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【発明の名称】 吸入装置
【発明者】 【氏名】アンドリュー・エル・エイブラムズ

【氏名】アナンド・グマステ

【要約】 【課題】本発明は、一般的には吸入装置に関し、特に、吸入ガスの流れ(例えば、吸入空気)中に粉末を容易に浮揚させるために振動を用いる吸入装置に関する。

【解決手段】空気流の中に粉末を容易に分散させるために振動体を用いた吸入器(220)が提供された。吸入器の一実施形態は、粉末を振動させるために圧電振動体(254)を用いている。粉末の凝集を解消して分散させ、粉末をサイズによって分離するために、粉末に振動を起こさせるように振動体への作動電力の供給を制御するための制御装置が備えられた。使用の対象となる粉末粒子は、次いで静電的手段(232)によって空気の流れの中に浮揚され分散される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乾燥粉末が格納された容器が載置されている位置にチャンバーを有している本体と前記チャンバーと流通している吸い込み口とを備え、
圧電振動体は、吸入器に載置された容器と結合するために吸入器に設けられ、前記乾燥粉末の凝集を解消し、患者が吸入するために凝集を解消された前記乾燥粉末を空気流に浮き上がらせることを特徴とする、前記乾燥粉末を吸入された前記空気流に分散させるための乾燥粉末吸入器。
【請求項2】
前記空気流の流速及び/又は圧力を検出するために、少なくとも1つの検出器をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項3】
前記検出器からの信号に応答して前記振動体を作動及び停止させるために、制御装置をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項4】
前記制御装置は、利用者が選択された前記粉末のタイプに基づいて前記振動体の動作を制御可能とするために、前記利用者が操作可能な制御装置を含んでいることを特徴とする請求項3に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項5】
前記粉末の凝集が解消され、前記粉末は前記粉末の大きさによって分類されて前記空気流によって移動されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項6】
前記振動体は、前記チャンバーを形成する壁の少なくとも一部を形成することを特徴とする請求項5に記載の乾燥粉末吸入器。
【請求項7】
前記利用者の空気の吸入に応答して前記高周波振動体を動作させるために、吸入検出器をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の乾燥粉末吸入器。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には吸入装置に関し、特に、吸入ガスの流れ(例えば、吸入空気)中に粉末を容易に浮揚させるために振動を用いる吸入装置に関する。本発明は、その他の薬品の利用を含むその他の利用も考えられるが、粉末の薬剤(例えば、細菌用ワクチン、鼻腔炎用ワクチン、抗ヒスタミン剤、血管狭窄剤、抗菌製剤、抗喘息性気管支炎剤、テオフィリン、アミノフィリン、クロモリンナトリウム等)の吸入用としての分野に特に利用される。
【背景技術】
【0002】
ある種の呼吸管の疾病には、治療薬を直接患部に適用する治療法が有効であることが知られている。これらの治療薬の多くは、一般に入手時には粉末であるため、これらの適用は、鼻や口から粉末の薬剤を吸入することによって容易に行うことができる。こうした粉末の直接の適用によって、薬剤が必要で、かつ薬剤の作用が要求される部位に正確に供給できるという点で、薬剤の有効な適用ができる。それ故、その他の方法によって大量に投与すると同様な効果が、この方法では少量の投与で得られ、しかもこの結果、望ましくない副作用の発生を大きく減少させることができるし、薬剤費用も大きく減らすことができる。この方法によって、薬剤を呼吸管以外の治療にも適用することができる。薬剤を肺の広い表面に沈着させると、薬剤は急速に血流に吸収されるので、この方法は、注射、錠剤服用、その他の従来の投与手段に換わりうる薬剤投与の方法である。
【0003】
製薬業界によれば、薬品を呼吸器に適用する場合、薬品の生物学的利用能が最適である粉末のサイズは1ないし5ミクロンであると言う。薬品粒子のサイズがこの大きさである場合、薬品の供給システムは以下の多くの問題を解決する必要がある。
【0004】
(1)サイズの小さい粉末粒子表面には、製造及び貯蔵時に静電的な電荷が発生する。このため、粉末粒子が凝集し、その結果、事実上5ミクロン以上のサイズを持つクラスターとなる。こうした大きなクラスターの形成のために、薬剤は肺の奥に入る確率は減少する。このため、包装された薬剤が患者の吸入に実際に用いられる割合は低い。
【0005】
(2)患者に供給されるべき有効な薬剤の量は数十マイクログラムのオーダーである。例えば、アレルギー性喘息の治療に用いられるアルブテロールの必要量は20ないし50マイクログラムである。現在では、製造装置が発達し、数マイクログラムの薬剤を許容できる精度で容器に充填することができる。通常の標準的なやり方は、有効な薬剤を、充填剤または乳糖といった増量剤と混合することである。この添加剤が薬剤を、「容易に流動させる」働きをする。薬剤粒子が充填剤の表面に静電的または化学的結合によって接着するので、充填剤は、「キャリアー」と呼ばれる。これらキャリアー粒子は薬剤粒子よりサイズが遥かに大きい。乾燥粉末吸入器の薬剤とキャリアーとを分離する能力は、吸入器の有効性の上で、重要な性能パラメータである。
