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足踏み式自進車 - 特開2007−1455 | j-tokkyo
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【発明の名称】 足踏み式自進車
【発明者】 【氏名】木村 芳博

【要約】 【課題】屋内での使用性に優れ、足腰が弱った老人等でもバランスが取り易く、足腰への負担が軽減できるようにした足踏み式自進車を提供する。

【解決手段】足踏み式自進車1は、左右一対の車輪6,6及びこれらを連結する主軸4と、この主軸4の一方側寄り位置において前記主軸4から直交方向に突出するとともに、前記主軸4を跨いで両側に夫々同一線上に設けられた一方側駆動杆5Aと、前記主軸4の他方側寄り位置において前記一方側駆動杆5Aとは90°の位相差をもって設けられた他方側駆動杆5Bと、前記主軸4に対し回転を拘束しない状態で設けられた基板3と、前記一方側駆動杆5A及び他方側駆動杆5Bの上面側に夫々配設されるとともに、前記基板3によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能かつ水平状態に支持される一方側踏み板2A及び他方側踏み板2Bとから構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両足で交互に踏み板を踏み、車輪を回転させて走行するようにした足踏み式自進車であって、
前記足踏み式自進車は、左右一対の車輪と、これら左右一対の車輪を連結する主軸と、この主軸の一方側寄り位置において前記主軸から直交方向に突出するとともに、前記主軸を跨いで両側に夫々同一線上に設けられた一方側駆動杆と、前記主軸の他方側寄り位置において前記主軸から直交方向に突出するとともに、前記主軸を跨いで両側に夫々同一線上に設けられ、かつ前記一方側駆動杆とは90°の位相差をもって設けられた他方側駆動杆と、前記主軸に対し回転を拘束しない状態で設けられた基板と、前記一方側駆動杆の上面側に配設されるとともに、前記基板によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能に支持される一方側踏み板と、前記他方側駆動杆の上面側に配設されるとともに、前記基板によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能に支持される他方側踏み板とから構成されることを特徴とする足踏み式自進車。
【請求項2】
前記一方側駆動杆及び他方側駆動杆の両端部に夫々摺動用ローラを備える請求項1記載の足踏み式自進車。
【請求項3】
前記踏み板の下面に昇降ガイド軸が垂設され、前記基板に形成された挿通孔に挿通されるとともに、一端が基板に対して伏仰方向に揺動可能に支持されるとともに、他端が基板に対して基板の板面方向にスライド可能に係合する昇降ガイドアームを備えることにより前記踏み板が基板に対して上下方向に昇降可能に支持されている請求項1、2いずれかに記載の足踏み式自進車。
【請求項4】
前記踏み板の下面に少なくとも2本以上の昇降ガイド軸が垂設され、前記基板に形成された挿通孔に挿通されることにより前記踏み板が基板に対して上下方向に昇降可能に支持されている請求項1、2いずれかに記載の足踏み式自進車。
【請求項5】
前記車輪の外面及び内面の内の少なくとも一方側に、周方向に間隔を空けて斜面昇降移動用の係合突部を備える請求項1〜4いずれかに記載の足踏み式自進車。
【請求項6】
前記基板に対し、前記一方側駆動杆及び/又は他方側駆動杆の正/逆回転方向を規制する回転方向規制手段を備える請求項1〜5いずれかに記載の足踏み式自進車。
【請求項7】
四隅下端に夫々走行ローラを備えた姿勢制御用フレームを一体的に備える請求項1〜6いずれかに記載の足踏み式自進車。
【請求項8】
前記姿勢制御用フレームは、平行リンク機構により前記踏み板を水平状態に保持しながら斜路に対応可能としてある請求項1〜7いずれかに記載の足踏み式自進車。
【請求項9】
前記姿勢制御フレームの前輪はハンドルによって操舵可能としてある請求項7、8いずれかに記載の足踏み式自進車。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、立位状態のまま両足で交互に踏板を踏んで車輪を回転させることにより移動する足踏み式自進車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ペダルを足踏みして得られる回転を駆動源として車輪を回転させる移動装置として、足踏み式スクーター等が知られている。
