| 【発明の名称】 |
血圧降下剤 |
| 【発明者】 |
【氏名】上村 大輔
【氏名】北 将樹
【氏名】山田 薫
【氏名】諏佐 智之
【氏名】松本 漠
【氏名】大野 智弘
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| 【要約】 |
【課題】メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンを含有するアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤、血圧降下剤、並びにこれらを利用した医薬、健康補助食品を提供する。
【解決手段】メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とするアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤又はアンジオテンシンI変換酵素阻害剤。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とするアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤又はアンジオテンシンI変換酵素阻害剤。 【請求項2】 メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とする血圧降下剤。 【請求項3】 メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とする高血圧症治療用医薬。 【請求項4】 メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有し、血圧降下作用を有することを特徴とし、高血圧症改善のために用いられるものである旨の表示を付した健康補助食品。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、血圧降下剤に関する。 【背景技術】 【0002】 レニン−アンジオテンシン系は、全身血圧、体内水分量、体内電解質バランスなどの恒常性調節機能に関与している。アンジオテンシンIIは、強力な昇圧作用を有するペプチドである。その前駆体であるアンジオテンシンIは、10個のアミノ酸より成るペプチドで肝臓で生成されるレニン基質に腎傍糸球体より分泌されるレニンが作用して生成される。これにアンジオテンシンI変換酵素(ACE)が働き、末端にあるヒスチジンとロイシンが外され、アンジオテンシンIIに変換される。 アンジオテンシンIIは強力な血管収縮作用とアルドステロン分泌作用を有する昇圧物質であるが、アンジオテンシンIも単なる前駆物質ではなくカテコールアミンの遊離を促進するなどの生理活性を有することが明らかになっている。 また、レニン−アンジオテンシン系と高血圧症の関係については、強い血管収縮作用を有するアンジオテンシンIIが細胞膜上のアンジオテンシンII受容体を介してその作用を示す。アンジオテンシンII受容体には、いくつかのサブタイプが存在しており、そのうちアンジオテンシンII1型(AT1)受容体は、血管収縮作用を有し、アンジオテンシンII 2型(AT2)受容体は、血管拡張作用を有している。具体的には、アンジオテンシンIIは、アンジオテンシンII1型受容体に結合することによって、血管収縮作用を起こす。従って、AT1受容体を拮抗または、AT2受容体を作動させることにより、血圧降下作用が期待できる。 【0003】 ACE阻害作用もしくはアンジオテンシンII1型受容体拮抗作用を有する薬剤などは従来、経口剤として臨床応用されているが、対症治療剤であるため、長期間にわたる反復投与が要求される。このことから、患者の煩わしさを軽減するため、毎朝食後に1回投与する投与方式などがとられているが、服用後の血中活性体濃度の時間推移は一般の経口投与剤に共通するように、服用後3〜4時間で極大値を示し、その後低下するパターンを示す。高血圧症患者においては、夜間から就寝時および明け方の血圧上昇を抑制することが重要であり、午後あるいは夜間にも有効濃度を期待するためには、やや高めの投与量を処方することになるが、この種の薬剤においては投与量の調節が重要であって、高い投与量においては一時的にしても必要以上に高い血中濃度を経験することになり、そのことは目眩やふらつきなどの不快感を時として患者に与える恐れがある。さらに、服用の継続の必要性、他の経口投与用薬物との多剤同時服用など、この種の薬剤の経口投与には患者の負担を無視できないものがあり、また、服用の中断などによる病状の変化が起きる可能性もある。しかし、上述したような問題点を克服するような、長期間服用しても安全で尚且つ確実な治療を行うのに充分満足できるような天然物由来の医薬品や健康補助食品は、現在までのところ全く開発されていないのが現状である。 【0004】 メリロートは、血流を促し、毛細血管の透過性亢進の抑制や血管収縮の低減、抗炎症作用により、末梢循環を改善するとともに、むくみを解消することが知られている(非特許文献1:吉川敏一、辻智子編著、「医療従事者のための[完全版]機能性食品ガイド」、第1版、株式会社講談社、2004年8月20日、p84−85)。しかしながら、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用は知られていない。 