| 【発明の名称】 |
防火区画形成システム |
| 【発明者】 |
【氏名】栗岡 均
【氏名】桑名 秀明
【氏名】辻 利秀
【氏名】林 龍也
【氏名】杉山 泰周
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| 【要約】 |
【課題】気流や建物の状況に関係なく、確実かつ迅速に起動する。
【解決手段】水幕18を形成するヘッド列14の両側に配置した火災感知器32−1〜32−6,34−1〜34−6のそれぞれを接続した第1感知器回線36と第2感知器回線38とを設ける。ヘッド列14の片側の区画で火災が発生した場合、ヘッド列14に対し火災発生側に配置している第1及び第2感知器回線36,38の例えば隣接する火災感知器32−1,34−2が発報することで、第1及び第2感知器回線36,38により火災信号が受信され、これにより消火ポンプ22の起動でヘッド16から散水して水幕18を形成し、防火区画12a,12bを仕切形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 火災時に建築空間を所定の防火区画に仕切る防火区画形成物と、 前記防火区画形成物の両側に設置され、火災を検出して火災信号を出力する複数の火災感知器と、 前記複数の火災感知器の内、前記防火区画形成物の一方の側に設置した火災感知器と他方の側に配置した火災感知器をそれぞれ接続した複数の感知器回線と、 複数の感知器回線からの火災信号に基づいて、前記防火区画形成物を作動させる制御部と、 を備えたことを特徴とする防火区画形成システム。 【請求項2】 請求項1記載の防火区画形成システムに於いて、 前記複数の火災感知器を前記防火区画形成物の両側に所定間隔で配置し、 前記複数の感知器回線は、 前記複数の火災感知器の内、前記防火区画形成物の一方の側に設置した一部の火災感知器と他方の側に配置した一部の火災感知器を接続した第1感知器回線と、 前記第1感知器回線に接続した火災感知器以外の残りの前記防火区画形成物の一方の側に配置した火災感知器と他方の側に配置した火災感知器を接続した第2感知器回線と、 で構成され、 前記制御部は、前記第1感知器回線と第2感知器回線の両方から火災信号を受信した際に、前記防火区画形成物を作動させ所定の防火区画を形成させることを特徴とする防火区画形成システム。 【請求項3】 請求項2記載の防火区画形成システムに於いて、前記防火区画形成物の両側に配置された複数の火災感知器を前記第1感知器回線と第2感知回線に対し交互に割当て、前記第1感知器回線と第2感知器回線を前記防火区画形成物に対しクロスさせながら前記割当て火災感知器を千鳥状に接続したことを特徴とする防火区画形成システム。 【請求項4】 請求項2記載の防火区画形成システムに於いて、前記防火区画形成物の両側に配置された複数の火災感知器を前記第1感知器回線と第2感知回線に対し交互に割当て、前記第1感知器回線と第2感知器回線を前記防火区画形成物の一端から他端に向けて配線すると共に他端で反対側に折り返し配線して前記割当て火災感知器を接続したことを特徴とする防火区画形成システム。 【請求項5】 請求項1記載の防火区画形成システムに於いて、 前記複数の感知器回線は、 前記防火区画形成物の一方の側に配置された複数の火災感知器を1つ置きに接続した前記第1感知器回線と、 前記防火区画形成物の他方の側に配置された複数の火災感知器の内、前記第1感知器回線に接続した火災感知器の間となる位置に相対した火災感知器を1つ置きに接続した前記第2感知器回線と、 前記防火区画形成物の一方の側に配置された複数の火災感知器の内、前記第1感知器回線に接続していない火災感知器を接続した前記第3感知器回線と、 前記防火区画形成物の他方の側に配置された複数の火災感知器の内、前記第2感知器回線に接続していない火災感知器を接続した前記第4感知器回線と、 で構成され、 前記制御部は、前記第1感知回線又は第2感知器回線から火災信号を受信し、且つ前記第3感知器回線又は第4感知回線から火災信号を受信した際に、前記防火区画形成物を作動させることを特徴とする防火区画形成システム。 【請求項6】 請求項1乃至5記載の防火区画形成システムに於いて、前記複数の火災感知器を、10メートル以下の間隔で配置したことを特徴とする防火区画形成システム。 