【0006】
(3)5ミクロン以上のサイズの薬剤粒子は、肺に入らずに口や喉に沈積する可能性がある。口や喉での薬剤の生物学的利用能あるいは吸収は肺とは異なるので、口や喉への沈積は薬剤の効果の点から、別のレベルの不安定性をもたらす。薬剤の生物学的利用能についての不安定性を減少させるために、乾燥粉末吸入器は、口や喉などへの薬剤の沈着を最小とする必要がある。
【0007】
従来の乾燥粉末吸入器(DPIs)は、薬剤(薬剤プラスキャリアー)を高速空気流内に導入する手段を有する。高速空気流は、微粉末とされた粒子のクラスターを破砕する、あるいは、薬剤粒子をキャリアーから分離する主な機構として用いられる。粉末の薬剤を投与するための幾つかの吸入装置が従来から知られている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、及び特許文献5である。開示された吸入器は、粉末の薬剤を含むカプセルに穴をあける手段を有し、粉末薬剤は、吸入時には、カプセルからは取り出されて使用者の口の中に投与される。これら特許文献の幾つかは、吸入時にカプセルから粉末を投与する援助するプロペラ手段を開示している。この場合には、カプセルから粉末を吸い出すために吸入空気にすべて頼る必要はない。例えば、特許文献6において、開示された装置では、粉末を含むカプセルを吸入前に装置の下部チャンバー内に置き、使用者が穴開けピンを手動で押し下げてカプセルに穴をあける。穴をあけた後、吸入が開始され、カプセルは装置の上部チャンバーに引き上げられ、カプセルはすべての方向に回り、空けられた穴を通してそして吸入空気流の中に粉末が導入される。特許文献7は、多数の穴空けピン、プロペラ手段、外部からの手動操縦によってプロペラ手段を操作するための自給式粉末供給源を有する吸入装置を開示しており、吸入時にはプロペラ手段が、吸入空気の流れの中に粉末を投入する助けをする。特許文献8も参照されたい。
【0008】
これらの従来の装置は、幾つかの問題や幾つかの不利な点があるが、これらの問題は本発明の吸入装置によって解決される。例えば、従来の装置では、穴の空けられたカプセルから粉末を吸入空気流に投与するまたは引き出すために、使用者が相当の努力を払う必要があった。従来の装置によれば、カプセル内の粉末を、あけられた穴から吸引するので、カプセル内の粉末のすべてまたは大部分さえも引き出すことができず、薬剤に無駄が生じた。また、こうした従来の装置においては、よく分散された粉末が制御された量吸入されるのではなく、制御されない量または固まりの粉末材料が使用者の口に吸入されることになる。
【0009】
上記の従来技術の説明は、ウィルケ等(Wilke et al.)の特許文献9に多く準拠した。特許文献9に開示された装置は、粉末薬剤の吸入を容易にするため1次及び2次の空気の入口チャンネル及び出口用チャンネルを有する装置である。2次空気入口チャンネルには、粉末の薬剤を含むカプセルを入れるカプセル収容部が備えられ、出口チャンネルは、本体から突出した吸入口とされている。また、カプセルの穴あけ機構が備えられている。これは、カプセルを回転させてカプセルに1つまたはそれ以上の穴をあけ、カプセルを電気機械的な振動器によって振動させて、カプセルから粉末の薬剤を取り出す構造とされている。特許文献9によって開示された穴あけ手段は、トロコイド形チャンバー内に放射状に配置され、スプリングで付勢された3本の穴あけ用針を含む。そのチャンバーを手で回転させると、同時に針が半径方向に内側に移動して、カプセルに穴を空ける。チャンバーをさらに回転させると、針はスプリングによって元に位置に返り、針がカプセルから引き抜かれる。電気機械的な振動器は、その最外端に振動プランジャーを有し、このプランジャーが入口チャンネルと出口チャンネルの交差する部分に突き出している。プランジャーロッドに、このロッドの振動を起こさせる機械的なソレノイドブザーが連結されている。ブザーは、高エネルギー電池によって駆動され、外部のボタンスイッチによって作動される。特許文献9によれば、出口チャンネルを通しての吸入時に、電気機械的振動器10を作動させるためにスイッチ10dを同時に押すと、空気が入り口チャンネル4及び12から吸引され、空気の流れが2次導入管4を通じてカプセルを振動プランジャー10aの側に持ち上げる。カプセルは従って急速に振動され、粉末は流動化し、カプセルに空けられた穴から排出される。(この技法はホッパーから粉末を排出させる製造工程においてよく用いられる。この場合、ホッパーは振動され、粉末が流動化し、ホッパー出口から排出される。カプセルに空けられた穴がホッパーの出口に相当する。)導入管4及び12を通過した空気流が、カプセルから粉末を吸引し、この吸引された粉末が使用者の口に運ばれる(特許文献9第3欄、第45〜55行)。特許文献9は、さらに、電気機械的振動器を入口チャンバーに直角に配置すること、吸入器の薬剤投与特性を規制するために振動の振幅及び周波数を変えることができることを開示している。
【0010】
従って、上述のように、特許文献9の開示した吸入器は、ソレノイドブザーによって駆動されるロッドからなる電気機械的装置である。(この電気機械的手段は、カムを駆動するモータでもよい(第4欄第40行)。特許文献9に開示されているように、カプセルを効率よく振動させるため、ロッドには比較的大きな機械的運動が要求されることが、吸入を実施する上での特許文献9の発明の欠点である。この数百ミクロンに達する大きな機械的運動は、カプセルの壁の弾力性と薬剤及びカプセルの慣性のために必要となる。