ノコギリヤシは、その果実の油性成分が前立腺肥大症による排尿障害に有効とされている(非特許文献2:吉川敏一、辻智子編著、「医療従事者のための[完全版]機能性食品ガイド」、第1版、株式会社講談社、2004年8月20日、p62−63)。しかしながら、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用は知られていない。 センダングサ属の植物の血液循環改善作用(特許文献1:特開2002−205954号公報)、高血糖予防、皮膚炎予防、花粉症予防作用(特許文献2:特開2004−323362号公報)が知られている。しかしながら、センダングサ属のタウコギがアンジオテンシンII1型受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用を有することは知られていない。 クロモジに関しては、クロモジの根皮及び幹枝を生薬としたウショウに降圧作用(非特許文献3:萩庭丈寿ら、薬学雑誌、第82巻、1962年、p1441)が知られているがアンジオテンシンII1型受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用は知られていない。 ボタンについては、ボタンの根皮を血圧上昇薬に配合することが知られている(特許文献3:特開平8−48639号公報、特許文献4:特開平9−136831号公報)。ボタンのアンジオテンシンII1型受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用は知られていない。 【0005】 【特許文献1】特開2002−205954号公報 【特許文献2】特開2004−323362号公報 【特許文献3】特開平8−48639号公報 【特許文献4】特開平9−136831号公報 【非特許文献1】吉川敏一、辻智子編著、「医療従事者のための[完全版]機能性食品ガイド」、第1版、株式会社講談社、2004年8月20日、p84−85 【非特許文献2】吉川敏一、辻智子編著、「医療従事者のための[完全版]機能性食品ガイド」、第1版、株式会社講談社、2004年8月20日、p62−63 【非特許文献3】萩庭丈寿ら、薬学雑誌、第82巻、1962年、p1441 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 本発明は、メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンを含有するアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤、血圧降下剤、並びにこれらを利用した医薬、健康補助食品を提供することを目的とするものである。 【課題を解決するための手段】 【0007】 本発明者は、上記のような課題を解決すべく鋭意研究を重ね、435種類の植物抽出物について探索を続けた結果、メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンに、上記課題に対して、有効な作用があることを見出し、本発明を完成した。 【0008】 (1)メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とするアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤又はアンジオテンシンI変換酵素阻害剤。 (2)メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とする血圧降下剤。 (3)メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有することを特徴とする高血圧症治療用医薬。 (4)メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンからなる群から選ばれる植物又は植物のエキスの一種又は二種以上を含有し、血圧降下作用を有することを特徴とし、高血圧症改善のために用いられるものである旨の表示を付した健康補助食品。 【発明の効果】 【0009】 本発明により、メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、又はボタンを含有する安定性と安全性に優れ、価格面においても有利なアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤及び血圧降下剤を提供することができる。さらに、医薬、健康補助食品とすることができる。 ボタンの花抽出物には、血圧降下作用、特に、収縮期に血圧降下に顕著な作用が認められる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ又はボタンを含有するアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤、血圧降下剤並びにこれらを利用した医薬、健康補助食品について説明する。 【0011】 メリロートはマメ科シナガワハギ属の植物で、西洋エビラハギとも呼ばれる。原産地はヨーロッパおよび中央アジアである。ノコギリヤシはヤシ科の植物で、原産地は北米である。タウコギ(田五加木)はセンダングサ属の植物で水田のあぜ道や湿地に多い1年草である。クロモジはクスノキ科の植物で、その根皮及び幹枝が生薬(ウショウ[烏樟])として用いられる。ボタンはボタン科の中国原産の低木である。根皮は漢方で牡丹皮と呼ばれ、特に婦人病の要薬とされる。 