【0003】
たとえば、下記特許文献1では、1つの共通の車軸の一方の端部に取付けられた第1の車輪手段と他方の端部に取付けられた第2の車輪手段とを有する車体フレームと、並列関係に取付けられた一対の足踏みペダルと、該足踏みペダルに連結された駆動部材と前記第2の車輪手段の前記共通の車軸に連結され車を駆動する被駆動部材とを有する前記足踏みペダルの各々のための一方向クラッチ、とを有する自己推進車であって、前記足踏みペダルの各々が1つの4リンク平行四辺形によって車体フレームに取付けられ、該4リンク平行四辺形が各足踏みペダルの両端に第1のアームと第2のアームを有し足踏みペダルが運転者の足によって下方に駆動され車を推進させるとき、各足踏みペダルを車の長手方向軸線に実質的に平行に保持するようにした自己推進車が開示されている。
【0004】
また、下記特許文献2では、連続する凹凸状に屈曲形成されたクランク軸からなって、前後に平行に設けられた一対の回転軸と、上記前後一対の回転軸の凹部および凸部にそれぞれ前後に架け渡され枢着される左右一対のペダル部と、該一対の回転軸の両端を軸受けすると共に先端がハンドル軸に連結されたベースフレームと、後方の回転軸の両端でベースフレームより外側に突出した部分に固着された駆動用の車輪と、前記ハンドル軸の下端に連動自在に設けられた前輪と、ハンドル軸の上部に固設されて前輪を操舵可能なハンドルとからなる足踏み式スクーターが開示されている。
【特許文献1】特開平5−131967号公報
【特許文献2】実開平7−30194号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2記載の発明は共に、足踏みペダル部の運動が回転運動である。そのため、足腰が弱った老人や病人等が使用するには身体のバランスを崩し易いとともに、ペダルに力を伝達するにはペダルを上死点においては水平に押し、下死点においては水平に引く必要があるため、足腰が弱った老人や病人等が使用するには身体への負担が大きいなどの問題があった。また、これらの足踏み式スクーター等は、階段や傾斜面などの昇降移動には不適であるなどの問題もあった。
【0006】
また、前記特許文献1記載の発明は、同特許文献1の図1に記載されるように、平行四辺形のリンク機構によって車輪を駆動させる構造であるため、車体フレームが長尺となり、室内で使用することはほぼ不可能である。また、前記特許文献2記載の発明は、幼児用の四輪車等と同様に、クランク機構によって車輪を駆動させる構造であり、円滑な走行を実現し難いと同時に、ペダルがいわゆる上死点にある時に力を加えると、逆回転を起こす危険性があった。
【0007】
一方、住宅や病院、老人ホームなどにおいては、足腰が弱った老人や病人が移動する際は、安全性を考慮して車椅子が使用されているが、車椅子は幅をとるため狭い屋内での使用にはおのずと制限があった。特に、狭い一般家庭内での使用は非常に不向きであった。また、足腰の運動を伴わない車椅子では、老人や病人の足腰をさらに弱らせる原因となるため、軽い運動にもなる移動装置が望まれていた。
【0008】
そこで本発明の主たる第1の課題は、コンパクト化が可能であり特に屋内での使用性に優れているとともに、足腰が弱った老人や病人等でも身体のバランスが取り易く、足腰への負担が軽減できるように足踏み運動を単純な上下運動とした足踏み式自進車を提供することにある。
【0009】
また、第2に水平面の移動はもとより、階段、傾斜面などの昇降移動を可能とした足踏み式自進車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、両足で交互に踏み板を踏み、車輪を回転させて走行するようにした足踏み式自進車であって、
前記足踏み式自進車は、左右一対の車輪と、これら左右一対の車輪を連結する主軸と、この主軸の一方側寄り位置において前記主軸から直交方向に突出するとともに、前記主軸を跨いで両側に夫々同一線上に設けられた一方側駆動杆と、前記主軸の他方側寄り位置において前記主軸から直交方向に突出するとともに、前記主軸を跨いで両側に夫々同一線上に設けられ、かつ前記一方側駆動杆とは90°の位相差をもって設けられた他方側駆動杆と、前記主軸に対し回転を拘束しない状態で設けられた基板と、前記一方側駆動杆の上面側に配設されるとともに、前記基板によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能に支持される一方側踏み板と、前記他方側駆動杆の上面側に配設されるとともに、前記基板によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能に支持される他方側踏み板とから構成されることを特徴とする足踏み式自進車が提供される。