【0011】
その上、ソレノイドブザーは5Khz以下の運転周波数しか持たない。この運転周波数は、大きな音の発生源となり、乾燥粉末吸入器にこれを組み込むことは、患者の側から見れば好ましくない。特許文献9の電気機械的作動器のさらに不利な点は、この作動器が高いエネルギー源を必要とすることで(特許文献9第3欄第38行)、このため、大きなバッテリー源が必要となるか、または、携帯用電源のバッテリーパックを頻繁に交換することが必要となる。これらはいずれも、患者の安全のため、また「使いやすさ」の観点から望ましくない。
【0012】
特許文献9の吸入器は、その特許開示(特許文献9第4欄第59〜68行、第5欄第1〜48行)に記載されている他の特許に比較して、カプセル中に残存する粉末の量を低減させることを目的としている。しかし、特許文献9は、粉末を、肺への粉末薬剤の有効な供給に必要な6ミクロン以下のサイズまたは群にするために、凝集した粉末の凝集を解消し分散させる必要のあることには触れていない。特許文献9は、むしろ空気流で排出される粉末を、肺への供給に適した粒子サイズに凝集を解消すなわち凝集解消させるため、従来の吸入器と同じように依然として空気流の速度に依存している。
【0013】
別の従来技術の吸入装置が、バーンズ等(Burns et al.)による特許文献10に開示されている。この装置において、液体の薬剤が圧電素子といった超音波装置によって霧化される(特許文献10第10欄第36〜51行)。通常高速の空気流または推進体が霧化された薬剤を患者に運ぶ。液体の薬剤を噴霧器中で霧化するために必要なエネルギーは極端に高く、このため、肺に薬剤を運ぶためのこの種の方法は、机上据え置き形の噴霧器に限定されてしまう。また、粉末薬剤を肺に供給するために、噴霧器の動作原理を乾燥粉末に適用可能かは明らかではない。
【0014】
それ故、従来の装置は多くの問題点があり、従って、肺に薬剤を供給するために従来の装置を用いることは多くの制約を受けるので望ましくない。これらの問題点の例は、
・従来の吸入器の性能は使用者によって用いられる流量に依存する。流量が低いと、凝集された粉末が凝集解消されず、患者に投与する薬剤の分量が逆に多くなる。
・従来の装置は凝集解消の工程が安定していないため、投与する薬剤の分量による薬剤の生物学的利用能が安定しない。
・従来の電気機械的な吸入器の装置は、駆動に大きなエネルギーを必要とするため、装置が大型となり携帯型の使用に適さない。
【特許文献1】米国特許第3,507,277号明細書
【特許文献2】米国特許第3,518,992号明細書
【特許文献3】米国特許第3,635,219号明細書
【特許文献4】米国特許第3,795,244号明細書
【特許文献5】米国特許第3,807,400号明細書
【特許文献6】米国特許第2,517,482号明細書
【特許文献7】米国特許第3,831,606号明細書
【特許文献8】米国特許第5,458,135号明細書
【特許文献9】米国特許第3,948,264号明細書
【特許文献10】米国特許第5,284,133号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、本発明の目的は、前記のあるいは別の従来技術の問題点あるいは欠点を克服すべく、気体中への粉末の分散を容易にするため振動を用いた吸入器を提供することである。従って、本発明の1つの実施形態の吸入器においては、圧電体を振動体として用いている。少なくとも一部の粉末を気体中に最適に分散させて粉末に振動を与えるため、本吸入器は、振動部の作動電力の供給(すなわち、振幅及び/または周波数)を制御する制御装置を備えている。本発明のこの実施形態においては、本吸入器に現在用いられる種類の粉末を最適に気体中に分散させるため、使用者が振動の振幅及び/または周波数を制御できるように、使用者が作動できる制御器を備えることもできる。使用者が作動できる制御器は、予め制御装置との間で較正しておき、使用者が作動できる制御器によって選択される種類の粉末を、その粉末の少なくとも一部を気体に最適に分散させるために、振動部を振動させるに必要な振動部へ供給する作動電力の周波数及び/または振幅を、制御装置に調整させる。使用者が作動できる制御器は、気体中に分散浮揚させる粉末の平均サイズに関する、及び/または望ましい振動周波数及び振幅に関する選択の等級を付すことができる。一般的に用いられる薬剤粉末の典型的な粒子径である0.5から10ミクロン、より典型的には1から5ミクロンのサイズの粉末に対して、こうした一般的な薬剤粉末を最適に気体中に分散浮揚させるために、振動周波数は約12KHzに調整される。勿論、振動周波数と振動振幅は、用いられる薬剤粉末の分散を最適化するように調整される。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のこの実施形態に用いられる圧電振動体は、特許文献9によって開示されたような従来技術の電気機械的振動部のように多くの運動する機械部品を含まない利点がある。このため、この実施形態の振動体は、特許文献9等によって開示された振動装置のように頻繁に整備を行う必要がない。さらに大きな利点は、本発明のこの実施形態に於ける制御装置及び使用者の作動可能な制御装置は、粉末に付与すべき振動振幅や振動周波数を迅速にかつ容易に調整することができる点である。このため、本実施形態では、物理的に部品を分解したり変更したりするといった不便はなく、種々の粉末を使用者に最適な状態で供給することができる。
