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【発明の名称】 剛体電車線及び剛体電車線セット
【発明者】 【氏名】足立 文明

【氏名】中島 勝治

【要約】 【課題】トロリ線の多数の規格に対応した架台を簡単に製造することができ、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる剛体電車線を提供することを目的とする。

【解決手段】略T字形断面の架台本体2と、架台本体2の先端部5に固着されると共にイヤー3と協働してトロリ線1を掴持するトロリ線受け部材4とを、備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略T字形断面の架台本体(2)と、該架台本体(2)の先端部(5)に固着されると共にイヤー(3)と協働してトロリ線(1)を掴持するトロリ線受け部材(4)とを、備えたことを特徴とする剛体電車線。
【請求項2】
上記トロリ線受け部材(4)は、上記先端部(5)に固着されると共に上記トロリ線(1)が接触する当接面(8)を有する取付部(7)を具備し、該取付部(7)の先端に上記トロリ線(1)の係止凹溝(10)に係合する略三角形状の係止爪部(11)を有する突条部(9)を形成した請求項1記載の剛体電車線。
【請求項3】
上記トロリ線受け部材(4)は、その基端側に上記先端部(5)が嵌め込まれる嵌合凹部(6)を有すると共に上記トロリ線(1)が接触する当接面(8)を有する取付部(7)を具備し、該取付部(7)の先端に上記トロリ線(1)の係止凹溝(10)に係合する略三角形状の係止爪部(11)を有する突条部(9)を形成した請求項1記載の剛体電車線。
【請求項4】
上記架台本体(2)をアルミニウム製とし、上記トロリ線受け部材(4)を銅製とした請求項1,2又は3記載の剛体電車線。
【請求項5】
略T字形断面のアルミニウム製の架台本体(2)と、該架台本体(2)の先端部(5)に固着されると共にイヤー(3)と協働してトロリ線(1)を掴持する銅製のトロリ線受け部材(4)とを、備え、該トロリ線受け部材(4)は上記トロリ線(1)の断面形状・個数・取付位置に対応して相違する複数の断面形状の一揃えから成り、その一揃えのトロリ線受け部材(4)を上記架台本体(2)の上記先端部(5)に択一的に選択して固着するように構成したことを特徴とする剛体電車線セット。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、走行中に電車等に電気を供給するために軌道と平行に敷設される剛体電車線及び剛体電車線セットに関する。
【背景技術】
【0002】
電車等の軌道と平行に敷設される剛体電車線は、略T字形断面の架台の先端にトロリ線が取り付けられており、このトロリ線には多数の形状が存在し、その取付方も多種多様である。
例えば、従来の剛体電車線として、架台の先端に1個のトロリ線を当接させ、一対のイヤーにてそのトロリ線を挟持するものがある(特許文献1参照)。また、別の従来例として、2個のトロリ線を備えたものがあり、架台の先端にトロリ線の凹溝と係合する爪部を備え、その爪部とイヤーとで協働してトロリ線を挟持させていた(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平8−58439号公報
【特許文献2】特開平9−58305号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように、従来の剛体電車線は、架台に取り付けるトロリ線の個数・断面形状・取付位置について多数の規格が存在するため、剛体電車線の供給者等は、トロリ線の規格に応じて多数種類の架台の在庫を揃えておく必要があり、製造コスト面や在庫の管理コスト面に於て好ましくなかった。
また、将来、銅の価格が高騰する等の銅が入手しにくくなる事情が生じることを考慮して、製品開発が進められている。
【0004】
そこで、本発明は、トロリ線の多数の規格に対応した架台を簡単に製造することができ、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる剛体電車線及び剛体電車線セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る剛体電車線は、略T字形断面の架台本体と、該架台本体の先端部に固着されると共にイヤーと協働してトロリ線を掴持するトロリ線受け部材とを、備えたものである。
【0006】
