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【発明の名称】 遊技球収容箱
【発明者】 【氏名】泉山 友博

【氏名】前田 孝昌

【要約】 【課題】膳板上面、床面、台車上などを問わず、とりわけ凹部の設けられた戴置面に、安定して戴置することができる遊技球収容箱を提供する。

【解決手段】本発明の遊技球収容箱1は、上方に開口する容器本体の底部2に保持されるとともに、底面から下方に突出及び該底部2内に退避可能で、かつ戴置面に設けられた凹部に係止される可動突出部材6を備えることを特徴とする。前記可動突出部材6は、前記底部2の一部が切り欠かれて形成された切欠き孔内で上下動可能であり、収容する遊技球Pの重量により下方に突出する(突出寸法H)ようにしてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方に開口する容器本体の底部に保持されるとともに、底面から下方に突出及び該底部内に退避可能で、かつ戴置面に設けられた凹部に係止される可動突出部材を備えることを特徴とする遊技球収容箱。
【請求項2】
前記可動突出部材は、前記底部の一部が切り欠かれて形成された切欠き孔内で上下動可能であり、収容する遊技球の重量により下方に突出する請求項1に記載の遊技球収容箱。
【請求項3】
前記可動突出部材は、前記底部内に形成された退避室内で上下動可能であり、自重により下方に突出する請求項1に記載の遊技球収容箱。
【請求項4】
前記戴置面は遊技機設置島の膳板上面であり、該膳板上面には凹部が形成されている請求項1〜3に記載の遊技球収容箱。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技店内において遊技者が遊技球を一時的に収容する遊技球収容箱に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店などの遊技店において、遊技機設置島には膳板が形成され、遊技者はこの膳板上に遊技球収容箱を戴置して遊技球を収容することが一般的に行われている。そして、遊技球で一杯になった収容箱は、店員あるいは遊技者自身によって床面などに移動され、積み重ねられて一時保管されるのが一般的である。また、遊技者が遊技台を移動する場合に、収容箱を持って移動することもある。遊技終了時には、収容箱は遊技機設置島の端部などに設置された計数機まで運ばれ、獲得した遊技球がカウントされて景品類と交換されるようになっている。
【0003】
この種の収容箱は、通常樹脂などの軽量堅牢な材料によって形成されている。したがって収容箱自体は軽量であるが、遊技球を収容した状態ではかなりの重量となり、取り扱いに労力を要するとともに注意が必要である。収容箱の膳板からの落下を防止するために、例えば特許文献1に開示されるパチンコ玉箱がある。特許文献1のパチンコ玉箱は、玉箱本体の下部両側に逃げ溝を対向的に配置し、膳板凸部との干渉を避けて安定した設置状態を維持できるようになっている。
【0004】
一方、膳板上面には喫煙の便宜に配慮して灰皿が備え付けられるのが一般的である。灰皿には固定式や移動式、さらには膳板下部に吸殻や灰を落とし込んで自動的に回収できるようにした方式などがあるが、いずれの方式であっても収容箱を移動する際に衝突するおそれがある。この対策として、例えば特許文献2に開示される玉箱がある。特許文献2の玉箱では、底部の長手方向に溝部が形成されている。そして、玉箱を膳板上で長手方向にスライドさせても、灰皿が溝部内を通過して干渉しないようになっている。なお、膳板上面には灰皿の他に飲料戴置用コースターなどの備品が戴置される場合もある。
【特許文献1】特開平11−114207号公報
【特許文献2】特開2005−211174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1のパチンコ玉箱は、玉箱本体の下部に逃げ溝が形成されるため底部面積が減少し、床面や移動用台車上に戴置する場合の安定性が低下し、特に積み重ねる場合に転倒のおそれが増加する。また、膳板上の灰皿との干渉の問題は解決されていない。特許文献2の玉箱は、灰皿とは干渉しないようになっているが、底部に溝部を形成する必要上玉箱が高くなり、重心位置が上昇して安定性が低下する。この安定性低下は溝部を高くするほど顕著となるので、溝部の高さは制限され、大きな備品との干渉を避けることは難しい。
【0006】
