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【発明の名称】 抗微生物組成物
【発明者】 【氏名】角田 衣理加

【氏名】大島 朋子

【氏名】前田 伸子

【要約】 【課題】高濃度のティートリー油やアルコールを含有せずとも一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を発揮することができる抗微生物組成物を提供する。

【解決手段】抗微生物組成物は、抗微生物効果を持つ精油であるティートリー油にペパーミント油、レモン油、ラバンサラ油、レモングラス油、レモンユーカリ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、ローズウッド油、クローブ油のうち1種又はそれを超える精油を混合したものである。ティートリー油単独の場合よりも更に一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を高め、アルコールを含有せずとも精油の可溶化が可能であり、従って、口内炎やドライマウス、カンジダ症の人が使用しても、刺激や痛み等の苦痛を感じることがなく使用することができ、更に一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗微生物効果を持つ精油であるティートリー油にペパーミント油、レモン油、ラバンサラ油、レモングラス油、レモンユーカリ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、ローズウッド油、クローブ油のうち1種又はそれを超える精油を混合したことを特徴とする抗微生物組成物。
【請求項2】
ヒマシ油及び水添ヒマシ油の誘導体等の溶剤、又はそれと同等の溶解化を行うことのできる十分な量の溶剤を含有する請求項1に記載の抗微生物組成物。
【請求項3】
甘草成分とその誘導体を含有する請求項1又は2に記載の抗微生物組成物。
【請求項4】
精油がティートリー油、ペパーミント油、レモン油を混合したものである請求項1、2又は3に記載の抗微生物組成物。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は抗微生物組成物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
微生物に対して抗微生物効果等を含有する抗微生物組成物は従来から種々あるが、いずれの抗微生物組成物においても高濃度のティートリー油か30v/v%程度のアルコールが使用されている。
【0003】
又、精油を含有するうがい薬の先行技術文献としては、例えば、特許文献1がある。特許文献1には、抗微生物活性を効果的に高める3〜6の炭素原子を有するアルコールを含有する抗微生物組成物、特に抗微生物有効量の1個又はそれを超える精油;約0.01〜約30.0v/v%の3〜6の炭素原子を有するアルコール;場合によりエタノール;少なくとも1種の界面活性剤;及び水を有する、不快な息、歯垢及び関連する歯肉の疾患の予防及び軽減に有用なうがい組成物が開示されている。
【特許文献1】特表平11−514355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ティートリー油単独で抗微生物効果を発揮させる場合、高濃度になるため使用に適さず、又、ティートリー油が低濃度の場合には高濃度のアルコールが使用されており使用に適さない。
【0005】
一方、ティートリー油に1種又はそれを超える精油を混合することにより、ティートリー油単独の場合よりも更に一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を高めることができ、ヒマシ油及び水添ヒマシ油の誘導体(ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油)を含有することにより、より高い抗微生物効果を発揮することができる。
【0006】
本発明者等は、上記実情に鑑み、高濃度のティートリー油やアルコールを含有せずとも一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を発揮することができる抗微生物組成物を提供することを目的としてなしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の抗微生物組成物は、抗微生物効果を持つ精油であるティートリー油にペパーミント油、レモン油、ラバンサラ油、レモングラス油、レモンユーカリ油、ゼラニウム油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、ローズウッド油、クローブ油のうち1種又はそれを超える精油を混合したものである。
【0008】
請求項2の抗微生物組成物は、ヒマシ油及び水添ヒマシ油の誘導体等の溶剤、又はそれと同等の溶解化を行うことのできる十分な量の溶剤を含有するものであり、請求項3の抗微生物組成物は、甘草成分とその誘導体を含有するものであり、請求項4の抗微生物組成物は、精油がティートリー油、ペパーミント油、レモン油を混合したものである。なお、ヒマシ油及び水添ヒマシ油の誘導体としては、例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油等があり、甘草成分とその誘導体としては、例えばグリチルリチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸等がある。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1及び2に記載の抗微生物組成物によれば、ティートリー油単独の場合よりも更に一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を高め、アルコールを含有せずとも精油の可溶化が可能であり、従って、口内炎やドライマウス、カンジダ症の人が使用しても、刺激や痛み等の苦痛を感じることがなく使用することができ、更に一般微生物及び口腔微生物に対する抗微生物効果を高めることができ、又、本発明の請求項3に記載の抗微生物組成物によれば、甘草成分及びその誘導体を含むことにより更に抗炎症効果も期待でき、請求項4の抗微生物組成物においては、口腔に使用した場合、口臭が抑制できる、等種々の優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、図も含めて以下の説明において、%はv/vが記入していないものも、全てv/v%である。
