| 【発明の名称】 |
セリアック病及び熱帯性スプルーの治療のための抗MAdCAMの使用 |
| 【発明者】 |
【氏名】ゲイリー クレイグ バーゲス
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| 【要約】 |
【課題】本発明は、セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの治療のための医薬及び方法を提供する。
【解決手段】抗MAdCAM抗体を使用することによる。本抗体又は部位が、以下の性質:(a)人細胞に結合し;(b)MAdCAMに対し、VCAM又はフィブロネクチンより少なくとも100倍の選択性を有し;(c)3×10-10M以下のKdでヒトMAdCAMに結合し;(d)α4β7を発現する細胞の、ヒトMAdCAMへの結合を阻害し、又は(e)消化管リンパ組織へのリンパ球のリクルートを阻害するの内少なくとも一つを有する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの治療用の医薬の製造のための、抗MAdCAM抗体又はその抗原結合部位の使用。 【請求項2】 前記医薬が、セリアック病の治療用である、請求項1に記載の使用。 【請求項3】 前記抗MAdCAM抗体が、ヒトモノクローナル抗体である、請求項1又は請求項2に記載の使用。 【請求項4】 前記抗体又は部位が、以下の性質: (a) ヒト細胞に結合し; (b) MAdCAMに対し、VCAM又はフィブロネクチンより少なくとも100倍の選択性を有し; (c) 3×10-10M以下のKdでヒトMAdCAMに結合し; (d) α4β7を発現する細胞の、ヒトMAdCAMへの結合を阻害し;又は (e) 消化管リンパ組織へのリンパ球のリクルートを阻害する のうちの少なくとも1つを有する、請求項3に記載の使用。 【請求項5】 前記抗体又は抗原結合部位が、ヒトMAdCAMのα4β7への結合を阻害し、そしてここで当該抗体又はその部位が、以下の性質: (a) MAdCAMへの結合について参照抗体と交差競合し、 (b) MAdCAMへの結合について参照抗体と競合し、 (c) 参照抗体と同じMAdCAMのエピトープに結合し、 (d) 参照抗体と実質的に同じKdでMAdCAMに結合し、 (e) 参照抗体と実質的に同じオフ・レートでMAdCAMに結合する のうちの少なくとも1つを有し、ここで当該参照抗体が、以下の:モノクローナル抗体1.7.2、モノクローナル抗体1.8.2、モノクローナル抗体6.14.2、モノクローナル抗体6.22.2、モノクローナル抗体6.34.2、モノクローナル抗体6.67.1、モノクローナル抗体6.73.2、モノクローナル抗体6.77.1、モノクローナル抗体7.16.6、モノクローナル抗体7.20.5、モノクローナル抗体7.26.4、モノクローナル抗体9.8.2、モノクローナル抗体6.22.2-mod、モノクローナル抗体6.34.2-mod、モノクローナル抗体6.67.1-mod、モノクローナル抗体6.77.1-mod、及びモノクローナル抗体7.26.4-modからなる群から選ばれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。 【請求項6】 前記抗-MAdCAM抗体の重鎖可変領域、軽鎖可変領域、又はその両方が、以下の:モノクローナル抗体1.7.2、モノクローナル抗体1.8.2、モノクローナル抗体6.14.2、モノクローナル抗体6.22.2、モノクローナル抗体6.34.2、モノクローナル抗体6.67.1、モノクローナル抗体6.73.2、モノクローナル抗体6.77.1、モノクローナル抗体7.16.6、モノクローナル抗体7.20.5、モノクローナル抗体7.26.4、モノクローナル抗体9.8.2、モノクローナル抗体6.22.2-mod、モノクローナル抗体6.34.2-mod、モノクローナル抗体6.67.1-mod、モノクローナル抗体6.77.1-mod、及びモノクローナル抗体7.26.4-modからなる群から選ばれるモノクローナル抗体の対応する領域(単数又は複数)にアミノ酸配列において少なくとも90%同一である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。 【請求項7】 前記抗体が以下の: (a)配列番号2及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (b)配列番号6及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (c)配列番号10及び配列番号12に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (d)配列番号14及び配列番号16に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (e)配列番号18及び配列番号20に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (f)配列番号22及び配列番号24に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (g)配列番号26及び配列番号28に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (h)配列番号30及び配列番号32に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (i)配列番号34及び配列番号36に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (j)配列番号38及び配列番号40に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (k)配列番号42及び配列番号44に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (l)配列番号46及び配列番号48に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (m)配列番号52及び配列番号54に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (n)配列番号56及び配列番号58に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (o)配列番号60及び配列番号62に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (p)配列番号64及び配列番号66に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体;及び (q)配列番号42及び配列番号68に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体 からなる群から選ばれる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。 【請求項8】 前記重鎖C末端のリジンが、抗-MAdCAM抗体から切断されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。 【請求項9】 前記モノクローナル抗体又はその抗原結合部位が、以下の抗体: (a) 重鎖が、以下の:1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、及び7.26.4-modからなる群から選ばれる参照抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列を含み、 (b) 軽鎖が、以下の:1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、及び7.26.4-modからなる群から選ばれる参照抗体の軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3のアミノ酸配列を含み、 (c) 当該抗体が、(a)の重鎖及び(b)の軽鎖を含み;そして (d) 重鎖及び軽鎖CDRアミノ酸配列が、同じ参照抗体から選ばれる(c)の抗体 から選ばれる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。 【請求項10】 前記モノクローナル抗体又は抗原結合部位が、以下の: (a) 以下の:1.7.2(配列番号2);1.8.2(配列番号6);6.14.2(配列番号10);6.22.2(配列番号14);6.34.2(配列番号18);6.67.1{配列番号22);6.73.2(配列番号26);6.77.1(配列番号30);7.16.6(配列番号34);7,20.5(配列番号38);7.26.4{配列番号42);及び9.8.2(配列番号46);6.22.2-mod(配列番号52);6.34.2-mod(配列番号56);6.67.1-mod(配列番号60);6.77.1-mod(配列番号64);及び7.26.4-mod(配列番号42)からなる群から選ばれる抗体の重鎖可変アミノ酸配列を含む重鎖; (b) 以下の:1.7.2(配列番号4);1.8.2(配列番号8);6.14.2(配列番号12);6.22.2(配列番号16);6.34.2(配列番号20);6.67.1(配列番号24);6.73.2(配列番号28);6.77.1(配列番号32);7.16.6(配列番号36);7,20.5(配列番号40);7.26.4(配列番号44);及び9.8.2(配列番号48);6.22.2-mod(配列番号54);6.34.2-mod(配列番号58);6.67.1-mod(配列番号62);6.77.1-mod(配列番号66);及び7.26.4-mod(配列番号68)からなる群から選ばれる抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む軽鎖; (c) (a)の重鎖及び(b)の軽鎖 を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。 【請求項11】 セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの治療用の医薬の製造のための、抗α4β7インテグリン抗体又はその抗原結合部位の使用。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は、セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの地用のための医薬の製造のための抗-MAdCAM抗体の使用に関する。 【背景技術】 【0002】 粘膜アドレシン細胞接着分子(MAdCAM)は、細胞接着受容体の免疫グロブリンスーパーファミリーのメンバーである。当該分子は、必要とされるとき、リンパ球の表面上のインテグリン分子と相互作用することにより、リンパ球を組織へとリクルートすることに関する接着分子の一つである。 【0003】 MAdCAMのそのインテグリン結合パートナーであるα4β7への結合を阻害する抗体、例えば抗-MAdCAM抗体(例えば、MECA-367;米国特許第5,403,919号、米国特許第5,538,724号)又は抗-α4β7抗体(例えば、Act-1;米国特許第6,551,593号)は、炎症を起こした腸への白血球の血管外遊出を阻害でき、そうして炎症性腸疾患(IBD)の治療に有効でありうるということが明らかにされた。 【0004】 MECA-367などの抗-MAdCAM抗体は、しかしながら、ヒト患者において治療上有用ではない。MECA-367は、マウスMAdCAMに結合し、ヒトMAdCAM分子への十分な親和性を示さないからである。加えて、ラット抗体であるので、MECA-367は、ヒト患者において免疫応答を引き起こし、そうして治療用途に適していない。ヒトMAdCAMに対するマウス・モノクローナル抗体が記載された(WO96/24673)が、これらはまた、ヒトにおいて免疫原性でありそうである。最近、ヒト及び霊長類MAdCAMに対して優れた特異性と親和性を有する治療上有用な完全ヒト抗-ヒトMAdCAM抗体が、開発され、そしてWO2005/067620において記載された。 【0005】 MAdCAMとα4β7インテグリンとの間の相互作用の阻害剤、例えば遮断性抗-MAdCAM抗体、又はα4β7インテグリンへの抗体(例えば、MLN02、これはヒト化Act-1であり、WO01/078779に記載されている)が、炎症性腸疾患(IBD)の治療において有用であることが主張されてきた。しかしながら、MAdCAMに対する遮断抗体を含む当該相互作用の阻害剤がまた、セリアック病及び熱帯性スプルーの治療にも有用であることが分かってきた。 【0006】 セリアック病(グルテン感受性腸疾患又はセリアック・スプルー)は、小腸の病気である。この病気は、英国、ヨーロッパ、米国において300人に一人以上に罹患する。セリアック病は、一般的な病気であり、そして全ての年齢の誰にも罹患しうる。セリアック病は、男性においてより一般的であると考えられていたが、おそらく男性と女性において等しく起こるであろう。 【0007】 2個のタンパク質、グリアジン及びグルテニンの混合物であるグルテンは、小麦、大麦、及びライ麦において見られる。