トップ :: A 生活必需品 :: A63 スポ−ツ;ゲ−ム;娯楽




【発明の名称】 協調運動用遊具
【発明者】 【氏名】小林 敬子

【要約】 【課題】複数の参加者が無理なく楽しみながら運動できて、自然に他の参加者との調和を図る能力も身につき、高齢者や障害者、肥満者等の運動不足の解消、ならびにデイ利用者や様々な疾患の患者のリハビリ等に大きな効果が得られる協調運動用遊具を提供する。【解決手段】 中央に穴2が開いたドーナツ状のシートからなる遊具本体1の外周辺部に、その全周にわたって周方向所定間隔置きに保持部3…が形成され、中央穴2の閉鎖手段を有し、遊具本体1を取り囲んだ複数の参加者が各々両手で前記保持部3,3によって遊具本体1を支持しつつ、協働して動かすように構成されてなる。

【解決手段】中央に穴2が開いたドーナツ状のシートからなる遊具本体1の外周辺部に、その全周にわたって周方向所定間隔置きに保持部3…が形成され、中央穴2の閉鎖手段を有し、遊具本体1を取り囲んだ複数の参加者が各々両手で前記保持部3,3によって遊具本体1を支持しつつ、協働して動かすように構成されてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中央に穴が開いたドーナツ状のシートからなる遊具本体の外周辺部に、その全周にわたって周方向所定間隔置きに保持部が形成されると共に、前記中央穴の閉鎖手段を有し、遊具本体を取り囲んだ複数の参加者が各々両手で前記保持部によって当該遊具本体を支持しつつ、協働して動かすように構成されてなる協調運動用遊具。
【請求項2】
前記保持部が遊具本体の表裏に透通する手指挿入穴からなる請求項1記載の協調運動用遊具。
【請求項3】
前記保持部は、遊具本体の表裏に透通する手指挿入穴と、この手指挿入穴の近傍に伸縮紐材を縫い付けてなる手通し部とで構成され、参加者が手指挿入穴又は当該手通し部を利用して遊具本体を保持するように構成されてなる請求項1記載の協調運動用遊具。
【請求項4】
前記閉鎖手段は、前記中央穴を封鎖シートで塞いで当該封鎖シートの周辺部を該中央穴の周縁に仮着するものである請求項1〜3のいずれかに記載の協調運動用遊具。
【請求項5】
保持部が8ヶ所以上に形成されると共に、これら保持部の配置ピッチが20〜40cmである請求項1〜4のいずれかに記載の協調運動用遊具。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、予防医学の観点からの高齢者や障害者の健康・体力維持、ストレス発散、デイ利用者(要介護者)や様々な疾患の患者に対するリハビリ、小学生や幼稚園児の体育授業等に幅広く使用できる協調運動用遊具に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や障害者、肥満者は、概して運動不足に陥り勝ちであり、それが体力及び気力の低下や身体機能の衰え、病気に対する抵抗力の低下等の大きな要因になっているが、自発的に運動習慣を身につけることは容易ではないし、忍耐力を要する運動では長続きしない。一方、デイ利用者や様々な疾患の患者に対するリハビリについては、従来より様々な試みがなされているが、ある程度の機能回復効果があっても、その対象者の積極的な協力が得られにくい場合が多々あった。
【0003】
従来における運動プログラムやリハビリプログラムの欠点は、それらが運動性や機能回復に力点を置くあまりに、楽しみや癒しといった心理的効果への配慮が不足していることである。一方、従来における楽しみや癒しのプログラムは、運動要素がないため、運動不足の解消や身体機能の回復には効果がない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述の事情に鑑みて、複数の参加者が無理なく楽しみながら運動できて、自然に他の参加者との調和を図る能力も身につき、高齢者や障害者、肥満者等の運動不足の解消、ならびにデイ利用者や様々な疾患の患者のリハビリ等に大きな効果が得られる協調運動用遊具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る協調運動用遊具は、図面の参照符号を付して示せば、中央に穴2が開いたドーナツ状のシートからなる遊具本体1の外周辺部に、その全周にわたって周方向所定間隔置きに保持部3…が形成されると共に、前記中央穴2の閉鎖手段を有し、遊具本体1を取り囲んだ複数の参加者M…が各々両手H,Hで前記保持部3,3によって当該遊具本体1を支持しつつ、協働して動かすように構成されてなる。