また、上記トロリ線受け部材は、上記先端部に固着されると共に上記トロリ線が接触する当接面を有する取付部を具備し、該取付部の先端に上記トロリ線の係止凹溝に係合する略三角形状の係止爪部を有する突条部を形成したものである。
【0007】
また、上記トロリ線受け部材は、その基端側に上記先端部が嵌め込まれる嵌合凹部を有すると共に上記トロリ線が接触する当接面を有する取付部を具備し、該取付部の先端に上記トロリ線の係止凹溝に係合する略三角形状の係止爪部を有する突条部を形成したものである。
【0008】
また、上記架台本体をアルミニウム製とし、上記トロリ線受け部材を銅製としてもよい。
【0009】
本発明に係る剛体電車線セットは、略T字形断面のアルミニウム製の架台本体と、該架台本体の先端部に固着されると共にイヤーと協働してトロリ線を掴持する銅製のトロリ線受け部材とを、備え、該トロリ線受け部材は上記トロリ線の断面形状・個数・取付位置に対応して相違する複数の断面形状の一揃えから成り、その一揃えのトロリ線受け部材を上記架台本体の上記先端部に択一的に選択して固着するように構成したものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、次のような著大な効果を奏する。
本発明に係る剛体電車線によれば、トロリ線受け部材の断面形状を変更するだけで、多数種類のトロリ線の規格(断面形状・個数・取付位置)に対応した(架台本体とトロリ線受け部材とを合わせた)架台を作製し提供することができる。
即ち、従来の架台を、架台本体とトロリ線受け部材との別部材に分けて成型したので、断面形状の異なるトロリ線受け部材を予め多数種類作製しておけば、共通部材としての架台本体に多数種類のトロリ線受け部材を択一的に選択して固着するだけで、トロリ線の規格に対応した架台を簡単に作製することができる。
また、架台本体に比べて小サイズのトロリ線受け部材を多数種類揃えておけばよく、言い換えれば、大サイズの架台本体の在庫数を少なくすることができるので、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる。
また、架台本体をアルミニウム製としたことで、将来、銅の価格が高騰する等の銅を入手しにくくなる事情が生じた場合であっても、安定して架台を製造し提供することができる。
【0011】
本発明に係る剛体電車線セットによれば、共通部材としての架台本体に一揃えのトロリ線受け部材を択一的に選択して固着するだけで、多数種類のトロリ線の規格(断面形状・個数・取付位置)に対応して(架台本体とトロリ線受け部材とを合わせた)架台を作製し提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、実施の形態を示す図面に基づき本発明を詳説する。
図1に示す本発明に係る剛体電車線の第1の実施形態に於て、1は銅製のトロリ線、2は略T字形断面のアルミニウム製の架台本体、3は銅製のイヤーである。
そして、架台本体2の先端部5には、イヤー3と協働してトロリ線1を掴持する銅製のトロリ線受け部材4が固着されている。
【0013】
図2は、図1の側面図であり、比較的短い長さのジョイントスプライサ25と、長尺の架台本体2,2 の各端部を示し、また、連続状のトロリ線1を示す。
このジョイントスプライサ25,25を、ハックボルト26とカラー27とから成るかしめ締結具にて相互に引き寄せて架台本体2に締結し、隣り合う架台本体2,2の端部相互間を接続している。
【0014】
図1に於て、架台本体2は、トンネル内等に設けられる図外のがいしに取り付けられるフランジ部13を基端(図の上端)側に有し、かつ、先端部5の近傍に架台中央面Pに対して対称に配設された一対の凸部14,14を有し、両者間をウエブ15にて連結した形状であって、押出型材、又はその後の冷間引抜き加工にて、製造される。
【0015】
トロリ線1は、図1の左右両側に、一対のV字形の係止凹溝10,10を有すると共に、基端側小扇形部16と先端側大扇形部17を合わせた略だるま形である。そして、トロリ線1は基端側に弯曲凸状面18を有している。
【0016】
トロリ線受け部材4は、基端側に架台本体2の先端部5が嵌め込まれる嵌合凹部6を有するU字形の取付部7を具備している。取付部7は先端側にトロリ線1の上記弯曲凸状面18が接触する平坦面状の当接面8を有する。さらに、取付部7の先端には、トロリ線1の一対の係止凹溝10,10のうちの一方(図例では右側)に係合する略三角形状の係止爪部11を有する突条部9が形成されている。
【0017】