グルテンは小腸と反応して、栄養及びビタミンを吸収するために必要である繊細な小腸上皮を攻撃する免疫システムを活性化することにより、損傷を引き起こす。この病気は、しばしば離乳後の小児において、穀物類が食事に取り入れられた時に診断されることが多いが、この病気は、全ての年齢において診断されうる。症状は、わずかであり、そして患者は、診断がなされるまでは、しばらく理由なく気分が悪いと感じることがある。 【0008】 第一の症状は、通常炎症になり、そしてひどい状態になることを含み、食欲がなくなり、そして体重が増加しなくなる。排便(腸運動)は、色が薄くなり、量が多くなり、臭いがひどくなりうる。ある子供は、嘔吐及び下痢をするようになり、そうして彼らは、「胃腸炎」と誤って診断されることが多い。胃が肥大し、そして手足の筋肉が消耗して、そして薄くなる。成人でもこの症状は似ており、体重減少、不快な下痢、又は便秘、及び「おなら」を伴う腹部膨満を含む。セリアック病を患う成人の半分は、腸からの症状をまったく持たない。彼らは、ひどい疲労感、うつ病などの精神的問題、骨痛、及びしばしば(骨が細くなることによる)骨折、口内潰瘍又は水疱、主に肘やひざに生じる敏感肌のため、医者にかかる。 【0009】 セリアック病を患う女性では、妊娠しずらくなり、そしてそのために診断されることもある。流産(自然発生的な妊娠の失敗)の再発は、しばしばセリアック病に関連することもある。ある女性では、彼女達の腸が妊娠の要求に追いつくために十分な鉄及びビタミンを吸収できず、ひどい貧血を起こすので、妊娠の間に診断されることもある。子宮内でその年齢に対して小さい胎児(子宮内成長遅延)は、セリアック病を患う母体から誕生することが多い。 【0010】 未治療のままにしておくと、セリアック病は、貧血、骨疾患、及び稀にある種の癌を引き起こすことがある。現在もっとも重要な治療は、グルテンを含む食事全てを避けることである。これは、通常、小腸上皮の損傷の改善又はさらには消失をもたらす。しかしながら、この損傷は、グルテンが再び食事中に取り入れられると、再発するであろう。 【0011】 セリアック病は、予防できないけれども、無グルテン食を続けることにより、小腸への損傷を回復することができる。これは、かなりの自制を要する。患者が通常食を食べることを可能にし、そしてミネラル及びビタミン欠乏症及び他のセリアック病に関連する病気を避けることを可能にする医薬であって、副作用の危険性の低い医薬を発見する必要性が存在する。 【0012】 熱帯性スプルーは、熱帯及び亜熱帯において起こる消化器系の病気である。熱帯性スプルーを患う人は、栄養、特にビタミンB12及び葉酸を正常に吸収しない。下痢が、熱帯性スプルーの主要な症状であり;多くの脂肪を食べる人は、低脂肪の食事を食べる人に比べて、より重篤な下痢を経験するであろう。他の症状は、腹痛、体重減少、ガス、及び消化不良を含む。 【0013】 熱帯性スプルーは、約百万人に一人にかかり、そして北緯約30度から南緯約30度で生じる。インド、ハイチ、キューバ、プエルトルコ、及びドミニカ共和国を含む国々においてより一般的である。アフリカ、バハマ、及びジャマイカにおいては稀であるか、又は起こらない。熱帯性スプルーは、感染国の住民、並びに旅行者に罹患するが、通常6ヶ月以上滞在した旅行者にのみ罹患する。 【0014】 熱帯性スプルーの原因は同定されていないが、おそらく因子、例えば感染及び悪い栄養の組み合わせのためであり、それらはともに作用して小腸上皮に損傷を与え、栄養を吸収できなくする。 【0015】 熱帯性スプルーの診断は、複雑でありうる。なぜなら、多くの病気は類似の症状を有するからである。検便及び血液検査は、下痢のほかの原因を除外するために行われる。それらが陰性であり、そして患者が長期間熱帯に住んでいたならば、熱帯性スプルーは、その病気の原因である可能性がある。小腸の絨毛の典型的な平坦化について、絨毛を試験するために生検が行われることもある。 【0016】 ある血液検査はまた、熱帯性スプルーの診断において助けとなりうる。なぜなら、この疾患は、ビタミン及びミネラルが吸収されるのを阻害し、低レベルのアルブミン、カルシウム、又はビタミンD、A、K、及びEが観察されうる。患者はまた、ビタミンB12及び葉酸欠損のため、貧血を患うこともある。加えて、便標本は、過剰量の脂質を示すこともある。 【0017】 治療は、通常3〜6ヶ月の抗生物質と葉酸(又は葉酸塩)の補充である。ビタミンB12欠損を患う患者は、同様にビタミン補充を受けるであろう。 【発明を実施するための最良の形態】 【0018】 発明の態様 本発明の一の態様は、セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの治療のための医薬の製造のためのMAdCAMに特異的に結合する抗体の使用である。本発明の別の態様は、抗MAdCAM抗体の治療有効量を使用した、セリアック病及び/又は熱帯性スプルー、特にセリアック病の治療方法である。 【0019】 本発明の別の態様は、セリアック病及び/又は熱帯性スプルー、好ましくはセリアック病の治療のための医薬の製造のための抗α4β7インテグリン抗体の使用である。好ましくは、抗α4β7インテグリン抗体は、ヒト化Act-1(MLN02とも呼ばれる)である。本発明の別の態様は、治療有効量の抗α4β7抗体、好ましくはMLN02を使用して、セリアック病及び/又は熱帯性スプルー、好ましくはセリアック病を治療する方法である。 【0020】 本発明の別の態様は、セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの治療のための医薬の製造のための、MAdCAM-α4β7インテグリン媒介性の接着の阻害剤の使用である。本発明のさらに別の態様は、治療有効量のMAdCAM-α4β7インテグリン媒介性接着の阻害剤を使用した、セリアック病及び/又は熱帯性スプルーの治療方法である。 【0021】 好ましくは、本発明において使用される抗MAdCAM抗体又はその抗原結合部位は、特異的にMAdCAMに結合する。さらにより好ましくは、当該抗体の少なくともCDR配列は、ヒトCDR配列であり、又はヒト抗体の抗原結合部位である。好ましくは、抗体はヒト抗体であり、より好ましくは、ヒトモノクローナル抗体又はその抗原結合部位であり、さらにより好ましくはMAdCAMアンタゴニストとして作用する抗体、又はその抗原結合部位である。 【0022】 好ましくは、当該抗体又は部位は、以下の: (a) ヒト細胞に結合し; (b) MAdCAMに対して、VCAM又はフィブロネクチンより少なくとも100倍の選択性を有し、 (c) ヒトMAdCAMに、3×10-10M以下のKdを有し;又は (d) α4β7を発現する細胞のヒトMAdCAMへの結合を阻害し; (e) 消化管リンパ組織へのリンパ球のリクルート阻害する で表される性質のうちの少なくとも1つを有する。 【0023】 好ましくは、当該抗体又は抗原結合部位は、ヒトMAdCAMのα4β7への結合を阻害し、そして以下の性質: (a) MAdCAMへの結合について参照抗体と交差競合し、 (b) MAdCAMへの結合について参照抗体と競合し、 (c) 参照抗体が結合するのと同じMAdCAMのエピトープに結合し、 (d) 参照抗体と実質的に同じKdでMAdCAMに結合し、 (e) 参照抗体と実質的に同じオフ・レートでMAdCAMに結合する のうちの少なくとも1つを有する。ここで、参照抗体は、以下の: モノクローナル抗体1.7.2、モノクローナル抗体1.8.2、モノクローナル抗体6.14.2、モノクローナル抗体6.22.2、モノクローナル抗体6.34.2、モノクローナル抗体6.67.1、モノクローナル抗体6.73.2、モノクローナル抗体6.77.1、モノクローナル抗体7.16.6、モノクローナル抗体7.20.5、モノクローナル抗体7.26.4、モノクローナル抗体9.8.2、モノクローナル抗体6.22.2-mod、モノクローナル抗体6.34.2-mod、モノクローナル抗体6.67.1-mod、モノクローナル抗体6.77.1-mod、及びモノクローナル抗体7.26.4-modからなる群から選ばれる。 【0024】 本発明の別の態様では、抗MAdCAM抗体の重鎖可変領域、軽鎖可変領域、又はその両方は、以下の: モノクローナル抗体1.7.2、モノクローナル抗体1.8.2、モノクローナル抗体6.14.2、モノクローナル抗体6.22.2、モノクローナル抗体6.34.2、モノクローナル抗体6.67.1、モノクローナル抗体6.73.2、モノクローナル抗体6.77.1、モノクローナル抗体7.16.6、モノクローナル抗体7.20.5、モノクローナル抗体7.26.4、モノクローナル抗体9.8.2、モノクローナル抗体6.22.2-mod、モノクローナル抗体6.34.2-mod、モノクローナル抗体6.67.1-mod、モノクローナル抗体6.77.1-mod、及びモノクローナル抗体7.26.4-mod からなる群から選ばれるモノクローナル抗体の対応する領域のアミノ酸配列に少なくとも90%同一である。 【0025】 好ましい抗体は、以下の: (a)配列番号2及び配列番号4に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (b)配列番号6及び配列番号8に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (c)配列番号10及び配列番号12に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (d)配列番号14及び配列番号16に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (e)配列番号18及び配列番号20に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (f)配列番号22及び配列番号24に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (g)配列番号26及び配列番号28に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (h)配列番号30及び配列番号32に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (i)配列番号34及び配列番号36に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (j)配列番号38及び配列番号40に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (k)配列番号42及び配列番号44に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (l)配列番号46及び配列番号48に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (m)配列番号52及び配列番号54に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (n)配列番号56及び配列番号58に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (o)配列番号60及び配列番号62に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体; (p)配列番号64及び配列番号66に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体;及び (q)配列番号42及び配列番号68に記載のアミノ酸配列を、シグナル配列を伴わずに含む抗体 からなる群から選ばれる。 【0026】 本発明の別の態様では、モノクローナル抗体又はその抗原結合部位は、以下の抗体: (a) 重鎖は、以下の:1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、及び7.26.4-modからなる群から選ばれる参照抗体の重鎖CDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列を含み、 (b) 軽鎖は、以下の:1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、及び7.26.4-modからなる群から選ばれる参照抗体の軽鎖CDR1、CDR2、及びCDR3アミノ酸配列を含み、 (c) 上記抗体は、(a)の重鎖及び(b)の軽鎖を含み;そして (d) 重鎖及び軽鎖CDRアミノ酸配列が、同じ参照抗体から選ばれる(c)の抗体 から選ばれる。 