| 【発明の名称】 |
インクジェット印刷用布帛および布帛へのインクジェット印刷方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】谷口 智朗
【氏名】大山 洋次
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| 【要約】 |
【課題】裏打ちシートとの再剥離が容易かつ残存溶剤ならびに残存モノマー等の悪影響のないインクジェット印刷に好適な印刷用布帛を提供する。
【解決手段】裏打ちシートと、該裏打ちシートの表面に塗布されたホットメルト粘着剤層と、該ホットメルト粘着剤層に貼着された被印刷用布帛とよりなるインクジェット印刷用布帛ならびにこれを使用した布帛へのインクジェット印刷方法。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 裏打ちシートと、該裏打ちシートの表面に塗布されたホットメルト粘着剤層と、該ホットメルト粘着剤層に粘着された被印刷用布帛とよりなるインクジェット印刷用布帛。 【請求項2】 該裏打ちシートは紙である請求項1に記載の布帛。 【請求項3】 該ホットメルト粘着剤は、スチレン系熱可塑性ゴム、エチレンとビニル共重合体との共重合物およびオレフィン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種のベースポリマー、粘着付与樹脂、ワックス剤、添加剤およびオイルよりなるものである請求項1または2に記載の布帛。 【請求項4】 該ホットメルト粘着剤は、スチレン系熱可塑性ゴム、粘着付与樹脂、ワックス剤、添加剤およびオイルよりなるものである請求項3に記載の布帛。 【請求項5】 該スチレン系熱可塑性ゴム100重量部に対し、粘着付与樹脂が6〜150重量部、ワックスが0.1〜100重量部、オイルが0.1〜100重量部および添加剤が0.01〜10重量部である請求項4に記載の布帛。 【請求項6】 該添加剤は安定剤、難燃剤および無機フィラーのいずれか一つである請求項3〜5のいずれか一つに記載の布帛。 【請求項7】 該ホットメルト粘着剤の裏打ちシートに対する塗布量は5.0〜50.0g/m2である請求項1〜5のいずれか一つに記載の布帛。 【請求項8】 裏打ちシートと、該裏打ちシートの表面に塗布されたホットメルト粘着剤層と、該ホットメルト粘着剤層に粘着された被印刷用布帛とよりなるインクジェット印刷用布帛の該被印刷用布帛の表面にインクジェット印刷に供し、該印刷後に該被印刷用布帛を剥離することを特徴とする布帛へのインクジェット印刷方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、インクジェット印刷用布帛および布帛へのインクジェット印刷方法に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、布帛に印刷する方法として、画像を電子データ化し、このデーターからインクジェットプリンターを用いた印刷方法が普及している。 【0003】 この方法は、従来のスクリーン印刷に比べた場合、版の製作が不要であったり、図柄切替の際の手間が要らないなどの特徴から、少量多品種に対応可能な生産方法となっている(特許文献1、2および3)。 【0004】 しかしながら、布帛は、紙に比べ「こし」がなく、シワを生じやすい。また織り目(編み目)が外力によって容易に変形するので不均等な外力が加わった場合「つれ」等を起こしやすいという問題があった。 【0005】 そのため、インクジェットプリンターで布帛印刷を行う場合は、特殊な布帛送り装置を使用したり(特許文献4)、紙を布帛の裏に貼り付けて布帛送り・印刷を行い、印刷後に紙を剥離して製品とする方法をとる必要があった(特許文献5)。 【0006】 ここで汎用のプリンターでの印刷を考えた場合、紙を貼り付けて印刷を行う方法が簡便であり、枚葉ごとの印刷にも対応できるため好ましい。また、薄い布帛などに印刷する場合、インクの裏抜けを防止する効果が期待できる(特許文献6)。 【0007】 一方、一般にインクジェットプリンターで使用される水性インクは、布帛に印刷した場合、耐久性が充分発揮されない場合が多い。また、ポリエステル等の合成繊維に対しては濡れ性が劣り、繊維中への浸透が悪かったり、一部の天然繊維に対しては、滲みが多いという欠点があった。そのため、インクジェット印刷用の布帛には、特定の材料で布面処理を施し印刷する必要がある(前出特許文献1など)。 