| 【発明の名称】 |
移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】角尾 泰輔
|
| 【要約】 |
【課題】油漏れに対する信頼性が優れ、繰出される油圧ホースの長さが長くなっても従来例に係るリール方式に比較して引張力が小さく、しかも油圧ホースの交換に際してブームを分解する必要のない移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置を提供する。
【解決手段】油圧ホース23が複数回見解され、伸縮ブーム21の基本ブーム22の1側面に突設された固定軸2aに外嵌された複数の滑車を備えた固定掛装車2b、同じく基本ブーム22の1側面に設けられたガイド2fにより、固定掛装車2bに対して接離可能に案内される摺動ブロック2eに突設された可動軸2cに外嵌された複数の滑車を備えた可動掛装車2dからなる長尺体掛装ユニット2と、前記可動掛装車2dを前記固定掛装車2bから離反させる方向に付勢するコイルばね4とから構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 移動式作業車の伸縮ブームに設けられ、この伸縮ブームの伸長により長尺体を繰出し、この伸縮ブームの縮小に際して長尺体を巻込んで格納する移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置において、前記長尺体が複数回掛回され、前記伸縮ブームの基本ブームの1側面に突設された水平な固定軸に回転自在に外嵌されてなる単数または複数の滑車を備えた固定掛装車、および同じく基本ブームの1側面に設けられたガイドにより、前記固定掛装車に対して接離可能に案内される摺動ブロックに突設された水平な可動軸に回転自在に外嵌されてなる複数の滑車を備えた可動掛装車からなる長尺体掛装ユニットと、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に移動させる可動掛装車移動手段とからなることを特徴とする移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置。 【請求項2】 前記可動掛装車移動手段は、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に付勢するコイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置。 【請求項3】 前記可動掛装車移動手段は、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に付勢するガススプリングであることを特徴とする請求項1に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置。 【請求項4】 前記可動掛装車移動手段は、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に移動させる油圧シリンダであることを特徴とする請求項1に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置。 【請求項5】 前記長尺体掛装ユニットに、前記可動掛装車と前記固定掛装車の間の距離の変化量を測定する繰出し、巻込み自在な測長ケーブルを備えたストロークセンサを設けたことを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、移動式作業車の伸縮ブームに用いられ、伸縮ブームの伸長に合わせて油圧ホースや電気配線等の長尺体を繰出し、また伸縮ブームの縮小に合わせて長尺体を巻込む移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置に関するものである。 【背景技術】 【0002】 移動式作業車である移動式クレーンや高所作業車には多段式の伸縮ブームが設けられている。例えば、移動式クレーンの伸縮ブームの先端には油圧シリンダ等の油圧機器やフック過巻防止装置等の電気機器が設けられ、また高所作業車の伸縮ブームの先端にはゴンドラを作動させるための種々の油圧機器や電気機器が設けられている。油圧機器には作業車の本体側から作動油を供給し、かつ戻すための油圧ホース(長尺体)が連通しており、また電気機器には作業車の本体側から電気を供給すると共に電気信号を送信するための電気ケーブル(長尺体)が接続されている。これら油圧ホースや電気ケーブルは、例えば作業車の本体側に設けられたホースリールやケーブルリールに巻回されており、伸縮ブームの伸長により引っ張られて繰出されると共に、また伸縮ブームの縮小に際して、ぜんまいばねの弾発力により巻込まれて収納されるように構成されている。 【0003】 ホースリールを用いたものとしては、例えば移動式クレーンの側面図の図6に示すような移動式クレーンの送油装置が公知である。