【0017】
本発明の第2の実施形態は、粉末を振動させるための制御可能な振動体と振動体を制御する制御装置とからなる。この制御装置は、吸入器内及び吸入器を通過する使用者の吸入気体の少なくとも1つの検出された特性に、少なくとも部分的に基づいて、振動部を制御する。制御器がそれに基づいて振動部を制御する気体流についての検出される特性は、吸入ガスについて検出される、速度、流量、及び/または圧力などである。この第2の実施形態における振動体は、圧電振動体からなる。加えて、この第2の実施形態における制御装置は、気体流の少なくとも1つの検出された特性が使用者の吸入の適否を示す最小のしきい値を越える大きさとなった場合、自動的に振動部を作動させることによって、また、少なくとも1つの検出された特性が最小のしきい値以下であった場合、自動的に振動部の作動を停止することによって、振動部の制御を行う。
【0018】
第2の実施形態は、複数の気体導入口及び少なくとも1つの導入口に1方向弁が設けられる。この弁は、吸入器から気体の吸引が行われる際、その弁を通して吸入器内に気体を流入させる。
【0019】
第2の実施形態は、振動が付与されている粉末を投与するためのディスペンサーが備えられる。ディスペンサーは、制御装置によってディスペンサーに供給される制御信号によって粉末を供給する。制御装置は気体流の少なくとも1つの検出された特性に、少なくとも部分的に基づいてこれらの制御信号を発信する。ディスペンサーは、粉末を振動部の表面に直接供給する。
【0020】
第2の実施形態のこれらの特徴のために、この実施形態が使用者による吸引と同時に粉末の供給と粉末の振動を同時に開始することを可能とさせる利点がある。加えて、この第2の実施形態の1方向弁が、使用者が吸引を行う間を除いて、吸入器から粉末が外部に流出することを防止する。これらの特徴は、従来技術では達成できなかったような、粉末の損失を遥かに少なくし、遥かに高い精度での投与量の制御を行いながら粉末の薬剤を使用者に投与することを可能としている。
【0021】
本発明の第3の実施形態によれば、振動体が粉末の振動のために設けられている。また、制御装置が設けられ、振動体への検出された電力伝達特性に、少なくとも一部基づいて、振動部への作動電力(すなわち、周波数及び/または振幅)を制御する。第3の実施形態において、制御器がそれに基づいて電力の供給を制御する検出された電力伝達特性は、最大電力が振動部に供給されているか否かを含む。制御装置は、振動部へ伝達される検出された電力が最大となるように振動部への電力の供給を自動的に調整する。
【0022】
振動部へ伝達される検出された電力が最大である時、粉末は最適の状態でガス中に分散される。従って、本発明の第3の実施形態に於ける前述の自動フィードバック及び制御の特徴を利用することによって、使用者と吸入器とは殆ど相互に作用し合う必要なく(すなわち、使用者は振動の周波数及び/または振幅を自身で調整する必要なく)、薬剤粉末を最適にガス中に分散することができる。
【0023】
本発明のその他の実施形態の吸入器は、ブリスターパックといった容器に入れられた微粉化された純粋の薬剤かまたはキャリアーに加えられた微粉化された薬剤かを、薬剤のクランプを解消するかまたは微粉化された薬剤をキャリアーから分離するために、振動させるための圧電振動体を有している。本発明の意図は、投与ごとに、薬剤の生物学的利用能を一定に確保することであるので、本実施形態の場合、粉末に結合されたエネルギー量は凝集の解消を起こさせ流動状態に維持するに十分であるが、ブリスターパックを横切って流れる空気流内に粉末のクランプを凝集解消せずに投入する従来の場合に比べて、エネルギー量は高くはない。
【0024】
更に別の実施形態において、粉末に振動を伝達するために、振動ダイアフラムを有する振動部を用いている。振動部は、ダイアフラムを迅速に変位させるため、静電的、電磁的あるいは磁気歪み手段を用いることができる。磁気歪み手段は、少なくとも1つの強磁性部材を用い、磁束発生手段によってこの部材に印加された磁束の存在または磁束の関数として、この強磁性部材は、その寸法及び/または形状が変化する。磁束発生手段は、磁束を発生させ、強磁性部材に磁束を印加するための永久磁石及びコイル、または電磁気手段からなる。
【0025】
所定の粒度の微粉化された粒子は、空気流を通過させることによって流動化されて浮揚される。本発明の好ましい実施形態において、静電場が空気流を横断して設定される。この静電場の強度を制御することによって、所定のサイズの粒子のみが空気流内に導入される。より大きなサイズの粒子は、容器内に残る。このことが、薬剤の生物学的利用能に関する不安定性を低減する。何故なら、従来技術において述べた装置では、こうした大きなサイズの粒子が口や喉に沈積することが多かったからである。
【0026】
以下に述べる図面を参照する。同じ部品には同じ参照符号を付した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図1〜図4を参照し、本発明の1つの好ましい実施形態10を説明する。吸入器10は、長さ方向に概略L字形の断面を持つ硬質プラスチックまたは金属製のハウジング18を有する。ハウジング18は、4個の空気流通用開口20、28、30及び32(本発明のこの実施形態におけるこの開口の機能は後により詳細に述べる)を有する。吸入器10は、それら通路を通して空気を通すための、ハウジング18の前部22(開口20の位置)から後部24(開口28の位置)へハウジング18の長さ方向に延び、かつ概略正方形の横方向の断面を持つ主空気通路26(図1に矢印Fで示す)を有する。
