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【発明の名称】 ウインドサーフィン用ハーネス
【発明者】 【氏名】安谷 相吉

【要約】 【課題】剛性が高いことにより、ねじれ、歪みが少なく、また滑走時にずり上がりの無いウインドサーフィン用ハーネスを提供する。

【解決手段】複数の素材からなる重合体を中に有しボードセイラーの尻腰を支持するために中央部と該中央部から一体的に両方向に延びボードセイラーの脇腹付近までを支持する一組の脇腰部とからなる腰部部分と、前記脇腰部に一端が固定されボードセイラーの腹部付近で他端が締結される一対のウェストベルトとから成るウインドサーフィン用ハーネスにおいて、前記重合体を構成する前記複数の素材の少なくとも一つの素材の表面にカーボン素材がエポキシ樹脂で貼着されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素材からなる重合体を強化部として中に有しボードセイラーの尻腰を支持するために中央部と該中央部から一体的に両方向に延びボードセイラーの脇腹付近までを支持する一組の脇腰部とからなる腰部部分と、前記脇腰部に各一端が固定されボードセイラーの腹部付近で他端同士が締結される一対のウェストベルトとから成るウインドサーフィン用ハーネスにおいて、前記重合体を構成する前記複数の素材の一つの素材としてカーボン素材が含まれることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載のウインドサーフィン用ハーネスがウェストハーネスであることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネス。
【請求項3】
請求項1に記載のウインドサーフィン用ハーネスにおいて、前記カーボン素材は、前記重合体を構成する前記複数の素材のうちの他の素材の少なくとも片面上に貼着されていることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネス。
【請求項4】
請求項3に記載のウインドサーフィン用ハーネスにおいて、前記カーボン素材は、前記重合体を構成する前記複数の素材のうちの他の素材の表面上に全面にわたって貼着されていることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネス。
【請求項5】
重合体を構成する複数の素材の一つとしてカーボン素材が含まれる強化部を中に有しボードセイラーの尻腰を支持するための中央部と該中央部から一体的に両方向に延びボードセイラーの脇腹付近までを支持する一組の脇腰部とからなる腰部部分と、
前記脇腰部に各一端が固定されボードセイラーの腹部付近で他端同士が締結される一対のウェストベルトと、
前記中央部の下方に一体的に設けられボードセイラーのヒップを支持するためのヒップ部分と、
前記ヒップ部分から一体的に且つ前記脇腰部とは分離して延びたヒップ延長部と、
前記ヒップ延長部にそれぞれ一端が固着され、ボードセイラーの下腹部付近で他端同士が締結される一対のヒップベルトと、
からなることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はウインドサーフィンを行うときにボードセイラーが身体に着用する着具に関し、より詳しくは、ウインドサーフィン用のウェストハーネスに関する。
【背景技術】
【0002】
ウインドサーフィンは、ボード部にリグ部を取り付けて風の力を利用して、水面上を軽快に滑走するスポーツである。水面上を走るボード部は、主にボードとスケグから成る。風を受けるリグ部は、主に風を直接受けるセイル、ボード部に軸着されセイルを支えるマスト、マストを中心にセイルを操作するブームからなる。ボードセイラーは、水面上を滑走中は両足をボード上に置き、両手でブームを持ちセイルの向き、傾斜角等を操作するが、受ける風の強さによっては、両腕だけではブームを十分に持ち堪え且つ効率的な操作をすることが困難な場合もある。そこで、ボードセイラーは、腰にフック付の着具を着用し、そのフックをブームの所定箇所に設けられたハーネスラインに引っ掛けることにより、ブームに体重を預け易くする。そのような着具は、ボードセイラーの着用される部位によって、大別して、腰に着けるウェストハーネスとヒップに着けるシートハーネスとに分けられる。
【0003】
滑走中、ハーネスには非常に大きな力、負荷が作用するが、従来の特にウェストハーネスでは、剛性が不足していたため、腰側部分がねじれたり歪んだりする度に背筋と腹筋で負荷を支えざるを得ず、ボードセイラーの腰部への負担は非常に大きいものであった。
【0004】
さらに、従来のウェストハーネスは、腰部部分の剛性が不足していることに加えて、ハーネスのボードセイラーへの支持がウェストベルトと腰周り部分だけであったため、フックのずり上がりを効果的に防ぐことができなかった。
【0005】
