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【発明の名称】 画像形成装置
【発明者】 【氏名】宮本 不二夫
【氏名】椿 義徳
【課題】本発明の目的は、架橋性のインクジェット用インクを用い、いかなる記録媒体においても、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高い、記録メディアへの多様性がある画像形成方法を提供することである。

【解決手段】少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクを、記録媒体に吐出する記録ヘッドと、活性エネルギー線を吐出されたインクに照射する活性エネルギー線照射手段と、前記インクが吐出された記録媒体を乾燥する乾燥手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクを、記録媒体に吐出する記録ヘッドと、活性エネルギー線を吐出されたインクに照射する活性エネルギー線照射手段と、前記インクが吐出された記録媒体を乾燥する乾燥手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記乾燥手段は、温度制御可能な風或いは温風を、前記インクが吐出された記録媒体に吹き付ける手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記乾燥手段は、前記インクが吐出された記録媒体に接触する温度制御可能なホットプレートであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記乾燥手段は、可視光或いは遠赤外光を記録媒体に照射する手段であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記乾燥手段である可視光或いは遠赤外光を記録媒体に照射する手段が、前記活性エネルギー線照射手段と同一であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記乾燥手段は、前記インクが吐出された記録媒体に接触する、温度が制御可能なローラ或いはローラ対からなることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記乾燥手段は、前記インクが吐出された記録媒体に接触する、ローラに懸架された温度制御可能なベルトからなることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記乾燥手段による、記録媒体の温度は、40℃から100℃とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記乾燥手段による、記録媒体の温度を環境温湿度に基づいて決定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット記録方法を用いた画像形成装置に関し、普通紙記録に際しては、フェザリングが良好でインク吸収性が少ない、また、インク吸収性のない媒体に対してはビーディングやカラーブリードがなく、更に、擦過性、耐水性、光沢、褪色性に優れたインクジェット記録方法を用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録方法は、比較的簡単な装置で、高精細な画像の記録が可能であり、各方面で急速な発展を遂げている。また、使用される用途も多岐にわたり、それぞれの目的にあった記録媒体あるいはインクが使用される。
【0003】
特に、近年では記録速度の大幅な向上がみられ、軽印刷用途にも耐え得る性能をもつプリンタの開発も行われている。
【0004】
しかしながら、インクジェットプリンタにおいてその性能を引き出すためにはインクの吸収性を付与したインクジェット専用紙が必要である。
【0005】
インクの吸収性があまりないコート紙やアート紙、もしくは吸収性の全くないプラスチックフイルム上に記録する際には、異色インク液体同士が記録媒体上で混ざり色濁りを起こす、いわゆるブリード等の問題があり、インクジェット記録方法に対し記録媒体の多様性をもたせる上で課題となっていた。
【0006】
上記の課題に対し、室温において固体のワックス等を素材とするホットメルト型インク組成物を用いるホットメルト型インクジェット記録方法が提案されている。
【0007】
このインクは室温で固体であるために、付着後直ちに固化するため色にじみも少なく、紙質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物である。
【0008】
このインクは、室温で固体であるために取り扱い地に汚れることがなく、また、溶融時のインク蒸発が実質ないため、ノズル目詰まりがない。更に、付着後直ちに固化するため色のにじみも少なく、脂質に関係なく良好な印刷品質を提供するインク組成物が提案されている(特許文献1、2参照)。
【0009】
しかしながら、この様な方法で記録された画像は、基材上に形成されるインクドットが柔らかいワックス状であるため、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能の不足等の課題があった。
【0010】
一方、紫外線を露光することにより硬化するインクジェット記録用インクが開示されている(特許文献3参照)。また、顔料が必須に含有され、かつ重合性材料として、三官能以上のポリアクリレートが必須とされており、かつ、ケトン、アルコールを主溶剤とする、所謂非水性インクが提案されている(特許文献4参照)。
【0011】
また、水系の紫外線重合モノマーを用いたインクが提案されている(特許文献5参照)。
【0012】
これらの方法では、インク自身を硬化成分ににより硬化させるため、非吸収性の媒体に対しても記録が可能となったが、色材以外の硬化成分が多量に含有され、かつ、揮発しないため、記録面がインクドットにより盛り上がり、画質、特に光沢の不自然さを生じさせた。
【0013】
水系の重合モノマーを用いたインクにおいても、色材以外の溶剤成分が多量に含まれており、活性光線照射のみでは、溶剤成分が充分揮発しないため、特に、吸収の遅い、また非吸収性の記録媒体において記録面のインクドットによる盛り上がりの為、印字直後の擦過性に問題があったり、色調が変化してしまう等の問題があった。
【特許文献1】米国特許第4,391,369号明細書
【特許文献2】米国特許第4,484,948号明細書
【特許文献3】米国特許第4,228,438号明細書
【特許文献4】特公平5−64667号公報
【特許文献5】特開平7−2242241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、本発明の目的は、架橋性のインクジェット用インクを用い、いかなる記録媒体においても、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高い、記録メディアへの多様性がある画像形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の上記課題は以下の手段により達成される。
【0016】
1.少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクを、記録媒体に吐出する記録ヘッドと、活性エネルギー線を吐出されたインクに照射する活性エネルギー線照射手段と、前記インクが吐出された記録媒体を乾燥する乾燥手段を有することを特徴とする画像形成装置。
【0017】
2.前記乾燥手段は、温度制御可能な風或いは温風を、前記インクが吐出された記録媒体に吹き付ける手段であることを特徴とする前記1記載の画像形成装置。
【0018】
3.前記乾燥手段は、前記インクが吐出された記録媒体に接触する温度制御可能なホットプレートであることを特徴とする前記1記載の画像形成装置。
【0019】
4.前記乾燥手段は、可視光或いは遠赤外光を記録媒体に照射する手段であることを特徴とする前記1記載の画像形成装置。
【0020】
5.前記乾燥手段である可視光或いは遠赤外光を記録媒体に照射する手段が、前記活性エネルギー線照射手段と同一であることを特徴とする前記4記載の画像形成装置。
【0021】
6.前記乾燥手段は、前記インクが吐出された記録媒体に接触する、温度が制御可能なローラ或いはローラ対からなることを特徴とする前記1記載の画像形成装置。
【0022】
7.前記乾燥手段は、前記インクが吐出された記録媒体に接触する、ローラに懸架された温度制御可能なベルトからなることを特徴とする前記1記載の画像形成装置。