【0011】
上記請求項1に係る本発明では、一方の踏み板を踏んで下方に移動させることにより、踏み板の裏面と接触する一方側駆動杆が回転し、主軸を介して他方側駆動杆が90度遅れで回転して他方の踏み板が上昇する機構とし、上昇した各踏み板を交互に踏んで下方に移動させることにより主軸が回転を続け車輪が回転して前進することができる。
【0012】
本発明の足踏み式自進車は、踏み板の運動が単純な上下運動であるため、足腰が弱った老人や病人等でも身体のバランスが取り易く、かつ従来の足踏み式スクーターのように水平方向へ力を加える必要がないため、足腰への負担が軽減できるようになる。
【0013】
また、コンパクト化が可能であり、屋外はもちろんのこと狭い一般家庭の屋内においても容易にかつ安全に走行できるようになる。
【0014】
請求項2に係る本発明として、前記一方側駆動杆及び他方側駆動杆の両端部に夫々摺動用ローラを備える請求項1記載の足踏み式自進車が提供される。前記基板と接触する前記一方側駆動杆及び他方側駆動杆の両端部に夫々摺動用ローラを備えることにより、一方側駆動杆及び他方側駆動杆の回転運動が円滑化するため、足腰への負担をより軽減できるようになる。
【0015】
請求項3に係る本発明として、前記踏み板の下面に昇降ガイド軸が垂設され、前記基板に形成された挿通孔に挿通されるとともに、一端が基板に対して伏仰方向に揺動可能に支持されるとともに、他端が基板に対して基板の板面方向にスライド可能に係合する昇降ガイドアームを備えることにより前記踏み板が基板に対して上下方向に昇降可能に支持されている請求項1、2いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0016】
上記請求項3記載の発明は、前記踏み板の支持構造を具体的に規定したものである。すなわち、踏み板の下面に設けられた昇降ガイド軸を基板に挿通させ、かつ一端が基板に対して伏仰方向に揺動可能に支持されるとともに、他端が基板に対して基板の板面方向にスライド可能に係合する昇降ガイドアームを備えることにより、踏み板を上下方向に昇降可能かつ水平状態に支持することができる。
【0017】
請求項4に係る本発明として、前記踏み板の下面に少なくとも2本以上の昇降ガイド軸が垂設され、前記基板に形成された挿通孔に挿通されることにより前記踏み板が基板に対して上下方向に昇降可能に支持されている請求項1、2いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0018】
上記請求項4記載の発明は、前記踏み板の支持構造を具体的に規定したものである。すなわち、踏み板の下面に設けられた昇降ガイド軸を基板に挿通させることにより、踏み板を上下方向に昇降可能かつ水平状態に支持することができる。
【0019】
請求項5に係る本発明として、前記車輪の外面及び内面の内の少なくとも一方側に、周方向に間隔を空けて斜面昇降移動用の係合突部を備える請求項1〜4いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0020】
上記請求項5記載の発明は、階段などの斜面を走行可能としたものである。階段などの斜面の側部に、部材長手方向に沿って所定の間隔で係合板が設けられたレールを予め設置しておき、前記車輪の側面に設けた係合突部を前記レールの係合板に係合させながら前進することにより斜路を走行できるようになる。
【0021】
請求項6に係る本発明として、前記基板に対し、前記一方側駆動杆及び/又は他方側駆動杆の正/逆回転方向を規制する回転方向規制手段を備える請求項1〜5いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0022】
上記請求項6記載の発明は、前記一方側駆動杆及び/又は他方側駆動杆の正/逆回転方向を規制する回転方向規制手段を備えるものであり、これによって足踏み式自進車の移動方向が急に逆転したりするのを防止することができる。
