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シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤 - 特開2007−112774 | j-tokkyo
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【発明の名称】 シクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤
【発明者】 【氏名】金蔵 拓郎

【氏名】吉田 延代

【氏名】瀬山 義幸

【要約】 【課題】シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的阻害作用を有する薬剤、さらに、副作用が少なく、有効にシクロオキシゲナーゼ介在疾病を治療できる医薬組成物、またはシクロオキシゲナーゼが介在する症状を予防若しくは抑制しえる機能性食品を提供することを目的とする。

【解決手段】センダングサ属植物抽出物を活性成分として含むCOX−2選択的阻害剤、並びに、前記阻害剤を含む医薬組成物、機能性食品により上記目的が達成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センダングサ属植物またはその抽出物を活性成分として含むシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤。
【請求項2】
センダングサ属植物がビデンス・ピローサである、請求項1に記載の選択的阻害剤。
【請求項3】
センダングサ属植物またはその抽出物を活性成分として含む、シクロオキシゲナーゼ介在疾病治療用若しくは予防用医薬組成物。
【請求項4】
該疾病が炎症を伴う疾病である、請求項3記載の医薬組成物。
【請求項5】
該炎症を伴う疾病が関節炎である、請求項4記載の医薬組成物。
【請求項6】
センダングサ属植物またはその抽出物を活性成分として含むシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害作用を有する機能性食品。
【請求項7】
センダングサ属植物またはその抽出物を活性成分として含む、シクロオキシゲナーゼ介在の症状緩和用若しくは予防用機能性食品。
【請求項8】
センダングサ属植物がビデンス・ピローサである、請求項6または7記載の機能性食品。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、シクロオキシゲナーゼ−2の選択的阻害剤及びこれを利用した医薬組成物及び機能性食品に関する。
【背景技術】
【0002】
シクロオキシゲナーゼ(COX)はアラキドン酸代謝における律速酵素であり、プロスタグランジンの生合成を触媒している。COXには2種類のアイソザイムが存在することが1991年に発見され、従来から知られていた酵素をCOX−1と、また新たに発見された酵素をCOX−2と呼んで区別している。COX−1は、多くの組織において恒常的に発現している、いわゆる“構成型酵素”であるのに対し、COX−2は、正常な組織ではほとんど検出されていず、単球、繊維芽細胞、滑膜細胞などの炎症に関わる細胞で発現し、炎症性サイトカインなどによって誘導される“誘導型酵素”である。従って、細胞において常時発現して生体の安定性を維持しているCOX−1を阻害することなく、COX−2のみを阻害する薬剤は、副作用を軽減して、炎症性疾患等様々なシクロオキシゲナーゼ介在性疾病の治療に用いることができると考えられ、大きな期待が寄せられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、シクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的阻害作用を有する薬剤を見出すことである。また、本発明は、副作用が少なく、有効にシクロオキシゲナーゼ介在疾病を治療できる医薬組成物、またはシクロオキシゲナーゼが介在する症状を予防若しくは抑制しえる機能性食品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、センダングサ属植物またはその抽出物に、COX−1に対しては阻害作用を示さないが、COX−2を選択的に阻害する作用があることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、センダングサ属植物またはその抽出物を活性成分として含むCOX−2選択的阻害剤、を提供する。
