|
|
【発明の名称】 |
容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルム |
| 【発明者】 |
【氏名】河井 兼次 【氏名】小田 尚伸 【氏名】佐古 由香 |
【課題】十分なヒートシール強度と易開封性を併せ持った容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを提供すること。
【解決手段】上記目的を達成するため、本発明のは、結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層と結晶性ポリプロピレン系樹脂及びプロピレンα−オレフィン共重合体からなる中間層及び融点が150℃以下の熱融着層を有する3層以上の積層体からなる延伸ポリプロピレン系樹脂フイルムであって、プロピレンα−オレフィン共重合体を中間層中に30重量%以上配合し、中間層の厚みが7μm以上であることしたことを特徴とする容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層と結晶性ポリプロピレン系樹脂及びプロピレンα−オレフィン共重合体からなる中間層及び融点が150℃以下の熱融着層を有する3層以上の積層体からなる延伸ポリプロピレン系樹脂フイルムであって、プロピレンα−オレフィン共重合体を中間層中に30重量%以上配合し、中間層の厚みが7μm以上であることを特徴とした容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルム。 【請求項2】 請求項1記載のフィルムであって、2軸延伸されてなることを特徴とするフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルム。
|
【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムに関し、さらに詳しくは、ポリプロピレン製容器に対してヒートシール可能で、フタ材として使用した際に十分なヒートシール強度と易開封性を併せ持った容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来から、食品等の包装用として種々のポリオレフィンからなるフイルムが提案されてきている。これらのポリオレフィン系フイルムは流通時や陳列時などに内容物を塵、埃などから保護するために用いられ、また密封性を必要とする分野では、通常ヒートシールして使用されている。この場合、ヒートシール部分を剥離する際に大きな力をかけずに剥離できれば、ナイフやはさみなどを用いる必要がなく、また力の弱い子供や高齢者でも容易に開封することができる。このため上記包装用のポリオレフィン系フイルムにはヒートシール強度が開封しやすい適度な強度であること、すなわちイージーピール性を有していることが要求される。 【0003】 これらの要求に対して、ヒートシール時の狭雑物対策として、エチレン系重合体を接着層とし、非晶性エチレン−αオレフィンを中間層、プロピレン系重合体を表面層とする提案がされている(例えば、特許文献1参照。)。また、剥離時の接着面からの糸引き対策として、基材層にエチレン系重合体とエチレン・1−ブテン重合体の混合物を用い、シーラント層にエチレン系重合体と1−ブテン共重合体の混合物を用いるという提案がなされている(例えば、特許文献2参照。)。 【特許文献1】特開2003−251766号公報 【特許文献2】特開2004−66603号公報 【0004】 しかしながら、これらは、いづれもキャストフイルムであり、ヒート−シール条件によっては、剥離時にフイルムが伸びて開封し難いという問題点がある。 【0005】 さらに、ヒートシール性を有する蓋材が開示されている(例えば、特許文献3参照)。 【特許文献3】特開2000−309069号公報 【0006】 しかしながら、一定の強度(例えば20N/15mm)を越えると剥離時に破断が発生し、きれいに開封する事が出来ないという問題点があった 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 本発明は、上記従来の容器のフタ材用積層ポリオレフィン系樹脂フイルムの有する問題点を解決し、十分なヒートシール強度と易開封性を併せ持った容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0008】 上記目的を達成するため、本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、結晶性ポリプロピレン系樹脂からなる基材層と結晶性ポリプロピレン系樹脂及びプロピレンα−オレフィン共重合体からなる中間層及び融点が150℃以下の熱融着層を有する3層以上の積層体からなる延伸ポリプロピレン系樹脂フイルムであって、プロピレンα−オレフィン共重合体を中間層中に30重量%以上配合し、中間層の厚みが7μm以上であることしたことを特徴とする。 【0009】 上記の構成からなる本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、フタ材として十分なヒートシール強度と易開封性の要求される用途に好適に用いることが出来る。 【0010】 また、この場合において、2軸延伸されてなることが特徴である。 【発明を実施するための最良の形態】 【0011】 以下、本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムの実施の形態を説明する。 