アロマセラピーで用いられるある種の精油は近年、さまざまな細菌に対する精油の抗菌作用が注目され始めているが、歯周病原性細菌や齲蝕病原性細菌及び粘膜感染症原因菌等、口腔病原性微生物に対する抗菌効果はいまだに確定していない。そこで、本願発明者は歯周病原性細菌や齲蝕性細菌及び粘膜感染症原因菌等、口腔病原性微生物に対する抗菌効果を確定するために、複数種類の被検菌に対する精油の抗菌効果を検討すると共に、ノンアルコールの溶剤でブレンドした精油が洗口剤として口臭に対し有効であるかどうかを調べた。この際に使用した材料は以下の通りである。
【0011】
I.材料
i)被検菌
被検菌としては、口臭の原因とされるFusobacterium nucletum ATCC25586(以下、F.nと略称する)、代表的な歯周病原菌であるPorphyromonas gingivalis ATCC33277(以下、P.gと略称する)、齲蝕の原因菌であるStreptococcus mutans ATCC25175(以下S.mと略称する)、カンジダ症の原因真菌であるCandida albicans ATCC18804(以下、C.aと略称する)、口臭との関連が示唆されるVeillonella parvula ATCC10790(以下、V.pと略称する)を用いた。なお、ATCCはAmerican Type Culture Collectionの略である。
【0012】
ii)精油
精油としては、レモン油、ペパーミント油、ティートリー油、クローブ油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、レモングラス油、レモンユーカリ油、ゼラニウム油、ラバンサラ油、ローズウッド油を用いた。なお、以下の説明では、精油の名称の末尾に付く「油」は省略する場合もある。
【0013】
iii)溶剤
溶剤とは、本来、「工業の分野で、物質を溶かすのに用いる液体。アルコール、ガソリン等。」に対して用いられる用語だが、本明細書では「精油を溶解化させるために用いた物質」に対して用いる。精油の溶剤としては、30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide)水、5v/v%エタノール水(以下単にアルコールと称することもある)を夫々単独で用いた。更に、ヒマシ油及びその誘導体としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油等がある。本発明の実施例においては、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油)(以下、2%ヒマシ油、若しくは、単にヒマシ油と称する。)を上記溶剤と同様に単独で用いた。
【0014】
iv)培地
培地は、保存されている菌を活性化させる前培養、前培養した菌を新たな培地に移して更に活性化させると共に菌数を増やす本培養、ある物質が細菌に対して抗菌性を有するか否かを調べる実験である抗菌試験により使い分けている。
【0015】
a)前培養に使用した培地
被検菌がF.n、S.mの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)を用い、被検菌がP.gの場合は、1v/v%ビタミンK・ヘミン添加BHI(Brain−Heart−Infusion) 液体培地(BD社製)を用い、被検菌がC.aの場合は、TSB+D(Tryptic Soy−デキストロース)液体培地(BD社製)を用い、被検菌がV.pの場合は、GAM糖分解用半流動培地を用いた。
【0016】
b)本培養に使用した培地
被検菌がF.nの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)又はBHIY(Brain−Heart−Infusion−Yeast extract) 液体培地(BD社製)を用い、被検菌がP.gの場合は、1v/v%ビタミンK・ヘミン添加BHI(Brain−Heart−Infusion) 液体培地(BD社製)を用い、被検菌がS.m及びV.pの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)を用い、被検菌がC.aの場合は、TSB+D(Tryptic Soy−デキストロース液体培地(BD社製)を用いた。
【0017】
c)抗菌試験時に使用する培地
c)−1 菌の希釈液を調整する際に使用する培地
各被検菌に対し本培養に使用する液体培地と同じ培地を使用した。
【0018】
c)−2 コロニーを形成させる際に使用する培地
被検菌がF.nの場合は、BHIY(Brain−Heart−Infusion−Yeast extract) 寒天培地(BD社製)及びModified FM(Fusobacterium selective media) 寒天培地(日水製薬社製)並びにGAM寒天培地(日水製薬社製)を用い、被検菌がP.gの場合は、5v/v%血液添加BHK寒天培地及び5%血液添加GAM寒天培地を用い、被検菌がS.mの場合は、Triptic Soy寒天培地(BD社製)及びMitis Salivarius 寒天培地(BD社製)並びにGAM寒天培地(日水製薬社製)を用い、被検菌がC.aの場合は、サブロー寒天培地(日水製薬社製)を用い、被検菌がV.pの場合は、Veillonella 寒天培地(BD社製)及びGAM寒天培地(日水製薬社製)を用いた。
【0019】
II.実験方法
上記材料を用いて行なう実験の流れは次のようになる。
i)被検菌液の調整
a)前培養
被検菌がF.nの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)2mlに冷凍保存されていた菌液を0.5ml入れ、2日間、37℃の温度下で、嫌気ボックスにより培養を行なった。
【0020】
被検菌がP.gの場合は、1v/v%ビタミンK・ヘミン添加BHI(Brain−Heart−Infusion) 液体培地(BD社製)2mlに冷凍保存されていた菌液を0.5ml入れ、2日間37℃の温度下で、嫌気ボックスにおいて培養を行なった。
【0021】