【0028】
2次空気の導管31は、概略L字形で、開口30からハウジング18の裏側24表面に縦方向に延びている。1方向フローバルブ50が従来型のバネで付勢されたヒンジ機構(図示されていない)を経由して、主通路26の内面33に設けられている。このヒンジ機構は、主通路26を通して流れる空気の流れFが、使用者によって通路26を通して吸入されていることを示す予め定められたしきい値以下の場合、主導管31を通して流れる空気流Sを、バルブ50に完全に遮断させるために取り付けられている。
【0029】
粉末供給チャンバー51は、吸入すべき薬剤の粉末を容れたカプセルを収容するために、ハウジング18内に形成されている。カプセル34をチャンバー51内に導入し、案内手段60A、60Bの間の振動手段36の台座52上にカプセルを置くことができるように、ハウジング18に裏面24に可動の入り口パネル32が取り付けられている。振動手段36は、圧電振動体90を収容する硬質プラスチックまたは金属製の保護容器37を有することが望ましい。また、薬剤を容れたカートリッジ34に保護容器37を通して振動体90から最大の振動エネルギーが伝達されるように、振動体90は、薬剤カートリッジ34に対してディスク(図示していない)を経由して容器37に機械的に連結されている。案内手段60A及び60Bは、チャンバー51内の台座52に向かって下向きに傾斜している2面からなる。可動のパネル32は、使用者が吸入を行う際、チャンバー51から導管51を経由して導管31に付加的な空気流を導入するため、別の空気取り入れ口34を有する。使用者が、新しい(薬剤が一杯に入った)カプセルを導入したり、使用済みの(空の)カプセルを取り出したりする動作、すなわち、パネル32を通じてハウジング18内への導入及び取り出しを行えるように、パネル32とハウジング18は、従来の嵌め合わせ構造の取り付け手段(図示されていない)を有することが望ましい。
【0030】
吸入器10は、空気の流れFの速度や圧力を感知するように、導管26の内表面に設置された従来型の小型の空気流の速度及び圧力センサ40を備えている。このセンサ40は、導管31内の空気流Fの速度及び/または圧力を示す電子信号を発生し、これらの信号に基づいて振動手段の作動を制御するために、電気的結線42を経由して電子制御回路48にこれらの信号を伝達する、従来型のスプリング式フラッパイールドスイッチを有することが望ましい。
【0031】
制御回路48は、専用アプリケーション集積回路チップ及び/またはその他の種類の極めて集積度の高い集積回路によって具現されることが望ましい。後により詳細に説明するが、制御回路48は、それによって振動部の振動を制御するための、圧電振動体への従来型の電源(例えば、1個またはそれ以上の直流バッテリー)から供給される作動電力の振幅または周波数を決定する。作動電力は、振動体と回路48の間の電気配線44を通じて圧電素子90に供給される。
【0032】
圧電素子90は、高周波数の超音波共鳴振動周波数(例えば、約15から50KHz)を持つ材料から作成され、圧電素子90に印加される励振電力の周波数及び/または振幅によって所定の周波数及び振幅で振動が起こされることが望ましい。圧電素子90を構成するに使用可能な材料には、水晶、及びセラミック系多結晶体(例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ジルコン酸鉛)等がある。超音波の周波数で圧電素子90を振動させることによって、低周波数(すなわち、超音波でない)での圧電素子90の振動に伴う騒音を避けることができるのは利点である。
【0033】
図4を参照して、制御回路48の種々の機能部品及び操作を説明する。当業者には明らかなように、図4に示す部品は制御回路をアナログ的に実現しているが、図4の部品は、本発明のこの実施形態から離れることなく、ディジタルの形態で本制御回路を実現するように修正することも可能である。
【0034】
制御回路48は、作動制御装置70と振動のフィードバック制御システム72を有することが望ましい。作動制御装置70は、センサ40から制御システム72に供給される信号及び電カスイッチ12の状態によって、駆動電力を電源40から制御システム72に供給するための従来型のスイッチ機構からなる。換言すれば、スイッチ12のスライド型指示針14がチャンネルトラック16内の「オン」の位置に設定され、吸入が主通路26を通して行われることを示す信号が吸入センサ40によってシステム72の電源46に供給されると、制御装置70は、作動電力を電源40からシステム72に供給させる。しかし、スイッチ12が「オフ」に設定されているか、あるいは制御装置70に供給されるセンサ40からの信号が、導管26を通じての吸入が行われていないことを示していれば、制御装置70は、電源からシステム72への作動電力を供給させない。
【0035】
制御装置70が、まず電源46からフィードバック制御システム72への作動電力の供給を許可すると、システム72は吸入状態にはいる。吸入状態に入ると、所定の周波数及び振幅を供給するための作動電力の制御手段74が、従来型のポンプ回路に吸入メモリ手段82に蓄えられている値に基づいて作動電力の初期の望ましい周波数及び振幅を惹起させるための制御信号を発生させる。手段74は、従来型の周波数掃引手段76と周波数発生手段78を有することが望ましい。手段74によって発生された信号は、この信号によって特定された作動電力を圧電素子90に供給するために、チャージポンプ回路80に供給される。
【0036】