【0008】 この布面処理を施した布帛に印刷する際、紙の裏打ちには、再剥離可能なように粘着テープ等、特に溶剤系アクリル系粘着剤が多く使用される。溶剤系アクリル粘着剤は、酢酸エチルなどの有機溶剤中でアクリルモノマーを開始剤を用いて重合することで得られるアクリルポリマーをベースに粘着付与樹脂を加えて製造され、これを所定の厚みに塗工、溶剤乾燥し使用する。これを使用したときの問題として、残存溶剤、残存モノマーが、布帛面処理剤に悪影響を及ぼし、印刷がにじむ等の不具合が起こったり、経時により接着強度が上がり、剥離しにくくなるという点があった。剥離強度の経時による上昇を抑えるため、硬い(Tgの高い)粘着剤を選定した場合、布帛への接着性が著しく低下し、印刷中に剥離が発生する。 【特許文献1】特開平8−39793号公報 【特許文献2】特開2002−266194号公報 【特許文献3】特開2001−229228号公報 【特許文献4】特開2001−262459号公報 【特許文献5】特開2004−123386号公報 【特許文献6】特開2002−086891号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 したがって、本発明の目的は、インクジェット印刷に好適な印刷用布帛および布帛へのインクジェット印刷方法を提供することにある。 【0010】 本発明の他の目的は、裏打ちシートとの再剥離が容易かつ残存溶剤ならびに残存モノマー等の悪影響のないインクジェット印刷に好適な印刷用布帛および布帛へのインクジェット印刷方法を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0011】 上記諸目的は、下記(1)〜(8)により達成される。 【0012】 (1) 裏打ちシートと、該裏打ちシートの表面に塗布されたホットメルト粘着剤層と、該ホットメルト粘着剤層に粘着された被印刷用布帛とよりなるインクジェット印刷用布帛。 【0013】 (2) 該裏打ちシートは紙である前記(1)に記載の布帛。 【0014】 (3) 該ホットメルト粘着剤は、スチレン系熱可塑性ゴム、エチレンとビニル共重合体との共重合物およびオレフィン樹脂よりなる群から選ばれた少なくとも1種のベースポリマー、粘着付与樹脂、ワックス剤、添加剤およびオイルよりなるものである前記(1)または(2)に記載の布帛。 【0015】 (4) 該ホットメルト粘着剤は、スチレン系熱可塑性ゴム、粘着付与樹脂、ワックス剤、添加剤およびオイルよりなるものである前記(3)に記載の布帛。 【0016】 (5) 該スチレン系熱可塑性ゴム100重量部に対し、粘着付与樹脂が6〜150重量部、ワックスが0.1〜100重量部、オイルが0.1〜100重量部および添加剤が0.01〜10重量部である前記(4)に記載の布帛。 【0017】 (6) 該添加剤は安定剤、難燃剤および無機フィラーのいずれか一つである前記(3)〜(5)のいずれか一つに記載の布帛。 【0018】 (7) 該ホットメルト粘着剤の裏打ちシートに対する塗布量は5.0〜50.0g/m2である前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載の布帛。 【0019】 (8) 裏打ちシートと、該裏打ちシートの表面に塗布されたホットメルト粘着剤層と、該ホットメルト粘着剤層に粘着された被印刷用布帛とよりなるインクジェット印刷用布帛の該被印刷用布帛の表面にインクジェット印刷に供し、該印刷後に該被印刷用布帛を剥離することを特徴とする布帛へのインクジェット印刷方法。 【発明の効果】 【0020】 本発明によるインクジェット印刷用布帛は裏打ちシートと該裏付シートの表面に塗布されたホットメルト粘着剤層と、該ホットメルト粘着剤層に貼着された被印刷用布帛であるから、該裏打ち紙との再剥離が容易かつ残存溶剤ならびに残存モノマ一等の悪影響がなく、またこれを用いるのでインクジェット印刷が好通に行なわれる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0021】 本発明によるインクジェット印刷用布帛は、裏打ちシートと、該裏付シートの表面に塗布されたホットメルト層と、該ホットメルト層に貼着された被印刷用布帛とよりなるものである。 【0022】 前記裏打ちシートとは、紙、プラスチックシート等があるが、通常、紙が好ましい。プラスチックシートとしては、ホットメルトとの親和性が良好なものであることが望ましい。 【0023】 前記紙としては上質紙、コート紙、アート紙、再生紙等がある。