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【発明の名称】 バーホールボタン
【発明者】 【氏名】井上 晃

【要約】 【課題】頭蓋骨の外面から外側に突出することを防止し、開頭部から頭蓋骨弁が脳側に落ち込まないように支持する。

【解決手段】頭蓋骨4から頭蓋骨弁5を切り出す開頭手術において生じる穿孔2を閉塞するためのバーホールボタン1であって、穿孔2と略同径の外径寸法を有する円筒状の本体部1aと、該本体部1aの長手方向の途中位置から半径方向に延び、頭蓋骨4を構成する2層の皮質骨4a,4b間に挿入され、本体部1aを頭蓋骨4に固定する第1の突起1bと、本体部1aの長手方向の途中位置から半径方向に延び、頭蓋骨弁5を載置させる第2の突起1bとを備えるバーホールボタン1を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭蓋骨から頭蓋骨弁を切り出す開頭手術において生じる穿孔を閉塞するためのバーホールボタンであって、
前記穿孔と略同径の外径寸法を有する円筒状の本体部と、
該本体部の長手方向の途中位置から半径方向に延び、頭蓋骨を構成する2層の皮質骨間に挿入され、前記本体部を頭蓋骨に固定する第1の突起と、
前記本体部の長手方向の途中位置から半径方向に延び、前記頭蓋骨弁を載置させる第2の突起とを備えるバーホールボタン。
【請求項2】
前記第1の突起と前記第2の突起とが一体的にフランジ状に形成されている請求項1に記載のバーホールボタン。
【発明の詳細な説明】【技術分野】
【0001】
本発明は、開頭手術の際に切り出される頭蓋骨弁を術後に開頭部へ固定するのに用いられるバーホールボタンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バーホールボタンとしては、例えば、特許文献1,特許文献2に開示されているものがある。
特許文献1のバーホールボタンは、リン酸カルシウム等によりテーパ状に形成されたものであり、開頭手術時に形成した穿孔に挿入する底面側が小さく天面側に向けて大きくなる形状を有している。これにより、バーホールボタンを穿孔に挿入して、そのテーパ面を穿孔内面に押し付けることで、頭蓋骨から切除された頭蓋骨弁を開頭部に強固に固定するようにしている。
また、特許文献2のバーホールボタンは、略キノコ型に形成され、開頭手術の際に形成された穿孔に挿入されるようになっている。
【特許文献1】特開平5−237137号公報
【特許文献2】特開平9−290026号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これら特許文献1,2に開示されたバーホールボタンは、いずれも、開頭手術時に頭蓋骨に形成された開頭部に、該開頭部から切り出された頭蓋骨弁を挿入配置した状態で、頭蓋骨の外側から穿孔内に挿入する構造のものであり、テーパ状に形成されたバーホールボタンの天面部分あるいは、略キノコ型に形成されたバーホールボタンの円板状部分が頭蓋骨の外面よりも外側に突出してしまうという問題がある。
このため、開頭手術後に頭皮が治癒しても、バーホールボタンが配置されている部分の頭部形状は瘤のように突出してしまう不都合がある。
【0004】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、頭蓋骨の外面から外側に突出することを防止し、開頭部から頭蓋骨弁が脳側に落ち込まないように支持することができるバーホールボタンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、頭蓋骨から頭蓋骨弁を切り出す開頭手術において生じる穿孔を閉塞するためのバーホールボタンであって、前記穿孔と略同径の外径寸法を有する円筒状の本体部と、該本体部の長手方向の途中位置から半径方向に延び、頭蓋骨を構成する2層の皮質骨間に挿入され、前記本体部を頭蓋骨に固定する第1の突起と、前記本体部の長手方向の途中位置から半径方向に延び、前記頭蓋骨弁を載置させる第2の突起とを備えるバーホールボタンを提供する。
【0006】
本発明によれば、頭蓋骨から頭蓋骨弁を切り出した開頭部の内側縁部に露出している頭蓋骨の切断面に対し、該頭蓋骨を構成している2層の皮質骨間(髄腔内)に第1の突起を挿入して、本体部を穿孔に一致させることにより、本体部が穿孔の内面に密着するようにして頭蓋骨に支持される。従来のように頭蓋骨の外側からバーホールボタンを穿孔に押し込む場合と比較すると、開頭部の内側縁部から半径方向に第1の突起を挿入するので、本体部の長さを調節しておくことで、頭蓋骨の外面からバーホールボタンが突出することを防止できる。
【0007】
穿孔は、通常、複数箇所に設けられるので、全ての穿孔位置にバーホールボタンを取り付けた状態で、頭蓋骨の外側から頭蓋骨弁を開頭部に嵌め込む。開頭部には、穿孔位置に取り付けられたバーホールボタンの本体部から半径方向に第2の突起が突出しているので、嵌め込まれた頭蓋骨弁が第2の突起に搭載され、脳側に落ち込まないように支持される。これにより、頭皮が治癒した後に、バーホールボタンに対応する部分に瘤のような突起が形成されてしまうことを防止できる。
【0008】
上記発明においては、前記第1の突起と前記第2の突起とが一体的にフランジ状に形成されていることとしてもよい。
このようにすることで、簡易な形状で、頭蓋骨弁を支持し、頭蓋骨の外面から突出しないように埋め込まれるバーホールボタンを提供することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、頭蓋骨の外面から外側に突出することを防止し、開頭部から頭蓋骨弁が脳側に落ち込まないように支持することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施形態に係るバーホールボタン1について、図1〜図10を参照して以下に説明する。