【0023】
8.前記乾燥手段による、記録媒体の温度は、40℃から100℃とすることを特徴とする前記1〜7のいずれか1項記載の画像形成装置。
【0024】
9.前記乾燥手段による、記録媒体の温度を環境温湿度に基づいて決定することを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明により、架橋性の水性インクジェット用インクを用いて、いかなる記録媒体においても、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高い、記録メディアへの多様性がある画像形成方法が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するための最良に形態について詳細に説明する。
【0027】
本発明は、少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクを、記録媒体に吐出したのち、記録媒体上に吐出されたインクに活性エネルギー線を照射して、これを硬化し、記録媒体上にインクを固定するインクジェット記録法に用いられる、記録ヘッド、活性エネルギー線照射手段および、記録媒体上に吐出されたインクを乾燥する乾燥手段を有する画像形成装置に関するものである。
【0028】
少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクは、吐出後、これを活性エネルギー線に晒すことで、硬化して、記録媒体上に固定されるが、本発明のインクは、水性であり溶媒(水)を成分中に多く有するため、活性エネルギー線の照射でインクは架橋、硬化して、ゲル化するものの、揮発性の溶剤成分は、直ちに揮発せず、硬化また、ゲル化直後のインクは架橋したゲル中に溶剤成分を保持している。
【0029】
従って、吸収性の記録媒体の場合には、生成したゲルから直ちに、溶剤成分が記録媒体中に吸収されるが、これも吸収速度との兼ね合いであり、また、特に非吸収性記録媒体の場合には、記録媒体上のインク滴は架橋によって所定の強度は維持しているものの、架橋したゲル中には溶剤成分等が保持された状態であり、柔らかく、溶剤が揮発して完全に固化、固着するまで、ドットの盛り上がりに起因する品質の劣化や、擦過性能が不足する問題がある。
【0030】
従って、本発明の画像形成装置においては、前記側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インクを、記録ヘッドから記録媒体に吐出し、活性エネルギー線照射手段により、記録媒体上に吐出されたインク滴に活性エネルギー線を照射してこれを硬化した後、記録媒体上の架橋されたインクをさらに乾燥するための乾燥手段を有する。活性エネルギー線の照射と乾燥は平行して、即ち同時に行ってもよい。
【0031】
乾燥温度は、本発明に係わるインクジェットインクは水性のインクであり、記録媒体の温度、従って基材上のインクの温度は、40℃から100℃の範囲であることが好ましく、高すぎると、溶剤(水)の揮発(沸騰)に伴うインクの乱れが起こり、低すぎると乾燥に時間がかかり、装置内で乾燥が終了しない。
【0032】
この様な乾燥手段を組み合わせることで、同インクは記録媒体に記録された後、活性エネルギー線の照射によりゲル状になり、その後、記録媒体を、前記乾燥手段によって、乾燥させることによりインクが定着され、多様な記録媒体に対し、フェザリング、ビーディング、ブリードがなく、擦過性、耐水性、光沢、褪色性に優れた、印字品質の高いインクジェット記録物が得られる。
【0033】
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
【0034】
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
【0035】
紫外線を用いる場合は、光源として、例えば、数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
【0036】
活性エネルギー線の照射条件としては、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
【0037】
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。
【0038】
本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性エネルギー線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
【0039】
(インクジェット記録方法)
本発明のインクジェット画像記録方法では、本発明の親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクジェット用インク、あるいはインクジェット用インクセットを記録媒体上に吐出し、活性エネルギー線を照射してインクを硬化させるが、その後、乾燥手段により、記録媒体即ち、記録媒体上のインクを乾燥することを特徴とする。
【0040】
(画像記録装置部材)
本発明のインクジェット記録方法で使用される画像形成装置において、用いる部材としては、活性エネルギー線、例えば、紫外線の乱反射によるヘッド面への照射を防ぐために、活性エネルギー線に対する透過率や反射率が低い物が好ましい。
【0041】
また、照射ユニットに対してはシャッターが搭載されている物が好ましく、例えば、紫外線を用いる時、シャッター開閉時の照度の比がシャッター開/シャッター閉=10以上であることが好ましく100以上がより好ましく、10000以上が更に好ましい。
【0042】
次いで、本発明のインクジェット画像記録方法で用いる画像形成装置について説明する。
【0043】
(画像記録装置)
本発明で用いられる画像記録装置は、例えば、画像形成部が水平に配設され、上面で所定範囲の記録媒体の裏面(画像形成面の側と反対側となる面)を吸引装置の駆動により吸引して支持するプラテンと、記録媒体に向けてインクをノズルの吐出口から吐出する記録ヘッドと、これら記録ヘッドと活性エネルギー線を備えた照射手段を搭載し、画像形成時に走査方向に移動するキャリッジと、キャリッジに搭載されるとともに当該キャリッジを駆動するための駆動回路基板と、走査方向に沿って延在してキャリッジの移動を案内する案内部材(リニアガイド)と、走査方向に沿って延在し、その長手方向に、光学パターンが配設されたリニアスケールと、キャリッジに搭載されるとともにリニアスケールに配設された光学パターンを読み取ってクロック信号として出力するリニアエンコーダセンサとを備えて構成されている。
【0044】
記録ヘッドは、画像記録時において、プラテン上を搬送される記録媒体の画像形成面と、記録ヘッドの吐出口が形成されたノズル面とが対向するように配設されている。各ヘッドには、記録インク用のカートリッジから、配管用のチューブを通ってインクが供給される。ヘッドは必要に応じて複数個装備されており、例えば、CMK濃淡6色とY、及び無色インク用を使用する場合には、8個の記録ヘッドを備えることとなる。この記録ヘッドの両サイドには、活性エネルギー線を備えた照射手段が設けられている。
【0045】
以下、本発明のインクジェット記録方法による画像形成装置の実施の形態について、一例を図を交えて説明するが、本発明では、これら例示する画像形成装置にのみ限定されるものではない。
【0046】
(実施の形態)
図1(a)および(b)は、本発明のインクジェット記録方法で適用可能な画像記録装置の主要部である、画像記録部1の一例を示す概略図である。図1(a)は、上面図を、また(b)は斜視図を示している。
【0047】
画像記録部1はキャリッジ4、記録ヘッド2、照射手段3、プラテン部7等を備えて構成される。この画像記録部1は、記録媒体Pの下にプラテン部7が設置されている。プラテン部7は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
【0048】
記録媒体Pはガイド部材(図視されていないが)に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における奥から手前方向(矢印)に移動する。記録ヘッド走査手段(図示せず)は、キャリッジ4を図1におけるY方向に案内部材(リニアガイド)5に沿って往復移動させることにより、キャリッジ4に保持された記録ヘッド2の走査を行なう。
【0049】
