| 【発明の名称】 |
歯科用ハンドピース |
| 【発明者】 |
【氏名】中西 英一
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| 【要約】 |
【課題】ヘッド部で発生した振動が把持部に比較的伝わり難く、振動を減衰することが可能な歯科用ハンドピースを提供する。
【解決手段】歯科処置工具がスリーブに受理され、スリーブが軸受部材により回転可能に支承され、軸受部材及びスリーブがヘッド部11に収納され、ヘッド部には後方に延びる接続ネック部11aが設けられ、接続ネック部が把持部12の先端に挿着され、把持部の後端に後端ケーシング13が固定され、ヘッド部及び後端ケーシングは実質的に金属材料から形成され、把持部はケーシングが実質的に樹脂材料又はゴムから形成され、把持部の内部に軸部材14が挿通されて、軸部材によりヘッド部と把持部との連結状態が補強される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科処置工具がスリーブに受理され、該スリーブが軸受部材により回転可能に支承され、該軸受部材及び該スリーブがヘッド部に収納され、該ヘッド部には後方に延びる接続ネック部が設けられ、該接続ネック部が把持部の先端に挿着され、該把持部の後端に後端ケーシングが固定され、 前記ヘッド部及び前記後端ケーシングは実質的に金属材料から形成され、前記把持部はケーシングが実質的に樹脂材料又はゴムから形成され、 前記把持部の内部に軸部材が挿通されて、該軸部材により前記ヘッド部と前記把持部との連結状態が補強されたものである歯科用ハンドピース。 【請求項2】 前記把持部の後端に後端ケーシングを固定するための固定部材が設けられ、該固定部材に前記軸部材の後端が接続され、先端が前記接続ネック部に接続されたものである請求項1記載の歯科用ハンドピース。 【請求項3】 前記固定部材を挿着するための受け部及び螺子山を有する金属製受口部材が、前記把持部のケーシング後端に一体に設けられたものである請求項2記載の歯科用ハンドピース。 【請求項4】 前記ヘッド部と前記把持部とを相対的に位置決めするための係合部が、前記ヘッド部の接続ネック部と前記把持部の先端とにそれぞれ設けられたものである請求項1記載の歯科用ハンドピース。
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【発明の詳細な説明】【技術分野】 【0001】 本発明は把持部が樹脂材料又はゴムから形成された歯科用ハンドピースに関する。 【背景技術】 【0002】 慣用の歯科用ハンドピース50としては、図6に示したような、ヘッド部51と把持部52と後端ケーシング53が組み立てられたものが知られている。この歯科用ハンドピース50では、ヘッド部51に、歯科処理工具54を受理して着脱自在に保持するスリーブ(図示せず)が内蔵され、把持部52に挿着するための接続ネック部55が後方に延設されている。また把持部52と後端ケーシング53は、それぞれ別部材として形成されて相互に接続されるか、或いは同一部材として一体成形されたものがある。これらヘッド部51、把持部52及び後端ケーシング53では、内部に設けられる給気管、給水管、光ファイバー或いはOリングなどの部品を除いて、ほとんどの部分がチタンやステンレス鋼などの金属材料から形成されている。 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記構成の歯科用ハンドピース50では、ヘッド部51のスリーブを高速回転させ、歯科処理工具54で患部を切削すると、ヘッド部51に振動が発生し、これが把持部52に伝達されたり、或いは把持部52が共振して振幅が大きくなることがある。 【0004】 本発明は上記従来技術の課題を解決せんとしたものであり、その目的は、ヘッド部で発生した振動が把持部に比較的伝わり難く、振動を減衰することが可能な歯科用ハンドピースを提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0005】 上記課題を解決するために、本発明では、歯科処置工具がスリーブに受理され、該スリーブが軸受部材により回転可能に支承され、該軸受部材及び該スリーブがヘッド部に収納され、該ヘッド部には後方に延びる接続ネック部が設けられ、該接続ネック部が把持部の先端に挿着され、該把持部の後端に後端ケーシングが固定され、前記ヘッド部及び前記後端ケーシングは実質的に金属材料から形成され、前記把持部はケーシングが実質的に樹脂材料又はゴムから形成され、前記把持部の内部に軸部材が挿通されて、該軸部材により前記ヘッド部と前記把持部との連結状態が補強されたものである歯科用ハンドピースが提供される。 ここで、ヘッド部が実質的に金属材料から形成されるとは、流体の漏れを防止するシール部材、流体を搬送する管路部材、光ファイバー、スリーブを回転させるためのローター部材及び軸受部材を除いた、主要な部分が金属材料から形成されることを意味する。後端ケーシングは全てが金属材料から形成されたものが使用される。また把持部のケーシングが実質的に樹脂材料又はゴムから形成されるとは、把持部ケーシングの後端開口に選択的に設ける環状の金属製受口部材を除いては、他の全ての部分が樹脂材料又はゴムから形成されることを意味するものである。 