【請求項7】 火災時に建築空間を所定の防火区画に仕切る防火区画形成物と、 前記防火区画形成物の両側に設置され、火災を検出して火災信号を出力する複数の火災感知器と、 前記複数の火災感知器は、一防火区画内に配置された隣同士の火災感知器をそれぞれ異なる感知器回線に属するように設定すると共に、同一感知器回線に属する火災感知器を前記防護区画形成物の両側に配置して、複数の感知器回線からの火災信号に基づいて前記防護区画形成物を作動させる制御部と、 を備えたことを特徴とする防火区画形成システム。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、火災時に建築空間を複数の防火区画に仕切る防火区画形成システムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、防火区画形成システムとしては、天井、床及び壁に囲まれる建築空間を防火戸により防火区画に仕切るようにしたシステムが知られている(特許文献1)。 【0003】 このような従来の防護区画形成システムにあっては、防火戸の両側に火災感知器をそれぞれ設置し、両方の火災感知器から火災発報信号を受信したアンド発報の際に、防火戸を起動して防火区画を形成するようにしている。このように防火戸の両側に設置した火災感知器からの火災発報信号のアンド発報により防火戸を起動させることで、火災感知器の誤発報による防火戸の誤作動を防止している。 【0004】 また本願発明者にあっては、火災時に、複数のヘッドからの消火用水の散水により水幕を形成し、この水幕により天井、床及び壁に囲まれる建築空間を所定床面積以下の防火区画に仕切る防火区画形成システムを提案している(特許文献2)。
【特許文献1】特開平6−205851号公報 【特許文献2】特開2002−248179号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、このような従来の防火区画形成システムにおいては、防火区画を仕切る防火戸の両側に配置した火災感知器のアンド発報で防火戸を起動していたため、気流の向きにより両側に設置している各火災感知器に対する火災による煙や熱の到達に時間差が生じ、火災感知器のアンド発報による防火戸の起動が遅れることが考えられる。 【0006】 例えば、天井から下方に垂れ下がった梁の下に防火戸を設け、梁の両側の天井に火災感知器が設置されている場合、梁が火災時の煙や熱を遮ることもあり、火災感知器のアンド発報による防火戸の起動が遅れることが考えられる。 【0007】 このような問題は、複数のヘッドからの散水で水幕を形成して防護区画を仕切る防火区画形成システムの場合も同様であり、ヘッド列の両側に配置した火災感知器のアンド発報による水幕の形成が遅れることが考えられる。 【0008】 本発明は、気流や建物の状況に関係なく、火災時に迅速且つ確実に起動できる防火区画形成システムを提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、防火区画形成システムを提供する。本発明の防火区画形成システムは、 火災時に建築空間を所定の防火区画に仕切る防火区画形成物と、 防火区画形成物の両側に設置され、火災を検出して火災信号を出力する複数の火災感知器と、 複数の火災感知器の内、防火区画形成物の一方の側に設置した火災感知器と他方の側に配置した火災感知器をそれぞれ接続した複数の感知器回線と、 複数の感知器回線からの火災信号に基づいて、防火区画形成物を作動させる制御部と、 を備えたことを特徴とする。 【0010】 ここで、複数の火災感知器を前記防火区画形成物の両側に所定間隔で配置し、 複数の感知器回線は、 複数の火災感知器の内、防火区画形成物の一方の側に設置した一部の火災感知器と他方の側に配置した一部の火災感知器を接続した第1感知器回線と、 第1感知器回線に接続した火災感知器以外の残りの前記防火区画形成物の一方の側に配置した火災感知器と他方の側に配置した火災感知器を接続した第2感知器回線と、 で構成され、 制御部は、第1感知器回線と第2感知器回線の両方から火災信号を受信した際に、防火区画形成物を作動させ所定の防火区画を形成させる。 【0011】 感知器回線と火災感知器の接続は、防火区画形成物の両側に配置された複数の火災感知器を第1感知器回線と第2感知回線に対し交互に割当て、第1感知器回線と第2感知器回線を防火区画形成物に対しクロスさせながら割当て火災感知器を千鳥状に接続する。 