19はトロリ線受け部材4を架台本体2の先端部5に固着するためのステンレス製の締結具であり、締結具19は、先端部5に上記架台中央面Pと直交して貫設された挿通孔21と、トロリ線受け部材4の取付部7に貫設された(図の左右)2個の孔部20,20とに、挿入されている。また、この締結具19は、例えば、リベットやピン或いはスプリングピン等から成るものである。
【0018】
イヤー3の基端は図1の左側の凸部14に当接して配設され、イヤー3の先端にはトロリ線1の上記一対の係止凹溝10,10のうちの他方(図例では左側)に係合する挟持爪部22を有する。
【0019】
23は、架台本体2の先端部5とトロリ線受け部材4とを貫通するステンレス製のイヤー締結用ボルトであり、24はボルト23と螺合するステンレス製のブッシュナットである。
このボルト23とブッシュナット24にて、イヤー3を架台本体2に取り付けると共に、イヤー3の先端をトロリ線1側へ引き寄せて、トロリ線受け部材4の係止爪部11と当接面8とで協働して掴持している。
また、ブッシュナット24は図1の右側の凸部14に当接し、この凸部14にてブッシュナット24の回転を防止している。
【0020】
また、上記ジョイントスプライサ25とハックボルト26との膨張係数を略同一とするために、銅製のジョイントスプライサ25と、ステンレス製のハックボルト26を用いている。また、ジョイントスプライサ25とハックボルト26をどちらもアルミニウム製としてもよい。 なお、前記「アルミニウム製」には、純粋アルミニウム製又はアルミニウム合金製、若しくはそれぞれに複合めっき等の表面処理を行ったものをいうと定義する。そして、前記「銅製」には、純粋銅製又は銅合金製、若しくはそれぞれに複合めっき等の表面処理を行ったものをいうと定義する。
【0021】
次に、図3に示すのは、本発明に係る剛体電車線の第2の実施形態であり、この場合、略T字形断面の架台本体2の先端側に、2個のトロリ線1がトロリ線受け部材4と一対のイヤー3,3にて掴持されている。また、図3に示す第2の実施形態の架台本体2と、図1に示す第1の実施形態の架台本体2とは、同じ断面形状であり、これに対し、トロリ線受け部材4の断面形状は異なったものとなっている。
【0022】
第2の実施形態のトロリ線受け部材4の形状について具体的に説明すると、トロリ線受け部材4は、基端側の略倒立Π字形の取付部7と、取付部7の先端に一体に連設される略台形の突条部9とから成っている。
【0023】
取付部7は、その基端側に架台本体2の先端部5が嵌め込まれる嵌合凹部6を有すると共に、先端側に2個のトロリ線1,1が接触する当接面8,8が架台中央面Pに対称に配設されている。また、取付部7の先端部に(左右)一対の突片部12,12を有し、突片部12,12の先端面は当接面8,8の一部を形成する。
【0024】
突条部9は、当接面8,8の間に配設され、トロリ線1,1の互いに向かい合う(内側の)係止凹溝10,10に係合する略三角形状の係止爪部11,11を有する。
そして、係止爪部11,11と当接面8,8とイヤー3,3とで協働して2個のトロリ線1,1を掴持している。
【0025】
また、28は、架台本体2の先端部5とトロリ線受け部材4とを貫通するボルト部材であり、29はボルト部材28と螺合するナット部材である。
このボルト部材28とナット部材29にて、両方のイヤー3,3を架台本体2に取り付けている。
なお、図3に於て、図1と同一の符号は図1と同様の構成であるので、説明を省略する。
【0026】
図4で示すのは本発明に係る剛体電車線セットである。
図4に於て、2は略T字形断面のアルミニウム製の架台本体であり、4は架台本体2の先端部5に固着されると共にイヤー3と協働してトロリ線1を掴持する銅製のトロリ線受け部材4である。このトロリ線受け部材4は、(イ)〜(へ)に示すように、トロリ線1の断面形状・個数・取付位置に対応して相違する複数の断面形状の一揃えから成る。そして、(イ)〜(へ)の一揃えのトロリ線受け部材4は架台本体2の先端部5に択一的に選択して固着するように構成されている。
【0027】
即ち、架台本体2は、一揃えのトロリ線受け部材4を択一的に選択して固着する共通の部材であり、(イ)〜(ヘ)の各トロリ線受け部材4は、それぞれの基端側に架台本体2の先端部5が嵌め込まれる同一形状寸法の嵌合凹部6を有する。
【0028】
(イ)〜(ハ)のトロリ線受け部材4は、図1のように1個のトロリ線1を掴持するタイプのものであり、それぞれ、1個の当接面8と1個の係止爪部11を有する。各トロリ線受け部材4の違いについて説明すると、(ロ)の係止爪部11を有する突条部9の高さ寸法A2 は(イ)の突条部9の高さ寸法A1 より大きく設定され、(ハ)の当接面8の幅寸法B2 は(イ)の当接面8の幅寸法B1 より大きく設定されている。