【0012】 本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムに用は、基材層、熱融着層、及び基材層と熱融着層の間に中間層を設けた3層以上のフイルムとすることが好ましい。 基材層は結晶性ポリプロピレン系樹脂よりなることが好ましい。本発明の積層フイルムの基材層に用いる結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、通常の押出成形などで使用するn−へプタン不溶性のアイソタクチックのプロピレン単独重合体又はプロピレンを70重量%以上含有するポリプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体であればよい。 n−ヘプタン不溶性とは、ポリプロピレンの結晶性を指標すると同時に食品包装用として使用する際の安全性を示すものであり、本発明では、昭和57年2月厚生省告示第20号によるn−ヘプタン不溶性(25℃、60分抽出した際の溶出分が150pPm以下〔使用温度が100℃を超えるものは30pPm以下〕)に適合するものを使用することが好ましい態様である。 【0013】 プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体のα−オレフィン共重合成分としては、炭素数が2〜8のα−オレフィン、例えば、エチレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−1−ペンテンなどが好ましい。ここで共重合体とは、プロピレンに上記に例示されるα−オレフィンを1種又は2種以上重合して得られたランダム又はブロック共重合体であることが好ましい。 また、メルトフローレート(MFR)は、0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜20g/10min、さらに好ましくは、1.0〜10g/10minの範囲のものを例示することができる。 【0014】 また、本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムの熱融着層に用いる樹脂は融点が150℃以下の熱可塑性樹脂であって、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン、デセン等の炭素数が2〜10のα−オレフィン系モノマーから選ばれた2種以上を重合して得たランダム共重合体又はブロック共重合体が好ましく、また、この共重合体は単独又は混合して使用することができる。 【0015】 ここで特に好ましい熱融着層を構成する樹脂としては、ブテン含有量の多いプロピレン−ブテン共重合体を含むものであるのが好ましく、このプロピレン−ブテン共重合体におけるブテン含有量は20質量%以上であるのが好ましい。なお、ブテン含有量の上限は特に限定されないが、ブテン含有量が多すぎるとフィルム表面がべたつき、滑り性や耐ブロッキング性が低下する場合があるため、かかる不良を生じない範囲で適宜決定すればよい。上記ブテン含有量の多いプロピレン−ブテン共重合体としては、例えば、住友化学工業(株)製「SPX78J1」、三井化学(株)製「XR110H」などを例示することができる。 【0016】 上記プロピレン−ブテン共重合体は、熱融着層を構成する樹脂成分中、65質量%以上配合することが好ましい。より好ましくは、70質量%以上であり、99質量%以下であるのが好ましく、より好ましくは95質量%以下である。上記プロピレン−ブテン共重合体の配合量が少なすぎる場合にはシール時の融着力が低くなり、容器との十分なシール強度が得られ難い場合があり、一方、多すぎる場合には、中間層との層間強度が低下する場合がある。 【0017】 さらにまた、熱融着層を形成する熱可塑性樹脂の融点は150℃以下、好ましくは60〜150℃にすることが望ましい。このようにすることにより、容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムに十分なヒートシール強度を与えることができる。熱融着層を形成する熱可塑性樹脂の融点が60℃未満ではヒートシール部の耐熱性が乏しく、150℃を越えるとヒートシール強度の向上が期待できない。 また、MFRは0.1〜100g/10min、好ましくは0.5〜20g/10min、さらに好ましくは、1.0〜10g/10minの範囲のものを例示することができる。 【0018】 この他、本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムには、基材層と熱融着層の間に、30重量%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体を配合した中間層を設けることが好ましく、より好ましくは、プロピレン−α−オレフィン共重合体を35重量%から60重量%の範囲で配合することが望ましい。ここでプロピレン−α−オレフィン共重合体の配合量が、35重量%未満の時は、容器とのヒートシール強度が不十分となり好ましくない。また、60重量%を越える場合は、フイルムに腰がなくなり取り扱いが困難となったり、容器との接着強度が強くなり過ぎて、きれいに開封することが出来ない場合があるので好ましくない。 【0019】 また、ここで用いるプロピレン−α−オレフィン共重合体は特に限定されるものではないが、冷キシレン可溶分(CXS)が3重量%以下のプロピレン−α−オレフィン共重合体であることが好ましい。冷キシレン可溶分(CXS)が3重量%を越えるプロピレン−α−オレフィン共重合体を用いる場合は、腰がなくなる傾向にあり好ましくない。 