| 【発明の名称】 |
複室容器 |
| 【発明者】 |
【氏名】丹羽 誠司
【氏名】廣田 幸司
【氏名】細井 克之
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| 【要約】 |
【課題】本発明は軟弱合成樹脂フィルムにて形成された薬液バッグと薬液バッグに取り付けられる薬剤容器とを備え、薬剤バック中の薬剤と薬剤容器中の薬剤とを混合して薬剤容器より排出するようにした複室型容器に関し、薬剤を確実に混合させた上排出を行わせるようにすることを目的とする。
【解決手段】排出口12に、薬剤バッグ10の第1及び第2の隔室20, 22に開口する第1及び第2の開口部25, 26と、第1及び第2の開口部25, 26を開閉する開閉制御弁を装着する。開閉制御弁は第1位置では、薬剤バッグ10の第1及び第2の隔室20, 22の薬液を分離保持し、ゴム栓32の穿刺にかかわらず薬液の排出を阻止する。開閉制御弁は第1位置から第2位置に移動されると、第1及び第2の開口部25, 26を開放し、薬剤バッグ10の第1及び第2の隔室20, 22の薬液を連通孔34を介して排出口12に連通し、ゴム栓32の穿刺により混合薬液の排出を可能とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 可撓性フィルムにて形成され、内部空洞をそれぞれの薬液の収納のための複数の隔室に分離するべく薬液バッグの対抗面を溶着して成る溶着部を供えた薬液バッグと、薬液の排出のため輸液セットにより穿刺される栓体を備えた排出口とを備えた複室容器であって、前記排出口は夫々の隔室への開口部を形成した本体と前記本体に移動可能に設けられた弁体とから成る開通制御弁を備え、前記弁体は本体の前記夫々の開口部を栓体の側に対して遮断する第1の位置と、夫々の開口部を栓体の側に連通する第2の位置との間を移動される複室容器。 【請求項2】 請求項1に記載の発明において、前記弁体は前記第1の位置と第2の位置との間を直線移動される複室容器。 【請求項3】 請求項1に記載の発明において、前記弁体は前記第1の位置と第2の位置との間を回転される複室容器。 【請求項4】 可撓性素材にて形成され、内部空洞が弱シール部により対向面が溶着部により溶着されることにより複数の隔室に区画され、それぞれの隔室に薬液を封入した薬液バッグと、夫々の隔室に開口可能であり、薬液バッグからの薬液を排出させるための排出口とを備えた複室容器により輸液作業を行う方法であって、輸液作業を行うに先立って前記排出口に前記排出口に夫々の隔室への開口部を形成した本体と前記本体に移動可能に設けられた弁体とを備えた開通制御弁を装着し、通常は本体の夫々の開口部を閉鎖しておくべく弁体を位置させておくが、輸液作業実施のため本体の夫々の開口部を開口させるように本体内において弁体を移動させることにより夫々の隔室の薬液を混合させることにより輸液作業を開始するようにした輸液方法。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 この発明は、内部空洞がシール部によって分離されることにより、それぞれが別個に薬液を封止収納する複数の隔室を形成した薬液バッグより成り、夫々の隔室からの薬液が混合された後に排出口より排出させるようにした複室容器に関する。 【背景技術】 【0002】 輸液用複室容器においては、軟弱フィルムを素材とする薬液バッグの対抗面を相対的に低温にて溶着して成る弱シール部によってそれぞれ異なった薬液を収容する複数の隔室に分離したものがある。薬液バッグの外周には、プラスチック成型品としての排出口が設けられ、排出口は筒状に形成され、その内部空洞は一端側で一方の隔室に開口しているが、他端にはゴム栓が設けられている。患者への薬液の投与に先立って薬液バッグを外側から加圧することによって弱シール部が開通せしめられ、薬液バッグの内部空洞は一室となるため2種類の薬液は混合され、輸液セットの穿刺針によりゴム栓を穿刺し、薬液バッグよりの薬液の投与が可能となる。従って、この種の医療用混合型複室容器においては薬液の投与に先立って弱シール部の開通を行うことにより両液を混合せしめる作業は必須であり、他方、弱シール部の開通を行わないままで排出口におけるゴム栓の穿刺を行うと、排出口側の隔室における薬液のみが投与されてしまうという誤操作の可能性があった。