【0027】 本発明の別の態様では、モノクローナル抗体又は抗原結合部位は、以下の抗体: (a) 以下の: 1.7.2(配列番号2);1.8.2(配列番号6);6.14.2(配列番号10);6.22.2(配列番号14);6.34.2(配列番号18);6.67.1(配列番号22);6.73.2(配列番号26);6.77.1(配列番号30);7.16.6(配列番号34);7.20.5(配列番号38);7.26.4(配列番号42);及び9.8.2(配列番号46);6.22.2-mod{配列番号52);6.34.2-mod(配列番号56);6.67.1-mod(配列番号60);6.77.1-mod(配列番号64);及び7.26.4-mod(配列番号42)からなる群から選ばれる抗体の重鎖可変領域アミノ酸配列を含む重鎖 (b) 以下の:1.7.2(配列番号4);1.8.2(配列番号8);6.14.2(配列番号12);6.22.2(配列番号16);6.34.2{配列番号20);6.67.1(配列番号24);6.73.2(配列番号28);6.77.1(配列番号32);7.16.6(配列番号36);7.20.5(配列番号40);7.26.4(配列番号44);及び9.8.2(配列番号48);6.22、2-mod(配列番号54);6.34.2-mod(配列番号58);6.67.1-mod(配列番号62);6.77.1-mod(配列番号66);及び7.26.4-mod(配列番号68);からなる群から選ばれる抗体の軽鎖可変領域アミノ酸配列を含む軽鎖 (c) (a)の重鎖及び(b)の軽鎖 を含む。 【0028】 本発明の別の態様は、前記抗MAdCAM抗体の重鎖及び/又は軽鎖、又は可変領域、又はそのほかの抗原結合部位、又は前述のいずれかをコードする核酸分子、及び医薬として許容される担体の使用である。本発明のこの態様は、前述の抗体のいずれかの断片の使用を含み、非限定的にFab断片、F(ab’)2断片、一本鎖Fv(scFv)断片を含む。 【0029】 好ましくは、抗MAdCAM抗体は、WO2005/067620に記載される1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modから選ばれるヒト阻害性抗MAdCAM抗体である。好ましくは、抗MAdCAM抗体は、WO2005/067620に記載される配列番号4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、54、58、62、66又は68から選ばれるアミノ酸配列を含む軽鎖(シグナル配列を有するか又は有さない)、又は当該アミノ酸配列のいずれか一つの可変領域、又はこれらのアミノ酸配列由来の1以上のCDRsを含む。抗MAdCAM抗体は、好ましくは、WO2005/067620に記載される配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、52、56、60、又は64から選ばれるアミノ酸配列を含む重鎖(シグナル配列を有するか又は有さない)、又は可変領域のアミノ酸配列、又は当該アミノ酸配列由来の1以上のCDRsを含む。抗体MAdCAM抗体は、好ましくはヒト抗MAdCAM抗体であって、上記配列のいずれか1のCDR1から始まり、そしてCDR3に終わるアミノ酸配列を含むヒト抗MAdCAM抗体である。本発明に使用される抗MAdCAM抗体は、また上記配列のいずれかの1以上のFR領域を含む抗MAdCAM抗体でありうる。 【0030】 本発明において使用される抗MAdCAM抗体は、1以上の改変がなされた前述のアミノ酸配列の一つを含む抗MAdCAM抗体も含みうる。例えば、抗体中のシステイン(システインは化学的に反応性である)は、他の残基、例えば非限定的にアラニン又はセリン置換される。置換は、非カノニカル・システイン(non-canonical cysteine)において、又はカノニカル・システインにおいてなされうる。置換は、抗体の可変ドメインのCDR又はフレームワーク領域においてなされてもよいし、又は抗体の定常ドメインにおいてなされてもよい。 【0031】 アミノ酸置換は、抗体内の潜在的なタンパク質分解部位を除くためになされてもよい。かかる部位は、可変ドメインのCDR又はフレームワーク領域において現れてもよいし、又は抗体の定常ドメインにおいて現れてもよい。システイン残基の置換及びタンパク質分解性部位の除去は、抗体生産物の不均一性を低減しうる。アスパラギン-グリシン対(これは、脱アミド化部位を形成する)は、この残基のうちの一つ又は両方を変化させることにより除去することもできる。アミノ酸置換は、本発明において使用される抗体の可変領域において潜在的なグリコシル化部位を加えるか又は取り除くように加えられてもよい。 【0032】 本発明において使用される抗MAdCAM抗体の重鎖のC末端リジンは、切断されてもよい。抗MAdCAM抗体の重鎖及び軽鎖は、場合によりシグナル配列を含んでもよい。 【0033】 本発明において使用するための12の好ましい阻害性ヒト抗MAdCAMモノクローナル抗体(1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、及び9.8.2)は、WO2005/067620において詳細に記載されており、当該文献はその全てを本明細書中に援用される。 【0034】 抗MAdCAM抗体のクラス及びサブクラス 抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、又はIgD分子であってもよい。好ましくは、抗体は、IgGクラスであり、そしてIgG1、IgG2、IgG3、IgG4サブクラスである。より好ましくは、抗MAdCAM抗体は、IgG2又はIgG4サブクラスである。より好ましくは、抗MAdCAM抗体は、WO2005/067620においてIgG2である抗体1.7.2、1.8.2、7.16.6、7.20.5、7.26.4、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-mod、或いはIgG4である抗体6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、又は9.8.2と同じクラス及びサブクラスである。 【0035】 抗MAdCAM抗体のクラス及びサブクラスは、当該技術分野において知られている方法のいずれかにより決定されうる。一般的に、抗体のクラス及びサブクラスは、抗体の具体的なクラス及びサブクラスについて特異的である抗体を使用して決定してもよい。かかる抗体は市販されている。ELISA、ウエスタンブロット、並びに他の技術は、クラス及びサブクラスを決定することができる。代わりに、クラス及びサブクラスは、抗体の重鎖及び/又は軽鎖の定常ドメインの全て又は一部をシーケンスし、そのアミノ酸配列を、免疫グロブリンの様々なクラス及びサブクラスの既知のアミノ酸配列と比較し、そして最も高い配列同一性を示すクラスとして抗体のクラス及びサブクラスを決定することにより、決定してもよい。 【0036】 種及び分子選択性 本発明において使用される抗MAdCAM抗体は、種及び分子の選択性の両方を示す。抗MAdCAM抗体は、ヒト、カニクイザル、又はイヌMAdCAMに結合しうる。本発明において使用される他の抗MAdCAM抗体は、マーモネットなどの新世界猿種に結合しない。当該技術分野に周知の方法を使用して、抗MAdCAM抗体に対する種選択性を決定してもよい。例えば、ウエスタン・ブロット、FACS、ELISA、又は免疫組織化学を使用して種選択性を決定してもよい。好ましい実施態様において、免疫組織化学を使用して種選択性を決定してもよい。 【0037】 MAdCAMに特異的に結合する本発明において使用される抗MAdCAM抗体は、MAdCAMに対して、VCAM、フィブロネクチン、又は他の任意の抗原をこえる選択性を有し、選択性は、少なくとも10倍、好ましくは少なくとも20、30、40、50、60、70、80、又は90倍であり、最も好ましくは90倍である。好ましくは、抗MAdCAM抗体は、VCAM、フィブロネクチン、又はMAdCAM以外のほかの抗原に対して感知できる結合性を示さない。本明細書の教示に従って、当該技術分野に周知の方法を使用して、MAdCAMに対する抗MAdCAM抗体の選択性を決定することができる。例えば、ウエスタンブロット、FACS、又は免疫組織化学を使用して、選択性を決定してもよい。 【0038】 MAdCAMに対する抗MAdCAM抗体の結合親和性 本発明において使用される抗MAdCAM抗体は、好ましくは高親和性でMAdCAMに特異的に結合する。本発明において使用される1の抗MAdCAM抗体は、BIAcoreなどの表面プラスモン共鳴により計測されるとき、MAdCAMに3×10-8M以下のKdで結合する。本発明において使用される抗体は、2.66×10-10M以下、2.35×10-11M以下、又は9×10-12M以下のKdでMAdCAMに特異的に結合する。好ましくは、当該抗体は、MAdCAMに1×10-11M以下のKdで特異的に結合する。好ましくは、抗体は、WO2005/067620において記載される1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modから選ばれる抗体と実質的に同じKdでMAdCAMに特異的に結合する。 【0039】 「実質的に参照抗体と同じKd」を有する抗体は、同じ実験において参照抗体のKdと比べて、±100pM、好ましくは±50pM、より好ましくは±20pM、さらにより好ましくは±10pM、±5pM、又は±2pMであるKdを有する。好ましくは、当該抗体は、WO2005/067620に記載される1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modから選ばれる抗体由来の1以上のCDRs又は1以上の可変ドメインを含む抗体と実質的に同じKdでMAdCAMに結合する。好ましくは、当該抗体は、WO2005/067620に記載される配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、52、54、56、58、62、64、66、又は68から選ばれるアミノ酸配列のうちの一つ、又はその可変ドメインを含む抗体と実質的に同じKdでMAdCAMに結合する。好ましくは、当該抗体は、WO2005/067620に記載される配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、52、54、56、58、62、64、66、又は68から選ばれるアミノ酸配列を含む抗体由来の1以上のCDRsを含む抗体と実質的に同じKdで、MAdCAMに結合する。 【0040】 MAdCAMに対する抗MAdCAM抗体の結合親和性は、当該技術分野に知られている任意の方法により決定してもよい。一の実施態様では、結合親和性は、競合的ELISA、RIA、又はBIAcoreなどの表面プラスモン共鳴である。より好ましい実施態様において、結合親和性は、表面プラスモン共鳴により計測される。さらにより好ましい実施態様では、結合親和性及び解離率は、BIAcoreを使用して計測される。結合親和性の測定の例は、WO2005/067620に見出すことができる。 【0041】 抗MAdCAM抗体の半減期 本発明において使用される抗MAdCAM抗体は、インビトロ又はインビボにおいて少なくとも1日の半減期を有する。好ましくは、抗体又はその部位は、少なくとも3日の半減期を有する。より好ましくは、抗体又はその部位は、4日以上の半減期を有する。さらにより好ましくは、抗体又はその部位は、8日以上の半減期を有する。本発明において使用される抗体又はその抗原結合部位は、より長い半減期を持つように以下に記載されるように誘導体化又は修飾されてもよい。別の好ましい実施態様において、抗体は、WO00/09560に記載されるように血清半減期を増加させる点突然変異を含んでもよい。 【0042】 抗体半減期は、当業者に知られている任意の手段により計測されてもよい。例えば、抗体半減期は、適切な時間に渡るウエスタン・ブロット、ELISA、又はRIAにより計測されてもよい。抗体半減期は、霊長類、例えばカニクイザル又はヒトなどの任意の適切な動物において計測されうる。 【0043】 抗MAdCAM抗体により認識されるMAdCAMエピトープの同定 本発明はまた、本明細書中に提供されるヒト抗MAdCAM抗体と同じ抗原又はエピトープに結合するヒト抗MAdCAM抗体の使用を提供する。さらに、本発明は、ヒト抗MAdCAM抗体と競合又は交差競合するヒト抗MAdCAM抗体の使用を提供する。好ましくは、ヒト抗MAdCAM抗体は、WO2005/067620に開示される1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modである。好ましくは、ヒト抗MAdCAM抗体は、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modから選ばれる抗体由来の1以上のCDR又は1以上の可変ドメインを含む。好ましくは、ヒト抗MAdCAM抗体は、WO2005/067620における配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、52、54、56、58、62、64、66、又は68から選ばれるアミノ酸配列、又はその可変ドメインのうちの一つを含む。好ましくは、ヒト抗MAdCAM抗体は、WO2005/067620の配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、52、54、56、58、62、64、66、又は68から選ばれるアミノ酸配列のうちの一つを含む抗体由来の1以上のCDRを含む。 【0044】 当該技術分野に知られている様々な方法を使用して、他の抗MAdCAM抗体と同じ抗原に対して抗MAdCAM抗体が結合するかを決定することもできる。例えば、既知の抗MAdCAM抗体は、抗原を補足し、当該抗MAdCAM抗体から抗原を溶出し、そして次に溶出した抗原に試験抗体が結合するかを決定するために使用することができる。