【0006】
請求項2の発明は、上記請求項1の協調運動用遊具において、保持部3が遊具本体の表裏に透通する手指挿入穴31からなるものとしている。
【0007】
請求項3の発明は、上記請求項1の協調運動用遊具において、保持部3は、遊具本体1の表裏に透通する手指挿入穴31と、この手指挿入穴31の近傍に伸縮紐材32aを縫い付けてなる手通し部32とで構成され、参加者が手指挿入穴31又は当該手通し部32を利用して遊具本体1を保持するように構成されてなる。
【0008】
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの協調運動用遊具において、閉鎖手段は、中央穴2を封鎖シート4で塞いで当該封鎖シート4の周辺部を該中央穴2の周縁に仮着するものとしている。
【0009】
請求項5の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの協調運動用遊具において、保持部3が8ヶ所以上に形成されると共に、これら保持部3…の配置ピッチが20〜40cmである構成としている。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明に係る協調運動用遊具によれば、複数の参加者が遊具本体を取り囲んで各々両手で当該遊具本体の周辺部を保持し、協働して遊具本体を大小に波打たせたり、遊具本体上に載せたボールを開放した中央穴に落とさぬように送ったり、逆に中央穴への落とし込みを競ったり、中央穴を閉鎖した状態で遊具本体上に載せたボールを協働して跳ね上げたり、相手側へ送り合ったり等、様々なパターンで楽しく興趣に富んだ遊戯を行える。そして、これら遊戯の間に、上肢の屈伸や上げ下げ、左右への振り、首や肩の振りや捩じり、身体の伸びと屈み、膝の屈伸、体重移動、左右バランス等の適度な運動が自然に行われることになり、高齢者や障害者、肥満者等の運動不足を無理なく解消できると共に、これらの運動に伴う他の参加者との協働操作、ボールや波形の移動を追うことによる視点の動き、音楽を交えた動きのリズム取り等を含めて、デイ利用者や様々な疾患の患者に対するリハビリとして優れた機能回復効果が得られ、ストレス解消にも大きく貢献でき、また小学生や幼稚園児では協調性や機敏性が身につくことになる。
【0011】
請求項2の発明によれば、遊具本体の保持部が手指挿入穴からなるため、参加者は該手指挿入穴を利用して遊具本体の縁部をしっかりと把んで保持できる。
【0012】
請求項3の発明によれば、保持部として前記の手指挿入穴と手通し部の一方を選択できるから、例えば片麻痺等で両手が使えない患者,リューマチで指関節が変形した患者、認知症の患者、指の握力が衰えた高齢者等でも、手指挿入穴の利用によって支障なく遊戯に参加できる。
【0013】
請求項4の発明によれば、遊具本体の中央穴の開閉を封鎖シートの着脱によって容易に行える。
【0014】
請求項5の発明によれば、遊具本体に保持部が8ヶ所以上に形成され、これら保持部が特定範囲の配置ピッチに設定されているから、4人以上の参加者でバランスよく遊具本体を取り扱え、遊戯中に転倒しにくく、且つ車椅子での参加も容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る協調運動用遊具の一実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1において、1は円形の中央穴2を有するドーナツ状の布帛からなる遊具本体、4は該遊具本体1の中央穴2を塞ぐための円形の封鎖シートである。
【0016】