粉末カートリッジまたは粉末が手段36にない場合、圧電素子90に当初供給される作動電力の初期周波数及び初期振幅は、圧電素子90がその共鳴周波数で振動するように予め較正されている。当業者に明らかなように、圧電素子がその共鳴周波数において振動する場合に、圧電素子から粉末への振動エネルギーの伝達が最大となる。この場合、使用者の吸入のための容器34内の粉末の凝集解消及び空気中への分散が最大に行われるという結果が得られることが明らかとなった。しかし、容器36または粉末が振動手段36上に置かれると、粉末容器の重量、圧電素子によって分散されるべき粉末の重量、容量、粉末の特定のサイズが圧電素子の振動特性を変化させ、圧電素子をその共鳴振動周波数以外の周波数で振動させる結果を招く。このことは、圧電素子から粉末へ伝達される振動エネルギーを低減させ、使用者に吸入される空気中の粉末の凝集解消及び分散に対する圧電素子の効率を低下させる。
【0037】
本発明のフィードバック制御システム72はこの問題を解消する。制御システムにおいて、作動電力の初期周波数並びに初期振幅が圧電素子90に印加されると、周波数発生手段74が、圧電素子90に回路80から供給される電力に対する多くの異なった振幅と周波数を表す制御信号を系統的に発生する。発生手段74が各種周波数と振幅を「巡回して解析する」と、これら種々の周波数と振幅についての圧電素子90のエネルギー転移特性が検出器88によって求められ、検出器が、この情報をピーク電力検出器86に伝達する。ピーク電力検出器86は、圧電素子90のその時のエネルギー転移特性を分析し、エネルギー転移特性が局部的に最大である場合、その時点の条件を信号し、フィードバック制御装置84に保持する。制御装置84は、局部的な最大値を得た条件を発生手段74に命令された周波数と振幅との相関関係を求める。
【0038】
周波数発生器74が圧電素子90に供給される種々の周波数と振幅の掃引を完了すると、制御装置84は、発生器74に局部的な最大値をもたらした電力の各種周波数と振幅を循環して解析し、その後、どの周波数と振幅が圧電素子90を通して最大のエネルギー転移特性をもたらすかを決定する。
【0039】
実施形態の装置10において、薬剤を収容した容器に穴をあけ、前に述べたやり方で、チャンバー内の振動体36の上に挿入する。電力スイッチを「オン」の位置に置き、使用者は導管26を通じて空気を吸入し、空気流Fは導管26を通じて発生する。このことによって、一方向弁50が変位して開口30を通過して導管26内に空気流Sを発生させ、また開口34及びチャンバー51を通過して導管に入る空気流S2を発生させる。空気流Fの吸入はセンサ40によって感知され、作動制御装置70に信号され、この信号によって電力が制御装置72に供給される。制御装置72は、圧電素子の振幅と周波数が粉末Pが空気流S及びS2を経由して粉体の凝集を解消し空気流F内への分散を最大に最適化できるまで、圧電素子に供給される作動電力の振幅と周波数を調整する。
【0040】
ここで、図5〜図6を参照して、本発明の第2の実施形態を説明する。特に指摘しない限り、第2の実施形態100の構成要素と操作は、第1の実施形態10のそれらと実質的に同一である。実施形態100において、実施形態10のフィードバック制御装置72は、予め較正された制御装置112に置き換えられている。制御装置112は、予め較正された周波数/振幅制御信号発生器110を有する。この信号発生器は、使用者が作動できる周波数/振幅制御スイッチ102から供給される信号に基づいてポンプ回路80に制御信号を供給する。スイッチ102は、チャンネルトラック108にスライド可能に設置された表示手段106を有し、スイッチ102によって、予め較正された特定の種々のサイズの粉末粒子を最適に分散させるために、ポンプ80に圧電素子への作動電力の振幅と周波数を供給させる制御信号を発生するように、使用者が発生器に指示することができる。例えば、選択スイッチが「1〜5」の位置に設定されると、発生器110は、予めプログラムされた通り、1〜5ミクロンの粉体粒子を最適に空気中に分散させるための周波数と振幅を持つ作動電力を圧電素子90にポンプ80に供給させる制御信号を発生させる。勿論、発生器110内にプログラムされている最適の周波数及び振幅の値は、予期される容器34及び容器内の粉末の重量と容量を計算に入れて予め較正されていることを認識されたい。従って、吸入器100が粉体を最適に分散浮揚させるために、容器34とその中に容れられている粉末の重量及び容積は、発生器110内にプログラムされた予め較生した値がそれに準拠している予期値から有意に異なることはできない。
【0041】
図7〜図12を参照して、本発明の吸入器の別の好ましい実施形態200を説明する。吸入器200は、その脚部215の一端部に吸い口214を有するハウジング212と、同じ脚部215の反対側端部に空気入口の開口とを有する。脚部215は、開口214及び216の間に障壁のない中空の導管である。特に図9Aに示されるように、吸い口214と入口216の中間に通路234が形成されている。この通路は薬剤カートリッジ220と連通している。この通路234の向かい側には吸入器ハウジング212の1つの部材226内に高周波圧電振動体254が配置されている。吸入センサ264も、通路234と吸入器の入口に間に配置されている。
【0042】