上記COX−2選択的阻害剤において、センダングサ属植物はビデンス・ピローサであることが特に好ましい。
また、本発明は、センダングサ属植物またはその抽出物を活性成分として含む、シクロオキシゲナーゼ介在疾病治療用の医薬組成物、を提供する。
前記組成物は、該疾病が炎症を伴う疾病である場合に特に有用で、炎症を伴う疾病の中でも関節炎に極めて有効である。
本発明はまた、センダングサ属植物抽出物を活性成分として含むCOX−2選択的阻害作用を有する機能性食品、を提供する。
本発明はまた、センダングサ属植物抽出物を活性成分として含む、シクロオキシゲナーゼ介在の症状緩和用若しくは予防用機能性食品、を提供する。
【発明の効果】
【0005】
本発明のCOX−2選択的阻害剤、及びこれを含む機能性食品若しくは医薬組成物により、ヒトを含む動物におけるシクロオキシゲナーゼが介在する症状を予防若しくは緩和(抑制)、またはシクロオキシゲナーゼ介在疾病を治療若しくは予防することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明のCOX−2選択的阻害剤及びこれを含む医薬組成物並びに機能性食品について説明する。
〔COX−2選択的阻害剤〕
本発明のCOX−2選択的阻害剤は、センダングサ属植物またはその抽出物を含むことを特徴とする。
本発明に使用されるセンダングサ属植物は、特開2001−178390号公報および特開2001−233727号公報に記載されるように、学名ではビデンス(Bidens)属と言われる一群の植物である。種類も多岐に亘り互いに交配するので変種も多く、植物学上も混乱が見られ、学名、和名、漢名、の対応も交錯していて同定することは極めて困難であるが、本発明で用いられるセンダングサ属植物は以下に掲げるものを包含する。
【0007】
Bidens pilosa L.(コセンダングサ、コシロノセンダングサ、咸豊草)
Bidens pilosa L. var. minor (Blume)Sherff (シロバナセンダングサ、シロノセンダングサ、コシロノセンダングサ、コセンダングサ、咸豊草)
Bidens pilosa L. var. bisetosa Ohtani et S.Suzuki(アワユキセンダングサ)
Bidens pilosa L. f. decumbens Scherff (ハイアワユキセンダングサ)
Bidens pilosa L. var. radiata Scherff (タチアワユキセンダングサ、ハイアワユキセンダングサを含むこともある)
Bidens pilosa L. var. radiata Schultz Bipontinus (シロノセンダングサ、オオバナノセンダングサ)
Bidens biternata Lour. Merrill et Sherff(センダングサ)
Bidens bipinnata L.(コバノセンダングサ、センダングサ)
Bidens cernua L.(ヤナギタウコギ)
Bidens frondosa L.(アメリカセンダングサ、セイタカタウコギ)
Bidens maximowicziana Oett(羽叶鬼針草)
Bidens parviflora Willd(ホソバノセンダングサ)
Bidens radiata Thuill. var. pinnatifida (Turcz.)Kitamura(エゾノタウコギ)
Bidens tripartita L.(タウコギ)
【0008】
上記センダングサ属植物の中で、特にビデンス・ピローサ(Bidens pilosa)類が好ましい。
上記センダングサ属植物は、生の植物をそのまま使用してもよいが、天日乾燥または熱風(例えば70〜80℃)乾燥したもの、又は蒸気で、例えば1時間〜1時間半程度蒸した後、乾燥したものを使用してもよい。また、前記生の植物若しくは前記乾燥物の抽出物を、そのままあるいは乾燥して使用してもよい。