上質紙としては、例えば、一般のコピー用紙があり、これは表面加工されていないので表面がざらざらしている。これは表面加工していない紙の中では最も白色度が高く、印刷に適している。原料としては、通常、原木のチップを化学処理して不純物を除いたパルプ(化学パルプ)を100%使用している。 【0024】 コート紙はチラシ等のカラー印刷によく使用されている白く、光沢のある紙である。上質紙や中性紙の表面にコート材を塗布して、滑らかにしたものであり、カタログ、カレンダー、ポスター、書籍、雑誌のカラーページ、パンフレット等によく使用されているものである。該コート紙は、アート紙に比べると品質は劣るが安価で写真等などの仕上がりもきれいであり、また塗工量の少ない軽量コート紙や光沢を抑えたマットコート紙もある。 【0025】 アート紙は写真集やカタログなど写真の多い印刷物などによく使われる紙であり、白く、表面が滑らかで、強い光沢がある。コート紙よりは塗工量が多く、印刷用としては最高級のもので、美術書や本の口絵など、写真等の仕上がりや色を重視した印刷物に適しており、片面アート紙、両面アート紙、つや消しアート紙等がある。 再生紙は古紙を再生利用した紙であり、古紙の配合率が10%でも100%でも再生紙という。ごみ減量化推進会議では、古紙の配合率がわかるように、再生紙使用マークを定めている。 【0026】 本発明で使用される布帛とは、繊維を板状にしたもの指し、作り方によって織物、編み物(メリヤス生地)、レース、フェルト、不織布に分けられ、使用している繊維の種類、織り方、編み方により性質が決まる。 【0027】 編み方による分類としては、よこ編、平編み(天竺編み:てんじくあみ)、ゴム編み(リブ編み)、パール編み(ガーター編み)、両面編み、鹿の子編み、テレコ、なわ編み、ジャカード等がある。 【0028】 織り方による分類としては、平織、綾織り(綾織、薄手、朱子織)斜文織、揚柳、オーガンジ、ガーゼ、ダブルガーゼ、ギンガム、ちりめん(クレープ、コットンツイル、コットンボイル、サテンシフォン、シャンタン、ジョーゼット、ツイル、ブロード、ボイル、織物)ボイル、リネンダマスク、厚手、ワッフル織、キャラコ、コーデュロイ(コール天)、スエード、ストレッチブロード、タオル地、デニム、ネルパイル、ビロード、フランネル、ベッチン、ベルベット、ベロア、毛布、和織、ラシャ、お召賛八丈、塩瀬上布、ちりめん(縮編)、西陣、羽二重、富士綿、本しゅす、めいせん、綿ちぢみ、浴衣地、りんず、その他(杢糸(もくいと)、コア・ヤーン、シャーリング、シャンブレー、ストレッチ、スラブ布スラブ、リップル、フリース)等がある。 【0029】 繊維の種類による分類としては、天然繊維、綿、絹、麻、モヘヤ、ウール、カシミア、再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)、合成繊維、ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル等がある。 【0030】 インクジェットプリンター用布(布面処理品)としては、MAIKA(株式会社塗装館エス・エス製)が好ましく使用できる。 【0031】 本発明において、印刷性に影響を与えない粘着剤の組成を検討した結果、残存溶剤、残存モノマー等の低分子量成分が印刷性に影響を与えることがわかった。 【0032】 さらに、得られるインクジェットプリント用布帛と裏打ちシートとの粘着物は、剥離性の観点から、23℃での180度剥離接着強さが0.05〜20N/25mm.であることが好ましく、0.5〜10N/25mmであるホットメルトがより好ましい。前記剥離接着強さが0.05Nを下回ると、布帛と裏打ちシートとの接着が十分でないため、プリント中に剥離してしまい、プリント搬送性が良くなく、20Nを上回ると、容易に紙を剥離できないばかりか、剥離する際に布帛が破断してしまう等の問題がある。 【0033】 以上から、本用途に適応する粘着剤組成物として、特定の組成のホットメルト粘着剤が最適であることを見出した。 【0034】 通常のアクリル系粘着剤は、粘着性はTgに左右され、粘着性と再剥離性の両立が難しい。したがって、粘着を良くするには、Tgを下げ濡れを良くしなければならないが、そうすると布帛への濡れが良くなりすぎ、剥離しなくなる。 【0035】 一方、SBS等のスチレン系熱可塑ゴム系では、ゴム相で接着し、スチレン相が擬似架橋し布帛への過度の濡れを抑制する。