以下、この従来例1に係る移動式クレーンの送油装置を図6を参照しながら説明する。図に示す符号51は、移動式クレーンであって、この移動式クレーン51は車両フレーム52を備えている。この車両フレーム52の上には旋回台53が旋回自在に搭載されており、そしてこの旋回台53の前側の左右に設けられた一対のブーム支持ブラケット54に伸縮ブーム55の基部ブーム56が起伏自在に支持されている。伸縮ブーム55の先端ブーム57のブームヘッド58よりさらに先端部にはジブ59(図では折畳まれて、基部ブーム56の側面に格納されている。)が装着されるようになっている。ジブ59は、その使用時において、ジブ59の基端部がブームヘッド58のジブ支軸60により支持されると共に、ジブ59の先端部とブームヘッド58の上部の係合部61がテンションロッド62により連結されるように構成されている。 【0004】 前記ジブ59の先端部には油圧シリンダ63が設けられている。この油圧シリンダ63は、ジブ59の先端部に固定的に配置されており、油圧シリンダ63のロッド先端は前記テンションロッド62のジブ先端側に連結されている。従って、油圧シリンダ63のロッドを伸長させることにより、テンションロッド62のジブ先端に対する位置を移動させることができる。これにより、吊荷を吊持し得るように、伸縮ブーム55の先端において張出されたジブ59の伸縮ブーム55に対する相対角度を変化させることができる。 【0005】 前記油圧シリンダ63への作動油の供給経路は下記のように構成されている。即ち、油圧シリンダ63には旋回台53の左右一対のブーム支持ブラケット54の側方に配置されたホースリール64を介して作動油が供給されるように構成されている。ホースリール64の伸縮ブーム55の起伏支点56aの近傍には、このホースリール64に巻回されてなる油圧ホース66を引出すホース上方引出しポイント65が設けられている。そして、このホース上方引出しポイント65から引出された油圧ホース66は、基端ブーム56の側面に設けられたホースガイド67にガイドされ、さらに中間ブーム先端に設けられたホースガイド68,69、70にガイドされた後、前記油圧シリンダ63に接続されている。 つまり、伸縮ブーム55の伸長によりホースリール64から油圧ホース66が引出される一方、伸縮ブーム55が縮小されると、ホースリール64内に組込まれている図示しないぜんまいばねの弾発力で巻込まれるように構成されている。これにより、旋回台53に設けられてなる図示しない油圧ポンプから吐出された作動油が前記油圧シリンダ63に供給されることとなる(例えば、特許文献1参照。)。 【0006】 また、ホースリールを用いずに、油圧ホースを伸縮ブームの内部に収納した構成のものがある。以下、従来例2に係る作動油供給経路を、伸縮ブームの概略縦断側面図の図7を参照しながら、5段伸縮ブームを例として説明する。先ず、この5段伸縮ブームの構成を説明する。即ち、これは、第1〜第3各ブーム体81,82,83で第1組のブーム体群、第3〜第5各ブーム体83,84,85で第2組のブーム体群がそれぞれ構成され、これら二組のブーム体群がそれぞれ一つの伸縮シリンダ86,87と、ロープ式伸縮機構で伸縮されるように構成されている。第1組ブーム体群の伸縮シリンダ86のロッドの端部が第1ブーム体81の基端部に取付けられ、またシリンダチューブのロッド側の端部が第2ブーム体82の基端部に取付けられている。従って、伸縮シリンダ86の伸縮で第2ブーム体82が伸縮する。一方、第2組ブーム体群の伸縮シリンダ87のロッドの端部が第3ブーム体83の基端部に取付けられ、シリンダチューブのロッド側の端部が第4ブーム体84の基端部に取付けられている。従って、上記の場合と同様に、伸縮シリンダ87の伸縮により第4ブーム体84が伸縮する。 【0007】 前記ロープ式伸縮機構は伸長機構と縮小機構とからなるが、作動油の供給等に関係のない伸長機構については図示省略され、図示された縮小機構についてのみ説明されている。 以下、このロープ式伸縮機構の縮小機構を説明すると、縮小ロープ88,88と、ロープガイドシーブ89,89とにより構成され、ブーム左右両側に対称に設けられている。 即ち、第1,2ブーム体群において、第2,4ブーム体82,84の基端部左右両側にロープガイドシーブ89,89が設けられ、縮小ロープ88,88が中間部で同ロープガイドシーブ89,89にUターン状に通され、一方の折返し端が第1ブーム体81および第3ブーム体83の基端部に、他方の折返し端が第3ブーム83および第5ブーム体85の基端部に固定されている。これにより、第2,4ブーム体82,84の縮小力がロープ88,88およびシーブ89,89により第3ブーム83および第5ブーム体85に伝えられて、これら第3ブーム83および第5ブーム体85が縮小する。 