【0012】 また感知器回線と火災感知器の接続は、防火区画形成物の両側に配置された複数の火災感知器を第1感知器回線と第2感知回線に対し交互に割当て、第1感知器回線と第2感知器回線を防火区画形成物の一端から他端に向けて配線すると共に他端で反対側に折り返し配線して割当て火災感知器を接続する。 【0013】 また複数の感知器回線は、 防火区画形成物の一方の側に配置された複数の火災感知器を1つ置きに接続した第1感知器回線と、 防火区画形成物の他方の側に配置された複数の火災感知器の内、第1感知器回線に接続した火災感知器の間となる位置に相対した火災感知器を1つ置きに接続した第2感知器回線と、 防火区画形成物の一方の側に配置された複数の火災感知器の内、第1感知器回線に接続していない火災感知器を接続した第3感知器回線と、 防火区画形成物の他方の側に配置された複数の火災感知器の内、第2感知器回線に接続していない火災感知器を接続した第4感知器回線と、 で構成され、 制御部は、第1感知回線又は第2感知器回線から火災信号を受信し、且つ第3感知器回線又は第4感知回線から火災信号を受信した際に、防火区画形成物を作動させる。 【0014】 複数の火災感知器は、10メートル以下の間隔で配置する。 【0015】 本発明による別の形態の防火区画形成システムにあっては、 火災時に建築空間を所定の防火区画に仕切る防火区画形成物と、 防火区画形成物の両側に設置され、火災を検出して火災信号を出力する複数の火災感知器と、 複数の火災感知器は、一防火区画内に配置された隣同士の火災感知器をそれぞれ異なる感知器回線に属するように設定すると共に、同一感知器回線に属する火災感知器を防護区画形成物の両側に配置して、複数の感知器回線からの火災信号に基づいて防護区画形成物を作動させる制御部と、 を備えたことを特徴とする。 【発明の効果】 【0016】 本発明によれば、防護区画形成物の両側に配置した複数の火災感知器のそれぞれを接続した感知器回線を少なくとも2回線設けたことで、片側の区画で火災が発生した場合、火災発生側区画に配置している回線接続の異なる例えば隣接する火災感知器が発報すると、2つの感知器回線により火災信号が受信され、これにより防護区画形成物を作動させて防火区画を仕切ることができ、防護区画の両側に火災感知器を設けていても、気流等の影響や建物の構造による起動遅れを防ぎ、迅速且つ確実に起動を行うことができる。 【0017】 即ち、片方の防護区画で火災が発生した場合に、従来は防護区画形成物の両側の火災感知器を別々の感知器回線に接続しているため火源側には1つの感知器回線しか存在せず、他方の感知器回線は火災の検出が遅れることになるが、本発明は防護区画形成物よりも火源側に設置された2つの感知器回線の火災感知器が共に発報することで、気流等の影響や建物の構造による起動遅れを起すことなく、確実且つ迅速に起動して水幕を散水ができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 図1は本発明による防火区画形成システムの一実施形態を示した説明図である。図1において、この実施形態にあっては、建物の1つのフロア10を例にとって本発明の防火区画形成システムを構築した場合、防護区画形成物として複数のヘッドを列状に並べ、水幕を形成する水幕散水設備を適用した例である。 【0019】 建物のフロア10に対しては、天井面に沿ってヘッド列14を配置している。ヘッド列14は給水配管15に開放型のヘッド16を一定のピッチ間隔で下向きに取り付けている。ヘッド16を接続した給水配管15は電動弁26を介して消火ポンプ22に接続されており、消火ポンプ22の運転により水源水槽24からの消火用水の加圧供給を受けて、各ヘッドからの散水により散水パターン20を形成し、ヘッド列14の方向に水幕18を形成する。 【0020】 このヘッド列14の各ヘッド16からの散水による水幕18の形成により、フロア10の天井、床及び壁で囲まれている建築空間を防火区画12aと防火区画12bに仕切るようにしている。 【0021】 ヘッド列14に設けたヘッド16のピッチ間隔は、例えば0.5〜2.0mの範囲の所定の値を選択すればよい。またヘッド16から散布する水の平均粒子径は、50ミクロン以上500ミクロン以下とすればよいことが実験的に検証されている。更に、水幕18を形成するに必要なヘッド列14の1m当たりの散水量としては、2リットル〜80リットルの範囲であれば有効である。