飽和条件において抗MAdCAM抗体をMAdCAMへと結合させることにより、ある抗体が抗MAdCAM抗体と競合するかを決定してもよい。抗MAdCAM抗体と同時に試験抗体がMAdCAMに結合できる場合、試験抗体は、抗MAdCAM抗体が結合するエピトープとは異なるエピトープに結合する。しかしながら、試験抗体が、同時にMAdCAMに結合できない場合、試験抗体は、ヒト抗MAdCAM抗体と競合する。この実験を、ELISA、又は表面プラスモン共鳴、又は好ましくはBIAcoreを使用して行ってもよい。抗MAdCAM抗体が、別の抗MAdCAM抗体と交差競合するかを試験するために、上記競合方法を、二つの方向で使用してもよい(つまり、既知の抗体が試験抗体を阻害するか、及びその逆について決定する)。 【0045】 軽鎖遺伝子及び重鎖遺伝子の使用 本発明はまた、ヒトκ遺伝子によりコードされる軽鎖可変領域を含む抗MAdCAM抗体の使用を提供する。好ましくは、軽鎖可変領域は、ヒトVκA2、A3、A26、B3、O12、又はO18遺伝子ファミリーによりコードされる。好ましくは、軽鎖は、ヒト生殖細胞系列VκA2、A3、A26、B3、O12、又はO18配列由来の11以下の、6以下の、又は3以下のアミノ酸置換を含む。好ましくは、アミノ酸置換は、保存的置換である。 【0046】 好ましくは、抗MAdCAM抗体のVLは、生殖細胞系列アミノ酸配列に対して、WO2005/067620に記載される抗体1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのうちの1以上のVLのいくつかと同じ突然変異を含む。本発明は、例示の抗体と同じヒトVκ及びヒトJκ遺伝子を利用する抗MAdCAM抗体の使用を含む。抗体は、生殖細胞系列からの1以上の突然変異であって、1以上の例示抗体と同じである変異を含んでもよいか、又は抗体は、1以上の例示抗体と同じ位置の1箇所以上において異なる置換を含んでもよい。例えば、抗MAdCAM抗体のVLは、抗体7.16.6に存在する置換と同じである1以上のアミノ酸置換を含んでもよく、そして抗体7.26.4と同じである他のアミノ酸置換を含んでもよい。この様式において、例えばMAdCAMに対する抗体の親和性又はその抗体からの解離率を変更するために、抗体結合の異なる特徴を混合し及びあわせることができる。突然変異は、抗体1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのうちの1以上のVLのいくつかにおいて見つかるのと同じ位置においてなされてもよいが、同じアミノ酸が使用されるよりはむしろ保存的アミノ酸置換がなされる。例えば、抗体1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのうちの一つにおいて、生殖細胞系列に比較したアミノ酸置換が、グルタミン酸である場合、アスパラギン酸に保存的に置換してもよい。同様に、アミノ酸置換がセリンである場合、スレオニンに保存的に置換してもよい。 【0047】 抗MAdCAM抗体の軽鎖は、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのVLのアミノ酸配列と同じであるアミノ酸配列を含んでもよい。軽鎖は、好ましくは、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modの軽鎖のCDR領域と同じであるアミノ酸配列を含む。軽鎖は、1.7、2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modの軽鎖の少なくとも1のCDR領域を有するアミノ酸配列を含んでもよい。軽鎖は、同じVκ及びJκ遺伝子を利用する異なる軽鎖由来のCDRを有するアミノ酸配列を含んでもよい。好ましくは、異なる軽鎖由来のCDRは、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modから得られる。好ましくは、WO2005/067620の配列番号4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、54、58、62、64、66、又は68から選ばれるアミノ酸配列を、シグナル配列を伴って、又は伴わずに含む。好ましくは、軽鎖は、WO2005/067620の配列番号3、7、ll、15、19、23、27、31、35、39、43、47、53、57、61、65、又は67から選ばれるヌクレオチド配列、又はその配列から1〜11個のアミノ酸挿入、欠失、又は置換を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を(シグナル配列を伴って又は伴わずに)含む。好ましくは、アミノ酸置換は、保存的アミノ酸置換である。抗体又はその部位は、ラムダ軽鎖を含んでもよい。 【0048】 本発明は、ヒトVH遺伝子配列又はヒトVH遺伝子から派生された配列を含む抗MAdCAM抗体又はその部位の使用を提供してもよい。重鎖アミノ酸配列は、ヒトVH1-18、3-15、3-21、3-23、3-30、3-33、又は4-4遺伝子ファミリーから派生されてもよい。好ましくは、重鎖は、生殖細胞系列ヒトVH1-18、3-15、3-21、3-23、3-30、3-33、又は4-4遺伝子配列からの15以下、6以下、又は3以下のアミノ酸変化を含む。 【0049】 WO2005/067620に開示される配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、及び46は、本発明において使用するための12個の抗MAdCAM抗体の全長重鎖のアミノ酸配列を提供する。本明細書中に言及される全ての配列番号は、WO2005/067620において実際に開示される配列に関する。 【0050】 好ましくは、抗MAdCAM抗体のVHは、生殖細胞系列アミノ酸配列に対する突然変異であって、抗体1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34:2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのうちの1以上のVHのいずれかと同じ突然変異を含む。上記と同様に、抗体は、生殖細胞系列からの突然変異であって、1以上の例示抗体と同じである1以上の突然変異を含む。抗体はまた、1以上の例示抗体と同じ位置の一箇所以上における異なる置換を含んでもよい。例えば、抗MAdCAM抗体のVHは、抗体7.16.6に存在する置換と同じである1以上のアミノ酸置換、及び抗体7.26.4と同じである他のアミノ酸置換を含んでもよい。この様式で、例えばMAdCAMに対する抗体の親和性又は抗原からの解離率を変化させるために、抗体結合性の異なる特徴を混合しそして適合することができる。生殖細胞系列に比べたアミノ酸置換は、参照抗体1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのうちの1以上のVHのいずれかにおいて見られる生殖細胞からの置換と同じ位置でなされてもよいが、その位置は、参照抗体に比べて保存的置換である異なる残基で置換される。 【0051】 好ましくは、本明細書中に使用される抗MAdCAM抗体の重鎖は、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modのVHのアミノ酸配列と同じアミノ酸配列を含む。より好ましくは、重鎖は、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modの重鎖のCDR領域と同じであるアミノ酸配列を含む。好ましくは、重鎖は、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.4、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modの重鎖のCDR領域の少なくとも1由来のアミノ酸配列を含み、又は重鎖は、異なる重鎖由来のCDRを有するアミノ酸配列を含んでもよい。好ましくは、異なる重鎖由来のCDRは、1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.22.2、6.34.2、6.67.1、6.73.2、6.77.1、7.16.6、7.20.5、7.26.4、9.8.2、6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modから得られる。好ましくは重鎖は、WO2005/067620の配列番号2、6、10、14、18、22、26、30、34、38、42、46、52、56、60、又は64から選ばれるアミノ酸配列を、シグナル配列を伴って又は伴わずに含む。重鎖は、WO2005/067620の配列番号1、5、9、13、17、21、25、29、33、37、41、45、51、55、59、又は63から選ばれるヌクレオチド配列、又はその配列から1〜15個のアミノ酸挿入、欠失、又はあ置換を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列を含んでもよい。置換は、好ましくは保存的アミノ酸置換である。 【0052】 抗体作成の核酸、ベクター、宿主細胞、及び組換え方法 これらの抗体を作成するための核酸、ベクター、宿主細胞、及び組換え方法は、WO2005/067620に開示される。 【0053】 誘導化及び標識化された抗体 本発明の抗体又は抗体部位は、誘導体化されてもよいし、又は別の分子(例えば、別のペプチド又はタンパク質)に結合されてもよい。一般的に、抗体又はその部分は、MAdCAM結合性が誘導体化又は標識化により悪影響を受けないように誘導体化される。したがって、本発明において使用される抗体及び抗体部位は、本明細書中に記載されるヒト抗MAdCAM抗体の未改変な形態及び改変された形態の両者を含むように意図される。例えば、本発明において使用される抗体又は抗体部位は、1以上の他の分子的実体、例えば別の抗体(例えば、二重特異性抗体又はダイアボディ(diabody))、検出剤、細胞毒性薬、医薬、及び/又は抗体又は抗体部位と他の分子との関連を調節できるタンパク質又はペプチド(例えば、ストレプトアビジン・コア領域又はポリヒスチジンタグなど)に機能的に結合されうる。 【0054】 誘導体化された抗体の1のタイプは、(例えば二重特異的抗体を作成するための同じタイプ又は異なるタイプ)の2以上の抗体を架橋することにより産生される。適切な架橋剤は、適切なスペーサー(例えば、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミド・エステル)により分離される2個の異なる反応性基を有する異種二官能性であるか、又は同種二官能性(例えばジスクシンイミジル・スベレート)である架橋剤を含む。かかるリンカーは、Pierce Chemical Company, Rockford, IIIから利用できる。 【0055】 誘導体化抗体のほかのタイプは、標識された抗体である。本発明の抗体又は抗体部位が、誘導体化される有用な検出剤は、蛍光化合物、例えばフルオレセイン、フルオレセイン・イソチオシアネート、ローダミン、5-ジメチルアミン-1-ナフタレンスルホニル・クロリド、フィコエリスリン、ランタニド・リンなどを含む。抗体は、検出に有用な酵素、例えばホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコースオキシダーゼなどで標識されてもよい。抗体が、検出可能な酵素で標識された場合、抗体は、識別可能である反応生成物を生成するために酵素が使用する付加的な試薬を加えることにより検出される。例えば、検出剤ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼが存在する場合、過酸化水素及びジアミノベンジジンを加えることにより、検出可能な着色反応生成物が導かれる。抗体はまた、ビオチンで標識され、そしてアビジン又はストレプトアビジン結合の間接的な計測を通して検出されうる。抗体は、ガドリニウムなどの磁性剤で標識されてもよい。抗体はまた、二次レポーター(例えば、ロイシン・ジッパー対配列、二次抗体の結合部位、金属結合ドメイン、エピトープ・タグ)により認識される予め決定されたポリペプチド・エピトープで標識されてもよい。いくつかの実施態様において、標識は、潜在的な立体障害を低減するように、様々な長さのスペーサー・アームにより結合される。 【0056】 抗MAdCAM抗体は、放射性標識されたアミノ酸で標識されてもよい。放射性標識は、診断及び治療目的の両方に使用されうる。例えば、放射性標識は、X線又は他の診断技術により、MAdCAM発現組織を検出するために使用されてもよい。さらに、放射性標識は、疾患組織又はMAdCAM発現腫瘍への毒として治療上使用されてもよい。ポリペプチド標識の例は、非限定的に、以下の放射性アイソトープ又は放射性核種:3H、14C、15N、35S、90Y、110In、125I、131Iを含む。 【0057】 抗MAdCAM抗体は、ポリエチレン・グリコール(PEG)、メチル又はエチル基、又は炭化水素基などの化学基で誘導体化されてもよい。これらの基は、抗体の生物学的特徴を改善するために、例えば、血清半減期を増加又は組織結合性を増加するために、有用である。この方法論は、抗原結合性断片又は抗MAdCAM抗体の任意のバージョンを適用するであろう。 