被検菌がS.mの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)4mlに冷凍保存されていた菌液を0.5ml入れ、2日間、37℃の温度下で、嫌気ボックスにより培養を行なった。
【0022】
被検菌がC.aの場合は、TSB+D(Tryptic Soy−デキストロース)液体培地(BD社製)2mlに冷凍保存されていた菌液0.5mlを入れ、2日間、30℃好気培養器により培養した。
【0023】
被検菌がV.pの場合は、GAM糖分解用半流動培地4mlに冷凍保存されていた菌液0.5mlを入れ、2日間、37℃の温度下で、嫌気ボックスにおいて培養した。
【0024】
b)本培養
被検菌がF.nの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)又はBHIY(Brain−Heart−Infusion−Yeast extract) 液体培地(BD社製)に前培養した菌液1mlを加え、2日間、37℃の温度下で嫌気ボックスにおいて培養した。
【0025】
被検菌がP.gの場合は、1v/v%ビタミンK・ヘミン添加BHI(Brain−Heart−Infusion) 液体培地(BD社製)30mlに前培養した菌液1mlを加え、2日間、37℃の温度下で、嫌気ボックスにおいて培養した。
【0026】
被検菌がS.mの場合は、BHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)10mlに前培養した菌液100μlを加え、3時間、37℃の温度下で好気振盪培養(スピード:90min−1)した。好気振盪培養の3時間後、新たに用意したBHI(Brain−Heart−Infusion)液体培地(BD社製)15mlに、好気振盪培養したものから10μl取った菌液を加え、12時間、37℃の温度下で、好気振盪培養(スピード:90min−1)した。
【0027】
被検菌がC.aの場合は、TSB+D(Tryptic Soy−デキストロース)液体培地(BD社製)2mlに前培養した菌液1mlを加え、2日間、30℃の温度下で、好気培養器により培養した。
【0028】
ii)抗菌試験
抗菌試験はある物質が細菌に対して抗菌性を有するか否かの実験であり、以下の順序で行なう。
a)被検菌の調整
本培養した被検菌F.n、P.g、S.m、C.a、V.pをO.D.5(分光光度計により波長620nmの光の波長を当てたときに示す値が5の濃度を示す)に調整した。これは、毎回の抗菌試験で被検菌の量を同じ条件に揃えるために行なうものである。
【0029】
b)精油の調整
溶剤〔30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水、5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2%ヒマシ油)〕に各精油〔レモン油、ペパーミント油(ミント油)、ティートリー油、クローブ油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、レモングラス油、レモンユーカリ油、ゼラニウム油、ラバンサラ油、ローズウッド油の他に、ペパーミント油、ティートリー油、レモン油を1:1:1の体積比でブレンドしたブレンド油〕及び水を加えて5〜0v/v%に調整した。
【0030】
具体的には、各溶剤に各精油及び水を加えて、精油の濃度が5.00v/v%、2.50v/v%、1.25v/v%、0.63v/v%、0.31v/v%、0.16v/v%、0.08v/v%、0.04v/v%、0.00v/v%の9種類の濃度の試験液を作成した。
【0031】
c)希釈液の作成、培養
試験管内に、溶剤により精油の濃度調整した試験液200μl及び前述のようにして培養した被検菌液800μlを入れて希釈液を作成し、十分に攪拌し、培養した。この場合、各被検菌の培地は本培養に使用するものと同一であり、培養の期間及び温度条件も本培養の場合と同一である。但し、S.mはF.nと同様の条件で培養した。
【0032】
d)最小発育阻止濃度(MIC)の測定
培養した希釈液により被検菌が発育したか否かの判定は、液体希釈法を用いて行なった。ここで、液体希釈法とは、濃度調整した精油に本培養した一定量の細菌と培地を入れて培養した希釈液が混濁か透明かで細菌の発育抑制効果を見る手法をいい、その際に被検菌液が混濁せずに透明状態を保持する希釈液中の精油の最大希釈濃度を最小発育阻止濃度(MIC)(Minimum Inhibitory Concentration)とした。
【0033】
而して、溶剤が30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水の場合の被検菌の最小発育阻止濃度(MIC)における精油含有量の平均値は[表1]、[表2]のMICの欄に示され、溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)の場合の被検菌の最小発育阻止濃度(MIC)における精油含有量の平均値は[表3]〜[表6]のMICの欄に示され、溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)の場合の被検菌の最小発育阻止濃度(MIC)における精油含有量の平均値は[表7]〜[表11]のMICの欄に示されている。
【0034】
[表1]は溶剤が30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水、被検菌がF.nの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表1]のMICの欄は、一つの精油について複数回(平均3回・・・以下同じ)行なった抗菌試験において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。[表1]に示すように、最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がティートリーの場合は、1.56v/v%、ペパーミントの場合は0.28v/v%、レモンの場合は、1.56v/v%、ラベンダーの場合は、1.25v/v%、クローブの場合は0.63v/v%である。[表1]のMIC(S.D)の欄の数値は、最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0035】
【表1】