生の植物の使用方法としては、例えば、そのまま食用に供してもよく、また傷口に生の植物をそのままあるいはそれを少しもんで接触させる方法があり、後者では傷の早期治癒が確認されている。
また、抽出操作を行わずに得られた植物乾燥物は、例えば、そのまま粉末として使用することもできる。
上記センダングサ属植物の使用部位は、根、地上部(茎、葉、花等)又は全草何れの部位を用いてもよい。特に、葉及び茎の部分を使用することが効力の点において好ましい。
【0009】
〔センダングサ属植物の抽出方法〕
本発明の組成物に含まれるセンダングサ属植物抽出物を得る方法の一つの実施態様を示すと、上述したようにセンダングサ属植物を、乾燥または蒸気で蒸した後乾燥し、常温又は加温下に、溶媒を添加して抽出する。抽出方法としては例えば、浸漬して静置、またはソックスレー方式等の抽出法を用いることもできる。
【0010】
抽出に使用される溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン等のアルコール類、並びにこれらの含水物、アセトン、エチルメチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン及び酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、並びにそれらの含水物を用いてもよい。抽出後の工程が容易であること、抽出率がよいこと等の観点から特に水若しくは熱水を用いることが好ましい。また、上記溶媒を二種以上含む混合物であってもよい。溶媒の添加量は、例えば用いる植物の合計乾燥重量1kgに対して1L〜100L程度使用することができる。
また、本発明の効果の観点から、水抽出物または熱水抽出物が特に好ましい。
本発明のシクロオキシゲナーゼ−2選択的阻害剤、または医薬組成物は、使用直前に水、熱水等により抽出してそのまま摂取するいわゆる“煎じ薬”の形態であってもよい。
抽出時の温度は、通常、室温〜沸点程度で行うことができる。また、抽出時間は、温度や溶媒にもよるが、室温〜沸点程度で抽出を行う場合には、1〜300時間程度の範囲にわたって行うことができる。
【0011】
抽出液は必要により溶媒を留去濃縮して濃縮物または固形物(乾燥物)としてもよい。濃縮物として使用する場合、濃度を調整した後そのまま用いてもよい。また、抽出物は、脱色、不要物除去のため活性炭処理、HP20等の樹脂処理、低温放置、瀘過等の処理を施してから用いてもよい。さらに当該抽出物を適当な分離手段、例えばゲル瀘過法やシリカゲルカラムクロマト法、又は逆相若しくは順相の高速液体クロマト法により活性の高い画分を分画して用いることもできる。本発明においてセンダングサ属植物抽出物にはこのような分画物も含むものとする。得られた抽出物はそのまま、あるいは濃縮物または固形物(例えば粉末)としてもよい。また使用目的に応じて他の成分を混合してもよい。
【0012】
本発明のCOX−2選択的阻害剤、医薬組成物または機能性食品は、いずれの形態であってもよく、水溶液等の溶液、または粉末、錠剤等の形態であってもよい。錠剤等に成型する場合には従来知られている医薬上許容される担体、倍散剤、崩壊剤、滑沢剤等を用いることができる。いずれの薬剤形態も、製薬分野における当業技術に基づき、当業者が適宜作成することができる。
COX−2選択的阻害剤あるいは医薬組成物の投与経路は、様々な経路が可能である。例えば、経口投与、経肛門投与、点眼等が挙げられ、またハップ剤、軟膏、クリーム等の外用剤として用いることもできる。
本発明のCOX−2選択的阻害剤の投与量は、疾病の種類、症状、患者の体重、年齢等様々なファクターにより決定されるが、ビデンス・ピローサの水抽出物または熱水抽出物を用いて経口投与する場合を例にすれば、乾燥原料換算で約10〜2000mg/kg/日程度投与することが好ましい。
【0013】
本発明のCOX−2選択的阻害剤、医薬組成物または機能性食品にはさらに酸化防止の目的で他の成分または植物を加えてもよい。他の成分または植物として具体的にはアセロラ抽出物またはアセロラ等の柑橘類の果実や茶葉などが挙げられる。このような成分または植物を添加する場合には、センダングサ属植物にそのまま混合して用いてもよいし、添加して抽出してもよく、また、センダングサ属植物抽出後に添加してもよい。このような成分は、センダングサ属植物乾燥重量に対して、乾燥重量基準で1〜50質量%添加してもよい。