本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタン、その抽出物としては、植物を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、圧搾汁、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを使用することができる。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。 例えば、葉、茎、花や根などの乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのままアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤及び血圧低下剤として使用しても良いし、各種クロマトグラフィーを組み合わせて、その抽出液から精製したものを使用しても良い。 これらの本発明による植物乾燥物または抽出物に、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用を有することは、従来から全く知られておらず、本発明により得られた新知見である。 【0012】 メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタン又はその抽出物は、卓越したアンジオテンシンII受容体拮抗作用、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤を有しており、高血圧症の予防、改善を目的とした医薬又は健康補助食品として使用可能である。メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタン又はその抽出物を、アンジオテンシンII1型受容体拮抗用、アンジオテンシンI変換酵素阻害作用、血圧降下用医薬又は健康補助食品として製造することができる。このような組成物としては、本発明の効果を損なわず、悪影響を及ぼさない任意の種々の成分をその助剤、媒体または担体として使用し、これに本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンを含有させることによって組成物を構成することができる。 【0013】 本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンは、アンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤として使用する場合には、その適用量は、摂取者の年齢、体重、症状、適用経路、適用スケジュール、製剤形態などにより、適宜決定することができるが、例えば、経口投与の場合、乾燥重量として、通常成人換算で、一般に1日当たり0.1〜500mg/kg体重程度、好ましくは、1日当たり1〜150mg/kg体重程度とされ、1日に数回に分けて投与してもよい。また、適当な基剤、担体、媒体や賦形剤とともに本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンを配合することによって、アンジオテンシンII1型受容体拮抗剤、アンジオテンシンI変換酵素阻害剤とすることができる。 ボタンの花から抽出したエキスを用いて、血圧降下作用、特に、収縮期血圧の降下作用を確認することができた。収縮期血圧は用量依存的に低下し、対照群との有意差が認められた。拡張期血圧は、統計的に有意差はないものの、収縮期血圧と同様に用量依存的に血圧が低下した。心拍数は殆ど変動せず、安全性が高い。 【0014】 医薬用としての本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンの適用方法は、経口投与又は非経口投与のいずれも採用することができる。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射などの投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態として投与することができる。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングリコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤などの慣用の添加剤を適宜添加することもできる。 【0015】 健康補助食品としては、本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンをそのまま、又は種々の栄養成分を加えて、又は飲食品中に含有せしめて、高血圧の治療及び予防に有用な保健用食品又は食品素材として使用することができる。例えば、澱粉、乳糖、麦芽糖、植物油脂粉末、カカオ脂末、ステアリン酸などの適当な助剤を添加した後、慣用の手段を用いて、経口用に適した形態、例えば顆粒状、粒状、錠剤、カプセル、ペーストなどに成形して食用に供してもよく、また種々の食品、例えば、ハム、ソーセージなどの食肉加工食品、かまぼこ、ちくわなどの水産加工食品、パン、菓子、バター、粉乳、発酵乳製品に添加して使用してもよい。本発明のメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンの配合量は、当該食品または食品用素材の種類や状態等により適宜設定することができる。 【実施例1】 【0016】 次に、本発明を実施例によって更に詳しく説明する。