この問題点に対処する従来技術として、薬液バッグの内部空洞を二つの隔室に分離する第1の弱シール部に加えて、排出口の直前に第2の弱シール部を設け、第1の弱シール部の開通に要する圧力に対して第2の第2の弱シール部を同等若しくはそれ以上とすることにより、第1の弱シール部次いで第2の弱シール部の順序で開通されるようにし、これにより薬液の混合後に排出が行われるようにしたものが提案されている(特許文献1参照)。 【特許文献1】特開平9−327498号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 特許文献1の技術は二つの隔室を分離する第1の弱シール部に加えて排出口の直前に第2の弱シール部を設け、これらの弱シール部を順次開通させることで未混合のままの薬液の投与を防止しようとしているが、弱シール部を2個所設けているため、製造工程が複雑化し、コスト増となり、ユーザ側に2段階の加圧による開通作業を強いることになり、作業性としては必ずしも良くなかった。また、薬液バッグの加圧の仕方によっては第1の弱シール部→第2の弱シール部の順序によって必ずしも開通されるとは限らず、排出口側の第2の弱シール部が先に開通されてしまうと、投与作業にそのまま移行してしまう可能性があり、この場合は未混合で1液のみ投与されてしまう結果となっていた。 【0004】 この発明は以上の問題点に鑑みてなされてものであり、未開通の状態では投与を行い得ない多液混合型の薬液バッグの新規な構造を提供し、製造コストが低廉でありかつユーザ側の作業性が良好であるにもかかわらず、未混合のままで投与が行われてしまうという誤操作の可能性をより確実に排除することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0005】 この発明になる複室容器は、可撓性フィルムにて形成された薬液バッグの内部空洞は薬液バッグの対抗内面を所定ラインにて溶着することにより複数の隔室に分離される。薬液バッグには薬液の排出のためのプラスチック成形品としての排出口が溶着などにより固定され、かつ排出口は夫々の隔室への開口部を形成した本体と、前記本体に移動可能に設けられた弁体とからなる開通制御弁により構成される。前記弁体は通常(封止時)は本体の前記夫々の開口部を栓体の側に対して遮断する第1の位置をとるが、輸液時には夫々の開口部を開口を栓体の側に連通する第2の位置との間を移動され、その間に夫々の隔室からの薬液は混合され、排出口の端部に設けられたゴム栓を輸液セットにより穿刺することにより混合薬液の排出(輸液)を実施することができる。 【0006】 弁体は手動操作により駆動され、第1位置と第2位置との間での移動は回転式であってもし、直線移動により第1位置と第2位置との間での弁体の移動を行わせるようにしてもよい。 弁体には必要に応じて、パッキング(シール)部材を適用することもできる。 【発明の効果】 【0007】 弁体を使用することにより、未開封状態において複数の隔室間で薬液の分離を確実に行い、かつ誤操作により穿刺されることがあっても薬液の排出が行われてしまうことがなく、また輸液時には弁体を回転若しくは直線移動式に手動操作することで、薬液を確実に混合した上で、排出口より排出することができる。 【発明を実施するための最良の形態】 【0008】 図1において、複室容器は薬液の収納のための平坦状の薬液バッグ10と、薬液バッグ10の外周部に固定される排出口12とから構成される。薬液バッグ10は厚さ200ミクロンといったポリエチレンフィルムなどの多層構造の合成樹脂軟弱フィルム(本発明の可撓性フィルム)を素材とする。2枚の合成樹脂フィルム切片はその外周にてその軟化温度より十分高い高温(ポリエチレンの場合は130℃程度)にて加圧されることにより形成された外周溶着部14により封止され、実質的に矩形の袋状をなしている。外周溶着部14には懸垂孔16が穿設され、この懸垂孔16によって薬液バッグ10を点滴台などに吊り下げ保持し、点滴等の輸液作業を行うことになる。 【0009】 薬液バッグ10の長さ方向における中間部位において実質的に全長にわたって外周溶着部14と同等の温度で溶着された中央溶着部18が延びており、中央溶着部18によって薬液バッグ10の表裏対抗内面が接着され、薬液バッグ10の内部空洞は第1隔室20と第2隔室22とに区画される。