樹脂材料としては、耐熱性樹脂を使用することが好ましく、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK:polyetheretherketon)、ポリフェニレンサルファイド(PPS:polyphenylensulfide)、ポリエーテルサルフォン(PES:polyethersulfon)等の耐熱性樹脂を使用することができる。またゴムとしては耐熱性ゴムを使用することが好ましく、例えば、フッ素ゴム等の耐熱性ゴムを使用することができる。 以上のように、実質的に金属材料から形成されたヘッド部と後端ケーシングとの間に、樹脂材料又はゴムから形成された把持部のケーシングが設けられるため、ヘッド部で発生した振動は把持部のケーシングにおいて減衰される。また把持部のケーシングとヘッド部とは、固有振動数が相互に大きく異なる材料から形成されたものであるため、把持部における共振を抑制することができる。さらに、軸部材により、ヘッド部と把持部との連結状態が補強される一方で、この軸部材は把持部内に挿通されるものであるため、これによっても振動抑制効果が得られる。 【0006】 本発明の歯科用ハンドピースでは、前記把持部の後端に後端ケーシングを固定するための固定部材を設けても良い。この場合、固定部材には前記軸部材の後端を接続し、前記軸部材の先端は前記接続ネック部に接続することができる。 なお、軸部材の後端を固定する箇所は、固定部材に限定されるものではなく、例えば、後端ケーシング又は後端接続部の何れかの箇所に固定することが可能である。 【0007】 本発明の歯科用ハンドピースでは、前記固定部材を挿着するための受け部及び螺子山を有する金属製受口部材を前記把持部のケーシング後端に一体に設けることが可能である。 【0008】 本発明の歯科用ハンドピースでは、前記ヘッド部と前記把持部とが相対的に位置決めされるように、相互に係合する係合部を前記ヘッド部の接続ネック部と前記把持部の先端とにそれぞれ設けることが好ましい。これにより、前記ヘッド部と前記把持部とにおける相対的な位置決めに加えて、前記ヘッド部と前記把持部における相対的な回転方向への位置ずれも防止可能になる。 【発明の効果】 【0009】 本発明の歯科用ハンドピースでは、実質的に金属材料から形成されたヘッド部と後端ケーシングとの間に、実質的に樹脂材料又はゴムから形成された把持部のケーシングが設けられ、把持部内に挿設した軸部材によりヘッド部と把持部との連結状態が補強されるものであるため、ヘッド部と把持部とを確実に連結しながらも、把持部への振動伝達を効果的に抑制することが可能になった。 本発明における把持部ケーシングは樹脂材料又はゴムから形成されるものであるため、従来の金属製把持部と比べて、造形しやすく、人間工学的に有利な形状が容易に造形できる。また樹脂材料は金属材料に比べて摩擦係数が高いため、滑り難く、グリップ感の良い歯科用ハンドピースが製造可能になり、これにより施術者の疲労を低減することができる。さらに、把持部ケーシングの生地色も自由に選択することができるため、デザイン性に優れた色合いの歯科用ハンドピースの製造が容易になった。 【発明を実施するための最良の形態】 【0010】 以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。 【0011】 図1は本発明にかかる歯科用ハンドピース10の断面図であるが、ヘッド部11については外観を図示した。歯科用ハンドピース10はヘッド部11と把持部12と後端ケーシング13とを有し、ヘッド部11と把持部12との連結状態を補強するための軸部材14が把持部12の内部に挿通されている。ヘッド部11は実質的に金属材料から形成され、把持部12のケーシング12aは実質的に樹脂材料又はゴムから形成され、後端ケーシング13は金属材料から形成されている。 【0012】 ここで、ヘッド部11には、図2に示したように接続ネック部11aが後方に延設され、ヘッド部11と把持部12との連結補強のための軸部材14が、接続ネック部11aに固定される。すなわち、接続ネック部11aの外周面には、図3にも示したように、固定ピン15を挿着する溝11bが穿設され、端面11cから溝11bに貫通する孔11dが穿設され、固定ピン15には軸部材14を螺合させるための螺子孔が形成されている。一方、軸部材14には、図1に示したように、先端と後端にそれぞれ外螺子14a,14bが形成されている。これらの構成により、溝11bに固定ピン15を挿着し、軸部材14の先端の外螺子14aを孔11dから挿入して固定ピン15の螺子孔にねじ入れれば、軸部材14は接続ネック部11aに固定される。 接続ネック部11aにはOリング16が環装され、光ファイバーの束17、圧縮空気供給管18、噴射用水供給管19a及び噴射用空気供給管19bが接続され、これら複数の供給管等が把持部12と後端ケーシング13の内部に挿通される。また接続ネック部11aには、図3に示したように、光ファイバーの束17を配置するための光ファイバー収容部11eが形成されており、この光ファイバー収容部11eの両下端11fは、把持部12と係合する係合部11fとして機能する。 なお、ヘッド部11には、図示はしないが、歯科処置工具20を着脱自在に保持するバースリーブ、圧縮空気を受けてバースリーブを回転駆動するためバースリーブに設けられたローター、バースリーブを回転可能に支承するための軸受部材などがヘッドハウジング内に設けられている。 【0013】 次に、図4は把持部ケーシング12aの断面図である。 