【0036】
[表2]は溶剤が30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水、被検菌がP.gの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表2]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回の抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表2]に示す通りである。[表2]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0037】
【表2】


【0038】
溶剤として30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水を使用した、[表1]、[表2]に示す抗菌試験は、本来の試験の前段階の試験であり、溶剤は洗口剤に使用することはできない。そこで、次に、洗口剤として使用でき且つ最小発育阻止濃度(MIC)が低い溶剤として5v/v%エタノール水(アルコール)を使用し、抗菌試験を行ったが、その結果は[表3]〜[表6]に示されている。
【0039】
[表3]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がF.nの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表3]のMICの欄は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示しており、この表から最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、2.08v/v%、Sミントの場合は2.50v/v%、Sレモンの場合は、2.50v/v%、ティートリーの場合は、2.08v/v%、ミントの場合は、2.50v/v%、レモンの場合は、2.50v/v%、ベルガモットの場合は、4.17v/v%、ローズウッドの場合は、2.50v/v%、グレープフルーツの場合は、4.17v/v%、ラベンダーの場合は、1.94v/v%である。[表3]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0040】
なお、[表3]においては、精油中、ティートリー、ミント、レモンには頭にSが付いたものと付いていないものがあるが、これは、同じ名称の精油でもメーカが異なり、Sが付いているものはメーカA、Sが付いていないものは異なるメーカBである。又、以下の[表4]〜[表19]においても、精油の頭にSが付いているものはメーカA、付いていないものはメーカBであることを示す。
【0041】
【表3】


【0042】
[表4]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がP.gの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表4]のMICの欄の数値は、[表3]の場合と同様、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表4]に記載されている通りである。[表4]のMIC(S.D)は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0043】
【表4】


【0044】
[表5]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がS.mの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表5]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表5]に記載されている通りである。[表5]のMIC(S.D)は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0045】
【表5】


【0046】
[表6]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がC.aの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表6]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表6]に示す通りである。[表6]のMIC(S.D)は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0047】
【表6】


【0048】
[表3]〜[表6]においては溶剤は5v/v%エタノール水(アルコール)であるが、アルコールを溶剤とする洗口剤は、前述のように、口内炎やドライマウス、カンジタ症の人が使用した場合、刺激や痛み等の苦痛を感じる。このため、アルコールを含有せずとも精油の溶解が可能で、しかも、精油の含有量が少なくても抗菌効果のある溶剤について研究を行なった結果、溶剤として例えば、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油、若しくは、単にヒマシ油と称することもある。)やポリオキシエチレンヒマシ油を用いると良いことが判明した。
【0049】
そこで、次に、溶剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)を用い、この溶剤に各精油を溶解させた試験液を基に調整した希釈液により抗菌試験を行ったが、その結果は[表7]〜[表11]に示されている。
【0050】
[表7]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がF.nの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表7]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。
【0051】
すなわち、この表から最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、0.42.v/v%、Sミントの場合は、1.04v/v%、Sレモンの場合は、1.25v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、0.26v/v%、レモンユーカリの場合は、0.84v/v%、ゼラニウムの場合は、0.63v/v%、Sブレンドの場合は、0.79v/v%である。[表7]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0052】
【表7】


【0053】
[表8]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がP.gの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表8]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。
【0054】
すなわち、この表から最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、1.25v/v%、Sミントの場合は、1.25v/v%、Sレモンの場合は、1.25v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、0.31v/v%、レモンユーカリの場合は、1.67v/v%、ゼラニウムの場合は、1.67v/v%、Sブレンドの場合は、2.08v/v%である。[表8]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。
【0055】
【表8】