【0023】
請求項7に係る本発明として、四隅下端に夫々走行ローラを備えた姿勢制御用フレームを一体的に備える請求項1〜6いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0024】
上記請求項7記載の発明は、四隅下端に夫々走行ローラを備えた姿勢制御用フレームを一体的に備えるようにするものであり、これにより自進車の姿勢が安定し走行が安全に行えるようになる。
【0025】
請求項8に係る本発明として、前記姿勢制御用フレームは、平行リンク機構により前記踏み板を水平状態に保持しながら斜路に対応可能としてある請求項1〜7いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0026】
上記請求項8記載の発明は、前記姿勢制御用フレームは、接合部を滑節とし(少なくとも1箇所は滑節と剛節の切換可能とする)、フレーム全体が平行リンク機構により、前記踏み板を水平面状に保持しながら前輪高さ位置と後輪高さ位置とを変化できるようにし斜路に対応可能とする。
【0027】
請求項9に係る本発明として、前記姿勢制御フレームの前輪はハンドルによって操舵可能としてある請求項7、8いずれかに記載の足踏み式自進車が提供される。
【0028】
上記請求項9記載の発明は、前記姿勢制御フレームの前輪をハンドルによって操舵可能とすることで、進行方向の変更が可能となる。
【発明の効果】
【0029】
以上詳説のとおり本発明によれば、コンパクト化が可能であり特に屋内での使用性に優れた足踏み式自進車とすることができる。また、踏み板は単純な上下運動としたため、足腰が弱った老人や病人等でも身体のバランスが取り易く、足腰への負担が軽減できるようになる。さらに、水平面の移動はもとより、階段、傾斜面などの昇降移動も可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は、本発明に係る足踏み式自進車1の分解斜視図である。
【0031】
本発明に係る足踏み式自進車1は、運転者が左右2枚の踏み板2A、2Bの上に片足ずつ載せて立ち、前記踏み板2A、2Bの上で足踏みをするように両足で交互に踏み板2A,2Bを踏むことによって、接地する車輪6、6を回転させて走行するものである。
【0032】
前記足踏み式自進車1は、図1に示されるように、左右一対の車輪6,6と、これら左右一対の車輪6,6を連結する主軸4と、この主軸4の一方側寄り位置において前記主軸4から直交方向に突出するとともに、前記主軸4を跨いで両側に夫々同一線上に設けられた一方側駆動杆5Aと、前記主軸4の他方側寄り位置において前記主軸4から直交方向に突出するとともに、前記主軸4を跨いで両側に夫々同一線上に設けられ、かつ前記一方側駆動杆5Aとは90°の位相差をもって設けられた他方側駆動杆5Bと、前記主軸4に対し回転を拘束しない状態で設けられた基板3と、前記一方側駆動杆5Aの上面側に配設されるとともに、前記基板3によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能かつ水平状態で支持される一方側踏み板2Aと、前記他方側駆動杆5Bの上面側に配設されるとともに、前記基板3によって直接的に及び/又は他部材を介して間接的に上下方向に昇降可能かつ水平状態で支持される他方側踏み板2Bとから構成される。また、前記自進車1には、四隅下端に夫々走行ローラ13,13…を備えた姿勢制御用フレーム12が一体的に設けられている。
【0033】
以下、さらに各構成について図面に基づいて具体的に詳述すると、
前記車輪6は、例えば直径20〜60cm程度の円形寸法とされ、その外面及び内面の内の少なくとも一方側、図示例では内面側に、周方向に間隔を空けて斜面昇降移動用の係合突部6a、6a…を備えている。
【0034】
前記車輪6,6を連結する主軸4の一方側寄り位置に設けられた一方側駆動杆5Aは、図3及び図5に示されるように、主軸4から直交方向に突出する2本の杆状部材5a、5bとから構成される。これら杆状部材5a、5bは主軸4を跨いで同一線上に設けられる。前記杆状部材5a、5bの先端には夫々、部材を跨いで両側に摺動用ローラ7,7が設けられている。
【0035】
前記主軸4の他方側寄り位置に設けられた他方側駆動杆5Bは、前記一方側駆動杆5Aと同様の構造を成すが、一方側駆動杆5Aとは主軸4の断面方向から視て90°の位相差をもって取り付けられている。