把持部ケーシング12aは、後端に金属製受口部材12bが一体に取り付けられたものであり、これを除いた部分は、樹脂材料又はゴムがモールド成形されたものであり、このような構成から把持部ケーシング12aは実質的に樹脂材料又はゴムから形成されたものであると言える。金属製受口部材12bは中間の所定部分に複数の孔12cを有し、ケーシング12aのモールド成形時に、これら複数の孔12cに樹脂材料又はゴムが入り込んで固化し、これがボス12dとなって金属製受口部材12bをケーシング12aに一体化するものである。また金属製受口部材12bには、先端付近に段差部12eが形成され、後端付近に内螺子12fが形成されている。 把持部ケーシング12aの先端内部では、図3及び図4において、符号12gで示した部分に凸状に段差12gが形成されており、この凸状段差12gが、上述した光ファイバー収容部11eにおける係合部11fと係合する。このように両部材が係合することにより、ヘッド部11の接続ネック部11aを、把持部ケーシング12aの先端に装着するときに位置決めが容易になり、しかも、ヘッド部11の接続ネック部11aが把持部ケーシング12a内において回転方向に位置ずれしないように規制できる。 【0014】 図5は、歯科用ハンドピース10の後端部の拡大断面図である。 後端ケーシング13は内周面に内螺子13aが設けられている。後端ケーシング13と把持部ケーシング12aとの接続部には、複数の固定部材21a〜21cが設けられ、後端接続部(カップリング部材22)や軸部材14が固定される。 すなわち、把持部ケーシング12aの金属製受口部材12bには、その段差部12eに係合するように環状の第一の固定部材21aが挿着され、この第一の固定部材21aに当接するように環状の第二の固定部材21bが挿着され、この第二の固定部材21bと金属製受口部材12bの隙間に第三の固定部材21cが挿入される。 第二の固定部材21bには、軸部材14の後端外螺子14bを挿通するための孔21dが設けられており、この後端外螺子14bにナット22を螺合させて、ここに軸部材14の後端が固定される。また第三の固定部材21cは前端部と後端部に外螺子21e,21fを有し、後端に内フランジ21gが設けられ、前端部の外螺子21eは金属製受口部材12bの内螺子12fと螺合され、後端部の外螺子21fは後端ケーシング13の内螺子13aと螺合され、後端の内フランジ21gはカップリング部材22を第二の固定部材21bと共に挟んで固定する。 なお、本実施の形態では、第二の固定部材21bを軸部材14の後端を固定する箇所として例示したが、この固定箇所は、これに限定されるものではなく、例えば、後端ケーシング13や、別途設ける他の部材等に固定することが可能である。 【0015】 以上のように、本発明にかかる歯科用ハンドピース10では、把持部ケーシング12aに挿設された軸部材14により、実質的に金属材料から形成されたヘッド部11と、実質的に樹脂材料又はゴムから形成された把持部ケーシング12aとの連結状態を確実に維持することが可能になった。このような材料からなる両部材11,12aは、特に、歯科処置工具20を回転駆動したときの連結状態の維持が課題になるものであるが、これは軸部材14により解決される。 本発明にかかる歯科用ハンドピース10は、把持部ケーシング12aがヘッド部11に確実に連結されたものでありながら、これを、従来の歯科用ハンドピース、すなわち、実質的に金属材料から形成された各ケーシングがそれぞれ螺合連結された従来の歯科用ハンドピースと比較しても、把持部ケーシング12aに伝達される振動は大幅に減衰される。 【図面の簡単な説明】 【0016】 【図1】本発明にかかる歯科用ハンドピースの断面図である。 【図2】本発明にかかる歯科用ハンドピースのヘッド部の側面図である。 【図3】図1におけるA−A線に沿った断面図である。 【図4】本発明にかかる歯科用ハンドピースの把持部ケーシングの断面図である。 【図5】本発明にかかる歯科用ハンドピースの後端の拡大断面図である。 【図6】従来の歯科用ハンドピースを説明するための側面図である。 【符号の説明】 【0017】 10 歯科用ハンドピース 11 ヘッド部 11a 接続ネック部 11f 係合部 12 把持部 12a 把持部ケーシング 12b 金属製受口部材 12g 凸状段差(係合部) 13 後端ケーシング 14 軸部材 20 歯科処置工具 21a〜21c 固定部材
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| 【出願人】 |
【識別番号】000150327 【氏名又は名称】株式会社ナカニシ
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| 【出願日】 |
平成17年9月29日(2005.9.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100081514 【弁理士】 【氏名又は名称】酒井 一
【識別番号】100082692 【弁理士】 【氏名又は名称】蔵合 正博
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| 【公開番号】 |
特開2007−89866(P2007−89866A) |
| 【公開日】 |
平成19年4月12日(2007.4.12) |
| 【出願番号】 |
特願2005−284134(P2005−284134) |
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