キャリッジ4は記録媒体Pの上側に設置され、記録媒体P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。キャリッジ4は、図1におけるY方向に往復自在な形態で画像記録部1に設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
【0050】
尚、図1ではキャリッジ4がイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の記録ヘッド2を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ4に収納される記録ヘッド2の色数は適宜決められるものである。例えば、前記3色のほか、ブラック(K)、2つのホワイト(W)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)等が収納されてもよい。
【0051】
記録ヘッド2は、インク供給手段(図示せず)により供給されたインクジェット用インクを、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録媒体Pに向けて吐出する。記録ヘッド2により吐出されるインクジェット用インクは活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで重合反応によって硬化する。
【0052】
記録ヘッド2は記録媒体Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録媒体Pの他端まで移動するという走査の間に、記録媒体Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してインクジェット用インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
【0053】
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けてインクジェット用インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録媒体Pを図1における奥から手前方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド2により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してインクジェット用インクの吐出を行なう。
【0054】
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド2からインクジェット用インクを吐出することにより、記録媒体P上に画像が形成される。
【0055】
照射手段3は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(Light Emitting Diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、好ましい。ブラックライトを照射手段3の放射線源に用いることで、インクジェット用インクを硬化するための照射手段3を安価に作製することができる。
【0056】
照射手段3は、記録ヘッド2がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってインクジェット用インクを吐出する着弾可能領域のうち、画像記録部1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
【0057】
照射手段3はキャリッジ4の両脇に、記録媒体Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
【0058】
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド2全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段3と記録媒体Pの距離h1より、記録ヘッド2のインク吐出部と記録媒体Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド2と照射手段3との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段3の間を蛇腹構造にしても好ましい。
【0059】
ここで、照射手段3で照射される紫外線の波長は、照射手段3に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
【0060】
(記録ヘッド)
使用する記録ヘッド(インクジェットプリントヘッド)は、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを挙げることができる。好ましくは電気−機械変換方式であるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
【0061】
以上のような画像記録部を有し、かつ、本発明に係わる乾燥手段を備えた画像記録装置について、以下、図を用いて具体的に説明する。
【0062】
図2は、本発明の第1の実施態様を示す画像記録装置の概略図である。画像記録部1において、記録ヘッド2、照射手段3等が搭載されたキャリッジ4の走査(主走査)により、記録媒体P上に画像が記録された後、記録媒体Pの奥から手前方向(矢印)への移動(副走査)に伴って、画像記録部1の下流側位置に乾燥手段として、温度制御可能なエアー(風)或いは温風を記録媒体に吹き付ける乾燥ファンが備えられているものである(ファン自体はここでは図示されておらずこれを収納するフード10が示されている。)。フード10またその中の乾燥ファンは記録媒体面に対向し備えられる。
【0063】
また、乾燥ファンは、発熱手段(例えば電熱線、セラミックヒータ等)と組み合わされ、温風を供給するようにしてもよい。また、エアーの温度は、温度制御されていることが好ましく、これにより、記録媒体の温度を、前記の如く、従って基材上のインクの温度は、40℃から100℃の範囲で制御することが好ましい。また、乾燥温度は、乾燥手段、また、用いるインク等によって変化するが、最適となるように、記録媒体の温度(乾燥温度)は、画像記録装置が使用される環境温湿度に基づいて決定することが好ましい。
【0064】
また、温度制御可能な風或いは温風を記録媒体に吹き付ける手段としては、上記乾燥ファンの代わりに、例えば、記録媒体面に対向した面に小面積の多数の吹き出し口を備えた送風部材を用いてもよい。吹き出し口の形状は限定されず、例えば、主走査方向にきられたスリット状の吹き出し口を一つまた複数有する送風部材でもよい。
【0065】
その場合、送風装置(例えばファン)は別に配置されるが、送風部材中或いは送風部材と送風装置との間に備えられる加熱手段によって、送風部材の吹き出し口からは温風を吹き付けることができる。吹き付けるエアーは均一に記録媒体にあたるように吹き出し口は配置されていることが好ましい。また、この場合、エアーの吹き出し面は、必ずしも平面とは限らず、ロール状、また、断面が扇形、例えば、1/4円等の形状等を有するものであってもよい。
【0066】
図3は、別の乾燥手段が備えられた画像記録装置の一例であり、本発明の第2の実施態様を示す概略図である。
【0067】
図3(a)は、画像記録部を側面からみた図であるが、紙面右から左に移動する記録媒体が、記録ヘッド2により印字された後、乾燥手段としてホットプレート11により記録媒体裏面から加温され、乾燥される。ホットプレートとしては、特に限定はないが、プレート表面が金属製の熱伝導のよい例えばアルミ等の材質で、表面加工精度がよく、耐久性に優れた、ステンレスシーズヒーター等を使用しているものが好ましい。また、内部に電熱線等を有するものでもよい。
【0068】
例えば、プレート材質がアルミ材で、ヒーターシーズ材質はステンレス製、シリカ等の断熱材を用いたプレート表面が平滑で表面粗さの少ない、記録材料との摩擦が少ないものが搬送上好ましい。温度は熱電対等により測定でき、モニターまた一定温度に温度制御できるものが好ましい。
【0069】
また、プレート表面のアルミ板を曲面にして記録媒体との接触状態を向上させる仕様としたものでもよい。
【0070】
本発明に係わる架橋性のインクにより印字され、記録媒体上に於いて、活性エネルギー線により架橋、硬化されゲル化したインクが、ホットプレート11通過により乾燥され、定着される様子を図3(b)の上面図に示した。