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、膳板上面、床面、台車上などを問わず、とりわけ凹部の設けられた戴置面に、安定して戴置することができる遊技球収容箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の遊技球収容箱は、上方に開口する容器本体の底部に保持されるとともに、底面から下方に突出及び該底部内に退避可能で、かつ戴置面に設けられた凹部に係止される可動突出部材を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に用いる容器本体の材質は従来と同様の樹脂製でよく、容器の側壁部や上縁部、把持部、は従来の構造を踏襲することができる。本発明は、容器本体の底部に保持され、容器本体に対して相対的に動くことができる可動突出部材に特徴を有している。可動突出部材は、下方に動いて容器底面からさらに下方に突出し、また上方に動いて底部内に待避するようになっており、例えば次のように形成することができる。
【0009】
前記可動突出部材は、前記底部の一部が切り欠かれて形成された切欠き孔内で上下動可能であり、収容する遊技球の重量により下方に突出するようにしてもよい。
【0010】
容器本体の底部には、例えば矩形の切欠き孔を設けることができる。さらに、切欠き孔の周縁部に連なり、底部から容器内に向けて筒状のガイド筒を立設することができる。このガイド筒の内側断面形状よりもわずかに小さな断面をもち、ガイド筒内を上下に摺動する可動突出部材を形成することができる。そして、ガイド筒の高さ及び可動突出部材の形状を適宜設計することにより、可動突出部材を容器底面よりも下方に突出及び底部内に待避させることができる。また、可動突出部材が抜け落ちないように留め部材を付設することができる。このように可動突出部材を形成すれば、収容箱内に収容される遊技球の一部は可動突出部材の上側に乗り、この遊技球の重量によって可動突出部材は下方に突出する。
【0011】
なお、可動突出部材を上方に向けて付勢する弾性部材を付設することにより、可動突出部材を常時底部内に待避させておくことができる。弾性部材を付設しなければ、可動突出部材は自重により常時突出しようとする。
【0012】
また、前記可動突出部材は、前記底部内に形成された退避室内で上下動可能であり、自重により下方に突出するようにしてもよい。
【0013】
容器本体の底部内には、切欠き孔に替えて、下方に開いた待避室を設けることができる。この待避室の内側断面形状よりもわずかに小さな断面をもつとともに、待避室内を上下に摺動する可動突出部材を設けることができる。可動突出部材は容器底面よりも下方に突出及び底部内に待避すること、また抜け落ちないように留め部材を付設できることは、切欠き孔の場合と同様である。上述の構成によれば、収容箱内の遊技球の有無と無関係に、可動突出部材は上下動することができる。
【0014】
さらに、切欠き孔、待避室いずれの構成においても、可動突出部材の突出形状を適宜配慮することにより、膳板凹部内の灰皿などの備品との干渉を避けることができる。例えば、可動突出部材が突出する突出寸法を小さくして、その下部空間を備品がすり抜けるように形成することができる。あるいは、可動突出部材を棒状あるいは板状の脚とし、脚間の空間を備品がすり抜けるように形成することも可能である。
【0015】
次に、上述のように構成された本発明の遊技球収容箱の作用、効果について説明する。前記戴置面は遊技機設置島の膳板上面であり、該膳板上面には凹部が形成されていることが好ましい。本発明の遊技球収容箱は、凹部が形成されている膳板上面で用いることが好ましく、また効果も顕著となる。
【0016】
本発明の遊技球収容箱を凹部が形成されている膳板上面に戴置すると、可動突出部材は遊技球の重量または自重により、凹部に向かって突出する。そして、突出した可動突出部材は、凹部によって係止され、膳板の手前方向への横滑りが防止される。したがって、収容箱は膳板上面に安定して戴置され、誤って外力が加えられても落下するおそれは少ない。また、収容箱は上方には普通に持ち上げることができるので、移動するために支障は生じない。さらに、可動突出部材が突出していても、その下部空間あるいは脚間の空間を備品がすり抜けるため、衝突のおそれを回避することができる。
【0017】
一方、本発明の遊技球収容箱を平らな床面や台車上に戴置すると、まず可動突出部材が接するがすぐに底部内に待避し、収容箱の底面全体で接して全重量を支えるため、安定性を損なうことはない。