α−オレフィン共重合体は、衝撃強度や引き裂き特性などの機械的強度や低温特性、耐侯性などに優れるものであり、かかる成分を配合することで、フタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムに優れた特性を付与することができる。しかしながら、α−オレフィン共重合体は、主成分のα−オレフィン分子鎖中に、第2成分や第3成分として異種のα−オレフィンがランダムに導入された構造を有しているため、結晶化が抑制されて、ホモポリプロピレンなどのα−オレフーインのホモポリマーに比べて結晶性が低く、α−オレフィン共重合体の配合は、結果としてフィルムの腰感を低下させることとなる。 【0020】 上記「冷キシレン可溶分」とは、α−オレフィン共重合体に含まれる非晶部の量を示し ており、「冷キシレン可溶分が3質量%以下」であると言うことは、非晶部が少なく結晶 性の高いα−オレフィン共重合体を意味している。 ここで、冷キシレン可溶分とは、試料1gを沸騰キシレン100mlに完全に溶解させた後、20℃に降温し、4時間放置、その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液を乾固して減圧下70℃で乾燥した際の重量を測定して重量%を求めたもののことをいう。 【0021】 上記冷キシレン可溶分3質量%以下のα−オレフィンとしては、特開2003−277 412号に記載の連続気相重合法により合成された重合体が例示でき、たとえば、「FS X66E8」(住友化学工業〔株〕製)を使用することができる。 【0022】 本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムの中間層の厚みは、7μm以上である事が必要である。好ましい厚みとしては、8μm以上50μm以下である。7μm未満の場合は、基材層と熱融着層の層間接着強度が不十分となり、開封時に層間の剥離が起こり、きれいにフタを剥がせなくなるので好ましくなく、50μmを越える場合は、腰感がなくなり、取り扱い上好ましくない場合があるので好ましくない。 基材層と熱融着層の厚みに関しては、特に限定されるものではないが、例えば、基材層は全層厚みの15〜90%、熱融着層は0.85〜15%の範囲で設定することが好ましい。さらに好ましい範囲としては、基材層は全層厚みの20〜85%、熱融着層は1.5〜10%である。ここで、基層の層厚みが15%未満、熱融着層が15%を越え場合は、腰感がなくなる傾向にあり、商品の取り扱い上好ましくない。また、基層の層厚みが90%を越え、熱融着層が0.85%未満、目的とするシール強度が得られない場合があるので好ましくない。 【0023】 本発明において、各層を形成する樹脂には、必要に応じて各層の特性を阻害しない範囲で、各種添加材、充填材、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、核剤、難燃剤、顔料、染料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、マイカ、タルク、クレー、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニゥム、抗菌剤、防曇剤、自然分解性を付与する添加材等を添加することができる。さらにまた、その他の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、ゴム類、炭化水素樹脂、石油樹脂等を本発明のフイルムの特性を害さない範囲で配合してもよい。 【0024】 本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムはそれ自体公知の方法で任意に製造することができ、特に制限するものではない。例えば、積層数に見合う押出し機を用いてTダイ法又はインフレーション法等で溶融積層した後、冷却ロール法、水冷法又は空冷法で冷却して積層フイルムとし、逐次2軸延伸法、同時2軸延伸法、チューブ延伸法等で延伸する方法を例示することができる。ここで、逐次2軸延伸法にて製造する際の条件を例示すると、T型のダイスより溶融押出しした樹脂をキャスティング機にて冷却固化させて、原反シートを作成する。この際、溶融キャスティングするロール温度は、樹脂の結晶化を抑え、透明性を向上させる目的で15℃から40℃の間に設定する事が好ましい。次に、延伸に適した温度まで原反シートを加熱後、延伸ロール間の速度差を利用してシートの流れ方向に延伸する、この際の延伸倍率は、延伸のムラがなく安定して製造する事を考えると3倍から6倍の間に設定することが好ましい。次に、縦延伸したシートの両耳部をテンタークリップで把持し、熱風で延伸に適した温度まで加熱しながらシートの流れと直角方向に、順次拡げながら延伸する。この際の横延伸倍率は、厚み変動と生産性を考慮して7倍から10倍の間に設定することが好ましい。 【0025】 本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、基材層の表面に同種のポリプロピレン系樹脂層及び他の樹脂層、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物、ポリビニルアルコール等のガスバリア性樹脂層をさらに積層してもよく、また、基材層と中間層の間、中間層と熱融着層の間に同様に積層することも、その特性を害さない限り、特に制限されない。 【0026】 本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、必要に応じて本発明の特性を阻害しない範囲で、表面処理を行う事ができる。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理等が例示でき、特に制限はない。