【0071】
次いで、本発明の画像形成装置における第3の実施態様を示す概略図を図4に示す。
【0072】
図4(a)は側面図、また(b)は上面から装置の画像記録部1および乾燥手段を見た図である。本実施態様においては、画像記録部において記録ヘッドから記録媒体へインク滴が吐出された後、活性エネルギー線の照射を受けた記録媒体はプラテン7上を移動して、乾燥手段とて、可視光或いは遠赤外光の照射を受け輻射熱で乾燥される。可視光或いは遠赤外光の輻射を与える乾燥手段としては、具体的にはランプが挙げられ、ランプとして、例えば、ハロゲンランプ、遠赤外ヒータ、白熱球等があげられる。ハロゲンランプ等を用いる場合は、活性エネルギー線(紫外線)照射手段としても用いことができる。
【0073】
図において、12はランプ(例えばハロゲンランプ)、また13は反射板である。
【0074】
図4においては、記録媒体の上面側から熱線を照射しているが、プラテン7側、即ち下面から加熱してもよい。その場合プラテンは照射領域を輻射線が透過する材料とするか、プラテンに、搬送に差し支えがない程度に、輻射線が通過し直接記録媒体裏面に照射できるよう穴を空けるようにする。
【0075】
図5は、本発明の画像形成装置における第4の実施態様を示すものであり、加熱ローラを乾燥手段として、印字、また活性エネルギー線照射後の乾燥を行うものである。加熱ローラは記録媒体の裏面側、或いは印字された側のどちらでもよい。図においては、記録媒体裏面側に設置された加熱ローラ、ここでは加熱手段(例えば、ハロゲンランプ、白熱灯、またニクロム線等の発熱体)を内部に有する熱吸収性、熱伝導製の材料、例えばアルミ、ステンレス等の金属材料で形成された中空のローラであり、記録媒体の記録面側に配した加圧ローラ14との間でニップして(線圧としては通常0〜50N/cm、好ましくは0〜10N/cmである。)、記録媒体を加熱する。
【0076】
加熱ローラ16は、例えば、外径50mm(25〜60mmの範囲が好ましい)の円柱状であり、熱伝導製の材料、例えばアルミニウムの芯金(肉厚1.5〜3mm程度の円筒状パイプ)としこの上に表層として接着層を介してPFA(フッ素樹脂)が厚さ30μmでコーティングされている。
【0077】
また、前記加圧ローラは例えば、外径50mm、アルミニウム芯金上にシリコンゴム(ゴム硬度Asker−Cスケールで40°)を、さらにシリコンゴム上にフッ素樹脂チューブを被覆(厚さ30μm(50〜80μm))したもの。いずれも軟らかめのソフトローラとして形成される。
【0078】
硬度が高すぎると記録面上の充分定着しない状態の画像の擦過による変形等が起こることがあるが、加圧が同時にでき、光沢向上の効果があり好ましい。
【0079】
また、加圧ローラを設けないで、記録媒体の搬送方向を加熱ローラに沿って屈曲させ搬送して加熱してもよい。この場合、活性エネルギー線照射後のインクのゲル化が不充分なときには、印字面がローラに接触せず好ましい。
【0080】
また、加熱ローラおよび対向ローラは、1つ乃至1対ではなく、ローラ列として、複数の加熱ローラを搬送方向に並べ、加熱してもよい。図6に複数の加熱ローラを有する画像形成装置を側面図で示した。図6において、加熱ローラ16、加熱手段15、加圧ローラ14等は図4と同様である。
【0081】
次いで、本発明の画像形成装置における第5の実施態様について、図7を用いて説明する。
【0082】
図7は、乾燥手段として加熱ベルトを用いた画像形成装置の一例である。
画像記録部1は、同様であるが、印字、硬化後、搬送ガイド7に沿って移動した記録媒体は、加熱ベルトで乾燥される。
【0083】
加熱ベルトは、上下どちら側に配置されてもよいが、図7においては、記録媒体の下面側に設置された加熱ベルト17により加熱され乾燥される。図7においてはベルトの加熱は加熱ローラ16により行われている。加熱ローラの加熱に用いられる加熱手段は実施態様4と同様である。
【0084】
加熱ベルトは、加熱ローラ16およびもう一方のローラ18により支持されて、記録媒体に密着している。一方のローラ18も、前記加圧ローラと同様に、例えば、アルミニウムの芯金の上に、シリコンゴム(弾性層)をライニング、表層はフッ素樹脂コーティングした同様の材料で構成される。また、支持ローラ18中に加熱手段を有し、こちらも加熱ローラとして用いても構わない。
【0085】
加熱ベルト17と記録媒体Pの密着を果たすために加熱ローラ16と対向して加圧ローラ14が設置され、この間に、記録媒体はニップされ加熱される。ニップ圧等は実施態様の4と同様である。加熱ローラの内径は50〜80mm程度が好ましい。
【0086】
加圧ローラとしては、前記実施態様4における加圧ローラと同様である。
【0087】
本発明の第5の実施態様において用いられる加熱ベルト17としては、例えば、基体として、厚さ30〜70μm程度の、例えばニッケル電鋳ベルト等の金属ベルトや、厚さ50〜90μm程度のポリイミドやポリアミド等を用いた耐熱性の樹脂ベルトの外側(外周面)に、厚さ100〜250μm程度の絶縁性のシリコンゴムを被覆したものに、離型層として表面に厚さ20〜50μm程度のフッ素樹脂(PFA)コーティング加工を施したものを用いる。
【0088】
また、加熱手段としては、前記加熱ローラ中に配置したハロゲンランプ等の加熱手段ではなく、例えば、ポリイミド樹脂とステンレス箔ヒータエレメントとを一体成型した、厚さが0.1〜1.0mm程度の薄層の部材であるフレキシブル面状発熱体を用いてもよい。
【0089】
さらに、加熱ベルトを有する画像形成装置の別の1形態を示す。図8に示すように、加熱ベルトの加熱を行う部材として、加熱ベルト裏面(記録媒体と反対側)に、ホットプレート11を密着し配してもよい。
【0090】
また、加熱ベルトは、一方のみでなく、もう一方の面にも加熱ベルトを配して、両側には位置した加熱ベルトで乾燥してもよい。
【0091】
また、一方の加熱ベルトを、発熱体を除いて、加圧ベルトとして用いてもよい。
【0092】
尚これらの加熱手段は、記録媒体の温度が40℃〜100℃の間、所定の温度で維持されるように制御されていることが好ましく、また、インク処方によって最適な乾燥条件が設定できるようにされることができる。
【0093】
以上、本発明の実施態様1〜5について説明したが、以下、本発明において用いることのできる架橋性インクについて説明する。
【0094】
本発明において用いられるインクジェット用インクは、少なくとも色剤と、水と、親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより、側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物を含有するインクである。以下、その成分について説明する。
【0095】
以下、本発明に係わるインクの各成分、また構成について詳細に説明する。
【0096】
〈活性エネルギー線架橋性高分子化合物〉
本発明に係る親水性主鎖に複数の側鎖を有し、活性エネルギー線を照射することにより側鎖間で架橋結合可能な高分子化合物とは、ポリ酢酸ビニルのケン化物、ポリビニルアセタール、ポリエチレンオキサイド、ポリアルキレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、または前記親水性樹脂の誘導体、ならびにこれらの共重合体からなる群より選ばれる少なくとも一種の親水性樹脂に対して、側鎖に光二量化型、光分解型、光重合型、光変性型、光解重合型等の変性基を導入したものである。光重合型の架橋性基が感度、生成される画像の性能の観点から望ましい。
【0097】
また、組み合わせる色材との反応性の観点から、側鎖としてはノニオン性、アニオン性、両性(ベタイン化合物)が好ましく、特に、色材としてアニオン性染料あるいはアニオン性顔料と組み合わせる場合には、側鎖はノニオン性またはアニオン性であることが好ましく、特に好ましくはノニオン性である。
【0098】
親水性主鎖においては、側鎖の導入に対する簡便性や、取り扱いの観点からポリ酢酸ビニルのケン化物が好ましく、その重合度は200以上2000以下が好ましく、200以上500以下が更に好ましい。
重合度が200未満では、架橋反応時の粘度上昇が不充分となり、後述するカラーブリードやビーディングが充分に防止できないことがある。また、重合度が2000を超えると、インクに添加した際の粘度が高くなり、出射安定性に支障をきたす場合がある。
【0099】
