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【発明の名称】 発泡材減容機
【発明者】 【氏名】八島 一樹

【要約】 【課題】発泡材を溶融してなるゲル状材を効率良く冷却できる発泡材減容機を提供することを課題とする。

【解決手段】発泡スチロール減容機10は、発泡材を溶融してゲル状材Gにする加熱部18と、加熱部18の下流側に設けられ、ゲル状材Gを切断して成形する切断・成形部20と、を備えている。更に、発泡スチロール減容機10は、加熱部18のガス体を脱臭し、切断・成形部20へ送風してゲル状材Gを冷却するガス流動システム22を備えている。ガス流動システム22は、脱臭器66とブロワ68を1台ずつ備えており、加熱部18と切断・成形部20とでガス循環させている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡材を溶融してゲル状材にする加熱部と、
前記加熱部の下流側に設けられ、前記ゲル状材を成形する成形部と、
前記加熱部と前記成形部とでガス体を循環させるガス流動システムと、
を備え、
前記ガス流動システムは、前記加熱部のガス体を吸引して脱臭し、前記成形部へ送風して前記ゲル状材を冷却することを特徴とする発泡材減容機。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、発泡材を減容する発泡材減容機に関し、更に詳細には、特に廃発泡スチロールを減容するのに最適な発泡材減容機に関する。
【背景技術】
【0002】
廃プラスチック処理装置の先行技術としては、本件出願人により提案された特許文献1、2に開示された技術がある。本件との関係においては、いずれの技術も同等の位置付けであるので、以下においては、前者の公報に開示された先行技術について簡単に説明する。
【0003】
この公報に開示された廃プラスチック処理装置は、廃プラスチックを粗砕するための粗砕機と、粗砕された廃プラスチックを搬送するスクリュウコンベアと、搬送された廃プラスチックを溶融する溶融機と、熱風を発生させる熱風発生機とによって構成されている。溶融機の下部側には漏斗形状の溶融炉が配置されており、粗砕機で粗砕された廃プラスチックが投入されるようになっている。さらに、溶融炉の下側には、溶融されてゲル状(半流動体状)となった廃プラスチックを受け止めるための容器が配置されている。溶融された廃プラスチックは容器に溜められてから、別の場所で冷却及び固化される。
【0004】
ところで、従来の廃プラスチック処理装置では、溶融炉から流出したゲル状の廃プラスチックを効率的に冷却することが望まれていた。そして、この要望は、特に発泡材を減容する小型の発泡材減容機で強く出されていた。
【特許文献1】実開平6−51255号公報
【特許文献2】実開平6−57613号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮して、発泡材を溶融してなるゲル状材を効率良く冷却できる発泡材減容機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、従来の廃プラスチック処理装置では、加熱部で発生した臭気を吸引して脱臭器を経由させ、装置外部へ排気していることに着目した。そして、このガス流動を利用することを考え、更に検討を重ね、本発明を完成するに至った。
【0007】
請求項1に記載の発明は、発泡材を溶融してゲル状材にする加熱部と、前記加熱部の下流側に設けられ、前記ゲル状材を成形する成形部と、前記加熱部と前記成形部とでガス体を循環させるガス流動システムと、を備え、前記ガス流動システムは、前記加熱部のガス体を吸引して脱臭し、前記成形部へ送風して前記ゲル状材を冷却することを特徴とする。
【0008】
これにより、加熱部のガス体を装置外部へ排気しない発泡材減容機とすることができ、周囲環境(作業環境など)を大幅に改善することができる。しかも、加熱部のガス体の脱臭、及び、ゲル状材の冷却をガス循環によって行うことができるので、ゲル状材を効率良く冷却することができる
【発明の効果】
【0009】
本発明の発泡スチロール減容機によれば、装置外部に排気せずに、加熱部のガス体の脱臭、及び、ゲル状材の冷却を行うことができ、ゲル状材を効率良く冷却することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施形態を挙げ、本発明の実施の形態について説明する。図1〜図3に示すように、本発明の一実施形態に係る発泡スチロール減容機10は、操作盤12でオペレータが操作することによって稼動するようになっており、破砕部14、コンベア部16、加熱部18、切断・成形部20、及び、ガス流動システム22を主要部として構成されている。以下、この順に各部の構成について説明する。
【0011】
(破砕部)
破砕部14は、廃棄用の発泡スチロール材(廃発泡スチロール材)Sが投入される破砕ホッパ24を備えている。破砕ホッパ24には取っ手26が付けられた透明なスライド蓋28と、スライド蓋28のガイド部30とが設けられており、発泡スチロール材Sを破砕ホッパ24内に投入する際にスライド蓋28を簡単に開けられるようになっている。
【0012】
また、破砕ホッパ24には、図3(B)の紙面右半分側にホッパ前板32が設けられており、図3(B)の紙面左半分側では、コンベア部16に破砕片Tを供給できるように、ホッパ前板を設けないことにより開口34を形成している。
【0013】
