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【発明の名称】 レーザーマーキングにおける防塵方法
【発明者】 【氏名】新保 誠

【氏名】山内 一秀

【氏名】高田 憲之

【要約】 【課題】レーザーマーキング処理の最中おける効果的な防塵方法を提供すること。

【解決手段】処理対象物1にレーザーマーカー4を用いてレーザーマーキングを実施するにあたって、対象物1に、フィルム2に粘着剤3が塗布もしくは設けられてなる粘着剤付きフィルム23を粘着させることによって、対象物1の処理面からの粉塵6aの飛散を防止する。粉塵6aは、粘着剤付きフィルム23に付着され、粘着剤付きフィルム23はレーザー処理後に剥離される。フィルム2は、レーザーマーキングの実施が可能な程度以上にレーザー光5の波長に対して充分な透過性を備え、また粘着剤3も同様のものとする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物にレーザーマーキングを実施するにあたって、対象物に粘着剤付きフィルムを粘着させることによって、処理面からの粉塵の飛散を防止することを特徴とする、レーザーマーキングにおける防塵方法。
【請求項2】
前記フィルムは、レーザーマーキングの実施が可能な程度にまたはそれ以上にレーザー光に対する充分な透過性を備えたものであることを特徴とする、請求項1に記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
【請求項3】
前記粘着剤は、レーザーマーキングの実施が可能な程度にまたはそれ以上にレーザー光に対する充分な透過性を備えたものであることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
【請求項4】
前記粘着剤付きフィルムを、これに粉塵が付着したままで対象物から剥離することにより、対象物からの除塵も可能であることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
【請求項5】
前記粘着剤付きフィルムの対象物への着脱を、連続的に処理できる装置を用いて行うことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。