【0036】
前記基板3は、裏面側中央両側部に夫々軸受け3A、3Bが固設され、この軸受け3A,3Bを挿通する主軸4によって、該基板3が主軸4の回転を拘束しない状態で設けられている。前記基板3は、一方側端部には2つの挿通孔3a、3aが形成されているとともに、前記挿通孔3a、3aの基板裏面側には夫々摺動ガイド管11,11が設けられている。また、他方側端部には軸受け10,10…が設けられ、後述する昇降ガイドアーム9が伏仰方向に揺動可能に軸支されている。
【0037】
前記一方側駆動杆5Aの上面側に配置される一方側踏み板2Aは、図5に示されるように、中間部に板面方向に沿ってスライドガイド孔2aが形成されているとともに、その裏面側であってかつ前記基板3の挿通孔3aに対応する部位に摺動ガイド軸8が固設され、基板3の挿通孔3aに挿通されているとともに、他方端側において、昇降ガイドアーム9によって、前記基板3に対して上下方向に昇降可能かつ水平状態に支持されている。
【0038】
前記昇降ガイドアーム9は、図2に示されるように、基端側部材9a、左右対のアーム片9b、9c及び先端側部材9dによって略矩形枠状に構成されたフレーム状部材であり、前記基端側部材9aが基板3に設けられた軸受け10,10によって伏仰方向に揺動可能に支持され、先端側部材9dが踏み板2Aのスライドガイド孔2aを貫通するように配設されている。なお、他方側踏み板2Bの支持構造は、前記一方側踏み板2Aの支持構造と全く同様である。
【0039】
一方、前記姿勢制御用フレーム12は、図1に示されるように、車輪6の内面側隣接位置に配設される側部面材15A、15Bと、これら側部面材15A、15Bとを相互に連結する複数の連結バー16,16…とから構成されている。前記側部面材15A、15Bは、詳細には図7(A)に示されるように、上段部材15a、下段部材15b及び側部支柱15c、15dとを連結して略矩形の面状フレームとし、前記上段部材15aと下段部材15bとの中間部同士を連結するとともに、前記主軸4が回転自在に貫通支持される主軸連結部材15eが設けられ、前記側部支柱15c、15dの下端に夫々走行ローラ13,13が設けられたフレーム部材である。前記上段部材15a、下段部材15b及び側部支柱15c、15dを夫々連結する連結部は滑節とされ、これら滑節の内の少なくとも1つ以上に滑節/剛節切換手段19が設けられている。前記滑節/剛節切換手段19としては、例えば図8に示されるように、連結部材(15a、15c…)を貫通して設けられたボルト20の一方端をナット21で固定し、他方端を前記ボルト20に直交して貫通された連結軸22によって回動自在にレバー23を連結した構造とすることができる。前記レバー23の回動連結部23aは前記連結軸22に対して偏心して取り付けられ、前記レバー23を矢印方向に回動させると、前記レバー23の偏心量分だけ連結部材同士が押さえ付けられ固定が図られるようになる。
【0040】
以上のように構成される姿勢制御用フレーム12は、前記滑節/剛節切換手段の操作により、図7(B)に示されるように、側部面材15A、15Bを平行リンク機構により長方形から任意の平行四辺形に形状を変化させることが可能となり、前記踏み板2A、2Bを水平状態で保持しながら斜路に対応可能となる。また、前記姿勢制御用フレーム12には、前輪をハンドル操作によって操舵可能とした操舵装置を設けることも可能である。例えば図9に示されるように、姿勢制御用フレーム12の前側中央部に上下段でハンドル支持ブラケット26,26を設け、このハンドル支持ブラケット26,26によってハンドル部材24を支持させるようにする。前記ハンドル部材24は、把手24aと、把手中央部から略T字状に連結されたハンドル軸24bと、ハンドル軸24bの下端に設けられるとともに、両側に走行ローラ25、25を備えた車軸部24dとからなり、前記ハンドル軸24bの途中に外嵌されたストッパー24c、24cが前記ハンドル支持ブラケット26,26の内側に隣接配置されることにより前記ハンドル軸24bが抜脱不能に支持されている。
【0041】
次に、前記足踏み式自進車1の操作方法について、図2〜6に基づいて詳述する。ここで、図5及び図6の(A)は図4のV−V断面図で、主に駆動杆5A、5Bの作動状態を示し、(B)は一方側駆動杆5Aが(A)の位置にあるときの他方側駆動杆5Bの状態を示した図である。
【0042】