遊具本体1は、その外周辺部の全周にわたり、多数(本図では16個)の表裏に透通するスリット状の手指挿入穴31…が周方向一定間隔置きに形成されると共に、各手指挿入穴31に対応して当該遊具本体1の外縁寄り位置の裏面側に手通し部32が形成され、これら手指挿入穴31と手通し部32とで保持部3を構成している。また、遊具本体1の内周辺部の裏面側には複数(図では6つ)の圧着ファスナー片5…が周方向一定間隔置きに取り付けられている。
【0017】
封鎖シート4は、遊具本体1と同様の布帛からなり、該遊具本体1の中央穴2よりも若干径大に形成され、その周辺部の表面側に、遊具本体1側の各圧着ファスナー片5と接合対をなす圧着ファスナー片6…が取り付けられている。しかして、遊具本体1の中央穴2を塞ぐ際、その裏面側から該封鎖シート4を図1の仮想線で示すように同心状に当てがい、相互の圧着ファスナー片5,6の各対を圧着するようになっている。
【0018】
なお、図3に示すように、遊具本体1の外周辺部は、縁布11によって補強されると共に、各手指挿入穴31の周囲も縁布12によって補強されている。また、図4に示すように、各保持部3の手通し部32は、平ゴムの如き伸縮紐材32aの両端部を遊具本体1に縫い付けたものである。
【0019】
ここで、保持部3…の配置ピッチp(図2参照)は、手指挿入穴31…を基準にして20〜40cm程度である。また、各手指挿入穴31の幅wは、大人が片手の親指を除く4本の指を揃えた状態で挿入できるように、8〜12cm程度に設定される。
【0020】
上記構成の協調運動用遊具を使用するには、図4に示すように、参加者M…は遊具本体1の周りを取り囲むように配置し、各々が両手H,Hで保持部3,3を保持することにより、全員で遊具本体1を略水平に拡げた状態に保つ。このとき、握力のある者は保持部3の手指挿入穴31に上又は下から差し込んだ指4本と親指とで遊具本体1の周辺部を掴めばよいが、片麻痺等で両手が使えない患者,リューマチで指関節が変形した患者、認知症の患者、指の握力が衰えた高齢者等でも、その握力のない手を図5に示すように手通し部32の輪に通すことより、伸縮紐材32aの収縮力を手首で受けて該遊具本体1の周辺部を充分に保持できる。なお、図4では、8人の参加者M…のうち、対角線位置の2人が手通し部32で保持すると共に、遊具本体1上には遊戯用のボール7が載っている。
【0021】
この協調運動用遊具による遊戯例としては、波起こし、ボール跳ね上げ、ボール送り、ボール回し、ボール落とし、キャッチボール等が代表的であるが、これら以外にも様々な遊戯を行える。
【0022】
波起こしでは、遊具本体1を中央穴2が開放した状態で用い、上下に揺らして大小の波を形作ったり、細かい振動でさざ波を表現したり、更には大小の波を時計周りや反時計周りに伝播させる等、参加者M…が協働して多様な動きを表現する。
【0023】
ボール跳ね上げでは、遊具本体1の中央穴2を封鎖シート4で塞いだ状態とし、該遊具本体1上に多数の小さいカラーボールを載せ、上下に振動させてカラーボールを跳ね上げて全部が外へ飛び出すまでの速さを競ったり、大きくて軽い1個のボールを載せて、参加者M…全員の協働で高く跳ね上げ、その高さを競ったりする。
【0024】
ボール送りでは、やはり遊具本体1の中央穴2を塞いだ状態で1個のボールを載せ、ゲームとして、参加者M…あるいは指導者が指名した人の方へボールが順次移動するように、参加者M…の各々が受持ち部分で遊具本体1を持ち上げたり逆に押し下げたりして動きに工夫を凝らすようにする。
【0025】
ボール回しでは、遊具本体1の中央穴2が開放した状態で1個あるいは数個のボールを載せ、それを落とさないように工夫しながら、時計周り方向や反時計周り方向へ回し移動させてゆく。
【0026】
ボール落としでは、鉢巻きや帽子の色分け等で参加者M…を複数のグループに分け、中央穴2の開放状態で遊具本体1上に各グループに対応した色のボールを載せ、最後に残ったボールのグループが勝者となるゲームとして、各グループの人が受持ち部分の遊具本体1の動きで他のグループのボールを中央穴2へ落とすように競わせる。
【0027】
キャッチボールでは、中央穴2を塞いだ複数の遊具本体1,1間で、ボールを高く跳ね上げ、それをキャッチする形でボールの受け渡しを行う。