【0056】
[表9]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がS.mの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表9]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。
【0057】
すなわち、この表から最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、2.50v/v%、Sミントの場合は、2.50v/v%、Sレモンの場合は、5.00v/v%、ラバンサラの場合は、5.00v/v%、レモングラスの場合は、0.63v/v%、レモンユーカリの場合は、3.33v/v%、ゼラニウムの場合は、2.08v/v%、Sブレンドの場合は、2.50v/v%である。[表9]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0058】
【表9】


【0059】
[表10]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がC.aの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表10]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。
【0060】
すなわち、この表から最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、2.08v/v%、Sミントの場合は、1.67v/v%、Sレモンの場合は、2.08v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、0.84v/v%、レモンユーカリの場合は、2.08v/v%、ゼラニウムの場合は、2.08v/v%、Sブレンドの場合は、1.88v/v%である。[表10]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0061】
【表10】


【0062】
[表11]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がV.pの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表11]のMICの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示している。
【0063】
すなわち、この表から最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、0.31v/v%以下、Sミントの場合は、1.67v/v%、Sレモンの場合は、0.84v/v%、ティートリーの場合は、1.04v/v%、レモンの場合は、3.33v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、1.46v/v%、レモンユーカリの場合は、1.04v/v%、ゼラニウムの場合は、1.25v/v%、Sブレンドの場合は、0.84v/v%、ベルガモットの場合は、2.50v/v%、ローズウッドの場合は、2.08v/v%、グレープフルーツの場合は、3.33v/v%、ラベンダーの場合は、2.50v/v%、クローブの場合は、1.25v/v%である。[表11]のMIC(S.D)の欄の数値は最小発育阻止濃度(MIC)の標準偏差を示している。
【0064】
【表11】