また、破砕部14は、破砕ホッパ24の底部近くに、上下方向に立てられ、水平方向に並設された複数の固定刃(破砕刃)36と、横設されたロータリーカッター部40と、を備えている。
【0014】
ロータリーカッター部40では、複数の回転刃(破砕刃)38が、隣り合う固定刃36の間を通過するように、かつ、らせん状に配列されるように、回転軸42に取付けられている。また、各固定刃36の刃先は、回転刃38の回転方向に向けられており、ロータリーカッター部40の回転により、回転刃38の刃先と固定刃36の刃先とで発泡スチロール材Sが挟まれるようになっている。
【0015】
この構成により、破砕ホッパ24内の発泡スチロール材は、ロータリーカッター部40の回転によって、破砕されながら図3(B)の左方(UL方向)に搬送される。そして、図3(B)の左方側では、破砕された発泡スチロール材が密集され、徐々に細かく破砕されて破砕片Tとなり、コンベア部16へ送り出される。
【0016】
(コンベア部)
コンベア部16は、開口34から送り出されてきた破砕片Tを図3(B)の右方(UR方向)へ送り出す第1スクリューコンベア44をロータリーカッター部40の近傍に備えている。この第1スクリューコンベア44は、ロータリーカッター部40の回転軸42に沿って併設されている。
【0017】
更に、コンベア部16は、第1スクリューコンベア44の下方側に、第1スクリューコンベア44に沿って、パイプ状の破砕片案内部48と、破砕片案内部48内に設けられた第2スクリューコンベア46と、が設けられている。そして、コンベア部16には、第1スクリューコンベア44の先端側のゾーンと第2スクリューコンベア46の基端側のゾーンとを連通させるシュート部50が設けられている。
【0018】
この構成により、第1スクリューコンベア44からシュート部50を介して第2スクリューコンベア46へ破砕片Tが送り出され、第2スクリューコンベア46によって、図3(B)の左方(UL方向)へ送り出される。
【0019】
ここで、ロータリーカッター部40の回転軸42に沿って第1スクリューコンベア44及び第2スクリューコンベア46が設けられているので、無駄なスペースが形成され難く、発泡スチロール減容機10を小型化し易い。
【0020】
(加熱部)
加熱部18は、第2スクリューコンベア46の下流端に設けられており、破砕片案内部48に接続された枠部54と、枠部54内に設けられた複数枚(図2、図3(B)では4枚)の電気ヒータ板56と、を備えている。そして、加熱部18は、第2スクリューコンベア46から送り込まれた破砕片Tを、各流動路58(図2、図3では3つの流動路)で加熱して溶融させることによりゲル状材Gとしている。
【0021】
本実施形態では、図2、図3に示すように、加熱部18の上流端部から下流端部にかけて、各流動路58で高さ幅hが徐々に小さくなるように、電気ヒータ板56の配置が設定されている。なお、加熱部18の上流端部から下流端部にかけて、各流動路58の高さ幅hが徐々に小さくなり、横幅は一定であるので、加熱部18の上流端部から下流端部にかけて、各流動路58の断面積も徐々に小さくなる。
【0022】
この構成により、第2スクリューコンベア46から送り出された破砕片Tは、容量が小さくされたゲル状材Gとして加熱部18から送り出される。
【0023】
(切断・成形部)
切断・成形部20は、加熱部18から送り出されたゲル状材Gを切断する切断部82を、加熱部18の送出端に備えている。切断部82は、固定された切断上刃76と上下動可能な切断下刃78とを備えている。切断下刃78は、エキセン機構により切断刃用駆動モータ84によって上下動する構成になっている。
【0024】
また、切断・成形部20は、切断上刃76の下流端(送出端)に成形ロール86を備え、切断下刃78の下流端(送出端)に成形ダイ88を備えている。成形ロール86は成形ロール用駆動モータ87で駆動される。
【0025】
更に、切断・成形部20は、成形ダイ88に接続された排出樋(成形樋)90を備えている。排出樋90の下方側には、インゴットIの送り長さを測定する測長ロール92と、測長ロール92の回転数を検出する近接センサ94と、が設けられている。近接センサ94はブラケット95に取付けられている。
【0026】
測長ロール92は、回転フリーにされた軸部96と、軸部96に取付けられた2枚のホイール98と、を備えている。ホイール98の円周壁は粗面にされている。そして、ホイール98の上端部が、排出樋90に形成された開口から露出していて、インゴットIの下面に当接するようになっている。また、ホイール98には、近接センサ94の被検出体としての役割も果たす錘(図示せず)が取付けられている。
【0027】
この錘の回転数が所定回転数に到達すると、近接センサ94からの信号を受けた切断刃用駆動モータ84は、切断下刃78を上下動させる。
【0028】
また、切断・成形部20には、冷却風が流出する後述の吐気口72が、フード74内で成形ロール86の上方に設けられている。
【0029】
この構成により、切断部82で上記ゲル状材Gを切断する際、ゲル状材Gが電気ヒータ板56と成形ダイ88と成形ロール86とによって保持されている。従って、切断下刃78を待機位置に戻すときに、切断上刃76や切断下刃78にゲル状材Gが付着してゲル状材Gが変形することは回避される。
【0030】
また、成形ダイ88と成形ロール86とによって、上記ゲル状材Gを所定の厚板状にすることができる。
【0031】
更に、冷却風が吐気口72から流出し、厚板状のゲル状材Gが空冷されるので、この結果、ゲル状材Gは硬いインゴットIとなる。
【0032】