【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明はレーザーマーキングにおける防塵方法に係り、特に、レーザーマーキング処理の最中における塵埃の飛散を効果的に防止することのできる、レーザーマーキングにおける防塵方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各産業分野における製品管理・パターン転写やその他の目的のために、被対象物に印字あるいは印刷を行うことがあるが、その方法の一つとしてレーザーによるマーキングがある。
【0003】
レーザーマーキングでは、被対象物が削られて、その際に粉塵が飛び散るが、この粉塵飛散が原因となってレーザーの減衰や阻害を招いたり、粉塵が被対象物に付着して汚れとなったりする。また、粉塵は周辺機器表面に付着したり、あるいは機器内部に入り込んだりして、機器の故障を引き起こす原因にもなる。
【0004】
レーザーマーキングにおけるかかる問題を解決するために、従来、エアーを吹き付ける方法や、あるいはまた粉塵を吸引する方法など、種々の試みがなされている。
図4は、粉塵除去手段にエアーを用いた従来技術を示す側面視の説明図である。図示するように、処理対象物1の被処理面にレーザーマーカー4を用いてレーザー5を照射し、それによって発生した粉塵6bを送風口8aから出たエアー7によって飛ばし、気流中に乗せて、下流側に設けた吸引口8bから吸い込み、もって粉塵を除去するという構成である。
【0005】
また被対象物に関しては、印字または印刷過程の前後に、粘着ロールを用いて塵埃を除去する方法もとられている。後掲特許文献に開示されているのは、かかる類の防塵技術の一例である。
【0006】
【特許文献1】特開平11−300490「レーザ マーキング装置およびマーキング方法」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、エアーを用いる方法では、飛散した粉塵をレーザーを照射しながら吸引するため、照射範囲内にエアーで飛ばしきれない粉塵が残り、またエアーの対流外に舞ってしまった粉塵については除去することができない。また、粘着ロールによる塵埃の除去については、被対象物のレーザー照射処理前に塵埃を除去すること、あるいはレーザー照射処理後の塵埃付着について最終的にその付着を防止することは可能であるが、レーザー照射が行われている最中の飛散粉塵の効果的除去については効果がない。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、レーザーマーキング処理の最中における粉塵の飛散を効果的に防止することのできる、レーザーマーキングにおける防塵方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は上記課題について検討した結果、レーザー光を透過する材質の粘着剤付きフィルムを用いることによって上記課題の解決が可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下のとおりである。
【0010】
(1) 対象物にレーザーマーキングを実施するにあたって、対象物に粘着剤付きフィルムを粘着させることによって、処理面からの粉塵の飛散を防止することを特徴とする、レーザーマーキングにおける防塵方法。
(2) 前記フィルムは、レーザーマーキングの実施が可能な程度にまたはそれ以上にレーザー光に対する充分な透過性を備えたものであることを特徴とする、(1)に記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
(3) 前記粘着剤は、レーザーマーキングの実施が可能な程度にまたはそれ以上にレーザー光に対する充分な透過性を備えたものであることを特徴とする、(1)または(2)に記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
(4) 前記粘着剤付きフィルムを、これに粉塵が付着したままで対象物から剥離することにより、対象物からの除塵も可能であることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
(5) 前記粘着剤付きフィルムの対象物への着脱を、連続的に処理できる装置を用いて行うことを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載のレーザーマーキングにおける防塵方法。
【0011】
つまり本発明は、前期課題を解決するために、レーザー照射処理前対象物に粘着剤付きフィルムをに密着させておき、照射処理後にフィルムを剥離させるというものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明のレーザーマーキングにおける防塵方法は上述のように構成されるため、これによれば、レーザー照射の前後だけでなく照射処理の最中に発生する粉塵についても空気中に飛散させずにフィルムと処理対象物の間に閉じ込めることができる。さらに、粉塵が粘着剤についた状態のままフィルムを剥離させることができるため、対象物上への汚れの付着も防止することができ、従来にない防塵、除塵効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1は、本発明方法によるレーザーマーキングの防塵について示す、側面視の説明図である。また、
図2は、図1に示す方法実施後の状態を示す説明図である。これらに図示するように本方法では、処理対象物1にレーザーマーカー4を用いてレーザーマーキングを実施するにあたって、対象物1に、フィルム2に粘着剤3が塗布もしくは設けられてなる粘着剤付きフィルム23を粘着させることによって、対象物1の処理面からの粉塵6aの飛散を防止するものである。
【0014】
本方法において前記フィルム2は、レーザーマーキングの実施が可能な程度に、またはそれ以上にレーザー光5の波長に対して充分な透過性を備え、また前記粘着剤3も同様のものとする。つまりこれらよりなる粘着剤付きフィルム23全体として、レーザー光5に対する透過性を充分備えたものが、本法には用いられる。かかる透過性を備えた粘着剤、フィルムとしては、市販のセロファン製テープなど適宜の物を用いることができる。
【0015】
したがって処理対象物1には、該粘着剤付きフィルム23が貼着された状態で、該粘着剤付きフィルム23を通してレーザーマーカー4によるレーザー光5照射処理を行い、レーザーマーキングを施すことが可能であり、しかも該粘着剤付きフィルム23による表面の完全な被覆により、内部で発生するレーザーマーキングによる粉塵6aを該粘着剤付きフィルム23の外部に飛散させずに該粘着剤付きフィルム23と対象物1の間に閉じこめておくことができる。
【0016】
そしてレーザー照射処理が終了した後、該粘着剤付きフィルム23を、これに粉塵6aが付着したままで対象物1から剥離するだけで、閉じこめていた粉塵6aを容易に対象物1から除去することができ、対象物1上に汚れが付着して残ることを防止できる。
【0017】
図3は、自動化装置を用いた本発明方法について、その基本構成を示す説明図である。つまり本法において、対象物1のレーザー照射処理面に対して行う前記粘着剤付きフィルム23の着脱過程を自動化し、連続的に処理できる装置、すなわちレーザーマーキング時防塵装置を用いることとするものである。図において、処理対象物1は右方から左方へと(M方向へ)搬送される。レーザーマーカー4直下位置に入る手前の前側ローラー9b位置で、送り出しリール10bからの粘着剤付きフィルム23が対象物1の処理表面に貼着されてこれを被覆し、そのままの状態でレーザーマーカー4直下へ移動する。
【0018】
対象物1は、レーザーマーカー4直下位置でレーザー光5の照射処理を受けるが、この際に発生する粉塵6aは、すべて対象物1を被覆する該粘着剤付きフィルム23に付着し、外部への飛散が防止される。レーザー光5照射処理の済んだ対象物1はさらに左方へ搬送され、後側ローラー9a位置で、発生粉塵の付着した粘着剤付きフィルム23は処理の済んだ対象物1表面から剥離されて、巻き取りリール10aにより巻き取られる。このようにして、本法におけるレーザー処理前のフィルムの貼着と、処理後の剥離除去を、効率的に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明のレーザーマーキングにおける防塵方法によれば、レーザーマーキング処理の最中における塵埃の飛散を効果的に防止することができるため、従来にない優れた防塵、除塵効果を得ることができ、利用価値が高い発明である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明方法によるレーザーマーキングの防塵について示す、側面視の説明図である。
【図2】図1の本発明方法実施後の状態を示す説明図である。
【図3】自動化装置を用いた本発明方法について、その基本構成を示す説明図である。
【図4】粉塵除去手段にエアーを用いた従来技術を示す側面視の説明図である。
【符号の説明】
【0021】
1…対象物
23…粘着剤付きフィルム
2…フィルム
3…粘着剤
4…レーザーマーカー
5…レーザー光
6a、6b…粉塵
7…エアー
8a…送風口
8b…吸引口
9a…後側ローラー
9b…前側ローラー
10a…巻き取りリール
10b…送り出しリール
M…処理対象物の進行方向

【出願人】 【識別番号】505450216
【氏名又は名称】株式会社クロビットジャパン
【出願日】 平成18年1月6日(2006.1.6)
【代理人】 【識別番号】100119264
【弁理士】
【氏名又は名称】富沢 知成


【公開番号】 特開2007−181858(P2007−181858A)
【公開日】 平成19年7月19日(2007.7.19)
【出願番号】 特願2006−1513(P2006−1513)