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【発明の名称】 インボリュートスプラインブローチ
【発明者】 【氏名】井沢 晃

【要約】 【課題】インボリュートスプライン刃部の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部を有するインボリュートスプラインブローチにおいて、ブローチの前加工穴中心と、ブローチ加工後のワークのスプライン大径及びスプライン小径との同芯度を向上させたインボリュートスプラインブローチを提供。

【解決手段】インボリュートスプライン刃部 2の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部 4を有するインボリュートスプラインブローチ 1において、スプライン刃部 2と丸刃部 4との間にブローチの前加工穴径と同径の切削を行わない中間案内部 3を設け、かつ中間案内部 3の軸方向長さLをワーク切削長より長くした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インボリュートスプライン刃部の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部を有するインボリュートスプラインブローチにおいて、前記スプライン刃部と前記丸刃部との間にブローチの前加工穴径と同径の切削を行わない中間案内部を設け、かつ前記中間案内部の軸方向長さをワーク切削長より長くしたことを特徴とするインボリュートスプラインブローチ。
【請求項2】
前記中間案内部の外径は前記ブローチの前加工穴最大径より 0〜20μm大きい外径とし、前加工穴に前記中間案内部を圧入させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のインボリュートスプラインブローチ。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、インボリュートスプラインブローチの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のインボリュートスプライン穴を加工するとき、ワークのスプライン大径とスプライン小径即ちインボリュートスプライン穴径との同芯度を向上させるため、例えば特許文献1に開示する、図1(b)に示すように、インボリュートスプライン刃部 2の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部 4を有するインボリュートスプラインブローチ10とするか、又は、ワークのスプライン大径とスプライン小径とを同時に切削するように、各インボリュートスプライン刃の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃を交互にかつ両者の刃のピッチを各インボリュートスプライン刃のピッチより少なくして設けたインボリュートスプラインブローチが採用された。
【特許文献1】特開平7−164241号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一般に、ブローチ加工後のワークのスプライン小径を基準にして後加工が施行されることが多く、ブローチの前加工穴中心と、ワークのスプライン大径及びスプライン小径との同芯度は重要である。しかしながら、特許文献1のインボリュートスプライン刃部の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部を有するインボリュートスプラインブローチは、再研削が進むと、丸刃部の丸刃加工開始刃の外径が前加工穴最大径より小さくなり、切削せず、ブローチ加工後のワークのスプライン大径とスプライン小径との同芯度が悪くなるという課題があった。又上記した各インボリュートスプライン刃の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃を交互に設けたものでは、ブローチの同時切削刃数が少なくなるためブローチ加工後のワークのスプライン大径とスプライン小径との同芯度が悪くなり採用できなかった。
【0004】
本発明の課題は前述した課題に鑑みて、ブローチの前加工穴中心と、ブローチ加工後のワークのスプライン大径及びスプライン小径との同芯度を向上させたインボリュートスプラインブローチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため本発明はインボリュートスプライン刃部の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部を有するインボリュートスプラインブローチにおいて、前記スプライン刃部と前記丸刃部との間にブローチの前加工穴径と同径の切削を行わない中間案内部を設け、かつ前記中間案内部の軸方向長さをワーク切削長より長くしたことを特徴とするインボリュートスプラインブローチを提供することにより上記課題を解決した。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、インボリュートスプライン刃部と丸刃部との間にブローチの前加工穴最大径と同径の切削を行わない中間案内部を設け、かつ前記中間案内部の軸方向長さをワーク切削長より長くしたので、丸刃部によるインボリュートスプライン穴を加工時に、ワークはスプライン刃部から完全に抜け、スプライン刃部の中心位置の影響を受けず、ブローチの前加工穴径と同径の中間案内部がこれにならう状態で切削が継続されるので、ブローチの前加工穴中心と、ブローチ加工後のワークのスプライン大径及びスプライン小径との同芯度を向上させたインボリュートスプラインブローチを提供するものとなった。