主鎖に対する側鎖の変性率は0.3モル%以上4モル%以下が好ましく0.8モル%以上4モル%以下が反応性の観点からより好ましい。0.3モル%より小さいと架橋性が不足し本発明の効果が小さくなり、4モル%より大きいと架橋密度が大きくなり硬くてもろい膜となり、膜の強度が落ちてしまう。
【0100】
光二量化型の変性基としては、ジアゾ基、シンナモイル基、スチルバゾリウム基、スチリルキノリウム基等を導入したものが好ましく、例えば、特開昭60−129742号公報等の公報に記載された感光性樹脂(組成物)が挙げられる。
【0101】
特開昭60−129742号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中にスチルバゾリウム基を導入した下記一般式(1)で表される化合物である。
【0102】
【化1】


【0103】
式中、R1は炭素数1〜4のアルキル基を表し、A-はカウンターアニオンを表す。
【0104】
特開昭56−67309号公報記載の感光性樹脂は、ポリビニルアルコール構造体中に、下記一般式(2)で表される2−アジド−5−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造、または、下記一般式(3)で表され、4−アジド−3−ニトロフェニルカルボニルオキシエチレン構造を有する樹脂組成物である。
【0105】
【化2】


【0106】
また、下記一般式(4)で表される変性基も好ましく用いられる。
【0107】
【化3】


【0108】
式中、Rはアルキレン基または芳香族環を表す。好ましくはベンゼン環である。
【0109】
光重合型の変性基としては、例えば、特開2000−181062号、特開2004−189841号に示される下記一般式(5)で表される樹脂が反応性との観点から好ましい。
【0110】
【化4】


【0111】
式中、R2はメチル基または水素原子を表し、nは1または2を表し、Xは−(CH2m−COO−または−O−を表し、Yは芳香族環または単結合手を表し、mは0〜6までの整数を表す。
【0112】
また、特開2004−161942号公報に記載されている光重合型の下記一般式(6)で表される変性基を、従来公知の水溶性樹脂に用いることも好ましい。
【0113】
【化5】


【0114】
式中、R3はメチル基または水素原子を表し、R4は炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表す。
【0115】
このような活性エネルギー線架橋型の樹脂は、インク全質量に対して0.8質量%から5.0質量%含有することが、好ましい。0.8質量%以上存在することで、架橋効率が向上し、架橋後のインク粘度の急激な上昇によりビーディングやカラーブリードがより好ましくなる。5.0質量%以下の場合は、インク物性やインクヘッド内状態に悪影響しにくくなり、出射性やインク保存性の観点で好ましい。
【0116】
本発明の活性エネルギー線架橋型の樹脂においては、元々ある程度の重合度をもった主鎖に対して側鎖間で架橋結合を介して架橋をするため、一般的な連鎖反応を介して重合する活性エネルギー線硬化型の樹脂に対して光子一つ当たりの分子量増加効果が著しく大きい。一方、従来公知の活性エネルギー線硬化型の樹脂においては架橋点の数は制御不可能であるため硬化後の膜の物性をコントロールすることができず、硬くてもろい膜となりやすい。
【0117】
本発明に用いられる樹脂においては架橋点の数は親水性主鎖の長さと、側鎖の導入量で完全に制御でき、目的に応じたインク膜の物性制御が可能である。
【0118】
さらに、従来公知の活性エネルギー線硬化型インクが色剤以外のほぼ全量が硬化性分であり、そのため硬化後のドットが盛り上がり、光沢に代表される画質に劣ることに対し、本発明に用いられる樹脂においては必要量が少量ですみ、乾燥成分が多いため乾燥後の画質の向上が図られ、かつ定着性も良い。
【0119】
(光重合開始剤、増感剤)
本発明においては、光重合開始剤や増感剤を添加するのが好ましい。これらの化合物は溶媒に溶解、または分散した状態か、もしくは感光性樹脂に対して化学的に結合されていてもよい。
【0120】
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はなく、従来公知の物を用いることができる。
【0121】
適用される光重合開始剤、光増感剤について特に制限はないが、水溶性の物が混合性、反応効率の観点から好ましい。特に4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(HMPK)、チオキサントンアンモニウム塩(QTX)、ベンゾフェノンアンモニウム塩(ABQ)が水系溶媒への混合性という観点で好ましい。
【0122】
さらに、樹脂との相溶製の観点から下記一般式(7)で表される4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(n=1、HMPK)や、そのエチレンオキシド付加物(n=2〜5)がより好ましい。
【0123】
【化6】


【0124】
式中、nは1〜5の整数を表す。
【0125】
また、他には一例としベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類。チオキサトン、2、4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類。エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類。アセトフェノン類。ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類。2,4,6−トリハロメチルトリアジン類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体、ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等ベンゾイン類、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体、ビスアシルフォスフィンオキサイド、及びこれらの混合物等が好ましく用いられ、上記は単独で使用しても混合して使用してもかまわない。
【0126】
これらの光重合開始剤に加え、促進剤等を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等があげられる。
【0127】
これらの光重合開始剤は親水性主鎖に対して、側鎖にグラフト化されていても好ましい。
【0128】
(活性エネルギー線、照射方法)
本発明でいう活性エネルギー線とは、例えば電子線、紫外線、α線、β線、γ線、エックス線等が上げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している電子線や紫外線が好ましい。
【0129】
電子線を用いる場合には、照射する電子線の量は0.1〜30Mradの範囲が望ましい。0.1Mrad未満では十分な照射効果が得られず、30Mradを越えると支持体等を劣化させる可能性があるため、好ましくない。
【0130】
紫外線を用いる場合は、光源として例えば0.1kPaから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプや紫外域の発光波長を持つキセノンランプ、冷陰極管、熱陰極管、LED等従来公知の物が用いられる。
【0131】
(インク着弾後の光照射条件)
活性エネルギー線の照射条件として、インク着弾後0.001〜1.0秒の間に活性エネルギー線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
【0132】
(ランプの設置)
活性エネルギー線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
【0133】
また、活性エネルギー線の照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性エネルギー線を照射し、更に活性エネルギー線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性エネルギー線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
【0134】
〔着色剤〕
本発明のインクジェット用インクに用いられる色材としては、染料または顔料を用いることが好ましい。
【0135】
(染料)
本発明で用いることのできる染料としては、特に制限はなく、酸性染料、直接染料、反応性染料等の水溶性染料、分散染料等が挙げられる。