【0008】 伸縮ブームには、伸縮シリンダ86,87以外に、ブーム先端にジブ起伏シリンダ等の油圧機器が設けられると共に、フックの過巻防止リミットスイッチ等の電気機器が設けられている。そして、油圧ホースや電気ケーブル等の複数の配管類90がブーム基端から先端に向って通されている。前記配管類90……は、両ブーム体群において、第2,4ブーム体82,84の基端部に、配管類ガイドローラ(以下、ガイドローラという。)91,91がガイドシーブ89,89と同軸配置で、かつ共通の軸92,92回りに回転自在に取付けられている。また、配管類90……は、両ブーム体群において、一部90aが、ブームの伸縮に関係なく定位置に固定される固定部分として、第1ブーム体81、第3ブーム体83の外面に沿って第1ブーム体81、第3ブーム体83の基端部から先端部まで設けられている。そして、残りの部分90bが、ガイドローラ91により折返され、両側折返し部分がブームの伸縮に応じて移動する可動部分として、一端が第1ブーム体81、第3ブーム体83の先端部に、他端が第3ブーム83、第5ブーム体85の基端部にそれぞれ固定されて、ロープ式縮小機構の縮小ロープ88と同じ経路を通る状態で配設されている(例えば、特許文献2参照。)。 【特許文献1】特開2001−26392号公報 【特許文献2】特開平11−180681号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 上記従来例1ではホースリールを用いているが、ホースリールに収納されている油圧ホースの長さが長くなるに連れて、油圧ホースが巻回されるドラムの径が大きくなり、また油圧ホースの長さが長くなるに連れて、油圧ホースを巻込む巻込力が大きなぜんまいばねを用いなければならない。従って、油圧ホースに大きな張力が作用し、油圧ホースの耐久性に問題が生じる。勿論、引張強度が高い油圧ホースを採用すれば、耐久性を向上させることができるが、コストアップを来すので経済的に不利になる。また、ホースリールにはスイベルジョイントが用いられていて、構造が複雑である上に、スイベルジョイントのシールの摩耗により油漏れトラブルが発生する恐れがある等の問題がある。さらに、繰出される長尺体の長さの全長を、繰出し、巻込み自在な測長ケーブルを備えたストロークセンサで測定しているため、ストロークセンサ自体が大型であり、高コストであるという問題もあった。 【0010】 一方、ケーブルリールの場合にあっては、電気ケーブルが長くなるに連れて大きな引張力が作用する。また、ケーブルリールには構造が複雑なスリップリングが設けられていて、リングやブラシへの異物の付着により電通に支障が生じる恐れがある等の問題がある。 【0011】 上記従来例2では、油圧ホースや電気ケーブルを各段のブーム体に固定しなければならないから、ホースリールやケーブルリールを用いる場合に比較して、組立性の難度が高いため、移動式クレーンのコストアップの要因となる。また、伸縮ブームを構成する各ブームの外側面に沿って配設されている部分があるため、油圧ホースや電気ケーブルを通すためにブームとブームとの間の隙間を大きくしなければならない。従って、伸縮ブームが太くなって重量が増大するため、移動式クレーンでは吊上げ能力が低下するという問題が生じる。また、油圧ホースや電気ケーブルを交換する必要が生じた場合、伸縮ブームを分解しなければならず、メンテナンスコストが嵩むのに加えて、交換作業に長時間を要するという問題がある。 【0012】 従って、本発明の目的は、油漏れや通電不良に対する信頼性が優れ、繰出される油圧ホースや電気ケーブルの長さが長くなっても従来例に係るリール方式に比較して引張力が小さく、しかも油圧ホースや電気ケーブルの交換に際してブームを分解する必要がない移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置を提供することである。 【課題を解決するための手段】 【0013】 上記課題を解決するために、本発明に請求項1に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置が採用した手段は、移動式作業車の伸縮ブームに設けられ、この伸縮ブームの伸長により長尺体を繰出し、この伸縮ブームの縮小に際して長尺体を巻込んで格納する移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置において、前記長尺体が複数回掛回され、前記伸縮ブームの基本ブームの1側面に突設された水平な固定軸に回転自在に外嵌されてなる単数または複数の滑車を備えた固定掛装車、および同じく基本ブームの1側面に設けられたガイドにより、前記固定掛装車に対して接離可能に案内される摺動ブロックに突設された水平な可動軸に回転自在に外嵌されてなる複数の滑車を備えた可動掛装車からなる長尺体掛装ユニットと、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に移動させる可動掛装車移動手段とからなることを特徴とするものである。 