| 【発明の名称】 |
血中コレステロール低下剤、及びこれを有する飲食品 |
| 【発明者】 |
【氏名】望月 聡
【氏名】千々松 武司
【氏名】秦 政博
【氏名】阿部 和明
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| 【要約】 |
【課題】古くから食経験のあるシジミを用いて実際の食品加工に用いることの出来る製造方法で、安全、且つより効果の高い血中コレステロール低下剤及びこれを用いた飲食品の提供を課題とする。
【解決手段】本発明は上述した課題を解決するために検討を行った結果、第一の主題をシジミ抽出物を含むコレステロール低下剤とし、第二の主題をシジミ貝の可食部を粉砕した後、又は粉砕しながら、水による可食部の加熱抽出を行う工程と、その抽出残渣を濾別し、得られる濾液からシジミ抽出物を製造する工程とを備えたコレステロール低下剤の製造方法とし、更に第三の主題として、このコレステロール低下剤を含有する飲食品として、本発明を完成するに至った。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シジミ抽出物を含むコレステロール低下剤 【請求項2】 請求項1に記載のコレステロール低下剤が、シジミ貝の可食部を粉砕した後、又は粉砕しながら、水による可食部の加熱抽出を行う工程と、その抽出残渣を濾別し、濾液を得る工程とを備えたシジミ抽出物の製造方法。 【請求項3】 請求項1に記載のコレステロール低下剤を含有する飲食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明はシジミ可食部の抽出物を有効成分とするコレステロール低下剤、及びこのコレステロール低下剤を含有する飲食品に関する。 【背景技術】 【0002】 近年、食生活の欧米化に伴い、日本人のコレステロールの摂取量が増加している。コレステロール摂取量の増加は、高コレステロール血症の原因となり、様々な生活習慣病の発症率を増加させることが明らかとなっている。そのため、様々な薬剤や機能性食品が開発され、利用されている。 【0003】 しかしながら、2004年度に実施された人間ドックの結果、軽度で生活習慣を見直す必要がありと判断される高コレステロール血症予備群も含めると、実に約50%の人がコレステロールが高いということが報告されており、高コレステロール血症は急増している。(非特許文献1) 【0004】 一方、シジミは古くから味噌汁や佃煮として食されてきた一般的な和食材であると同時に、「肝臓に良い」や「黄疸に効く」などの理由から民間療法として利用されてきた。更に、近年の健康志向の高まりからシジミ抽出物食品が栄養補助食品、健康補助食品やサプリメントとして流通している。 【0005】 シジミ抽出物食品の一般的な製造方法としては砂抜きした殻つきシジミ貝に加水し、加熱抽出後濾別し濃縮、または乾燥することがある。また、従来野菜や肉では抽出効率を高めるために細かく粉砕したものを抽出する、又は粉砕しながら抽出する製造方法は一般的である。しかしシジミ貝に関しては、その個体が小さく可食部のみを取り出すことが不効率であった。そのため、上述したようにシジミは殻付きのまま、つまり非可食部である殻と可食部を一緒に抽出するので、可食部はもとの形状を保ったまま抽出されるのが一般的である。 【0006】 しかしながら、これらのシジミ抽出物が血中コレステロールの低下作用を有するか否かを検討したものはない。 【0007】 また、シジミをヘキサンなどの非プロトン溶媒により抽出、カラムクロマトグラフィーにより得られる次式のα,β−脂肪酸が脂質代謝を促進するという報告もある。(特許文献1) 【化1】
【0008】 しかしながら、ヘキサンなどの非プロトン溶媒をシジミの加工に用いることは食品衛生法上認められておらず、実際の製造方法に使用することは困難である。(非特許文献2及び3)加えて、上述方法で製造された食品を長期的に飲用した場合の安全性については不明である。 