さらに本発明では、ゴム相にワックス(常温で固体)を加えることで、常温域での接着性を確保しつつ、布への過度の濡れを抑制できたと考えられる。また、アクリル系では無溶剤は、一般的でない。無溶剤のもの(例えばホットメルトタイプUV硬化タイプ水系タイプ)でも相当量の残存モノマーを含む。 【0036】 ホットメルト粘着剤組成物としては、ベースポリマーとしSBS,SIB,SEBS,SEPS等のスチレン系熱可塑性ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等のエチレンとビニル共重合体との共重合物、ポリプロピレン、ポリエチレン、α−オレフィン共重合体等のオレフィン樹脂等が用いられ、オープンタイムが比較的長く、貼り合わせ作業性が良好な点から好ましくはスチレン系熱可塑性ゴムが用いられ、その他粘着付与樹脂、ワックス剤、各種添加剤、オイルなどが配合される。 【0037】 スチレン系熱可塑性ゴムとしては、日本ゼオン株式会社製クインタック(登録商標)、シェルケミカル社製クレイトン(登録商標)、カリフレックスTR(登録商標)、JSR株式会社製JSR SIS(登録商標)、JSR TR(登録商標)、旭化成工業株式会社製タフプレン(登録商標)、日本エラストマー株式会社製ソルプレン−T(登録商標)、電気化学工業株式会社製のデンカSTR(登録商標)などが市販されている。 【0038】 粘着付与剤としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂などの天然物およびその誘導体、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、クロマンインデン樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂などの合成樹脂を挙げることができる。 【0039】 ロジン系樹脂としては、例えば、ポリペールレジン、ステベライトレジン、フォーラルAX、ペンタリンA、ペンタリンH(以上理化ハーキュレス株式会社製、登録商標)、エスレルガムA、エステルガムH(以上、荒川化学株式会社製)、ハリエスターT(播磨化成株式会社、登録商標)などが挙げられる。ロジンフェノール樹脂としては、例えば、スミタイトレジンPR12603(住友ヂュレズ社製、登録商標)、タノール樹脂としては、例えば、スミライトレジンPR12603(住友ヂュレズ株式会社製、登録商標)、タマノル803(荒川化学株式会社製、登録商標)などが挙げられる。 【0040】 テルペン系樹脂としては、例えば、YSレジンPx、YSレジンTO、YSポリスターT[以上、ヤスハラケミカル株式会社製、登録商標)、ピコライトA(Hercules社製、登録商標)、Schenectady SP566(Schenectady社製、登録商標)などが挙げられる。 【0041】 脂肪族系石油樹脂としては、例えば、Piccopale(Hercules社製、登録商標)エスコレッツ(エッソ化学株式会社製、登録商標)、Wing Tack(Goodyear社製、登録商標)、ハイレッツ(三井化学株式会社製、登録商標)、クイントン(日本ゼオン株式会社製、登録商標)、マルカレッツ(丸善石油化学株式会社製、登録商標)、コーポレックス(東邦石油樹脂株式会社製、登録商標)などが挙げられる。 【0042】 脂環族石油樹脂としては、例えば、アルコンP、アルコンM(以上荒川化学株式会社製、登録商標)等が挙げられる。芳香族石油樹脂としては、例えば、ペトロジン(三井化学株式会社製)ハイレジン(東邦石油樹脂社済などが挙げられる。クロマンインデン樹脂としては、例えば、クロマンNG(新日本鉄化学株式会社製)などが挙げられる。 【0043】 エチレン系樹脂としては、例えば、Picoolastic A(Hercules社清などが挙げられる。フェノール樹脂としては、例えば、タッキロール(住友化学株式会社製)、レジトップ(群栄化学株式会社製)等が挙げられる。キシレン樹脂としては、例えば、ニカノール(三菱瓦斯化学株式会社製)などが挙げられる。 【0044】 粘着付与樹脂の配合割合は、ベースポリマー100重量部に対して、通常、5〜150重量部、好ましくは6〜150重量部、より好ましくは10〜100重量部である。粘着付与剤を配合することにより、粘着剤成分に常温での自着力と粘着力を付与することができる。ワックス剤としては、例えばフィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、アタクチックポリプロピレンワックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの合成ワックスなどを挙げることができる。