【0136】
以下、本発明のインクジェット用インクに適用可能な染料の具体例を列挙するが、本発明では、これら例示する染料にのみ限定されるものではない。
【0137】
[水溶性染料]
本発明で用いることのできる水溶性染料としては、例えば、アゾ染料、メチン染料、アゾメチン染料、キサンテン染料、キノン染料、フタロシアニン染料、トリフェニルメタン染料、ジフェニルメタン染料等を挙げることができる。
【0138】
〈C.I.アシッドイエロー〉
1、3、11、17、18、19、23、25、36、38、40、42、44、49、59、61、65、67、72、73、79、99、104、110、114、116、118、121、127、129、135、137、141、143、151、155、158、159、169、176、184、193、200、204、207、215、219、220、230、232、235、241、242、246、
〈C.I.アシッドオレンジ〉
3、7、8、10、19、24、51、56、67、74、80、86、87、88、89、94、95、107、108、116、122、127、140、142、144、149、152、156、162、166、168、
〈C.I.アシッドレッド〉
88、97、106、111、114、118、119、127、131、138、143、145、151、183、195、198、211、215、217、225、226、249、251、254、256、257、260、261、265、266、274、276、277、289、296、299、315、318、336、337、37、359、361、362、364、366、399、407、415、
〈C.I.アシッドバイオレット〉
17、19、21、42、43、47、48、49、54、66、78、90、97、102、109、126、
〈C.I.アシッドブルー〉
1、7、9、15、23、25、40、62、72、74、80、83、90、92、103、104、112、113、114、120、127、128、129、138、140、142、156、158、171、182、185、193、199、201、203、204、205、207、209、220、221、224、225、229、230、239、249、258、260、264、278、279、280、284、290、296、298、300、317、324、333、335、338、342、350、
〈C.I.アシッドグリーン〉
9、12、16、19、20、25、27、28、40、43、56、73、81、84、104、108、109、
〈C.I.アシッドブラウン〉
2、4、13、14、19、28、44、123、224、226、227、248、282、283、289、294、297、298、301、355、357、413、
〈C.I.アシッドブラック〉
1、2、3、24、26、31、50、52、58、60、63、107、109、112、119、132、140、155、172、187、188、194、207、222、
〈C.I.ダイレクトイエロー〉
8、9、10、11、12、22、27、28、39、44、50、58、79、86、87、98、105、106、130、132、137、142、147、153、
〈C.I.ダイレクトオレンジ〉
6、26、27、34、39、40、46、102、105、107、118、
〈C.I.ダイレクトレッド〉
2、4、9、23、24、31、54、62、69、79、80、81、83、84、89、95、212、224、225、226、227、239、242、243、254、
〈C.I.ダイレクトバイオレット〉
9、35、51、66、94、95、
〈C.I.ダイレクトブルー〉
1、15、71、76、77、78、80、86、87、90、98、106、108、160、168、189、192、193、199、200、201、202、203、218、225、229、237、244、248、251、270、273、274、290、291、
〈C.I.ダイレクトグリーン〉
26、28、59、80、85、
〈C.I.ダイレクトブラウン〉
44、106、115、195、209、210、222、223、
〈C.I.ダイレクトブラック〉
17、19、22、32、51、62、108、112、113、117、118、132、146、154、159、169、
〈C.I.ベイシックイエロー〉
1、2、11、13、15、19、21、28、29、32、36、40、41、45、51、63、67、70、73、91、
〈C.I.ベイシックオレンジ〉
2、21、22、
〈C.I.ベイシックレッド〉
1、2、12、13、14、15、18、23、24、27、29、35、36、39、46、51、52、69、70、73、82、109、
〈C.I.ベイシックバイオレット〉
1、3、7、10、11、15、16、21、27、39、
〈C.I.ベイシックブルー〉
1、3、7、9、21、22、26、41、45、47、52、54、65、69、75、77、92、100、105、117、124、129、147、151、
〈C.I.ベイシックグリーン〉
1、4、
〈C.I.ベイシックブラウン〉
1、
〈C.I.リアクティブイエロー〉
2、3、7、15、17、18、22、23、24、25、27、37、39、42、57、69、76、81、84、85、86、87、92、95、102、105、111、125、135、136、137、142、143、145、151、160、161、165、167、168、175、176、
〈C.I.リアクティブオレンジ〉
1、4、5、7、11、12、13、15、16、20、30、35、56、64、67、69、70、72、74、82、84、86、87、91、92、93、95、107、
〈C.I.リアクティブレッド〉
2、3、5、8、11、21、22、23、24、28、29、31、33、35、43、45、49、55、56、58、65、66、78、83、84、106、111、112、113、114、116、120、123、124、128、130、136、141、147、158、159、171、174、180、183、184、187、190、193、194、195、198、218、220、222、223、228、235、
〈C.I.リアクティブバイオレット〉
1、2、4、5、6、22、23、33、36、38、
〈C.I.リアクティブブルー〉
2、3、4、5、7、13、14、15、19、21、25、27、28、29、38、39、41、49、50、52、63、69、71、72、77、79、89、104、109、112、113、114、116、119、120、122、137、140、143、147、160、161、162、163、168、171、176、182、184、191、194、195、198、203、204、207、209、211、214、220、221、222、231、235、236、
〈C.I.リアクティブグリーン〉
8、12、15、19、21、
〈C.I.リアクティブブラウン〉
2、7、9、10、11、17、18、19、21、23、31、37、43、46、
〈C.I.リアクティブブラック〉
5、8、13、14、31、34、39、
〈C.I.フードブラック〉
1、2、
等を挙げることができる。
【0139】
更に、染料として、下記一般式(8)で表される化合物または一般式(9)で表される化合物が挙げられる。
【0140】
【化7】


【0141】
上記一般式(8)において、R1は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはフェニルカルボニル基が好ましい。R2は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子が好ましい。R3は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子またはアルキル基が好ましい。R4は水素原子または置換可能な置換基を表し、水素原子、アリールオキシ基が好ましい。R5は異なってもよく水素原子または置換可能な置換基を表し、スルホン酸基が好ましい。nは1〜4の整数を表し、mは1〜5の整数を表す。
【0142】