【特許文献1】特開昭57−2237号公報 【非特許文献1】日本病院会雑誌 2005年12月号 p.112−160 【非特許文献2】食品衛生法 第11条 【非特許文献3】厚生労働省告示 第370条 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 そこで、本発明者らは、古くから食経験のあるシジミを用いて実際の食品加工に用いることの出来る製造方法で、安全、且つより効果の高い血中コレステロール低下剤及びこれを用いた飲食品の提供を課題とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明は上述した課題を解決するために検討を行った結果、第一の主題をシジミ抽出物を含むコレステロール低下剤とし、第二の主題をシジミ貝の可食部を粉砕した後、又は粉砕しながら、水による可食部の加熱抽出を行う工程と、その抽出残渣を濾別し、得られる濾液からシジミ抽出物を製造する工程とを備えたコレステロール低下剤の製造方法とし、更に第三の主題として、このコレステロール低下剤を含有する飲食品として、本発明を完成するに至った。 【発明の効果】 【0011】 本発明によれば、殻から分離したシジミ可食部を粉砕し、水で加熱抽出したものを濾別することにより、従来技術で抽出したシジミ抽出物と比較して、実際の食品加工に用いることが出来、安全、且つ血中コレステロールをより低下させるシジミ抽出物をコレステロール低下剤として得ることが出来る。またこれを用いた飲食品を提供することが出来る。 【発明を実施するための最良の形態】 【0012】 本発明に使用されるシジミは、二枚貝であり、ヤマトシジミ(Corbicula japonica)、セタシジミ(Corbicula Sandai)、マシジミ(Corbicula leana)やタイワンシジミ(Corbicula fluminea)などがある。シジミは適宜、殻付きで生きたもの、冷凍したもの、加熱処理したもの、乾燥したもの、又は可食部のみで生のもの、冷凍したもの、加熱処理したもの、乾燥したものを用いることが出来る。可食部とは、シジミの貝殻以外の全て、又は一部を示す。 【0013】 生きたシジミ貝を砂抜き、洗浄し蒸煮した後、可食部と殻を分離する。更に分離したシジミ可食部を粉砕した後、又は粉砕しながら水で加熱抽出し80〜100メッシュで濾別する製造方法で行うことを特徴とする。抽出するための加水量はどのような量を用いても良いが、可食部重量に対して1〜10倍量、好ましくは2倍量程度の水が最適である。1倍量以下の水では有効成分が十分に抽出されない恐れがあり、10倍量以上の加水量では抽出後の濾過、濃縮および乾燥に時間がかかり不効率である。 【0014】 本発明による製造方法は、実際の食品製造に用いることが出来、得られたコレステロール低下剤は、安全で優れた血中コレステロール低下作用を有するので日常的に摂取し、高コレステロール血症やそれに伴う疾患の予防・改善をすることが出来る。 【0015】 本発明のコレステロール低下剤は、常法により、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、乳化剤等の形態にし摂取することが出来る。また、必要に応じて安定剤、乳化剤、賦形剤、結合剤等を添加することが出来る。 【0016】 本発明のコレステロール低下剤は、菓子、飲料、調味料、水産加工食品、食肉加工食品、パン、健康食品等の種々の飲食品に添加して摂取することも出来る。 【0017】 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 【実施例1】 【0018】 生きたタイワンシジミ(Corbicula fluminea)40kgを真水に一晩浸漬し砂を吐かせ、さらに洗浄した。その後、殻付きシジミを蒸気釜で10分間蒸煮した。蒸煮により開口したシジミの殻から可食部を取り出し3.4kgを得た。取り出した可食部をミートチョッパーを用いて粉砕した。粉砕したシジミ可食部の重量に対し2倍量の水を加え、煮沸してから50分間攪拌し身を砕きながら加熱抽出した。その後80メッシュで濾別し、濾液を得た。その濾液をBrix20%となるまで常圧加熱濃縮し、その濃縮液をスプレードライヤーに供し乾燥粉末149gを得、試験例1とした。 【0019】 また、コレステロール低下作用の比較を行うため、従来一般的な方法として用いられている抽出方法でシジミ抽出物を試作した。すなわち、生きたタイワンシジミ(Corbicula fluminea)40kgを真水に一晩浸漬し砂抜きし、さらに洗浄した。砂抜き、洗浄したシジミ貝に対し、等倍量の水を加え煮沸してから50分間加熱抽出し80メッシュで濾別し濾液を得た。得られた濾液をBrix20%となるまで常圧加熱濃縮し、その濃縮液をスプレードライヤーに供し乾燥粉末119gを得、比較例1とした。 【0020】 得られた試験例1及び比較例1について成分分析を行った。その成分分析結果を表1に示す。 【0021】 【表1】