【0018】
なお、遊技店によっては、凹部が設けられた膳板と従来の平らな膳板とが併用される場合も考えられるが、本発明の遊技球収容箱は両方に共通に用いることができる。
【0019】
さらに、台車上に凹部を形成することにより、収容箱を運ぶ途中での横滑りを防止することもできる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の遊技球収容箱では、容器本体の底部に保持されて下方に突出及び退避する可動突出部材を備えるようにした。したがって、膳板上面、床面、台車上など戴置面を問わず、安定して収容箱を戴置することができる。また、可動突出部材の突出形状を適宜配慮することにより、膳板凹部内の灰皿などとの衝突のおそれを回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図3を参考にして説明する。図1は、本発明の遊技球収容箱を戴置する遊技機設置島の膳板を説明する図であり、膳板9の長手方向の一部が図示されている。膳板9は、天板91、飾り板92、灰皿93,吸殻回収装置94、で構成され、膳板9の上面には凹部95が設けられている。天板91は木製であり、その上部は手前側が低く奥の遊技機側が高く階段状に加工されている。天板91の上面には、金属製の飾り板92が張設され、手前の前端部921と遊技機側の後端部922とが高く形成され、中間の低い部分には膳板9の長手方向に延びる凹部95が形成されている。前端部921は後端部922よりも若干高く形成することが好ましいが、同一の高さとしてもよい。凹部95内には、遊技機ごとに灰皿93が設けられている。灰皿93は、前端部921や後端部922よりも低く形成され、中央には吸殻やごみを落下させる落下孔が形成されている。天板91の下側には、吸殻回収装置94が形成され、灰皿93から落下する吸殻やごみを受け止めて回収するようになっている。本発明の実施例の遊技球収容箱1は、図1に示されるように膳板9上に戴置され、底面が前端部921及び後端部922に接して用いられるようになっている。
【0022】
図2は、本発明の実施例の遊技球収容箱1を説明する斜視図である。実施例の遊技球収容箱1は樹脂製で略箱形であり、底部2と四方の側壁部3、側壁部3の上端に環状に形成された上縁部4、上縁部4の対向する2箇所に設けられた把持部5、で形成されている。そして、底部2の中央には可動突出部材6が配設されている。
【0023】
次に、可動突出部材6の詳細な構造及び底部2への保持方法を、図3を参考にして説明する。図3は、実施例の遊技球収容箱1の断面構造を示す横断面図であり、(A)は可動突出部材6の待避状態、(B)は突出状態を示している。図示されるように、底部2の中央部は矩形状に切り欠かれて切欠き孔が形成されている。切欠き孔の周縁部21から少し側壁部3に寄った位置には、箱内に向けて筒状のガイド筒22が立設されている。可動突出部材6は、切欠き孔に嵌合するように、上方に開いた略箱形に形成されている。可動突出部材6の上端は外側に向けて折り曲げられて上縁部61が形成され、上縁部61の外周端は下方に向けて折り返されて外縁部62が形成されている。上縁部61はガイド筒22の上側を間隔Dで通過し、外縁部62はガイド筒22の外側を囲んでいる。
【0024】
底部2の切欠き孔の周縁部21と、可動突出部材6の上縁部61と、の間には複数個の弾性部材23が配設されている。弾性部材23は、可動突出部材6を底部2に保持するとともに、図3(A)に示されるように、常時は可動突出部材6を上向きに付勢して底部2内に待避させている。したがって、可動突出部材6の底面と、底部2の底面とは略同一平面を形成して、平らな戴置面に接するようになっている。
【0025】
ここで、図3(B)に示されるように底部2を固定材Sで固定した収容箱1内に遊技球Pが収容されると、遊技球Pの一部は可動突出部材6の上側に乗る。そして、遊技球Pの重量が弾性部材23を圧縮して、可動突出部材6を下方に突出させる。このときの突出寸法Hは、上縁部61がガイド筒22の上端に当たるまでの変位量に相当し、前述の間隔Dに略一致する。
【0026】
実施例の遊技球収容箱1を、図1に示された膳板9上で用いた場合、可動突出部材6は、凹部95に向かって突出する。可動突出部材6は凹部95内を膳板9の長手方向に向かってスライド可能であり、また上方に持ち上げる際の支障にもならず、通常に収容箱1を移動することができる。一方、収容箱1を膳板9の手前方向に引き出そうとしても、突出した可動突出部材6は前端部921に係止されるため、簡単には移動できない。つまり、収容箱1は膳板9の上面に安定して戴置され、誤って外力が加えられても手前に落下するおそれは少ない。さらに、前端部921を後端部922よりも若干高く形成した膳板9では、戴置された収容箱1には常時遊技機側に傾く力が作用するため、安定性は一層向上して落下しにくくなる。
