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【発明の名称】 絵画用キャンバス
【発明者】 【氏名】梅田 東巳

【要約】 【課題】シート状画布が大気中の湿度に影響されることはなく、筆、ナイフを用いて絵を描く際の画布に対するタッチがスムーズな絵画用キャンバスを提供する。

【解決手段】亜麻、木綿、合成繊維、混紡等のシート状生地12の表面に下地材13を塗布し、この下地材13の表面に防湿性塗料14を塗布したシート状画布15からなる絵画用キャンバス11において、シート状生地12の裏面12bに防湿性塗料16を塗布したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
亜麻、木綿、合成繊維、混紡等のシート状生地の表面に下地材を塗布し、この下地材の表面に防湿性塗料を塗布したシート状画布からなる絵画用キャンバスにおいて、前記シート状生地の裏面に防湿性塗料を塗布したことを特徴とする絵画用キャンバス。
【請求項2】
前記シート状生地の裏面の防湿性塗料は、透明塗料であることを特徴とする請求項1記載の絵画用キャンバス。
【請求項3】
シート状生地の表面及び裏面に防湿性塗料を塗布したシート状画布は、種々のサイズに裁断されたシート状もしくはロール状に巻回された長尺物であることを特徴とする請求項1記載の絵画用キャンバス。
【請求項4】
シート状生地の表面及び裏面に防湿性塗料を塗布したシート状画布は、その表面を表にして画枠に張設されていることを特徴とする請求項1記載の絵画用キャンバス。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、シート状生地の表面に下地材を塗布し、この下地材の表面に防湿性塗料を塗布したシート状画布からなる油絵、アクリル絵用の絵画用キャンバスに関する。
【背景技術】
【0002】
油絵用キャンバスは、亜麻、木綿、合成繊維、混紡等のシート状生地の表面に下地材として、特殊配合グルーにて下地加工した後、精製亜麻仁油、植物性テレピン油、ジンクホワイト顔料で下塗りが施される。その後、天然乾燥するための乾燥室に入れて下塗りを乾燥する。下塗りが乾燥した後、油絵用キャンバスの表面を研磨して平滑に仕上げた後、チタニウムホワイト顔料からなる上塗りをコーティングし、これを再び乾燥室に入れて上塗りを乾燥する。
このように加工された油絵用キャンバスは、ロール状に巻回されて保管されるが、画枠に張設する際には、所定の長さに裁断された後、表面を表にして画枠に張設される。従って、油絵用キャンバスは、油絵具の酸から生地を守り、キャンバスにより強い耐久性を持たせることができ、同時に防湿・防虫効果があり、絵画を長期保存できる。
【0003】
なお、従来の油絵用キャンバスとして、生地の表面に塗布される白色塗料に、遠赤外線放射材、電磁波吸収発熱材等のエネルギー放射材を混入し、油絵具の固化を促進させ、油絵を短期間で仕上げるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2001−26750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の絵画用キャンバスにおいては、亜麻、木綿、合成繊維、混紡等のシート状生地の表面のみに下地材を塗布し、この下地材の表面に防湿性塗料が塗布されている。つまり、絵画用キャンバスは、油絵具で絵を描く表面のみに塗料が塗布され、裏面は何ら塗料が塗布されておらず、亜麻、木綿、合成繊維、混紡等の生地が露出した状態にある。特許文献1においても、生地の表面に塗布される白色塗料に遠赤外線放射材、電磁波吸収発熱材等のエネルギー放射材を混入したものであり、裏面は何ら塗料が塗布されておらず、生地が露出した状態にある。
従って、画枠に張設されたシート状画布は、その裏面が大気中の湿度の影響を受け易く、吸湿・乾燥によって収縮・膨張を繰り返し、撓みが生じてしまう。このため、筆、ナイフを用いて絵を描く際に、画布に対するタッチが悪く制作に支障をきたし、また描かれた絵画にとっては、画布の収縮・膨張の繰り返しによって絵画に亀裂が発生したり、剥離現象等の経時変化が発生するという問題がある。
本発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、シート状画布及び画枠に張設されたシート状画布が大気中の湿度に影響されることはなく、筆、ナイフを用いて絵を描く際の画布に対するタッチがスムーズであり、また描かれた絵画においては、経時変化無く保存が可能となる。さらに、本発明の画布は、表面のみならず、裏面にも絵を描くことができる絵画用キャンバスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、前記目的を解決するために、請求項1は、亜麻、木綿、合成繊維、混紡等のシート状生地の表面に下地材を塗布し、この下地材の表面に防湿性塗料を塗布したシート状画布からなる絵画用キャンバスにおいて、前記シート状生地の裏面に防湿性塗料を塗布したことを特徴とする。
【0006】