以下の製造例、実施例、処方例は本発明の好ましい例を示すものであり、これに限定されるものではない。また、各例中の「%」は質量基準である。 1)メリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンの粗抽出 メリロート(葉)、ノコギリヤシ(果実)、タウコギ(全草)、クロモジ(乾皮[ウショウ])、ボタン(花)の乾燥物各500gに99.5%エタノール5Lを加え、電熱式水浴機で加熱還流により、抽出物20.3g、18.1g、2.66g、8.0g、65.6gを各々得た。 【実施例2】 【0017】 細胞内カルシウムイオン濃度測定試験 実施例1で得られた各抽出物のアンジオテンシンII1型受容体への作用を評価するために、アンジオテンシンII1型受容体発現遺伝子を導入したヒト胎児腎細胞(mAT1a(HA)/293―T)を用いて、細胞内カルシウムイオン濃度を測定した。具体的には、 10%FCS/DMEM(1%Hygromycin B添加)培地で培養した上記細胞を遠心後、上清を捨て、HEPES/Hanksバッファー(0.1%BSA添加)10mlと1mM Fura―2AM蛍光プローブ40μlを加え、37℃で1時間静置した。その後、遠心して、上清を捨て、細胞を再びHEPES/Hanksバッファー(0.1%BSA添加)に懸濁させた。この懸濁液を0.5mlキュベットにとり、蛍光度計にセットし、植物抽出物(20mg/ml MeOH)を5μl添加した。その後、アンジオテンシンII/HEPES/Hanksバッファー(0.1%BSA添加)を5μl添加した。この時、340nmと380nmで励起し、500nmの蛍光を測定した。蛍光強度比(340/380)と、細胞内のカルシウム濃度は比例関係にある。予め、何も添加しないときの蛍光強度比(340/380)(A0とする)を測定し、次いでアンジオテンシンIIのみ添加後の蛍光強度比(340/380)(Bとする)を測定して対照とした。試料を添加する前の蛍光強度比(340/380)(A1とする)、試料のみ添加したときの蛍光強度比(340/380)(Cとする)、次いでアンジオテンシンII添加後の蛍光強度比(340/380)(Dとする)を測定し、試料のアンジオテンシンII1型受容体拮抗作用を評価した。試料添加前のベースライン(A1)は測定ごとに変動する。結果を表1に示す。表1()中の左側の数値は、B−A0に対するC−A1の割合を表した数値であり、変化率(%)と呼ぶ。変化率(%)が――のものは試料を添加したときに蛍光強度比(340/380)に変化が見られなかったことを示す。右側の数値は、B−A0に対するD−A1の割合を表した数値であり、応答率(%)と呼ぶ。変化率(%)と応答率(%)は次式により求めた。 【0018】 変化率(%)= [(C−A1)/(B−A0)]×100 応答率(%)= [(D−A1)/(B−A0)]×100 【0019】 変化率(%)は試料の添加により生じた蛍光強度比(340/380)の変動であり、−28〜24%の値を示している。応答率が50%以下であれば、細胞内へのカルシウムイオンの流入が阻害されており、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用が生じていると考えられるが、各植物抽出物(試料濃度200μg/ml)の応答率はいずれも45%以下であり、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用を示している。特に、メリロート抽出物は2.5μg/mlの低濃度で応答率35%の数値を示し、アンジオテンシンII1型受容体拮抗作用が顕著である。この結果から、アンジオテンシンII添加後もメリロート、ノコギリヤシ、タウコギ、クロモジ、ボタンが、カルシウムイオンの流入を阻害しており、非常に優れたアンジオテンシンII1型受容体拮抗剤であるので、血圧降下作用が期待できる。 【0020】 【表1】
【実施例3】 【0021】 アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害試験 実施例1で得られた各抽出物のアンジオテンシン変換酵素(ACE)に対する阻害効果を検証した。具体的には、ACE10ngと各抽出物の混合液中に基質であるHippuryl−Histidyl―Leucineを添加し、20分間反応させた。この時、励起波長340nm、蛍光波長425nmで蛍光強度を測定し、以下の式により阻害率を算出した。結果を表2に示す。なお、ポジティブコントロールであるcaptoprilのIC50値は、2nM であった。 【0022】
阻害率(%)=100−〔[(サンプル−ブランク)/(コントロール−ブランク)]×100〕 サンプル :試料+ACEを添加したときの蛍光強度 コントロール:ACEのみ添加したときの蛍光強度 ブランク :ACEの代わりに1N塩酸のみ添加したときの蛍光強度 【0023】 【表2】