【0014】 本発明に請求項2に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置が採用した手段は、請求項1に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置において、前記可動掛装車移動手段は、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に付勢するコイルばねであることを特徴とするものである。 【0015】 本発明に請求項3に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置が採用した手段は、請求項1に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置において、前記可動掛装車移動手段は、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に付勢するガススプリングであることを特徴とするものである。 【0016】 本発明に請求項4に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置が採用した手段は、請求項1に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置において、前記可動掛装車移動手段は、前記可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に移動させる油圧シリンダであることを特徴とするものである。 【0017】 本発明に請求項5に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置が採用した手段は、請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置において、前記長尺体掛装ユニットに、前記可動掛装車と前記固定掛装車の間の距離の変化量を測定する繰出し、巻込み自在な測長ケーブルを備えたストロークセンサを設けたことを特徴とするものである。 【発明の効果】 【0018】 本発明に請求項1に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によれば、移動式作業車の伸縮ブームの基本ブームの1側面に設けられた長尺体掛装ユニットの可動掛装車は固定掛装車に対して接離可能に構成されている。従って、これら固定掛装車と可動掛装車に跨って掛回されている長尺体を、固定掛装車と可動掛装車との間の距離の変化量に長尺体の掛け数との積に等しい長さ分を繰出し、巻込むことができる。そして、繰出される長尺体には、可動掛装車を前記固定掛装車から離反する方向に移動させる可動掛装車移動手段の離反力を長尺体の掛け数で除算した小さな引張力が作用するだけだから、従来例1のように、長尺体の耐久性に問題が生じるような恐れがない。 【0019】 また、本発明に請求項1に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によれば、上記のとおり、固定掛装車と可動掛装車に跨って長尺体を掛回すだけの構成であるから、スイベルジョイントやスリップリングが不要である。従って、従来例1に比較して、構成が簡単であり、磨耗により作動油の供給や電気信号の送受信に支障が生じるようなことがないから、従来例1よりも信頼性に優れている。 【0020】 また、本発明に請求項1に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によれば、従来例2のように、伸縮ブームのブームとブームとの間に長尺体を通すための隙間を設ける必要がない。従って、ブームを太くする必要がなく、伸縮ブームの重量増を抑制することができるから、車両重量軽減により燃費の削減に貢献する他、移動式作業車は移動式クレーンである場合、その吊上げ能力が低下するような恐れがない。さらに、長尺体を交換するに際して伸縮ブームを分解するまでもなく、その外側で交換することができるから、メンテナンスコストに関して従来例2よりも経済的に有利になるばかりでなく、短時間のうちに長尺体の交換作業を終了することができる。 【0021】 伸縮ブームの伸長により長尺体繰出し巻込み装置の長尺体掛装ユニットから繰出された長尺体は、伸縮ブームの縮小に際して長尺体掛装ユニットの可動掛装車の固定掛装車からの離反により巻込まれる。可動掛装車の固定掛装車からの離反は、本発明に請求項2に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によればコイルばねにより行われ、本発明に請求項3に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によればガススプリングにより行われ、本発明に請求項4に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によれば油圧シリンダにより行われる。 