このような条件の下にあっては、水幕18による熱気流の引き込みによる遮断作用に加え、放射熱については70〜90%を遮断することができる。 【0022】 ヘッド列14の両側には、火災受信盤30から引き出された第1感知器回線36に接続する火災感知器32−1〜32−3と第2感知器回線38に接続する火災感知器34−1〜34−3が、ヘッド列14の両側に千鳥状に配置されている。 【0023】 即ち、第1感知器回線36の最初の火災感知器32−1は防火区画12a側に設置され、次の火災感知器32−2は防火区画12b側に設置され、3番目の火災感知器32−3は防火区画12a側に設置されている。 【0024】 また第2感知器回線38については、最初の火災感知器34−1は防火区画12b側に設置され、2番目の火災感知器34−2は防火区画12a側に設置され、3番目の火災感知器34−3は防火区画12b側に設置されている。 【0025】 更に、感知器回線36,38における1番目の火災感知器32−1,34−1、2番目の火災感知器32−2,34−2及び3番目の火災感知器32−3,34−3は、ヘッド列14を挟んで相対した同一位置に設置されている。 【0026】 火災受信盤30は、第1感知器回線36に設けている火災感知器32−1〜32−3のいずれかが火災を検出して火災信号を出力し、同時に第2感知器回線38に接続している火災感知器34−1〜34−3のいずれかが火災を検出して火災信号を出力したとき、即ち第1感知器回線36と第2感知器回線38の2回線の回線発報(アンド回線発報)を検出した際に、監視制御盤28に火災信号を出力する。 【0027】 火災受信盤30から火災信号を受けた監視制御盤28は、消火ポンプ22を起動すると共に電動弁26を開状態に制御し、消火ポンプ22により水源水槽24の消火用水を給水配管15に加圧供給し、ヘッド列14に配置している複数のヘッド16から消火用水を散水して、散水パターン20により水幕18を形成し、フロア10を防火区画12aと防火区画12bに仕切る。 【0028】 監視制御盤28は、火災受信盤30から2回線発報受信による火災信号により散水条件が成立した場合、直ちにヘッド列14からの散水を開始するのではなく、後の説明で明らかにするように、内蔵したタイマを起動し、同時に図示しない非常放送設備を使用して防火区画形成システムが作動し、ヘッドから水が散布されることの注意放送を行った後に、消火ポンプ22を起動して電動弁26を開状態に制御することにより散水を開始する。 【0029】 図2は図1の火災感知器配置と感知器回線接続を平面的に示した説明図である。図2において、複数のヘッド16を備えたヘッド列14の両側には第1感知器回線36と第2感知器回線38の火災感知器32−1〜32−3と火災感知器34−1〜34−3を千鳥状に配置しており、異なる感知器回線に接続している隣接する火災感知器の設置間隔、例えば火災感知器32−1,32−2の設置間隔Lは、L=10m以内とする。これは1台の火災感知器の火災検出最大距離を5mに設定したことに基づいている。 【0030】 また、ヘッド列14を介して両側の相対する位置で異なる感知器回線に接続した火災感知器の設置間隔、例えば火災感知器32−3,34−3の設置間隔Wは、例えばW=2m程度とする。このヘッド列14を介した設置間隔Wは、ヘッド16からの散水による影響を直接受けない位置であれば、可能な範囲でヘッド列14に近付けることができる。 【0031】 図3はヘッド列の片側で火災が発生した際の本発明によるアンド回線発報を従来例と対比して示した説明図である。図3(A)は本発明であり、図1及び図2に示したように、ヘッド列14に対し第1感知器回線36−1の火災感知器32−1〜32−3と第2感知器回線38−1の火災感知器34−1〜34−3を千鳥状に配置している。 【0032】 このため、例えば防火区画12aの火災感知器32−1と火災感知器34−2の間で火災40が発生した場合、火災40に最も近い火災感知器32−1と火災感知器34−2が火災発報して火災信号を出力する。このため、火災40に対し第1感知器回線36と第2感知器回線38の両方について火災信号が得られるアンド回線発報となり、これに基づいてヘッド列14のヘッド16からの散水による水幕の形成で防火区画12a,12bを形成することになる。 