本発明のCOX−2選択的阻害剤、医薬組成物または機能性食品にはさらに、香味矯正の目的で、生姜、大麦、ハトムギ等を添加してもよい。
【0014】
〔シクロオキシゲナーゼ介在疾病〕
本発明のCOX−2選択的阻害剤、医薬組成物または機能性食品は、ヒトを含む動物のシクロオキシゲナーゼが介在する症状の緩和若しくは予防、またはシクロオキシゲナーゼ介在疾病の治療若しくは予防に用いることができる。本明細書において、“シクロオキシゲナーゼ介在疾病”とは、シクロオキシゲナーゼ−2の発現を伴う疾病を意味する。また、本明細書において、“シクロオキシゲナーゼが介在する症状”とは、前記疾病に伴う痛み等の症状をいう。
前記疾病として具体的には、リウマチ、関節炎、鼻炎、慢性副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、喘息、潰瘍性大腸炎、アフタ性口内炎、胆のう炎、糖尿病、ベーチェット病、腸ポリープ、並びに大腸癌、食道癌、肝癌、肺癌、乳癌、膀胱癌、口腔癌、舌癌、及び皮膚癌等、が挙げられる。これらの疾病のうち、炎症を伴う疾患に対する効果は特に顕著である。
【実施例】
【0015】
製造例1(ビデンス・ピローサエキス末)
ビデンス・ピローサ蒸煮乾燥物1200kgに水21600Lを添加し、熱水抽出(第1回)を行った。残渣に更に水18000Lを添加し、熱水抽出(第2回)を行った。熱水抽出物を合わせてろ過し、減圧濃縮して、1813kg(固形分522kg)の濃縮液を得た。これにデキストリン130.5kgを添加し、スプレードライを行って、638.9kgの“ビデンス・ピローサエキス末”を得た。
【0016】
製造例2(ビデンス・ピローサ製剤)
製造例1で製造したエキス末に、賦形剤(結晶セルロース9%)を添加、1錠280mgで打錠して、ビデンス・ピローサ製剤を得た。
【0017】
(ビデンス・ピローサエキス末のCOX−2選択的阻害作用)
実施例1
(1)ビデンス・ピローサエキス末のCOX−2阻害作用
正常ヒト線維芽細胞を60 mm培養用ディッシュに培養した。コンフルエントになった後、インターロイキン−1β(IL-1β)(1 ng/ml)と上記で製造例1で製造したビデンス・ピローサエキス末(B.P+デキストリン(Pinedex)(松谷化学工業株式会社製))(0.02-2.5 mg/ml)、並びにコントロールとして、IL-1β(1 ng/ml)のみ、及びIL-1β(1 ng/ml)とデキストリン(Pinedex)(2.5 mg/ml)で刺激し、37℃で24時間培養した。その後、生理食塩水(PBS)で二回洗い、lysis buffer(溶解バッファー) (1% Nonidet P-40(シグマ社製), 20 mM Tris-HCl (pH 7.4), 150 mM NaCl, 1 mM EDTA, 1 mM sodium orthovanadate(オルトバナジウム酸ナトリウム), 10 mMβ−グリセロールリン酸, 1 mMフェニルメチルスルホニルフッ化物, 10 μg/mL アプロチニン, 10 μg/mL ロイペプチン)を用いて蛋白を回収した。BCAプロテインアッセイキット(BCA Protein Assay Kit)(ピアス社製)を使用し、蛋白濃度測定を行った。
蛋白15μgを10%SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動で展開した。電気泳動は10mAで1時間、その後20 mAで1時間行った。展開した蛋白を200 mA、90分でPVDFメンブレンに転写した。5%ドライミルク、0.05% Tween 20、トリス緩衝食塩水(Tris buffered saline)(TBS)溶液で30分ブロッキングし、一次抗体反応として、抗COX−2抗体を1000倍1時間、二次抗体反応として、抗ヒツジ抗体を2000倍で30分行った。発色はECL Plus(アマシャム社製)を使用した。
結果を図1に示す。IL-1βによりCOX−2が誘導されたが(レーン2)、ビデンス・ピローサエキス末を添加すると、濃度依存的にCOX−2の発現が阻害された(レーン4〜7)。また、ビデンス・ピローサ製剤に含まれるデキストリン(Pinedex)のみではCOX−2の発現は阻害されなかった。このことから、ビデンス・ピローサの抽出物にCOX−2阻害作用が認められる。