【0022】 本発明に請求項5に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置によれば、長尺体の繰出し長さを測定する手段は、前記可動掛装車と前記固定掛装車の間の距離の変化量を測定する繰出し、巻込み自在な測長ケーブルを備えたストロークセンサである。従って、測長ケーブルの長さは、従来例1のように、繰出される長尺体の長さの全長を測長するのではなく、測長ケーブルの長さは従来の測長ケーブルの長さを長尺体の掛け数で除算した長さであるから、ブーム長さ計測手段であるストロークセンサを極めて小型のストロークセンサにすることができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0023】 本発明の形態1に係る移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置を、移動式作業車が移動式クレーンであって、かつ長尺体が油圧ホースである場合を例として、添付図面を参照しながら説明する。図1は伸縮ブームの1側面に設けられた長尺体繰出し巻込み装置の長尺体掛装ユニットの斜視図、図2は長尺体掛装ユニットの可動掛装車の移動機構の構成説明図、図3は長尺体繰出し巻込み装置の模式的側面構成説明図である。 【0024】 図1に示す符号21は、図示しない移動式クレーンの周知の構成になる4段式の伸縮ブームである。この伸縮ブーム21の基本ブーム22の1側面には、この伸縮ブーム21の伸長により油圧ホース(長尺体)23を繰出し、縮小に際して油圧ホース23を巻込んで格納する移動式作業車の長尺体繰出し巻込み装置1が設けられている。この長尺体繰出し巻込み装置1は、後述する構成になる長尺体掛装ユニット2を備えている。なお、この形態の場合、長尺体繰出し巻込み装置1は4段式の伸縮ブーム21の基本ブーム22の1側面に設けられているが、伸縮ブームの段数に限定されるものではない。 【0025】 前記長尺体掛装ユニット2は、基本ブーム22の1側面に突設された水平な固定軸2aに回転自在に外嵌された複数の滑車を備えた固定掛装車2bを備えている。また、同じく基本ブーム22の1側面に、この基本ブーム22と平行に設けられたガイド2fにより案内され、前記固定掛装車2bに対して接離摺動自在に設けられた摺動ブロック2eに突設された水平な可動軸2cに回転自在に外嵌された複数の滑車を備えた可動掛装車2dを備えている。 【0026】 そして、この長尺体掛装ユニット2の固定掛装車2bと可動掛装車2dとには、この可動掛装車2dの固定掛装車2b方向への接近に伴って、前記伸縮ブーム21の伸長力によりこの伸縮ブーム21の先端方向に繰出され、図示しない油圧シリンダに連通する油圧ホース23が複数回掛け回されている。この油圧ホース23の前記基本ブーム22の基端側は、この基本ブーム22を起伏自在に支持する図示しない上部旋回体に設けられた油圧ポンプに、図示しない切換操作弁を介して連通している。また、図3に示すように、前記可動掛装車2dは、可動掛装車移動手段であるコイルばね4により前記固定掛装車2bから離反する方向に付勢されるように構成されている。 【0027】 さらに、前記固定軸2aの端面には、前記固定掛装車2bと前記可動掛装車2dとの間の距離の変化量を測定することでブーム長さを計測するストロークセンサ3が取付けられている。このストロークセンサ3は、先端が前記可動軸2cの端面に連結されたなる測長ケーブル3aを備えている。つまり、このストロークセンサ3の測長ケーブル3aは、固定掛装車2bからの可動掛装車2dの離反により繰出され、接近に際してぜんまいばねにより巻込まれる、周知の構成になるものである。 【0028】 以下、本発明の形態に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置1の作用態様を説明する。即ち、移動式クレーンの伸縮ブーム21の基本ブーム22の1側面に設けられた長尺体掛装ユニット2の可動掛装車2dは固定掛装車2bに対して接離可能に構成されている。従って、これら固定掛装車2bと可動掛装車2dに跨って掛回されている油圧ホース23を、伸縮ブーム21の伸長力により、固定掛装車2bと可動掛装車2dとの間の距離の変化量に油圧ホース23の掛け数との積に等しい長さ分を繰出し、巻込むことができる。そして、繰出される油圧ホース23には、可動掛装車2dを固定掛装車2bから離反する方向に移動させるコイルばね4の離反力を油圧ホース23の掛け数で除算した小さな引張力が作用するだけであるから、従来例1のように、油圧ホース23の耐久性に問題が生じるような恐れがない。 