【0033】 これに対し図3(B)の従来例にあっては、ヘッド列14の防火区画12a側には第1感知器回線36に接続した火災感知器32−1〜32−3を配置しており、一方、ヘッド列14の反対側となる防火区画12b側には別の第2感知器回線138に接続した火災感知器34−1〜34−3を設置している。 【0034】 このため、従来例について図3(A)の本発明と同様、防火区画12aの同じ位置で火災40が発生した場合、火災40に近い火災感知器32−1,32−2が火災を検出して火災発報するが、発報した火災感知器32−1,32−2は共に第1感知器回線36に接続された火災感知器であり、第1感知器回線36のみが発報回線となる。 【0035】 このような場合、感知器回線36,38の両方が発報するアンド回線発報でヘッド列から散水して水幕を形成するようにしていると、火災40に対し離れたヘッド列14の反対側の防火区画12b側に設置している火災感知器34−1〜34−2が発報するまでにはかなりの時間が必要となり、これにより図3(A)の本発明に比べると、図3(B)の従来例にあっては、同じ火災40でありながら2回線のアンド火災発報により水幕を形成するまでの時間遅れがかなり大きくなる。 【0036】 図3(C)は本発明と従来例の回線発報に対する水幕放水を示している。即ち本願発明にあっては、第1感知器回線36と第2感知器回線38の両方が発報することで水幕放水を開始するが、この時点で従来例にあっては、第1感知器回線36は発報しているが第2感知器回線38は発報しておらず、このため水幕放水は行われない。 【0037】 よって、ヘッド列14を挟んだ別回線の火災感知器のアンド火災発報だけでなく、1つの防火区画側のみの別回線の火災感知器のアンド火災発報であっても水幕放水を行うことができ、気流や建築物の影響なく迅速確実に放水を行うことができる。 【0038】 ここで図1の水源水槽24に貯蔵している消火用水の水量としては、水幕18による防火区画の火災時における形成時間は例えば1時間を保証する必要があることから、1時間の保証時間に見合った水量以上の貯水量を持つことになる。この場合、実際の建物にあってはヘッド列が複数系統設けられており、複数のヘッド列のうちの最大放水量のものについて、1時間以上の水幕形成時間を保証する水量を水源水槽24に貯水する。 【0039】 また消火ポンプ22の送水能力としては、建物内に設置している複数のヘッド列の中の水幕形成時の最大散水量を持つヘッド列に対し、その最大散水量以上の給水能力を持つ消火ポンプを設置することが必要である。 【0040】 図4は図1の監視制御盤28による防火区画形成処理のフローチャートである。図4において、ステップS1で第1感知器回線36または第2感知器回線38からの火災信号の受信の有無をチェックしており、いずれかの感知器回線から火災信号が受信されると、ステップ2で、ペアを組んでいる別の感知器回線からの火災信号の受信を待つ。 【0041】 ステップS2でペアを組んでいる感知器回線からの火災信号が受信されると、ステップS3で火災検出区画を判別して散水ヘッド列を決定する。続いてステップS4で消火ポンプ22を起動した後、ステップS5で散水タイマを起動する。散水タイマの設定時間は例えば30秒としている。またステップS6で注意を促すための散水放送を起動する。 【0042】 続いてステップS7で散水停止操作信号の有無をチェックしており、もし手動操作により散水停止操作信号が得られれば、ステップS12に進んで消火ポンプ22を停止する。散水停止操作信号がなければ、ステップS8でタイムアップか否かチェックしている。ステップS8で散水タイマのタイムアップが判別されると、ステップS9で電動弁26を開状態に制御してヘッド列14からの散水により水幕18を形成し、防火区画を仕切り形成する。 【0043】 ヘッド列からの散水中にあっては、ステップS10で散水停止信号の有無をチェックしており、散水停止信号を判別すると、ステップS11で電動弁26を閉状態に制御して散水を停止する。散水を停止したならば、ステップS12で消火ポンプ22を停止し、この状態でステップS13で復旧信号を待つ。復旧信号があれば、ステップS14で感知器回線復旧などの復旧処理を行った後、再びステップS1の監視状態に戻る。 【0044】 図5は本発明による防火区画形成システムの他の実施形態を示した説明図である。