【0024】 クロモジ、ボタンの抽出物は添加濃度100μg/ml、500μg/mlいずれもほぼ100%のACE阻害作用を示した。また、メリロート、ノコギリヤシ、タウコギの抽出物は添加濃度100μg/mlでは殆どACE阻害効果を示さないが、500μg/mlではメリロート、タウコギの抽出物で約60%、ノコギリヤシの抽出物で約20%のACE阻害作用を示した。特にクロモジ、ボタンの抽出物はACE阻害による血圧降下作用が期待できる。 【実施例4】 【0025】 処方例1: 高血圧の予防、治療用の組成物(錠剤) 上記の実施例1で得られたボタン抽出物を用いて、常法により下記の配合組成の高血圧の予防、治療用の錠剤を製造した。 (組 成) (質量%) ボタン抽出物 2.0 乳 糖 77.0 コーンスターチ 20.0 グアーガム 1.0 【実施例5】 【0026】 処方例2:ジュース 上記の実施例1で得られたタウコギ抽出物を用いて、常法により下記の配合組成のジュースを製造した。 (組 成) (質量%) 冷凍濃縮温州みかん果汁 5.0 果糖ブドウ糖液糖 11.0 クエン酸 0.2 L−アスコルビン酸 0.02 香 料 0.2 色 素 0.1 タウコギ抽出物 0.2 水 83.28 【実施例6】 【0027】 <ボタン抽出物の降圧作用> 実施例1で得られたボタンの花からの抽出物を用いて、自然発症高血圧ラット(SHR)を用いて単回投与により降圧作用について検討した。 【0028】 [試験材料] 実施例1で得られたボタンの花抽出物を所定量秤量し,食用なたね油 25%,Tween 20 10%,蒸留水 65%の混合液に用時に乳濁化にして使用した。
[試験方法] 13週齢のSHR/Izm雄性ラットの血圧(収縮期血圧,拡張期血圧)及び心拍数を小動物無加温型非観血式血圧計を用いて測定し,収縮期血圧が各群でほぼ同一になるように,下記に記載した群構成表(表3)に基づき群分けを行った。群分け後,一夜絶食したラットに被験物質を単回経口投与した。ボタン抽出物0.1g/kg投与群はラット体重1kgあたり0.1gのボタン抽出物を投与した。ボタン抽出物0.3g/kg投与群はラット体重1kgあたり0.3gのボタン抽出物を投与した。ボタン抽出物1.0g/kg投与群はラット体重1kgあたり1.0gのボタン抽出物を投与した。投与2,4,6,8及び24時間後に血圧及び心拍数の測定を行った。対照群には,被験物質の溶媒である油25%,Tween 20 10%,蒸留水65%の混合液を投与した。 【0029】 【表3】
【0030】 [試験結果] 収縮期血圧については,対照群では投与前に186±4.0 mmHgを示した.投与4時間後までに若干の低下がみられたが,その後は回復した。 ボタン抽出物0.1及び0.3 g/kg投与群では投与前ではそれぞれ186±2.9及び186±2.7 mmHgを示し,投与4時間後にはそれぞれ177±3.4及び173±4.1 mmHgを示し,対照群と比較して低下傾向がみられた。 ボタン抽出物1 g/kg投与群では投与前で186±2.8 mmHgを示し,対照群と比較して投与2〜6時間後には、166±2.6、162±3.0及び167±4.4 mmHgを示し、特に、2時間後と4時間後では有意な低値を示した( p<0.05,対照群と比較してTukeyの多重比較検定で有意差あり)。 対照群と比較してボタン抽出物0.1,0.3及び1 g/kg投与群では用量依存的な血圧低下がみられた。 拡張期血圧については,対照群で投与4〜6時間後に血圧の低下がみられたが,その後回復した。ボタン抽出物投与群では,対照群とほぼ同様に推移した。 心拍数については対照群では,投与後ほぼ一定に推移した.ボタン抽出物投与群においても,投与後ほぼ一定に推移した。 試験結果のデータを、収縮期血圧を表4及び図1に、拡張期血圧を表5及び図2に、心拍数を表6及び図3に示す。 【0031】 [考察及び総括] 本実施例による試験の結果、ボタン抽出物投与群では、収縮期血圧について用量依存的な降圧作用がみられた。ボタン抽出物1.0 g/kg投与群では対照群と比較して有意な降圧作用が認められた。ボタン抽出物0.1,0.3 g/kg投与群についても対照群と比較して低下傾向がみられたが,有意差は認められなかった。拡張期血圧についても、用量依存的な降圧作用がみられたが、有意差は認められなかった。また、心拍数については、殆ど影響が無いことが示された。 対照群での投与後にみられる血圧の低下は日内変動及び絶食の影響が顕著にみられたのではないかと考えられる。 【0032】 【表4】
【0033】 【表5】
【0034】 【表6】
【図面の簡単な説明】 【0035】 【図1】収縮期血圧測定グラフ(*は対照群と比較してTukeyの多重比較検定で有意差があることを示す。p<0.05) 【図2】拡張期血圧測定グラフ 【図3】心拍数測定グラフ
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| 【出願人】 |
【識別番号】593106918 【氏名又は名称】株式会社ファンケル
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| 【出願日】 |
平成18年7月11日(2006.7.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100105061 【弁理士】 【氏名又は名称】児玉 喜博
【識別番号】100122954 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷部 善太郎
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| 【公開番号】 |
特開2007−51129(P2007−51129A) |
| 【公開日】 |
平成19年3月1日(2007.3.1) |
| 【出願番号】 |
特願2006−190173(P2006−190173) |
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