【0058】 医薬組成物及びキット さらなる態様において、本発明は、ヒト抗MAdCAM抗体を含む組成物及びかかる組成物で対象を治療するための方法を提供する。いくつかの実施態様において、治療の対象はヒトである。別の実施態様では、対象は獣医対象である。いくつかの実施態様では、獣医対象は、イヌ又は非ヒト霊長類である。 【0059】 治療は、1以上の阻害性抗MAdCAMモノクローナル抗体、又はその抗原結合性断片を、単独で、又は医薬として許容される担体と共に投与することに関しうる。阻害性抗MAdCAM抗体及びそれらを含む抗体は、1以上のほかの治療、診断、又は予防用薬剤と組み合わせて投与することができる。さらなる治療薬剤は、抗炎症性又は炎症調節性薬剤を含む。これらの薬剤は、非限定的に局所及び経口コルチコステロイド、例えばプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、NCX-1015、又はブデソニド;アミノサリチル酸、例えばメサラジン、オルサラジン、バルサラジド、又はNCX-456;免疫調節物質のクラス、例えばアザチオプリン、6メルカプトプリン、メトトレキサート、シクロスポリン、FK506、IL-10(イロデカキン)、IL-11(オプレレブキン)、IL-12、MIF/CD74アンタゴニスト、CD40アンタゴニスト、例えばTNX-100/5-D12、OX40Lアンタゴニスト、GM-CSF、ピメクロリムス又はラパマイシン;抗TNF-α試薬のクラス、例えばインフリキシマブ、アダリムマブ、CDP-870、オネレセプト、エタネルセプト;抗炎症薬のクラス、例えばPDE-4阻害剤(ロフルミラストなど)、TACE阻害剤(DPC-333、RDP-58など)及びICE阻害剤(VX-740など)、並びにIL-2レセプター・アンタゴニスト、例えばダクリズマブ、選択的接着分子アンタゴニストのクラス、例えばナタリズマブ、MLN-02、又はアリカフォルセン、鎮痛剤のクラス、例えば、非限定的にCOX-2阻害剤、例えばロフェコキシブ、バルデコキシブ、セレコキシブ、P/Q型電位感受性チャネル(α2δ)調節物質、例えばガバペンチン及びプレガバリン、NK-1受容体アンタゴニスト、カンナビノイド受容体調節物質、及びデルタ・オピオイド受容体アゴニスト、並びに抗新生物薬、抗腫瘍、抗血管新生薬、又は化学療法薬を含む。かかる付加的な薬剤は、同じ組成物中に含められてもよいし、又は別々に投与されてもよい。 【0060】 本明細書中に使用されるとき、「医薬として許容される担体」は、任意の及び全ての溶媒、分散媒、皮膜剤、抗菌剤、及び抗真菌剤、等張剤、及び吸収促進剤、又は遅延剤などであって、生理的に適合するものを意味する。医薬として許容される担体のいくつかの例は、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、塩化ナトリウムを伴う酢酸緩衝液、デキストロース、グリセロール、ポリエチレン・グリコール、エタノールなど、並びにそれらの組み合わせである。多くの場合、等張剤、例えば糖、マンニトール、ソルビトールなどの多糖、又は塩化ナトリウムなどを組成物中に含めることは好ましかろう。医薬として許容される物質の更なる例は、界面活性剤、湿潤剤、又は少量の補助物質、例えば湿潤又は乳濁剤、保存剤、又は緩衝剤であり、それらは保存期間を延長し、そして抗体の有効性を高める。 【0061】 本発明において使用される組成物は、様々な形態であってよく、例えば、液体、半固体、及び固体投与形態であり、例えば溶液(例えば、注射液及び輸液)、分散又は懸濁液、錠剤、ピル、凍結乾燥ケーキ、乾燥粉末、リポソーム及び座剤である。好ましい形態は、投与及び治療適用の予期したモードに依存する。典型的な好ましい組成物は、注射液又は輸液の形態であり、例えばヒトの受動免疫下で使用される組成物に類似の組成物である。好ましい投与モードは、非経口(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、皮内)投与である。好ましい実施態様において、抗体は、静脈内輸液又は注射により投与される。別の好ましい実施態様では、抗体は、筋肉内、皮内、又は皮下注射により投与される。所望される場合、抗体は、ポンプ、浣腸剤、座剤、又は内在リザーバーにより投与される。 【0062】 治療用組成物は、典型的に、滅菌性でなければならず、そして製造及び保存の条件下で安定でなければならない。組成物は、溶液、凍結乾燥ケーキ、乾燥粉末、マイクロエマルジョン、分散、リポソーム、又は高濃度の薬剤に適した他の指示された構造として剤形することができる。滅菌注射液は、必要な量の抗MAdCAM抗体を、上で列挙された成分の1つ又は組合せと共に適切な溶媒中に取り込み、必要に応じて続いて滅菌することにより製造することができる。滅菌注射液の製造用の滅菌粉末の場合、好ましい製造方法は、予め滅菌したその溶液から活性成分と他の任意の追加の所望の成分をもたらす吸引乾燥及び凍結乾燥である。一般的に分散剤は、塩基性分散培地と上で列挙された成分のうちの必要とされる他の成分を含む滅菌溶媒中に活性化合物を取り込むことにより調製される。溶液の所望の特徴は、例えば界面活性剤を使用することにより維持することができ、そして懸濁の場合必要とされる粒子サイズは、界面活性剤、リン脂質、及びポリマーを使用することにより維持することができる。注射可能な組成物の長期の吸収は、組成物中に吸収を遅延する薬剤、例えばモノステアリン酸塩、ポリマー性物質、オイル、及びゼラチンを含むことにより達成することができる。 【0063】 本発明の抗体は、当該技術分野に既知の様々な方法により投与されうるが、多くの治療適用では、投与の好ましい経路/様式は、皮下、筋肉内、皮内、又は静脈輸液である。当業者により評価されるように、投与の経路及び/又は様式は、所望される結果に左右されて変化するであろう。 【0064】 ある実施態様では、抗体組成物は、迅速な放出に対して、抗体を保護する担体と調製されることがあり、例えば植え込み錠、経皮パッチ、及びマイクロカプセル化デリバリー・システムを含む放出制御製剤である。生物分解性、生物適合性ポリマー、例えば、エチレン・ビニル・アセテート、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルトエステル、及びポリ乳酸が利用できる。かかる製剤の製造のための多くの方法に特許権が付与されているか、又は当業者に一般的に知られている(例えば、Sustained and Controlled Release Drug Delivery Systems (J. R. Robinson著, Marcel Dekker, Inc., New York (1978)を参照のこと)。 【0065】 ある実施態様では、本発明の抗MAdCAM抗体は、例えば不活性の希釈剤又は吸収可能な食用担体と経口投与することができる。化合物(及び所望される場合、他の成分)は、ハード又はソフト・シェル・ゼラチン・カプセル中に封入されてもよいし、錠剤に押し固められてもよいし、又は対象の食事中に直接取り込まれてもよい。経口治療投与では、抗MAdCAM抗体は、賦形剤と共に取り込められ、そして体内摂取可能な錠剤、口腔錠、トローチ、カプセル、エリクシル、懸濁液、シロップ、ウエハーなどの形態で使用される。非経口投与以外による本発明の化合物の投与のために、化合物を、不活性化を予防する物質で皮膜するか、当該物質と共に投与することが必要であるかもしれない。 【0066】 本発明の組成物は、「治療有効量」又は「予防有効量」の本発明の抗体又は抗原結合部位を含みうる。「治療有効量」は、用量及び必要とされる期間の点で、所望の治療結果を達成するために有効な量を指す。治療有効量の抗体及び抗体部位は、疾患状態、年齢、性別、及び個々の体重、及び個人において所望の応答を誘発する抗体又は抗体部位の能力などの因子に従って変化しうる。治療有効量はまた、抗体又は抗体部位の治療上有益な効果が、毒性又は有害な効果を上回る量である。「予防有効量」は、用量及び必要とされる期間の点で、所望の予防結果を達成するために有効な量を指す。典型的に、予防的用量は、疾患の前又は疾患の初期段階で使用されるので、予防有効量は、治療有効量より少なくてもよい。 【0067】 用法は、最適な所望の応答(例えば、治療又は予防応答)を提供するように調節することができる。例えば、単回ボーラスが投与されうるし、数回に分けた用量がある期間に渡り投与されうるし、又は治療の状況の危急度により指示されるように比例して低減又は増加されてもよい。投与を簡単にするため及び用量の均一性のため、用量単位形態の経口組成物に剤形することは特に利点がある。本明細書中に使用される用量単位形態は、治療される哺乳動物対象用の単一用量として調節された物理的に分離された単位を指し;予め決められた量の活性化合物を含む各単位は、所望の医薬担体と合わせて所望の治療効果を産生するように計算された。本発明の用量単位形態についての詳細は、(a)抗MAdCAM抗体又はその部位、及び達成される特定の治療又は予防効果、並びに(b)各個人における過敏症の治療のための抗体などを混合する技術に特有の制限によって、そしてそれらに直接左右されて決定される。 【0068】 本発明の抗体又は抗体部位の治療又は予防有効量のための例示の非制限的な範囲は、0.025〜50mg/kgであり、より好ましくは0.1〜50mg/kgであり、より好ましくは0.1〜25、0.1〜10、又は0.1〜3mg/kgである。いくつかの実施態様では、製剤は、20mM酢酸ナトリウム、pH5.5、140mM・NaCl、及び0.2mg/mlポリソルベート80の緩衝液中に5mg/mlの抗体を含む。別の実施態様では、例えば、静脈内用途のための製剤は、2.73mg/mlの酢酸ナトリウム・三水和物、45mg/mlのマンニトール、0.02mg/mlの二ナトリウムEDTA二水和物、0.2mg/mlのポリソルベート80であって、氷酢酸でpHを5.5に調節された溶液中に10mg/mlの抗体を含む。別の実施態様では、例えば、皮下又は皮内用途のための製剤は、50mg/mlの抗体、2.73mg/mlの酢酸ナトリウム三水和物、45mg/mlのマンニトール、0.02mg/mlの二ナトリウムEDTA二水和物、0.4mg/mlのポリソルベート80であって、氷酢酸でpH5.5に合わせられたものを含む。用量は、治療する病気のタイプ及び重篤度によって変わりうることに注意すべきである。任意の個々の対象について、具体的な用法は、個人の要求及び組成物の投与者若しくは組成物投与の監督者の専門的な判断に従って、ある期間にわたり調節されるべきであり、そして本明細書中に記載される投与範囲は、例示の目的のみであり、そして特許請求される組成物の範囲又は実施を制限するものとして意図されない。 【0069】 1の実施態様では、抗体は、約5.0〜約6.6の範囲のpHを有し、そして約1mg/ml〜約200mg/mlの抗体、約1ミリモル濃度〜約100ミリモル濃度のヒスチジン緩衝液、約0.01mg/ml〜約10mg/mlのポリソルベート80、約100ミリモル〜約400ミリモル濃度のトレハロース、及び約0.01ミリモル濃度〜約1.0ミリモル濃度の二ナトリウムEDTA二水和物を含む滅菌水溶液として製剤で投与される。 【0070】 本発明の別の態様は、本発明の抗MAdCAM抗体又は抗体部位を含むキット、又はかかる抗体を含む組成物を提供する。キットは、抗体又は組成物に加えて、診断薬又は治療薬を含んでもよい。キットは、診断方法又は治療方法において使用するための指示を含むことができる。好ましい実施態様において、キットは、抗体、又は抗体と以下に記載される方法において使用することができる診断薬とを含む組成物を含む。別の好ましい実施態様において、キットは、抗体、又は抗体と以下に記載される方法において使用できる1以上の治療薬とを含む組成物を含む。 【0071】 遺伝子治療 本発明において使用される抗体は、抗体を必要とする患者に、遺伝子治療を介して投与することができる。当該治療は、インビボ又はイクスビボであってもよい。好ましい実施態様では、重鎖及び軽鎖をコードする核酸分子は、患者に投与される。より好ましい実施態様では、核酸分子は、B細胞の染色体中に安定して組み込まれるように投与される。なぜなら、これらの細胞は、抗体産生に特化しているからである。好ましい実施態様では、前駆B細胞は、イクスビボでトランスフェクションされるか、又は感染され、そして治療を必要とする患者に移植される。別の実施態様では、前駆B細胞又は他の細胞は、関心の細胞型に感染することが知られている組換えウイルスを使用して、インビボで感染される。遺伝子治療で使用される典型的なベクターは、リポソーム、プラスミド、及びウイルス・ベクターを含む。代表的なウイルスベクターは、レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルスである。インビボ又はイクスビボでの感染後、抗体発現レベルは、治療された患者からサンプルをとり、そして当該技術分野に知られているか又は本明細書中に記載されている任意の免疫アッセイを使用することによりモニターすることができる。 【0072】 好ましい実施態様において、遺伝子治療法は、抗MAdCAM抗体の重鎖又はその抗原結合部位をコードする単離核酸分子を投与し、そして核酸分子を発現させるステップを含む。別の実施態様では、遺伝子治療方法は、抗MAdCAM抗体の軽鎖又はその抗原結合部位をコードする単離核酸分子を投与し、そして核酸分子を発現させるステップを含む。