【0028】
しかして、上記のボールを用いた遊戯では、使用するボールの大きさによって難易度を種々設定することが可能である。また、音によって運動を誘発するように音楽(BGM)を併用し、そのリズムに合わせて動作を行わせるにも好都合である。更に、これら遊戯には、図4に示すように車椅子でも支障なく参加できると共に、指導員やボランティアも一緒に参加して楽しみながら指導・協力を行える。
【0029】
このように、本発明の協調運動用遊具によれば、様々なパターンで楽しく興趣に富んだ遊戯を行える上、これらの遊戯の間に、上肢の屈伸や上げ下げ、左右への振り、首や肩の振りや捩じり、身体の伸びと屈み、膝の屈伸、体重移動、左右バランス等の適度な運動が自然に行われるから、高齢者や障害者、肥満者等の運動不足を無理なく解消できると共に、これらの運動に伴う他の参加者Mとの協働操作、各部関節の可動範囲拡大、ボールや波形の移動を追うことによる視点の動き、音楽を交えた動きのリズム取り等を含めて、デイ利用者や様々な疾患の患者に対するリハビリとして優れた機能回復効果が得られ、社会性の回復やストレス発散にも大きな効果があり、また小学生や幼稚園児では協調性や機敏性が身につくことになる。
【0030】
なお、具体的なリハビリへの応用例としては、デイ利用者における大きな動きによる全般的な運動性回復、失語症患者のストレス発散、片麻痺の患者における健側の大きな動きに伴う患側の機能回復、パーキンソン病の患者における前屈姿勢改善、視空間無視や視野狭窄の患者における視点の動き促進による視空間認知の回復等があり、これらでは既に顕著な効果が得られることが確認されている。
【0031】
実施形態として例示した協調運動用遊具は6〜8人程度で使用する中サイズのものであり、本発明は最大20人程度が参加できる大きなサイズから4,5人程度が参加する小さなサイズのものまで広く適用できるが、保持部3が8ヶ所以上で、これら保持部3…の配置ピッチが20〜40cmであることが望ましい。すなわち、保持部3を8ヶ所以上にすることで、4人以上の参加者でバランスよく遊具本体を取り扱えると共に、上記配置ピッチにすることで、両手の間に保持部3の一つを空けた形で保持可能となるため、これによって遊戯中に転倒しにくくできる上、幅を取る車椅子での参加も容易になる。
【0032】
また、本発明の協調運動用遊具では、遊具本体1の中央穴2を塞ぐ封鎖シート4の仮着手段として、例示した圧着ファスナーの代わりにホックやボタン、チャック等を用いた構成や、保持部3に手通し部32を設ける代わりに、手指挿入穴31の周縁にゴム弾性を持たせた形にし、そこへ手首まで差し込んで保持可能にする構成も採用可能である。また、遊具本体1のシートとしては、強度と軽量性の点で例示した布帛が好適であるが、他にゴム引き布、樹脂含浸布、メッシュ地等も使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施例に係る協調運動用遊具の遊具本体及び閉鎖シートを示す平面図である。
【図2】同遊具本体の要部の拡大平面図である。
【図3】同遊具本体における保持部の手通し部を示す正面図である。
【図4】同協調運動用遊具の使用状態の一例を示す斜視図である。
【図5】同遊具本体における保持部の手通し部を利用した保持状態を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 遊具本体
2 中央穴
3 保持部
31 手指挿入穴
32 手通し部
32a 伸縮紐材
4 閉鎖シート
5,6 圧着ファスナー片(仮着手段)
7 ボール
M 参加者
H 手
【出願人】 【識別番号】505349138
【氏名又は名称】小林 敬子
【識別番号】506059104
【氏名又は名称】山本 惠子
【出願日】 平成17年9月20日(2005.9.20)
【代理人】 【識別番号】100069578
【弁理士】
【氏名又は名称】藤川 忠司


【公開番号】 特開2007−82620(P2007−82620A)
【公開日】 平成19年4月5日(2007.4.5)
【出願番号】 特願2005−272454(P2005−272454)