回転角度調整は、たとえば図示しないシーブ位置の調整等により可能となる。
【0021】
以下、上述したコンテナクレーン1の作用について、荷役作業の手順とともに図5ないし図7に基づいて説明する。なお、図5の荷役手順は、船舶SのデッキH上に積載されて横行方向に隣接する2つのコンテナCを陸揚げする場合を示している。
図5(a)は、コンテナクレーン1が停止位置にある状態を示している。この状態ではコンテナCを満載した船舶Sが岸壁Gに接岸し、海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bは所定の停止位置(待機位置)で一体に結合している。また、海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bは、所定の待機位置まで巻き上げられている。
【0022】
図5(b)は、コンテナクレーン1が荷役作業を開始した状態を示している。この状態ではクレーン本体10が岸壁に沿って所望の荷役位置まで走行し、荷役対象となる目標のコンテナC上に、すなわち目標位置上にブーム13が位置している。この状態では、両トロリ20A,20Bが両スプレッダ22A,22Bを一体に結合させたまま、ブーム13に沿って船舶S上の目標位置まで横行する。このとき、運転室21も同様に、荷役を行う両スプレッダ22A,22Bを容易に見通せる最適位置まで横行移動する。
【0023】
この後、図5(c)に示すように、一体に結合された海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bの巻き下げを同時に開始する。こうして荷役対象のコンテナC上に巻き下げられた両スプレッダ22A,22Bは、必要に応じてスプレッダ間距離の微調整を実施した後、各々が目標のコンテナCを同時につかむ。
次の工程では、図5(d)に示すように、コンテナCをつかんだ両スプレッダ22A,22Bが所定の横行位置まで巻き上げられる。このようにして、コンテナCを船舶Sから陸揚げする作業が完了する。
【0024】
続いて、陸揚げしたコンテナCをトレーラーT1,T2に積み込む荷役作業について、その手順を図6に示して説明する。
図6(a)に示す最初の工程では、両トロリ20A,20Bがブーム13に沿って陸側へ横行し、空荷の状態で並列に待機しているトレーラーT1,T2の待機位置付近に停止する。この場合、海側スプレッダ22Aが、海側に停止したトレーラーT1と位置合わせした状態で停止するとよい。なお、運転室21も同様に、トレーラーT1,T2への積載作業が見やすい位置へ適宜移動する。
次の工程では、図6(b)に示すように、両スプレッダ22A,22Bを分離するとともに、陸側スプレッダ22Aのみが単独で横行して陸側に停止したトレーラーT2と位置合わせした位置に停止する。
【0025】
この後、図6(c)に示すように、両スプレッダ22A,22Bの巻き下げを開始し、いずれか一方のスプレッダの巻き下げが所定の待機位置で停止される。図示の例では、陸側スプレッダ22Bの巻き下げが待機位置で停止されている。同時に、海側スプレッダ22Aは、トレーラーT1の積載位置に対する位置合わせの微調整が行われた後、トレーラーT1上まで巻き下げられる。この後、海側スプレッダ22AでつかんでいたコンテナCを離し、トレーラーT1の積載位置に載せる。
次の工程では、待機位置にある陸側スプレッダ22Bについて、トレーラーT2の積載位置に対する位置合わせの微調整を行った後、トレーラーT2上まで巻き下げられる。この後、陸側スプレッダ22BでつかんでいたコンテナCを離し、トレーラーT2の積載位置に載せる。
この結果、両スプレッダ22A,22BでつかんでいたコンテナCは、それぞれがトレーラーT1,T2の積載位置に載置される。
【0026】
次の工程では、図6(e)に示すように、コンテナCを離した両側スプレッダ22A,22Bが所定の横行位置まで巻き上げられる。
この後、図6(f)に示すように、両スプレッダ22A,22Bが所定の横行位置まで上昇するとともに、両スプレッダ22A,22Bが一体に結合する。そして、次に荷役する船上のコンテナ位置まで横行し、以下同様の手順で荷役を繰り返す。
【0027】
続いて、船舶Sの船倉(ホールド)内に積載されて段積み高さが異なる2つのコンテナCを陸揚げする場合について、図7を参照して説明する。
図7(a)は、コンテナクレーン1が停止位置にある状態を示している。この状態ではコンテナCを満載した船舶Sが岸壁Gに接岸し、海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bは所定の停止位置(待機位置)で一体に結合している。また、海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bは、所定の待機位置まで巻き上げられている。
【0028】