【0065】
[表7]〜[表11]のMICの欄は、被検菌が発育しなかった精油の最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を示しているが、平均値を求める前の個々のデータにおける最小発育阻止濃度(MIC)の最小値は、全精油において、被検菌がF.nで精油がレモングラスの場合の0.16v/v%、最大値は、全精油において、被検菌がS.m、精油がSレモン、ラバンサラの場合の5.00v/v%であることから、好ましい精油の濃度は約0.16v/v%〜5v/v%である。しかし、精油は約0.01〜10v/v%の範囲で最小発育阻止濃度(MIC)に対し有効であると考えられる。
【0066】
e)最小殺菌濃度(MBC)の測定
最小発育阻止濃度(MIC)の測定の結果、被検菌が発育せず透明を保持していた希釈液について、その希釈液の一部(100μl)をシャーレ内の前記した寒天培地に塗抹し、2日間培養して、培地に混濁したコロニーが形成されたか否かで精油の最小殺菌濃度(MBC)を測定した(コロニー形成法)。コロニーが全く観察されなかった精油の最大希釈値を最小殺菌濃度(MBC)(Minimum Bactericidal Concentration)とした。
【0067】
而して、溶剤が30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水の場合の被検菌の最小殺菌濃度(MBC)における精油含有量の平均値は[表1]、[表2]のMBCの欄に示され、溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)の場合の被検菌の最小殺菌濃度(MBC)における精油含有量の平均値は[表3]〜[表6]のMBCの欄に示され、溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)の場合の被検菌の最小殺菌濃度(MBC)における精油含有量の平均値は[表7]〜[表11]のMBCの欄に示されている。
【0068】
[表1]は、前述したように溶剤が30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水、被検菌がF.nの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表1]のMBCの欄は、一つの精油について複数回行なった抗菌試験において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示している。[表1]に示すように、最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がティートリーの場合は、5.00v/v%、ペパーミントの場合は2.58v/v%、レモンの場合は、3.75v/v%、ラベンダーの場合は、5.00v/v%、クローブの場合は2.50v/v%である。[表1]のMBC(S.D)の欄の数値は、最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0069】
[表2]は溶剤が30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水、被検菌がP.gの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表2]のMBCの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示しているが、具体的数値は[表2]に示す通りである。[表2]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0070】
[表3]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がF.nの場合の抗菌試験の結果を示しており、[表3]のMBCの欄は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーにが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示しており、この表から最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、1.88v/v%、Sミントの場合は2.50v/v%、Sレモンの場合は、2.50v/v%、ティートリーの場合は、1.88v/v%、ミントの場合は、2.50v/v%、レモンの場合は、2.50v/v%、ベルガモットの場合は、4.17v/v%、ローズウッドの場合は、2.50v/v%、グレープフルーツの場合は、5.00v/v%、ラベンダーの場合は、3.33v/v%である。[表3]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0071】
[表4]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がP.gの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表4]のMBCの欄の数値は、[表3]の場合と同様、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表4]に記載されている通りである。[表4]のMBC(S.D)は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0072】
[表5]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がS.mの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表5]のMBCの欄の数値は、[表3]等の場合と同様、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表5]に記載されている通りである。[表5]のMBC(S.D)は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0073】
[表6]は溶剤が5v/v%エタノール水(アルコール)、被検菌がC.aの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表6]のMBCの欄の数値は、[表3]等の場合と同様、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示しているが、具体的な数値は[表6]に記載されている通りである。[表6]のMBC(S.D)は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0074】
[表7]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がF.nの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表7]のMBCの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示している。
【0075】
すなわち、この表から最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、0.52.v/v%、Sミントの場合は、1.25v/v%、Sレモンの場合は、1.25v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、0.31v/v%、レモンユーカリの場合は、1.04v/v%、ゼラニウムの場合は、1.04v/v%、Sブレンドの場合は、0.94v/v%である。[表7]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0076】
[表8]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がP.gの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表8]のMBCの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示している。
【0077】
すなわち、この表から最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、2.50v/v%、Sミントの場合は、2.50v/v%、Sレモンの場合は、3.33v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、0.31v/v%、レモンユーカリの場合は、2.50v/v%、ゼラニウムの場合は、2.50v/v%、Sブレンドの場合は、2.08v/v%である。[表8]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)標準偏差を示している。
【0078】
[表9]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がS.mの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表9]のMBCの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示している。
【0079】
すなわち、この表から最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、5.00v/v%、Sミントの場合は、5.00v/v%より高、Sレモンの場合は、5.00v/v%、ラバンサラの場合は、5.00v/v%、レモングラスの場合は、1.04v/v%、レモンユーカリの場合は、5.00v/v%より高、ゼラニウムの場合は、5.00v/v%より高、Sブレンドの場合は、3.75v/v%である。[表9]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0080】
[表10]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がC.aの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表10]のMBCの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示している。
【0081】
すなわち、この表から最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、2.50v/v%、Sミントの場合は、3.33v/v%、Sレモンの場合は、2.50v/v%、ラバンサラの場合は、5.00v/v%、レモングラスの場合は、1.25v/v%、レモンユーカリの場合は、2.50v/v%、ゼラニウムの場合は、2.50v/v%、Sブレンドの場合は、2.29v/v%である。[表10]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0082】
[表11]は溶剤がポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)、被検菌がV.pの場合の抗菌試験の結果を示している。而して、[表11]のMBCの欄の数値は、一つの精油について複数回抗菌試験を行なった場合において、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示している。
【0083】
すなわち、この表から最小殺菌濃度(MBC)の平均値は、精油がSティートリーの場合は、0.31v/v%以下、Sミントの場合は、1.67v/v%、Sレモンの場合は、0.84v/v%、ティートリーの場合は、1.04v/v%、レモンの場合は、3.33v/v%、ラバンサラの場合は、2.50v/v%、レモングラスの場合は、1.25v/v%、レモンユーカリの場合は、1.46v/v%、ゼラニウムの場合は、1.67v/v%、Sブレンドの場合は、1.04v/v%、ベルガモットの場合は、4.17v/v%、ローズウッドの場合は、2.50v/v%、グレープフルーツの場合は4.17v/v%、ラベンダーの場合は、2.50v/v%、クローブの場合は、2.08v/v%である。[表11]のMBC(S.D)の欄の数値は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差を示している。
【0084】
[表7]〜[表11]のMBCの欄は、培地にコロニーが形成されなかった精油の最小殺菌濃度(MBC)の平均値を示しているが、平均値を求める前の個々のデータにおける最小殺菌濃度(MBC)の最小値は、全精油において、被検菌がF.nで精油がティートリーの場合の0.31v/v%最大値は、全精油において、被検菌がS.m、精油がSレモン、ラバンサラの場合の5.00v/v%であることから、好ましい精油の濃度は約0.31v/v%〜5v/v%である。しかし、精油は、約0.01〜10v/v%の範囲において最小殺菌濃度(MBC)に対し有効であると考えられる。
【0085】
被検菌F.nに対する最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモンの3種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表12]が得られる。
【0086】
【表12】


【0087】
[表12]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表3]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表7]から抽出される。
【0088】
被検菌P.gに対する最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの4種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表13]が得られる。
【0089】
【表13】


【0090】
[表13]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表4]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表8]から抽出される。
【0091】
被検菌S.mに対する最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモンの3種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表14]が得られる。
【0092】
【表14】