上記一般式(9)において、Xはフェニル基またはナフチル基を表し、置換可能な置換基で置換されていてもよく、スルホン酸基またはカルボキシル基で置換されていることが好ましい。Yは水素イオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、アンモニウムイオンまたはアルキルアンモニウムイオンを表す。R6は異なってもよく水素原子またはナフタレン環に置換可能な置換基を表す。qは1または2を表す。pは1〜4の整数を表す。ただし、q+p=5である。Zは置換可能な置換基を表し、カルボニル基、スルホニル基または下記一般式(10)で表される基を表し、特に、下記一般式(10)で表される基が好ましい。
【0143】
【化8】


【0144】
上記一般式(10)において、W1、W2はそれぞれ異なっていてもよいハロゲン原子、アミノ基、水酸基、アルキルアミノ基またはアリールアミノ基を表し、ハロゲン原子、水酸基またはアルキルアミノ基が好ましい。
【0145】
[分散染料]
また、分散染料としては、アゾ系分散染料、キノン系分散染料、アントラキノン系分散染料、キノフタロン系分散染料等種々の分散染料を用いることができ、以下にその具体的化合物を挙げる。
【0146】
〈C.I.Disperse Yellow〉
3、4、5、7、9、13、23、24、30、33、34、42、44、49、50、51、54、56、58、60、63、64、66、68、71、74、76、79、82、83、85、86、88、90、91、93、98、99、100、104、108、114、116、118、119、122、124、126、135、140、141、149、160、162、163、164、165、179、180、182、183、184、186、192、198、199、202、204、210、211、215、216、218、224、227、231、232、
〈C.I.Disperse Orange〉
1、3、5、7、11、13、17、20、21、25、29、30、31、32、33、37、38、42、43、44、45、47、48、49、50、53、54、55、56、57、58、59、61、66、71、73、76、78、80、89、90、91、93、96、97、119、127、130、139、142、
〈C.I.Disperse Red〉
1、4、5、7、11、12、13、15、17、27、43、44、50、52、53、54、55、56、58、59、60、65、72、73、74、75、76、78、81、82、86、88、90、91、92、93、96、103、105、106、107、108、110、111、113、117、118、121、122、126、127、128、131、132、134、135、137、143、145、146、151、152、153、154、157、159、164、167、169、177、179、181、183、184、185、188、189、190、191、192、200、201、202、203、205、206、207、210、221、224、225、227、229、239、240、257、258、277、278、279、281、288、298、302、303、310、311、312、320、324、328、
〈C.I.Disperse Violet〉
1、4、8、23、26、27、28、31、33、35、36、38、40、43、46、48、50、51、52、56、57、59、61、63、69、77、
〈C.I.Disperse Green〉
9、
〈C.I.Disperse Brown〉
1、2、4、9、13、19、
〈C.I.Disperse Blue〉
3、7、9、14、16、19、20、26、27、35、43、44、54、55、56、58、60、62、64、71、72、73、75、79、81、82、83、87、91、93、94、95、96、102、106、108、112、113、115、118、120、122、125、128、130、139、141、142、143、146、148、149、153、154、158、165、167、171、173、174、176、181、183、185、186、187、189、197、198、200、201、205、207、211、214、224、225、257、259、267、268、270、284、285、287、288、291、293、295、297、301、315、330、333、
〈C.I.Disperse Black〉
1、3、10、24
等が挙げられる。
【0147】
《顔料》
本発明に係わるインクに使用できる顔料としては、従来公知の有機及び無機顔料が使用できるが、アニオン性顔料である。例えばアゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料や、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサンジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が挙げられる。
【0148】
具体的な有機顔料を以下に例示する。
【0149】
マゼンタまたはレッド用の顔料としては、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げられる。
【0150】
オレンジまたはイエロー用の顔料としては、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0151】
グリーンまたはシアン用の顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられる。
【0152】
顔料の分散方法としては、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等の各種分散機を用いることができる。また、顔料分散体の粗粒分を除去する目的で、遠心分離装置を使用すること、フィルターを使用することも好ましい。
【0153】
本発明に係るインクにおいては、顔料表面にスルホン酸、カルボン酸等の極性基をペンダントした自己分散顔料、あるいは高分子分散剤を用いて分散した顔料が好ましい。
【0154】
本発明に係る高分子分散剤としては、特に制限はなく、水溶性樹脂または非水溶性樹脂が用いられる。これらの高分子としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、メタクリル酸、メタクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた単一の単量体からなる重合体、あるいは2種以上の単量体からなる共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。またポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース誘導体、ゼラチン、ポリエチレングリコールなどの水溶性高分子も用いることができる。
【0155】
これら水溶性樹脂のインク全量に対する含有量としては、0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは、0.3〜5質量%である。また、これらの水溶性樹脂は二種以上併用することも可能である。
【0156】
本発明に係わるインクジェット用インクに使用する顔料分散体の平均粒径は、500nm以下が好ましく200nm以下がより好ましく、10nm以上、200nm以下であることが好ましく、10nm以上、150nm以下がより好ましい。顔料分散体の平均粒径が500nmを越えると、分散が不安定となり。また、顔料分散体の平均粒径が10nm未満になっても顔料分散体の安定性が悪くなりやすく、インクの保存安定性が劣化しやすくなる。
【0157】
顔料分散体の粒径測定は、光散乱法、電気泳動法、レーザードップラー法等を用いた市販の粒径測定機器により求めることが出来る。また、透過型電子顕微鏡による粒子像撮影を少なくとも100粒子以上に対して行い、この像をImage−Pro(メディアサイバネティクス製)等の画像解析ソフトを用いて統計的処理を行うことによっても求めることが可能である。
【0158】
顔料の分散方法としては、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等各種を用いることができる。
【0159】
〈水溶性溶媒〉
本発明のインクに係る溶媒としては、水性液媒体が好ましく用いられ、前記水性液媒体としては、水及び水溶性有機溶剤等の混合溶媒が更に好ましく用いられる。好ましく用いられる水溶性有機溶剤の例としては、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド)等が挙げられる。
【0160】
〈界面活性剤〉