第1隔室20に第1薬液が充填され、第2隔室22に第2薬液が充填される。 【0010】 排出口12は、その形態を維持しうる剛性を有した肉厚を有した合成樹脂(薬液バッグ10との密着性を得るため薬液バッグ10と同一プラスチック素材とするのが好ましい)の成形品である。排出口12は図1で上端12Aは閉じているが下端筒状部12Bは開口する。薬液バッグ10の外周の外周溶着部14を構成する上下フィルムは排出口12の下端筒状部12Bを介して溶着されている。また、排出口12の上端部12Aに、薬液バッグ10の内部空洞を第1隔室20と第2隔室22とに区画する中央溶着部18が延びてきており、排出口12の本体外周部はこれに溶着される溶着部14, 18と協働することで、薬液バッグ10の内部空洞を第1隔室20と第2隔室22とに区画するための分離面として役立っている。筒状本体としての排出口12は外周部に第1及び第2の開口部25, 26を有し、第1及び第2の開口部25, 26は薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22に夫々開口している。排出口12の内部にはねじ式の弁体28を備えた開通制御弁が設けられ、弁体28は上端が閉じた筒状に形成され、排出口12に対して摺動及び回転可能となっている。弁体28の下端28Aは外周にねじ部28A-1を形成しており、弁体28の下端28Aのこのねじ部28A-1は排出口12の下端12Bのねじ部12B-1に螺合されている。ねじ部28A-1及び12B-1の螺合による弁体28の回転(図3矢印a)は90度の範囲で可能となっている。また、弁体28は下端に手動による弁体28の回転操作のためのハンドル部30を備え、また、輸液セットの穿刺針36による穿刺されるゴム栓32(この発明の栓体)を備えている。 【0011】 開通制御弁の弁体28は上端部に連通孔34を形成しており、図1は弁体28の閉鎖状態を示しており、この場合、排出口12の第1及び第2の開口部25, 26は弁体28により閉鎖され、薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22は排出口12に対して閉鎖されている第1位置をとる。ハンドル部30の手動操作により弁体28を第1位置から回してゆくと、弁体28は排出口12に対して図1の上方に変位され、弁体28の90度の回転が行われると、図2に示すように、排出口12の第1及び第2の開口部25, 26は弁体28の連通排出口12に対して弁体孔34に開口された第2位置をとり、薬液バッグ10の第1及び第2隔室20, 22は排出口12の内部に連通せしめられ、第1及び第2隔室20, 22の第1及び第の薬液は排出口12において混合せしめられ、混合薬液は輸液セットの穿刺針36によるゴム栓32を穿刺することにより排出口12より排出することができる。 【0012】 以上のようにこの発明では薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22の薬液を排出口12に設けた弁体28の閉鎖位置においては完全分離状態としておき、弁体28の開弁操作により排出口12において混合させてから輸液セットによる排出を行わしめ、薬液を確実に混合状態で排出せしめることができ、未混合の状態で薬液の排出が行われてしまうとこを確実に阻止することができる。 【0013】 図示はしていないが、弁体28の閉鎖状態におけるシールの確保のため、弁体28の外周部に第1及び第2の開口部25, 26の夫々を挟んでOリングなどのパッキング部材を設けることができる。 【0014】 図4は第2実施形態を示しており、この実施形態では排出口112に対して上下スライド型の弁体128が図4の矢印bのように上下摺動自在に設けられる。図4(イ)に示す弁体128の閉鎖状態(第1位置)では、排出口112の連通孔125, 126は排出口112により閉鎖され、薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22内の薬液は分離保持され、ゴム栓132を穿刺しても薬液の排出は行われない。