従来、フックのずり上がり現象を防ぐことができるものとして、シートハーネスがある。このシートハーネスでは、フックに掛かった力を腰だけでなくヒップでも受け止める。従来のシートハーネスでは、ボードセイラーの両太股部分に対して、太股ベルトが、ヒップ部分からウェストベルト前方下部に掛けられるため、フックのずり上がり自体は防ぐことができる。しかしながら、装着時、太股が常に太股ベルトによって上側に引っ張られた状態であるため、下半身の自由は、その動きに大きく制約を与えるものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の一つの目的は、腰部部分の剛性を高くして、腰部への負担を軽減できるウェストハーネスを提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、従来のシートハーネスにおける太股ベルトを設けることなく、フックのずり上がり現象を防止することができると共に、下半身の動きにまったく制約を与えることがないウェストハーネスを提供することである。
【0008】
本発明の一態様によれば、複数の素材からなる重合体を強化部として中に有しボードセイラーの尻腰を支持するために中央部と該中央部から一体的に両方向に延びボードセイラーの脇腹付近までを支持する一組の脇腰部とからなる腰部部分と、前記脇腰部に各一端が固定されボードセイラーの腹部付近で他端同士が締結される一対のウェストベルトとから成るウインドサーフィン用ハーネスにおいて、前記重合体を構成する前記複数の素材の一つの素材としてカーボン素材が含まれることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネスが提供される。
【0009】
ウインドサーフィン用ハーネスにおいて、カーボン素材は、重合体を構成する複数の素材のうちの他の素材の少なくとも片面上に貼着されれば良い。
【0010】
ウインドサーフィン用ハーネスにおいて、カーボン素材は、重合体を構成する複数の素材のうちの他の素材の表面上に全面にわたってエポキシ樹脂等で貼着されたものであることが好ましい。
【0011】
本発明のもう一つの態様によれば、
重合体を構成する複数の素材の一つとしてカーボン素材が含まれる強化部分を中に有しボードセイラーの尻腰を支持するための中央部と該中央部から一体的に両方向に延びボードセイラーの脇腹付近までを支持する一組の脇腰部とからなる腰部部分と、
前記脇腰部に各一端が固定されボードセイラーの腹部付近で他端同士が締結される一対のウェストベルトと、
前記中央部の下方に一体的に設けられボードセイラーのヒップを支持するためのヒップ部分と、
前記ヒップ部分から一体的に且つ前記脇腰部とは分離して延びたヒップ延長部と、
前記ヒップ延長部にそれぞれ一端が固着され、ボードセイラーの下腹部付近で他端同士が締結される一対のヒップベルトと、
からなることを特徴とするウインドサーフィン用ハーネスが提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら説明する。
【0013】
図1は本願発明による第1の実施例のウインドサーフィン用ウェストハーネス10を腰部側から見たときの斜視図である。図2は同ウェストハーネス10をマネキンに着用した状態を横から見たときの図である。図2において図面の左側が腹側、右側が腰側である。図示実施例のウインドサーフィン用ハーネス10は、ボードセイラーの腰部、より具体的には尻腰部を支持する幅広状の中央部12と、該中央部12の両側から一体的に延び、ボードセイラーの脇腰から腹部の一部までを支持する脇腰部13と、該脇腰部13に一端が強固に縫い付けられ、他端同士がボードセイラーの腹部付近で締結されるようになった一対のウェストベルトとから成る。図面では、このウェストベルトは描かれていないが、ボードセイラーの腹部付近において、例えば面状ファスナー等によって相互に締結される。参照番号16は、滑走時、ブームの所定箇所に設けられたハーネスラインに引っ掛けるためのフックを示す。フック16は、参照番号14で示されるフックベルトによってハーネス10の腰脇部13に固定される。
【0014】
従来のウェストハーネスも、外観上は上記の第1実施例のものと殆ど変わらないと言えるが、本願発明によるウインドサーフィン用ハーネス10と、従来のハーネスとでは、ボードセイラーの尻腰部を支持する中央部12の内部の構成又は構造が大きく異なる。従来のハーネスは、図示はしないが、中央部分が、典型的には、腰部に直接触れる内側表皮と外側表皮の間に、若干厚めの緩衝材としても機能する発泡樹脂コアと、剛性を持たせるためのプラスチック板とが重合され、その周囲部で縫い合わされる構造となっていた。従来のハーネスでは、プラスチック板によってその剛性が得られていたため、十分な剛性を達成することができなかった。そのため、滑走中、腰部がねじれたり歪んだりする度に背筋と腹筋で支えなければならず、腰への負担が非常に大きかった。
【0015】