運転者が踏板2A、2Bに片足ずつ載せて足踏みをするように、踏板2A、2Bを交互に押し下げることにより、前記踏板2A、2Bの下方に配設された駆動杆5A、5Bが連動して回動するようになっている。さらに詳しく説明すると、まず、図5(A)に示すように、一方側駆動杆5Aの先端に取り付けられた摺動ローラ7,7が前記踏板2Aの底面に当接して、踏板2Aが上位限にある状態において、運転者が踏板2A側に体重をかけ、踏板2Aを押し下げると、一方側駆動杆5Aは、主軸4を回転中心として時計方向に回転し主軸4を回転させる。
【0043】
このとき他方側駆動杆5Bは、一方側駆動杆5Aと90度の位相差をもって主軸4に取り付けられているため、図5(B)に示すように、一方側駆動杆5Aの回転に伴い、主軸4を介して時計方向に回転をはじめ、他方側駆動杆5Bが踏板2Bに当接して該踏板2Bを押し上げる。これにより、踏板2Aの押し下げ力が他方側駆動杆5Bによる踏板2Bの押上げ力となり、踏板2Bが押し上がる。
【0044】
次に、図6(A)に示すように、踏板2Aが下端まで下がり、一方側駆動杆5Aが水平になると、他方側駆動杆5Bは図6(B)に示すように垂直となり、踏板2Bは上位限となる。今度は運転者が踏板2B側に体重をかけ、踏板2Bを押し下げると、一方側駆動杆5Aが踏板2Aを押し上げる。
【0045】
前述したように、左右の踏板2A、2Bがそれぞれ上位限に達した時に体重をかけ、交互に踏板2A、2Bに押し下げる操作、いわば踏板2A、2Bの上で足踏みをする動作を繰り返すことにより、踏板2A、2Bの下面側に配設された駆動杆5A、5Bに順次回転し、これが駆動力となって主軸4が回転を続ける。主軸4の両端には、前述するように床(地面)と接地する車輪6、6が固設されており、前記車輪6、6が回転することにより自進車1が前進する。
【0046】
ところで、駆動杆5A、5Bが踏板2A、2Bに対して垂直となり、踏板2A、2Bが上位限に達した状態、いわゆる上死点に達した状態では、踏板2A、2Bに垂直方向の押し下げ力を作用させると、駆動杆5A、5Bがどちらに回動をはじめるか予測ができず、逆回転する危険性も考えられる。そのため、前記基板3に対して、一方側駆動杆5A及び/又は他方側駆動杆5Bの正/逆回転方向を規制する回転方向規制手段を設けることが望ましい。
【0047】
前記回転方向規制手段としては、例えば図10に示されるラチェット方式の回転方向規制手段17とすることができる。同図に示される回転方向規制手段17は、踏み板2A(2B)における前記駆動杆5A、5Bの接触ライン上において、前記駆動杆5A、5Bが上死点となる位置を跨いでその両側に開口2b、2cを隣接形成し、この開口2b、2cの中間板部2dに支軸26によって回動自在に支持されたラチェット台座板27を設ける。このラチェット台座板27は矩形状の開口27aを有し、この開口27aに対して、軸28によって回動自在に支持されたラチェット板29A、29Bを設ける。そして、このラチェット板29A、29Bの間に、略V字状を成す板バネ30を両者に跨るように配設することにより、前記ラチェット板29A、29Bが所定の角度状態で保持されるようになっている。また、前記ラチェット板29A、29Bの先端はラチェット台座板27の開口27aの対向側側縁よりも外方に突出しており、各ラチェット板29A、29Bは開口27aを通過しないようになっている。
【0048】
かかる回転方向規制手段17は、図10(B)に示すように、駆動杆5A、5Bの時計回り方向の回転のみを許容する場合には、ラチェット台座板27を図面左側(駆動杆5A、5Bの回動方向上流側)に倒し、下面側のラチェット板29Bを踏み板2Aの下面より突出させるようにする。なお、図示では前記ラチェット台座板27の留め具が省略されている。
【0049】
駆動杆5A、5Bは回転に伴い、摺動ローラ7は板バネ30の付勢力に抗しながら前記下面側に突出したラチェット板29Bを押上げ、ラチェット板29Bを乗り越えるが、一旦乗り越え終えた状態では、下面側に突出したラチェット板29Bによって反時計回り方向への回転が規制されるようになる。また、図10(C)に示すように、駆動杆5A、5Bの反時計回り方向の回転のみを許容する場合には、ラチェット台座板27を図面右側(駆動杆5A、5Bの回動方向上流側)に倒し、ラチェット板29Aを踏み板2Aの下面より突出させるようにする。駆動杆5A、5Bは回転に伴い、摺動ローラ7が板バネ30の付勢力に抗しながら前記下面側に突出したラチェット板29Aを押上げ、ラチェット板29Aを乗り越えるが、一旦乗り越え終えた状態では、下面側に突出したラチェット板29Aによって時計回り方向への回転が規制されるようになる。