本発明に係わるインクに好ましく使用される界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0161】
これらの界面活性剤は顔料の分散剤としても用いることが出来、特にアニオン性及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。
【0162】
〈各種添加剤〉
本発明に係わるインクにおいては、その他に従来公知の添加剤を含有することができる。例えば蛍光増白剤、消泡剤、潤滑剤、防腐剤、増粘剤、帯電防止剤、マット剤、水溶性多価金属塩、酸塩基、緩衝液等pH調整剤、酸化防止剤、導電率調整剤、表面張力調整剤、防錆剤、無機顔料等である。
【0163】
〈記録用紙〉
紙には、塗工紙、非塗工紙があり、塗工紙としては、1m2あたりの塗工量が片面20g前後のアート紙、1m2あたりの塗工量が片面10g前後のコート紙、1m2あたりの塗工量が片面5g前後の軽量コート紙、微塗工紙、マット調仕上げのマットコート紙、ダル調仕上げのダルコート紙、新聞用紙などを挙げることが出来る。非塗工紙としては、化学パルプ100%使用の印刷用紙A、化学パルプ70%以上使用の印刷用紙B、化学パルプ40%以上70%未満使用の印刷用紙C、化学パルプ40%未満使用の印刷用紙D、機械パルプを含有しカレンダー処理を行ったグラビア用紙などを挙げることが出来る。更に詳しくは、「最新紙加工便覧」紙加工便覧編集委員会編、テックタイムス発行、「印刷工学便覧」日本印刷学会編、などに詳細に記載されている。
【0164】
普通紙とは、非塗工用紙、特殊印刷用紙及び情報用紙の一部に属す、80〜200μmの非コート紙が用いられる。本発明で用いられる普通紙としては、例えば、上級印刷紙、中級印刷紙、下級印刷紙、薄様印刷紙、微塗工印刷用紙、色上質紙等特殊印刷用紙、フォーム用紙、PPC用紙、その他情報用紙等があり、具体的には下記する用紙及びこれらを用いた各種の変性/加工用紙があるが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。上質紙及び色上質紙、再生紙、複写用紙・色もの、OCR用紙、ノーカーボン紙・色もの、ユポ60、80、110ミクロン、ユポコート70、90ミクロン等の合成紙、その他片面アート紙68kg、コート紙90kg、フォームマット紙70、90、110kg、発泡PET38ミクロン、みつおりくん(以上、小林記録紙)、OK上質紙、ニューOK上質紙、サンフラワー、フェニックス、OKロイヤルホワイト、輸出上質紙(NPP、NCP、NWP、ロイヤルホワイト)OK書籍用紙、OKクリーム書籍用紙、クリーム上質紙、OK地図用紙、OKいしかり、きゅうれい、OKフォーム、OKH、NIP−N(以上、新王子製紙)、金王、東光、輸出上質紙、特需上質紙、書籍用紙、書籍用紙L、淡クリーム書籍用紙、小理教科書用紙、連続伝票用紙、上質NIP用紙、銀環、金陽、金陽(W)、ブリッジ、キャピタル、銀環書籍、ハープ、ハープクリーム、SKカラー、証券用紙、オペラクリーム、オペラ、KYPカルテ、シルビアHN、エクセレントフォーム、NPIフォームDX(以上、日本製紙)、パール、金菱、ウスクリーム上質紙、特製書籍用紙、スーパー書籍用紙、書籍用紙、ダイヤフォーム、インクジェットフォーム(以上、三菱製紙)、金毯V、金毯SW、白象、高級出版用紙、クリーム金毯、クリーム白象、証券・金券用紙、書籍用紙、地図用紙、複写用紙、HNF(以上、北越製紙)しおらい、電話帳表紙、書籍用紙、クリームしおらい、クリームしおらい中ラフ、クリームしおらい大ラフ、DSK(以上、大昭和製紙)、せんだいMP上質紙、錦江、雷鳥上質、掛紙、色紙原紙、辞典用紙、クリーム書籍、白色書籍、クリーム上質紙、地図用紙、連続伝票用紙(以上、中越パルプ)、OP金桜(チューエツ)、金砂、参考書用紙、交換証用紙(白)、フォーム印刷用紙、KRF、白フォーム、カラーフォーム、(K)NIP、ファインPPC、紀州インクジェット用紙(以上、紀州製紙製)、たいおう、ブライトフォーム、カント、カントホワイト、ダンテ、CM用紙、ダンテコミック、ハイネ、文庫本用紙、ハイネS、ニューAD用紙、ユトリロエクセル、エクセルスーパーA、カントエクセル、エクセルスーパーB、ダンテエクセル、ハイネエクセル、エクセルスーパーC、エクセルスーパーD、ADエクセル、エクセルスーパーE、ニューブライトフォーム、ニューブライトNIP(以上、大王製紙製)、日輪、月輪、雲嶺、銀河、白雲、ワイス、月輪エース、白雲エース、雲岑エース(以上、日本紙業製)、たいおう、ブライトフォーム、ブライトニップ(以上、名古屋パルプ)、牡丹A、金鳩、特牡丹、白牡丹A、白牡丹C、銀鳩、スーパー白牡丹A、淡クリーム白牡丹、特中質紙、白鳩、スーパー中質紙、青鳩、赤鳩、金鳩Mスノービジョン、スノービジョン、金鳩スノービジョン、白鳩M、スーパーDX、はまなすO、赤鳩M、HKスーパー印刷紙(以上、本州製紙製)、スターリンデン(A・AW)、スターエルム、スターメイプル、スターローレル、スターポプラ、MOP、スターチェリーI、チェリーIスーパー、チェリーIIスーパー、スターチェリーIII、スターチェリーIV、チェリーIIIスーパー、チェリーIVスーパー(以上、丸住製紙製)、SHF(以上、東洋パルプ製)、TRP(以上、東海パルプ製)等が挙げられる。
【0165】
〈各種フィルム〉
各種フィルムとしては、一般的に使用されているものはすべて使用できる。例えば、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどがある。また、写真用印画紙であるレジンコートペーパーや合成紙であるユポ紙なども使用できる。
【0166】
〈各種インクジェット用記録媒体〉
各種インクジェット用記録媒体としては、基材に吸収性支持体や非吸収性支持体を用いて、表面にインク受容層が形成されたものである。インク受容層としては、コート層、膨潤層、微細空隙層からなるものがある。
【0167】
膨潤層は水溶性ポリマーからなるインク受容層が膨潤することでインクを吸収する。微細空隙層は2次粒径が20〜200nm程度の無機あるいは有機微粒子とバインダーからなり、100nm程度の微細な空隙がインクを吸収する。
【0168】
近年は、基材に、紙基材の両面をオレフィン樹脂で被覆したRCペーパーを用いて上記微細空隙層を設けたインクジェット記録媒体が、写真画像の面で好んで用いられている。
【0169】
以上のように、記録媒体の乾燥手段を有する本発明の画像形成装置は、本発明に係わる、架橋により硬化するインクを用い画像形成を行う場合、種々の記録媒体においてインクの定着性が高く、フェザリング、ブリードが防止され、基材への接着性が高く印字品質の高い、インクジェット画像を与え、記録メディアへの多様性が高い画像形成装置である。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の画像記録装置の主要部である画像記録部の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の第1の実施態様を示す画像記録装置の概略図である。
【図3】別の乾燥手段が備えられた本発明の第2の実施態様である画像記録装置の概略図である。
【図4】本発明の画像形成装置において第3の実施態様を示す概略図である。
【図5】本発明の画像形成装置において第4の実施態様を示す概略図である。
【図6】複数の加熱ローラを有する画像形成装置の側面図を示す。
【図7】本発明の画像形成装置における第5の実施態様を示す図である。
【図8】加熱ベルトを有する画像形成装置の別の1形態を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
1 画像記録部
2 記録ヘッド
3 照射手段
4 キャリッジ
5 案内部材(リニアガイド)
6 ローラ
7 プラテン
P 記録媒体
10 フード
11 ホットプレート
12 ランプ
13 反射板
14 加圧ローラ
15 加熱手段
16 加熱ローラ
17 加熱ベルト
【出願人】 【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタホールディングス株式会社
【出願日】 平成17年9月22日(2005.9.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2007−83566(P2007−83566A)
【公開日】 平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願番号】 特願2005−275407(P2005−275407)