【0029】
また、(ニ)〜(ヘ)のトロリ線受け部材4は、図3のように2個のトロリ線1を掴持するタイプのものであり、それぞれ、2個の当接面8,8と2個の係止爪部11,11を有する。各トロリ線受け部材4の違いについて説明すると、(ホ)の係止爪部11,11を有する突条部9の高さ寸法C2 は(ニ)の突条部9の高さ寸法C1 より大きく設定され、(ニ)(ホ)(ヘ)のそれぞれ突条部9の幅寸法D1 、D2 、D3 は、D2 <D1 <D3 となっている。
【0030】
このように、一揃えのトロリ線受け部材4は、掴持するトロリ線1の個数や、トロリ線1の形状、(例えば、トロリ線1が架台中央面Pに近い又は遠い等の)取付位置に対応してそれぞれ異なる断面形状に形成される。なお、対比する2個のトロリ線1が同じ形状であって寸法が異なる(互いに相似する)場合も、トロリ線受け部材4はそれぞれのトロリ線1に対応した断面形状に形成される。つまり、上記「トロリ線1の形状」には寸法(サイズ)も含むものと定義する。
【0031】
なお、(イ)〜(ハ)のトロリ線受け部材4は、上記説明した突条部9の高さ寸法・当接面8の幅寸法の相違点以外は、図1に示すトロリ線受け部材4と同様の構成であるので説明を省略する。また、(ホ)〜(ヘ)のトロリ線受け部材4についても、上記説明した突条部9の高さ寸法・幅寸法の相違点以外は、図3に示すトロリ線受け部材4と同様の構成である。
【0032】
架台本体2の形状寸法は図1及び図3に示したものと同じ形状寸法であり、また、図4に於て、ジョイントスプライサ・ハックボルト・カラー、及び、イヤー3やトロリ線受け部材4を架台本体2に固着するための締結用ボルト・ナット等は図示省略している。
【0033】
また、本発明の剛体電車線セットは設計変更自由であり、架台本体2の先端部5に一揃えのトロリ線受け部材4を択一的に選択して固着可能とすれば、トロリ線受け部材4は、(イ)〜(ヘ)の断面形状以外の形状であってもよく、また、架台本体2も図4に示した断面形状以外のものであってもよい。具体的には、本発明の剛体電車線又は剛体電車線セットを、図5に示すように、架台本体2の先端部5に下方開口状の凹部30を形成し、トロリ線受け部材4の基端(上端)に凹部30に嵌合する嵌込凸部31を設けて作製しても自由である。
【0034】
なお、前記「アルミニウム製」には、純粋アルミニウム製又はアルミニウム合金製、若しくはそれぞれに複合めっき等の表面処理を行ったものをいうと定義する。そして、前記「銅製」には、純粋銅製又は銅合金製、若しくはそれぞれに複合めっき等の表面処理を行ったものをいうと定義する。
【0035】
上述した本発明の剛体電車線と剛体電車線セットに於て、トロリ線受け部材4及びイヤー3の銅製の部材と、アルミニウム製の架台本体2との間には、電食が生じる。つまり、アルミニウム製の架台本体2が、トロリ線受け部材4及びイヤー3との接触部に於て腐蝕される。この電食を抑止するために、銅製のトロリ線受け部材4とイヤー3の表面に複合めっきをすることが好ましい。複合めっきとしては、例えば、トロリ線受け部材4・イヤー3の各表面に亜鉛層・クロメート処理層を内側から順に積層する。さらに、好ましくは、トロリ線受け部材4・イヤー3の各表面に錫層・亜鉛層・クロメート処理層を内側から順に積層する。
【0036】
以上のように、本発明の剛体電車線は、略T字形断面の架台本体2と、架台本体2の先端部5に固着されると共にイヤー3と協働してトロリ線1を掴持するトロリ線受け部材4とを、備えたので、トロリ線受け部材4の断面形状を変更するだけで、多数種類のトロリ線1の規格(断面形状・個数・取付位置)に対応した(架台本体2とトロリ線受け部材4とを合わせた)架台を作製し提供することができる。
即ち、従来の架台を、架台本体2とトロリ線受け部材4との別部材に分けて成型したので、断面形状の異なるトロリ線受け部材4を予め多数種類作製しておけば、共通部材としての架台本体2に多数種類のトロリ線受け部材4を択一的に選択して固着するだけで、トロリ線1の規格に対応した架台を簡単に作製することができる。
また、架台本体2に比べて小サイズのトロリ線受け部材4を多数種類揃えておけばよく、言い換えれば、大サイズの架台本体2の在庫数を少なくすることができるので、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる。
【0037】