請求項2は、請求項1の前記シート状生地の裏面の防湿性塗料は、透明塗料であることを特徴とする。請求項3は、請求項1のシート状生地の表面及び裏面に防湿性塗料を塗布したシート状画布は、種々のサイズに裁断されたシート状もしくはロール状に巻回された長尺物であることを特徴とする。請求項4は、請求項1のシート状生地の表面及び裏面に防湿性塗料を塗布したシート状画布は、その表面を表にして画枠に張設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、シート状生地の裏面に防湿性塗料を塗布することにより、シート状画布及び画枠に張設されたシート状画布が大気中の湿度に影響されることはない。従って、筆、ナイフを用いて油絵、アクリル絵を描く際の画布に対するタッチがスムーズであり、また描かれた絵画においては、経時変化無く保存が可能となる。さらに、画布は、表面のみならず、裏面にも絵を描くことができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0009】
図1〜図3は第1の実施形態を示し、図1は絵画用キャンバスの斜視図、図2は絵画用キャンバスの縦断側面図、図3は図2のA部を拡大した縦断側面図である。油絵に用いる絵画用キャンバス11のシート状生地12は、例えば、亜麻、木綿、合成繊維、混紡等によって形成されている。このシート状生地12の表面12aには透明な合成樹脂材料からなる下地材13が塗布され、この下地材13には白色塗料等の防湿性塗料14が塗布されてシート状画布15が構成されている。
【0010】
さらに、本発明の絵画用キャンバス11のシート状生地12の裏面12bには、例えば下地材13と同様の組成の透明な合成樹脂材料からなる防湿性塗料16が塗布されている。そして、防湿性塗料16を透視してシート状生地12の素材、例えば、亜麻、木綿、合成繊維、混紡等及び織目の粗さ等が確認できるようになっている。
シート状画布15は、木製、アルミニウム製等の画枠17に表面15a側を表にして張設されている。従って、表面15aに油絵具を塗り重ねて油絵を描くことができ、裏面15bは大気中における湿気を表面加工材としての防湿性塗料16によって遮断できる。すなわち、画枠17に張設されたシート状画布15は、その裏面15bのシート状生地12が露出していると、大気中の湿度の影響を受け易く、吸湿・乾燥によって収縮・膨張を繰り返し、撓みが生じてしまうが、湿気を防湿性塗料16によって遮断できる。
【0011】
従って、画枠17に張設されたシート状画布15は張設状態に保つことができ、表面15aに筆、ナイフ等を用いて油絵具で絵を描く際のタッチ感触が良く、制作に専念できる。また描かれた絵画を額縁に納めて壁等に掲げた状態あるいはそのまま保管しても、シート状画布15は防湿性塗料16によって湿気を遮断できるため、シート状画布15が収縮・膨張の繰り返すことはなく、絵画に亀裂が発生したり、剥離現象が発生する虞は無く、長期保存に耐えることができる。
また、シート状画布15の裏面15bに透明な防湿性塗料16を塗布することにより、防湿性塗料16を透視してシート状生地12の素材が確認できるため、この防湿性塗料16の表面に白色絵具を塗布して絵画制作でき、シート状画布15の表裏いずれの面にも絵画を描くことができるという効果がある。
また、シート状生地12の表裏面に防湿性塗料14,16を塗布したシート状画布15は、種々のサイズに裁断されて市販され、また、長さが10mにもおよぶ長さの物をロール状に巻回して保管し、顧客の要望に応じた寸法に裁断されて販売され、あるいはシート状画布15は、その表面15aを表にして複数種類の寸法の画枠17に張設されて販売される。
【0012】
なお、前記実施形態においては、油絵用のキャンバスについて説明したが、油の代りに水溶性アクリル樹脂をベースに使用したアクリル塗料を下地材の表面に塗布したアクリル絵用のキャンバスにも適用できる。また、前記防湿性塗料14,16を水溶性アクリル樹脂としても防湿性を有するため、前記実施形態と同様の効果があり、油絵、アクリル絵画にも使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す絵画用キャンバスの斜視図。
【図2】同実施形態の絵画用キャンバスの縦断側面図。
【図3】図2のA部を拡大した縦断側面図。
【符号の説明】
【0014】
11…絵画用キャンバス、12…シート状生地、13…下地材、14,16…防湿性塗料、15…シート状画布、17…画枠
【出願人】 【識別番号】599118931
【氏名又は名称】クレサンジャパン株式会社
【出願日】 平成18年5月25日(2006.5.25)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊

【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司

【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘

【識別番号】100084618
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 貞男

【識別番号】100092196
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 良郎


【公開番号】 特開2007−313746(P2007−313746A)
【公開日】 平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願番号】 特願2006−145503(P2006−145503)