図5において、この実施形態にあっては、火災受信盤30から引き出された第1感知器回線36を防火区画12a側の天井面に沿って配線した後、ヘッド列14の終端側で梁10bを介して反対側の防火区画12bに配線し、防火区画12a側に設置した火災感知器32−1〜32−3を接続し、防火区画12b側に設置した火災感知器32−4〜32−6を接続している。 【0045】 一方、第2感知器回線38については、第1感知器回線36とは反対に、防火区画12b側に配線した後に、ヘッド列14の終端側で梁10bを介して防火区画12a側に配線し、防火区画12b側に設置した火災感知器34−1〜34−3を接続し、防火区画12a側に設置した火災感知器34−4〜34−6を接続している。 【0046】 このような図5の実施形態における第1感知器回線36に対する火災感知器32−1〜32−6の接続と配置、及び第2感知器回線38に対する火災感知器34−1〜34−6の接続と配置は、図6の平面的な説明図から更に明らかである。 【0047】 図6において、第1感知器回線36は防火区画12a側から配線を開始して、ヘッド列14の終端側で防火区画12b側に渡り配線し、その後に元に戻すことで終端させている。逆に第2感知器回線38については、防火区画12b側から配線を開始し、ヘッド列14の終端で防火区画12a側に渡り配線した後に、元に戻して終端させている。 【0048】 またヘッド列14の両側に配置している感知器回線36の火災感知器32−1〜32−6及び第2感知器回線38の火災感知器34−1〜34−6において、異なる感知器回線の同一位置の火災感知器は、ヘッド列14を介して相対した同じ位置に配置している。例えば第1感知器回線36の1番目の火災感知器32−1は、第2感知器回線38の1番目の火災感知器34−1とヘッド列14を介して相対した同一位置に配置している。この関係は残りの火災感知器32−2〜32−6と火災感知器34−2〜34−6についても同様である。 【0049】 更にヘッド列14の両側に配置している火災感知器は、自分から見てその両側に隣接する火災感知器は他の感知器回線の火災感知器となっている。例えば第2感知器回線38の1番目の火災感知器34−1の両側には、第1感知器回線36の火災感知器32−5,32−6が隣接して配置されている。 【0050】 この隣接配置された異なる感知器回線の火災感知器のヘッド列14方向の間隔、例えば火災感知器34−1に対するその両側に配置した火災感知器32−5,32−6の間隔L1,L2は、図2の実施形態の場合と同様、10m以内の間隔としている。 【0051】 この図5及び図6に示した実施形態は、図1及び図2の実施形態におけるヘッド列14の両側に配置した火災感知器に対する第1感知器回線36と第2感知器回線38の千鳥状の配線接続に対し、ヘッド列14に沿って配線した後、ヘッド列14を終端側で1回横切るだけで済むことから、図5のように天井側に梁10bが存在するような場合には配線工事を容易に行うことができる。 【0052】 また図6に示すように、ヘッド列14方向の配線及び感知器設置位置について、第1感知器回線36と第2感知器回線38では重なり合わないようにずらして配置しているため、ヘッド列14に沿った方向の配線作業も容易にできる。なお、2本の感知器回線36,38は同じ防火区画(例えば防火区画12a)から引き始めても良い。 【0053】 図7は本発明による防火区画形成システムの他の実施形態であり、この実施形態にあってはヘッド列14に対する火災感知器の設置は図1の実施形態と同じであるが、第1感知器回線36と第2感知器回線38を図5の実施形態と同様に配線接続したことを特徴とする。 【0054】 図7において、ヘッド列14の防火区画12a側には第1感知器回線36に接続する火災感知器32−1,32−3が設置され、その間に第2感知器回線38に接続する火災感知器34−2を配置している。 【0055】 一方、ヘッド列14の反対側となる防火区画12b側には第2感知器回線38に接続する火災感知器34−1,34−3が設置され、その間に第1感知器回線36に接続する火災感知器32−2が設置されている。 【0056】 このような火災感知器32−1〜32−3及び34−1〜34−3に対し、第1感知器回線36を防火区画12a側に配線して火災感知器32−1,32−3に接続した後、ヘッド列14を横切って反対側の防火区画12bに配線し、そこに設置している火災感知器32−2を終端に接続する。 