【0018】
(2)ビデンス・ピローサエキス末のCOX−1阻害作用
抗COX−2抗体の代わりに抗COX−1抗体を用いて、(1)と同様の実験を行い、ビデンス・ピローサ製剤によるCOX−1の発現の阻害作用を調べた。結果を図2に示す。
図2から明らかなように、ビデンス・ピローサエキス末の濃度が高くなってもCOX−1の発現濃度には変化が無く、阻害されなかった。
【0019】
(3)大麦及び生姜のCOX−1及びCOX−2阻害作用
かんぽう茶(登録商標)(1包中にビデンス・ピローサ蒸煮乾燥物約1.3g、焙煎大麦約1.5g、乾燥生姜粉末約0.1gを含有する煮出し茶)に含まれる大麦及び生姜にCOX−2選択的阻害作用がないことを確認する目的で、(1)及び(2)と同様の実験を、大麦(0.02-3 mg/ml)及び生姜(0.2-20×10-2mg/ml)を用いて行った。結果を図3〜6に示す。
図3〜6から明らかなように、大麦及び生姜は、COX−1及び2いずれの阻害作用も促進作用も示さなかった。
【0020】
(II型コラーゲン誘発関節炎抑制作用)
実施例2
II型コラーゲン誘発関節炎における足腫脹と関節炎スコアに対するビデンス・ピローサ抽出物の影響を以下のように調べた。
7週齢のC57BLマウスを用い、コントロール群(n=5)として、関節炎用カクテル(II型をはじめ4種類のコラーゲンモノクローナル抗体混合物)(Chondrex Inc.:Protocol for the Successful Induction of Collagen-Induced Arthritis In Mice, Arthrogen-CIA Reagents and Consulting for Arthritis Research、K Terato, et al., “Induction of arthritis with monoclonal antibodies to collagen”、J.Immunol, 148, 2103-2108(1992)、K Terato, et al., “Collagen-induced arthritis in mice; synrgistic effect of E,coll lipopolysaccharide by passes epitops specificity in the induction of arthritis with monoclonal antibodies to type II collagen”、 Autoimmunity, 22, 137-147(1995)参照)を2mgまたは3mgを尾静脈内投与し、4日後リポ多糖(LPS)を腹腔内に投与した。ビデンス投与群(n=5)には上記関節炎カクテルを同様に投与すると共に、この投与10日前及びこの投与15日後、ビデンス・ピローサエキス末(上記製造例1で製造したもの)を0.5g/kg体重の割合で飼料に混合して給餌した。正常コントロール群(n=5)は普通飼料で給餌した。これら各群のマウスを15日後に関節の腫脹と関節炎スコア(測定については後述)を測定した。結果を下記表1、2及び図7に示す。
図7から明らかなように、関節炎用カクテル2mgの場合、ビデンス・ピローサエキス末を関節炎カクテル投与前10日と後15日に投与した群は有意に足腫脹が小さく、関節炎スコアは両レベルとも低値を示し(2mgの方は有意差あり)、ビデンス・ピローサエキス末はこのII型コラーゲン誘発関節炎を抑制し、抗リウマチ作用、抗アレルギー作用があることが確認された。
【0021】
関節炎スコア
関節炎係数(AI)をSugitaらの方法(T Sugita, et al., Int.J.Immunopharmac.,15,515-519(1993))により測定した。
AI 0:無変化
1:1指の腫脹
2:2指以上の腫脹あるいは全体にみられる発赤と腫脹
Sugitaらのスコアー化にしたがい、各肢の関節炎症状を上記3段階に分類し、四肢の合計をAIとして示した(最大:8)。また、AIが1以上を発症とした。
【0022】
アレルギー性関節炎における足腫脹と関節炎スコアに対するビデンスピローサの影響