図7(b)は、コンテナクレーン1が荷役作業を開始した状態を示している。この状態ではクレーン本体10が岸壁に沿って所望の荷役位置まで走行し、荷役対象となる目標のコンテナC上に、すなわち目標位置上にブーム13が位置している。この状態では、両トロリ20A,20Bが両スプレッダ22A,22Bを一体に結合させたまま、ブーム13に沿って船舶S上の目標位置まで横行する。このとき、運転室21も同様に、荷役を行う両スプレッダ22A,22Bを容易に見通せる最適位置まで横行移動する。
【0029】
この後、図7(c)に示すように、一体に結合された海側スプレッダ22A及び陸側スプレッダ22Bのうち、いずれか一方の巻き下げを開始する。図示の例では、段積み高さの低い側である陸側スプレッダ22Bを先に巻き下げている。こうして荷役対象のコンテナC上に巻き下げられた陸側スプレッダ22Bは、必要に応じてスプレッダ位置の微調整を実施した後、目標のコンテナCをつかむ。
次に、図7(d)に示すように、海側スプレッダ22Aを同様に巻き下げ、必要に応じてスプレッダ位置の微調整を実施した後、目標のコンテナCをつかむ。
【0030】
次の工程では、図7(e)に示すように、コンテナCをつかんだ両スプレッダ22A,22Bが所定の横行位置まで巻き上げられる。このようにして、コンテナCを船舶Sから陸揚げする作業が完了する。
こうしてコンテナCを船舶Sから陸揚げする作業が完了した後には、陸揚げしたコンテナCをトレーラーT1,T2に積み込む荷役作業を行うが、この荷役作業の手順は上述した図6の作業と同様になる。
【0031】
また、上述した実施形態では、両スプレッダ22A、22Bの分離結合を完了した状態でブーム13に沿った横行をさせているが、荷役時間を短縮するため、両スプレッダ22A、22Bの分離結合を横行中に実施してもよい。
上述したように、本発明のクレーン装置によれば、海側トロリ20A及び陸側トロリ20Bのように複数のトロリを設けて各々から海側スプレッダ22A,22Bを吊り下げるとともに、両スプレッダ22A、22Bを各々独立して上下動可能に構成したので、両トロリ20A、20B及び両スプレッダ22A、22Bが各々独自に動作し、段積み高さの異なるコンテナCや飛び石列のコンテナC等を複数同時に荷役することができるようになる。また、並列に並んで停車した複数台のトレーラーT1,T2との間においても、トレーラ側の停止位置に合わせて同時に荷役できるようになる。従って、荷役の制約が大幅に低減され、作業効率や操作性の向上したコンテナクレーン1を提供できる。
【0032】
ところで、上述した実施形態ではコンテナクレーン1に適用した例を説明したが、本発明はコンテナクレーン以外のコンテナ装置にも適用可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、たとえば複数のトロリ及びスプレッダを2以上とするなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るクレーン装置の一実施形態として、コンテナヤードに設置されたコンテナクレーン装置の構成例を示す側面図である。
【図2】分離結合可能なスプレッダの状態を示す説明図で、(a)はスプレッダを結合した状態、(b)はスプレッダを分離した状態、(c)はスプレッダを分離して上下移動を各々独自に行う状態である。
【図3】結合状態のスプレッダについて、スプレッダ間隔の微調整に関する説明図である。
【図4】分離状態のスプレッダについて、回転角度の調整に関する説明図である。
【図5】本発明のクレーン装置により船舶のデッキ上に積載されて横行方向に隣接する2つのコンテナを陸揚げする場合の荷役作業について、作業工程を(a)〜(d)の順に示す説明図である。
【図6】本発明のクレーン装置により陸揚げしたコンテナをトレーラーに積み込む荷役作業について、作業工程を(a)〜(f)の順に示す説明図である。
【図7】本発明のクレーン装置により船舶の船倉内に積載されて段積み高さが異なる2つのコンテナを陸揚げする場合について、作業工程を(a)〜(e)の順に示す説明図である。
【図8】図1のA矢視図である。
【符号の説明】
【0034】
1 コンテナクレーン(クレーン装置)
10 クレーン本体
11 海側走行脚
12 陸側走行脚
13 ブーム(主桁)
14 中間桁
20A 海側トロリ
20B 陸側トロリ
21 運転室
22A 海側スプレッダ
22B 陸側スプレッダ
23 ワイヤロープ
C コンテナ
G 岸壁
S 船舶
T1,T2 トレーラー
【出願人】 【識別番号】000006208
【氏名又は名称】三菱重工業株式会社
【出願日】 平成17年7月22日(2005.7.22)
【代理人】 【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴

【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生


【公開番号】 特開2007−31001(P2007−31001A)
【公開日】 平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願番号】 特願2005−212235(P2005−212235)