ワックス剤の配合割合は、ベースポリマー100重量部に体して、通常、0.1〜100重量部、好ましくは1〜80重量部である。ワックス剤を配合することにより、布帛と裏打ちシートをはがす適応な剥離強度を付与することができる。オイルとしては、例えば、パラフィン系オイル、ナフテン系オイル、芳香族系オイルを挙げることができる、このうち無臭であるパラフィン系オイルが好ましくその配合量は、ベースポリマー100重量部に対して0.1〜100重量部、好ましくは1〜80重量部である。 【0045】 本発明のホットメルト組成物には、必要に応じて耐熱性、耐酸化性、耐候性を向上させるための安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収材)、難熱化剤、無機フィラー等を添加することができる。安定剤としては、フェノール系、リン系、硫黄系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系などの紫外線吸収剤があげられる。これらの安定剤の配合量は、ベースポリマー100重量部当り0.01〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。 【0046】 本発明によるインクジェット印刷用布帛におけるホットメルト層の裏打ちシートに対する塗布量は、ベースポリマーとして5.0〜50.0g/m2、好ましくは10.0〜40.0g/m2である。すなわち、5.0g/m2未満では布帛に対する粘着力が不充分で印刷時に剥離する恐れがあり、一方、50.0g/m2を超えると、接着剤層の厚みが大きくなるため、粘着剤の変形により応力が分散し、容易に剥離できなくなるからである。 【0047】 また、この布帛を用いたジェットインク印刷方法は、つぎのようにして行われる。 【0048】 裏打ちシートと被印刷用布帛は、接着剤塗工後、圧着ロール等で貼合わされ、ロール状に巻き取られたり、所定の寸法に切断される。 【0049】 この布帛を用いたインクジェット印刷は、たとえばキャノン製BJC−600Sやエプソン製PX−6500のような通常のインクジェットプリンターを使用することができる。 【実施例】 【0050】 つぎに、実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。 【0051】 実施例1 ベースポリマーとして、スチレン系熱可塑性ゴムである部分水素添加ブロック共重合体として、(A1)旭化成工業株式会社製のアサプレンP1000(JT84P)(商品名)(スチレン−ブタジエン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:30重量%、ダイブロック含有率:70重量%、重量平均分子量:80000、メルトフローインデックス:4g/10min、15重量%トルエン溶液の25℃での粘度:35mPa・s、共役ジエン部分の脂肪族二重結合の水素添加率:40%)を用いた。 【0052】 粘着付与剤としては、(TI)出光石油化学株式会社製のアイマーブY100(商品名)を用いた。 【0053】 ワックス剤としては、中国製油株式会社製のポリエチレンワックスのポリレッツ120SZを、オイルとしては、シエルケミカル社製のパラフィン系オイルのシエルフレックスBを、添加剤としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製のイルガノックス1010(酸化防止剤)を用いた。 【0054】 表1に記載した量(重量部)の、ベースポリマー、粘着付与樹脂および添加剤の各成分を、ニーダーに仕込み、160℃に加熱しつつ混合して、ホットメルト型粘着組成物を製造した。得られたホットメルト型粘着組成物は、以下のように紙「コピー用紙」に塗工し、布「MAIKAオーガンジ(株)塗装館エス・エス製の織物組織状の布)」と貼り合わせ、評価した。 【0055】 (1)貼り合わせ 160℃に設定した加熱式ロールコーターを用いて、ホットメルト組成物を紙に30g/m2dry塗工し、紙と貼り合わせロール圧着し試験片とした。 【0056】 (2)剥離接着強さ 上記試験片を室温で1日放置後、引張り速度200mm/分で、23℃で、180度剥離接着強さを測定した。 