また、上記のように測長ロール92と近接センサ94とを設けているので、切断長を測定するための機構を大掛かりにすることなく、インゴットIを所定長さで順次切断することができる。
【0033】
(ガス流動システム)
ガス流動システム22は、活性炭Kを収容した脱臭器66と、脱臭器66の下流側に接続されたブロワ68と、を備えている。脱臭器66の上流側は、加熱部18の枠部54上方に形成された吸気口70に吸気管80で接続されている。ブロワ68の下流側は、切断・成形部20でゲル状材Gの上方に形成された吐気口72に吐気管100で接続されている。吐気口70は、冷却風(空気)がゲル状材Gに向けて流出するように、向きが設定されている。
【0034】
また、加熱部18から切断・成形部20に跨って、吸気口70及び吐気口72の上方を覆うようにフード74が設けられている。吸気口70と吐気口72との間には上述の切断上刃76が配置されている。
【0035】
この構成により、加熱部18、脱臭器66、ブロワ68、切断・成形部20で空気が循環するようになっている。
【0036】
(作用)
発泡スチロール減容機10を稼動させ、破砕ホッパ24内に発泡スチロール材Sを投入すると、ロータリーカッター部40の回転によって、発泡スチロール材Sは破砕されながらUL方向に搬送される。そして、図3(B)の左方側では、破砕された発泡スチロール材が密集され、徐々に細かく破砕されて破砕片Tとなる。
【0037】
この破砕片Tは、開口34からコンベア部16の第1スクリューコンベア44に送られ、更に、シュート部50を介して第2スクリューコンベア46へ送り出される。そして、第2スクリューコンベア46によって、加熱部18へ押し込まれる。
【0038】
加熱部18へ送り込まれた破砕片Tは、容量が小さくされたゲル状材Gとして加熱部18から切断・成形部20へ送り出される。
【0039】
切断・成形部20では、成形ロール86及び成形ダイ88によって厚板状のゲル状材Gにされ、更に、冷却されてインゴットIにされ、排出樋90から送り出される。ここで、インゴットIが所定長さ排出されたときに近接センサ94からの信号により切断部82で上記ゲル状材Gが切断される。従って、切断した一本あたりのインゴットIの長さを一定長さにすることができる。
【0040】
また、ガス流動システム22によって、ガス流動システム22により、加熱部18、脱臭器66、ブロワ68、切断・成形部20で空気が循環する。従って、加熱部18で発生する悪臭を伴った空気は、吸気口70から吸気管80を経由して脱臭器66で脱臭され、切断・成形部20に供給されてインゴットIを冷却する。そして、加熱部18へ流れ、吸気口70から脱臭器66へ送られる。
【0041】
以上説明したように、本実施形態では、ガス流動システム22により、加熱部18と切断・成形部20とで空気が循環し、加熱部18から吸引された空気が脱臭され、切断・成形部20でゲル状材Gを冷却することができる。
【0042】
これにより、切断・成形部20でゲル状材Gを著しく効率良く冷却することができ、所定形状のインゴットIを得ることができる。
【0043】
また、このように循環しているので、加熱部18のガス体を発泡スチロール減容機10の外部へ排気しない構成にすることができる。従って、周囲環境(作業環境など)を大幅に改善することができる。
【0044】
更に、ガス流動システム22の主な構成要素は1台の脱臭器66と1台のブロワ68であるので、ガス流動システム22の構成が簡素である。
【0045】
なお、本実施形態では、脱臭器66の下流側を空気吸引して切断・成形部20へ送風するようにブロワ68を配置したが、切断・成形部20の下流側を空気吸引して脱臭器66へ送風するようにブロワ68を配置してもよい。
【0046】
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、上記実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係る発泡スチロール減容機の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る発泡スチロール減容機の加熱部を構成する枠部及び電気ヒータ板を示す斜視図である。
【図3】図3(A)及び(B)は、それぞれ、本発明の一実施形態に係る発泡スチロール減容機の側面断面図及び正面断面図である。
【符号の説明】
【0048】
10 発泡スチロール減容機(発泡材減容機)
18 加熱部
20 切断・成形部(冷却部、成形部)
22 ガス流動システム
66 脱臭器
68 ブロワ
G ゲル状材
【出願人】 【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
【出願日】 平成17年12月1日(2005.12.1)
【代理人】 【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳

【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳

【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一

【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志


【公開番号】 特開2007−152639(P2007−152639A)
【公開日】 平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願番号】 特願2005−348286(P2005−348286)