【0007】
好ましくは、前記中間案内部の外径は前記ブローチの前加工穴最大径より 0〜20μm大きい外径とし、前加工穴に前記中間案内部を圧入させるようにしたことにより、ブローチの前加工穴径に対してブローチの中心が容易に得られ、ブローチ加工後のワークのスプライン大径及びスプライン小径との同芯度をより向上させたインボリュートスプラインブローチを提供するものとなった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明本発明の実施の形態についてを図1〜図4を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施形態を示すインボリュートスプラインブローチの概略側面図、(b)は特許文献1の従来のインボリュートスプラインブローチの概略側面図、図2は図1(a)の本発明の実施の形態のインボリュートスプラインブローチによるワーク切削方式を示す拡大部分断面図、図3は図1(a)のブローチによるブローチの前加工穴中心02 とブローチによる加工後のスプライン小径中心01 との偏芯量を示す説明図、図4は図1(b)の従来のブローチの前加工穴中心02 とブローチによる加工後のスプライン小径中心01 との偏芯量を示す説明図である。
【0009】
本発明の実施の形態のインボリュートスプラインブローチは、図1(a)に示すように、インボリュートスプライン刃部 2の後にインボリュートスプライン穴を加工する丸刃部 4を有するインボリュートスプラインブローチ 1において、スプライン刃部 2と丸刃部 4との間にブローチの前加工穴径と同径の切削を行わない中間案内部 3を設け、かつ中間案内部 3の軸方向長さLをワーク切削長より長くしたものである。Pは各インボリュートスプライン刃のピッチである。図2に図1(a)の本発明の実施の形態のインボリュートスプラインブローチによるワーク 5の切削方式を示す拡大部分断面図で、6 はスプライン刃部 2による外径上がり切削部分、7 は丸刃部 4による小径切削部分、8 は中間案内部 3による案内線、bは前加工穴径、をそれぞれ示す。
【0010】
本発明の実施の形態のインボリュートスプラインブローチは、かかる構成により、スプライン刃部 2と丸刃部 4との間にブローチの前加工穴径と同径の切削を行わない中間案内部 3を設け、かつ中間案内部 3の軸方向長さLをワーク切削長より長くしたので、丸刃部 4によるインボリュートスプライン穴を加工時に、ワークはスプライン刃部 2から完全に抜け、スプライン刃部 2の中心位置の影響を受けず、ブローチの前加工穴径と同径の中間案内部 3がこれにならう状態で切削が継続されるので、図3に示すように、ブローチの前加工穴中心02 と、ブローチ加工後のワークのスプライン大径及びスプライン小径01 との同芯度を向上させたインボリュートスプラインブローチを提供するものとなった。図4に図1(b)の従来のブローチの前加工穴中心02 とブローチによる加工後のスプライン小径中心01 との偏芯量E1 を示す。
【0011】
好ましくは、中間案内部 4の外径はブローチの前加工穴最大径より 0〜20μm大きい外径とし、前加工穴に前記中間案内部 4を圧入させるようにしたことにより、ブローチの前加工穴径に対してブローチの中心が容易に得られ、ブローチの前加工穴中心とブローチ加工後のワークのスプライン大径及びスプライン小径との同芯度をより向上させたインボリュートスプラインブローチを提供するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】(a)は本発明の実施形態を示すインボリュートスプラインブローチの概略側面図、(b)は特許文献1の従来のインボリュートスプラインブローチの概略側面図。
【図2】図1(a)の本発明の実施の形態のインボリュートスプラインブローチによるワーク切削方式を示す拡大部分断面図である。
【図3】図1(a)のブローチによる加工後の小径中心とブローチの前加工穴中心との偏芯量を示す説明図。
【図4】図1(b)の従来のブローチによる加工後の小径中心01 とブローチの前加工穴中心02 との偏芯量を示す説明図である。
【符号の説明】
【0013】
1 :インボリュートスプラインブローチ、2 :インボリュートスプライン刃部
3 :中間案内部、4 :丸刃部 L:中間案内部の軸方向長さ
【出願人】 【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
【出願日】 平成18年6月16日(2006.6.16)
【代理人】 【識別番号】100077997
【弁理士】
【氏名又は名称】河内 潤二


【公開番号】 特開2007−331077(P2007−331077A)
【公開日】 平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願番号】 特願2006−167605(P2006−167605)