【0029】 また、本発明の形態に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置1によれば、上記のとおり、固定掛装車2bと可動掛装車2dに跨って油圧ホース23を掛回すだけの構成であるから、スイベルジョイントが不要である。従って、従来例1に比較して、構成が簡単であり、磨耗により作動油の供給に支障が生じるようなことがないから、従来例1よりも信頼性に優れている。 【0030】 また、本発明の形態に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置1によれば、従来例2のように、伸縮ブームのブームとブームとの間に油圧ホースを通すための隙間を設ける必要がない。従って、ブームを太くする必要がなく、伸縮ブームの重量増を抑制することができるから、車両重量軽減により燃費の削減に貢献する他、移動式クレーンの吊上げ能力が低下するような恐れがない。さらに、油圧ホース23を交換するに際して伸縮ブーム21を分解するまでもなく、その外側で交換することができるから、メンテナンスコストに関して従来例2よりも経済的に有利になるばかりでなく、短時間のうちに油圧ホース23の交換作業を終了することができる。 【0031】 また、前記固定掛装車2bと前記可動掛装車2dとの間の距離の変化量を測定するストロークセンサ3の測長ケーブル3aは、伸縮ブーム21の伸長量を、前記固定掛装車2bと前記可動掛装車2dとに跨がって掛回されている油圧ホース23の掛け数で除算した長さであれば良い。従って、ストロークセンサ3は従来よりも遥に小型でよく、そして測長ケーブル3aをガイドするためのケーブルガイドを設ける必要がないから、従来例よりも遥に低コストである。 【0032】 本発明の形態2に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置を、その模式的構成説明図の図4を参照しながら説明する。但し、本発明の形態2に係る長尺体繰出し巻込み装置が上記形態1に係る長尺体繰出し巻込み装置と相違するところは可動掛装車移動手段の相違にあり、それ以外は全く同構成であるから、同一のものに同一符号を付し、かつ同一名称を以て主としてその相違する点について説明する。 【0033】 本発明の形態2に係る長尺体繰出し巻込み装置1では、この長尺体繰出し巻込み装置1の可動掛装車2dは、周知の構成になるガススプリング5により、固定掛装車2bから離反する方向に付勢されるように構成されている。 【0034】 即ち、本発明の形態2に係る長尺体繰出し巻込み装置1によれば、伸縮ブームの伸長力により油圧ホース23が繰出され、この油圧ホース23の繰出しによる可動掛装車2dの固定掛装車2bへの接近によりガススプリング5のロッドが縮小する。そして、伸縮ブームの縮小に際してのガススプリング5のロッドの伸長により、可動掛装車2dが固定掛装車2bから離反する方向に移動されて、繰出されていた油圧ホース23が巻込まれるから、本発明の形態2に係る長尺体繰出し巻込み装置1は上記形態1に係る長尺体繰出し巻込み装置1と同効である。 【0035】 本発明の形態3に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置を、その模式的構成説明図の図5を参照しながら説明する。但し、本発明の形態3に係る長尺体繰出し巻込み装置が上記形態1に係る長尺体繰出し巻込み装置と相違するところは可動掛装車移動手段の相違にあり、それ以外は全く同構成であるから、同一のものに同一符号を付し、かつ同一名称を以て主としてその相違する点について説明する。 【0036】 本発明の形態3に係る長尺体繰出し巻込み装置1では、この長尺体繰出し巻込み装置1の可動掛装車2dは、周知の構成になる油圧シリンダ6により、固定掛装車2bから離反する方向に移動されるように構成されている。前記油圧シリンダ6は後述する構成になる油圧回路7によって制御されるように構成されている。 【0037】 前記油圧回路7は、圧油供給源7aから3ポート2位置の電磁切換弁7cのポンプポートP、アクチュエータポートA、減圧弁7dを介して前記油圧シリンダ6のロッド側圧力室6aに連通する圧油供給ライン7bを備えている。この圧油供給ライン7bの前記減圧弁7dの前後に、油圧シリンダ6のロッド側圧力室6a内の圧油をこの圧油供給ライン7bの減圧弁7dと電磁切換弁7cとの間に戻し得る向きに逆止弁7fが設けられてなる油戻しバイパスライン7eが連通している。また、前記電磁切換弁7cのタンクポートTから作動油タンク7iに連通する油戻りライン7gの途中に、前記油圧シリンダ6のボトム側圧力室6bから圧油給排ライン7hが連通している。この圧油給排ライン7hは、ボトム側圧力室6b内の圧油を前記作動油タンク7iに戻す一方、油戻しバイパスライン7e、電磁切換弁7cのアクチュエータポートA、タンクポートTを介して戻される前記油圧シリンダ6のロッド側圧力室6a内の圧油と、前記作動油タンク7i内の圧油(補充)とをボトム側圧力室6bに流入させる働きをするものである。 