使い捨てのカートリッジ220は、ハウジング212一杯に形成された凹部218内に滑り込ませて配置するためのタブ224を含む外側容器222を持つ。また、薬剤カートリッジ220は、乾燥粉末薬剤を保持するため、間隔をあけて配置された複数のブリスターまたは薬剤容器244を取り付けたコイル状のテープ248を有する。リリースフィルム242は、前記容器244を覆いかつ密閉する。テープ248はコイル状に成形され、かつ案内ローラ246とピンチローラ240の間に通されている。ピンチローラ240は、つまみホイール230によって動かされる巻き取りホイール238によって駆動される。使用時に、つまみホイールが回されると、リリースフィルム242をテープ248から剥がし、容器244内の薬剤を露出させ、リリースフィルム242は巻き取りスプール238に巻き取られる。こうしてリリースフィルムを巻き取ることによって、吸入器のハウジング215内の場所226に納められた圧電振動体254の上に、新しい薬剤を容れた容器が進んでくる。テープ248はテープを一定間隔にインデックスするための回り止め手段または類似の手段を持ち、この手段によって薬剤容器244が圧電素子254の上に自動的に配置されることが望ましい。
【0043】
図9Aを参照すると、通路234によって配置された容器244が中空の通路215と連通されている。通路234は、薬剤が空気流250内に早い時期に吸い込まれてしまうことを防止できるだけの長さを持つ必要がある。このことは、もし容器の深さが十分であれば起こらない。露出された容器の上の通路234内に、中空通路215の内壁に静電板232が取り付けられている。通路215には、吸入センサ264が設けられている。このセンサ264の目的は、空気取り入れ口216から吸入口214への空気の流れを検出することである。このセンサの信号は、吸入器の繰り返し使用時の性能を確保するための電子制御のシーケンスのために用いられる。
【0044】
操作のシーケンスは次の通りである。すなわち、薬剤を容れた新しい容器が進んできて、圧電素子254の上に配置される。吸入器ハウジング212(図には示されていない)上の電力スイッチ272がオンにいれられる。このことによって、電源274が電子系と接続される。この時点では、作動制御装置270の出力は得られない。僅かな流量の空気流250が生ずると、作動制御装置270が振動部駆動回路276及び静電電圧発生回路278を駆動させる。圧電振動体254によって作られる高周波振動は、容器244を通して粉末に結合される。こうした高周波振動が容器244内の粉体の凝集を解消し、粉末を流動状態に保つ。静電板232は流動化された粉末を横断して静電場を形成する。静電電荷を持つ凝集が解消された粉末は、静電力を受け、静電板によって232によって形成された静電場によって浮揚される。荷電された粒子の受ける静電力は、粒子の質量によって打ち消される。その質量によって静電力が打ち消されない小さい方の粒子は静電板に向かって浮揚される。一方その質量によって静電力が打ち消される大きい方の粒子は容器244内に残る。凝集が解消された薬剤粉末、すなわちある選定された小さい方の粒子のみが静電板232に向かって浮揚され、そこで空気流250内に入り、吸入口214に運ばれるように、静電板に印加される電圧が調整される。一方、荷電された粒子の静電力は、荷電粒子が静電板232に向かって空気流250を突切るほど強くはない。通路215及び通路234の内表面はメタライズされ、接地される。このメタライズが行われていないと、静電荷が通路215及び通路234の内表面に蓄積し、容器244から浮揚し吸入口214に向かう荷電粒子を引きつけ、吸入器の投与ごとの再現性を劣化させる。
【0045】
図11は、振動体駆動回路276の好ましい実施形態の概略を示す。この構成は、高周波圧電振動体254へのエネルギーの結合効率を高め、一方、同時に、圧電体を駆動するために必要な高電圧を発生させる。この回路構成は、吸入器を携帯型に設計することを可能とし、先行技術に記述されたと同様に極めて小さな寸法の吸入器とすることを可能とする。回路は、ダイオード280とスイッチ288とを有する直列に連結されたインダクタンスで構成される。スイッチ288は、バイポーラートランジスターまたは電界効果トランジスターあるいは高周波を効果的に、すなわち、エネルギーの損失無くスイッチできるその他の手段が用いられる。要素280、284及び288は、高周波電流を伝達できるバイパスコンデンサー282の両側に接続される。圧電素子254は、スイッチ288の両側に接続される。作動制御装置270は、圧電素子を駆動するに必要な適当な周波数でスイッチ288をオン及びオフにスイッチする。操作のシーケンスは次の通りである。スイッチ288が「オン」に入れられると、電流がインダクタンス280に蓄積される。スイッチ288が「オフ」とされると、インダクタンス280は、圧電素子254の内部コンデンサーと共振する。この直列の共振回路は、インダクタンスに蓄積されたエネルギーを圧電体に結合させる一方、同時に圧電体を駆動するに必要な高電圧を発生させる。必要であれば、圧電体254のエネルギー/電圧転移特性を制御するため、圧電体の内部コンデンサーを外部コンデンサー286によって補間することができる。
【0046】
図12A及び図12Bは、静電電圧発生回路278の概略を示す。図12Aの概略は、例えば、200ボルト以下の低電圧を発生させるのに適している。作動制御装置270は、コンデンサー294内に電圧を効率よく蓄積する結果を生む周波数でスイッチ296を「オン」及び「オフ」とする。スイッチ296が「オン」に入れられると、インダクタンスコイル290に電流が蓄積される。スイッチが「オフ」とされると、インダクタンスが出力電圧より1ダイオード落差分高い電圧を発生させることによって、出力コンデンサー294にこのエネルギーをポンプ押し出す。インダクター290は、蓄積されたエネルギーがすべてコンデンサー294に転移されるまで、この電圧を維持する。静電板232は、コンデンサー294に接続されている。コンデンサーの両側に発生した電圧は、容器244内の流動化され、凝集が解消された粉末を横切って、静電場を作り上げる。コンデンサー295は高周波のスイッチ電流を運ぶバイパスコンデンサーである。