【0050】
次に、前記自進車1が階段を昇降移動する場合の方法について説明すると、図11に示されるように、階段の両側部にはそれぞれ、左右の車輪6,6の幅に合わせてレール18を配設しておく。前記レール18は、例えば上面開口の断面コ字状部材とされ、内側起立壁の内面に部材長手方向に沿って、前記車輪6に設けた係合突起6a、6aの周方向距離とほぼ合致するように、係合板部18a、18a…が設けられている。
【0051】
自進車1が階段部に到達したら、階段の傾斜角に合致するように姿勢制御用フレーム12を傾斜させて滑節/剛節切換手段19で固定する。そして、平面走行の場合と同様に、踏板2A、2Bを交互に押し下げることにより、左右の車輪6、6がレール18を走行するとともに、車輪6,6の係合突部6a、6aが、レール18,18の係合板部18a、18a…と係合しながら自進車1が斜路を昇降移動する。
【0052】
〔他の形態例〕
(1)上記基板3の水平状態を安定的に保つために、基板3の下面側に脚付の走行ローラを配設するようにしても良いし、基板3と姿勢制御用フレーム12の主軸連結部材15eとを連結するようにしてもよい。
(2)上記の形態例では、踏板2A、2Bを押し上げる力は駆動杆5A、5Bの回転力が負担するようにしたが、駆動杆5A、5Bの回転をよりスムーズにするため、昇降ガイドアーム9に回動軸部にねじりコイルバネなどの付勢手段を設け、前記踏み板2A、2Bを押上げ方向に付勢してもよい。
(3)上記形態例では、基板3は踏み板2A、2Bの側部間に跨る寸法としたが、図12に示されるように、駆動杆5A、5Bの回転部分を開口とし、踏み板2A、2Bの配設範囲全体をカバーする寸法とすることもできる。この場合は、昇降ガイドアーム9が両側2箇所で回動支持されるようになり構造的に堅牢となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る足踏み式自進車1の分解斜視図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その裏面図である。
【図4】その正面図である。
【図5】(A)は一方側駆動杆5Aと踏板2Aとの関係を示す要部断面図(図4のV−V断面図)で、(B)はその時の他方側駆動杆5Bと踏み板2Bとの関係を示す図である。
【図6】(A)は他方側駆動杆5Bと踏み板2Bとの関係を示す要部断面図(図4のVI−VI断面図)で、(B)はその時の一方側駆動杆5Aと踏み板2Aとの関係を示す図である。
【図7】姿勢制御用フレーム12を示す、(A)は平面走行状態側面図、(B)は斜面走行状態側面図である。
【図8】姿勢制御用フレーム12における滑節/剛節切換手段19の概略断面図である。
【図9】姿勢制御用フレーム12に操舵装置を設けた場合の、(A)は正面図、(B)は側面図である。
【図10】駆動杆5A、5Bの回転方向規制手段17を示す、(A)は平面図、(B)は駆動杆5A、5Bの時計回り方向の回転を許容する場合の配置状態を示す(A)のB-B断面図、(C)は駆動杆5A、5Bの反時計回り方向の回転を許容する場合の配置状態を示す(A)のB-B断面図である。
【図11】足踏み式自進車1による階段の昇降要領を示す、(A)は昇降移動状態図、(B)は車輪6の係合突起6aとレール18の係合板18aとの係合状態を示す断面図である。
【図12】自進車1の他の形態例を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1…自進車、2A・2B…踏み板、3…基板、4…主軸、5A…駆動杆、6…車輪、6a…係合突起、7…摺動ローラ、8…昇降ガイド軸、9…昇降ガイドアーム、10…軸受け、11…摺動ガイド管、12…姿勢制御用フレーム、17…回転方向規制手段、18…レール
【出願人】 【識別番号】598137559
【氏名又は名称】木村 芳博
【出願日】 平成17年6月24日(2005.6.24)
【代理人】 【識別番号】100104927
【弁理士】
【氏名又は名称】和泉 久志


【公開番号】 特開2007−1455(P2007−1455A)
【公開日】 平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願番号】 特願2005−184531(P2005−184531)