【0093】
[表14]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表5]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表9]から抽出される。
【0094】
被検菌C.aに対する最小発育阻止濃度(MIC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモンの3種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表15]が得られる。
【0095】
【表15】


【0096】
[表15]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表6]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小発育阻止濃度(MIC)の平均値は[表10]から抽出される。
【0097】
被検菌F.nに対する最小殺菌濃度(MBC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモンの3種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表16]が得られる。
【0098】
【表16】


【0099】
[表16]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表3]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表7]から抽出される。
【0100】
被検菌P.gに対する最小殺菌濃度(MBC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの4種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表17]が得られる。
【0101】
【表17】


【0102】
[表17]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表4]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表8]から抽出される。
【0103】
被検菌S.mに対する最小殺菌濃度(MBC)の平均値を、Sティートリー、Sレモンの2種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表18]が得られる。
【0104】
【表18】


【0105】
[表18]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sレモンの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表5]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sレモンの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表9]から抽出される。
【0106】
被検菌C.aに対する最小殺菌濃度(MBC)の平均値を、Sティートリー、Sミント、Sレモンの3種類の精油について、溶剤〔5v/v%エタノール水(アルコール)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油((2v/v%PEG60−水添ヒマシ油水)(2%ヒマシ油))〕に対応してまとめると、[表19]が得られる。
【0107】
【表19】


【0108】
[表19]のアルコールの欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表6]から抽出され、2%ヒマシ油の欄におけるSティートリー、Sミント、Sレモンの最小殺菌濃度(MBC)の平均値は[表10]から抽出される。
【0109】
[表12]〜[表19]において、S.Dの欄に記載されている数値は、最小発育阻止濃度(MIC)或は最小殺菌濃度(MBC)の標準偏差である。
【0110】
[表12]をグラフに表示すると図1が得られ、[表13]をグラフに表示すると図2が得られ、[表14]をグラフに表示すると図3が得られ、[表15]をグラフに表示すると図4が得られ、[表16]をグラフに表示すると図5が得られ、[表17]をグラフに表示すると図6が得られ、[表18]をグラフに表示すると図7が得られ、[表19]をグラフに表示すると図8が得られる。
【0111】
図1〜図4のグラフから、溶剤が2%ヒマシ油の場合は、溶剤がアルコールの場合よりも、各被検菌に対して最小発育阻止濃度(MIC)の平均値が低い値でも、大体の被検菌の発育制御が行なわれることが明らかであり、同様に、図5〜図8のグラフから、溶剤が2%ヒマシ油の場合は、溶剤がアルコールの場合よりも、各被検菌に対して最小殺菌濃度(MBC)の平均値が低くても大体の被検菌が殺菌されることが明らかである。
【0112】
f)口臭測定
インフォームド・コンセントを得た15名の歯周病患者に依頼して、水によるうがいの前(術前)、水によるうがい後、及び精油を含有する洗口剤(基材を100%精製水とした場合は、0.1v/v%ペパーミント、0.1v/v%ティートリー、0.1v/v%レモンの混合精油水、又、基材を5v/v%ポリエチレン硬化ヒマシ油水溶液とした場合は、0.2v/v%ペパーミント、0.1v/v%ティートリー、0.1v/v%レモンの混合精油水)によるうがいの後に、約10分間経過後、シリンジにより被検者の口内からガスを採集し、しかる後、シリンジ内から注入針により採集したガスをアビリット社製の口臭測定器を使用してガス濃度(ppb)を測定した。
【0113】
測定した物質は、主な口臭原因物質とされる三つのタイプの揮発性硫黄化合物〔硫化水素(HS)、メチルメルカプタン(CHSH)、ジメチルサルファイド((CHS)〕である。結果は[表20]、[表21]、[表22]、[表23]に示されている。
【0114】
なお、洗口剤は、被検菌が[表20]の硫化水素(HS)、[表21]のメチルメルカプタン(CHSH)、[表22]のジメチルサルファイド((CHS)の場合は、基材を100v/v%精製水とした、0.1v/v%ペパーミント、0.1v/v%ティートリー、0.1v/v%レモンの混合精油水を使用し、[表23]の場合は、各被検菌とも基材を5v/v%ポリエチレン硬化ヒマシ油水溶液とした、0.2v/v%ペパーミント、0.1v/v%ティートリー、0.1v/v%レモンの混合精油水を使用した。
【0115】
【表20】