【0057】 また第2感知器回線38については、防火区画12bから配線し、そこに設置している火災感知器34−1,34−3を接続した後、ヘッド列14を横切って防火区画12a側に配線した後、そこに設置している火災感知器34−2を終端接続している。 【0058】 図8は図7の実施形態における火災感知器配置と感知器回線接続を平面的に示しており、図2の千鳥状の配線に対し、ヘッド列14を横切る回数が少ないことで、ヘッド列14の部分に建物の梁が設けられているような場合の配線を容易にすることができる。 【0059】 また図8から明らかなように、第1感知器回線36に接続している火災感知器32−1〜32−3と、第2感知器回線38に接続している火災感知器34−1〜34−3は、ヘッド列14と平行に一列に配置され、ヘッド列14を挟んだ火災感知器の間隔は、感知器回線が異なっても同じであることから、天井面における火災感知器の並びが揃って美観的に優れており、またヘッド列からの散水の影響に対する関係も、感知器回線が異なっても同じにすることができる。 【0060】 図9は本発明による防火区画形成システムの他の実施形態を示した説明図である。図9において、この実施形態にあっては、火災受信盤30より回線ペアAを構成する第1感知器回線36と第2感知器回線38を引き出すと共に、別の回線ペアBを構成する第3感知器回線46と第4感知器回線48を引き出している。 【0061】 回線ペアAを構成する第1感知器回線36と第2感知器回線38については、梁14bの下部に配置したヘッド列14の防火区画12a側に火災感知器32−1〜32−3を配置して接続しており、第2感知器回線38についてはヘッド列14の防火区画12b側に火災感知器34−1〜34−3を配置して接続している。 【0062】 一方、ペアBを構成する第3感知器回線46は、ヘッド列14に対し防火区画12a側に配線されて火災感知器42−1〜42−3を接続しており、第4感知器回線48についてはヘッド列14の反対となる防火区画12b側に配線されて火災感知器44−1〜44−3を接続している。 【0063】 このヘッド列14に対する2つの回線ペアA,Bを構成する各感知器回線の配線と火災感知器の接続は、図10(A)の平面図から更に明らかになる。 【0064】 図10(A)において、回線ペアAはヘッド列14を横切る配線を不要とするために、第1感知器回線36と第2感知器回線38に分けて、それぞれヘッド列14の両側に配線し、火災感知器32−1〜32−3に対し火災感知器34−1〜34−3を、その間に位置するように、ヘッド列の方向で交互に配置している。 【0065】 回線ペアAの第1感知器回線36と第2感知器回線38は、火災受信盤30の受信処理により実質的には同一回線として扱われる。回線ペアBを構成する第3感知器回線46と第4感知器回線48も、ヘッド列14を配線が横切らないようにするために別々に配線しており、火災受信盤30の受信処理により実質的には同一回線として扱われる。 【0066】 図10(B)は図9の火災受信盤30における水幕形成のための条件を検出する受信機能であり、OR回路50,52とAND回路54を備えている。 【0067】 ここで回線ペアAを構成する第1感知器回線36の火災信号をE1、第2感知器回線38の火災信号をE2、また回線ペアBを構成する第3感知器回線46の火災信号をE3、第4感知器回線48の火災信号をE4とすると、OR回路50は回線ペアAによる第1及び第2感知器回線36,38の火災信号E1,E2のいずれか一方が得られたときに火災信号E5を出力する。またOR回路52は、ペアBの第3感知器回線及び第4感知器回線46,48のいずれか一方の火災信号が得られたときに火災信号E6を出力する。 【0068】 AND回路54は、OR回路50から回線ペアAの火災信号E5が出力され、同時にOR回路52から回線ペアBの火災信号E6が出力されたときに、水幕放水を行うための火災信号E7を出力し、これにより監視制御盤28を動作して消火ポンプ22を起動し、電動弁26を開状態に制御し、ヘッド列14の各ヘッド16から消火用水を散水し、散水パターン20の連続により水幕18を形成する。 【0069】 もちろん、図10(A)におけるヘッド列14の両側に配置している異なる感知器回線に接続している火災感知器のヘッド列方向の間隔は10m以内としている。 