より好ましい方法では、遺伝子治療方法は、本発明の抗MAdCAM抗体の重鎖又はその抗原結合部位をコードする単離核酸分子、及び軽鎖又はその抗原結合部位をコードする単離核酸分子を投与し、そして核酸分子を発現させるステップを含む。遺伝子治療方法はまた、他の抗炎症薬又は免疫調節薬を投与するステップを含んでもよい。 【0073】 抗MAdCAM抗体によるα4β7/MAdCAM依存性接着の阻害 本発明は、MAdCAMに結合し、そしてα4β7インテグリンを有する細胞のMAdCAMへの結合及び接着、又は他の同属リガンド、例えばL-セレクチンなどのMAdCAMへの結合及び接着を阻害する抗MAdCAM抗体の使用を提供する。好ましい実施態様において、MAdCAMは、ヒト由来であり、そして可溶性の形態であるか、又は細胞の表面上に発現される。別の好ましい実施態様では、抗MAdCAM抗体はヒト抗体である。別の実施態様では、抗体又はその部分は、α4β7とMAdCAMとの間の結合を、50nM以下のIC50値で阻害する。好ましい実施態様では、IC50値は、5nM以下である。より好ましい実施態様では、IC50値は、5nM未満である。より好ましい実施態様では、IC50値は、0.05μg/ml、又は0.04μg/l、0.03μg/ml未満である。別の好ましい実施態様では、IC50値は、0.5μg/ml、0.4μg/ml、又は0.3μg/ml未満である。IC50値は、当該技術分野に知られている任意の方法により測定することができる。典型的に、IC50値は、ELISA又は接着アッセイにより測定できる。好ましい実施態様では、IC50値は、もともとMAdCAMを発現する細胞又は組織、或いはMAdCAMを発現するように操作された細胞又は組織を使用して、接着アッセイにより測定される。 【0074】 本明細書中に他に定義されないかぎり、本発明に関して使用される科学用語及び技術用語は、当業者により通常理解される意味を有するとする。さらに、文脈により他に必要とされない限り、単数形は、複数形を含み、複数形は単数形を含むものとする。一般的に、細胞及び組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学、タンパク質及び核酸化学、及び本明細書中に記載されるハイブリダイゼーションの関係で使用される用語及び技術は、当該技術分野に周知であり、そして一般的に使用されるものである。本発明の方法及び技術は、一般的に当該技術分野に周知の慣用方法に従って行われ、そして他に記載がない限り、本明細書を通じて引用され及び議論される種々の一般的な参考文献及びより具体的な参考文献に記載されるように行われる。例えば、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 第二版, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1989) 及びAusubelら, Current Protocols in Molecular Biology, Greene Publishing Associates (1992), 及びHarlow及びLane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y. (1990)を参照のこと。これらの文献は本明細書中に援用される。酵素反応及び精製技術は、当該技術分野において一般的に行われるように、又は本明細書中に記載されるように、製造説明書に従って行われる。標準技術は、化学合成、化学分析、医薬の調製、製剤化、及びデリバリー、並びに患者の治療に使用される。 【0075】 「ポリペプチド」という用語は、天然タンパク質又は人工タンパク質、タンパク質断片、及びタンパク質配列のポリペプチドアナログを含む。ポリペプチドは、モノマー又はポリマーであってもよい。 【0076】 「単離タンパク質」又は「単離ポリペプチド」という用語は、その起源又は由来元のために、(1)その自然の状態においてタンパク質又はポリペプチドに付随している天然関連成分を伴わず、(2)同じ種由来の他のタンパク質を伴わず、(3)異なる種由来の細胞により発現され、又は(4)天然では生じないタンパク質又はポリペプチドである。こうして、化学的に合成されるポリペプチド、又は当該ポリペプチドがもともと由来する細胞とは異なる細胞系において合成されるポリペプチドは、その天然関連成分から「単離される」であろう。タンパク質はまた、当該技術分野に周知のタンパク質精製技術を使用して、単離することにより、天然関連成分を実質的に含まないようにすることができる。 【0077】 タンパク質又はポリペプチドは、少なくとも約60〜75%の試料が、ポリペプチドの単一種を示す場合、「実質的に純粋」であり、「実質的に均一」であり、又は「実質的に精製」されている。ポリペプチド又はタンパク質は、モノマーで合ってもよいし、又はマルチマーであってもよい。実質的に純粋なポリペプチド又はタンパク質は、典型的に約50%、60%、70%、80%、又は90%W/Wのタンパク質サンプルを含むであろうし、より一般的に約95%、そして好ましくは99%超であろう。タンパク質の純度又は均一性は、当業者に周知の多数の方法、例えばタンパク質サンプルをポリアクリルアミドゲル電気泳動し、続いて当業者に周知の染色でゲルを染色した際、単一のポリペプチドバンドを可視化することにより、示されるであろう。ある目的のため、高い分解能は、HPLC又は精製の分野において周知の他の方法を使用することにより提供されてもよい。 【0078】 本明細書中で使用される「ポリペプチド断片」という用語は、アミノ末端及び/又はカルボキシ末端欠失を有するポリペプチドを指す。いくつかの実施態様では、断片は、少なくとも5、6、8、又は10アミノ酸長である。別の実施態様では、断片は少なくとも14アミノ酸長であり、より好ましくは少なくとも20アミノ酸長であり、通常少なくとも50アミノ酸長であり、さらにより好ましくは少なくとも70、80、90、100、150、又は200アミノ酸長である。 【0079】 本明細書中で使用される「ポリペプチド・アナログ」という用語は、アミノ酸配列の一部に実質的に同一性を有し、そして以下の性質: (1) 適切な結合条件下においてMAdCAMへの特異的結合性、 (2) α4β7インテグリン及び/又はL-セレクチンのMAdCAMへの結合を阻害する能力、又は (3) インビトロ又はインビボにおいてMAdCAMの細胞表面発現を低減する能力 のうちの少なくとも1を有する少なくとも25個のアミノ酸の断片を含むポリペプチドを指す。典型的に、ポリペプチド・アナログは、天然配列に関して保存的アミノ酸置換(又は挿入若しくは欠失)を含む。アナログは、典型的に少なくとも20アミノ酸長であり、好ましくは少なくとも50、60、70、80、90、100、150、200アミノ酸長以上であり、そしてしばしば全長天然ポリペプチドと同じ長さでありうる。 【0080】 「免疫グロブリン」は、テトラマー分子である。天然免疫グロブリンにおいて、各テトラマーは、2個の同一のポリペプチド鎖から構成され、各ペアは、1の軽鎖(約25kDa)及び1の「重鎖」(約50〜70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部分は、抗原認識に関与する約100〜110以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端は、エフェクター機能に主に関与する定常領域を規定する。ヒト軽鎖は、κ及びλ軽鎖に分類される。重鎖は、μ、δ、γ、α、又はεに分類され、そしてそれぞれ抗体のイソ型:IgM、IgD、IgG、IgA、及びIgEを規定する。軽鎖及び重鎖の中に、可変領域及び定常領域が、約12以上のアミノ酸の「J」領域により結合され、重鎖はまた、約10以上のアミノ酸の「D」領域も含む。一般的にFundamental Immunology,Ch.7(Paul, W.,編、第二版、Raven Press, N.Y. (1989)を参照のこと(その全てを全ての目的のために援用する)。各軽鎖/重鎖対の可変領域は、未変性の免疫グロブリンが2個の結合部位を有するように抗体結合部位を形成する。 【0081】 免疫グロブリン鎖は、相補性決定領域、つまりCDRとも呼ばれる3個の超可変性領域を結合する比較的保存されたフレームワーク領域(FR)で表される同じ一般的構造を示す。各ペアの2個の鎖由来のCDRは、フレームワーク領域により位置をあわせされて、エピトープ特異的結合部位を形成する。N末端からC末端において、軽鎖及び重鎖の両方が、FR1、CDR1、FR2、CDR2、FR3、CDR3、及びFR4を含む。各ドメインへのアミノ酸の割り当ては、カバト(Kabat)則、Sequences of Proteins of Immunological Interest (National Institutes of Health, Bethesda, Md. (1987及び1991)) or Chothia & Lesk, J. Mol. Biol., 196:901-917(1987); Chothiaら, Nature, 342:878-883(1989)に従っている。これらの文献は、その全てを本明細書中に援用される。 【0082】 「抗体」は、未変性の免疫グロブリンを指すか、又はその抗原結合部位であって、未変性の抗体と特異的結合性について競合するものを指す。いくつかの実施態様において、抗体は、その抗原結合部位である。抗原結合部位は、組換えDNA技術により、又は未変性の抗体を酵素的又は化学的に切断することにより製造されてもよい。抗原結合部位は、とりわけ、Fab、Fab'、F(ab’)2、Fv、dAb、及び相補性決定領域(CDR)断片、一本鎖抗体(scFV)、キメラ抗体、ディアボディ、及びポリペプチドに特異的抗原結合性を与えるために十分である免疫グロブリンの少なくとも1部を含むポリペプチドを含む。Fab断片は、VL、VH、CL、及びCH1ドメインからなる一価断片であり;F(ab)2断片は、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により結合される2個のFab断片を含む二価の断片であり;Fd断片は、VH及びCH1ドメインからなり;Fv断片は、抗体の1の腕のVL及びVHドメインからなり;そしてdAb断片(Wardら、Nature, 341 :544-546(1989))は、VHドメインからなる。 【0083】 本明細書中に使用されるとき、例えば1.7.2、1.8.2、6.14.2、6.34.2、6.67.1、6.77.2、7.16.6、7.20.5、7.26.4、又は9.8.2と呼ばれる抗体は、同じ名前のハイブリドーマにより産生されるモノクローナル抗体である。例えば、抗体1.7.2は、ハイブリドーマ1.7.2により産生される。6.22.2-mod、6.34.2-mod、6.67.1-mod、6.77.1-mod、又は7.26.4-modと呼ばれる抗体は、その配列が、その相当する親から、部位特異的突然変異誘導により改変されたモノクローナル抗体である。 【0084】 一本鎖抗体(scFv)は、VL及びVH領域が対となり、一本のタンパク質鎖として作ることを可能にする合成リンカーを介して一価分子を形成する抗体である(Birdら., Science, 242:423-426 (1988) 及び Hustonら, Proc. Waff. Acad. Sci. USA, 85:5879-5883 (1988))。ディアボディは、二価の二重特異性抗体であり、ここでVH及びVLドメインが一本のポリペプチド鎖上で発現されるが、短すぎて同じ鎖上の2個のドメイン間において対形成できないリンカーを使用し、それにより当該ドメインを、別の鎖の相補的ドメインと対形成をさせて、そして2個の抗原結合部位を作成する(例えば、Holliger, P.ら, Proc. Nail. Acad. Sci. USA, 90: 6444-6448 (1993) 及び Poljak, R. J.ら, Structure, 2:1121-1123 (1994))。本発明の抗体由来の1以上のCDRは、共有結合により又は非共有結合により分子に取り込んで、当該分子を、MAdCAMに特異的に結合する免疫接着性にする。免疫接着性は、大きなポリペプチド鎖の一部としてCDRを取り込んでもよいし、別のポリペプチド鎖にCDRを共有結合させてもよいし、又は非共有結合的にCDRを取り込んでもよい。CDRは、関心の特定の抗原に特異的に結合するように免疫接着性を可能にする。 【0085】 抗体は、1以上の結合部位を有してもよい。1を超える結合部位が存在する場合、結合部位は、他の結合部位と同一であってもよいし、又は異なってもよい。例えば、天然の免疫グロブリンは、2個の同一の結合部位を有し、一本鎖抗体又はFab断片は、1の結合部位を有する一方、「二重特異的」又は「二機能性」抗体(ディアボディ)は、2個の異なる結合部位を有する。 【0086】 「単離抗体」は、(1)自然の状態において抗体に付随する天然関連成分、例えば他の天然関連抗体を伴わなず、(2)同種由来の他のタンパク質を含まず、(3)異なる種由来の細胞により発現され、又は(4)自然に生じない抗体である。単離抗体の例は、MAdCAMを使用してアフィニティ精製された抗MAdCAM抗体、ハイブリドーマ又は他の細胞系列においてインビトロにおいて産生された抗MAdCAM抗体、及びトランスジェニック哺乳動物又は植物から生成されたヒト抗MAdCAM抗体を含む。 