連続処理が可能であり、このフイルムの製造過程の巻き取り工程前に容易に実施できるコロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理を行うのが好ましく、熱融着層表面の濡れ張力を向上する手段としてはコロナ放電処理が特に好ましい。また、用途に応じて本発明の特性を阻害しない範囲で、フイルムに穴あけ加工等の特殊加工を行う事が出来る。1〜5000μmの穴あけ加工を施して、青果物の鮮度保持包装等にも使用する事が出来る。 【実施例】 【0027】 以下、本発明の具体例を実施例によってさらに説明するが、本発明は、その要旨を逸脱しない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、本明細書中における特性は下記の方法により評価をおこなった。 【0028】 (粒子径) FRA式粒度分布計(Reeds&Northrop製MicrotracFRA&島津製作所製SA−CP3)を使用し、実施例、比較例で使用する粒子を超音波で30秒間分散させたサンプルを測定した。 【0029】 (ヒートシール強度) 下記実験で得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムとプリンカップ(シンニ製 品番71−110 64)とをオートカップシーラー((株)日相製 TYPE NC−24 MFG.No.6103 HEATER 1.2Kw)を用い、シール温度180℃、実圧力696kPa(7.1kg/cm2)シリンダー圧力196kPa(2kg/cm2)、ヒートシール時間1秒の条件にてヒートシールを実施した。図1及び図2にプリンカップの形状とヒートシールの金型の模式図を示す。 得られたサンプルを図3に示す様な形状に切り出し、試験片とし、ついで、この試験片を、温度20℃、湿度65%RHの雰囲気中に24時間放置した後、東洋精機社製「テンシロン」(UTM−IIIL)を用いて、チャック間距離20mmの間に、容器とフタ材の接着点がチャック間の中心にくる様に、フタ材と容器をチャックで把持し、200mm/分の速度(チャート速度200mm/分)で剥離した際の強度を測定し、ヒートシール強度[N]とした。 【0030】 (剥離性) 上記試験片の剥離強度を測定する際の剥離のしかたを評価した。 ○:フタ材用フイルムが裂けたり、切れたりする事なくきれいにはがすことが出来る △:少しはフタ材用フイルムをはがすことができるが、すぐにフタ材用フイルムがさけ たりして最後まできれいにはがすことができない。 ×:フタ材用フイルムが、容器とフタ材用フイルムの接着点で切れてはがすことが出来 ない。 【0031】 下記製造例で使用した各層を構成する樹脂は次の通りである。 プロピレン単独重合体−1:住友化学工業(株)製「FS2011DG3」,MFR:2.5g/10分,融点:158℃,冷キシレン可溶分(CXS):3.3質量% プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体一1:住友化学工業(株)製「FSX6 6E8」,エチレン含有量:2.5モル%,ブテン含有量:7モル%,MFR:3.1g /10分,融点:133℃,冷キシレン可溶分(CXS):1.6質量% プロピレン・ブテン共重合体−1:住友化学工業(株)製:SPX78J1」,ブテン含 有量:25モル%,MFR:8.5g/10分,融点:128℃,冷キシレン可溶分(C XS):14.O質量% プロピレン・ブテン共重合体−2:三井化学(株)製「XR110H」,MFR:6.0g/10分,融点:110℃ 【0032】 (実施例1) (ヒートシール性積層ポリプロピレン系樹脂フイルムの製造方法) 3台の溶融押出機を用い、第1の押出機にてプロピレン単独重合体−1(密度0.90g/cm3、MFR2.5g/10分、融点158℃、冷キシレン可溶分3.3重量%)を100重量%に有機ポリマー微粒子(CS11:住友化学工業(株)製、粒子径1.1μmとCS18:住友化学工業(株)製、粒子径1.8μmを5対1で配合)を2000ppm添加して基材層Aとして、第2の押出機にてプロピレン・ブテンランダム共重合体−1(密度0.89g/cm3、MFR8.5g/10分、融点128℃、冷キシレン可溶分14.0重量%)90重量%、プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体−1(密度0.89g/cm3、MFR3.1g/10分、融点133℃、冷キシレン可溶分1.6重量%)を10重量%とした混合樹脂に不活性微粒子(サイリシア350:富士シリシア化学(株)製、粒子径1.8μm、CUBE50KAS:丸尾カルシウム(株)製、粒子径5.5μm、CUBE80KAS:丸尾カルシウム(株)製、粒子径8.5μmを15対3対2で配合)を1800ppm添加して熱融着層Cとし、第3の押出機にて、プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体−1(密度0.89g/cm3、MFR3.1g/10分、融点133℃、冷キシレン可溶分1.6重量%)を45重量%、プロピレン単独重合体−1(密度0.90g/cm3、MFR2.5g/10分、融点158℃、冷キシレン可溶分3.3重量%)を55重量%とした混合樹脂を基材層と熱融着層の中間に位置する層Bとして、ダイス内にてA/B/Cとるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のチルロールにて冷却固化し、縦方向に4.5倍、横方向に8倍延伸し、A/B/C構成の厚みがそれぞれ順に11μm、28μm、2μmである積層フイルムを得た。