表1


【0023】
表2


註:有意差 #:対 正常、*: 対 コントロール
【0024】
(ヒトにおける炎症性疾患の抑制作用)
実施例3
(1)リウマチ−1
右手人差し指から発症し、RF18初期リウマチとの診断を受けた患者(イニシャルMW、女性、40歳)であって、治療1年4ヶ月を経過して炎症が右手全体に広がっている患者に対し、ビデンス・ピローサ製剤(製造例2と同様に製造したもの)を1回4錠×3回/日、食前に経口投与した。また毎日、“かんぽう茶”2包を2Lで煎じて服用した。ビデンス・ピローサ製剤以外には、それまで継続していたボルタレン(鎮痛剤)を継続服用した。
投与3週間後ぐらいから、痛みが軽減しはじめ、徐々に烈しい痛みはなくなり、3ヶ月後には鎮痛剤を使用しなくても日常生活ができるようになった。
【0025】
(2)リウマチ−2
1997年、57歳でリウマチ発症、手首が痛く通院治療を続けたが症状が軽快しない患者(イニシャルTK、女性、65歳)。2004年夏頃から、“かんぽう茶”(2〜3L/日)、及びビデンス・ピローサ製剤(製造例2)(4錠×1〜3回/日)の摂取を開始した。一方、病院の薬は継続して服用した。投与開始約3ヶ月後から痛み、腫れがなくなった。更に2〜3ヶ月経過後から病院の薬を徐々に減らしたが、痛みはなくなった。
【0026】
(3)慢性副鼻腔炎
幼少時から鼻炎があり、慢性副鼻腔炎の手術を1997年〜2002年にかけて3回手術を受け、2005年4月中旬まで3年間医者の処方薬を摂取していたが、臭いを感じなくなっていた患者(イニシャルEO、女性、61歳)に対し、ビデンス・ピローサ製剤(製造例2)を、2005年2月中旬から1回4錠×3回/日、2005年5月から1回4錠×2回/日を経口投与した。ビデンス・ピローサ製剤以外には、薬の服用はしなかった。
2005年5月頃から、臭いがするようになり、鼻の通りも改善し、痰や青洟がなくなり、すっきりして鼻呼吸が可能になった。
【0027】
(4)高脂血症・糖尿病
50歳台で糖尿病発症して通院中の女性(イニシャルIM、71歳)(体重82kg、中性脂肪280以上、ヘモグロビンA1c(基準値=4.3〜5.8)7.3〜8)。病院の薬(降圧剤、抗コレステロール剤、)は継続しながら、2004年5月より、“かんぽう茶”(2〜3L/日)、ビデンス・ピローサ製剤(製造例2)(4錠×1〜2回/日)の摂取を開始した。投与開始3〜4ヶ月後から体重が約10kg減少し、ヘモグロビンA1cは6.5〜6.2に低下、中性脂肪は180まで低下した。
【0028】
(5)ニッケルアレルギー
4年前に歯科で金属冠を入れてから掌に発疹ができ、ステロイド内服と軟膏治療したが4年間改善せず悪化した男性(イニシャルNO,63歳)。2005年6月からビデンス・ピローサ製剤(製造例2)(4錠×3/日)の摂取を開始した。投与開始から1ヶ月間はステロイド内服と軟膏を併用したがその後ステロイド剤を中止した。薬剤中止後6〜7週間は一進一退だったが、その後皮膚症状が改善し急速に治癒し、3ヶ月でほとんど軽快した。
【0029】
(6)潰瘍性大腸炎
2004年5月、潰瘍性大腸炎と診断されて入院した、21歳男性(イニシャルHS)(ステロイド剤、潰瘍性大腸炎治療剤、クローン病治療剤、整腸剤、鉄剤等を内服)。入院1週間目から“かんぽう茶”(2包/2L/日)、ビデンス・ピローサ製剤(製造例2)(4錠/日)の摂取を開始した。1週間でCRP=16〜17から0.2に低下し、2ヶ月で退院した。一般には入院数ヶ月ないし2〜3年を要するのに極めて回復が速かった。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】ビデンス・ピローサエキス末及びデキストリンのCOX−2阻害作用を示す。
【図2】ビデンス・ピローサエキス末のCOX−1阻害作用を示す。
【図3】大麦のCOX−2阻害作用を示す。
【図4】大麦のCOX−1阻害作用を示す。
【図5】生姜のCOX−2阻害作用を示す。
【図6】生姜のCOX−1阻害作用を示す。
【図7】ビデンス・ピローサエキス末のアレルギー性関節炎抑制作用を示す。
【出願人】 【識別番号】591035391
【氏名又は名称】株式会社武蔵野免疫研究所
【出願日】 平成17年10月24日(2005.10.24)
【代理人】 【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男

【識別番号】100084009
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 信夫

【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤

【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治

【識別番号】100114007
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 孝二

【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき


【公開番号】 特開2007−112774(P2007−112774A)
【公開日】 平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願番号】 特願2005−308686(P2005−308686)