【0087】 本明細書中に使用されるとき、「ヒト抗体」という用語は、可変領域及び定常領域配列が、ヒトの配列である抗体を意味する。当該用語は、ヒト遺伝子から派生された配列を有する抗体であって、例えば、潜在的な免疫原性を低減し、親和性を増加し、不所望な折り畳みなどを引き起こしうるグリコシル化部位又はシステインを除去するように変化させた抗体を含む。当該用語は、ヒト細胞に特徴的ではないグリコシル化を与えうる非ヒト細胞において組換えにより産生される抗体を包含する。当該用語はまた、ヒト免疫グロブリン重鎖及び軽鎖の遺伝子座のいくつか又は全てを含むトランスジェニックマウスにおいて産生された抗体も含む。 【0088】 一の態様では、本発明は、ヒト化抗体を提供する。いくつかの実施態様では、ヒト化抗体は、非ヒト種から派生される抗体であり、ここでフレームワーク内のあるアミノ酸及び重鎖及び軽鎖の定常ドメインが、ヒトにおいて免疫応答を避け又は無効にするように変異された。いくつかの実施態様において、ヒト化抗体は、ヒト抗体由来の定常ドメインを、非ヒト種の可変ドメインに融合することにより産生されてもよい。ヒトか抗体の作り方の例は、米国特許第6,054,297号、第5,886,152号、及び第5,877,293号に見ることができる。いくつかの実施態様では、本発明のヒト化抗MAdCAM抗体は、本発明の1以上のヒト抗MAdCAM抗体の1以上のフレームワーク領域のアミノ酸配列を含む。 【0089】 別の実施態様では、本発明は、「キメラ抗体」の使用を含む。いくつかの実施態様では、キメラ抗体は、1の抗体由来の1以上の領域と1以上の別の抗体由来の1以上の領域を含む抗体を指す。好ましい実施態様では、1以上のCDRは、本発明のヒト抗MAdCAM抗体に由来する。より好ましい実施態様では、CDRの全ては、本発明のヒト抗MAdCAM抗体に由来する。別の好ましい実施態様では、本発明の1超のヒト抗MAdCAM抗体由来のCDRが混合され、そしてキメラ抗体に適合された。例えば、キメラ抗体は、第一のヒト抗MAdCAM抗体の軽鎖由来のCDR1を含んでもよいし、第二のヒト抗MAdCAM抗体の軽鎖由来のCDR2とCDR3と混合されてもよいし、そして重鎖由来のCDRは、第三の抗MAdCAM抗体に由来してもよい。さらに、フレームワーク領域は、同じ抗MAdCAM抗体のうちの1つに由来し、1以上の異なる抗体、例えばヒト抗体に由来し、又はヒト化抗体に由来してもよい。 【0090】 「中和抗体」「阻害抗体」又はアンタゴニスト抗体は、α4β7又はα4β7発現細胞、或いは他の任意の同属リガンド又は同属リガンド発現細胞のMAdCAMへの結合を少なくとも約20%阻害する抗体である。好ましい実施態様では、抗体は、α4β7インテグリン又はα4β7発現細胞のMAdCAMへの結合を、少なくとも40%、より好ましくは60%、さらにより好ましくは80%、85%、90%、95%、又は100%低減する。結合の低減は、当業者に知られている任意の方法により計測されてもよく、例えばインビトロ競合結合アッセイにおいて計測される。α4β7発現細胞のMAdCAMへの結合の低減を計測する例は、実施例1において示されている。 【0091】 抗体の断片又はアナログは、本明細書の教示に従って、当業者により容易に調製されうる。断片又はアナログの好ましいアミノ末端化及びカルボキシ末端化は、機能的ドメインの境界付近において生じる。構造及び機能ドメインは、ヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列データーを、公共の又は私有の配列データ-ベースと比較することにより同定することができる。好ましくは、コンピューターによる比較方法は、配列モチーフ又は既知の構造及び/又は機能の他のタンパク質において生じる予測されたタンパク質コンフォメーションドメインを同定するために使用された。既知の3次元構造に折りたたまれるタンパク質配列を同定する方法が知られている(Bowieら, Science, 253:164 (1991))。 【0092】 「koff」という用語は、抗体/抗原複合体からの抗体の解離についてのオフ・レート定数を指す。 【0093】 「Kd」という用語は、特定の抗体-抗原相互作用の解離定数を指す。抗体は、解離定数が1μM以下、好ましくは100nM以下、最も好ましくは10nM以下であるとき、抗原に結合すると言われている。 【0094】 「エピトープ」という用語は、免疫グロブリン又はT細胞受容体に特異的に結合できるか、又はそうでなければ分子と相互作用できる任意のタンパク質決定基を含む。エピトープ決定基は、通常、アミノ酸又は炭水化物側鎖などの分子の化学的に活性な表面基からなり、そして三次元構造特徴、並びに特異的な荷電特徴を通常有する。エピトープは、「直線状」又は「立体構造的」であってもよい。直線状エピトープでは、タンパク質と相互作用性分子(例えば抗体)との間の相互作用の全ての点は、タンパク質の一次アミノ酸配列に沿って直線的に生じる。立体構造的エピトープでは、相互作用の点は、互いに離れたタンパク質上のアミノ酸残基に渡って生じる。 【0095】 本明細書中に使用されるとき、20の保存アミノ酸及びその省略形は、慣用に従う。例えば、Immunology - A Synthesis (第二版, E.S. Golub及びD.R. Gren編, Sinauer Associates, Sunderland, Mass. (1991))を参照のこと。当該文献は、本明細書中に援用される。20の通常のアミノ酸の立体異性体(例えば、D-アミノ酸、自然に生じないアミノ酸、例えば、α-,α-二置換アミノ酸、N-アルキルアミノ酸、乳酸、及び他の慣用されないアミノ酸が、本発明のポリペプチドの適切な構成要素であってもよい。慣用されないアミノ酸の例は、4-ヒドロキシプロリン、γカルボキシグルタメート、ε-N,N,N-トリメチルリジン、ε-N-アセチルリジン、O-ホスホセリン、N-アセチルセリン、N-ホルミルメチオニン、3-メチルヒスチジン、5-ヒドロキシリジン、s-N-メチルアルギニン、及び他の類似のアミノ酸及びイミノ酸(例えば、4-ヒドロキシプロリン)を含む。本明細書で使用されるポリペプチド表記法において、標準の用法及び慣用に従って、左側の方向がアミノ末端方向であり、そして右側の方向がカルボキシ末端方向である。 【0096】 本明細書中に記載される「ポリヌクレオチド」という用語は、少なくとも10個の塩基長のヌクレオチドのポリマー形態を意味し、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチド、又はいずれかのヌクレオチドタイプの改変形態を意味する。当該用語は、一本鎖及び二本鎖形態のDNAを含む。 【0097】 本明細書において使用される「単離ポリヌクレオチド」という用語は、ゲノム、cDNA、又は合成起源のポリヌクレオチド、又はそれらのいくつかの組合せを意味するものとし、その起源のために、「単離ポリヌクレオチド」は、(1)当該単離ポリヌクレオチドが自然の状態において発見されるポリヌクレオチドの全て又は部分を伴わず、(2)自然において結合されないポリヌクレオチドに発現可能なように結合されるか、又は(3)長い配列の一部として自然においては生じない。 【0098】 本明細書中に記載される「オリゴヌクレオチド」という用語は、天然及び非天然オリゴヌクレオチド結合により結合される天然及び改変ヌクレオチドを含む。オリゴヌクレオチドは、一般的に200塩基以下の長さを一般的に含むポリヌクレオチドサブセットである。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、10〜60塩基長であり、そして最も好ましくは12、13、14、15、16、17、18、19、又は20〜40塩基長である。オリゴヌクレオチドは、通常、プローブ用としては一本鎖であるが、オリゴヌクレオチドは、遺伝子突然変異体の構築用としては二本鎖であってもよい。本発明のオリゴヌクレオチドは、センス又はアンチセンス・オリゴヌクレオチドでありうる。 【0099】 本明細書中に記載される「天然ヌクレオチド」という用語は、デオキシリボヌクレオチド及びリボヌクレオチドを含む。本明細書中に記載される「改変ヌクレオチド」は、改変された又は置換された糖基などを有するヌクレオチドを含む。本明細書中で記載される「オリゴヌクレオチド結合」という用語は、オリゴヌクレオチド結合、例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロセレノエート、ホスホロジセレノエート、ホスホロアニロチオエート(phosphoroanilothioate)、ホスホラニラデート、ホスホロアミデートなどのオリゴヌクレオチド結合を含む。例えば、LaPlancheら, Nucl. Acids Res. 14:9081 (1986); Stecら, J. Am. Chem. Soc. 106:6077(1984); Steinら, Nucl. Acids Res., 16:3209(1988); Zonら, Anti-CancerDrug Design 6:539(1991); Zonら, Oligonucleotides and Analogues: A Practical Approach, pp. 87-108 (F. Eckstein編, Oxford University Press, Oxford England(1991)); Stecら, 米国特許第5,151,510号; Uhlmann及びPeyman, Chemical Reviews, 90:543(1990)を参照のこと。これらの開示は、本明細書中に援用される。オリゴヌクレオチドは、所望されるならば検出用のラベルを含むことができる。 【0100】 「発現可能なように結合される」配列は、関心の遺伝子と隣接している発現制御配列と、関心の遺伝子を制御するためにトランスで又は遠位で作用する発現制御配列の両方を含む配列である。本明細書中に使用される「発現制御配列」という用語は、当該配列がライゲーションするコード配列の発現及びプロセッシングに影響するために必要なポリヌクレオチド配列を指す。発現制御配列は、適切な転写開始配列、終結配列、プロモーター配列、及びエンハンサー配列;スプライシング及びポリアデニル化シグナルなどの高効率のRNAプロセッシング・シグナル;細胞質mRNAを安定する配列;翻訳効率を高める配列(つまり、Kozakコンセンサス配列);タンパク質安定性を高める配列;及び所望される場合タンパク質分泌を高める配列を含む。かかる制御配列の性質は、宿主生物に依存して異なる;原核細胞では、かかる制御配列は、一般的にプロモーター、リボソーム結合部位、及び転写終結配列を含み、真核生物では、一般的に、かかる制御配列は、プロモーター、転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、少なくとも、その存在が発現及びプロセッシングに必須である全ての構成要素を含むように意図され、そしてその存在が有利である付加的な構成要素、例えば、リーダー配列及び融合パートナー配列も含みうる。 【0101】 本明細書において使用される「ベクター」という用語は、ベクターが結合された別の核酸を輸送できる核酸分子を指すように意図される。ベクターの1タイプは、「プラスミド」であり、プラスミドは、環状の二本鎖DNAループを指し、このDNAループ中にさらなるDNA断片がライゲーションされうる。別のタイプのベクターは、ウイルスベクターであり、ここではさらなるDNA断片は、ウイルスゲノム中にライゲーションされうる。あるベクターは、それらが導入される宿主細胞中で自己複製可能である(例えば、細菌の複製起点を有する細菌ベクター及びエピソーム哺乳動物ベクター)。他のベクター(例えば、非エピソーム性哺乳動物ベクター)は、宿主細胞に導入した際に、宿主細胞のゲノム中に組み込まれ、それにより宿主ゲノムと共に複製される。さらに、あるベクターは、当該ベクターが発現可能なように結合された遺伝子の発現を導くことができる。かかるベクターは、本明細書中において「組換え発現ベクター」(又は単に「発現ベクター」)として記載される。一般的に、組換えDNA技術において利用する発現ベクターは、通常プラスミドの形態である。本明細書において、「プラスミド」及び「ベクター」は、プラスミドが最も一般的に使用されるベクターの形態であるので、交換して使用することができる。しかしながら、本発明は、そうした発現ベクターの他の形態、例えば等価の機能を果たすウイルスベクター(例えば、複製欠損レトロウイルス、アデノウイルス、及びアデノ随伴ウイルス)を含むように意図される。 【0102】 本明細書中で使用される「組換え宿主細胞」(又は単に「宿主細胞」)という用語は、組換え発現ベクターが組み込まれた細胞を指すように意図される。かかる用語は、特定の対象細胞のみではなく、かかる細胞の子孫についても指すことが意図される。後世において突然変異又は環境からの影響のため、ある種の改変が生じうるので、かかる子孫細胞は、実際に親細胞と同一でないかもしれないが、本明細書中に使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。 【0103】 本明細書中に記載される「選択的ハイブリダイズ」という用語は、検出可能かつ特異的に結合することを意味する。