【0027】
また、実施例の遊技球収容箱1を平らな床面や台車上に戴置した場合、遊技球Pの有無に関係なく、底部2と可動突出部材6とが底面として全重量を支えるため、安定性を損なうことはない。
【0028】
なお、弾性部材23には、コイルばねや板ばねなどを用いることができる。また、弾性部材23は不付きとしてもよく、この場合、可動突出部材6は常時自重により突出することになる。
【実施例】
【0029】
図4は、本発明の別の実施例で、底部内に待避室の形成された遊技球収容箱11を説明する横断面図である。この収容箱11では、底部2の中央には下方に開いた略箱形の待避室22が設けられている。待避室22の下端周縁には中心に向かって留め部材24が設けられている。可動突出部材7は上方に開いた略箱形に形成されており、その上端は外側に向けて折り曲げられて上縁部71が形成されている。そして、上縁部71は待避室22内に上下動可能に配置され、留め部材24によって抜け落ちないように保持されている。
【0030】
この遊技球収容箱11を図1の膳板9上面に戴置すれば、可動突出部材7は自重により下方に突出し、床面などの平らな面に戴置すれば、可動突出部材7は自然に底部2内の待避室22に待避する。したがって、戴置面を問わず安定して戴置することができる。
【0031】
図5は、また別の実施例の遊技球収容箱12を説明する横断面図である。この収容箱12は、待避室22から突出する可動突出部材8の形状を図4から変更したものである。すなわち、可動突出部材8は、留め部材24よって略水平に保持される基板材81と、基板材81から下方に立設された2個の脚板材82、82とで形成されている。
【0032】
この遊技球収容箱12を図1の膳板9上面に戴置すれば、可動突出部材8は自重により下方に突出する。このとき、2個の脚板材82、82はそれぞれ前端部921及び後端部922に係止され、収容箱12は膳板9上面に安定して戴置される。さらに、可動突出部材8が突出した状態で、2個の脚板材82、82の間を灰皿93が通過するため、衝突のおそれがない。したがって、収容箱12を膳板9の長手方向に自由にスライドさせることができ、容易に持ち上げたり、隣接遊技台へ移動したりすることができる。
【0033】
なお、可動突出部材の突出する部分の突出形状は、上述の実施例に限定されず、膳板凹部の形状や灰皿などの備品の形状に合わせて、様々な態様とすることができる。例えば、突出寸法を小さくして、灰皿が可動突出部材の下部空間を通過するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の遊技球収容箱を戴置する遊技機設置島の膳板を説明する図である。
【図2】本発明の実施例の遊技球収容箱を説明する斜視図である。
【図3】図2の実施例の断面構造を示す横断面図であり、(A)は可動突出部材の待避状態、(B)は突出状態を示している。
【図4】別の実施例で、底部内に待避室の形成された遊技球収容箱を説明する横断面図である。
【図5】また別の実施例の遊技球収容箱を説明する横断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1、11、12:遊技球収容箱
2:底部 21:周縁部 22:ガイド筒
23:弾性部材 24:留め部材
3:側壁部
4:上縁部
5:把持部
6:可動突出部材 61:上縁部 62:外縁部
7:可動突出部材 71:上縁部
8:可動突出部材 81:基板材 82:脚板材
9:膳板 93:灰皿 95:凹部
P:遊技球
H:突出寸法
【出願人】 【識別番号】000161806
【氏名又は名称】京楽産業.株式会社
【識別番号】598023126
【氏名又は名称】エィ・ケィ・ケィ・エム株式会社
【出願日】 平成18年6月6日(2006.6.6)
【代理人】 【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏


【公開番号】 特開2007−325646(P2007−325646A)
【公開日】 平成19年12月20日(2007.12.20)
【出願番号】 特願2006−157255(P2006−157255)