本願発明によるウインドサーフィン用ハーネス10の特徴は、重合体の1つとしてカーボン素材を含むことである。その態様としては、一つの例として、従来のプラスチック板にカーボン素材をエポキシ樹脂で貼着したものである。カーボン素材は、プラスッチ板の表側または裏側の何れか一方の面に貼着されることで良いが、必要により、両面に貼着されても構わない。さらに、その貼着態様としては、プラスッチ板の全面に貼ることが最も一般的ではあるが、必要な強度やしなやかさ等を考慮して、プラスッチ板へ部分的に、例えば適当な間隔を空けてストライプ状に貼っても良い。他の態様としては、プラスッチ板に代えて、カーボン素材からなるカーボン板をそのまま用いることもできる。また、プラスチック板に加えてカーボン板を追加的に用いることもできる。
【0016】
図3は、本願発明のウインドサーフィン用ハーネス10の中央部12の断面図の一例で、プラスッチ板の表面にカーボン素材が貼着されている実施例の断面を示す。具体的には、本発明によるハーネス10の重合体は、腰部に直接触れる布製内側表皮22と、緩衝材として主に機能する発泡樹脂コア24と、本願の特徴であるカーボン素材25が貼着されたプラスチック板26と、布製外側表皮28との重合体から成る。図面では、図示及び説明の都合上、各部材間に間隔が置かれて示されているが、実際の重合体では各部材同士が接触状態であっても構わない。カーボン素材25は、重量が軽く、硬く、フレックス性に非常に富む特徴を有するものである。そのような特徴を有するカーボン素材25が貼着されたプラスチック板26を、中央部12を構成する重合部材の一つとして使用することにより、フック16で受けた力が、腰部部分、特にその中央部12に伝わり、その部分を構成するカーボン素材25が貼着されたプラスチック板26でしなやかに受け止められるため、ハーネス全体のねじれや歪みを効率よく防ぐことが可能となった。それに伴い、ボードセイラーが、滑走中、負荷を背筋や腹筋で支えることの必要性が大幅に減少し、腰への負担が軽減されることになる。
【0017】
図4は、本願発明による第2の実施例のウインドサーフィン用ハーネス30をマネキンに着用した状態を横から見たときの図である。同図において図面の左側が腹部、右側が腰部である。図1及び図2に示す第1実施例のウェストハーネス10との違いは、中央部32の下方に、ボードセイラーのヒップを支持するための、中にクッション芯材を有するヒップ部分36が腰部部分の中央部32に対して折曲がり可能に一体的に設けられていることと、該ヒップ部分36の両側部から、腰部部分の脇腰部33とは分離して前方にそれぞれ延びたヒップ延長部37を有することと、さらにその延長部37の先に一対のヒップベルト38,38が設けられている点である。中央部32、脇腰部33、一対のウェストベルト34,34の構成は、前述の第1実施例のハーネス10の中央部12、脇腰部13、ウェストベルトと同じである。中央部32の重合体の構成も図3に示す第1実施例のものと同じである。すなわち、一例として、重合体を構成する構成部材の1つとして、プラスチック板にカーボン素材がエポキシ樹脂で貼着されたプラスチック板が用いられている。参照番号39はフックを示し、該フック39はフックベルト40等を用いてハーネス30に固定される。
【0018】
上記の第2実施例の構成とすることにより、滑走時にハーネスラインからフック39に掛かる力Fは、腰部部分とヒップ部分に対して、図4において矢印Faと矢印Fbでそれぞれ示す方向に確実に分散されるため、従来のシートハーネスのように太股ベルトを用いなくとも、ハーネスのずり上がりを効率的に防ぐことができる。そのため、ボードセイラーの下半身の運動が制限されることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は本発明の第1実施例によるウインドサーフィン用ハーネスを腰部側から見たときの斜視図である。
【図2】図2は本発明の第1実施例によるハーネスの着用状態を横から見たときの図である。
【図3】図3は本発明によるハーネスの腰部部分の中央部の重合体の構成を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の第2実施例によるウインドサーフィン用ハーネスの着用状態を横から見たときの図である。
【図5】図5は本発明の第2実施例によるハーネスの着用状態を正面から見たときの図である。
【符号の説明】
【0020】
10 ウェストハーネス
12 中央部
13 脇腰部
14 ウェストベルト
16 フック
24 発泡樹脂コア
25 カーボン素材
26 プラスチック板
30 ウェストハーネス
32 中央部
33 脇腰部
34 ウェストベルト
36 ヒップ部分
37 ヒップ延長部
38 ヒップベルト
39 フック
40 フックベルト
【出願人】 【識別番号】506121973
【氏名又は名称】有限会社 リバティートレーディング
【出願日】 平成18年4月10日(2006.4.10)
【代理人】 【識別番号】100085785
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 昌典


【公開番号】 特開2007−276676(P2007−276676A)
【公開日】 平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願番号】 特願2006−107047(P2006−107047)