【0070】 なお上記の実施形態は防火区画形成物として複数のヘッドを備えたヘッド列からの放水による水幕で防火区画を形成する場合を例にとっているが、金属やシート状の防火戸で防火区画を形成する防火区画形成システムについても、上記の各実施形態と同様、少なくとも2つの感知器回線に接続する火災感知器を防火戸の両側の天井面に交互に配置することで、防火戸の片側での火災発生に対し速やかに2回線の火災発報を受信して防火戸を作動させることができる。 【0071】 なお、上記実施形態においては、火災感知器は火災を検出したときに感知器回線を短絡状態にして火災受信機に火災信号を送出する所謂P型を例に示したが、これに限らず火災感知器に固有のアドレスが設定されており、アドレスを指定したポーリング方式で受信機から火災感知器個々に問い合わせを行う所謂R型伝送で行っても良い。 【0072】 この場合は感知器回線の接続方式は特に限定されず、各火災感知器それぞれを第1感知器回線側と第2感知器回線側にグループ分けし、第1感知器回線グループに属する火災感知器と、第2感知器回線グループに属する火災感知器のアンド火災発報で水幕放水を作動するようにしても良い。 【0073】 また、各火災感知器の千鳥配置は、ヘッド列14を挟んで感知器回線の異なる火災感知器を相対配置しているが、ヘッド列を挟んだ相対方向の配置は必ずしも同一位置でなくとも良い。例えば図2において、火災感知器32−1は火災感知器34−1と34−2の中問の相対位置に配置し、火災感知器34−2火災感知器32−2と34−3の中間の相対位置に配置し、防護区画12aの火災感知器が今の位置より幾分左右にずれて配置されてもよい。 【0074】 また、本発明はビル内の空間に限らず、トンネル、地下道など他建築物の空間を複数の防火区画に区切るものにも適用できる。 【0075】 また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。 【図面の簡単な説明】 【0076】 【図1】本発明による防火区画形成システムの一実施形態を示した説明図 【図2】図1の火災感知器配置と感知器回線接続を平面的に示した説明図 【図3】ヘッド列の片側で火災が発生した際の本発明によるアンド回線発報を従来例と対比して示した説明図 【図4】図1の監視制御盤による防火区画形成処理のフローチャート 【図5】本発明による防火区画形成システムの他の実施形態を示した説明図 【図6】図5の火災感知器配置と感知器回線接続を平面的に示した説明図 【図7】本発明による防火区画形成システムの他の実施形態を示した説明図 【図8】図7の火災感知器配置と感知器回線接続を平面的に示した説明図 【図9】本発明による防火区画形成システムの他の実施形態を示した説明図 【図10】図9の火災感知器配置と感知器回線接続を平面的に示した説明図 【符号の説明】 【0077】 10:フロア 10a:壁 10b:梁 12a,12b:放火区画 14:ヘッド列 15:給水配管 16:ヘッド 18:水幕 20:散水パターン 22:消火ポンプ 24:水源水槽 26:電動弁 28:監視制御盤 30:火災受信盤 32−1〜32−6,34−1〜34−6,42=1〜42−3,44−1〜44−3:火災感知器 36:第1感知器回線 38:第2感知器回線 40:火災 46:第3感知器回線 48:第4感知器回線 50,52:OR回路 54:AND回路
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001373 【氏名又は名称】鹿島建設株式会社 【識別番号】000003403 【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年1月6日(2006.1.6) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100079359 【弁理士】 【氏名又は名称】竹内 進
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| 【公開番号】 |
特開2007−181554(P2007−181554A) |
| 【公開日】 |
平成19年7月19日(2007.7.19) |
| 【出願番号】 |
特願2006−1433(P2006−1433) |
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