【0057】 (3)インクジェットプリント性 上記試験片を室温で1日放置後、エプソン社製インクジェットプリンタ PX−6500を用いて、任意にカラー印刷し、カラープリンタのインキが布に滲んで印刷が鮮明になるか否かを観察した。 【0058】 実施例2〜3 ベースポリマーとして、未水素添加ブロック共重合体として、(B1)旭化成工業株式会社製のT438(商品名)(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:35重量%、ダイブロック含有率:70重量%、重量平均分子量:100000)および(B2)JSR株式会社製のTR2003(商品名)(スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン含有率:43重量%、ダイブロック含有率:0重量%、重量平均分子量:100000)をそれぞれ用いた。粘着付与樹脂、ワックス剤、オイルおよび添加剤としては、実施例1と同じものを用いた。 【0059】 表1に記載した量(重量部)の各成分を実施例1と同様に混合し、同様な試験を行ったところ、表1に示す結果が得られた。 【0060】 実施例4〜5 ベースポリマーとして、オレフィン共重合体として、(C1)非晶質のプロピレン−エチレン−1−ブテンの共重合体でヒュルス社製のベストプラスト408(商品名)、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体として(D1)酢酸ビニル含有量が28%でトーソー株式会社製のウルトラセンUE722をそれぞれ用いた。粘着付与樹脂、ワックス剤、オイルおよび添加剤としては、実施例1と同じものを用いた。 【0061】 表1に記載した量(重量部)の各成分を実施例1と同様に混合し、同様な試験を行ったところ、表1に示す結果が得られた。 【0062】 実施例6 実施例1において、TIの代りに粘着付与樹脂として、(T2)安原ケミカル株式会社製のクリアロンK100(商品名)を使用した以外は、同様な方法でホットメルト型粘着組成物を製造し、これを用いて同様な試験を行ったところ、表1に示す結果が得られた。 比較例1 溶剤型アクリル接着剤(日立化成ポリマー株式会社製、ハイボンXA409−1(固形分約35%)(商品名))を用い、イソシアネート系硬化剤(日立化成ポリマー株式会社製、ハイボン架橋剤35(商品名))を3重量%混合し、紙に75g/m2wetロール塗工し、100℃×3分乾燥後、布とロール圧着し試験片とした。尚、作製した試験片の残留溶剤及び残留モノマー分は、真空乾燥機による重量変化測定の結果0.8%であった。 【0063】 この試験片は、実施例1の剥離接着強さとインクジェットプリント性と同様の方法で試験を行ったところ、表1に示す結果が得られた。 【0064】 なお、剥離強さは、つぎの方法により行った。 【0065】 (2)剥離接着強さ 上記試験片を室温で1日放置後、引張り速度200mm/分で、23℃で、180度剥離接着強さを測定した。 【0066】 また、プリント性は、つぎ方法により行った。 【0067】 (3)インクジェットプリント性 上記試験片を室温で1日放置後、エプソン社製インクジェットプリンタ PX−6500を用いて、任意にカラー印刷し、カラープリンタのインキが布に滲んで印刷が鮮明になるか否かを観察した。 【0068】 【表1】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000233170 【氏名又は名称】日立化成ポリマー株式会社 【識別番号】506012501 【氏名又は名称】第一化学工業有限会社
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| 【出願日】 |
平成18年1月11日(2006.1.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072349 【弁理士】 【氏名又は名称】八田 幹雄
【識別番号】100110995 【弁理士】 【氏名又は名称】奈良 泰男
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| 【公開番号】 |
特開2007−185811(P2007−185811A) |
| 【公開日】 |
平成19年7月26日(2007.7.26) |
| 【出願番号】 |
特願2006−4144(P2006−4144) |
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