【0116】
【表21】


【0117】
【表22】


【0118】
【表23】


【0119】
個々の被検者によりばらつきはあるが、硫化化合物の平均濃度AVEは、硫化化合物が硫化水素(HS)の場合([表20]参照)は、術前よりも水によるうがい後の方がガス濃度は低く、混合精油水によるうがい後のガス濃度は水によるうがい後よりも低い値である。メチルメルカプタン(CHSH)の場合([表21]参照)も同様である。しかし、ジメチルサルファイド((CHS)の場合([表22]参照)は、平均濃度AVEは混合精油水によるうがい後のガス濃度が最も高くなっているが、これは5番の被検者のデータが原因であり、他の被検者では、混合精油水によるうがい後にガス濃度が最も低くなっている。
【0120】
又、[表23]から、混合精油水によるうがいの後1時間は、口臭抑制効果が持続するものと考えられる。
【0121】
vi)結果
上述したように、最小発育阻止濃度(MIC)、及び最小殺菌濃度(MBC)の測定の結果、精油の濃度は0.16〜5v/v%の濃度で、被検菌F.n、P.g、S.m、C.a、V.pの発育を抑制し、又、0.31〜5v/v%の濃度で被検菌F.n、P.g、S.m、C.a、V.pを殺菌することが判明した。
【0122】
又、溶剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いた群では、他の溶剤30v/v%DMSO(Di−Methyl Sulfoxide) 水又は5v/v%エタノール水を用いた群よりも低い濃度で菌の発育抑制及び殺菌を行なうことができることが分かった。
【0123】
更に、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油やポリオキシエチレンヒマシ油のようなヒマシ油及びその誘導体は、口臭、齲蝕、歯周病、カンジタ症等の口腔感染症に対する予防及び軽減に対する精油の高い効果を助けるうえ、この溶剤は、精油を完全に溶解するので見た目もきれいな審美的なものとなる。
【0124】
更に又、甘草成分及びその誘導体であるグリチルリチン、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸等は、抗炎症作用を持つ物質であり、歯周病、カンジダ症等の炎症を伴う疾患に対し、精油の高い効果を助けるものである。
【0125】
口臭測定では水のみによるうがいの前後では、硫化化合物に変化は見られなかったが、基材を5v/v%ポリエチレン硬化ヒマシ油水溶液とした0.2v/v%ペパーミント、0.1v/v%ティートリー、0.1v/v%レモンの精油混合水によるうがい後は、硫化化合物の低下が見られた。又、うがい後、約1時間口臭を抑制できた([表23]参照)。
【0126】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。すなわち、上記実施例では、抗微生物組成物が洗口剤の場合について説明したが、洗口剤に限らず、クリーム、ローション、乳液、ジェル、エッセンス、パック、マスク、リップクリーム、シャンプー、リンス、リンス一体型シャンプー、石鹸、ボディソープ、練り歯磨き等の口腔ケア用品等にも適用することができる。又、抗微生物組成物が洗口剤の場合は、精油や、ヒマシ油及び水添ヒマシ油の誘導体等の溶剤、甘草成分とその誘導体等が混合される基材として水を用いるが、抗微生物組成物を洗口剤以外に適用する場合は、基材としては、流動パラフィン、炭酸カルシウム等が挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモンの何れかの場合において、被検菌がF.nの際の最小発育阻止濃度(MIC)の平均を示す棒グラフである。
【図2】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの何れかの場合において、被検菌がP.gの際の最小発育阻止濃度(MIC)の平均を示す棒グラフである。
【図3】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモンの何れかの場合において、被検菌がS.mの際の最小発育阻止濃度(MIC)の平均を示す棒グラフである。
【図4】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモンの何れかの場合において、被検菌がC.aの際の最小発育阻止濃度(MIC)の平均を示す棒グラフである。
【図5】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモンの何れかの場合において、被検菌がF.nの際の最小殺菌濃度(MBC)の平均を示す棒グラフである。
【図6】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモン、Sブレンドの何れかの場合において、被検菌がP.gの際の最小殺菌濃度(MBC)の平均を示す棒グラフである。
【図7】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sレモンの何れかの場合において、被検菌がS.mの際の最小殺菌濃度(MBC)の平均を示す棒グラフである。
【図8】溶剤がアルコール又は2%ヒマシ油で、且つ、精油がSティートリー、Sミント、Sレモンの何れかの場合において、被検菌がC.aの際の最小殺菌濃度(MBC)の平均を示す棒グラフである。
【出願人】 【識別番号】506262184
【氏名又は名称】角田 衣理加
【出願日】 平成17年12月26日(2005.12.26)
【代理人】 【識別番号】100062236
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 恒光

【識別番号】100083057
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 誠一


【公開番号】 特開2007−169250(P2007−169250A)
【公開日】 平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願番号】 特願2005−372769(P2005−372769)