図4(イ)に示す位置から弁体128を下降操作させ、(ロ)の開放状態(第2位置)とすることによりは、排出口112の連通孔125, 126は弁体128の連通孔134を介して排出口112の内部に連通され、薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22内の薬液は排出口112に導入されて、ここで混合される。そのため、ゴム栓132を輸液セットの穿刺針により穿刺することにより混合薬液の排出が行われる。この実施形態においても、シール確保のため、閉鎖状態において第1及び第2の開口部125, 126の夫々を挟んでOリングなどのパッキング部材を設けることが好ましい。 【0015】 図5はこの発明の第3の実施形態を示しており、この実施形態ではディスク型の弁体228が設けられる。ディスク型の弁体228は円盤状の上下が閉じた排出口212内に回転可能に収納されている。排出口212は外周に略90度の角度範囲で延びる連通孔225, 226を形成しており、連通溝(孔)225, 226は薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22に夫々開口する。排出口212は連通孔225, 226に対向して略180度弱にわたって弁体228の半分程度の厚みで延びる連通溝(孔)234を備えており、連通溝(孔)234はゴム栓232に開口している。連通溝(孔)234は直径方向の連通孔234'を介して連通溝(孔)225, 226を分離する壁部235まで延びている。 【0016】 図5の第3実施形態の動作を説明すると、図5(イ)に示す弁体228の閉鎖状態では、排出口212の連通溝225, 226は排出口212により閉鎖され、薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22内の薬液は分離保持され、ゴム栓232を穿刺しても薬液の排出は行われない。図5(イ)に示す位置から弁体228を略180度回転操作させ、(ロ)の開放状態とすることによりは、排出口212の連通孔225, 226は弁体228の連通溝234及び連通孔234'介して排出口212の出口部212'に連通され、薬液バッグ10の内部における第1及び第2隔室20, 22内の薬液は排出口212の出口部212'に導入されて、ここで混合される。そのため、ゴム栓232を輸液セットの穿刺針により穿刺することにより混合薬液の排出を行ことができる。 【図面の簡単な説明】 【0017】 【図1】図1はこの発明の複室型容器の概略的平面図あり、排出口の閉鎖状態(開通制御弁の第1位置)を示す。 【図2】図2は図1の複室型容器における排出口付近の部分図であり、排出口の開放状態(開通制御弁の第2位置)を示す。 【図3】図3は図1のIII−III線に沿った矢視図である。 【図4】図4はこの発明の第2実施形態であるの概略図を示し、(イ)は排出口の閉鎖状態、(ロ)は排出口の開放状態を示す。 【図5】図5はこの発明の第3実施形態であるディスク型開通制御弁の概略図を示し、(イ)は排出口の閉鎖状態、(ロ)は排出口の開放状態を示す。 【符号の説明】 【0018】 10…薬液バッグ 12…排出口 14, 18…溶着部 20, 22…第1及び第2隔室 25, 26…第1及び第2の開口部 28…弁体 30…回転操作のためのハンドル部 32…ゴム栓32(この発明の栓体) 36…輸液セットの穿刺針
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000066 【氏名又は名称】味の素株式会社
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| 【出願日】 |
平成18年2月2日(2006.2.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088731 【弁理士】 【氏名又は名称】三井 孝夫
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| 【公開番号】 |
特開2007−202810(P2007−202810A) |
| 【公開日】 |
平成19年8月16日(2007.8.16) |
| 【出願番号】 |
特願2006−25418(P2006−25418) |
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