得られたヒートシール性フイルムの基材層Aの表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理後の基材層A表面の濡れ張力が39mN/m、となるようにして容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを得た。表1に評価結果を示す。得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、十分なヒートシール強度と剥離性を有し、容器のフタ材として優れるものであった。 【0033】 (実施例2) 実施例1に於いて基材層Aにポリオキシエチレン(2)ステアリルアミンモノステアリン酸エステル0.64重量%、N,Nビス(2ヒドロキシエチル)ステアリルアミン0.16%重量部、ステアリン酸モノグリセリンエステル0.15重量%を添加し、中間層Bにポリオキシエチレン(2)ステアリルアミンモノステアリン酸エステル0.32重量%、N,Nビス(2ヒドロキシエチル)ステアリルアミン0.08%重量部、ステアリン酸モノグリセリンエステル0.02重量%を添加し、熱融着層Cの表面にコロナ放電処理を行い、コロナ放電処理後の熱融着C表面の濡れ張力が39mN/mとなるようにした以外は、実施例1と同様にして容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを得た。得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、実施例1と同様に十分なヒートシール強度と剥離性を有し、容器のフタ材として優れるものであった。 【0034】 (実施例3) 実施例2に於いて中間層Bの樹脂として、プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体−1を40重量%、プロピレン単独重合体−1を60重量%とした以外は、実施例2と同様にして容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを得た。得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、十分なヒートシール強度と剥離性を有し、容器のフタ材として優れるものであった。 【0035】 (比較例1) 実施例1に於いて基材層Aの厚みを33μm、中間層Bの厚みを4μmとし、中間層Bの樹脂として、プロピレン・エチレン・ブテンランダム共重合体−1を100重量%、熱融着層の樹脂として、プロピレン・ブテンランダム共重合体−1 50重量%、プロピレン・ブテンランダム共重合体−2(密度0.89g/cm3、MFR6.0g/10分、融点110℃)50重量%とした混合樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを得た。得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、きれいに剥離することが出来ず、容器のフタ材としては不十分なものであった。 【0036】 (比較例2) 実施例2に於いて中間層Bを無くし、基材層Aの厚みを37μm、熱融着層Cの厚みを3μmとした以外は、実施例2と同様にして容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを得た。得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、きれいに剥離することが出来ず、容器のフタ材としては不十分なものであった。 【0037】 (比較例3) 基材フイルムとして厚み20μmの2軸延伸ポリプロピレンフイルム(商品名パイレンP2161(東洋紡績(株)製))を準備し、ヒートシール性フイルムとして、未延伸ポリプロピレンフイルム(商品名パイレンP1128 20μm(東洋紡績(株)製))を準備して、ポリエステル系接着剤(商品名TM590/CAT56(東洋モートン(株)製、塗布量:3.0g(dry)/m2)を介してドライラミネーション法で貼り合わせた後、40℃で72時間エージング処理を施して容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムを得た。得られた容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、開封時容器との接着点で切れてしまい、開封する事が出来ず、容器のフタ材としては不十分なものであった。 【0038】 【表1】
【産業上の利用可能性】 【0039】 本発明の容器のフタ材用積層ポリプロピレン系樹脂フイルムは、容器のフタ材として十分なヒートシール強度を有するのは勿論のこと、開封性にも優れ容器のフタ材として好適用いることが出来る。 【図面の簡単な説明】 【0040】 【図1】ポリプロピレン製容器の模式図である。 【図2】カップシールシール金型の模式図である。 【図3】カップシールの状態と引張試験片の模式図である。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000003160 【氏名又は名称】東洋紡績株式会社
|
| 【出願日】 |
平成17年7月13日(2005.7.13) |
| 【代理人】 |
|
| 【公開番号】 |
特開2007−21814(P2007−21814A) |
| 【公開日】 |
平成19年2月1日(2007.2.1) |
| 【出願番号】 |
特願2005−204578(P2005−204578) |
|