本発明に記載されるポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、及びそれらの断片は、ハイブリダイゼーション条件及び非特異的核酸への検出できる相当の結合量を最小化する洗浄条件下で核酸鎖に選択的にハイブリダイズする。「高厳密性」又は「高度に厳密な」条件が、当業者に知られ、そして本明細書中に記載されている選択的ハイブリダイゼーション条件を達成するために使用される。「高厳密度」又は「高度に厳密な」条件の例は、ポリヌクレオチドを別のポリヌクレオチドとインキュベーションする方法であり、ここで1のポリヌクレオチドは、6×SSPE又はSSC、50%ホルムアミド、5×デンハード試薬(Denhardt's regent)、0.5%SDS、100μg/ml変性断片化サケ精子DNAのハイブリダイゼーション緩衝液中で、42℃のハイブリダイゼーション温度、12〜16時間、メンブランなどの固相に固定されており、続いて、1×SSC、0.5%SDSの洗浄緩衝液を使用して、55℃で2回洗浄した。上記Sambrookら、pp.9.50-9.55を参照のこと。 【0104】 ヌクレオチド配列のからみで、「配列同一性割合」という用語は、最大一致になるように整列させたとき、2個の配列において同じである残基を指す。配列同一性比較の長さは、少なくとも約9個のヌクレオチド、通常少なくとも約18のヌクレオチド、より一般的に少なくとも24kのヌクレオチド、典型的に、少なくとも約28個のヌクレオチド、より典型的に少なくとも約32個のヌクレオチド、及び好ましくは少なくとも約36、48以上のヌクレオチドのストレッチに跨ってる。ヌクレオチド配列同一性を計測するために使用できる当該技術分野に知られている多くの異なるアルゴリズムが存在する。例えば、ポリヌクレオチド配列は、FASTA、Gap、又はBestfitを使用して比較することができ、これらは、Wisconsin Package Version 10.3, Accelrys, San Diego, CA. におけるプログラムである。例えばプログラムFASTA2及びFASTA3を含むFASTAは、配列整列、並びにクエリーと検索配列との間の最適重なり合わせの領域の配列同一性割合を提供する(Pearson, Methods Enzymol., 183: 63-98 (1990); Pearson, Methods Mol. Biol., 132: 185-219 (2000); Pearson, Methods Enzymol., 266: 227-258 (1996); Pearson, J. Mol. BioL, 276: 71-84 (1998)。他に特記がない限り、特定のプログラム又はアルゴリズムについてのデフォルトのパラメーターが使用される。例えば、ヌクレオチド配列間の配列同一性割合は、FASTAをそのデフォルトパラメーターで用いて(スコアリング・マトリクスについてワードサイズ6及びNOPAM因子)又はWisconsin Package Version 10.3で提供されるデフォルト・パラメーターでGapを使用して測定することができる。 【0105】 ヌクレオチド配列への参照は、他に特記されない限り、その相補配列も包含する。こうして、特定の配列を有する核酸分子は、その相補配列を有する相補鎖を包含することが理解すべきである。 【0106】 分子生物学分野において、研究者は、「配列同一性割合」、「配列類似性割合」、及び「配列ホモロジー割合」という用語を相互交換して使用する。この用途において、これらの用語は、ヌクレオチド配列のみに関して同じ意味を有するものとする。 【0107】 核酸又はその断片についていうとき、「実質的に類似」又は「実質的な配列類似性」という用語は、適切なヌクレオチド挿入又は欠失を伴って他の核酸(又はその相補鎖)と最適に整列させた場合、上記FASTA、BLAST、又はGapなどの配列同一性の周知の任意アルゴリズムにより計測したとき、少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、そしてより好ましくは少なくとも約95%、96%、97%、98%、又は99%のヌクレオチド塩基においてヌクレオチド配列同一性が存在することを指す。 【0108】 ポリペプチドについて適用したとき、「実質的に同一」という用語は、2個のペプチド配列が、最適に整列されたとき、例えばデフォルトのギャップ過重を使用するプログラムGAP又はBESFITにより、最適に整列された場合、少なくとも75%又は80%の配列同一性、好ましくは少なくとも90%又は95%配列同一性、さらにより好ましくは、少なくとも98%又は99%の配列同一性を共有することを意味する。好ましくは、同一ではない残基位置は、保存的アミノ酸置換により異なっている。「保存的アミノ酸置換」は、アミノ酸残基が類似の化学性質(例えば、荷電又は疎水性)を有する側鎖を持つ別のアミノ酸残基により置換される置換である。一般的に、保存的アミノ酸置換は、タンパク質の機能性質を実質的に変化させないであろう。2以上のアミノ酸配列が、保存的置換により互いに異なる場合、配列同一性割合又は類似度は、置換の保存的性質について補正するために上方調節されてもよい。この調節を行う方法は、当業者に周知である。例えば、Pearson, Methods. Mol. Biol., 24:307-31(1994)を参照のこと。当該文献は本明細書中に援用される。類似の化学性質を有する側鎖を持つアミノ酸の基の例は、1)脂肪族側鎖:グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン;2)脂肪族-ヒドロキシル側鎖:セリン及びスレオニン;3)アミド含有側鎖:アスパラギン及びグルタミン;4)芳香族側鎖:フェニルアラニン、チロシン、及びトリプトファン;5)塩基性側鎖:リジン、アルギニン、及びヒスチジン;及び6)硫黄含有側鎖:システイン及びメチオニンを含む。好ましい保存アミノ酸置換基は:バリン-ロイシン-イソロイシン、フェニルアラニン-チロシン、リジン-アルギニン、アラニン-バリン、グルタミン酸-アスパラギン酸、及びアスパラギン-グルタミンである。 【0109】 或いは、保存的置換は、Gonnetら, Science, 256:1443-45(1992)に開示されるPAM250対数尤度マトリックスにおける正の値を有する任意の変化である。当該文献は、本明細書中に援用される。「中程度に保存的」置換は、PAM250対数尤度マトリックスにおいて、負ではない値を有する任意の変化である。 【0110】 ポリペプチドに対する配列類似性は、典型的に配列分析ソフトウェアを使用して計測される。タンパク質分析ソフトウェアは、保存的アミノ酸置換を含む種々の置換、欠失、及び他の改変に割り当てられる類似性の計測を使用して、類似配列を適合させる。例えば、GCGは、「Gap」及び「Bestfit」などのプログラムを含み、当該プログラムは、デフォルト・パラメーターで使用して、密接に関連したポリペプチド間、例えば異なる種の生物由来の同族ポリペプチド間、或いは野生型タンパク質とその突然変異タンパク質との間の配列類似性又は配列同一性を測定することができる。例えば、Wisconsin package Version10.3を参照のこと。ポリペプチド配列は、デフォルト又は推奨パラメーターを使用してFASTA、WISCONSIN package Version10.3を使用して比較することができる。FASTA(例えば、FASTA2及びFASTA3)は、整列、並びにクエリーと検索配列との間の最良の重なりの領域の配列同一性割合を提供する(Pearson(1990);Pearson(2000))。本発明の配列を、異なる生物由来の多数の配列を含むデーターベースに比較するとき、別の好ましいアルゴリズムは、デフォルトパラメーターを使用したコンピューター・プログラムBLASTであり、特にblastp又はtblastnである。例えばAltschulら, J. Mol. Biol. 215: 403-410 (1990); Altschulら, Nucleic Acids Res. 25:3389-402 (1997)を参照のこと。これらは本明細書中に援用される。 【0111】 ホモロジ-について比較されるポリペプチド配列の長さは、一般的に少なくとも約16アミノ酸残基、通常少なくとも約20残基、より一般的には少なくとも約24残基、典型的には少なくとも約28残基、そして好ましくは、約35残基超であろう。多くの異なる生物由来の配列を含有するデータ-ベースを検索する場合、アミノ酸配列を比較することは好ましい。 【0112】 本明細書において使用されるとき、「標識」又は「標識された」は、抗体に別の分子を取り込むことを指す。1の実施態様では、標識は、検出可能マーカー、例えば、放射性標識されたアミノ酸の取り込み、又はポリペプチドへのビオチン成分の結合を含む。ビオチン成分は、マークされたアビジン(例えば、蛍光マーカー又は光学又は着色方法により検出することができる蛍光マーカー又は酵素的活性を含むストレプトアビジン)により検出することができる。別の実施態様では、標識又はマーカーは、治療薬、例えば薬物複合体又は毒素でありうる。ポリペプチド及び糖タンパク質を標識する様々な方法は、当該技術分野に知られており、そして使用されてもよい。ポリペプチドの標識の例は、非限定的に以下:放射性同位体又は放射性核種(例えば3H、14C、15N、35S、90Y、99Tc、111In、125I、131I)、蛍光標識(例えば、FITC、ローダミン、ランタニド・リン(lanthanide Phosphous)、酵素標識(例えば、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、βガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼ)化学発酵マーカー、ビオチニル基、二次レポーターにより認識される予め決められたポリペプチド・エピトープ(例えば、ロイシンジッパー対配列、2次抗体結合部位、金属結合ドメイン、エピトープ・タグ)、磁性剤、例えばガドリニウム・キレート、毒素、例えば百日咳毒素、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、エチジウム・ブロミド、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テノポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルシシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシ・アンスラシン・ジオン、ミトキサントロン、ミスラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロパノロール、及びピューロマイシン、及びそれらのアナログ又はホモログを含む。いくつかの実施態様では、標識は、種々の長さのスペーサー腕により取り付けられて、起こりうる立体障害を低減する。 【0113】 【表1】
【0114】 【表2】
【0115】 【表3】
【0116】 【表4】
【0117】 【表5】
【0118】 【表6】
【0119】 【表7】
【0120】 【表8】
【0121】 【表9】
【0122】 【表10】
【0123】 【表11】
【0124】 【表12】
【0125】 【表13】
【0126】 【表14】
【0127】 【表15】
【0128】 【表16】
【0129】 【表17】
【0130】 【表18】
【0131】 【表19】
【0132】 【表20】
【0133】 【表21】
【0134】 【表22】
【0135】 【表23】
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| 【出願人】 |
【識別番号】597014501 【氏名又は名称】ファイザー・リミテッド 【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited 【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
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| 【出願日】 |
平成18年7月7日(2006.7.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100099759 【弁理士】 【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100077517 【弁理士】 【氏名又は名称】石田 敬
【識別番号】100087871 【弁理士】 【氏名又は名称】福本 積
【識別番号】100087413 【弁理士】 【氏名又は名称】古賀 哲次
【識別番号】100108903 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 和広
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| 【公開番号】 |
特開2007−16030(P2007−16030A) |
| 【公開日】 |
平成19年1月25日(2007.1.25) |
| 【出願番号】 |
特願2006−188327(P2006−188327) |
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