【0047】
更に高い静電場が必要な場合、図12Bに示す概略の回路が必要となろう。ここでは、高周波変換器298が高周波トランス300と接続されている。トランス300の出力は、電圧を必要なレベルに昇圧するための電圧倍増回路302に送られる。電圧倍増回路の出力は静電板に接続されている。
【0048】
図13は、本発明の更に別の実施形態を示す。この実施形態は、粉末容器から部分的に凝集が解消された粉末を拾い上げる可能性のある乱流を低減したい場合の用途に適している。この実施形態は、主脚部408の一端に吸入口を、主脚部408の他端に主空気取り入れ口416を有するハウジング402からなる。2次脚部414の一端に、主脚部408内に開く開口406が設けられ、空気取り入れ口420が、2次脚部414の反対側端部に設けられている。ハウジング402は、また、ハウジング402の部材410に設置された、圧電振動体412などの高周波振動体を有する。2次通路430は、その一端が2次脚部414と、他端が薬剤容器428と連通されている。通路430は、選定された薬剤の容器を2次脚部414と連通させている。薬剤容器の直下に振動体412がある。
【0049】
図13の実施形態は次のように操作される。薬剤を保持した新しい容器428が進んできて、圧電振動体412上に置かれる。吸入器のハウジング(図には示されていない)上の電力スイッチがオンに入れられる。その時、患者が主空気流405及ぶ2次空気流404を吸入する状態が設定される。2次空気流404がフラッパー弁422を開き、かつ振動体駆動276及び静電発生器278(図10参照)を作動する。フラッパー弁は、空気流センサの機能を果たす。高周波振動体が容器428内の粉末の凝集を解消し、粉末を流動状態に保つ。静電板424が流動化された粉末を横切る静電場を作り上ける。静電荷を持つ分散状態の粉体は静電板424に向かって浮揚される。その結果の粒子流426は空気流404内に導かれ、前方に運ばれて、主空気流405内に導入される。
【0050】
上述の詳細な説明は、好ましい実施形態及び使用方法を参照して行ったが、本発明はこれらの実施形態及び使用方法に限定されるものではないことを理解されたい。それより、本発明は広範な範囲を持ち、以下の請求の範囲によってのみ限定されることを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の吸入器の1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示す吸入器の裏面を示す平面図である。
【図3】図1に示す好ましい実施形態の長さ方向の断面を示す斜視図である。
【図4】図1の好ましい実施形態の振動制御システムの機能を示すブロック図である。
【図5】本発明の吸入器の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5の実施形態の振動制御システムの機能を示すブロック図である。
【図7A】本発明の吸入器の他の実施形態を側面を示す図である。
【図7B】本発明の吸入器の他の実施形態を側面を示す図である。
【図8】図7に示す実施形態の端部を示す図である。
【図9A】図7に示す実施形態の拡大断面図である。
【図9B】図7に示す実施形態の拡大断面図である。
【図10】図7の吸入器に用いられている電気/電子システムの機能の概略を示す図である。
【図11】圧電振動体を作動するために用いられる好ましい振動部駆動回路を示す概略図である。
【図12A】図7の吸入器に用いられる静電圧発生器を示す概略図である。
【図12B】図7の吸入器に用いられる静電圧発生器を示す概略図である。
【図13】図9Aと同様の図であり、本発明の他の実施形態を示している。
【符号の説明】
【0052】
10 吸入器
12 電カスイッチ
14 スライド型指示針
18 ハウジング
20 空気流通用開口
26 主空気通路
28 空気流通用開口
30 空気流通用開口
31 導管
32 空気流通用開口
33 内面
34 カートリッジ
36 振動手段
37 保護容器
40 圧力センサ
42 電気的結線
46 電源
48 電子制御回路
50 バルブ
51 粉末供給チャンバー
52 台座
60A 案内手段
60B 案内手段
70 作動制御装置
72 制御システム
90 圧電振動体
【出願人】 【識別番号】500566682
【氏名又は名称】マイクロドース・テクノロジーズ・インコーポレーテッド
【出願日】 平成19年5月22日(2007.5.22)
【代理人】 【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武

【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆

【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦

【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉


【公開番号】 特開2007−209789(P2007−209789A)
【公開日】 平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願番号】 特願2007−135908(P2007−135908)