【0038】 本発明の形態3に係る長尺体繰出し巻込み装置1を説明する。即ち、本発明の形態3に係る長尺体繰出し巻込み装置1では、伸縮ブームの伸長力により油圧ホース23を繰出すときには、電磁切換弁7cはリターンスプリングによりポンプポートPを遮断する方向に切換えられる。また、油圧ホース23を巻込むときには、ソレノイドが励磁されてポンプポートPとアクチュエータポートAとが連通する方向に切換えられる。 【0039】 より詳しくは、伸縮ブームの伸長力により油圧ホース23が繰出され、この油圧ホース23の繰出しにより可動掛装車2dが固定掛装車2bの方向へ移動する。これにより、油圧シリンダ6のロッド側圧力室6a内の圧油が、油戻しバイパスライン7e,電磁切換弁7cのアクチュエータポートA、ポンプポートP、圧油給排ライン7hを介して油圧シリンダ6のボトム側圧力室6bに戻される一方、不足分が作動油タンク7iから圧油給排ライン7hを介して補充され、油圧シリンダ6のロッドが伸長する。 【0040】 一方、伸縮ブームの縮小に際しては、電磁切換弁7cのソレノイドが励磁され、圧油供給源7aから圧油が電磁切換弁7cのポンプポートP、アクチュエータポートA、減圧弁7dを介して油圧シリンダ6のロッド側圧力室6aに流入する。これと同時に、油圧シリンダ6のボトム側圧力室6b内の圧油が圧油給排ライン7h、油戻りライン7gを介して作動油タンク7iにもどされる。つまり、油圧シリンダ6のロッドが縮小され、可動掛装車2dが固定掛装車2bから離反するため油圧ホース23が伸縮ブームの縮小に応じて巻込まれる。従って、本実施の形態3に係る長尺体繰出し巻込み装置1は上記形態1に係る長尺体繰出し巻込み装置1と同効である。 【0041】 以上の形態1乃至3においては、長尺体繰出し巻込み装置1は油圧ホースを繰出し巻込む場合を例として説明した。しかしながら、これに限らず、本発明の技術的思想を、例えば伸縮ブームの先端に設けられた電気機器に本体側から電気を供給すると共に電気信号を送信するための電気ケーブルの繰出し巻込む装置に対しても適用することができるから、上記形態1乃至3に係る構成に限定されるものではない。勿論、スリップリングを設ける必要がないから、電気供給、電気信号送受信手段の信頼性が向上し、そしてメンテナンスコストの低減が可能になる。 【図面の簡単な説明】 【0042】 【図1】本発明の形態1に係り、伸縮ブームの1側面に設けられた長尺体繰出し巻込み装置の長尺体掛装ユニットの斜視図である。 【図2】本発明の形態1に係り、長尺体繰出し巻込み装置の長尺体掛装ユニットの可動掛装車の移動機構の構成説明図である。 【図3】本発明の形態1に係り、長尺体繰出し巻込み装置の模式的側面構成説明図である。 【図4】本発明の形態2に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置の模式的構成説明図である。 【図5】本発明の形態3に係る移動式クレーンの長尺体繰出し巻込み装置の模式的構成説明図である。 【図6】従来例1に係り、送油装置を有する移動式クレーンの側面図である。 【図7】従来例2に係り、作動油供給経路を有する伸縮ブームの概略縦断側面図である。 【符号の説明】 【0043】 1…長尺体繰出し巻込み装置 2…長尺体掛装ユニット,2a…固定軸,2b…固定掛装車,2c…可動軸,2d…可動掛装車,2e…摺動ブロック,2f…ガイド 3…ストロークセンサ,3a…測長ケーブル 4…コイルばね 5…ガススプリング 6…油圧シリンダ,6a…ロッド側圧力室,6b…ボトム側圧力室 7…油圧回路,7a…圧油供給源,7b…圧油供給ライン,7c…電磁切換弁,7d…減圧弁,7e…油戻しバイパスライン,7f…逆止弁,7g…油戻りライン,7h…圧油給排ライン,7i…作動油タンク 21…伸縮ブーム,22…基本ブーム,23…油圧ホース A…アクチュエータポート(電磁切換弁) P…ポンプポート(電磁切換弁) Т…タンクポート(電磁切換弁)
|
| 【出願人】 |
【識別番号】304020362 【氏名又は名称】コベルコクレーン株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年7月11日(2005.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089196 【弁理士】 【氏名又は名称】梶 良之
|
| 【公開番号】 |
特開2007−15841(P2007−15841A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月25日(2007.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願2005−201973(P2005−201973) |
|