本実施形態に係るバーホールボタン1は、図1に示されるように、開頭手術の際にドリル等により形成される穿孔(ドリルホール)2を埋めるように配置される部材である。開頭部3は、図2に示されるように、頭蓋骨4に対し、例えば、3カ所にドリル等により穿孔2を形成し、これらの穿孔2間を骨切り用線鋸等で切断し、頭蓋骨弁5を切り出すことにより形成される。
【0011】
本実施形態に係るバーホールボタン1は、図1に示されるように、略円柱状の本体部1aと、該本体部1aの長手方向の略中央位置から全周にわたって半径方向に延びる外鍔部(第1の突起、第2の突起)1bとを備えている。バーホールボタン1は、例えば、リン酸カルシウム系セラミック材料により構成されている。なお、材質についてはこれに限定されるものではなく、他の任意の生体適合性材料を採用することができる。
【0012】
本体部1aの外径寸法は、前記開頭部3に形成される穿孔2の内径寸法とほぼ同等に形成されている。また、本体部1aの長さ寸法は、頭蓋骨4の厚さ寸法とほぼ同等に設定されている。また、頭蓋骨4は、間隔をあけた2層の皮質骨4a,4bにより構成されており、前記外鍔部1bの厚さ寸法は、2層の皮質骨4a,4bの間の間隙4cの幅寸法とほぼ同等に設定されている。
【0013】
このように構成された本実施形態に係るバーホールボタン1の作用について、以下に説明する。
本実施形態に係るバーホールボタン1を用いて頭蓋骨弁5を開頭部3に取り付けるには、図3および図4に示されるように、頭蓋骨弁5が取り外された状態の開頭部3の内側縁部に露出する穿孔2部分の切断面に対してバーホールボタン1を近接させ、2層の皮質骨4a,4b間にあいている間隙4cにバーホールボタン1の外鍔部1bを挿入する。
【0014】
これにより、図5および図6に示されるように、外鍔部1bが2層の皮質骨4a,4b間の間隙4cに嵌合し、本体部1a外面が穿孔2の内面に密着するように配置される。その結果、外鍔部1bの一部が皮質骨4a,4b間の間4cに嵌合する第1の突起として機能し、図6に示されるように、外鍔部1bの他の部分が開頭部3の内側に向けて突出する第2の突起として機能するように配置される。
【0015】
一方、頭蓋骨弁5も、頭蓋骨4の一部であるため、2層の皮質骨5a,5bを備えるので、図7に示されるように、開頭部3に嵌め込まれるときに脳側に配されることとなる皮質骨5bに、前記外鍔部1bの外径寸法より若干大きな切欠6を形成しておく。
そして、図8に示されるように、頭蓋骨弁5を、切欠6を設けた皮質骨5b側から開頭部3に近接させ、開頭部3に突出しているバーホールボタン1の外鍔部1bに載せる。
【0016】
これにより、図9に示されるように、頭蓋骨弁5の下側の皮質骨5bが、切欠6によってバーホールボタン1の外鍔部1bに干渉することなく脳側に通過し、切欠6が形成されていない上側の皮質骨5aが、外鍔部1bの上面に干渉して載置されることになる。
その結果、図10に示されるように、バーホールボタン1の本体部1aによって穿孔2が閉塞され、それ以外の開頭部3が頭蓋骨弁5によって閉塞される。
【0017】
この場合において、本実施形態に係るバーホールボタン1によれば、従来のバーホールボタンとは異なり、頭蓋骨4の外側から穿孔2内に挿入するものではなく、開頭部3の内側縁部に露出している髄腔内に外鍔部1bを挿入することで頭蓋骨4に固定するものであるため、頭蓋骨4の外面から本体部1aが突出しないように頭蓋骨4に固定することができる。したがって、開頭手術後に、頭皮が治癒した状態においては、バーホールボタン1が埋設された部分が瘤のように突出することを防止することができるという利点がある。
【0018】
なお、本実施形態においては、本体部1aを頭蓋骨4に支持させるための第1の突起と、頭蓋骨弁5を載置するための第2の突起とを一体化して同一の外鍔部1bにより構成したが、これに代えて、これらを別個に設けることとしてもよい。また、図1に示されるような単純な構造とすることで、製造容易であり安価に提供することができるが、頭蓋骨弁5設けた切欠6部分に空洞が形成されてしまうことになるため、図11および図12に示されるように、切欠6部分を埋める形状にバーホールボタン1を形成することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るバーホールボタンを示す斜視図である。
【図2】図1のバーホールボタンを装着する開頭部の一例を示す平面図である。
【図3】図2の開頭部にバーホールボタンを装着する作業を説明する縦断面図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図1のバーホールボタンを開頭部に装着した状態を示す縦断面図である。
【図6】図5の平面図である。
【図7】頭蓋骨弁の一例を示す図である。
【図8】頭蓋骨弁を取り付ける作業を説明する縦断面図である。
【図9】頭蓋骨弁を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図10】図9の平面図である。
【図11】図1のバーホールボタンの変形例を示す斜視図である。
【図12】図11のバーホールボタンにより頭蓋骨弁を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0020】
1 バーホールボタン
1a 本体部
1b 外鍔部(第1の突起,第2の突起)
2 穿孔
4 頭蓋骨
4a,4b 皮質骨
5 頭蓋骨弁
【出願人】 【識別番号】304050912
【氏名又は名称】オリンパステルモバイオマテリアル株式会社
【出願日】 平成18年6月16日(2006.6.16)
【代理人】 【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生

【識別番号】100112737
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 考晴


【公開番号】 特開2007−330621(P2007−330621A)
【公開日】 平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願番号】 特願2006−167939(P2006−167939)