また、トロリ線受け部材4は、先端部5に固着されると共にトロリ線1が接触する当接面8を有する取付部7を具備し、取付部7の先端にトロリ線1の係止凹溝10に係合する略三角形状の係止爪部11を有する突条部9を形成したので、即ち、従来の架台からトロリ線1の取付に必要な部分(当接面8や係止爪部11)を有するトロリ線受け部材4を別部材として分けて作製することができるので、トロリ線1の規格に対応した架台を効率良く作製することができる。言い換えれば、従来の架台のうちの大部分を共通部材の架台本体2とすることができ、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる。
【0038】
また、トロリ線受け部材4は、その基端側に先端部5が嵌め込まれる嵌合凹部6を有すると共にトロリ線1が接触する当接面8を有する取付部7を具備し、取付部7の先端にトロリ線1の係止凹溝10に係合する略三角形状の係止爪部11を有する突条部9を形成したので、即ち、従来の架台からトロリ線1の取付に必要な部分(当接面8や係止爪部11)を有するトロリ線受け部材4を別部材として分けて作製することができるので、トロリ線1の規格に対応した架台を効率良く作製することができる。言い換えれば、従来の架台のうちの大部分を共通部材の架台本体2とすることができ、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる。
また、トロリ線受け部材4はその基端側に架台本体2の先端部5が嵌め込まれる嵌合凹部6を有するので、トロリ線受け部材4の架台本体2への取付が容易となる。
【0039】
また、架台本体2をアルミニウム製とし、トロリ線受け部材4を銅製としたので、将来、銅の価格が高騰する等の銅を入手しにくくなる事情が生じた場合であっても、安定して架台を製造し提供することができる。
また、トロリ線受け部材4を銅製としたことで、トロリ線受け部材4とトロリ線1との間の導通性が良くなる。
【0040】
本発明の剛体電車線セットは、略T字形断面のアルミニウム製の架台本体2と、架台本体2の先端部5に固着されると共にイヤー3と協働してトロリ線1を掴持する銅製のトロリ線受け部材4とを、備え、トロリ線受け部材4はトロリ線1の断面形状・個数・取付位置に対応して相違する複数の断面形状の一揃えから成り、その一揃えのトロリ線受け部材4を架台本体2の先端部5に択一的に選択して固着するように構成したので、共通部材としての架台本体2に一揃えのトロリ線受け部材4を択一的に選択して固着するだけで、多数種類のトロリ線1の規格(断面形状・個数・取付位置)に対応して(架台本体2とトロリ線受け部材4とを合わせた)架台を作製し提供することができる。
また、架台本体2に比べて小サイズのトロリ線受け部材4を多数種類揃えておけばよく、言い換えれば、大サイズの架台本体2の在庫数を少なくすることができるので、製造コスト・在庫管理コストを低減することができる。
また、架台本体2をアルミニウム製としたことで、将来、銅の価格が高騰する等の銅を入手しにくくなる事情が生じた場合であっても、安定して架台を製造し提供することができる。
また、トロリ線受け部材4を銅製としたことで、トロリ線受け部材4とトロリ線1との間の導通性が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る剛体電車線の第1の実施形態を示す断面図である。
【図2】側面図である。
【図3】第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る剛体電車線セットの説明図であり、(イ)〜(ヘ)は一揃えのトロリ線受け部材を示す説明図である。
【図5】本発明に係る剛体電車線及び剛体電車線セットのさらに別の実施の形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 トロリ線
2 架台本体
3 イヤー
4 トロリ線受け部材
5 先端部
6 嵌合凹部
7 取付部
8 当接面
9 突条部
10 係止凹溝
11 係止爪部
【出願人】 【識別番号】000003263
【氏名又は名称】三菱電線工業株式会社
【出願日】 平成18年5月16日(2006.5.16)
【代理人】 【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣


【公開番号】 特開2007−307923(P2007−307923A)
【公開日】 平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願番号】 特願2006−136204(P2006−136204)