【0022】 実施例1により得られた本試験例1は、比較例として従来技術により得られた比較例1に比べタンパク質及び脂質含量が非常に多く、炭水化物特にグリコーゲンが少なく且つ遊離アミノ酸が少ないことが明らかとなった。 (試験例1,比較例1) 【0023】 実施例1で得られた本試験例1、及び比較例1の血中コレステロール低下作用を評価した。4週齢のSprague−Dawleyラットを購入し、室温23±1℃、白色蛍光灯で12時間/日(明期8:00〜20:00)の光調節をした飼育室で、市販の固形飼料で2日間飼育、その後20%カゼイン食で2日間、合計4日間の予備飼育をし、馴化を行った。食餌、及び水は自由摂取とした。 【0024】 予備飼育後に、各投与群で体重に有意差がないように3つの投与群に群分けを行った。表2に示すコントロール、及び試験例1、又は比較例1を含むコレステロール負荷食を調製し、9日間与えた。食餌、及び水は自由摂取とした。投与期間終了後に、エーテル麻酔下で開腹し迅速に心臓採血を行った。血液を遠心分離し得られた上清を血清とし、コレステロールの分析に用いた。 【0025】 【表2】
【0026】 飼料中に30%と多量の発明品を添加したが、飼育中、コントロールと比較して体重変動、臓器共に異常は見られず、服用が安全であることが確認された。また、血清中コレステロール値を表3に示す。 【0027】 【表3】
【0028】 表3に示されるようにコントロールに対し、発明品、又は比較例1を投与すると明らかに血清中の総コレステロールは減少した。驚くことに、発明品はコントロールの約1/3程度まで総コレステロールが低下し、表3中にデータは示していないがコレステロールを負荷せず20%カゼイン食で同一期間飼育したラットの血清中コレステロールと変わらない程度であった(87.0±8.7mg/dL)。また、発明品は比較例1に対し更に強いコレステロール低下作用を示した。このことは、シジミ中にはコレステロール低下作用を示す物質が含まれているが、従来技術による方法では十分に、その物質を抽出することが出来ないことを示している。 【実施例2】 【0029】 実施例1により得られたコレステロール低下剤を用いて、後述の処方により1球500mgのフットボール型ソフトカプセルを製造した。 (処方) (1) 本発明のコレステロール低下剤 32.0%重量部 (2) サフラワー油 29.0%重量部 (3) ビタミンE含有植物油 2.5%重量部 (4) ミツロウ 2.5%重量部 (5) グリセリン脂肪酸エステル 2.5%重量部 (6) ゼラチン 22.5%重量部 (7) グリセリン 9.0%重量部 ソフトカプセルの製造方法は常法による。すなわち、カプセル鋳型を持つ一対の回転ローラーに、(6)〜(7)を混合した2枚のゼラチンシートを送り、(1)〜(5)を混合、乳化させたものを注入、充填して、連続的にカプセルを成形し、打ち抜き、更に乾燥させることにより製造される。 (試験例2〜4) 【0030】 モニター3名に、本発明のコレステロール低下剤として1日320mgの摂取となるように、実施例2のソフトカプセルを毎日服用してもらい、服用前、服用1ヶ月目、服用4ヶ月目にそれぞれ採血し、コレステロール値を測定した。結果を表4に示す。 【0031】 【表4】
【0032】 本発明のコレステロール低下剤を1日320mgしか服用しなかったにも関わらず、3名のモニター全てにおいて血中コレステロールが低下した。また、服用によって、下痢、嘔吐、排尿異常等の副作用は全く起こらず、安全に服用できるものであった。
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| 【出願人】 |
【識別番号】504146349 【氏名又は名称】佐々木食品工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年2月8日(2006.2.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2007−210990(P2007−210990A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月23日(2007.8.23) |
| 【出願番号】 |
特願2006−63330(P2006−63330) |
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